JP7285848B2 - 化粧品における環状ペプチドの使用 - Google Patents
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Description
R1は、アミノ酸の側鎖基であり;
X=NH、または、プロリンの場合にはX=Nを満たし、かつ、R1は、5原子環の一部であり;
nは、最大で15個のアミノ酸、好ましくは最大で12個のアミノ酸、より好ましくは最大で9個のアミノ酸、より好ましくは8個または9個のアミノ酸からなる環状ペプチドを形成するように、3から13、好ましくは3から11、より好ましくは6または7である。アミノ酸が15を超える場合、環状ペプチドは、製造コストが高すぎて、および/または、かさばりすぎて、皮膚に移植することができない場合がある。
真皮の、密度および厚さの喪失、ならびにしわの出現は、真皮線維芽細胞によるこれらの高分子の合成が加齢に伴って減少することに関連している。コラーゲンIは、真皮に最も多く含まれているタンパク質である。コラーゲンIは、緻密で張りのある肌を持つために欠かせない成分である。エラスチンは、真皮の細胞外空間で合成され、分泌される。エラスチンは、弾性繊維の90%までの主成分を構成している。これらの成分の回復が不十分であることによって真皮の質が弱くなると、皮膚の付属器の、支持力および保護力が低下する。そして、それらの周辺の被覆が減少することによって、血管がより目立ち、脆弱になり、毛穴がより目立ちやすくなる。これは、皮膚の均質性および質感に悪影響を及ぼす。
これらの分子の合成が減少すると、メラノサイト、ケラチノサイト、およびDEJ間の連絡が悪くなり、組織の柔軟性が低下する。逆に、これらの分子の適切な合成は、DEJを回復/強化するのに役立つ。コラーゲンIVは、二次元ネットワークを形成し、DEJの主要な構成要素の一つである。ラミニンも、基底層に含まれており、細胞表面を基底膜へ固定することに関与している。DEJのこれら2つの重要な成分はともに、基底膜のケラチノサイトにより良い固定を確保し、表皮の柔軟性を維持するのに役立つ。
真皮およびDEJにおけるこれらのタンパク質の合成を刺激することによって、主に力学的特性の点で、皮膚の、装飾および通常の状態における結果を得ることが可能になる:すなわち、皮膚は、より緻密で、再度張りが出て、より張りがあり、より強壮で、より柔軟で、かつより弾力的であると同時に、その結果として、視覚的なレベルでは、より均質で滑らかな肌の質感をも持つ。
毛穴のサイズを小さくし、毛穴を目立たなくする(肌はより規則的なキメを持ち、より滑らかに見える)ため、および、必要に応じて、脂性肌に特徴的な、ギラツキのある外観を減少させることに貢献するため。
この活性は、敏感肌および赤みの不快感を軽減する効果を有する。
ストラティフィンは、最近発見された、表皮で合成され、その後真皮内で見られるタンパク質であり、その成分に負の作用をする。ケラチノサイトによるこのタンパク質の産生は、早期老化を進行させることが知られている酸化条件下(例えば、紫外線(UV)タイプのストレス)で増加する。ストラティフィンは、真皮への移行後、一方では真皮タンパク質を攻撃するプロテアーゼ(特に、MMP-1およびMMP-2)の線維芽細胞による産生を引き起こし、他方では、コラーゲンタイプIのmRNAおよびフィブロネクチンの産生を減少させる。したがって、ストラティフィンの増加は、支持組織の質を低下させ、早期老化につながる。したがって、ストラティフィンの産生を制限することは興味深い。
これらのタンパク質は、エネルギーの産生、細胞質とミトコンドリアとの間の代謝物の輸送、および酸化ストレスに対する防御に関与している。これらのタンパク質の合成は、加齢とともに(量および質が)減少する。したがって、肌の老化に対抗するには、これらのタンパク質の産生を積極的に調節する必要がある。
・少なくとも1つのロイシン;および/または
・少なくとも2つのフェニルアラニンおよび/または少なくとも2つのプロリン;および/または
・少なくとも1つのPro-Phe-Phe配列;および/または
・少なくとも1つのPro-Pro-Phe-Phe配列;および/または
・1つのIle-Met-LeuまたはVal-Met-Leu配列;および/または
・2つのメチオニン;および/または
・1つのトリプトファン;および/または
・Pro-Phe-Phe-Trp配列
を含む。
・Cyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・Cyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5;図1参照);
・Cyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
・Cyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7);
・Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8);および
・Cyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)。
・Cyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・Cyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);および
・Cyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
より具体的には、混合物は、有利には、これら3つの環状ペプチドを、特に、環状ペプチドの前記混合物の総重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%含む。
・Cyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7);
・Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8);および
・Cyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して残りの重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7)、Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8)、およびCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)の環状ペプチドの混合物。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して約15から25重量%を占めるCyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して残りの重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7)、Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8)、およびCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)の環状ペプチドの混合物。
・Pentapharm社から販売されている、バイアロックス(Vialox)(商標)(INCI名=ペンタペプチド-3(アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、およびプロリンを含む合成ペプチド))、シン-Aake(Syn-Aake)(商標)(β-Ala-Pro-Dab-NH-Bzl)またはシン-コル(Syn-Coll)(商標)(Pal-Lys-Val-Lys-OH);
・Lipotec社から販売されている、アルジルリン(Argireline)(商標)(Ac-Glu-Glu-Met-Gln-Arg-Arg-NH2(INCI名=アセチルヘキサペプチド-3))(SEQ ID NO:28)、ルーファシル(Leuphasyl)(商標)(Tyr-D-Ala-Gly-Phe-Leu)(SEQ ID NO:29)、アルデニン(Aldenine)(商標)(Gly-His-Lys)、トリラーゲン(Trylagen)(商標)(INCI名=シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド-10シトルリン(シトルリンとトリペプチド-10(アスパラギン酸、イソロイシン、およびリジンからなる合成ペプチド)の反応生成物)、トリペプチド-1)、アイセリル(Eyeseryl)(商標)(Ac-β-Ala-His-Ser-His)(SEQ ID NO:30)、セリレシン(Serilesine)(商標)(Ser-Ile-Lys-Val-Ala-Val)(SEQ ID NO31)またはデコリニル(Decorinyl)(商標)(INCI名:トリペプチド-10シトルリン=シトルリンとトリペプチド-10(アスパラギン酸、イソロイシン、リジンからなる合成ペプチド)の反応生成物;
・Vincience社から販売されている、コラキシル(Collaxyl)(商標)(Gly-Pro-Gln-Gly-Pro-Gln(SEQ ID NO:32))またはクインテスシン(Quintescine)(商標)(Cys-Gly);
・Les Laboratoires Serobiologiques/Cognis社から販売されている、サイトキノール(Cytokinol)(商標)LS(カゼイン加水分解物);
・欧州生物学研究所(L'Institut Europeen de Biologie Cellulaire)から販売されている、コラレン(Kollaren)(商標)(Gly-His-Lys)、IP2000(商標)(Pal-Val-Tyr-Val)またはメディプレン(Meliprene)(商標)(INCI名=モノフルオロヘプタペプチド-1:酢酸と、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン、ノルロイシン、p-フルオロフェニルアラニンおよびトリプトファンを含む合成ペプチドとの反応生成物);
・Introvations社から販売されている、ニュートラゼン(Neutrazen)(商標)(Pal-His-D-Phe-Arg-NH2);
・lnfinitec Activos社から販売されているボント-L-ペプチド(BONT-L-Peptide)(商標)(INCI名=パルミトイルヘキサペプチド-19:パルミチン酸とヘキサペプチド-19(アスパラギン、アスパラギン酸、リジンおよびメチオニンからなる合成ペプチド)との反応生成物)、Timp-ペプチド(Timp-Peptide)(商標)(INCI名=アセチルヘキサペプチド-20:ヘキサペプチド-20(アラニン、グリシン、リジン、バリンおよびプロリンからなる合成ペプチド)のアセチル化によって得られた反応生成物))、又はECMモジューリン(ECM Moduline)(商標)(INCI名=パルミトイルトリペプチド-28:パルミチン酸とトリペプチド-28(アルギニン、リジンおよびフェニルアラニンからなる合成ペプチド)との反応生成物))。
