JP7282421B1 - 軸力検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
締結力の管理は、トルクや回転角を測定して一般に締め付け時に行われるだけであり、締
め付け後にはほとんど行われていない。しかし、機械の作動中に予期しない外力の作用に
よってボルトが緩み、締め付け力が低下した場合には、疲労破壊の危険性が著しく増加する。したがって、ボルトの破断事故を防止し、ねじ締結体の信頼性を向上させるためには、締結後のボルトの締付け力の検出にも注意を払う必要がある。
じ部にナットを螺合締結することにより、被締結体を狭圧するボルト・ナット締結体において、ナット上面に対して、該上面から突出するボルトの雄ねじ部を引張して、ボルトの
ばね定数の変移点を検出し、該変移点での引張力を締付け力とすることを特徴とするボル
ト・ナット締結体の締付け力検出方法が開示されている。
本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
接続部材2の側面には、キー溝41aに係合するキー25が設けられている。キー25は、キー溝41aの幅より若干小さく設定されている。
なお、キー溝41aは、1か所のみに形成してもよいが、複数としたほうが、接続部材2の取り付けの自由度が高めるため、望ましい。
条件1:ボルト頭部12の外周面1周以上の長さを有する第4雄ネジ部12aに第1雌ネジ部21a1が螺合すること
条件2:接続部材2の下端部と被締結体H1との間にクリアランスが形成されていること
本実施形態の軸力検出装置は、回転防止機構の構成が第1実施形態と異なる。
図4(a)は接続部材2の接続部材本体部21を水平方向に沿って切断した断面図であり、図4(b)はテンション受け部4を水平方向に沿って切断した断面図であり、図4(c)は接続部材本体部21及びテンション受け部4の噛み合い状態を示している。
この略均等に接触させるための設計概念について、説明する。
接続部材本体部21の外周面を正n角形(ただし、nは3以上の整数である)に形成するとともに、歯形部43の山部の数をnの倍数に設定する。
上述の設計概念によれば、隣接する山部間の角度を、360°を山部の数で除した数値に設定することにより、接続部材本体部21の各側面に対して、歯形部43を略均等に接触させることができる。なお、360°を山部の数で除した解が割り切れない数値の場合、小数点を適宜の桁で四捨五入すればよい。四捨五入するときの桁は、特に限定しない。
例えば、接続部材本体部21の外周面を正四角形に形成した場合、山部の数は四の倍数に設定することができる。
同図に示すように、接続部材本体部21の各側面は、歯形部43に対して不均一に接触している。ただし、接触が不均一であっても、回転防止機構としての効果は発現するため、本発明の範囲に含まれる。
図10(a)は、図4(c)に対応しており、接続部材及びテンション受け部の噛み合い状態を示している。本実施形態は、接続部材本体部21の外周面の一部に第1歯形部21dを形成している点で、第2実施形態と異なる。すなわち、接続部材本体部21のベース形状は円柱状であり、外周面の一部に第1歯形部21dを形成している。
テンション受け部4の内周面には、第1歯形部21dと噛み合う第2歯形部44が連続的に形成されており、第2歯形部44の歯数は、第1歯形部21dの歯数よりも多い。第1歯形部21d及び第2歯形部44のピッチは互いに同じに設定されている。これにより、接続部材本体部21の噛み合い位置を周方向において選択できるため、接続部材2の取り付けの自由度が高まる。
本実施形態では、第1歯形部21d及び第2歯形部44により、回転防止機構が実現される。回転防止機構の作用効果は、上述の実施形態で同じであるから、詳細な説明を省略する。
なお、第2及び第3実施形態における回転防止機構は、スプラインで実現してもよいし、セレーションによって実現してもよい。
(変形例)
図10(b)及び図10(c)に図示するように、第1歯形部21dを、接続部材本体部21の外周面に沿って間欠的かつ等間隔に形成してもよい。本変形例の構成においても、第1歯形部21d及び第2歯形部44により、回転防止機構が実現される。回転防止機構の作用効果は、上述の実施形態で同じであるから、詳細な説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例に相当するものであり、ボルトの形態が第1実施形態と異なる。ただし、本実施形態は、第2及び第3実施形態の変形例でもある。
(変形例1)
図11に示すように、ボルト10は、ボルト頭部に六角穴102aが形成された六角穴付きボルト100であってもよい。ボルトネジ軸部101には雄ネジ部が形成されている。
ボルト頭部102の側面には第4雄ネジ部102bが周方向に途切れることなく連続的に形成されている。軸力検出は、ボルト頭部102の第4雄ネジ部102bを接続部材2の第1雌ネジ部21a1に螺合させた状態で行うことができる。
