JP7285645B2 - 画像処理装置及びこれを利用した空間内面形状の計測装置 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る画像処理装置200は、撮影画像に含まれる可視光線であるレーザー光から特定波長帯のレーザー光を抽出するための装置であり、図1に示すように、撮像手段210と、RGB画像認識手段220と、HSV変換手段230と、フィルタ手段240とを備えている。各手段は、それぞれの作用を奏するための装置と、コンピュータ及びその付属装置であるハードウェアと協働することにより機能を発揮するソフトウェアとからなる。
撮像手段210は、物体に照射され、当該物体から反射してきた可視光線であるレーザー光の光像を撮像するための手段であり、例えばCCDカメラ41からなる。CCDカメラ41については後に詳述するが、レンズ系及び撮像素子を主要な構成要素とする。
RGB画像認識手段220は、撮像手段210により撮像したレーザー光の光像をRGB画像として認識するための手段であり、例えば、撮像素子により形成したレーザー光の光像をRGB画像として認識するための機器及びプログラムからなる。
HSV変換手段230は、認識したRGB画像を色相、彩度、明度に変換するための手段であり、例えば、認識したRGB画像に対して演算処理を行うことにより、色相、彩度、明度を数値化するための機器及びプログラムからなる。
フィルタ手段240は変換した明度に対して、特定の波長帯にあるレーザー光を抽出するためのフィルタ関数を適用するための手段であり、例えば、演算処理により、特定の波長帯にあるレーザー光のみを取り出すプログラムからなる。この場合、フィルタ関数の設定により、ガウジアンフィルタを実現することができる。
本発明の実施形態に係る画像処理装置200では、図2に示すように、撮像手段210により取得したレーザー光の光像に対して、RGB画像認識手段220の機能により元画像(RGB値)を認識し(S1)、HSV変換手段230によりHSV値へ変換する(S2)。続いて、フィルタ手段240によりフィルタリング(画像処理)を行う(S4)。フィルタリングしたレーザー光は、RGB値へ再変換し(S4)、所望のレーザー画像(RGB値)とする(S5)。このような一連の処理を行うことにより、特定の波長帯にあるレーザー光を抽出することができる。
以下、図3~図7を参照して、本発明の実施形態に係る画像処理装置200の原理を説明する。
上述した画像処理は、図8~図11に示す空間内面形状の計測装置に適用することができる。この空間内面形状の計測装置は、例えば、地下資源を採掘した後に放置された鉱山廃鉱の地下空洞や、廃棄された地下施設に適用できるが、特に明るい環境下に存在する空間の形状を迅速かつ正確に計測することにより、空洞充填工事を行う際に、充填材配合設計、充填材施工等を円滑に行うための装置である。
本実施形態の空間内面形状の計測装置10は、図8及び図9に示すように、収容手段として、透光性を有するアクリル製の筒状体100を用いている。そして、筒状体100の内部に、測定手段20と、位置検出手段として機能する3Dモーションセンサー30を収容する。なお、計測対象が地下空間である場合には、地下水が存在し、あるいは湿度が高いことが考えられる。この場合、筒状体100の内部に収容した照射部60から、空間内面に向かってレーザー光を照射するため、筒状体100内に地下水が浸入したり、結露が生じたりしないようにする必要がある。このため、筒状体100の上部及び下部において十分なシールを行って地下水の浸入を防止し、さらに、筒状体100の内部を略真空状態として結露を防止することが好ましい。
測定手段20は、撮像素子40の撮像面にレーザー光像を結像させるための広角レンズ50と、空間内面に対して円環状にレーザー光を照射する照射部60とを備えている。各部材等については、後に詳述する。
本実施形態の位置検出手段は、3Dモーションセンサー30からなる。3Dモーションセンサー30は、例えば、互いに直行する3軸方向の傾きを検知するジャイロセンサー、加速度センサー、地磁気センサーを備えており、収容手段の位置情報を取得するようになっている。なお、位置検出手段は、どのような構成の機器であってもよく、赤外光を用いて位置を検出する装置、GPSを用いて位置を検出する装置等、計測対象となる空間に合わせて適宜選択することができる。
撮像素子40は、撮像手段210の構成要素であり、一般的に市販されているCCDカメラ41が備えているものを利用することができる。CCDカメラ41は、撮像素子40として、CCDセンサーやCMOSセンサーを備えており、撮像素子40の撮像面に結像した物体像を光電変換して画像データを得ることができる。撮像素子40から出力された画像データは、信号ケーブル70を介してコンピューター80に入力される。また、CCDカメラ41を利用する場合には、撮像光学系(広角レンズ50)の画角を調整するため、レンズ交換可能なものを使用することが好ましい。
本実施形態の空間内面形状の計測装置10は、空間内面に形成されたレーザー光像を撮像面に結像させるためのレンズ系であり、本実施形態では広角レンズ50を用いている。レーザー光の照射部60と、空間内面に形成されたレーザー光像を撮像面に結像させるためのレンズ系とは、同一位置に設置することはできず、離隔して設ける必要がある。この際、レンズ系の画角が大きいほど照射部60とレンズ系とを近接させることができる。広角レンズ50の画角は、計測対象となる空間内面との距離、筒状体100の許容長さ等に応じて設定する。なお、本発明における広角レンズ50は、いわゆる標準レンズに対して画角が大きいことを意味するものであり、狭義の広角レンズだけではなく、魚眼レンズも含んでいる。
照射部60は、図9に示すように、レーザーダイオード等からなる発光素子61と、発光素子61から発射されたレーザー光を反射して円環状に照射する円錐ミラー62(又は円錐プリズム)とにより構成する。このような構成を備えた計測装置10は、空間内面に沿ってレーザー光を円周方向に走査する必要がなく、照射部60の構造が単純なものとなるばかりでなく、計測時間を短縮することができる。