亜麻種子をオイルプレスで粉砕し、水性エタノールで抽出する。次に、その混合物を、翼板または他の適当な手段で約1時間撹拌する。その懸濁液を3から5日間で、2相に分離させる。使用済み油(環状ペプチドは含まれない)とエタノールとの画分を分離する。油性画分を除去する。エタノールを真空下で蒸発させる。本発明に係る環状ペプチドの混合物を構成する固体残渣を回収し、乾燥させ、微粉末に粉砕する。
-3つの環状ペプチドが主である:リヌソルブ(Linusorb)B1(SEQ ID NO:4)、リヌソルブB2(図1に例示目的で示され、かつSEQ ID NO:5)、およびリヌソルブB3(SEQ ID NO:6)であり;これらはそれぞれ、22%、21%および23%であるので、環状ペプチドの混合物の総重量に対して合計65重量%を占める;
-他の3つの環状ペプチドは、より小さい割合で、リヌソルブA1(SEQ ID NO:7)、リヌソルブA2(SEQ ID NO:8)およびリヌソルブA3(SEQ ID NO:9)であり、環状ペプチドの混合物の総重量に対して35重量%を占める。
1/環状ペプチドの混合物に基づく成分の調製
活性剤:本発明に係る環状ペプチドの混合物1000ppm。その調整は上記A)に記載されている。
賦形剤:脂肪性賦形剤、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドタイプのエステル化油。
手順:活性剤を、脂肪性賦形剤中で中程度の撹拌をしながら、高温で可溶化する。
上記に開示されているように、環状ペプチドの本発明に係る混合物は、有利には、セロリ種子の超臨界CO2抽出物と組み合わせることができる。
賦形剤:界面活性剤(例えば、ソルビタントリオレート)の存在下での脂肪性賦形剤(例えばカプリル/カプリン酸トリグリセリド型のエステル化油)。
手順:A)で製造された本発明に係る環状ペプチドの混合物は、界面活性剤の存在下で、脂肪性賦形剤の一部の中で、中程度の撹拌をしながら、高温で可溶化される。冷却せずに、室温まで攪拌を続けながら、脂肪性賦形剤の残りを添加する。その後、セロリ種子の超臨界CO2抽出物を中程度の撹拌下で可溶化する。
これらは、以下の3つの異なる段階で実施された。
1)本発明に係る環状ペプチドの混合物(上記のA)で調製したもの)の効果
2)比較試験:純粋な環状ペプチドを環状ペプチドの混合物と比較
3)環状ペプチド混合物とセロリ種子のCO2超臨界抽出物との組み合わせの効果
1.1/真皮の緻密化効果/支持組織の強化
80歳の人の真皮は、長い繊維のコラーゲンを有する20-30歳の人に比べて、4倍以上の断片化したコラーゲンを含む。この断片化によって、細胞がマトリックスと維持している相互作用を最大80%まで減少させる。皮膚に最も多く含まれるタンパク質であるコラーゲン-Iおよびエラスチンなどを含む支持タンパク質の、真皮線維芽細胞による産生量は、加齢とともに減少する。
2つの補完的な方法が用いられた。真皮由来のヒト線維芽細胞(HDF)を、その生理機能および増殖に必要な成長因子を供給する培地で播種した。細胞がコンフルエントに達したとき、細胞に、試験品を添加した。3日間の接触後、培地を除去し、細胞によって産生されたエラスチンの量をELISA法(n=5)で測定し、試験品溶媒(コントロール)で得られた量と比較した(下記表1)。
表1:本発明に係る環状ペプチドの混合物との接触後におけるHDFによるエラスチン産生の変化
ラミニンは、DEJの部位において重要である。ラミニンは、基底層の一部であり、基底ケラチノサイトを基底膜上に適切に固定し、表皮の柔軟性に関与している。さらに、ラミニンは、ケラチノサイトの増殖を刺激し、ケラチノサイトを分化に関与させることを可能にする。ラミニンは、古い細胞では、若い細胞と同じように効率的に入れ替わることができないため、より良い再生のためにケラチノサイトの生合成を刺激することが注目されている。
培地の溶液中で、本発明に係る環状ペプチドの混合物を、HDFと接触させた。ラミニンおよびコラーゲンIVの分析を培地上で行った;その結果は、マット上に存在する細胞の数に還元した。
表3:本発明に係る環状ペプチドの混合物の異なる濃度での接触後における、HDFによるラミニン産生の変化;ELISA法(n=4)。
敏感肌および刺激性肌の特徴は、サイトカイン、炎症誘発性ペプチド(例えば、IL-8、IL-6)、および炎症誘発性脂質(例えば、PGE-2)の分泌が異常に多いことである。
HDFを、コンフルエントなマットが得られるまで増殖させる。この段階で、HDFを試験品と24時間接触させた後、マットにUVBを照射し、再び試験品と24時間接触させた。PGE-2およびIL-8の合成量は、ELISA法によって培養上清中で測定された。データを正規化するために、細胞数を評価した。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。
表5:本発明に係る環状ペプチドの混合物の異なる濃度での接触後における、線維芽細胞によって産生されるPGE2およびIL-8の量の変化;(n=3)
ヒトケラチノサイト(HK)をコンフルエントなマットが得られるまで培養した。この段階で、HKを試験品と24時間接触させ、次に、マットにUVBを照射し、再び試験品と24時間接触させた。PGE-2およびIL-8の合成量は、ELISA法によって培養上清中で測定された。データを正規化するために、細胞数を評価した。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。
表6:本発明に係る環状ペプチドの混合物の異なる濃度での接触後における、ケラチノサイトによって産生されるPGE2およびIL-8の量の変化;(n=3)
皮膚の表面には多くの毛穴があり、その機能は、余分な皮脂、ならびに、垢および汗などの皮膚の不純物を取り除くことである。脂性肌は、脂腺細胞の皮脂分泌量が多すぎることに関係している。皮脂が多すぎると、にきびおよび黒ずみの発生が増えたり、毛穴がふさがれて毛穴が拡大して目立ちやすくなったり、肌の粒が不規則になったりするなど、肌および頭皮の性質に変化が生じる。
