JP7285792B2 - 粘着剤組成物、及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物、及び積層体に関する。
各種情報を記載する銘板又は工程管理用のラベルとして、レーザーマーキングラベルが使用されている。レーザーマーキングラベルは、レーザー光が照射されて印字されたラベルである。レーザーマーキングラベルは、例えば、フィルムに二層以上の層を積層した積層体で構成される。当該積層体の表層をレーザー光でエッチングして下層を表出させることで、文字あるいはバーコードなどの情報が印字される。
例えば、特許文献1には、透明基材の一面に酸化チタン顔料を含有する白インキ層とカーボン顔料を含有する黒インキ層とが順に積層され、透明基材の他方の面に淡色インキからなる遮蔽層が積層されたレーザー印刷用積層体が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、基材フィルムにおけるレーザー発色層のレーザーが照射される側とは反対の面側に、鱗片状フィラー及び白色顔料を含有するレーザーマーキング用積層体が記載されている。
特開2009-119658号公報(2009年6月4日公開) 特許第6342042号公報(2018年6月13日発行)
特許文献1及び特許文献2のレーザーマーキング用積層体においても、基材フィルムにおける印字層が形成される面の裏面に設けられる遮蔽層が形成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の積層体のように、白インキ層及び遮蔽層に含まれる酸化チタンの含有量が少ない場合や遮蔽層の厚みが薄い場合などにおいて、基材層を透過して照射されたレーザー光が遮蔽層を貫通し、被着体に損傷を与えるという問題がある。特に、粘着剤層を遮蔽層とした場合、多量に顔料を添加すると、接着力や凝集力が下がってしまう。
特許文献2に記載のレーザーマーキング用積層体は、鱗片状フィラーと白色顔料を併用した遮蔽層を有している。しかしながら、鱗片状フィラーの含有量を多くすると、遮蔽層と基材層との間で密着不良が生じ、遮蔽層自身にクラックが入り易くなり、遮蔽層に十分な強度が得られないという問題がある。また、特許文献1及び特許文献2には、基材フィルムにおける印字層が形成される面の裏面に遮蔽層が設けられたレーザーマーキング用積層体が記載されているものの、粘着性を備えた遮蔽層は実現できていない。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、レーザーマーキング用の積層体を被着体に貼り付けるための粘着剤組成物であって、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、上記樹脂成分がアクリル共重体を含み、当該アクリル共重体はブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の比率が10質量%以下である。
また、本発明の一実施形態に係る積層体は、レーザーマーキング用の積層体であって、上記積層体は、レーザー光を遮蔽する層を備え、上記層は、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、上記樹脂成分がアクリル共重体を含み、ブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有するアクリル単量体の比率が10質量%以下である。
本発明の一態様によれば、レーザー光に対する高い遮蔽性を有する粘着剤層を形成できる粘着剤組成物、及びレーザーマーキング用の積層体、及びその関連技術を提供できる。
本発明の一実施形態に係るレーザーマーキング用積層体100の概略を説明する図である。 図1に示す積層体がレーザー光によりエッチングされた状態を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーマーキング用積層体101の概略を説明する図である。
図3に示す積層体がレーザー光によりエッチングされた状態を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
<粘着剤組成物>
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、レーザーマーキング用の積層体であって、上記積層体は、レーザー光を遮蔽する層を備え、上記層は、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、上記樹脂成分は、ブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有するアクリル単量体の比率が10質量%未満であるアクリル共重体を含む。一実施形態に係る粘着剤組成物は本発明の効果を損なわない範囲にて、その他の成分を含み得る。
〔1〕顔料
粘着剤組成物に含まれる白色顔料及び鱗片状フィラーの含有量の合計は、粘着剤組成物に含まれる樹脂成分の合計量を100質量部として、45質量部以下であることが好ましく、24質量部以上にすることで、また、粘着剤層1における遮蔽性が向上し、高い印字性を有する粘着剤層1を形成できる。
〔1-1〕鱗片状フィラー
鱗片状フィラーは、粘着剤組成物に含まれる樹脂成分の量を100質量部として、4.5質量部以上、30質量部以下の範囲内であることが好ましい。鱗片状フィラーの含有量が30質量部以下であることによって、積層体を被着体から剥離するときに、粘着剤層が凝集破壊し、糊残りが生じることを防止できる。よって、積層体を好適に貼り直しできる。また、鱗片状フィラーが、樹脂成分の量を100質量部として、4.5質量部以上含まれることで、COレーザー照射する長波長の光を好適に遮蔽できる粘着剤層が得られる。
鱗片状フィラーは、例えば、雲母(マイカ)などの鱗片状フィラーを金属酸化物で被覆した金属酸化物被覆フィラーであることが好ましく、鱗片状フィラーを被覆する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化スズ及びタルクなどが挙げられる。なかでも、鱗片状フィラーは、粘着剤層1に高い遮蔽性と付与できることから、酸化チタン被覆雲母であることがより好ましい。また、鱗片状フィラーには、例えば、金属酸化物に被覆されていない雲母(マイカ)であってもよく、雲母(マイカ)は天然雲母であっても、合成雲母であってもよい。天然雲母には、白雲母、及び金雲母などが挙げられ、合成雲母には、フッ素金雲母、カリウム四ケイ素雲母、及びナトリウム四ケイ素雲母などが挙げられる。その他、鱗片状フィラーには、アルミペースト、鱗片状のシリカ、アルミナ、ガラス薄片、及びオキシ塩化ビスマスなどが挙げられる。
鱗片状フィラーの体積中位径は、1~30μmであることが好ましい。レーザー光の遮蔽性を高めるという観点から、鱗片状フィラーの体積中位径は1~30μmのうちより大きいことが好ましい。鱗片状フィラーの体積中位径は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準の粒度分布における累積50%に相当する粒子径(D50)である。
〔1-2〕白色顔料
白色顔料には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、及び酸化アンチモンなどの白色顔料を挙げることができる。また、白色顔料としては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、珪藻土、タルク、クレー、塩基性炭酸マグネシウム、及びアルミナホワイトなどであってもよい。中でも、白色顔料は、白色度及び粘着剤層の隠蔽性を高める観点から酸化チタンであることが好ましい。
