JP7285101B2 - 設置支援装置及び設置支援プログラム - Google Patents

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本発明は、設置支援装置及び設置支援プログラムに関する。
監視カメラを設置する際には、所望の監視目的を達成するための監視カメラの配置条件(設置位置・姿勢・画角)を事前に計画(プランニング)する。例えば、監視目的を達成するために監視空間を死角なく撮影する必要があれば、死角が生じないよう監視カメラの配置条件を決める。配置条件は一般に多岐におよぶため、人手で行うプランニングでは、多大な労力を要し、またプランニング実施者の主観や経験に依存してしまう。
そこで本出願人は、配置条件に基づいてカメラが撮影可能な空間範囲を求めて監視空間内の死角が少なくなるほど高くなる評価値を求め、配置条件を変更しつつ最も高い評価値となる配置条件を探索することにより、プランニング実施者の経験に依存することなく死角の少ない配置条件を容易に求める技術を提案した(下記特許文献1)。特に、当該技術では、設定した重要監視エリアを大きく重みづけて評価値を算出することで当該重要監視エリアを撮影できる配置条件が求まり易いようにする技術も提案している。
特開2018-128961号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、監視空間の広いエリアを監視できる配置条件ほど高く評価される評価値を用いているため、重要監視エリアを撮影できても狭いエリアしか監視できない配置条件は、プランニングできない場合があった。つまり、重要監視エリアを設定しても、必ずしもそれを撮影できる配置条件がプランニングされない問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、所望する監視対象物の特定の面(監視対象面)を確実に撮影するのに適したカメラの設置候補空間を求めることを目的とする。
本発明の一形態による設置支援装置は、監視対象物及び監視対象物の周囲の構造物の位置と形状を表す3次元モデルを含んだ空間情報を記憶した記憶部と、監視対象物の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面の選択を受け付ける選択受付部と、選択された監視対象面上の複数の監視点について、監視点を一端とし構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求め、監視点それぞれの撮影可能空間が重複する空間を、監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する設置候補空間算出部と、を備える。
複数の監視点の位置は、監視対象面の各頂点の位置であってもよい。
選択受付部は、複数の監視対象面の選択を受け付けてもよい。設置候補空間算出部は、複数の監視対象面についてそれぞれ撮影可能空間を求め、当該各撮影可能空間が重複する空間を複数の監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出してもよい。
設置支援装置は、空間情報と設置候補空間とを用いてカメラの取付候補領域を算出する取付候補領域算出部を更に備えてもよい。
本発明の他の形態による設置支援プログラムは、監視対象物及び該監視対象物の周囲の構造物の位置と形状を表す3次元モデルを含んだ空間情報を記憶装置から読み出す空間情報読出ステップと、監視対象物の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面の選択を受け付ける選択受付ステップと、選択された監視対象面上の複数の監視点について、該監視点を一端とし構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求め、該監視点それぞれの撮影可能空間が重複する空間を、監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する設置候補空間算出ステップと、を実行させる。
本発明によれば、所望する監視対象面を確実に撮影するのに適したカメラの設置候補空間を求めることができる。
本発明の第1実施形態の設置支援装置の一例の概略構成図である。 (a)は監視対象物及びその周囲の構造物の3次元モデルの例を示す図であり、(b)は十分に監視対象面を撮影できないカメラの配置条件の一例の説明図である。 本発明の第1実施形態の設置支援方法の一例の説明図である。 本発明の第1実施形態の設置支援方法の一例のフローチャートである。 本発明の第1実施形態の設置支援方法の他の一例の説明図である。 本発明の第2実施形態において撮影可能空間の算出に用いる錐状空間の一例の説明図である。 本発明の第2実施形態の設置支援方法の一例の説明図である。 本発明の第2実施形態の設置支援装置の一例の概略構成図である。 本発明の第2実施形態の設置支援方法の一例のフローチャートである。
以下において、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
