JP7285757B2 - 保護リレー装置 - Google Patents
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Description
図1は、母線を保護するための保護リレー装置が適用される電力系統を示す図である。図1に示す電力系統は、母線2と、母線2から分岐した複数の回線(例えば、フィーダ線)とを含む3相の電力系統である。図1には、複数の回線として、回線L1~L3が設けられた例が示されている。
(概要)
図3は、各回線の電流変化率の算出方式を説明するための図である。図3を参照して、波形300は、入力変換器32により取り込まれた入力電流のアナログ波形を示している。時刻t05~t06,t10~t17,t20~t22は、サンプリング時刻を示している。値Z5~Z7は、それぞれ時刻t05~t07でのサンプリング値であり、値A0~A7は、それぞれ時刻t10~t17でのサンプリング値であり、値B0~B2は、それぞれ時刻t20~t22でのサンプリング値である。サンプリング周期Tsは、電気角3.75°であるとする。各値Z5~Z7,A0~A7,B0~B2は、ディジタル値としてメモリに順次格納される。
時刻tにおいて演算される電流変化率ΔIn(t)は以下の式(1)で表される。
In(t)は今回のサンプリング時刻(すなわち、時刻t)でサンプリングされた回線Lnの電流値であり、In(t-1)は、前回のサンプリング時刻(すなわち、時刻(t-1))でサンプリングされた回線Lnの電流値である。時刻(t-1)は、時刻tから時間Tsだけ遡った時刻に相当する。nは母線2から分岐している回線の数に対応しており、n≧2である。式(1)より、電流変化率ΔIn(t)は、単位時間(すなわち、サンプリング周期Tsに対応する時間)あたりの回線電流In(t)の変化量である。ここで、ΔIn(t)の大きさに関する閾値をTh1(>0)とし、ΔIn(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をIn_P(t)とする。
ΔId(t)={Id(t)-Id(t-1)}/{t-(t-1)}・・・(3)
Id(t)は今回のサンプリング時刻(すなわち、時刻t)で演算された差動電流値であり、Id(t-1)は、前回のサンプリング時刻で演算された差動電流値である。式(3)より、電流変化率ΔId(t)は、単位時間あたりの差動電流Id(t)の変化量である。ここで、ΔId(t)の大きさに関する閾値をTh2とし、ΔId(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をId_P(t)とする。
そして、加算値Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値である場合に母線2の内部故障が発生したと判定する。これらが同値ではない場合には、母線2には内部故障は発生していないと判定する。図6の例では、Isum_P(t)の絶対値が“3”であり、“I1_P(t)”、“I2_P(t)”および“Id_P(t)”が加算されているため、加算対象数も“3”である。したがって、Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値であるため、内部故障が発生したと判定される。
図9の例では、Isum_P(t)の絶対値が“2”であり、“I1_P(t)”、“I2_P(t)”、“I3_P(t)”および“Id_P(t)”が加算されているため、加算対象数は“4”である。したがって、Isum_P(t)の絶対値と加算対象数とは異なる値であるため、内部故障は発生していないと判定される。
内部故障判定の信頼性を向上させるため、時刻tと時刻(t-1)との間における電流変化率だけではなく、時刻tと時刻(t-2)との間における電流変化率も確認する構成であってもよい。
In(t-2)は、前々回のサンプリング時刻(すなわち、時刻(t-2))でサンプリングされた回線Lnの電流値である。時刻(t-2)は、時刻tから時間2Tsだけ遡った時刻に相当する。式(6)より、電流変化率ΔIn*(t)は、時刻tと時刻(t-2)間における単位時間あたりの回線電流In(t)の変化量である。
Id(t-2)は、前々回のサンプリング時刻で演算された差動電流値である。式(7)より、電流変化率ΔId*(t)は、時刻tと時刻(t-2)間における単位時間あたりの差動電流Id(t)の変化量である。ここで、ΔId*(t)の極性に関する判定値を示す極性判定値をId*_P(t)とする。極性判定値Id*_P(t)は、ΔId*(t)≧+Th2が成立する場合には“+1”であり、ΔId*(t)≦-Th2が成立する場合には“-1”であり、-Th2<ΔId*(t)<+Th2が成立する場合には“0”であるとする。
そして、加算値Isum*_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値である場合に母線2の内部故障が発生したと判定する。これらが同値ではない場合には、母線2には内部故障は発生していないと判定する。式(8)よりIsum*_P(t)の絶対値は“6”であり、I1_P(t)、I2_P(t)、Id_P(t)、I1*_P(t)、I2*_P(t)およびId*_P(t)が加算されているため、加算対象数も“6”である。したがって、Isum*_P(t)の絶対値と加算対象数とが同値であるため、内部故障が発生したと判定される。
