JP7285757B2 - 保護リレー装置 - Google Patents

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Description

本開示は、保護リレー装置に関する。
電力系統の運用を安定させるため、電力系統で発生した故障を検出するディジタル保護リレー装置が使用されている。保護リレー装置は、電力系統の電気量(例えば、電流および電圧)を規定のサンプリング周期でサンプリングし、そのサンプリング周期毎に電気量をディジタルデータに変換し、当該ディジタルデータを用いて電力系統を保護するためのリレー演算を実行する。
特開2013-31306号公報(特許文献1)は、電力系統から取得した電気量を伝送路を介して自端装置と相手端装置との間で送受信し電力系統の保護を行なうディジタル保護継電装置を開示している。特許文献1では、電気量を電気角3.75°でサンプリングした後に、3.75°のデータを変換して7.5°、15°、30°の新たなデータを得ること等が開示されている。
特開2013-31306号公報
母線の保護手段として用いられる電流差動リレーでは、電力系統からの信号を電気角3.75°でサンプリングする。しかし、一般的には、このサンプリングされたデータを用いて行われる故障検出のためのリレー演算の周期はサンプリング周期よりも長く、例えば、電気角30°である。したがって、故障検出に要する時間は、電気角30°に確認回数を乗じた時間だけ必要となるため、この時間の短縮化が求められている。
本開示のある局面における目的は、母線の故障の有無をより高速に判定することが可能な保護リレー装置を提供することである。
ある実施の形態に従うと、母線を保護するための保護リレー装置が提供される。保護リレー装置は、母線から分岐された複数の回線の各々に流れる回線電流の入力を受ける入力部と、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングされた各回線電流のデータに基づいて、各回線電流の変化率と、各回線電流における差動電流の変化率とを算出する変化率算出部と、各回線電流の変化率の極性および大きさと、差動電流の変化率の極性および大きさとに基づいて、母線における故障の発生の有無を判定する故障判定部とを備える。
本開示によると、母線を保護するための保護リレー装置において、母線の故障の有無をより高速に判定することができる。
母線を保護するための保護リレー装置が適用される電力系統を示す図である。 保護リレー装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 各回線の電流変化率の算出方式を説明するための図である。 母線の内部で故障が発生した場合の電力系統を示す図である。 内部故障時における各回線電流および差動電流の波形を示す図である。 内部故障時における各回線電流および差動電流の電流変化率の波形を示す図である。 母線の外部で故障が発生した場合の電力系統を示す図である。 外部故障時における各回線電流および差動電流の波形を示す図である。 外部故障時における各回線電流および差動電流の電流変化率の波形を示す図である。 保護リレー装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 保護リレー装置の故障判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<全体構成>
図1は、母線を保護するための保護リレー装置が適用される電力系統を示す図である。図1に示す電力系統は、母線2と、母線2から分岐した複数の回線(例えば、フィーダ線)とを含む3相の電力系統である。図1には、複数の回線として、回線L1~L3が設けられた例が示されている。
回線L1,L2には、それぞれ、母線2の背後電源91,92が接続されている。背後電源91,92は、例えば、発電機または変圧器である。回線L3には、負荷、送電線等が接続される。
回線L1~L3には、遮断器71~73がそれぞれ挿入される。遮断器71~73の開閉状態に関する情報は、図示しないインターフェイス部を介して保護リレー装置100の内部に取り込まれる。
また、回線L1~L3には、それぞれ電流変成器(CT:Current Transformer)61~63が設けられる。電流変成器に代えて空心変成器を設けてもよい。電流変成器61~63によって検出された回線L1~L3を流れる各相の電流値の情報は、保護リレー装置100の内部に取り込まれる。具体的には、CT61~63は、それぞれ回線L1~L3の各相電流を出力する。
母線2には、電圧変成器(VT:Voltage Transformer)8が設けられる。電圧変成器8によって検出された母線2の各相の電圧値の情報は、保護リレー装置100の内部に取り込まれる。
保護リレー装置100は、電力系統の母線2を保護するためのディジタル形の保護リレー装置である。保護リレー装置100は、CT61~63によって検出された各回線の電流値に基づいて、母線2の内部で故障が生じているか否かを判定する。
詳細は後述するが、本実施の形態に従う保護リレー装置100は、リレー演算周期(例えば、電気角30°)よりも短いサンプリング周期(例えば、電気角3.75°)でサンプリングされた各回線の電流の時系列データを用いて、各回線の電流の変化率および差動電流の変化率を算出する。保護リレー装置100は、これらの変化率に基づいて、母線2における故障を検出する。そのため、保護リレー装置100は、リレー演算周期ごとに各回線の電流を用いて保護演算するよりも高速に母線2の故障の有無を判定できる。