(構成)
図1を参照する。実施形態の設置支援装置10は、例えばコンピュータにより構成され、記憶部11と、制御部12とを備える。
記憶部11は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶部11は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサと、その周辺回路によって構成される。
以下に説明する制御部12の機能は、例えば、記憶部11に格納されたコンピュータプログラムである設置支援プログラム20を、制御部12が備えるプロセッサが実行することによって実現される。
なお、入力装置13は、設置支援装置10の動作を制御するために、カメラプランニングの実施者や、監視従事者、管理者など(以下、「プランニング実施者等」と表記する)が操作するマウスやキーボードなどである。入力装置13は設置支援装置10に接続され、入力装置13から各種情報が設置支援装置10に入力される。また、出力装置14は、設置支援装置10が算出したカメラの設置候補空間や取付候補領域の視覚情報を出力するディスプレイ、プロジェクタ、プリンタなどである。
設置支援装置10は、特定の監視対象物を撮影可能なカメラの設置候補空間と取付候補領域を算出する。設置候補空間は、監視対象物を撮影可能なカメラの視点(光学中心)の3次元の空間範囲である。
また、取付候補領域は、監視対象物を撮影可能なカメラを監視対象物の周囲の構造物の表面に取り付ける場合の取付位置を表す2次元領域である。
図2の(a)を参照する。いま、屋外空間や、構造物によって形成される屋内空間等である監視空間30内に監視対象物31が存在している場合を想定する。そして、監視対象物31の1つの面32上の点34a~34dを頂点とする特定の範囲を監視対象面33として監視する。監視対象面33は、面32の全面であってもよい。
監視空間30には、監視対象物31の上方の天井35と物体36及び37が、監視対象物31の周囲の構造物の一例として存在している。
監視対象物31を撮影するカメラを設置する場合、たとえ監視対象物31が撮影できたとしても、監視対象面33を十分に監視できないことがある。
図2の(b)を参照する。網掛けハッチングの範囲40は、図面左側の頂点34cの位置を撮影できる範囲(撮影可能空間)を示す。斜線ハッチングの範囲41、42からは、頂点34cが物体36、37の死角に入るため撮影できない。
ここで、網掛けハッチングの範囲40にカメラ43を設置したとしても、監視対象面33のうち物体36の死角に入る範囲はカメラ43から撮影できない。図2の(b)の例では、少なくとも図面右側の頂点34bはカメラ43から撮影できないことが分かる。このように、監視対象面33を十分に監視できなくなるおそれがある。
そこで、設置支援装置10は、図3に示すように監視対象面33上の複数の監視点34a~34dについて、監視点34a~34dを一端とし構造物35、36及び37のいずれかまで、他の構造物と交差せずに到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求める。すなわち、監視点34a~34dにそれぞれ光源を配置した場合に、各光源からの光が監視対象物の周囲の構造物に遮られずに通過する3次元範囲を、撮影可能空間として求める。図3の例では、監視点34a~34dにそれぞれ点光源を配置した場合に、各点光源からの光が通過する3次元範囲を、撮影可能空間として求める。
以下、監視点34a~34dを総称して監視点34と表記することがある。監視点34の数は4個に限定されない。監視点34は3個であってもよく5個以上であってもよい。
以下、監視点34を一端とし構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間を「監視点34の撮影可能空間」と表記する。
網掛けハッチングの範囲50と斜線ハッチングの範囲53の合計が、監視点34aの撮影可能空間と監視点34bの撮影可能空間を表す。
また、網掛けハッチングの範囲50と縦線ハッチングの範囲54の合計が、監視点34cの撮影可能空間と監視点34dの撮影可能空間を表す。
なお、横線ハッチングの範囲51及び52からは、監視点34a~34dのいずれもが物体36の死角か物体37の死角に入るため撮影できない。
設置支援装置10は、監視点34a~34dそれぞれの撮影可能空間が重複する重複空間(網掛けハッチングの範囲50)を、監視対象面33を十分に撮影できるカメラの設置候補空間として算出する。
このように、監視点34a~34dの撮影可能空間の重複空間50を、カメラの設置候補空間として算出することにより、監視点34a~34dの全てを撮影できるカメラの設置候補空間を算出できる。したがって、監視点34a~34dを適切に設定することにより、監視対象面の十分な範囲を撮影できるようにカメラの設置候補空間を求めることができる。
以下、設置支援装置10の詳細を説明する。図1を参照する。記憶部11には、上述の設置支援プログラム20のほか、構造物情報21(空間情報)が格納されている。
