JP7284015B2 - アルカリ水電解用隔膜ならびに該隔膜の製造方法 - Google Patents
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Description
非溶媒誘起相分離法による製膜について、非特許文献1には、非溶媒誘起相分離法によるポリフッ化ビニリデン膜の製造における、塩化リチウム等の添加物のキャスト溶液への添加効果として、塗液の熱力学的混和性を抑制することでNIPS時の溶媒・非溶媒交換を制御する旨が記載されている。
しかしながら、耐アルカリ性、耐熱性を有する樹脂と無機粒子とを併用したアルカリ水電解用隔膜においては、上記添加物に対する知見は多くなかった。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、有機ポリマーと無機粒子とを含むアルカリ水電解用隔膜であって、該膜の表面に垂直な断面において、長手方向の両端から中央に向かって、該断面の幅aに対し0.4a以上離れた範囲で、該膜の表面と該膜の表面から深さ方向に1μm離れた位置との間の範囲において、有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和が120%以上である。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、有機ポリマーを含む。有機ポリマーは無機粒子を保持する。有機ポリマーは無機粒子を保持する隔壁として機能し、後述する無機粒子の親水性表面の減少を最小限なものとしながら、アルカリ溶液中で隔膜から無機粒子が脱落するのを抑制することができる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、上述した有機ポリマーと後述する無機粒子を含む膜からなるものであるが、上記有機ポリマーとして多孔性支持体を含んでいてもよい。上記多孔性支持体は、多孔質の有機ポリマーであり、イオン透過性を阻害せず、アルカリ水電解用隔膜の支持体となり得る部材である。上記多孔性支持体は、シート状の部材であることが好ましい。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、無機粒子を含む。本発明のアルカリ水電解用隔膜は、無機粒子間あるいは粒子と有機ポリマーとの空隙部分に電解液が満たされてイオン透過性を発揮することができる。また、無機粒子を含むことにより、アルカリ水電解用隔膜が親水化し、水の電気分解において発生する酸素ガスや水素ガスが隔膜に付着して電気分解の妨げになることを抑制することができる。
本明細書中、アスペクト比とは、最長径aと最短径bとの比(a/b)を意味し、粉体状の無機粒子をSEMで観察し、得られた画像の任意の10粒子において、解析ソフト等を使用して、各粒子の最長径aと最短径bとの比(a/b)を測定し、それらの比の単純平均値をその粒子のアスペクト比として求めることができる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜が上記多孔性支持体を含む場合は、上記無機粒子の含有量は、好ましくはアルカリ水電解用隔膜100質量%中30~50質量%、より好ましくは32~48質量%、更に好ましくは35~45質量%である。
また、本発明のアルカリ水電解用隔膜は、上述した単膜層2は無くても良く、無機粒子と上記樹脂(R)と上記多孔性支持体とが一体化した支持体層3としての複合体であってもよい。上記複合体とすることにより、アルカリ水電解用隔膜の強度と靭性を向上させることができる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、有機ポリマーと無機粒子とを含むアルカリ水電解用隔膜であって、該膜の表面に垂直な断面において、長手方向の両端から中央に向かって、該断面の幅aに対し0.4a以上離れた範囲で、該膜の表面と該膜の表面から深さ方向に1μm離れた位置との間の範囲において、有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和が120%以上である。換言すると、有機ポリマーの面積の和を100%とした場合の無機粒子の面積の和が120%以上である。
上記有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和は、120%以上であることが好ましく、140%以上であることがより好ましい。無機粒子の保持を維持するために、上記有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和の上限としては、280%が挙げられる。上記有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和を上述した範囲とした場合に、膜表面層における無機粒子の組成割合が増加し、膜表面層が親水性に富んだ構造となり、高いイオン伝導性と高いガスバリア性を両立したアルカリ水電解用隔膜となる。なお、本明細書において、膜表面層とは、膜の表面と、膜の表面から深さ方向に1μm離れた位置との間の範囲の部分を指す。