図2は、保護リレー装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、保護リレー装置100は、入力変換部31と、AD(Analog to Digital)変換部35と、演算処理部40と、インターフェイス部50と、判定回路80とを含む。
入力変換部31は、図1のCT61~63から出力された各相の電流信号および図1のVT8から出力された各相の電圧信号が入力される。すなわち、入力変換部31は、母線2から分岐された複数の回線L1~L3の各々に流れる電流の入力を受ける入力部として機能する。
具体的には、入力変換部31は、複数の入力変換器32(例えば、入力変換器32_1,32_2,…)を含む。入力変換器32としての変成器はチャンネルごとに設けられ、各チャンネルには、各相の電流信号および各相の電圧信号がそれぞれ入力される。図2では、代表的に2チャンネルのみ示されている。入力変換部31は、CT61~63からの電流信号およびVT8からの電圧信号をA/D変換部35および演算処理部40での信号処理に適した電圧レベルの信号に変換する。
AD変換部35は、アナログフィルタ(AF:Analog Filter)36と、サンプルホールド回路(SH:Sample and Hold Circuit)37と、マルチプレクサ(MPX:Multiplexer)38と、AD変換器39とを含む。各アナログフィルタ36(例えば、アナログフィルタ36_1,36_2,…)および各SH回路37(例えば、SH回路37_1,37_2,…)は、入力変換器32に対応してチャンネルごとに設けられる。
各アナログフィルタ36は、AD変換の際の折返し誤差を除去するために設けられたフィルタである。各SH回路37は、対応のアナログフィルタ36を通過した信号を規定のサンプリング周波数でサンプリングして保持する。例えば、リレー演算周期(例えば、電気角30°)よりも短い電気角3.75°のサンプリングデータを得る場合、系統周波数が50Hzのときにはサンプリング周波数は4800Hzである。マルチプレクサ38は、各SH回路37に保持された電圧信号を順次選択する。AD変換器39は、マルチプレクサによって選択された信号をディジタル値に変換する。
演算処理部40は、CPU(Central Processing Unit)41と、RAM(Random Access Memory)42と、ROM(Read Only Memory)43とを含む。これらの各要素はバス44を介して相互に接続されている。なお、当該ハードウェアは、CPU以外のFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびその他の演算機能を有する回路などであってもよい。
演算処理部40は、フラッシュメモリなど電気的に書換え可能な不揮発性メモリを含んでいてもよい。RAM42およびROM43は、CPU41の主記憶装置として用いられる。CPU41は、ROM43および不揮発性メモリに可能されたプログラムに従って、保護リレー装置100の動作を制御する。
典型的には、CPU41は、リレー演算周期(例えば、電気角30°)ごとに、当該リレー演算周期に対応する期間にサンプリングされた複数のサンプリングデータをバッファメモリから読み出してディジタルフィルタ処理した後、ディジタルフィルタ処理されたデータに基づいてリレー演算を実行する。CPU41は、リレー演算結果に基づいて、保護区間の故障の有無を判定する。CPU41は、故障が発生していると判定した場合には、インターフェイス部50を介して、遮断器71~73にトリップ信号を出力する。
インターフェイス部50は、DO(Digital output)回路51と、DI(Digital input)回路52とを含む。DO回路51は、CPU41の指令に従って、図1の回線L1~L3にそれぞれ設けられた遮断器71~73にトリップ信号を出力する。DI回路52は、例えば、遮断器71~73からの接点信号の入力を受け付ける。
判定回路80は、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期(例えば、電気角3.75°)でサンプリングされた各回線L1~L3の電流の時系列データから演算した各電流の変化率に基づいて、母線2の内部故障を検出する。判定回路80による母線2の内部故障の判定方式については後述する。典型的には、判定回路80は、FPGA等の回路で構成されているが、CPU等で構成されていてもよい。
<故障判定方式>
(概要)
図3は、各回線の電流変化率の算出方式を説明するための図である。図3を参照して、波形300は、入力変換器32により取り込まれた入力電流のアナログ波形を示している。時刻t05~t06,t10~t17,t20~t22は、サンプリング時刻を示している。値Z~Zは、それぞれ時刻t05~t07でのサンプリング値であり、値A~Aは、それぞれ時刻t10~t17でのサンプリング値であり、値B~Bは、それぞれ時刻t20~t22でのサンプリング値である。サンプリング周期Tsは、電気角3.75°であるとする。各値Z~Z,A~A,B~Bは、ディジタル値としてメモリに順次格納される。