白色顔料の体積中位径は、0.1~1μmであることが好ましい。可視光の反射率を高める、レーザー光の遮蔽性を高めるという観点から、白色顔料の体積中位径は0.1μmより大きいことが好ましい。白色顔料の体積中位径は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準の粒度分布における累積50%に相当する粒子径(D50)である。
〔2〕樹脂成分
粘着剤組成物は、アクリル共重合体と架橋剤から成る樹脂成分を含み、さらに樹脂成分として粘着性付与樹脂を含んでいてもよい。
その他、粘着剤組成物は、本実施形態の効果を奏する範囲において、上記の樹脂及び顔料以外の他の材料をさらに含有していてもよい。たとえば、粘着剤層1における顔料以外の材料は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、ポリオールやウレタン樹脂、セルロース樹脂などが含まれる。
〔2-1〕粘着剤組成物に含まれるアクリル共重合体
本明細書において、「アクリル共重合体」は、(メタ)アクリル酸及びその誘導体をモノマーとする重合体であり、コポリマーである。「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの一方又は両方を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を意味する。さらに、「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル酸、その誘導体、メタクリル酸及びその誘導体の少なくともいずれかを意味する。
粘着剤組成物に含まれるアクリル共重合体の主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体の例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-メトキシ(メタ)アクリレート、2-エトキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが含まれる。これらアクリル単量体成分は、一種でもそれ以上でもよい。
中でも、粘着剤組成物に含まれるアクリル共重合体の主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体は、n-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレートなどのブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートであることが好ましく、n-ブチルアクリレートであることが最も好ましい。
アクリル共重合体の主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体の含有量が、アクリル共重合体に含まれる単量体成分の80質量%以上であり、より好ましくは、95質量%以上であることで、ポリオレフィンへの密着が良好となる。
また、粘着剤組成物に含まれるアクリル共重合体は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を10質量%以下含んでいることが好ましい。アクリル共重合体は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を10質量%以下含むことによって、ポリイソシアネートと好適に架橋する。よって、粘着剤層に好適な粘着力を付与しつつ、例えば、積層体を被着体から剥がしたときに、糊残りが生じることを防止できる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の例には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸及びシトラコン酸が含まれる。これらの単量体は、一種でもそれ以上でもよい。
粘着剤組成物には、主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体及びカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体以外に、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を含んでいてもよい。水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を含んでいることによって、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体以を含んでいることと同様、架橋剤との架橋反応を生じ得る。
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-3-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが含まれる。水酸基を有する(メタ)アクリル単量体は、一種でもそれ以上でもよい。
粘着剤組成物に含まれるアクリル共重合体が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を含む場合、その含有量は20質量%未満、好ましくは10未満%であることが好ましい。
その他、アクリル系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、(メタ)アクリル単量体と共重合可能な単量体を含んでいてもよい。当該共重合可能な単量体には、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル、ビニルエーテル、アクリロニトリル、及びスチレンなどが挙げられる。
アクリル共重合体の質量平均分子量(Mw)は、制限されないが、5000以上100万以下であることが好ましい。アクリル共重合体の質量平均分子量が5000以上であることは、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物の乾燥性を高める観点から好ましい。アクリル樹脂の質量平均分子量が100万以下であることは、塗布時の作業性が良好な粘着剤組成物を得る観点から好ましい。当該作業性の向上の観点から、アクリル共重合体の質量平均分子量は、10万以下であることがより好ましい。
アクリル樹脂の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて標準ポリスチレン換算法により求められ得る。
また、別の観点から、アクリル共重合体のガラス転移温度は、凝集力を発現させる観点から、-80℃以上であることが好ましく、-60℃以上であることがより好ましい。また、アクリル共重合体のガラス転移温度は、また、粘着面1aにおける表面タックを好適に発現させる観点か-20℃以下であることが好ましい。
アクリル共重合体のガラス転移温度は、アクリル共重合体のモノマーである(メタ)アクリル単量体の質量割合に応じたガラス転移温度の総和である。アクリル酸のガラス転移温度Tgは、下記式により求められる。下記式中、Tg~Tgは、(メタ)アクリル樹脂を構成する(メタ)アクリル単量体1~nのそれぞれのガラス転移温度(K)を表す。また、下記式中、w~wは、(メタ)アクリル単量体1~nの質量における総量に対する個々の単量体の質量の比を表す。nは、(メタ)アクリル単量体の種類を表し、二以上の整数である。