脂腺細胞を、その増殖培地に播種した。コンフルエント時に、皮脂細胞を、本発明に係る環状ペプチド混合物と48時間接触させる。培地を除去した後、細胞マットを細胞内脂質マーカーであるレッドナイルを添加してインキュベートし、これによって、細胞内に存在する脂質の量を、放出された蛍光を測定することにより推定することができる。生存可能性の推定は、蛍光色素を用いて同じマット上で並行して行う。
表7:本発明に係る環状ペプチドの混合物の異なる濃度での接触後における、脂腺細胞における脂質合成の変化;(n=3)
a/予備試験
原理:
HKをコンフルエントになるまで培養し、24時間、本発明に係る環状ペプチドの混合物の異なる用量を添加、または何も添加しなかった(溶媒コントロール)。一旦洗浄を行った細胞は、その後、わずかな酸化ストレスを生じさせるように、UVBを照射され、24時間培養に戻された。照射していないHKの培養物をネガティブコントロールとして用いた。これらのストレスを受けたHKの培養液(条件付培地)を除去し、この条件付培地によって誘導され得る、コラーゲン-I産生(IMFによる評価)およびMMP1産生(ELISA法による評価)を評価するために、ヒト線維芽細胞に沈着させた。
この試験では、ストラティフィンの存在下で、線維芽細胞による、コラーゲン-IおよびMMP1産生の増加が確認された。
原理:
HKを、上記と同様に調製し、次に、本発明に係る環状ペプチド混合物またはネガティブコントロールとしてのその溶媒を、24時間添加し、中性緩衝液中でUVBを照射して、ストラティフィンタンパク質の産生を増加させた。その後、後者を培地中でウエスタンブロット法により分析した。
この試験によって、本発明に係る環状ペプチドの混合物は、UVB照射を受けたHKによるストラティフィンの産生を減少させる能力を有し(10ppmで-55%;p>0.01)、その結果、線維芽細胞に対するこのタンパク質によって誘導される効果(コラーゲン合成の減少および真皮タンパク質のプロテアーゼの増加)を強く制限することが実証された。
各哺乳類細胞は、約1500個のミトコンドリアで構成されている。ミトコンドリアは、機能、合成、防御、およびより一般的には皮膚の恒常性維持に必要なエネルギーを供給している。加齢に伴うミトコンドリアDNAの変異は、呼吸鎖を弱め、老化の主な要因として知られているよく知られた酸素ラジカル種を増加させる可能性がある。また、ミトコンドリアに不可欠な化合物の減少、ミトコンドリアのエネルギー産生の障害、機能障害、または病理学的な問題との間にも関連があると考えられている。この現象は、特に、臓器および皮膚の老化を加速させる。
HDFを、コンフルエントなマットが得られるまで増殖させる。その後、3日ごとに培地を交換しながら、本発明に係る環状ペプチドの混合物10ppm(またはコントロールとしてその賦形剤)と10日間接触させた。この接触後に、タンパク質を抽出し、破砕物の形で分析するために、細胞を溶解した。分析は、破砕物に対するプロテアーゼの作用、液体クロマトグラフィーおよび質量分析を結合させたフラグメントの分離、そして得られたフラグメントの性質および量に応じた既存のタンパク質の同定および濃縮を、関連付ける方法によって行った。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。各条件についてN=3で行った。
表8:線維芽細胞の異なるミトコンドリアタンパクにおけるコントロールに対する変化。本発明に係る環状ペプチドの混合物10ppmの効果。
本項目の目的は、本発明に係る精製された環状ペプチドの活性と、本発明に係る環状ペプチドの混合物の活性とを比較することである。この比較に使用される試験は、線維芽細胞によるコラーゲンおよびエラスチンの合成に関連するものである。
原理:
HNFを、24ウェルプレートで24時間培養した。細胞を、異なる濃度の試験品と接触させ、または接触させないで、3日間置いた。コラーゲン合成を、培養上清におけるELISA法で評価し、その結果を、細胞数に還元した。
表9:本発明に係る環状ペプチドの混合物と精製された2つの環状ペプチドとの間のコラーゲンIの産生量の比較(ELISA法)。
原理:
FHNを、24ウェルプレートで24時間培養した。細胞を、異なる濃度の試験品(またはその賦形剤)と6日間接触させた。次に、細胞によって産生されたコラーゲンIを、固定マット上で免疫蛍光法によって定量した。
表11:本発明に係る環状ペプチドの混合物と2つの精製環状ペプチドとの間のコラーゲンIの産生の比較(IMF法)。
原理:
以下に示す様々な試験の方法は、項目1/で以前に述べたものと同じである。これらの試験では、上記項目B)2)で定義した本発明に係る活性成分であり、B)で述べたように、環状ペプチド混合物500ppm(項目A参照)とセロリの種子の超臨界CO2抽出物(最終的に全フタル酸の0.05%を含む)700ppmとを組み合わせて、これを評価した。この活性成分は、1.5%、2%または3%;すなわち、環状ペプチド混合物の7.5ppm、10ppmまたは15ppm、ならびにセロリの種子の超臨界CO2抽出物の10.5ppm、14ppmまたは21ppmで試験した。
表12:
原理:上記項目1.3/の開示と同様
表13:本発明に係る活性成分の相当量の異なる割合(%)での接触後における、線維芽細胞によって産生されるPGE2およびIL-6の量の変化。
原理:上記項目1.4/の開示と同様
表14:本発明に係る活性成分の相当量の異なる濃度での接触後における、脂腺細胞による脂質合成の変化;(n=3)。