判定回路80は、時刻t10において、今回のサンプリング時刻に対応する値Aと、前回のサンプリング時刻に対応する値Zとに基づいて、時刻t10における電流変化率ΔI10を算出する。具体的には、ΔI10=(A-Z)/Tsである。また、判定回路80は、時刻t11において電流変化率ΔI11(=(A-A)/Ts)を算出する。同様に、判定回路80は、各時刻t12~t22において電流変化率ΔI12~ΔI22を算出する。上記より、各回線L1~L3の回線電流の電流変化率ΔIは、サンプリング間隔(すなわち、時間Ts)あたりの回線電流の変化量に相当する。判定回路80は、各回線L1~L3における電流変化率ΔIをサンプリング周期Tsごとに算出する。
さらに、判定回路80は、各回線L1~L3の電流における差動電流Idの電流変化率ΔIdもサンプリング周期Tsごとに算出する。回線L1~L3の電流を、それぞれ回線電流I1~I3とする。この場合、差動電流Idは回線電流I1~I3のベクトル和で表される。具体的には、Id=I1+I2+I3である。例えば、時刻t11,t12における差動電流をそれぞれId11,Id12とし、時刻t12における電流変化率をΔId12とする。この場合、ΔId12=(Id12-Id11)/Tsとなる。同様に、判定回路80は、各時刻t13~t22において電流変化率ΔId13~ΔId22を算出する。
判定回路80は、各回線電流I1~I3の電流変化率ΔIの極性および大きさ(すなわち、絶対値)と、差動電流Idの電流変化率ΔIdの極性および大きさとに基づいて、母線2の故障が発生したか否かを判定する。以下、これらの極性および大きさを用いる理由について、図4~図9を参照しながら説明する。
図4は、母線2の内部で故障が発生した場合の電力系統を示す図である。図4を参照して、母線2の内部における故障点Fiにおいて故障(例えば、地絡故障)が発生したとする。この場合、回線電流I1~I3は故障点Fiに向かって流れる。
図5は、内部故障時における各回線電流および差動電流の波形を示す図である。図5を参照して、波形401,402,403は、それぞれ回線電流I1,I2,I3の電流波形を示している。波形404は、各回線電流I1,I2,I3から演算される差動電流Idの電流波形を示している。
波形401,402,404に示されるように、内部故障の発生以降、背後電源91,92にそれぞれ接続された回線L1,L2の回線電流I1,I2は大きくなっており、これに伴って差動電流Idも大きくなっている。一方、波形403に示されるように、背後電源が接続されていない回線L3の回線電流I3には変化はない。
図6は、内部故障時における各回線電流および差動電流の電流変化率の波形を示す図である。具体的には、図6(a)は、図5に示す各電流の電流変化率の波形を示す図である。図6(b)は、図6(a)の領域430の部分を拡大した図である。
図6(a)を参照して、波形411,412,413は、それぞれ、内部故障時の回線電流I1~I3の電流変化率ΔI1~ΔI3の波形を示している。波形414は、内部故障時の差動電流Idの電流変化率ΔIdの波形を示している。波形411,412,414に示されるように、内部故障の発生直後において、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdは急激に大きくなっている。一方、波形413に示されるように、電流変化率ΔI3には変化は見られない。
より具体的には、図6(b)の波形411,412,414から理解されるように、内部故障の発生直後において、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdは、いずれも負方向側に急激に大きくなっている。したがって、母線2の内部故障の発生直後において、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdの絶対値は大きく、かつ電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdの極性は同一であることがわかる。
図7は、母線2の外部で故障が発生した場合の電力系統を示す図である。図7を参照して、母線2の外部における故障点Fоにおいて故障(例えば、地絡故障)が発生したとする。この場合、回線電流I1~I3は故障点Fоに向かって流れる。
図8は、外部故障時における各回線電流および差動電流の波形を示す図である。図8を参照して、波形501,502,503は、それぞれ回線電流I1,I2,I3の電流波形を示している。波形504は、各回線電流I1,I2,I3から演算される差動電流Idの電流波形を示している。波形501,502,503に示されるように、外部故障の発生以降、回線電流I1,I2,I3は大きくなっている。一方、波形504に示されるように、差動電流Idには変化は見られない。
図9は、外部故障時における各回線電流および差動電流の電流変化率の波形を示す図である。具体的には、図9(a)は、図8に示す各電流の電流変化率の波形を示す図である。図9(b)は、図9(a)の領域530の部分を拡大した図である。
図9(a)を参照して、波形511,512,513は、それぞれ、外部故障時における回線電流I1~I3の電流変化率ΔI1~ΔI3の波形を示している。波形514は、外部故障時における差動電流Idの電流変化率ΔIdの波形を示している。波形511,512,513に示されるように、外部故障の発生直後において、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔI3は急激に大きくなっている。一方、波形514に示されるように、電流変化率ΔIdには変化は見られない。