Figure 0007285792000001
なお、アクリル酸のガラス転移温度Tgは、絶対温度(K)を用いて求められるが、本明細書ではセルシウス度(℃)で表示する。
(メタ)アクリル単量体のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量(DSC)測定装置を用いて下記の条件で測定して得られたDSCカーブの変曲点の温度である。
示差走査熱量(DSC)測定装置 「EXSTAR6000」(セイコーインスツルメンツ社製)
雰囲気 窒素気流
測定試料の量 10mg
昇温速度 10℃/分
(メタ)アクリル単量体の代表的なガラス転移温度は、メタクリル酸メチル:103℃、n-ブチルメタクリレート:21℃、ブチルアクリレート:-57℃、2-ヒドロキシエチルメタクリレート:55℃、2-ヒドロキシエチルアクリレート:-15℃、アクリル酸:166℃、メタクリル酸:185℃などである。
〔2-2〕架橋剤
粘着剤組成物は、アクリル共重合体と架橋する架橋剤を含み、架橋剤と、アクリル共重合体が主鎖骨格に有するカルボキシル基、及び水酸基と反応することでアクリル共重合体の架橋物を生成する。
〔2-2-1〕ポリイソシアネート
アクリル共重合体の架橋剤は、典型的にはポリイソシアネートである。ポリイソシアネートは、アクリル共重合体が有しているカルボキシル基および水酸基等の官能基と反応する。これにより、被着体に対する好適な粘着力を付与しつつ、積層体を被着体から剥がしたときに、糊残りが生じることを防止できる。
ポリイソシアネートの例には、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート(TDI)などの芳香族ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
脂肪族又は脂環式イソシアネートの例には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4-シクロヘキサンビスメチルイソシアネートのような水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、及び、4,4-メチレンビスシクロヘキシルイソシアネートのような水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、が含まれる。粘着剤層の変色を抑制する観点から、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート化合物が含まれるポリイソシアネートは、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートであることが好ましい。
また、ポリイソシアネートの例には、イソシアネート化合物の2量体もしくは3量体が含まれる。このようなポリイソシアネートの例には、ウレトジオンもしくはイソシアヌレート、イソシアネート化合物とポリオール樹脂とのプレポリマーが含まれる。
また、このようなポリイソシアネートの例には、イソシアネートと、多価アルコール又は尿素化合物などとのアダクト体が含まれる。当該多価アルコールの例には、プロピレングリコール(2官能アルコール)、ブチレングリコール(2官能アルコール)、トリメチロールプロパン(TMP,3官能アルコール)、グリセリン(3官能アルコール)及びペンタエリスリトール(4官能アルコール)が含まれる。
上記のアダクト体の例には、トリレンジイソシアネートと3官能アルコールとの付加物、イソホロンジイソシアネートと2官能アルコールとの付加物、イソホロンジイソシアネートと3官能アルコールとの付加物、が含まれる。
〔2-2-2〕他の架橋剤
また、他の架橋剤の例には、メラミン系架橋剤、ベンゾグアナミン系架橋剤、尿素系架橋剤、金属キレート系架橋剤、オルガノシラン系架橋剤、エポキシ系架橋剤及び酸無水物系架橋剤が含まれる。メラミン系架橋剤の例には、ニカラック(登録商標)MS-11及びMS-001(共に日本カーバイド工業株式会社製)、ならびに、マイコート715(日本サイテックインダストリーズ株式会社製、「マイコート」はオルネクスジャパン株式会社の登録商標)が含まれる。
〔2-3〕粘着性付与樹脂
粘着剤層は粘着性付与樹脂を含んでいることが好ましい。粘着性付与樹脂はタッキファイア樹脂とも称され、粘着剤層が粘着性付与樹脂を含むことで、粘着剤層の粘着性が高められる。粘着性付与樹脂には、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。また、粘着性付与樹脂は、粘着剤層からのブリード抑制及び耐溶剤性向上という観点から、ロジン系樹脂を用いことが好ましい。
〔2-4〕その他の成分
その他、粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、レベリング剤、沈降防止剤、湿潤分散剤などの界面活性剤などの添加剤、シリカ及び可塑剤を含んでいてもよい。また、粘着剤組成物は当該粘着剤組成物の塗工作業性を向上させるため、酢酸エチル等に例示される公知の希釈溶剤を含んでいてもよい。
<積層体100>
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体100の層構成の一例を模式的に示す図である。図2は、図1に示す積層体100がレーザー光Bによりエッチングされた状態を模式的に示す図である。
図1に示す、積層体100は、レーザーマーキング用の積層体であり、粘着剤層1、基材層2及びレーザーマーキング層3がこの順で積層されてなる積層体である。なお、粘着剤層1が形成される基材層2及びレーザーマーキング層3を備えたフィルム層をレーザーマーキング用フィルム10と称する。積層体100が有する粘着剤層1は、レーザー光を遮蔽する遮蔽性と被着体への粘着性との両方の性質を有する層である。粘着剤層1は、基材層2におけるレーザーマーキング層3が設けられた面の裏面に形成される。また、図1及び図2に示すように、積層体100の粘着剤層1には、当該積層体100を被着体(不図示)に貼り付けるまで、離型フィルムFによって粘着剤層1の粘着面1aを保護することが好ましい。
図1に示す積層体100は、基材層2を介して互いに対向する粘着剤層1の色相とレーザーマーキング層3の色相とが互いに異なる。積層体100は、白色層1とレーザーマーキング層3との色相のコントラストによって積層体100の表面3aに情報を表示する。積層体100では、粘着剤層1がレーザーマーキング層3よりも明るく、淡い色相に調色され、レーザーマーキング層3が粘着剤層1よりも暗く、濃い色相に調色される。なお、本明細書中において、レーザーマーキング層の表面とはレーザー光が照射される面のことを意味する。
図2に示すように、積層体100は、レーザーマーキング層3の表面3a側にレーザー光Bを照射すると、レーザーマーキング層3に含まれる顔料及び樹脂がレーザー光Bを吸収し、熱を生じる。この熱によってレーザーマーキング層3に含まれる樹脂が熱分解され、さらに熱分解した樹脂及び顔料を吹き飛ばす。これによって、レーザーマーキング層3がその表面3aから基材層2の表面を露出するまで削り出され、これによりレーザーマーキング層3に印字部10aが形成される。このようにレーザー光Bによって、レーザーマーキング層3を削り出すことをエッチングと称する。