上記の項目1.5/に記載されたものと同様の試験を実施し、本発明に係る環状ペプチドとセロリ種子抽出物との混合物はまた、UVB照射を受けたケラチノサイトによるストラティフィンの産生を減少させる能力を有し(10ppmで-62%;p>0.01)、その結果、線維芽細胞に対するこのタンパク質によって誘導される効果(真皮におけるコラーゲン合成の減少およびタンパク質プロテアーゼの増加)を大幅に制限することが示された。
原理:上記項目1.6/の開示と同様
表15:線維芽細胞の異なるミトコンドリアタンパクにおけるコントロールに対する変化。本発明に係る活性成分相当量の2%の効果。
角質層は表皮の最外層である。角質層は、脱落によって絶えず更新されている。角質層は、外部環境の分子に対して非常に効果的な疎水性の膜を形成している。さらに、この膜は、特にNMFのおかげで、体の水の損失を制限する。この膜は、一方では、強く結合されている核のない平らな細胞を、他方では、脂質およびタンパク質を、関連付ける非常に複雑な機構であり、その組成および機構は、環境の物理的、化学的、および生物学的な攻撃に対して非常に耐性のあるこの構造の独特な特性を確保する。したがって、角質層は、皮膚の膜を良好な状態に保つために、皮膚の良好な水分補給を維持するという観点から重要である。
ほぼコンフルエントに達したヒトケラチノサイトを、細胞の外観に応じて、顕微鏡下での表現型の変化を試験するために、本発明に係る活性成分(またはそのプラセボ)を適切な培地中で2日、3日、および6日間接触させた。本発明に係る活性成分の相当量(1%から)を使用すると、表皮の上層の典型的な構造の存在(プロテオリピドの剛体マトリックスと、角化外膜の多層とに特徴的な分岐構造の存在;屈折ネットワーク)下で、分化に特徴的な表現型の明確な加速が観察される。
原理:
一部の新規な状態を上記で試験したものと同じ細胞層を、本発明に係る活性成分(またはその溶媒コントロール)の相当量と4日間接触させた後に、停止させる。次に、それらを固定し、(特異的一次抗体および蛍光二次抗体の使用を介して)免疫染色し、2つの表皮分化マーカーであるロリクリンおよびインボルクリンの合成を可視化した。3つのレプリカそれぞれについて5枚の写真を作成した。マーキングの定量化は、画像解析によって行った。細胞核をカウンター染色することによって、細胞数を推定し、データを正規化することができる。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。
表16:本発明に係る活性成分の相当量と2%で接触させたケラチノサイトによるロリクリンおよびインボルクリンの発現の変化。
原理:
患者からの標準化された腹部皮膚移植片を、採取直後に受け取った。37℃に順応させた後、本発明に係る活性成分を3%含有するクリームまたはプラセボクリームを1日1回、毎日更新しながら6日間、移植片の表面に塗布する。6日間培養した後に、培養を停止し、窒素中で凍結させ、切断した。次に、特異的一次抗体および蛍光二次抗体を用いて、分化マーカータンパク質である、PNPLA1、K24およびK10の免疫標識を行った。各条件を蛍光顕微鏡下で撮影した。マーキングの定量化は、画像解析によって行った。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。
表17:皮膚の移植片におけるPNPLA1、K24およびK10の発現の変化。本発明に係る活性成分3%の効果。
原理:
新規な状態を上記で検討したものと同じ細胞層を、本発明に係る活性成分(またはそのプラセボ)の2%相当量を、4日間接触させた後に停止させた。次に、それらを固定し、ナイルブルー(中性脂質マーカー)および細胞定量のための核マーカーで染色した。各マーキングを評価するために写真を撮影し、画像解析により定量化した。結果の有意性を評価するために、分散分析および対応のない標本に対するStudent t-検定を行った。
表18:本発明に係る活性成分の相当量と2%で接触させたケラチノサイトによる中性脂質合成の変化。
様々な組成物/製剤を以下に記載する。本発明に係る活性成分の活性を任意に支持および/または補完する追加の化粧品活性成分を、それらの疎水性または親水性の性質に応じて適切な段階で添加することができる。これらの成分は、その機能、適用される場所(身体、顔、首、バスト、手、毛髪、睫毛、眉毛、毛髪等)、所望の最終効果および対象とする消費者に応じて、どのようなカテゴリーのものであってもよい。所望の最終効果は、例えば、抗酸化作用、シワ伸ばし作用、保湿作用、栄養補給作用、保護作用、平滑化作用、リモデリング作用、ボリュームアップ作用(リポフィリング)、顔色の輝きへの作用、目の下のたるみおよびくまに対する作用、コンシーラー作用、抗糖化作用、痩身作用、鎮静作用、筋弛緩作用、抗赤み作用、抗妊娠線作用、日焼け止め作用などが挙げられる。それらは本明細書中において上記のように述べられている。
・以下のような皮脂調製成分:
・セブレス(SEBULESS)(商標):Sederma社から販売され、インビトロ細胞培養により得られたライラックの抽出物を含む皮脂調整剤で、肌を清潔にし、テカリを抑え、清涼感を与え、小じわを目立たなくさせる。
・Ac-ネット(Ac- Net)(商標):Sederma社から販売され、脂性肌およびにきび肌の処置のためのものである。
・エバーマット(EVERMAT)(商標):Sederma社から販売され、プロトベルベリンを豊富に含むエナンチアクロランタ抽出物とオレイン酸との配合を含み;毛穴のサイズおよびテカリを減少させ;にきびができやすい肌のキメを整える。
・以下のような張りを持たせる成分:
・イデアリフト(IDEALIFT)(商標):Sederma社から販売され、リポジペプチドであるN-アセチル-チロシル-アルギニル-O-ヘキサデシルエステルを含み、特にエラスチンを刺激することにより、顔のたるみに対抗し、重力に対する抵抗力を向上させる。