より具体的には、図9(b)の波形511,512,513から理解されるように、外部故障の発生直後において、電流変化率ΔI1,ΔI2は負方向側に急激に変化しているが、電流変化率ΔI3は正方向側に急激に変化している。このことから、母線2の外部故障発生直後においては、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔI3の絶対値は大きく、かつ電流変化率ΔI1,ΔI2の極性と電流変化率ΔI3の極性とは同一ではない。
図4~図9の上述した説明から理解されるように、内部故障時と外部故障時とでは、電流変化率ΔI1~ΔI3,ΔIdの極性および絶対値に差異が見られる。また、故障未発生時においては、電流変化率ΔI1~ΔI3,ΔIdは急激に変化しないため、これらの電流変化率の絶対値は小さい。そのため、電流変化率ΔI1~ΔI3,ΔIdの極性および絶対値に着目することで、母線2の内部故障の発生の有無を判定できる。
(判定方式の具体例)
時刻tにおいて演算される電流変化率ΔIn(t)は以下の式(1)で表される。
ΔIn(t)={In(t)-In(t-1)}/{t-(t-1)}・・・(1)
In(t)は今回のサンプリング時刻(すなわち、時刻t)でサンプリングされた回線Lnの電流値であり、In(t-1)は、前回のサンプリング時刻(すなわち、時刻(t-1))でサンプリングされた回線Lnの電流値である。時刻(t-1)は、時刻tから時間Tsだけ遡った時刻に相当する。nは母線2から分岐している回線の数に対応しており、n≧2である。式(1)より、電流変化率ΔIn(t)は、単位時間(すなわち、サンプリング周期Tsに対応する時間)あたりの回線電流In(t)の変化量である。ここで、ΔIn(t)の大きさに関する閾値をTh1(>0)とし、ΔIn(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をIn_P(t)とする。
極性判定値In_P(t)は、ΔIn(t)≧+Th1が成立する場合には“+1”であり、ΔIn(t)≦-Th1が成立する場合には“-1”であり、-Th1<ΔIn(t)<+Th1が成立する場合には“0”であるとする。
時刻tのときの差動電流Id(t)は以下の式(2)で表され、差動電流Id(t)の電流変化率ΔId(t)は以下の式(3)で表される。
Id(t)=(I1+I2+・・・+In)・・・(2)
ΔId(t)={Id(t)-Id(t-1)}/{t-(t-1)}・・・(3)
Id(t)は今回のサンプリング時刻(すなわち、時刻t)で演算された差動電流値であり、Id(t-1)は、前回のサンプリング時刻で演算された差動電流値である。式(3)より、電流変化率ΔId(t)は、単位時間あたりの差動電流Id(t)の変化量である。ここで、ΔId(t)の大きさに関する閾値をTh2とし、ΔId(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をId_P(t)とする。
極性判定値Id_P(t)は、ΔId(t)≧+Th2が成立する場合には“+1”であり、ΔId(t)≦-Th2が成立する場合には“-1”であり、-Th2<ΔId(t)<+Th2が成立する場合には“0”であるとする。
ここで、図4に示すような内部故障が発生したとする。この場合、nは“3”である。図6で説明したように、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdは、負方向側に急激に大きくなっているが、電流変化率ΔI3には変化は見られない。そのため、内部故障発生直後において、I1_P(t)は“-1”であり、I2_P(t)は“-1”であり、I3_P(t)は“0”であり、Id_P(t)は“-1”である。
次に、極性判定値の加算値Isum_P(t)を求める。なお、In_P(t)の値が“0”の場合には、当該In_P(t)を加算対象から除外する。Id_P(t)については値に関わらず加算対象とする。図6の例では、I3_P(t)は“0”であるため、I3_P(t)が加算対象から除外される。したがって、以下の式(4)が成立する。
Isum_P(t)=I1_P(t)+I2_P(t)+Id_P(t)=-1-1-1=-3・・・(4)
そして、加算値Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値である場合に母線2の内部故障が発生したと判定する。これらが同値ではない場合には、母線2には内部故障は発生していないと判定する。図6の例では、Isum_P(t)の絶対値が“3”であり、“I1_P(t)”、“I2_P(t)”および“Id_P(t)”が加算されているため、加算対象数も“3”である。したがって、Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値であるため、内部故障が発生したと判定される。
次に、図7に示すような外部故障が発生したとする。この場合、nは“3”である。図9で説明したように、電流変化率ΔI1,ΔI2は負方向側に急激に大きくなり、電流変化率ΔI3は正方向側に急激に大きくなり、電流変化率ΔIdには変化は見られない。そのため、外部故障発生直後において、I1_P(t)は“-1”であり、I2_P(t)は“-1”であり、I3_P(t)は“1”であり、Id_P(t)は“0”である。