本発明のアルカリ水電解用隔膜では、膜全体としての空隙率が25~80%であることが好ましく、30~75%がより好ましく、35~70%がさらに好ましい。膜全体としての空隙率が上述の範囲であると、隔膜中の空隙に電解液がより連続的に満たされるため、より高いイオン伝導性を示すと共に、イオン透過性により優れ、かつガスバリア性により優れた膜とすることができる。
空隙率(%)=[1-(実測密度値)/(計算密度値)]×100
実測密度値は、得られた隔膜の任意の場所から切り出した試験片について、質量と体積を測定し、質量を体積で除すことにより算出できる。体積は、試験片の縦方向の長さ、横方向の長さを、ノギスを用いて測定、膜厚を上記膜厚測定方法に基づき測定することにより算出できる。また、試験片の質量は、体積を測定した試験片について小数点以下4桁の精密天秤を用いて測定できる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜のイオン伝導度は、実施例に記載の方法で算出できる。本発明のアルカリ水電解用隔膜のイオン伝導度は、100mS/cm超であることが好ましい。このようにした場合に、アルカリ水電解における電解効率をより高くできる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜の厚みは、特に限定されず、使用する設備の大きさや取り扱い性等に応じて適宜選択すればよいが、膜の高いイオン伝導性と共に、ガスバリア性やイオン透過性、強度の観点から、50~2000μmが好ましく、100~1000μmがより好ましく、100~500μmが更に好ましく、150~350μmが最も好ましい。
また、上述した多孔性支持体を含む場合、本発明のアルカリ水電解用隔膜の厚みは、好ましくは50~2000μm、より好ましくは100~1000μm、更に好ましくは100~500μm、最も好ましくは150~300μmである。
本発明のアルカリ水電解隔膜の製造方法は、無機粒子及び溶媒を含む分散液を調製する分散液調製工程;該分散液、有機高分子樹脂(R)及び塩化リチウムを混合して樹脂混合液を調製する樹脂混合液調製工程;及び、該樹脂混合液を用いて膜を形成する膜形成工程;を含み、該樹脂混合液調製工程において、該塩化リチウムの添加量が該無機粒子に対し3.0質量%以上である。
以下に、各工程について説明する。
上記製造方法では、無機粒子を上記樹脂(R)と混合する場合、予め無機粒子を溶媒に分散させた分散液を調製してから上記樹脂(R)と混合する。分散液を調製してから上記樹脂(R)と混合することにより、製造する膜表面層における無機粒子の割合が増加し、親水性に富んだ構造となり、イオン伝導性とガスバリア性の向上が両立できる。上記分散液には分散剤を添加しても良い。
カチオン系界面活性剤としては、分子内に炭素数5以上の炭化水素鎖を有するカチオン系界面活性剤がより好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、分子内に炭素数5以上の炭化水素鎖を有するアニオン系界面活性剤がより好ましい。
ポリマー顔料分散剤としては、親水性官能基を有するポリマーであれば特に制限されないが、炭素数が5以上の炭化水素鎖を主鎖または側鎖に有するポリマーであることが好ましく、さらに構成単位(繰り返し単位)として炭素数が5以上の炭化水素鎖を含むポリマーであることがより好ましく、構成単位として炭素数が5以上のポリエステルあるいはポリエーテルを含むポリマーであることがさらに好ましい。
このようなポリマーとしては、炭素数が5以上の炭化水素鎖を含む構成単位のみを繰返し単位として含むポリマーであっても、炭素数が5以上の炭化水素鎖を含む構成単位以外の構成単位を繰返し単位としてさらに含むものであってもよい。
また、後者の場合、炭素数が5以上の炭化水素鎖を含む構成単位のみを繰返し単位として含むブロックと他の構成単位から構成されるブロックとからなるポリマーであっても、分子内に、炭素数が5以上の炭化水素鎖を含む構成単位と他の構成単位とがランダムに繋がった構造のポリマーであってもよい。
上記分散剤の使用量は、溶媒100質量部に対して、1~10質量部が好ましく、1.2~8.0質量部がより好ましく、1.5~5.0質量部以下がさらに好ましい。このようにすることにより、無機粒子の分散安定性をより効果的に向上できる。
上記樹脂混合液調製工程では、上記分散液調製工程で調製された分散液に有機高分子樹脂(R)と塩化リチウムを混合して樹脂混合液を調製する。塩化リチウムの添加量は、無機粒子100質量%に対し3.0質量%以上であり、4.0質量%以上であることが好ましく、5.0質量%以上であることがより好ましい。塩化リチウムの添加量を上記範囲とした場合に、膜表面層における無機粒子の割合が増加し、親水性に富んだ表面構造となり、高いイオン伝導性と高いガスバリア性を両立したアルカリ水電解用隔膜とすることができる。
上記混合する方法としては、上記分散液調製工程で記載した混合分散の手段と同様の手段が挙げられる。
上記膜形成工程では、上記樹脂混合液調製工程で得られた樹脂混合液を用いて膜を形成する。