・以下のような敏感肌のための鎮静成分:
・フィトフルール(Phytofleur)(商標)Lily、Crodarom社から販売され、ニワシロユリの花からの抽出物を含む。
・以下のような保湿成分:
・アクアランス(AQUALANCE)(商標)、Sederma社から販売され、ホマリンおよびエリスリトールからなる浸透圧保護剤である。
・以下のような老化防止成分:
・レジステム(RESISTEM)(商標)、Sederma社から販売され、植物グロブラリア・コルディフォリアのインビトロ細胞培養で得られた抽出物をベースに、肌の老化防止のための防御システムの構築をサポートする。
・以下のような「清涼」効果のある成分:
・コバフレッシュ(Covafresh)(商標)(メンチル乳酸&PPG-26ブテス-26&PEG-40水添ヒマシ油)Firmenich社から販売されている。
・以下のような保湿成分:
・パシフィール(Pacifeel)(商標)、Sederma社から販売され、オシロイバナの抽出物を含む。
・以下のようなシワ伸ばし/鎮静成分:
・ダイナリフト(Dynalift)(商標)、Sederma社から販売され、ポリオシドおよびスクロースを豊富に含むソルゴ果汁の抽出物を含む。
・テンソルベジタルST(Tenseur vegetal ST)、Sederma社から販売されて、ポリマンヌロン酸(オオウキモの藻類の親水性多糖類)と、プロラミン(高分子量を有し、グルタミン/グルタミン酸を非常に豊富に含む小麦タンパク質)とを含む。
・以下のような抗酸化/老化防止成分:
・マジェステム(MAJESTEM)(商標)、Sederma社から販売され、インビトロ細胞培養で得られたセイヨウウスユキソウの植物細胞をベースに、レオントポジン酸で滴定したもので;酸化ストレス(汚染、紫外線)を中和し、皮膚の張りを回復させる。
・セネステム(SENESTEM)(商標)、Sederma社から販売され、ヘラオオバコのインビトロ細胞培養により得られた植物細胞を含む。
・以下のような保湿成分:
・クロダロム(Crodarom)(登録商標)ハニー(Honey)、Crodarom社から販売され、はちみつをベースにしている。
・以下のような保湿/鎮静成分:
・オプティムヒアル(Optim Hyal)(商標)、Sederma社から販売され、ヒアルロン酸の断片に類似した構造を有するアセチル化グルクロン酸のオリゴ糖を含む。
・以下のような目の下のたるみおよびくまなどに作用する成分:
・ハロキシル(HALOXYL)(商標)、Sederma社から販売され、Pal-GHKおよびPal-GQPRの2つのマトリックスに、N-ヒドロキシコハク酸イミドおよびフラボノイドであるクリシンを配合。
・アイリス(EYELISS)(商標)、Sederma社から販売され、ヘスペリジンメチルカルコン、ジペプチドバリルトリプトファン(VW)、およびリポペプチドであるPal-GQPRの3つの成分を配合。
・プロディジア(PRODIZIA)(商標)、Sederma社から販売され、ネムノキの抽出物を含み、糖化によるダメージから肌を修復し保護することによって、疲労の目に見える兆候である、くま、目の下のたるみ、くすみ、顔色の悪さ、および引きつった顔といった特徴を軽減する。
・以下のような世界的な老化防止成分:
・リノベージ(RENOVAGE)(商標)、Sederma社から販売され、テプレノンをベースとしている。
・以下のような日焼け止め成分:
・ソラベール(Solaveil)(商標)CT-300(酸化チタン&ポリヒドロキシステアリン酸&ステアリン酸アルミニウム&アルミナ)、Croda社から販売されている。
・以下のような活性化成分:
・フローラルネクター(Floral Nectar)(商標)、Sederma社から販売され、コンブレツムファリノスムの花からの抽出物。
・以下のような汚染防止成分:
・シティステム(Citystem)(商標)、Sederma社から販売され、高濃度のForsythoside Bを有するホアハウンドのインビトロで得られた植物細胞をベースにしており;汚染の攻撃に対して使用される。肌がより柔らかく、より滑らかになり、肌のキメが洗練され、面疱の視認性が低下し、肌が明るく、浄化される。
・以下のようなトニック成分:
・クロノディン(CHRONODYN)(商標)、Sederma社から販売され、ユーグレナグラシリスの生物工学的な抽出物であり、肌を引き締め、強化し、疲労痕を消す。
試験品:上記に記載の項目D)ガレノス製剤の1)クリーム形態
混合物の有効性の評価は、以下のパラメータに従うことによって皮膚の質の改善を測定するために、プラセボに対して、合計31名のボランティア被験者に実施された:パラメータ:再緻密化、張り、表面状態および再膨化の効果。
・キュートメーターを用いた粘弾性特性の評価;
・トランスルーシーメーター(Translucymeter)を用いた真皮密度の評価;
・共焦点レーザー顕微鏡による細孔支持組織の評価;および
・ゴニオラックス(Goniolux)(登録商標)およびシリコン印象解析による表面の質感評価。
具体的な包含基準
この試験は、平均年齢47歳(35~58歳)の女性ボランティア31名を対象に実施された。彼女らの毛穴はわずかに拡張しており、皮膚の密度の低下が目視で確認された。彼女らは、試験に先立つ3か月間および試験中において、ホルモンの一貫性を求められた。さらに、ボランティアは、保湿剤を用いて10日間の洗い流し期間を観察し、スクラブまたはマスクタイプの美容行為を除外しなければならなかった。
ボランティアは、感覚刺激的にも視覚的にも同一である試験された2つの製品の組成を認識していなかった。クリームは顔に塗布され、各ボランティアは顔の一方の面に本発明に係るクリームを塗布し、他方の面にプラセボクリームを塗布した。これらのクリームは、8週間、隔日で、マッサージして塗布された。
