JP7286225B2 - 光導波路デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
また、強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成した後、強誘電性結晶基板の表面にレーザーアブレーションや研削加工によって少なくとも一対のリッジ溝を形成し、リッジ溝の間にリッジ型光導波路を設けることが知られている(特許文献1)。こうした高調波発生素子を製造するには、光導波路基板内に周期分極反転構造を形成し、次いで光導波路基板の主面に光導波路および実装用電極を設ける。
すなわち、光導波路基板内に周期分極反転構造を形成した後、光導波路基板の主面に光導波路を形成し,次いで光導波路の両側に実装用電極を設けてみた。
この光導波路基板の主面に設けられた光導波路、および
前記光導波路基板の前記主面上に設けられた実装用電極
を備える光導波路デバイスを製造する方法であって、
前記光導波路基板の前記主面上にバッファ層を形成する工程、
次いで前記光導波路基板のうち電極形成領域において前記バッファ層を除去して前記主面を露出させ、かつ前記光導波路上の前記バッファ層を残留させる工程、
次いで前記光導波路基板の電極形成領域の主面上および前記光導波路上の前記バッファ層上に金属層を設ける工程
次いで少なくとも電極形成領域において前記金属層上にレジストを形成する工程、
次いで前記光導波路上の前記バッファ層および前記金属層を除去することで前記実装用電極を形成する工程、および
次いで前記電極形成領域において前記レジストを除去することによって、前記実装用電極を露出させる工程
を有することを特徴とする。
図1は光導波路デバイス1を模式的に示す斜視図である。
光導波路基板3の主面3a側にはリッジ型光導波路10が形成されている。光導波路10は、一対の溝5A、5Bと、これら溝によって形成されたリッジ部4からなる。また、光導波路10の両側にはそれぞれ実装用電極6A、6Bが設けられている。光導波路基板3の他方の主面は別体の支持基板2に対して接合され、一体化されている。なお、Eは電極形成領域であり、Wは光導波路形成領域である。
実装基板7の表面には実装用の金属パターン8が設けられている。金属パターン8は、光導波路デバイス1の実装用電極6A、6Bに対して、接合体9を通して接合される。本例では、光導波路の直下において実装基板7に空隙7aが形成されている。これによって、光導波路のリッジ部からの漏れ光が実装基板7に染み出すことが少なくなるので、実装後の素子で安定した特性が得られる。本例では、実装基板7の空隙7aを形成したものを示したが、接合体9を厚み1um以上として実装できる場合は、空隙7aが無い状態でも、漏れ光の実装基板への染み出しが少なく、安定した特性が得られる。
図3(a)に示すように,光導波路基板3の主面3a側には光導波路10が形成されており、光導波路基板3の他方の主面3bは支持基板2に接合されている。なお、支持基板2は必須ではない。本例では、光導波路10がリッジ型光導波路であり、一対の溝5A、5Bとリッジ部4を有する。
次いで、少なくとも電極形成領域Eにおいて金属層12上にレジスト13を形成する(図4(b))。この際、光導波路10上の金属層12上にはレジスト13を設けないようにし、金属層12を露出させる。
次いで、図5(b)に示すように、電極形成領域Eにおいてレジスト13を除去することによって、実装用電極6A、6Bを露出させることで、光導波路デバイス1を得る。
また、光導波路基板の材質は、強誘電性結晶であることが好ましく、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム-タンタル酸リチウム固溶体、K3Li2Nb5O15、La3Ga5SiO14を例示できる。強誘電性結晶は単結晶であることが特に好ましい。
また、本発明の光導波路デバイスは、差周波発生や和周波発生素子に適用することも可能である。
好適な実施形態においては、実装用電極6A、6Bが、光導波路基板3の主面に接する下地層と、下地層上に設けられた電極層とを有する。電極層の材質が光導波路基板に対して強固に接合しにくい材質である場合には、下地層を設けることで電極層の光導波路基板に対する接合性、密着性を改善できるので有利である。
この中で、パターニングが容易な下地層の材質としてCr、電極層(表層)の材質としてAuという組み合わせが一番扱いやすい。
図1および図3~5を参照しつつ説明した手順に従って、光導波路デバイス1を試作した。
