JP7291013B2 - カメラ配置評価装置、カメラ配置評価方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
従来、監視カメラの撮影している空間(可視空間)を配置条件から求めて、可視空間の体積に基づいて、監視カメラの死角がより少なく、より広い空間を監視できる配置条件であるか否かを評価していた。
例えば、下記特許文献1では、監視空間をボクセルで分割し、各ボクセルに対して可視か否かの判定を行い、可視となるボクセルの数に基づいて監視カメラの配置条件を評価している。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、監視カメラが監視する方向に応じて監視カメラの配置条件を評価することを目的とする。
図1を参照する。実施形態のカメラ配置評価装置1は、例えばコンピュータにより構成され、記憶部2と、制御部3とを備える。
記憶部2は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶部2は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明する制御部3の機能は、例えば、記憶部2に格納されたコンピュータプログラムであるカメラ配置評価プログラム20を、制御部3が備えるプロセッサが実行することによって実現される。
出力装置5は、カメラ配置評価装置1が算出した評価値を出力するディスプレイ、プロジェクタ、プリンタなどである。
まず、監視空間の各位置において監視カメラによる撮影状態を評価するために、監視空間内に評価地点42を複数配置する。監視空間は、例えば屋外空間や、構造物によって形成される屋内空間等である
図2の(a)を参照する。例えば監視空間40を均一な立方体41に分割する。説明の簡単のため、図2の(a)の監視空間40を上方から見た平面図を図2の(b)に示す。
監視方向43の要否やその向きは、例えば監視目的等に応じて定められる。例えば、移動方向が一方向に制限されている通路を歩行する人を監視することが監視目的等である場合には、人の正面を撮影できる方向を監視方向としてよい。
そして、撮影範囲内に分布する評価地点42のそれぞれについて、監視カメラの撮影状態が監視目的等をどの程度満たしているかを示す地点監視量を算出する。例えば、評価地点42に監視方向43が指定されている場合には、監視方向43と監視カメラの配置条件に基づいて地点監視量を算出してよい。
以上により、カメラ配置評価装置1は、カメラ系の配置条件により定まる撮影方向が、監視目的等をどの程度満たしているかを評価できる。このため、監視カメラが監視する方向に応じて監視カメラの配置条件を評価できる。
構造物情報21は、監視空間40に存在する現実世界の構造物(什器,樹木等の物体を含む)の位置、形状、構造などを表す3次元の幾何形状データ(すなわち3次元モデル)である。
図3の(a)に構造物情報21の一例を示す。この例では、構造物情報21は監視空間40内の構造物48の幾何形状データを含んでいる。
図3の(a)の例では、カメラ系は2つの監視カメラ46及び49からなり、カメラ情報22には、これらの監視カメラ46及び49の配置条件が含まれる。
図3の(b)に分布情報23の一例を示す。上記と同様に、監視空間40を分割した均一な立方体41の中心位置に評価地点42が配置されている。
監視方向情報24は、監視目的等に応じて評価地点42ごとに指定された監視方向43に関する情報である。監視方向情報24は、例えばベクトル情報のように監視方向それ自体を直接表す情報であってよいが、これに限定されるものではない。監視方向情報24は、監視目的等に応じた評価地点42の監視に好適な方向を表現できる限り、様々な態様の情報を採用できる。監視方向情報24の変形例については後述する。
撮影範囲算出部30は、記憶部2に記憶された構造物情報21とカメラ情報22を取得する。
なお、ハッチングされた範囲は構造物48の陰になって撮影できない空間である。撮影範囲算出部30は、監視カメラ49の撮影範囲から構造物48の陰になる範囲を取り除いて算出する。
まず評価値算出部31は、監視空間40に含まれる評価地点42の各々と、カメラ系を構成する監視カメラ46及び49の各々と、の全ての組合せについて各々の地点監視量を算出する。