次に、極性判定値の加算値Isum_P(t)を求める。図9の例においては、In_P(t)はいずれも“0”ではないため、加算対象から除外される極性判定値はない。そのため、以下の式(5)が成立する。
Isum_P(t)=I1_P(t)+I2_P(t)+I3_P(t)+Id_P(t)=-1-1+1-1=-2・・・(5)
図9の例では、Isum_P(t)の絶対値が“2”であり、“I1_P(t)”、“I2_P(t)”、“I3_P(t)”および“Id_P(t)”が加算されているため、加算対象数は“4”である。したがって、Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とは異なる値であるため、内部故障は発生していないと判定される。
(判定方式の変形例)
内部故障判定の信頼性を向上させるため、時刻tと時刻(t-1)との間における電流変化率だけではなく、時刻tと時刻(t-2)との間における電流変化率も確認する構成であってもよい。
時刻tにおいて演算される回線電流の電流変化率ΔIn*(t)は以下の式(6)で表される。
ΔIn*(t)={In(t)-In(t-2)}/{t-(t-2)}・・・(6)
In(t-2)は、前々回のサンプリング時刻(すなわち、時刻(t-2))でサンプリングされた回線Lnの電流値である。時刻(t-2)は、時刻tから時間2Tsだけ遡った時刻に相当する。式(6)より、電流変化率ΔIn*(t)は、時刻tと時刻(t-2)間における単位時間あたりの回線電流In(t)の変化量である。
ΔIn*(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をIn*_P(t)とする。極性判定値In*_P(t)は、ΔIn*(t)≧+Th1が成立する場合には“+1”であり、ΔIn*(t)≦-Th1が成立する場合には“-1”であり、-Th1<ΔIn*(t)<+Th1が成立する場合には“0”であるとする。
時刻tにおいて演算される差動電流の電流変化率ΔId*(t)は以下の式(7)で表される。
ΔId*(t)={Id(t)-Id(t-2)}/{t-(t-2)}・・・(7)
Id(t-2)は、前々回のサンプリング時刻で演算された差動電流値である。式(7)より、電流変化率ΔId*(t)は、時刻tと時刻(t-2)間における単位時間あたりの差動電流Id(t)の変化量である。ここで、ΔId*(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をId*_P(t)とする。極性判定値Id*_P(t)は、ΔId*(t)≧+Th2が成立する場合には“+1”であり、ΔId*(t)≦-Th2が成立する場合には“-1”であり、-Th2<ΔId*(t)<+Th2が成立する場合には“0”であるとする。
ここで、図4に示すような内部故障が発生したとする。図6で説明したように、電流変化率ΔI1,ΔI2,ΔIdは、負方向側に急激に大きくなっているが、電流変化率ΔI3には変化は見られない。そのため、内部故障発生直後において、I1_P(t)およびI1*_P(t)は“-1”であり、I2_P(t)およびI2*_P(t)は“-1”であり、I3_P(t)およびI3*_P(t)は“0”であり、Id_P(t)およびId*_P(t)は“-1”である。
次に、極性判定値の加算値Isum*_P(t)を求める。なお、In_P(t)およびIn*_P(t)の値が“0”の場合には、当該In_P(t)およびIn*_P(t)は加算対象から除外する。Id_P(t)およびId*_P(t)については値に関わらず加算対象とする。図6の例では、I3_P(t)およびI3*_P(t)は“0”であるため、これらは加算対象から除外される。したがって、以下の式(8)が成立する。
Isum*_P(t)={I1_P(t)+I2_P(t)+Id_P(t)}+{I1*_P(t)+I2*_P(t)+Id*_P(t)}=(-1-1-1)+(-1-1-1)=-6・・・(8)
そして、加算値Isum*_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値である場合に母線2の内部故障が発生したと判定する。これらが同値ではない場合には、母線2には内部故障は発生していないと判定する。式(8)よりIsum*_P(t)の絶対値は“6”であり、I1_P(t)、I2_P(t)、Id_P(t)、I1*_P(t)、I2*_P(t)およびId*_P(t)が加算されているため、加算対象数も“6”である。したがって、Isum*_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値であるため、内部故障が発生したと判定される。
図7に示すような外部故障が発生した場合にも、上記と同様な判定が行われる。具体的には、外部故障が発生した場合には、加算値Isum*_P(t)の絶対値は“4”であり、加算対象数は“8”となる。したがって、Isum*_P(t)の絶対値と加算対象数とは異なる値であるため、内部故障は発生していないと判定される。