レーザーマーキング層3をエッチングするレーザーは、レーザーマーキング層3から基材層2まで到達するレーザーを照射できる範囲において適宜に選ぶことが可能である。当該レーザー光を照射可能なレーザーの例には、COレーザー、Ybレーザー、YVOレーザー、Nd:YAGレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザー、半導体励起固体レーザー、Arレーザー、N/Dyeレーザー及びHeCdレーザーが含まれる。中でも、Ybレーザー、YVOレーザー、Nd:YAGレーザーを短波長レーザーと呼称する。一般的に設備が安価でその取り扱いも比較的容易である観点から、COレーザー及びYbレーザー、YVOレーザー、Nd:YAGレーザーが好ましい。
レーザー光の照射は、レーザーの波長、レーザーの出力、パルス周期、スポット径に応じて適宜に実施することが可能である。たとえば、Ybレーザーの出力が例えば13W、パルス周期50Hz、スポット径(線幅70μm)であれば、レーザー光の走査速度は、100~3000mm/秒であってよい。
積層体100は、レーザー光によるエッチングにより、基材層2が露出すると、レーザーマーキング層3が表面3aから削り出されることで形成された印字部10aから基材層2越しに粘着剤層1の色相が確認される。より具体的には、積層体100を表面3a側から見ると、レーザー光Bを走査させることによって形成された印字部10aの内側に、粘着剤層1の明るく、淡い色相が表示され、印字部10aの内側よりも外側の表面3aにレーザーマーキング層3による暗く、濃い色相が表示される。この粘着剤層1とレーザーマーキング層3との異なる色相によるコントラストと、エッチングにより形成された印字部10aの上面視からの形状とによって表面3aに情報が表示される。ここで、情報は、レーザー光Bでレーザーマーキング層3をエッチングすることによって形成された情報であればよく、例えば、ひらがな、漢字、英数字などの文字であってもよく、バーコード、二次元コードなどの情報であってもよい。積層体100は離型フィルムFを剥がすことにより、印字を有する積層体100(ラベル)を、粘着剤層1を介して所望の被着体に貼り付けることが可能となる。
なお、本明細書において、同じ色相とは、視認による判別が困難な程度の色差を指し、例えば、測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM-3500d)にて正反射光除去(SCE)方式で測定したL値の差が7未満、好ましくは5未満である。また、本明細書において、異なる色相とは、視認可能な色差を指し、例えば、測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM-3500d)にてSCE方式で測定したL値の差が7以上、好ましくは10以上である。そのうち、L値がより低い色相が、より暗く、濃い色相であり、L値がより高い色相が、より明るく、淡い色相である。
以下の積層体100が備えている各層の構成をより詳細に説明する。
〔粘着剤層1〕
粘着剤層1は、分散相として鱗片状フィラー及び白色顔料を含み、樹脂成分を含む。樹脂成分中に分散された鱗片状フィラー及び白色顔料が、レーザーマーキング層の色相よりも明るく、淡い色相であり、かつ透明性の低い色相を粘着剤層にもたらす。また、粘着剤層は、樹脂成分として、アクリル共重合体に含まれる単量体成分の80質量%以上である。鱗片状フィラー及び白色顔料を含むことで、高い遮蔽性を備えつつ、アクリル共重合体を含むことで、粘着性が損なわれることを防止できる。すなわち、本発明の一実施形態に係る積層体100が備えている粘着剤層1はレーザー光を遮蔽する層であり、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物によって形成される層である。
粘着剤層1の厚みは、10μm以上100μm以下の範囲内であり、より好ましくは、15μm以上60μm以下の範囲内である。粘着剤層の厚みが、10μm以上であることで高い遮蔽性を備えた粘着剤層を形成でき、粘着剤層の厚みが50μm以下であることで、貼り直し可能な凝集力が得られる。
[基材層2]
基材層2の形状は、限定されない。基材層の厚さは、一定であってもよいし、一積層体において異なる厚さを有していてもよい。基材層は、一般に積層体(又はエッチング後のラベル)が可撓性を有することが、ラベルの汎用性を高める観点から好ましいことから、樹脂製のフィルムであることが好ましい。当該フィルムの厚さは、限定されず、例えば、エッチング時に上記の貫通孔を形成しない範囲、及び、取り扱い性の観点において、適宜に決めることが可能である。このような観点から、当該フィルムの厚さは、例えば25~300μmであってよい。
基材層の材料としては、芳香族エステル系樹脂などのエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂などが挙げられる。
基材層の色相はレーザーマーキング層と異なる色相であればよく、透明であってもよい。
基材層は、粘着剤層及びレーザーマーキング層などの隣接する層との密着性を高めるための処理が施されていてもよい。たとえば、芳香族エステル系樹脂製の基材層の場合に、当該基材層には、レーザーマーキング層に対する密着性を高めるために、基材層の表面におけるレーザーマーキング層が接する部分に、コロナ処理又は易接着コートの形成などの、密着性を高めるための処理が施されてもよい。
[レーザーマーキング層3]
レーザーマーキング層3は、レーザー光に対する吸収性を有する層であり、第一の層と称することもある。レーザーマーキング層3の材料には、レーザー光に対する吸収性を有する公知の材料を用いることができる。レーザーマーキング層3の材料の例には、レーザー光を吸収する有機顔料が含まれる。当該有機化合物は、一般に、光エネルギーを熱エネルギーに変換する性質を有している。このため、レーザーマーキング層3は、平面視したときのレーザー光が照射された部分の連続相(例えば樹脂成分)が光及び熱により分解される。レーザーマーキング層3の材料は、より精細な印字を実現する観点から、遮蔽性を有さないことが好ましい。
レーザーマーキング層3の膜厚は、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。レーザーマーキング層の膜厚を20μm以下にすることで、レーザー光線の照射により十分にエッチングでき、印字不良を防止できる。また、下の層へ悪影響を防止できる。レーザー光の照射によってレーザーマーキング層のエッチングを十分に実施する観点から、レーザーマーキング層3層の膜厚は、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。
レーザーマーキング層3の膜厚は、白色層の色をレーザーマーキング層によって十分に隠蔽するために1μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。
〔1-1〕有機顔料
有機顔料の例には、カーボンブラックの他、ポリメチン骨格を伸ばしたシアニン系顔料、平面四配位構造を有するニッケルジチオレン系顔料、スクアリウム系顔料、ナフトキノン系顔料、ジインモニウム系顔料、アゾ系の有機顔料、及び、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレノシアニン系顔料などの縮合多環系の有機顔料、が含まれる。アズレノシアニン系顔料の例には、(10、12、22、24、34、36、46、48-オクトオクチル)2,3-アズレノシアニン亜鉛が含まれる。さらに、当該有機顔料は、市販品であってもよく、当該市販品の例には、山田化学工業株式会社製近赤外吸収色素「FDN-010」及び、山本化成株式会社製近赤外吸収色素「YKR-2200」が含まれる。中でも、光熱変換効率が高いことから、上記の有機顔料は、カーボンブラックであることが好ましい。