例えば、評価値算出部31は、監視カメラによる評価地点42の撮影方向47と、監視方向情報24により評価地点42に指定された監視方向43との方向合致度を、地点監視量として算出する。地点監視量は、評価地点42について監視目的をどの程度満たした撮影状態となっているかを示している。
例えば、評価値算出部31は、撮影方向ベクトルと監視方向ベクトルとの内積を方向合致度とする。監視方向ベクトルが単位ベクトルである場合には、撮影方向ベクトルと監視方向ベクトルとがなす角度αの余弦関数cos(α)が方向合致度となる。但し、内積や余弦関数の値が負値となる場合には方向合致度をゼロとする。
また、撮影範囲に評価地点42が含まれていない場合には方向合致度をゼロとする。
例えば、複数の監視カメラ46及び49で評価地点42を撮影したとき、最良の方向から撮影する監視カメラの地点監視量を採用するという観点で、複数の監視カメラ46及び49の各々の地点監視量のうちの最大値を統合監視量としてよい。
また、カメラ系が単一の監視カメラにより構成される場合には、その監視カメラによる地点監視量を統合監視量とする。
統合監視量の分布の一例を図5に示す。図において濃度の濃いハッチングが施されている空間の評価地点42ほど、より大きな統合監視量であることを示す。
図5の例では、監視カメラ49の撮影方向は監視方向43の反対方向を向いているので地点監視量がゼロとなり統合監視量に寄与してない。また、監視カメラ46との距離が近いほど監視方向43と撮影方向とのなす角が大きくなりやすいので、監視カメラ46に近づくほど統合監視量が小さくなる。
例えば、監視方向43に近い方向から撮影されている評価地点42の数が多いほど良好な配置条件であるという観点から、所定閾値以上の統合監視量を有する評価地点42の数を評価値として算出し、出力装置5から出力する。
例えば、監視方向設定部32は、時間帯に応じて変化する監視方向情報を設定してよい。この場合に、評価値算出部31は、異なる複数の時間帯において評価値を算出した時間別評価値に基づいて、これら複数の時間帯に亘る配置条件の評価値を算出する。
例えば、朝と夕方で人の通行方向が異なる通路において、それぞれの時間帯に対する監視方向43を設定し、全時間帯における評価値を積算することで1日のトータルの評価値を算出してよい。
例えば、ある方向から評価地点42を撮影する他の監視カメラが既に設置され、または設置される予定である場合には、この監視カメラの撮影方向の反対方向から評価地点42を監視する方向を監視方向として設定すれば、効率的に監視カメラを活用できる。
監視方向設定部32は、監視空間40に既に配置されている監視カメラの配置条件に応じて監視方向情報24を設定してもよい。また監視方向設定部32は、カメラプランニングの過程において配置予定の監視カメラが追加される都度、追加した監視カメラに応じて監視方向情報24を変更してもよい。
以下、図6を参照して実施形態のカメラ配置評価方法の一例を説明する。
ステップS1では、カメラ系の配置条件を評価するのに先だって、監視空間40に存在する構造物の構造物情報21を取得または生成して、カメラ配置評価装置1の記憶部2に設定登録する。
ステップS2では、監視空間40内に複数の評価地点42を設定して分布情報23を生成し、カメラ配置評価装置1の記憶部2に設定登録する。また、監視目的等に基づいて評価地点42ごとに監視方向43の要否とその向きを決定して監視方向情報24を生成し、カメラ配置評価装置1の記憶部2に設定登録する。
ステップS4において撮影範囲算出部30は、記憶部2に記憶された構造物情報21とカメラ情報22を読み出し、カメラ系を構成する各監視カメラの撮影範囲を算出する。
ステップS5において評価値算出部31は、監視空間40に含まれる評価地点42の各々と、カメラ系を構成する監視カメラの各々と、の全ての組合せについて各々の地点監視量を算出する。
ステップS7において評価値算出部31は、統合監視量の分布に応じてカメラ系の配置条件の良否を示す評価値を算出する。