上記膜を形成する方法としては、アルカリ溶液中での無機成分の溶出がより一層抑制されたアルカリ水電解用隔膜を容易に製造することができる点で、下記の工程(a)、(b)を含むことが好ましい。
(a)上記樹脂混合液の塗膜を形成する工程、及び、
(b)上記塗膜を非溶媒と接触させることにより上記塗膜を凝固させ、多孔質膜を得る工程
上記樹脂混合液の塗膜を形成する方法としては、例えば、上記で得られた樹脂混合液を基材上に塗布する方法や、上記樹脂混合液中に基材を浸漬させ、上記樹脂混合液が含浸した基材を得る方法等が挙げられる。なかでも、簡便に塗膜を形成できる点で、上記樹脂混合液を基材上に塗布する方法が好ましい。
また、上述した多孔性支持体を含むアルカリ水電解用隔膜を製造する場合は、上記基材として上記多孔性支持体を使用してもよい。
上記塗膜を非溶媒と接触させることにより、上記塗膜中に非溶媒が拡散し、非溶媒に溶解しない上記樹脂(R)が凝固する。一方、非溶媒に溶解しうる塗膜中の溶媒は、塗膜から溶出する。このように相分離が生じることにより、上記樹脂(R)(及び無機粒子)が凝固し、多孔質膜が形成される。
上記塗膜の乾燥温度としては、60~120℃が好ましい。
乾燥時間としては、0.5~120分が好ましく、1~60分がより好ましく、1~30分が更に好ましい。
本発明のアルカリ水電解用隔膜では、高いイオン伝導性を示すと共に、より高いガスバリア性とより高い耐久性を両立する。そのため、本発明のアルカリ水電解用隔膜は、アルカリ性水溶液を電解液とした水の電気分解用の隔膜として好適に使用することができる。また、上述したアルカリ水電解用隔膜の他、アルカリ形燃料電池用セパレータ、1次電池用セパレータ、2次電池用セパレータ等の電池用セパレータ、食塩電解用セパレータ等の用途に用いることができる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、アルカリ水電解装置の部材として用いられる。上記アルカリ水電解装置としては、例えば、陽極、陰極、及び、陽極と陰極の間に配置された上記アルカリ水電解用隔膜を含むものが挙げられる。より具体的には、上記アルカリ水電解装置は、上記アルカリ水電解用隔膜によって隔てられた、陽極が存在する陽極室と、陰極が存在する陰極室とを有する。
陽極、及び陰極としては、ニッケル又はニッケル合金等を含む導電性基体等、公知の電極が挙げられる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜を備えたアルカリ水電解装置を用いて行う水の電気分解の方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、上述した本発明のアルカリ水電解用隔膜を備えたアルカリ水電解装置に、電解液を充填し、電解液中で電流を印加することにより行うことができる。
上記電解液としては、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム等の電解質を溶解したアルカリ性水溶液が用いられる。上記電解液における電解質の濃度は、特に限定されないが、電解効率がより一層向上し得る点で、20~40質量%であることが好ましい。
また、電気分解を行う場合の温度としては、電解液のイオン伝導性がより向上し、電解効率がより一層向上し得る点で、50~120℃が好ましく、80~90℃がより好ましい。電流の印加条件は、公知の条件・方法で行うことができる。
(1.水酸化マグネシウム分散液の調製)
水酸化マグネシウム(平均粒子径0.20μm)とN-メチル-2-ピロリドン(富士フイルム和光純薬工業社製)を質量比1:1となるよう混合し、ジルコニアメディアボールを入れたポットミルにて、室温で6時間分散処理を行うことにより水酸化マグネシウム分散液を調製した。
ポリスルホン樹脂(BASF社製、品番ウルトラゾーンS3010)を30質量%の濃度で80~100℃にてN-メチル-2-ピロリドン(富士フイルム和光純薬工業社製)に熱溶解させた。
上記で得られた水酸化マグネシウム分散液とポリスルホン樹脂溶解液とを、固形分が40質量%かつ水酸化マグネシウム100質量部に対してポリスルホン樹脂(PSU)が33質量部になるように計量し、さらに塩化リチウム(富士フイルム和光純薬工業社製)を水酸化マグネシウム100質量%に対して5質量%加え、自転公転ミキサー(シンキー社製、品番あわとり練太郎ARE-500)にて室温で1000rpmで約10分間混合した。得られた混合液を、SUSの200メッシュで濾過することで塗液を得た。
ポリフェニレンサルファイド不織布(東レ社製、トルコンペーパー#100)上に、乾燥後の隔膜の厚みが全体で270μmになるように塗布し、不織布に塗液を完全に含浸させた。その後、塗液を含浸させた不織布を、室温にて10分間水浴させ、塗液を凝固させて膜を形成した。水浴後、得られた膜を、乾燥機にて80℃で、30分間乾燥し、不織布と水酸化マグネシウム及びポリスルホン樹脂を含む膜との複合体からなるアルカリ水電解用隔膜を得た。
得られたアルカリ水電解用隔膜の厚さは、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて測定した。任意10点を測定し、その平均値を膜厚とした。膜厚は269μmであった。