レーザーマーキング層における顔料の含有量は、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に、例えば顔料の種類に応じて、決めることが可能である。たとえば、顔料がカーボンブラックである場合では、樹脂成分における有機顔料の含有量は、100質量部の樹脂成分に対して4質量部以上17質量部以下であることが好ましい。
〔1-2〕白色顔料
レーザーマーキング層3は、本発明の効果を損なわず、粘着剤層1との色相のコントラストを損なわない範囲で、白色顔料を含んでいてもよい。
〔2〕レーザーマーキング層3に含まれる樹脂成分
レーザーマーキング層3が含有する樹脂成分は、アクリル共重合体、ポリカプロラクトンポリオール及び架橋剤を含み、架橋剤はポリイソシアネートであることが好ましい。
〔2-1〕レーザーマーキング層3に含まれるアクリル共重合体
レーザーマーキング層に含まれるアクリル共重合体は、主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体と、水酸基を有する単量体と、カルボキシル基を有する単量体とが含まれていることが、基材層に対するレーザーマーキング層の密着性を高める観点から好ましい。
レーザーマーキング層3に含まれるアクリル共重合体の主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体の例には、上述の粘着剤層に含まれるアクリル共重合体の主たる単量体成分と同じ単量体が挙げられる。
中でも、レーザーマーキング層3に含まれるアクリル共重合体の主たる単量体成分となる(メタ)アクリル単量体は、メチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の例は、粘着剤層に用いられるアクリル共重合体に含まれ得る水酸基を有する(メタ)アクリル単量体と同様の単量体が挙げられ、好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリル樹脂のガラス転移温度は、レーザーマーキング層をインキの塗布により形成する場合の良好な乾燥性を発現させる観点から、30℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、アクリル樹脂のガラス転移温度は、レーザーマーキング層をインキの塗布により形成する場合に取扱いやすいインキを得る観点から100℃以下であることが好ましい。
レーザーマーキング層3に含まれるアクリル共重合体の質量平均分子量(Mw)は、制限されないが、5000以上100万以下であることが好ましい。アクリル共重合体の質量平均分子量が5000以上であることは、レーザーマーキング層を形成するためのインキの乾燥性を高める観点から好ましい。アクリル共重合体の質量平均分子量が100万以下であることは、塗布時の作業性が良好なインキを得る観点から好ましい。また、アクリル共重合体の質量平均分子量が10万以下であることは、塗布時の作業性が良好なインキを得る観点からより好ましい。
レーザーマーキング層3は、本実施形態の効果を奏する範囲において、上記の樹脂及び顔料以外の他の材料をさらに含有していてもよい。たとえば、レーザーマーキング層における顔料以外の樹脂は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、ポリオールやウレタン樹脂、セルロース樹脂などが含まれる。
〔2-2〕ポリカプロラクトンポリオール
レーザーマーキング層3の樹脂成分は、アクリル共重合体と共にポリオールを含むことがより好ましい。レーザーマーキング層の樹脂成分が含むポリオールは、好ましくはポリカプロラクトンポリオールであり、その他のポリオールを含んでいてもよい。
ポリカプロラクトンポリオールは、アクリル共重合体100質量部に対して40質量部以上200質量部以下のポリカプロラクトンポリオールの構成単位を含有していることが好ましい。これにより他の層への密着性を高める観点からより一層効果的である。
ポリカプロラクトンポリオールの一例は、R-[O-((C=O)-R’-O)-H]で表される。ここで、Rは、エチレングリコール、及びグリセリンなどの多価アルコールに由来する残基である。nは、ポリカプロラクトンポリオールの水酸基の数に該当し、mは重合したカプロラクトンの数に該当する。R’は、開環重合するカプロラクトンに由来する残基であり、二価のアルキレン基であり得る。
ポリカプロラクトンポリオールの水酸基の数は2~6個であることが好ましく、2~4個であることがより好ましい。たとえば、当該水酸基数は、積層体の印字性を高める観点から、3(トリオール)であることが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量は、1000以上4000以下であることが好ましい。基材層及び白色層に例示される他の層との密着性を高める観点、及び、基材層におけるアクリル樹脂と上記樹脂成分との相互作用を高める観点から、ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量は、1000以上にすることが好ましい。また、レーザーマーキング層を形成するためのインキの作業性を高める観点から、ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量は、4000以下であることが好ましい。
また、ポリカプロラクトンポリオールの水酸基価は、50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。耐溶剤性の観点から、ポリカプロラクトンポリオールの水酸基価は、50mgKOH/g以上であることが好ましい。また、柔軟性の観点から、ポリカプロラクトンポリオールの水酸基価は、200mgKOH/g以下であることが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールは、合成して入手することができ、あるいは、市販品であってもよい。ポリカプロラクトンポリオールは、例えば、分子中に複数の水酸基を有する化合物にポリカプロラクトンを反応させて得られる。
ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、株式会社ダイセル製のプラクセル(登録商標)が挙げられ、その品番としては、#205(数平均分子量(Mn)530,水酸基の数2個,水酸基価212KOHmg/g)、#208(Mn830、水酸基の数2個)、#210(Mn1000、水酸基の数2個)、#212(Mn1250、水酸基の数2個)、#220(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価56KOHmg/g)、#305(Mn530,水酸基の数3個,水酸基価305KOHmg/g)、#308(Mn850、水酸基の数3個)、#309(Mn900、水酸基の数3個)、#312(Mn1250、水酸基の数3個)、#320(Mn2000、水酸基の数3個)及び#410(Mn1000、水酸基の数4個)が挙げられる。