統計的研究は、Student t-検定、または必要に応じてノンパラメトリックWilcoxon検定を用いて実施した。検定は、一致した系列について実施された。
頬の粘弾性特性の評価
キュートメーター(登録商標) MPA580(Courage&Khazaka社)を用いて、ボランティアの頬の粘弾性パラメータを測定した。この装置は、繰り返しの機械的な吸引ストレスにさらされた皮膚領域の変形およびその回復力を測定する。この装置は、図3に示すように、時間に応じた皮膚の変化のグラフを提供する。この図では、選択されたパラメータUr/Ue、Ur/UfおよびUrは、それぞれ、張り、弾性および色調と呼ばれ、年齢とともに変化することが示されている。3つの独立したパラメータ取得は、T0週およびT8週に行われた。
表19:頬の張り、弾力、および色調の変化-本発明品の混合物およびプラセボの効果(n=30名のボランティア;n=3回測定)
原理:
上記で説明したように、老化防止戦略の一環としての皮膚密度は非常に重要である。皮膚の質は、音による測定(例えば超音波)または様々なタイプの光(紫外線、可視光、赤外線)を用いて、皮膚上および皮膚内での測定を可能にする非侵襲的な方法で長い間評価されてきた。皮膚内の光の経路を測定するトランスルーシーメーター(Translucymeter)(登録商標)TLS 850(Diastron社)が使用された。皮膚は、多くの試料と同様に、完全に透明(鮮明な画像の透過)でも、完全に不透明(光を透過しない)でもなく、半透明である。半透明の度合いは、試料の吸収係数と、試料に入る光に対する分散度とに依存する。
顔の片側に本発明に係るクリームを塗布し、反対側にプラセボを塗布したボランティア31名(n=3)のT2ヶ月後の測定を行った。
原理:
上記で説明したように、加齢に伴って支持組織の密度が低下し、その結果、より毛穴が開いた肌を有する印象を受けることになる。中間期(T1ヶ月)に、T0(n=23)の時点で毛穴がはっきりと見える人を対象とした試験を実施した:共焦点レーザー顕微鏡(ビバスコープ(VivaScope)(登録商標)3000、Mavig GmbH社)を用いて、皮膚の水平光学切片を作成した。
ボランティアで撮影された写真は、毛穴の開きパラメータに対するT0およびT2ヶ月の間の本発明に係るクリームの効果を示す。これらのボランティアでは、塗布後の皮膚の外観に著しい変化がある。
原理:
加齢に伴って、肌の表面は、微小な凹凸が増え、特に毛穴が大きくなるため、均一性が失われる。規則的で均一な質感の若い肌は、受けた光をよりよく反射し、艶やかである。質感の均質性の喪失は、それによって光が反射される方法を変化させ、肌をくすませ、輝きのないものにしうる。本発明に係るクリームは、真皮をふっくらさせる効果に加えて、新しい皮膚を表面に生成する有益な効果を有する。
表22:本発明に係るクリームまたはそのプラセボの塗布後の皮膚の艶感の変化(n=3回測定、31名のボランティア)
原理:
質感の変化は、以前に使用された方法および写真上の観察を完全に補完する、ロバストで実証済みの別の技術を使用して測定された。それぞれの期間で、ボランティアの頬の皮膚のネガティブな成形は、シリコーンポリマーを使用して行われた。その後、データ取得は、ドロップシャドウ(Visioline、Monaderm社)の技術によって行われ、その後、分析は、専用のソフトウェアを使用して行われる。
表23:本発明に係るクリームまたはそのプラセボを頬に塗布した後の等方性の変化(n=28)。
Claims (13)
- 皮膚および/またはその付属器の弾力性、張り、質感および/または輝きの特性を改善するための非治療的な美容処置における活性成分としての環状ペプチドの混合物の使用方法であって、前記環状ペプチドの混合物は、以下を含む、使用方法。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して少なくとも50重量%を占める以下の3つの環状ペプチド。
・Cyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・Cyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);および
・Cyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6)
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して残りの重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7)、Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8)、およびCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)の環状ペプチドの混合物。
ここで、メチオニン(Met)は、前記環状ペプチドに存在する場合、酸化されていないか、または酸化されており、前記環状ペプチドまたは前記環状ペプチドの混合物が、亜麻種子油から抽出される。 - 前記環状ペプチドの混合物は、以下を含む、請求項1に記載の使用方法。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);および
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6) - 前記環状ペプチドの混合物が、セダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸を含む群より選択される少なくとも1種のアルキルフタル酸、またはセダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸の混合物を含むセロリ種子の抽出物と組み合わせて使用される、請求項1または2に記載の使用方法。