なお、上記では、時刻tと時刻(t-2)との間における電流変化率をさらに確認する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、時刻tと時刻(t-3)との間における電流変化率をさらに確認する構成であってもよいし、時刻tと、時刻(t-3)よりもさらに過去の時刻との間における電流変化率を確認する構成であってもよい。
<機能構成>
図10は、保護リレー装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図10を参照して、保護リレー装置100は、主たる機能構成として、変化率算出部152と、故障判定部154と、差動リレー演算部156と、出力制御部158とを含む。典型的には、変化率算出部152および故障判定部154は、判定回路80により実現され、差動リレー演算部156は演算処理部40のCPU41により実現され、出力制御部158はCPU41およびDO回路51により実現される。なお、これらの機能の一部または全部は他の異なるハードウェアで実現されるように構成されていてもよい。
変化率算出部152は、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングされた各回線電流(例えば、回線電流I1(t)~I3(t))のデータに基づいて、各回線電流の変化率(例えば、電流変化率ΔI1(t)~ΔI3(t))を算出する。ここで、回線電流の変化率は、単位時間(例えば、サンプリング周期Tsに対応する時間)あたりの回線電流の変化量である。当該変化量は、例えば、今回のサンプリング時刻(例えば、時刻t)と前回のサンプリング時刻(例えば、時刻(t-1))との間における回線電流の変化量である。
また、変化率算出部152は、各回線電流のデータに基づいて、各回線電流における差動電流の変化率(例えば、電流変化率ΔId(t))を算出する。具体的には、差動電流の変化率は、単位時間あたりの差動電流の変化量である。当該変化量は、例えば、今回のサンプリング時刻(例えば、時刻t)と前回のサンプリング時刻(例えば、時刻(t-1))との間における差動電流の変化量である。
故障判定部154は、各回線電流の変化率の極性および大きさと、差動電流の変化率の極性および大きさとに基づいて、母線2における故障の発生の有無を判定する。故障判定部154は、上述した判定方式に従って当該故障の発生の有無を判定する。
具体例として、図4では、母線2から分岐している各回線は、背後電源91に接続された回線L1と、背後電源92に接続された回線L2と、背後電源に接続されていない回線L3とを含む。この場合、回線L1,L2における回線電流I1,I2は急激に変化するため、回線電流I1の電流変化率ΔI1(t)の大きさと、回線電流I2の電流変化率ΔI2(t)の大きさとは閾値Th1以上となる。一方、電流変化率ΔI3は変化しないため、電流変化率ΔI3(t)の大きさは閾値Th1未満となる。そのため、電流変化率ΔI3(t)の極性は、母線2における故障判定には考慮されない。
したがって、差動電流Idの電流変化率ΔId(t)の大きさが閾値Th2以上であり、かつ、電流変化率ΔI1(t)の極性と電流変化率ΔI2(t)の極性と差動電流Id(t)の電流変化率ΔId(t)の極性とが同一である場合に、故障判定部154は、母線2に故障が発生したと判定する。
ここで、仮に、母線2から分岐している各回線が、背後電源91に接続された回線L1と、背後電源に接続されていない回線L2,L3とを含むとする。この場合、回線L1における回線電流I1は急激に変化するが、回線L2,L3における回線電流I2,I3は急激に変化しない。したがって、電流変化率ΔI1(t)の大きさは閾値Th1以上となるが、電流変化率ΔI2(t),ΔI3(t)の大きさは閾値Th1未満となる。そのため、電流変化率ΔI2(t),I3(t)の極性は、母線2における故障判定には考慮されない。具体的には、差動電流Idの電流変化率ΔId(t)の大きさが閾値Th2以上であり、かつ、電流変化率ΔI1(t)の極性と差動電流Id(t)の電流変化率ΔId(t)の極性とが同一である場合に、故障判定部154は、母線2に故障が発生したと判定する。
なお、単位時間あたりの回線電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における単位時間あたりの回線電流の変化量K1(例えば、ΔIn(t))と、今回のサンプリング時刻と前々回のサンプリング時刻との間における単位時間あたりの回線電流の変化量K2(例えば、ΔIn*(t))とを含んでもよい。この場合、単位時間あたりの差動電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における単位時間あたりの差動電流の変化量K3(例えば、ΔId(t))と、今回のサンプリング時刻と前々回のサンプリング時刻との間における単位時間あたりの差動電流の変化量K4(例えば、ΔId*(t))とを含む。
図4の例では、回線L1,L2における回線電流I1,I2は急激に変化するが、回線電流I3は変化しない。そのため、回線電流I1の変化量K1,K2(例えば、電流変化率ΔI1(t),ΔI1*(t))の大きさと、回線電流I2の変化量K1,K2(例えば、電流変化率ΔI2(t),ΔI2*(t))の大きさとは閾値Th1以上となる。一方、回線電流I3の変化量K1,K2(例えば、電流変化率ΔI3(t),ΔI3*(t))の大きさは閾値Th1未満となる。そのため、電流変化率ΔI3(t),ΔI3*(t)の極性は、母線2における故障判定には考慮されない。