(1)記憶部2は、監視空間40を撮影する監視カメラの位置、画角及び撮影方向を含む配置条件のカメラ情報22と、監視空間40に複数配置した評価地点42の分布を示す分布情報23と、評価地点42に指定された監視方向43に関する監視方向情報24と、を記憶する。撮影範囲算出部30は、配置条件に基づいてカメラの撮影範囲を算出する。評価値算出部31は、撮影範囲内に分布する評価地点42ごとに、評価地点42の監視方向情報24と配置条件とに応じて地点監視量を算出し、算出した各地点監視量に基づいて配置条件の評価値を算出する。
これにより、監視カメラの配置条件が、監視目的等によって定まる監視方向の要件をどの程度満たしているかを評価できる。このため、監視カメラが監視する方向に応じて監視カメラの配置条件を評価できる。
これにより、監視カメラの撮影状態が監視方向の要件をどの程度満たしているかを示す地点監視量を算出できる。
これにより、好適な監視方向が時間帯に応じて変化する監視空間40における監視カメラの配置条件の良否を判定できる。
これにより複数の監視カメラの撮影方向が重複しないように監視方向情報24を設定できる。このため、効率のよい監視カメラの配置条件を判定できる。
(1)評価値算出部31は、評価地点42ごとに設定された監視重要度に応じて重み付けされた地点監視量を算出してよい。例えば、監視重要度は、監視カメラが評価地点42を撮影する撮影解像度や評価地点42における照度に応じて定めてよい。これにより、監視方向以外の要件を加味して配置条件を評価することができる。
また、監視方向ベクトルに監視重要度に応じた長さを持たせて、撮影方向ベクトルと監視方向ベクトルとの内積を方向合致度として算出してもよい。
これに代えて評価値算出部31は、評価地点42が監視カメラの撮影範囲に含まれているか否かに応じて一定の基礎点数を付与し、これに方向合致度を加えて地点監視量を算出しても良い。これにより、より広い範囲を撮影できる配置条件の評価値をより高くすることができる。さらに、上記の監視重要度により基礎点数を重み付けしてもよい。
この場合、評価値算出部31は、複数の監視方向43ごとに算出した方向別の地点監視量に基づいて、評価地点42ごとの地点監視量を求める。例えば、方向別の地点監視量の総和、最大値、又は平均値を評価地点42ごとの地点監視量としてよい。
例えば、複数の監視方向43の各々の監視方向ベクトルに異なる監視重要度に応じた長さを持たせて、撮影方向ベクトルと各々の監視方向ベクトルとの内積を方向合致度として算出してもよい。
例えば、評価地点42を監視する方向を、評価地点42を中心Oとする球面上の点Pから中心Oへ向かう方向とし、点Pと中心Oとを結ぶ動径がZ軸となす第1角度θと、Z軸に垂直な平面にあるX軸となす第2角度φとによって表現する。
例えば、いずれの方向から撮影してもよい評価地点42に指定する監視方向情報24は、全ての第1角度θ及び第2角度φに対して要監視度Dが均一な分布により表現できる。
評価値算出部31は、監視カメラの撮影方向に対応する得点分布の得点に基づいて地点監視量を算出する。
このとき各位置の存在確率に応じて地点監視量を重み付けしてよい。例えば、監視方向ベクトルの長さを存在確率に応じて変えてもよい。
例えば、位置xにおける監視方向ベクトルを、x0との距離に反比例する長さ((x0-x)/|x0-x|2)を有する位置x0へ向かうベクトルとして算出してもよい。
(10)上記の実施形態では、所定閾値以上の統合監視量を有する評価地点42の数を評価値として算出した。これに代えて、統合監視量の総和や、最小値、最大値、分布の均一度を評価値として算出してもよい。
図9の(a)及び図9の(b)を参照する。例えば、双方向に人が通行する通路において、往路方向52の人の顔を撮影する監視目的と復路方向54の人の顔を撮影する監視目的とを同時に達成したい場合には、往路方向52用の監視方向43a及び復路方向54用の監視方向43bをそれぞれ個別に評価地点42に指定する。
また、各監視目的の統合監視量が同時に閾値を超えている評価地点の数を評価値として算出してもよい。
または、異なる配置条件同士を比較する際に、監視目的ごとの評価値を辞書式比較することにより優劣を決定してもよい。すなわち、優先度の高い監視目的から順々に評価値を比較していき、評価値に差に無ければ、次に優先度が高い低い監視目的の評価値を比較し、評価値に差が生じた地点で、高い評価値の配置条件が低い評価値の配置条件よりも良好であると判断してよい。