- 前記美容処置は、小じわおよびしわの処置、平滑化処置、引き締め処置、真皮の緻密化および支持組織の強化のための処置、たるみに対する処置、毛穴のサイズを縮小するためのおよび/または過剰な皮脂による皮膚のテカリを減少させるためのおよび/または皮膚の微小炎症を減少させるための処置から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の使用方法。
- 皮膚および/またはその付属器の非治療的な美容処置における活性成分としての環状ペプチドの使用方法であって、前記環状ペプチドは、Cyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5)、または、Cyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6)であり、メチオニン(Met)は、酸化されていないか、または酸化されている、使用方法。
- 前記美容処置が、皮膚の弾力性、張り、質感および/または、輝きの特性を改善するためのものである、請求項5に記載の使用方法。
- 生理学的に許容される媒体中に環状ペプチドの混合物を含む化粧品活性組成物であって、前記環状ペプチドの混合物は、以下を含む、化粧品活性組成物。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して残りの重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7)、Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8)、およびCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)の環状ペプチドの混合物。
ここで、メチオニン(Met)は、前記環状ペプチドに存在する場合、酸化されていないか、または酸化されており、前記環状ペプチドの混合物が、亜麻種子油の抽出物である。 - さらに、表皮および/または角質層の特性に作用するように、および/または脂腺細胞による皮脂産生の減少に作用するように適合された、および/または収斂活性を有する、少なくとも1つの化粧品活性剤を含む、請求項7に記載の化粧品活性組成物。
- 前記化粧品活性剤はさらに、セダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸を含む群より選択される少なくとも1種のアルキルフタル酸である、またはセダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸の混合物を含むセロリ種子の抽出物である、請求項8に記載の化粧品活性組成物。
- 請求項7から9のいずれか1項に記載の化粧品活性組成物の有効な量を局所的に塗布することを含む、皮膚の美的外観を改善する方法。
- 皮膚の微小炎症を減少させるための化粧品または医薬品の製造における環状ペプチドの混合物の使用方法であって、前記環状ペプチドの混合物は、以下を含む使用方法。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して少なくとも50重量%を占める以下の3つの環状ペプチド。
・Cyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・Cyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);および
・Cyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して残りの重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:7)、Cyclo (-Met-Leu-Leu-Pro-Phe-Phe-Trp-Ile) (SEQ ID NO:8)、およびCyclo (-Met-Leu-Met-Pro-Phe-Phe-Trp-Val) (SEQ ID NO:9)の環状ペプチドの混合物。
ここで、メチオニン(Met)は、前記環状ペプチドに存在する場合、酸化されていないか、または酸化されており、前記環状ペプチドの混合物が、亜麻種子油の抽出物である。 - 前記環状ペプチドの混合物は、以下を含む、請求項11に記載の使用方法。
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Val-Phe-Pro-Leu-Phe-Ile) (SEQ ID NO:4);
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Met-Leu-Ile-Pro-Pro-Phe-Phe-Val-Ile) (SEQ ID NO:5);および
・前記環状ペプチドの混合物の総重量に対して15から25重量%を占めるCyclo (-Ile-Leu-Val-Pro-Pro-Phe-Phe-Leu-Ile) (SEQ ID NO:6) - 前記環状ペプチドの混合物が、セダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸を含む群より選択される少なくとも1種のアルキルフタル酸、またはセダネノライド、セダノライドおよび3-n-ブチルフタル酸の混合物を含むセロリ種子の抽出物と組み合わせて使用される、請求項11または12に記載の使用方法。
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