得られたアルカリ水電解用隔膜の表面に垂直な断面について、長手方向の両端から中央に向かって、上記断面の幅aに対し0.4a以上離れた範囲で、上記膜の表面と該表面から1μm離れた位置との間の範囲におけるFE-SEM(日本電子社製、型番:JSM-7600F)測定による断面観察画像(倍率:30,000倍)を得た。
得られた断面観察画像に対して、解析ソフト(Image-Pro Premier)を用いて、メディアン処理にて画像を明部と準明部と暗部に分け、そのヒストグラムよりポリスルホン樹脂に対応する準明部の面積の合計値と、水酸化マグネシウムに対応する明部の面積の合計値を算出した。そして、ポリスルホン樹脂の面積の和に対する水酸化マグネシウムの面積の和を求めた。その結果、ポリスルホン樹脂の面積の和に対する水酸化マグネシウムの面積の和は142%であった。
得られたアルカリ水電解用隔膜について、リキッドポロシメーター(Porous Materials社製)を用いてバブルポイント値を測定した。具体的には、2.5cmφの隔膜をイオン交換水中に室温で1時間浸漬させて十分に湿潤させた後、フッ素系溶剤であるGalwick(Porous Materials社製)を隔膜上に満たした。隔膜に対するガス圧を昇圧させていき、水の液膜が破壊されて、Galwickが膜を透過して天秤でその重量を観測した時点のガス圧をバブルポイント値とした。上記隔膜のバブルポイント値は、測定上限の1000kPa以上であった。
得られたアルカリ水電解用隔膜について、デジタル型王研式透気度試験機EGBO-S-1(旭精工社製)を用いてガーレー値を測定した。
上記隔膜のガーレー値は、85sであった。
得られたアルカリ水電解用隔膜について、下記測定方法によりイオン伝導度を測定した。その結果、229mS/cmであった。
(測定方法)
測定用の隔膜試料を2枚準備する。
各隔膜試料を用いて、以下のセル構成で形成したセルを25℃の恒温槽内で30分静置した後、以下の測定条件で交流インピーダンス測定を行い、得られた切片成分(Ra)と測定サンプルを入れない場合の切片成分(Rb)および上記膜厚測定方法により得られた膜厚の値を用いて、下記式によりイオン伝導度を測定する。
隔膜試料2枚について上記測定を行い、得られた測定値(2点)の平均値を算出し、これを隔膜のイオン伝導度とする。
[イオン伝導度(mS/cm)]=[膜厚(cm)]÷[(Ra-Rb)×1000×1.77]
(測定条件)
・セル構成
作用極:Ni板
対極 :Ni板
電解液:30質量%水酸化カリウム水溶液
サンプル前処理:上記電解液に1晩浸漬
測定有効面積:1.77cm2
・交流インピーダンス測定条件
印加電圧:10mV vs.開回路電圧
周波数領域:100kHz~100Hz
塩化リチウムの使用量を水酸化マグネシウム100質量%に対して2質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてアルカリ水電解用隔膜を得た。膜厚は288μm、上記有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和は73%、バブルポイント値は460kPa、ガーレー値は43Sであった。
得られたアルカリ水電解用隔膜について実施例1の場合と同様にしてイオン伝導度を測定した結果、204mS/cmであった。
塩化リチウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてアルカリ水電解用隔膜を得た。膜厚は270μm、上記有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和は118%、バブルポイント値は測定上限の1000kPa以上、ガーレー値は69Sであった。
得られたアルカリ水電解用隔膜について実施例1の場合と同様にしてイオン伝導度を測定した結果、146mS/cmであった。
2 単膜層
3 支持体層
10 アルカリ水電解用隔膜の断面
11 アルカリ水電解用隔膜の表面
12 測定範囲
a アルカリ水電解用隔膜の表面に垂直な断面の幅
S アルカリ水電解用隔膜の表面から深さ方向
Claims (2)
- 有機ポリマーと無機粒子とを含むアルカリ水電解用隔膜であって、
該膜の表面に垂直な断面において、長手方向の両端から中央に向かって、該断面の幅aに対し0.4a以上離れた範囲で、該膜の表面と該膜の表面から深さ方向に1μm離れた位置との間の範囲において、有機ポリマーの面積の和に対する無機粒子の面積の和が120%以上である
アルカリ水電解用隔膜。 - 無機粒子及び溶媒を含む分散液を調製する分散液調製工程、
該分散液、有機高分子樹脂(R)及び塩化リチウムを混合して樹脂混合液を調製する樹脂混合液調製工程、及び、
該樹脂混合液を用いて膜を形成する膜形成工程を含み、
該樹脂混合液調製工程において、該塩化リチウムの添加量が該無機粒子100質量部に対し3.0質量部以上である
アルカリ水電解用隔膜の製造方法。
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