構造物情報21は、監視空間30に存在する現実世界の構造物の位置、形状、構造などを表す3次元の幾何形状データ(すなわち3次元モデル)である。構造物は、例えば建造物や、地面、障害物(什器,樹木等)等の物体である。例えば図2では、構造物情報21は、監視対象物31、天井35、物体36及び37の幾何形状データを含んでいる。
構造物情報21を生成するための幾何形状データは、3次元CADやBIM(Building Information Modeling)で作成されたものでもよいし、3次元レーザースキャナー等により監視空間に存在する物体の3次元形状を取り込んだデータでもよい。構造物情報21を生成するための幾何形状データは、航空機からステレオ撮影やレーザ測距を行うことによって作成された高さ情報も含む立体形状をポリゴンデータによって表したデータであってもよい。
このような構造物情報21は、プランニング実施者等により入力装置13から設定登録されることにより記憶部11に記憶される。
制御部12は、記憶部11に記憶された構造物情報21を読み出す。また、制御部12は、記憶部11に記憶された設置支援プログラム20を読み出して実行し、選択受付部22、設置候補空間算出部23及び取付候補領域算出部24として機能する。
選択受付部22は、監視対象物31の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面33の選択を受け付ける。プランニング実施者は、入力装置13を用いて監視対象面33を選択する。
例えばプランニング実施者は、構造物情報21に含まれる監視対象物31の3次元モデルの所定の面(例えば所定のポリゴン)を、監視対象面33として選択してよい。
なお、構造物情報21に含まれるデータ以外の面を選択してもよい。例えば、プランニング実施者は、監視対象物として通行者を想定し、入力装置13を用いて通行者の体表面を模擬した3次元データ(例えばポリゴン)を追加して、これを監視対象面として選択してもよい。
設置候補空間算出部23は、監視対象面33上に複数の監視点34a~34dを設定する。例えば、設置候補空間算出部23は、監視対象面33の縁(エッジ)に複数の監視点34a~34dを設定してもよい。また、設置候補空間算出部23は、監視対象面33の各頂点(例えば全ての頂点)の位置を監視点34の位置としてもよい。監視対象面33の内側に複数の監視点34を均等配置してもよい。プランニング実施者が入力装置13を用いて複数の監視点を設定してもよい。
設置候補空間算出部23は、複数の監視点34a~34dのそれぞれを一端とし、監視対象物31の周囲の構造物である天井35、物体36及び37のいずれかに到達する線分群によって形成される撮影可能空間をそれぞれ算出する。
例えば、設置候補空間算出部23は、監視点34aの位置に点光源を配置した場合に、点光源からの光が通過する3次元範囲を監視点34aの撮影可能空間として算出する。他の監視点34b~34dの撮影可能空間も同様である。
図3の例では、網掛けハッチングの範囲50と斜線ハッチングの範囲53の合計が、監視点34aの撮影可能空間と監視点34bの撮影可能空間を表す。網掛けハッチングの範囲50と縦線ハッチングの範囲54の合計が、監視点34cの撮影可能空間と監視点34dの撮影可能空間を表す。
設置候補空間算出部23は、監視点34a~34dそれぞれの撮影可能空間が重複する重複空間(網掛けハッチングの範囲50)を、監視対象面33を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
図1を参照する。取付候補領域算出部24は、構造物情報21と設置候補空間とを用いてカメラの取付候補領域を算出する。例えば取付候補領域算出部24は、監視対象物31の周囲の構造物(天井35、物体36及び37)の表面のうち、設置候補空間と接する領域をカメラの取付候補領域として算出する。
図3を参照する。設置候補空間は、天井35、物体36及び37の表面のうち太線で示した領域55a、55b及び55cと接している。取付候補領域算出部24は、これらの領域55a~55cをカメラの取付候補領域として算出する。
(動作)
以下、図4を参照して、第1実施形態の設置支援方法の一例を説明する。
ステップS1では、カメラ設置位置を設計するのに先だって、監視空間30に存在する構造物、地面、物体などの構造物情報21を取得または生成して、設置支援装置10の記憶部11に設定登録する。制御部12は、記憶部11に記憶された構造物情報21を読み出す。
ステップS2において、プランニング実施者が入力装置13を用いて監視対象物31の監視対象面33を選択すると、選択受付部22は、監視対象面33の選択を受け付ける。
ステップS3において設置候補空間算出部23は、監視対象面33上に複数の監視点34a~34dを設定する。
ステップS4において設置候補空間算出部23は、複数の監視点34a~34dのそれぞれを一端とし、監視対象物31の周囲の構造物のいずれかに到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ算出する。