図12に示すように、ボルト10は、四角ボルトからなるボルト200であってもよい。
ボルトネジ軸部201には雄ネジ部が形成されている。ボルト頭部202の側面には第4雄ネジ部202aが周方向に間欠的に形成されている。すなわち、個々の第4雄ネジ部202aは、ボルト頭部202の側面における曲げ形状部に形成されている。軸力検出は、ボルト頭部202の第4雄ネジ部202aを接続部材2の第1雌ネジ部21a1に螺合させた状態で行うことができる。図示例では、ボルト頭部202の側面における上端から下端までの全体に亘って、第4雄ネジ部202aが形成されているが、本発明はこれに限るものではなく、第1実施形態の図2(b)に図示するように、上端から下端までの一部に形成されていてもよい。
図13(a)及び図14を参照しながら、変形例3について説明する。本変形例では、フランジボルトが用いられる。図13(a)はフランジボルトの斜視図である。図14は、軸力検出装置の概略図である。
図15(a)を参照しながら、変形例4について説明する。図15(a)は、図1に対応しており、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。本実施形態では、ボルト頭部12と被締結体H1との間に、座金50を介在させている。座金50は、平板状に形成された通常の平座金であり、テンション中空部41の内径よりも径寸法が小さく設定されており、接続部材2の下端部と座金50との間には、微小なクリアランスが形成されている。接続部材2の下端部が座金50に圧接した状態で軸力検出を行うと、検出誤差が大きくなる。すなわち、接続部材2の下端部と座金50との間に微小なクリアランスを形成した状態で軸力検出を行うことにより、検出誤差を少なくすることができる。なお、図15(a)において、座金50の平面方向における寸法を拡大し、テンション受部4と被締結体H1との間に、座金50を介在させてもよい(この点については、他の実施形態及び他の変形例においても同様である。)。この場合、テンション受部4は、座金50を介して、ボルト引っ張り時の反力を受けることになる。
図15(b)は本変形例5の軸力検出装置の概略図であり、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。接続部材中空部21aは、大径中空部211a及び小径中空部212aからなる上下二段構成となっており、大径中空部211aの上端部及び小径中空部212aの下端部が連接されている。小径中空部212aの内周面には、雌ネジ部212a1が形成されている。
上述の実施形態では、座金50を平板状に形成したが、本発明はこれに限るものでない。図15(c)は、本変形例の座金52の斜視図である。座金52は、ロゼットワッシャであり、下端平板部52aには、上方に向かってドーム状に延びる曲面部52bが形成されている。本変形例において、座金52の曲面部52bと大径中空部211aが当接した時に、接続部材2と被締結体H1との間にクリアランスが形成されるように構成してもよい。なお、曲面部52bに凹部又は凸部が形成されている場合、当該凹部又は凸部に当接したときに、接続部材2と被締結体H1との間にクリアランスが形成されるように構成してもよい。また、座金52は、円錐台形状であってもよい。この場合、座金52のテーパ面と大径中空部211aが当接した時に、接続部材2と被締結体H1との間にクリアランスが形成されるように構成してもよい。なお、当該テーパ面に凹部又は凸部が形成されている場合、当該凹部又は凸部に当接したときに、接続部材2と被締結体H1との間にクリアランスが形成されるように構成してもよい。
図16を参照しながら、変形例7について説明する。図16は、テンション受部4が保護プレート60に当接した直後の状態を示している。すなわち、ボルト頭部12及びテンション受部4と被締結体H1との間に、保護プレート60を介在させることができる。保護プレート60は、ボルトネジ軸部11を挿通させるための開口部を有しており、テンション受部4の外径よりも径寸法が大きく設定されている。そのため、ハンドル5を回転させてテンション受部4を下動させた時に、テンション受部4の当接する部材は被締結体H1ではなく保護プレート60となる。この場合、被締結体H1から加わる軸力検出時の反力は、保護プレート60を介してテンション受部4に伝達される。
本例によれば、保護プレート61の径方向における肉厚を調整(言い換えると、被締結体H1及び保護プレート61の接触面積を調整)することにより、ボルト頭部12の直下における被締結体H1の変形量と、保護プレート61の直下における被締結体H1の変形量とを略同じにすることができる。すなわち、引張機構3による引張を開始する前における、ボルト頭部12直下の被締結体H1の変形量をS1、引張機構3により引張を開始した後における、保護プレート61の直下の被締結体H1の変形量をS2としたときに、これらの変形量S1及びS2が互いに略等しくなるように、被締結体H1に対する保護プレート61の接触面積を調整しておくことが望ましい。なお、変形量S1及びS2は、ボルト10の軸方向における変形量のことである。ただし、保護プレート61は、テンション受部4の一部として設けられていてもよい。この場合、被締結体H1に接触するテンション受部4の当接部(言い換えると、下端部)の接触面積が、上述の条件を満足するように、接触面積を調整しておくことが望ましい。適切な接触面積は、予め実験、或いはシミュレーションを行うことにより、求めることができる。