また、ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、パーストープジャパン社製のCAPA2085(Mn830、水酸基の数2個)、CAPA2100(Mn1000、水酸基の数2個)、CAPA2121(Mn1250、水酸基の数2個)、CAPA2125(Mn1250、水酸基の数2個)、CAPA2200(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2201(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2205(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2209(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA3091(Mn900、水酸基の数3個)、CAPA3121J(Mn1200、水酸基の数3個)、CAPA3201(Mn2000、水酸基の数3個)及びCAPA4101(Mn1000、水酸基の数4個)が挙げられる。
なお、レーザーマーキング層の樹脂成分は、その他のポリオールとして、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールを含んでいてもよい。
〔2-3〕架橋剤
レーザーマーキング層に含まれる架橋剤は、ポリイソシアネートであることが好ましく、白色層1と同じく、その他の架橋剤を含んでいてもよい。
レーザーマーキング層に含まれる樹脂成分におけるポリイソシアネートの構成単位の含有量は、アクリル共重合体が有する水酸基及びカルボキシル基、並びにポリカプロラクトンポリオールが有する水酸基の合計に対するイソシアネート基の当量で0.5当量以上2.0当量以下となる量であることが好ましい。
〔2-4〕その他の成分
レーザーマーキング層も、粘着剤層と同じく、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、安定剤、添加剤、並びにシリカ、及び可塑剤などを含み得る。
<別の実施形態に係る積層体101>
本発明の一実施形態に係る積層体は、上記の実施形態に限定されない。例えば、図3に示すように、本発明の一実施形態に係る積層体101は、表面1a側から、レーザーマーキング層(第一の層)3、レーザーマーキング層(第一の層)3'、白色層(第二の層)1’、基材層2、及び粘着剤層1がこの順に積層される積層体である。すなわち、レーザーマーキング層3と、基材層2との間に、レーザーマーキング層3'と白色層1'とが積層されている。積層体101において、粘着剤層1が形成される前における基材層2、レーザーマーキング層3及び3'、並びに白色層1’を備えたフィルム層をレーザーマーキング用フィルム11と称する。なお、積層体101において、積層体100の部材と同じ機能を有する部材には、積層体100と同じ符号を付しており、その説明は省略する。
[白色層1']
白色層1'は、レーザーマーキング層3とは異なる色相であり、粘着剤層1と同じ色相を有する。この点において、白色層1'は、レーザーマーキング層3及び3’と相違する。白色層1'のことを第二の層とも称する。白色層1'は、基材層2における表面3a側に設けられたレーザー光を照射したときに表面3aに印字部11aの内側から、レーザーマーキング層3の色相と異なる色相を表示するための層である。白色層1'は、白色顔料を含むことにより、粘着剤層1と同じ色相を有しているが、鱗片状フィラーを含んでいない点で粘着剤層1と相違する。この点において、白色層1'は、本発明の一実施形態に係る積層体が備えているレーザー光を遮蔽する層ではない。
本発明の一実施形態に係る積層体101では、例えば、図4に示すように、基材層2に設けられた白色層1’や基材層2をレーザー光が貫通しても、粘着剤層1においてレーザー光を遮蔽できる。また、粘着剤層1が、白色度の高い色相を備え、かつ、長波長のレーザー光をも遮蔽できる。よって、積層体101の粘着面1aに貼り付けられた被着体がレーザー光によって損傷を受けることを防止でき、粘着剤層1の色相によって、レーザーマーキング層3との色相のコントラストを高く維持できるため、レーザーマーキング用の積層体に印刷された情報を、当該情報を読み取るためのコードリーダーによって好適に読み取れる。
<積層体の製造方法>
本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法は、レーザーマーキング用の積層体を製造する公知の方法を利用して製造することが可能である。
粘着剤組成物又はインキを塗布する工程は、基材層(基材フィルム)上に粘着剤組成物又はインキを塗布する工程であり得、粘着剤組成物又はインキを塗布する方法には、公知の塗工方法が挙げられる。このような塗工方法の例には、スクリーン印刷、グラビア印刷、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、コンマコート法、ブレードコート法、ダイコート法、スプレー塗装、静電塗装及び浸漬塗装が含まれる。
粘着剤組成物又はインキを乾燥させ、粘着剤層又はインキ層を形成する工程は、例えば、公知の加熱装置による加熱により、粘着剤組成物又はインキを乾燥する工程であり得、公知の加熱装置には、例えば、赤外線ヒータ、熱風ヒータ、又は、オーブン又はホットプレートなどの加熱装置が挙げられる。当該粘着剤層を形成する工程では、粘着剤組成物又はインキに含まれる希釈剤の蒸発と、粘着剤組成物又はインキに含まれる樹脂成分の架橋反応とが促進され、粘着剤層又はインキ層が形成される。
粘着剤層又はインキ層を養生し、粘着剤層、レーザーマーキング層、又は白色層を形成する工程では、上述の公知の加熱装置によって粘着剤層、又はインキ層を加熱することで、粘着剤層又はインキ層に含まれる樹脂成分の架橋反応を、粘着剤層、レーザーマーキング層、又は白色層としての機能を発揮できる程度で終了させるとよい。
積層体の製造方法は、本発明の効果が得られる範囲において、基材層上に複数のインキ層を形成し、異なる色相を有する複数のレーザーマーキング層を備える積層体を形成してもよい。
〔まとめ〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、レーザーマーキング用の積層体を被着体に貼り付けるための粘着剤組成物であって、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、上記樹脂成分は、ブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の比率が10質量%以下である。これによって、COレーザーによる好適な印字性と高い遮蔽性とを備えた接着剤層を積層体に形成でき、高い凝集力と接着性とを積層体に付与できる。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記白色顔料及び上記鱗片状フィラーの含有量の合計が、100質量部の上記樹脂成分に対して、24質量部以上、45質量部以下であることがより好ましい。これによって、好適な印字性と高い遮蔽性とを備えつつ、積層体に被着体への高い接着性を付与できる。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記白色顔料の含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して5質量部以上18質量部以下であることがより好ましい。これによって、短波長レーザーによる印字性及び遮蔽性が良好になり、高い接着力を粘着剤層に付与できる。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記鱗片状フィラーが、酸化チタン被覆雲母であることがより好ましい。これによって、色相を損なうことなく、印字性及び遮蔽性が良好な粘着剤層を備えた積層体が得られる。