Claims (10)
- 監視空間を撮影するカメラの位置、画角及び撮影方向を含む配置条件の情報と、前記監視空間に複数配置した評価地点の分布を示す分布情報と、当該評価地点に指定された監視方向に関する監視方向情報と、を記憶する記憶部と、
前記配置条件に基づいて前記カメラの撮影範囲を算出する撮影範囲算出部と、
前記撮影範囲内に分布する前記評価地点ごとに当該評価地点の前記監視方向情報と前記配置条件とに応じて地点監視量を算出し、算出した当該各地点監視量に基づいて前記配置条件の評価値を算出する評価値算出部と、
を備えることを特徴とするカメラ配置評価装置。 - 前記評価値算出部は、前記カメラの位置から前記評価地点に向かう方向と前記評価地点の前記監視方向とがなす角に基づいて、当該評価地点の前記地点監視量を算出することを特徴とする請求項1に記載のカメラ配置評価装置。
- 前記監視方向情報は、1つの前記評価地点に対して複数の前記監視方向を含み、
前記評価値算出部は、前記監視方向のそれぞれについて前記地点監視量を算出した方向別監視量に基づいて、前記評価地点ごとの前記地点監視量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ配置評価装置。 - 前記評価値算出部は、前記方向別監視量を前記監視方向に応じて重み付けすることを特徴とする請求項3に記載のカメラ配置評価装置。
- 前記監視方向情報は、前記評価地点を監視する方向に応じた得点分布を含み、
前記評価値算出部は、前記カメラの位置から前記評価地点に向かう方向に対応する前記得点分布の得点に基づいて、前記評価地点の前記地点監視量を算出することを特徴とする請求項1に記載のカメラ配置評価装置。 - 前記評価値算出部は、前記評価地点ごとに設定された監視重要度に応じて重み付けされた前記地点監視量を算出することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のカメラ配置評価装置。
- 時間帯に応じて変化する前記監視方向情報を設定する監視方向設定部を更に備え、
前記評価値算出部は、異なる複数の前記時間帯において前記評価値を算出した時間別評価値に基づいて、これら複数の前記時間帯にわたる前記評価値を算出することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のカメラ配置評価装置。 - 前記監視空間を撮影する他のカメラの配置条件に応じて変化する前記監視方向情報を設定する監視方向設定部を更に備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のカメラ配置評価装置。
- コンピュータに、
監視空間を撮影するカメラの位置、画角及び撮影方向を含む配置条件の情報と、前記監視空間に複数配置した評価地点の分布を示す分布情報と、当該評価地点に指定された監視方向に関する監視方向情報と、を記憶装置から読み出す情報読出ステップと、
前記配置条件に基づいて前記カメラの撮影範囲を算出する撮影範囲算出ステップと、
前記撮影範囲内に分布する前記評価地点ごとに、当該評価地点の前記監視方向情報と前記配置条件とに応じて地点監視量を算出し、算出した当該各地点監視量に基づいて前記配置条件の評価値を算出する評価値算出ステップと、
を実行させることを特徴とするカメラ配置評価方法。 - コンピュータに、
監視空間を撮影するカメラの位置、画角及び撮影方向を含む配置条件の情報と、前記監視空間に複数配置した評価地点の分布を示す分布情報と、当該評価地点に指定された監視方向に関する監視方向情報と、を記憶装置から読み出す情報読出ステップと、
前記配置条件に基づいて前記カメラの撮影範囲を算出する撮影範囲算出ステップと、
前記撮影範囲内に分布する前記評価地点ごとに、当該評価地点の前記監視方向情報と前記配置条件とに応じて地点監視量を算出し、算出した当該各地点監視量に基づいて前記配置条件の評価値を算出する評価値算出ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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