ステップS5において設置候補空間算出部23は、監視点34a~34dそれぞれの撮影可能空間が重複する重複空間を、監視対象面33を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
ステップS6において取付候補領域算出部24は、監視対象物31の周囲の構造物の表面のうち、設置候補空間と接する領域をカメラの取付候補領域として算出する。
その後に処理は終了する。
(変形例)
第1実施形態では、選択受付部22は、単一の監視対象面の選択を受け付けた。選択受付部22は、複数の監視対象面の選択を受け付けてもよい。この場合に設置候補空間算出部23は、複数の監視対象面についてそれぞれ撮影可能空間を求める。すなわち、複数の監視対象面のそれぞれに設定された複数の監視点について、それぞれ撮影可能空間を求める。
図5を参照する。いま、選択受付部22が複数の監視対象面33a及び33bの選択を受け付けた場合を想定する。例えば、監視対象面33aは点34a、34b、34c及び34dを頂点とする領域であり、監視対象面33bは点34c、34d、34e及び34fを頂点とする領域である。
設置候補空間算出部23は、複数の監視対象面33a及び33bのそれぞれについて、監視対象面33a及び33b上の複数の監視点を設定する。
例えば、設置候補空間算出部23は、点34a、34b、34c及び34dを、監視対象面33aの監視点として設定する。点34c、34d、34e及び34fを、監視対象面33bの監視点として設定する。
設置候補空間算出部23は、これらの監視点34a~34fのそれぞれについて、撮影可能空間を求める。
網掛けハッチングの範囲60と斜線ハッチングの範囲62と横線ハッチングの範囲63の合計が、監視点34aの撮影可能空間と監視点34bの撮影可能空間を表す。網掛けハッチングの範囲60と横線ハッチングの範囲63の合計が、監視点34cの撮影可能空間と監視点34dの撮影可能空間を表す。網掛けハッチングの範囲60が、監視点34eの撮影可能空間と監視点34fの撮影可能空間を表す。
なお、縦線ハッチングの範囲61からは、監視点34a~34fのいずれもが物体37の死角に入るため撮影できない。
設置候補空間算出部23は、複数の監視対象面33a及び33bに設定した複数の監視点34a~34fの撮影可能空間が重複する空間(網掛けハッチングの範囲60)を複数の監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
このように複数の監視対象面の選択を可能にすることにより、凹凸を有する監視対象面を十分に撮影できるようにカメラの設置候補空間を求めることができる。
以下に説明する第2実施形態においても、同じように複数の監視対象面の選択を受け付けてよい。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、複数の監視点にそれぞれ点光源を配置した場合に、点光源からの光が通過する3次元範囲を、これら監視点の撮影可能空間としてそれぞれ算出した。第2実施形態では、複数の監視点のそれぞれを頂点とする錐状空間を、これら監視点の撮影可能空間としてそれぞれ算出する。
図6を参照する。例えば設置支援装置10は、監視対象面33上の監視点34aを頂点とする錐状空間38aを、監視点34aを一端として推奨監視方向に伸びる基準直線39aと許容角度θ(0°≦θ<90°)の鋭角をなす半直線の軌跡により囲まれる空間のうち基準直線39aが含まれる空間として算出する。監視点34b~34dを頂点とする錐状空間38b~38dも同様に算出できる。
そして設置支援装置10は、錐状空間38aのうち、構造物情報21に含まれる構造物が占有する空間と重複していない部分空間を監視点34aの撮影可能空間とする。ただし、錐状空間38aをスポットライト光源によって生成された空間とみなして、構造物の陰になる空間は撮影可能空間から除外する。すなわち、監視点34aから見て、構造物の死角になる空間を撮影可能空間から除外する。他の監視点34b~34dについても同様である。
図7を参照する。網掛けハッチングの範囲70と斜線ハッチングの範囲72の合計が、監視点34aの撮影可能空間と監視点34bの撮影可能空間を表す。網掛けハッチングの範囲70と縦線ハッチングの範囲71の合計が、監視点34cの撮影可能空間と監視点34dの撮影可能空間を表す。
設置支援装置10は、監視点34a~34dそれぞれの撮影可能空間が重複する重複空間(網掛けハッチングの範囲70)を、監視対象面33を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
以下、第2実施形態の設置支援装置10の詳細を説明する。図8を参照する。第2実施形態の設置支援装置10は、第1実施形態の設置支援装置10と同様の構成を備えており、同じ参照符号は同様の構成要素を示している。
制御部12は、基準直線設定部25を備える。制御部12は、記憶部11に記憶された設置支援プログラム20を読み出して実行し、基準直線設定部25として機能する。