移動手段は、照射部60、広角レンズ50、撮像素子40からなる測定手段20と、3Dモーションセンサー30からなる位置検出手段とを収容した筒状体100(収容手段)を、計測対象となる空間に対して移動させるための装置である。この移動手段は、筒状体100(収容手段)を移動させることができれば、どのような構成であってもよい。
形状演算手段81は、測定手段20及び3Dモーションセンサー30からの計測信号を受信して、所定の演算処理を行うことにより空間内面の形状を求めるためのプログラムからなり、上述した画像処理装置の機能を利用して空間内面の形状を求めるようになっている。例えばコンピューター80に形状演算プログラムをインストールし、CPU等のハードウェアが形状演算プログラムの命令に従って動作することにより、形状演算手段81の機能が発揮され、この際、画像処理装置の機能が利用される。また、形状演算手段81は、形状演算プログラムに相当する論理回路により構成することもできる。
形状演算手段81における演算結果は、表示手段140により表示することができる。この表示手段140は、例えば、コンピューター80に付帯した液晶ディスプレイにより構成することができる。すなわち、形状演算手段81における演算結果(空間内面の形状)は、液晶ディスプレイの表示画面に表示される。また、プリンタ等の印刷手段により、演算結果(空間内面の形状)を印刷してもよい。さらに、空間内面の形状を表示又は印刷する場合に、立体表示することにより、空間内面の形状を直感的に認識することができる。
本発明に係る画像処理装置は、空間内面形状の計測装置以外にも適用することができる。すなわち、本発明に係る画像処理装置は、例えば、浅層混合処理土のセメント混合状態の評価や、タイル引張試験における接着剤破断面積の評価にも適用することができる。
トラフィカビリティの改善等を目的に実施される浅層混合処理では、セメントをバックホウなどの重機で攪拌するが、適切に混合されているか否かの評価が難しい。そこで、本発明に係る画像処理装置を用いて浅層混合処理土のセメント混合状態の評価を行うことにより、混合状態を適切に評価することができる。
外壁タイルの接着基準は、タイル引張試験を実施した際のタイルと壁の接着剤の破断面積50%となっている。タイル引張試験における接着剤破断面積を評価するには、タイル面に残っている接着剤の破断面にレーザー光を照射して、反射してきた可視光線であるレーザー光の光像を撮像する。続いて、撮像したレーザー光の光像をRGB画像として認識して、認識したRGB画像を色相、彩度、明度に変換し、変換した明度に対して、接着剤の波長帯にあるレーザー光を抽出して、色の濃淡により接着剤は断面積の評価を行う。このような適用例では、タイル面に残っている接着剤の破断面の面積を計算することにより、接着剤破断面積を簡易に評価することが可能となる。
20 測定手段
30 3Dモーションセンサー
40 撮像素子
41 CCDカメラ
50 広角レンズ
60 照射部
61 発光素子
62 円錐ミラー
63 レーザー駆動回路
64 イメージプロセッサー
65 バッテリ
70 信号ケーブル
80 コンピューター
81 形状演算手段
90 光リング
100 筒状体
111 ワイヤー
112 ウインチ
121 ボーリング孔
122 やぐら
123 滑車
131 支持レール
140 表示手段
200 画像処理装置
210 撮像手段
220 RGB画像認識手段
230 HSV変換手段
240 フィルタ手段
Claims (2)
- 撮影画像に含まれる可視光線であるレーザー光から特定波長帯のレーザー光を抽出するための画像処理装置であって、
物体に照射され、当該物体から反射してきた可視光線であるレーザー光の光像を撮像する撮像手段と、
撮像手段により撮像したレーザー光の光像をRGB画像として認識するRGB画像認識手段と、
認識したRGB画像を色相、彩度、明度に変換するHSV変換手段と、
HSV変換したレーザー光に対して、当該レーザー光に相当する色相及び彩度付近以外の部分の明度をゼロにするためのフィルタ関数を適用するフィルタ手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 空間内面に対して円環状にレーザー光を照射する照射部と、前記照射部と離隔して設けられ、前記空間内面に形成されたレーザー光像を撮像面に結像させる結像レンズと、前記撮像面に結像したレーザー光像を画像データとして出力する撮像素子とを有する測定手段と、
前記測定手段の位置及び向きを検出する位置検出手段と、
前記測定手段及び前記位置検出手段を一体に収容するとともに、前記測定手段で測定に用いるレーザー光を透過可能な収容手段と、
計測対象となる空間に対して、前記収容手段を移動させる移動手段と、
前記測定手段及び前記位置検出手段からの検出信号を受信して演算処理を行うことにより空間内面の形状を求める形状演算手段と、
を備え、
前記測定手段は、前記孔壁内面に対して円環状にレーザー光を照射する照射部と、
前記孔壁内面に形成されたレーザー光の光像を撮影する撮像部と、
を含み、
前記形状演算手段における形状演算において、物体に可視光線であるレーザー光を照射して、当該物体から反射してきたレーザー光の光像を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像したレーザー光の光像をRGB画像として認識するRGB画像認識手段と、認識したRGB画像を色相、彩度、明度に変換するHSV変換手段と、HSV変換したレーザー光に対して、当該レーザー光に相当する色相及び彩度付近以外の部分の明度をゼロにするためのフィルタ関数を適用するフィルタ手段とを備えた画像処理装置により画像処理を行う、
ことを特徴とする空間内面形状の計測装置。
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天野 敏之,第11章 色補正技術の応用 光沢&透明感!物体の見え方を変化させる照明,Interface 2015年5月号,第41巻 第5号,CQ出版株式会社,2015年05月01日,101~110 |
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