したがって、差動電流の変化量K3,K4の大きさが閾値Th2以上であり、かつ回線電流I1の変化量K1,K2の各極性と、回線電流I2の変化量K1,K2の各極性と、差動電流Idの変化量K3,K4の各極性とが同一である場合に、故障判定部154は、母線2に故障が発生したと判定する。
差動リレー演算部156は、予め定められたリレー演算周期(例えば、電気角30°)ごとに、各回線電流のサンプリングデータに基づいて、差動リレー演算により母線2における故障を検出する。
具体的には、差動リレー演算部156は、CT61~63によって検出された各回線L1~L3の回線電流I1~I3のベクトル和を算出し、算出したベクトル和の大きさを差動電流IDとして算出する。差動リレー演算部156は、回線電流I1~I3のうち、大きさが最大のものを抑制電流IRとして算出する。なお、最大値抑制方式に代えて、スカラー和抑制方式を用いてもよい。具体的には、差動リレー演算部156は、検出された回線電流I1~I3のスカラー和を抑制電流IRとして算出してもよい。
続いて、差動リレー演算部156は、抑制電流IRと差動電流IDとの関係が予め定められた関係を満たすか否かを判定する。具体的には、差動リレー演算部156は、抑制電流IRに定数αを乗算し、定数βを加算した値よりも差動電流IDが大きいか否か(すなわち、ID>α×IR+βが成立するか否か)を判定する。ID>α×IR+βが成立する場合、差動リレー演算部156は母線2に故障が発生したと判定する。
なお、差動リレー演算部156は、抑制電流IRを用いずに差動電流IDのみを用いて判定を行なってもよい。具体的には、差動リレー演算部156は、差動電流IDが閾値IPよりも大きいか否か(すなわち、ID>IPが成立するか否か)を判定する。ID>IPが成立する場合、差動リレー演算部156は母線2に故障が発生したと判定する。
出力制御部158は、故障判定部154による判定結果と、差動リレー演算部156による判定結果との入力を受け付ける。出力制御部158は、故障判定部154により母線2に故障が発生したと判定された場合に、動作信号(例えば、トリップ信号)を遮断器71~73へ出力する。なお、出力制御部158は、差動リレー演算部156により母線2に故障が発生したと判定された場合に、動作信号を遮断器71~73へ出力してもよい。
ただし、上述のように、故障判定部154は、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期ごとに得られる電流変化率を用いて母線2の故障判定を実行する。例えば、リレー演算周期が30°、サンプリング周期が3.75°である場合、差動リレー演算部156が1回の故障判定を行なう間に、故障判定部154は8回の故障判定を行なうことができる。したがって、信頼性を鑑みて、故障判定部154により複数回(例えば、4回)連続で母線2に故障が発生したと判定された場合にトリップ信号が出力されるとしても、従来のリレー演算周期よりも早くトリップ信号を出力することができる。
また、差動リレー演算部156により母線2に故障が発生したと判定された場合にもトリップ信号が出力される。そのため、何らかの要因で故障判定部154において母線2の故障が検出されなかった場合でも、差動リレー演算によって母線2の故障が検出された場合にはトリップ信号を出力することができる。
図11は、保護リレー装置100の故障判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。図11を参照して、保護リレー装置100は、各回線電流の変化率(例えば、電流変化率ΔI1(t),ΔI2(t),ΔI3(t))を算出する(ステップS10)。保護リレー装置100は、各回線電流における差動電流の変化率(例えば、電流変化率ΔId(t))を算出する(ステップS12)。
保護リレー装置100は、各回線電流の変化率のうち、閾値Th1以上の大きさを有する回線電流の変化率を抽出する(ステップS14)。保護リレー装置100は、差動電流の変化率の大きさが閾値Th2以上であって、かつ、抽出された回線電流の変化率(例えば、電流変化率ΔI1(t),ΔI2(t))の極性と、差動電流の変化率の極性とが同一であるか否かを判断する(ステップS16)。
これらが同一である場合には(ステップS16においてYES)、保護リレー装置100は、母線2において内部故障が発生したと判定して(ステップS18)、トリップ信号を出力する(ステップS20)。そうではない場合(ステップS16においてNO)、保護リレー装置100は、差動リレー演算に基づいて母線2の内部故障が発生したか否かを判断する(ステップS22)。内部故障が発生した場合(ステップS22においてYES)、保護リレー装置100はトリップ信号を出力する(ステップS22)。内部故障が発生していない場合、保護リレー装置100はトリップ信号を出力することなく処理を終了する。
<利点>
本実施の形態によると、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期ごとに得られる電流変化率を用いて母線2の故障判定が実行される。そのため、通常のリレー演算による故障判定よりも高速に故障判定を行うことが可能となり、保護リレー装置100をより高速に動作させることができる。
その他の実施の形態.