選択受付部22が監視対象面33の選択を受け付けると、基準直線設定部25は、監視対象面33上に複数の監視点34a~34dを設定する。基準直線設定部25による監視点34の設定方法は、第1実施形態の設置候補空間算出部23による監視点34の設定方法と同様である。
基準直線設定部25は、監視点34a~34dのそれぞれについて、監視対象面33を監視すべき方向として基準直線39a~39dを設定する。例えば、監視対象面33の属性データとして推奨監視方向が付加されていれば、複数の監視点34a~34dのそれぞれからこの推奨監視方向に伸びる基準直線39a~39dをそれぞれ設定してよい。
また、基準直線設定部25は、推奨監視方向を、監視対象面33の材質及び監視空間30内の光源の位置のうち少なくとも一方によって設定してもよい。構造物情報21は、監視空間30に存在する構造物の材質情報や、監視空間30内の光源の位置及び照射方向の情報を含んでもよい。
また、プランニング実施者が入力装置13を用いて推奨監視方向を入力して、この推奨監視方向に伸びる基準直線を設定してもよい。監視点34a~34dのすべての推奨監視方向が同じであってもよく、監視点34a~34dによって推奨監視方向が異なっていてもよい。
次に基準直線設定部25は、監視対象面33を撮影する方向が、基準直線39a~39dからどれくらいずれてよいかを定める許容角度θを設定する。例えば、監視対象面33の属性データとして許容角度θが付加されていれば、この属性データに従って許容角度θを設定してよい。
また、許容角度θを、監視対象面33の材質及び監視空間30内の光源の位置のうち少なくとも一方によって設定してもよい。また、プランニング実施者が入力装置13を用いて入力すれば、この入力に従って許容角度θを設定してもよい。監視点34a~34dのすべての許容角度θが同じであってもよく、監視点34a~34dによって許容角度θが異なっていてもよい。
なお、許容角度θは単一の基準直線39aに対して常に一定でなくともよい。例えば、基準直線39aをZ軸とする左手系または右手系の座標系を定め、基準直線39a周りの方位角をX軸から半時計回りの角度ψで規定し、各方位角ψにおけるそれぞれの許容角度θの大きさを設定してもよい。各方位角ψにおける許容角度θは、例えば監視対象面33の材質等の属性データや、光源等の構造物情報21に基づいて設定してもよく、プランニング実施者が入力装置13を用いて設定してもよい。他の基準直線39b~39dについても同様である。
監視点34a~34d、基準直線39a~39d、許容角度θが設定されると、設置候補空間算出部23は、監視点34a~34dのそれぞれから推奨監視方向へ伸びる基準直線39a~39dを円錐の回転軸とみなし、同直上の監視点から十分離れた点を底面上の一点とみなして錐体を算出する。例えば、設置候補空間算出部23は、許容角度θの2倍の頂角を有する円錐を算出する。そして、算出した錐体の内側の空間を錐状空間38a~38dとする。
すなわち、設置候補空間算出部23は、監視点34aを一端とし基準直線39aと許容角度θをなす半直線の軌跡により囲まれる空間のうち基準直線39aが含まれる錐状空間38aを算出する。監視点34b~34dについても同様に錐状空間38b~38dを算出する。
なお、上述の通り、許容角度θは、単一の基準直線39aに対して常に一定でなくともよく、この場合は、算出される錐体は円錐でなくともよい。基準直線39b~39dについても同様である。
設置候補空間算出部23は、算出した錐状空間38a~38dと、構造物情報21に含まれる構造物の位置及び形状と、に基づいて上述の通り撮影可能空間を算出する。そして、設置候補空間算出部23は、監視点34a~34dそれぞれの撮影可能空間が重複する重複空間を、監視対象面33を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
取付候補領域算出部24は、構造物情報21と設置候補空間とを用いてカメラの取付候補領域を算出する。
図7を参照する。例えば取付候補領域算出部24は、監視対象物31の周囲の構造物(天井35、物体36及び37)の表面のうち、網掛けハッチングの設置候補空間70と接する太線で示す領域73をカメラの取付候補領域として算出する。
(動作)
以下、図4を参照して、第2実施形態の設置支援方法の一例を説明する。
ステップS10及びS11の動作は、図4のステップS1及びS2と同様である。
ステップS12において基準直線設定部25は、監視対象面33上に複数の監視点34a~34dを設定する。
ステップS13において基準直線設定部25は、複数の監視点34a~34dについて監視対象面33を監視する方向を示す基準直線39a~39dを設定する。
ステップS14において基準直線設定部25は、監視対象面33を撮影する方向が、基準直線39a~39dからどれくらいずれてよいかを定める許容角度θを設定する。
ステップS15において設置候補空間算出部23は、監視点34aを一端として推奨監視方向に伸びる基準直線39aと許容角度θをなす半直線の軌跡により囲まれる空間のうち基準直線39aが含まれる錐状空間38aを算出する。監視点34b~34dについても同様に錐状空間38b~38dを算出する。