具体的には、厚さ300μmのMgOドープニオブ酸リチウム単結晶からなる強誘電性結晶基板に、電圧印加法によって周期状分極反転構造を形成した。この強誘電性結晶基板の主面にSiO2のクラッド層を厚さ0.4μm成膜した。さらにクラッド層に接着剤をスピンコートにより塗布し、厚さ1mmのノンドープニオブ酸リチウムからなる支持基板2に接合した。次いで、強誘電性結晶基板の主面を厚さ3.5μmとなるまで研削、研磨で加工し、光導波路基板2を形成した。
次いで、電極形成領域Eにおいて金属層12上にレジスト13を成膜し、エッチングを行うことで、光導波路形成領域Wおよび間隙Sにおいて金属層12およびバッファ層11を除去し、主面を露出させるとともに、実装用電極6A、6Bをパターニングした(図5(a)。)次いで、実装用電極上のレジスト13を除去し、図5(b)に示す光導波路デバイス1を得た。
比較し易くするため、実施例で作製した素子に隣接する距離1mm未満の位置に、リッジ型導波路10を形成した。次いで、実施例と異なり、バッファ層11を形成せずに、光導波路基板3の主面3a上に金属層12を直接成膜した。金属層12は、クロムからなる厚さ20nmの下地層と、金からなる厚さ200nmの電極層からなる。
次いで、電極形成領域Eにおいて金属層12上にレジスト13を成膜し、エッチングを行うことで、光導波路形成領域Wおよび間隙Sにおいて金属層12を除去し、主面を露出させるとともに、実装用電極6A、6Bをパターニングした。次いで、実装用電極上のレジストを除去し、光導波路デバイスを得た。
得られた素子のリッジ型光導波路に対して基本光(波長976.4nm、出力100mW)を入射させたところ、波長変換光の波長は488.2nmであった。
さらに比較例2として、バッファ層、実装用電極を形成しない素子を用意した。すなわち、実施例および比較例1の素子に近い位置で、かつ特に比較例1の素子から2mm以内の距離に、光導波路10を形成した。次いで、バッファ層や実装用金属が表面に成膜されないように、金属マスクを表面に設置して作製した。
次いで、実施例、比較例1と同様に8mmの長さの素子を用意し、反射防止膜を形成した。
得られた素子のリッジ型光導波路に対して基本光(波長975.8nm、出力100mW)を入射させたところ、波長変換光の波長は487.9nmであり、実施例1と同じ波長で位相整合した。
ダイナミックSIMSによって測定した。この結果を図6に示す。
図6に示すように、光導波路基板3の主面から深さ60nmほどの領域においては、クロムが基板内部に内拡散していることが判明した。これによって光導波路10における特性、特に屈折率が僅かに変動し、位相整合波長にズレが生じたものと考えられる。
Claims (5)
- 光導波路基板、
この光導波路基板の主面に設けられた光導波路、および
前記光導波路基板の前記主面上に設けられた実装用電極
を備える光導波路デバイスを製造する方法であって、
前記光導波路基板の前記主面上にバッファ層を形成する工程、
次いで前記光導波路基板のうち電極形成領域において前記バッファ層を除去して前記主面を露出させ、かつ前記光導波路上の前記バッファ層を残留させる工程、
次いで前記光導波路基板の前記電極形成領域の主面上および前記光導波路上の前記バッファ層上に金属層を設ける工程
次いで少なくとも前記電極形成領域において前記金属層上にレジストを形成する工程、
次いで前記光導波路上の前記バッファ層および前記金属層を除去して前記実装用電極を形成する工程、および
次いで前記電極形成領域において前記レジストを除去することによって、前記実装用電極を露出させる工程
を有することを特徴とする、光導波路デバイスの製造方法。 - 前記実装用電極が、前記光導波路基板の前記主面に接する下地層と、前記下地層上に設けられた電極層とを有することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
- 前記下地層が純クロムまたはクロム合金からなることを特徴とする、請求項2記載の光導波路デバイスの製造方法。
- 前記光導波路デバイスが高調波発生素子であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つの請求項に記載の製造方法。
- 前記光導波路内に周期分極反転構造が形成されていることを特徴とする、請求項4記載の製造方法。
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