本発明の一実施形態に係る積層体は、レーザーマーキング用の積層体であって、上記積層体は、レーザー光を遮光する層を備え、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、上記樹脂成分がアクリル共重体を含み、当該アクリル共重体はブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の比率が10質量%以下である。当該積層体は、印字性及び遮蔽性を備えた粘着剤層を有する。よって、本実施形態に係る積層体も本発明の範疇である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について以下に説明する。
〔材料の準備〕
[アクリル樹脂]
インキA1、A2及びB、実施例1~7、比較例1~4の粘着剤組成物に用いたアクリル樹脂を以下に示す。
アクリル樹脂A:ニカライトH4007K4
分子量Mw:8000
アクリル系粘着剤1:ニッセツSY-2523
分子量Mw:60万
アクリル系粘着剤2:ニッセツKP-1384L
分子量Mw:65万アクリル系粘着剤3:ニッセツPE-123
分子量Mw:55万
アクリル系粘着剤4:SW-3052
分子量Mw:100万
アクリル系粘着剤5:ニッセツKP-982
分子量Mw:60万
アクリル樹脂A及びアクリル系粘着剤1~5は、いずれも日本カーバイド工業株式会社の製品であり、「ニカライト」及び「ニッセツ」は、いずれも同社の登録商標である。表1にアクリル樹脂A、アクリル系粘着剤1~5のモノマー、分子量Mw及びガラス転移温度(Tg)を示す。表1中、「MMA」はメチルメタクリレート、「BA」はnーブチルアクリレート、「2EHA」は2-ヘキシルエチルアクリレート、「2HEA」は2-ヒドロキシエチルアクリレート、「AA」はアクリル酸、をそれぞれ表す。
Figure 0007285792000002
[ポリオール]
インキA1、A2及びBに用いたポリオールを以下に示す。
ポリオール1:プラクセルL320AL
ポリカプロラクトンポリオール
水酸基価:85mgKOH/g,分子量:Mn2000
ポリオール2:プラクセル305
ポリカプロラクトンポリオール
水酸基価:305mgKOH/g,分子量:Mn500
ポリオール1及び2は、いずれも株式会社ダイセルの製品であり、「プラクセル」は同社の登録商標である。また、ポリオール1及び2の固形分量は、いずれも100質量%である。
[ポリイソシアネート]
インキA1、A2及びB、実施例1~16、比較例1~4の粘着剤組成物に用いたポリイソシアネートを以下に示す。
ポリイソシアネート1:タケネートD140-60
IPDIのヌレート,NCO%=8.4%
ポリイソシアネート2:タケネートD-140N
IPDIのTMPアダクト体,NCO%=10.5%
ポリイソシアネート3:タケネートD-268
NCO%=7.5%
ポリイソシアネート4:コロネートHK
HMDIのイソシアヌレート体を含むポリイソシアネート
NCO%=20%
ポリイソシアネート5:コロネートL45E
TDIのTMPアダクト体,NCO%=7.9%
ポリイソシアネート1~4いずれも三井化学株式会社の製品であり、「タケネート」は同社の登録商標である。ポリイソシアネート4及び5はいずれも東レ株式会社の製品であり、「コロネート」は同社の登録商標である。
[顔料]
インキA1、A2及びB、実施例1~16、比較例1~3の粘着剤組成物に用いたアクリル樹脂を以下に示す。
黒色カラーベース1:NBK-968ブラック(日弘ビックス(株)製)
カーボンブラック含有量:15.7質量%
黒色カラーベース2:NX-591ブラック(日弘ビックス株式会社製)
カーボンブラック含有量:15.7質量%
白色カラーベース1:NBK-967ホワイト(日弘ビックス株式会社製)
酸化チタン含有量:58.5質量%
白色カラーベース2:NX-501ホワイト(日弘ビックス株式会社製)
酸化チタン含有量:54.5質量%
鱗片状フィラー1:イリオジン103WNT(佐野塗料株式会社製)
酸化チタンコートマイカ:100質量%
なお、上述のように各顔料はカラーベースとして入手される。このため、カーボンブラック、酸化チタン、酸化チタンコートマイカなどの顔料と、ビヒクルとの合計含有量を固形分量として算出した。
〔調製例1〕
50.0質量部のアクリル樹脂A、50.0質量部のポリオール1、18.0質量部のポリイソシアネート1、2.8質量部のポリフローNo.85HF(共栄社化学(株)製)、177.0質量部の白色カラーベース1を混合し、固形分量が30質量%になるように酢酸エチルで希釈し、白色層用のインキA1を得た。
〔調製例2〕
22.6質量部のサイリシア445(シリカ,富士シリシア化学株式会社製)及び70.0質量部のアクリル樹脂Aを30.0質量部のポリオール1を酢酸エチルに混合し、さらに、30.0質量部のポリオール1、7.7質量部のポリイソシアネート2、5.2質量部のポリイソシアネート3、15.8質量部の黒色カラーベース1、及び45.2質量部の白色カラーベース1を混合した。得られた混合物に含まれる固形分の含有量が30質量%になるように酢酸エチルで希釈してレーザーマーキング層(II)用のインキA2を得た。
〔調製例3〕
3.8質量部のポリフローNo.85HF(アクリル系レベリング剤,共栄社化学株式会社製)、5.4質量部のBYK-370(OH基含有シリコーン,ビッグケミージャパン株式会社製)30.7質量部のサイリシア445(シリカ,富士シリシア化学株式会社製)を酢酸エチルに添加した。次いで、80質量部のアクリル樹脂A、20質量部のポリオール2を混合し、19.2質量部の黒色カラーベース1を混合、攪拌した後、36.5質量部のポリイソシアネート4、17.0質量部のポリイソシアネート5を混合して混合物を得た。その後、当該混合物の固形分量が49質量%になるように酢酸エチルで希釈して、レーザーマーキング層(I)用のインキBを得た。
〔調製例4~23(実施例1~7及び比較例1~4)〕
実施例1~7、及び比較例1~4の粘着剤組成物を以下の手順にて調製した。
表2に示す組成比に基づき、酢酸エチルにロジンエステル(ペンセルD-125,荒川工業株式会社製)を溶解し、鱗片状フィラー1、アクリル系粘着剤1、白色カラーベース2の順に撹拌し、混合した。その後、ポリイソシアネート5を加えて、攪拌し、固形分を30質量%に調整することで実施例1の粘着剤組成物を得た。表2に示す、各組成の配合量は固形分量を基準とし、溶剤を含まないように算出した値である。
〔フィルム層の作製〕
PETフィルムS-50(ユニチカ株式会社製)の両面にコロナ処理を施した。当該PETフィルムの一方の面に、乾燥後の膜厚が2μmとなるようにインキA1を塗工し、100℃で1分乾燥させることで塗膜A1を形成した。次いで、塗膜A1の上に、乾燥後の膜厚が2μmになるようにインキA2を塗工し、100℃で1分乾燥させて塗膜A2を形成した。続いて、40℃で3日養生し、塗膜A2の上に、乾燥後の膜厚が15μmとなるようにインキBを塗工し、150℃、1分の条件で乾燥して、塗膜Bを形成した。その後、60℃で3日養生することでPETフィルム、塗膜A1、塗膜A2、及び塗膜Bがこの順で積層されたフィルム層を得た。