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、他の実施の形態で説明した処理および構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 母線、8 電圧変成器、31 入力変換部、32 入力変換器、35 AD変換部、36 アナログフィルタ、37 SH回路、38 マルチプレクサ、39 AD変換器、40 演算処理部、41 CPU、42 RAM、43 ROM、44 バス、50 インターフェイス部、51 DO回路、52 DI回路、61,63 電流変成器、71,73 遮断器、80 判定回路、91,92 背後電源、100 保護リレー装置、152 変化率算出部、154 故障判定部、156 差動リレー演算部、158 出力制御部。

Claims (8)

  1. 母線を保護するための保護リレー装置であって、
    前記母線から分岐された複数の回線の各々に流れる回線電流の入力を受ける入力部と、
    リレー演算周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングされた各前記回線電流のデータに基づいて、各前記回線電流の変化率と、各前記回線電流における差動電流の変化率とを算出する変化率算出部と、
    各前記回線電流の変化率の極性および大きさと、前記差動電流の変化率の極性および大きさとに基づいて、前記母線における故障の発生の有無を判定する故障判定部とを備える、保護リレー装置。
  2. 前記複数の回線は、第1回線および第2回線を含み、
    前記第1回線に流れる第1回線電流の変化率の大きさと、前記第2回線に流れる第2回線電流の変化率の大きさとが第1閾値以上である場合、前記差動電流の変化率の大きさが第2閾値以上であり、かつ、前記第1回線電流の変化率の極性と前記第2回線電流の変化率の極性と前記差動電流の変化率の極性とが同一である場合に、前記故障判定部は、前記母線に故障が発生したと判定する、請求項1に記載の保護リレー装置。
  3. 前記第1回線電流の変化率の大きさが前記第1閾値以上であり、前記第2回線電流の変化率の大きさが前記第1閾値未満である場合、前記差動電流の変化率の大きさが前記第2閾値以上であり、かつ前記第1回線電流の変化率の極性と前記差動電流の変化率の極性とが同一である場合に、前記故障判定部は、前記母線に故障が発生したと判定する、請求項2に記載の保護リレー装置。
  4. 前記回線電流の変化率は、単位時間あたりの前記回線電流の変化量であり、
    前記差動電流の変化率は、前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量であり、
    前記単位時間は、前記サンプリング周期に対応する時間である、請求項2または請求項3に記載の保護リレー装置。
  5. 前記単位時間あたりの前記回線電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における前記回線電流の変化量であり、
    前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量は、前記今回のサンプリング時刻と前記前回のサンプリング時刻との間における前記差動電流の変化量である、請求項4に記載の保護リレー装置。
  6. 前記単位時間あたりの前記回線電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記回線電流の第1変化量と、前記今回のサンプリング時刻と前々回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記回線電流の第2変化量とを含み、
    前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量は、前記今回のサンプリング時刻と前記前回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記差動電流の第3変化量と、前記今回のサンプリング時刻と前記前々回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記差動電流の第4変化量とを含む、請求項4に記載の保護リレー装置。
  7. 前記故障判定部により前記母線に故障が発生したと判定された場合に、動作信号を出力する出力制御部をさらに備える、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
  8. 各前記回線電流のサンプリングデータに基づいて、前記リレー演算周期で保護リレー演算を実行する演算処理部をさらに備え、
    前記保護リレー演算の結果に基づいて前記演算処理部が前記母線の故障を検出した場合、前記出力制御部は前記動作信号を出力する、請求項7に記載の保護リレー装置。
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