図10は、保護リレー装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図10を参照して、保護リレー装置100は、主たる機能構成として、変化率算出部152と、故障判定部154と、差動リレー演算部156と、出力制御部158とを含む。典型的には、変化率算出部152および故障判定部154は、判定回路80により実現され、差動リレー演算部156は演算処理部40のCPU41により実現され、出力制御部158はCPU41およびDO回路51により実現される。なお、これらの機能の一部または全部は他の異なるハードウェアで実現されるように構成されていてもよい。
本実施の形態によると、リレー演算周期よりも短いサンプリング周期ごとに得られる電流変化率を用いて母線2の故障判定が実行される。そのため、通常のリレー演算による故障判定よりも高速に故障判定を行うことが可能となり、保護リレー装置100をより高速に動作させることができる。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、他の実施の形態で説明した処理および構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
Claims (8)
- 母線を保護するための保護リレー装置であって、
前記母線から分岐された複数の回線の各々に流れる回線電流の入力を受ける入力部と、
リレー演算周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングされた各前記回線電流のデータに基づいて、各前記回線電流の変化率と、各前記回線電流における差動電流の変化率とを算出する変化率算出部と、
各前記回線電流の変化率の極性および大きさと、前記差動電流の変化率の極性および大きさとに基づいて、前記母線における故障の発生の有無を判定する故障判定部とを備える、保護リレー装置。 - 前記複数の回線は、第1回線および第2回線を含み、
前記第1回線に流れる第1回線電流の変化率の大きさと、前記第2回線に流れる第2回線電流の変化率の大きさとが第1閾値以上である場合、前記差動電流の変化率の大きさが第2閾値以上であり、かつ、前記第1回線電流の変化率の極性と前記第2回線電流の変化率の極性と前記差動電流の変化率の極性とが同一である場合に、前記故障判定部は、前記母線に故障が発生したと判定する、請求項1に記載の保護リレー装置。 - 前記第1回線電流の変化率の大きさが前記第1閾値以上であり、前記第2回線電流の変化率の大きさが前記第1閾値未満である場合、前記差動電流の変化率の大きさが前記第2閾値以上であり、かつ前記第1回線電流の変化率の極性と前記差動電流の変化率の極性とが同一である場合に、前記故障判定部は、前記母線に故障が発生したと判定する、請求項2に記載の保護リレー装置。
- 前記回線電流の変化率は、単位時間あたりの前記回線電流の変化量であり、
前記差動電流の変化率は、前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量であり、
前記単位時間は、前記サンプリング周期に対応する時間である、請求項2または請求項3に記載の保護リレー装置。 - 前記単位時間あたりの前記回線電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における前記回線電流の変化量であり、
前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量は、前記今回のサンプリング時刻と前記前回のサンプリング時刻との間における前記差動電流の変化量である、請求項4に記載の保護リレー装置。 - 前記単位時間あたりの前記回線電流の変化量は、今回のサンプリング時刻と前回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記回線電流の第1変化量と、前記今回のサンプリング時刻と前々回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記回線電流の第2変化量とを含み、
前記単位時間あたりの前記差動電流の変化量は、前記今回のサンプリング時刻と前記前回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記差動電流の第3変化量と、前記今回のサンプリング時刻と前記前々回のサンプリング時刻との間における前記単位時間あたりの前記差動電流の第4変化量とを含む、請求項4に記載の保護リレー装置。 - 前記故障判定部により前記母線に故障が発生したと判定された場合に、動作信号を出力する出力制御部をさらに備える、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
- 各前記回線電流のサンプリングデータに基づいて、前記リレー演算周期で保護リレー演算を実行する演算処理部をさらに備え、
前記保護リレー演算の結果に基づいて前記演算処理部が前記母線の故障を検出した場合、前記出力制御部は前記動作信号を出力する、請求項7に記載の保護リレー装置。
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