〔レーザーマーキング用積層体の作製〕
表1に示す組成比にて材料を混合し、酢酸エチルで固形分濃度を30質量%に調整した実施例1の粘着剤組成物を、乾燥後の膜厚20μmになるように、剥離紙に塗工し、100℃1分で乾燥させた。乾燥後、フィルム層における各塗膜が形成された面と逆の面に、粘着剤組成物から形成した層をラミネートし、その後、レーザーマーキング用積層体を23℃/50%RHの条件で1週間養生し、レーザーマーキング用積層体を得た。
〔短波長レーザー印字性の評価〕
ファイバーレーザーマーカーLP-Z130(パナソニック株式会社製)にて短波長レーザー印字性を評価した。短波長レーザー印字性は、出力75%、パルス周期50Hz、線幅0.07mm、走査速度2000mm/秒を基本条件として評価した。出力を変化させての評価として、基本条件における出力の135%、120%、100%、80%、60%、及び40%に相当する出力毎に、短波長レーザー印字性の評価を行った。走査速度を変化させての評価として、2000mm/秒、1600mm/秒、1200mm/秒、800mm/秒、及び400mm/秒の条件毎に評価を行った。また、パルス周期を変化させての評価として、パルス周期を50Hz、及び30Hzの条件毎に評価した。印字回数を1回、2回と条件を変えて、「A」とい文字を印字した。その後、印字ができた数(表層と明確な色相の差があるもの)、貫通していた数をそれぞれ総数で割り、評価した。このとき、貫通していた数は、印字ができた数には含まない。
印字評価
S:印字できた割合が85%以上である。
A:印字できた割合70%以上85%未満である。
B:印字できた割合50%以上70%未満である。
C:印字できた割合30%以上50%未満である。
D:印字できた割合30%未満である。
貫通評価
S:貫通していた割合が5%未満である。
A:貫通していた割合が5%以上10%未満である。
B:貫通していた割合が10%以上20%未満である。
C:貫通していた割合が20%以上30%未満である。
D:貫通していた割合が30%以上である。
〔COレーザー印字性の評価〕
COレーザーマーカーML-Z9510(株式会社キーエンス製)にて、出力を20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、走査速度を100mm/秒、200mm/秒、300mm/秒、400mm/秒、500mm/秒、600mm/秒、700mm/秒、800mm/秒、900mm/秒、1000mm/秒と条件を変えて、内部を塗り潰した1.5mm角の正方形を印字した。その後、印字ができた数(表層と明確な色相の差があるもの)、貫通していた数をそれぞれ総数で割り、評価した。このとき、貫通していた数は、印字ができた数には含まない。
印字
SS:印字できた割合が40%以上である。
S:印字できた割合30%以上40%未満である。
A:印字できた割合が20%以上30%未満である。
B:印字できた割合15%以上20%未満である。
C:印字できた割合10%以上15%未満である。
D:印字できた割合10%未満である。
貫通
S:貫通していた割合が10%未満である。
A:貫通していた割合が10%以上15%未満である。
B:貫通していた割合が15%以上20%未満である。
C:貫通していた割合が20%以上30%未満である。
D:貫通していた割合が30%以上である。
〔接着力の評価〕
各レーザーマーキング用積層体を幅10mm、長さ150mmで切り出した。その後、切り出したサンプルを各種被着体に2kgローラーで20mm/秒1往復で貼り付けし、24時間後に180°の角度で300mm/分の速度で引っ張った際の接着力を測定した。
Figure 0007285792000003
〔表2の続き〕
Figure 0007285792000004
〔評価結果〕
実施例1~7の積層体において、白色カラーベース2を5.3質量部含み、鱗片状フィラー1を19.4質量部含む、実施例2の積層体と、比較例2の積層体において、酸化チタンの含有量が多くなることで、短波長レーザー、COレーザーの両方における印字性、耐貫通性(遮蔽性)が高まることが確認できた。また、実施例1~7の積層体と、比較例1及び3の積層体の対比において、鱗片状フィラー1を含んでいない比較例1の積層体は、特に、COレーザーにおける印字性、耐貫通性が劣る結果となり、白色カラーベース2を含んでいない比較例3の積層体は、短波長レーザーとCOレーザーとの両方において、印字性、及び耐貫通性が劣る結果となった。また、白色カラーベース2を15.3質量部含む、比較例4の積層体は、短波長レーザーの印字性、耐貫通性、及びCOレーザーの印字性は良好であるものの、COレーザーの耐貫通性が低く、接着力の評価において凝集破壊が確認された。
本発明は、例えば、工業製品における製品情報(製造番号、ロット番号など)の表示に、好適に利用することができる。
1 粘着剤層(レーザー光を遮蔽する層)
1' 白色層
2 基材層
3 レーザーマーキング層
3' レーザーマーキング層
100 積層体(レーザーマーキング用積層体)
101 積層体(レーザーマーキング用積層体)
B レーザー光

Claims (5)

  1. レーザーマーキング用の積層体を被着体に貼り付けるための粘着剤組成物であって、
    樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、
    上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、
    上記樹脂成分がアクリル共重体を含み、
    当該アクリル共重体はブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の比率が10質量%以下である、粘着剤組成物。
  2. 上記白色顔料及び上記鱗片状フィラーの含有量の合計が、100質量部の上記樹脂成分に対して、24質量部以上、45質量部以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 上記白色顔料の含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して5質量部以上18質量部以下である、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 上記鱗片状フィラーが、酸化チタン被覆雲母である、請求項1~3の何れか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. レーザーマーキング用の積層体であって、
    上記積層体は、レーザー光を遮光する層を備え、
    上記層は、樹脂成分、白色顔料、及び鱗片状フィラーを含有し、
    上記鱗片状フィラーの含有量が、100質量部の上記樹脂成分に対して4.5質量部以上30質量部以下であり、
    上記樹脂成分がアクリル共重体を含み、
    当該アクリル共重体はブチル(メタ)アクリレート単量体の比率が80質量%以上であり、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体の比率が10質量%以下である、積層体。
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