ステップS16において設置候補空間算出部23は、算出した錐状空間38aから、構造物情報21に含まれる構造物が占有する空間と、構造物の陰になる空間を除いた空間を、監視点34aの撮影可能空間として算出する。監視点34b~34dの撮影可能空間も同様に算出する。
ステップS17及びS18の動作は、図4のステップS5及びS6と同様である。
その後に処理は終了する。
(実施形態の効果)
(1)記憶部11には、監視対象物及び監視対象物の周囲の構造物の位置と形状を表す3次元モデルを含んだ構造物情報21が記憶される。選択受付部22は、監視対象物の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面の選択を受け付ける。設置候補空間算出部23は、選択された監視対象面上の複数の監視点について、監視点を一端とし構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求め、監視点それぞれの撮影可能空間が重複する空間を、監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する。
これにより、所望する監視対象面を確実に撮影するのに適したカメラの設置候補空間を求めることができる。
(2)設置候補空間算出部23は、複数の監視点の位置として、監視対象面の各頂点の位置を設定してよい。
これにより、監視対象面の全体を撮影できるカメラの設置候補空間を求めることができる。
(3)選択受付部22は、複数の監視対象面の選択を受け付ける。設置候補空間算出部23は、複数の監視対象面についてそれぞれ撮影可能空間を求め、各撮影可能空間が重複する空間を複数の監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出してよい。
これにより、凹凸を有する監視対象面の十分な範囲を撮影できるカメラの設置候補空間を求めることができる。
(4)取付候補領域算出部24は、構造物情報21と設置候補空間とを用いてカメラの取付候補領域を算出してよい。
これにより、監視対象物の周囲の構造物へカメラを取り付ける取付候補領域を算出することができる。
10…設置支援装置、11…記憶部、12…制御部、13…入力装置、14…出力装置、20…設置支援プログラム、21…構造物情報、22…選択受付部、23…設置候補空間算出部、24…取付候補領域算出部、25…基準直線設定部、30…監視空間、31…監視対象物、33、33a、33b…監視対象面、34、34a~34f…監視点、35、36、37…構造物

Claims (5)

  1. 監視対象物及び該監視対象物の周囲の構造物の位置と形状を表す3次元モデルを含んだ空間情報を記憶した記憶部と、
    前記監視対象物の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面の選択を受け付ける選択受付部と、
    選択された前記監視対象面上の複数の監視点について、該監視点を一端とし前記構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求め、該監視点それぞれの前記撮影可能空間が重複する空間を、前記監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する設置候補空間算出部と、
    を備えることを特徴とする設置支援装置。
  2. 前記複数の監視点の位置は、前記監視対象面の各頂点の位置であることを特徴とする請求項1に記載の設置支援装置。
  3. 前記選択受付部は、複数の前記監視対象面の選択を受け付け、
    前記設置候補空間算出部は、前記複数の監視対象面についてそれぞれ前記撮影可能空間を求め、当該各撮影可能空間が重複する空間を前記複数の監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の設置支援装置。
  4. 前記空間情報と前記設置候補空間とを用いて前記カメラの取付候補領域を算出する取付候補領域算出部を更に備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の設置支援装置。
  5. コンピュータに、
    監視対象物及び該監視対象物の周囲の構造物の位置と形状を表す3次元モデルを含んだ空間情報を記憶装置から読み出す空間情報読出ステップと、
    前記監視対象物の3次元モデルを形成する複数の面のうち監視対象とする監視対象面の選択を受け付ける選択受付ステップと、
    選択された前記監視対象面上の複数の監視点について、該監視点を一端とし前記構造物に到達する線分によって形成される撮影可能空間をそれぞれ求め、該監視点それぞれの前記撮影可能空間が重複する空間を、前記監視対象面を撮影するカメラの設置候補空間として算出する設置候補空間算出ステップと、
    を実行させることを特徴とする設置支援プログラム。
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