図17(b)を参照しながら、変形例8について説明する。図17(b)は、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示しており、接続部材本体部21とナット50との間には微小なクリアランスが形成されており、ボルトネジ軸部11の上端は接続部材中空部21aの天面に当接している。本変形例の構成では、接続部材中空部21aの周面に形成された第1雌ネジ部21a1に対して、ボルトネジ軸部11を螺合させることにより、ボルト10を引っ張る構成となっている。ナット50の種類は特に限定しないが、例えば、六角ナット、十二角ナット、四角ナットを用いることができる。
本実施形態の軸力検出装置は、被締結体をボルト及び座金で締結するとともに、被締結体の上面を抑えながら座金(請求項1の締結部品に相当する)を介してボルトを引っ張り、軸力を検出する装置である。回転防止機構は、第1実施形態と同じである。ただし、第2及び第3実施形態の回転防止機構を採用してもよい。
ボルト、座金及び被締結体について詳細に説明する。ボルト10は、六角ボルトであり、ボルトネジ軸部11及びボルト頭部12から構成されている。ただし、ボルト10は、例えば、十二角ボルト、四角ボルトなどであってもよい(本実施形態の他の変形例においても同様である)。ボルトネジ軸部11には雄ネジが形成されている。座金14は、平板状に形成されており、ボルト10よりも径寸法が大きく設定されている。座金14の外周面には、第4雄ネジ部14a(請求項1の第4ネジ部に相当する)が周方向に延びて形成されている。図示例では、座金14の外周面(側面)全体に第4雄ネジ部14aを形成しているが、本発明はこれに限るものではなく、当該外周面の一部であってもよい(他の実施形態及び変形例も同様である)。
以下、本実施形態の変形例について説明する。
図19を参照しながら、変形例1について説明する。図19は、図1に対応しており、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。本実施形態のボルト10は、ボルト頭部12が被締結体H2の下面に接触し、ボルトネジ軸部11の先端が被締結体H1の上面から突出している。なお、ボルト孔H1a及びH2aには、ネジが切られていない。
図20及び図21を参照しながら、変形例2の軸力検出装置について説明する。図20は軸力検出装置の概略図であり、座金を引っ張る動作を開始した直後の状態を示している。なお、上述の実施形態と機能が共通する要素は、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。図21はボルトの斜視図である。
図22は、本変形例3の座金の斜視図であり、図23(a)は軸力検出装置の概略図である。座金81は、段付き座金であり、大径座金部81aと、大径座金部81aの上面に形成された小径座金部81bとから構成されている。大径座金部81aは、小径座金部81bと一体的に形成されており、小径座金部81bよりも外径寸法が大きく設定されている。
図25及び図26を参照しながら、本変形例4の軸力検出装置について説明する。図25は、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。図26は、本変形例4のナット95の斜視図である。
図27を参照しながら、変形例5の軸力検出装置について説明する。図27は、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。本変形例5のナット97は、フランジのないナットである。本変形例5の座金は、上述した座金81(図22参照)と同様である。また、本変形例5の接続部材2は、大径中空部211a及び小径中空部212aの間に中径中空部213aが形成されている。
図28を参照しながら、変形例6について説明する。図28は、テンション受部4が保護プレート60に当接した直後の状態を示している。すなわち、座金14及びテンション受部4と被締結体H1との間に、保護プレート60を介在させることができる。保護プレート60は、リング状に形成されており、内縁部60aはボルトネジ軸部11に対応した位置に設けられており、外縁部60bはテンション受部4の外縁部から径方向に突出した位置に設けられている。そのため、ハンドル5を回転させてテンション受部4を下動させた時に、テンション受部4は被締結体H1ではなく保護プレート60に当接する。この場合、被締結体H1から加わる軸力検出時の反力は、保護プレート60を介してテンション受部4に伝達される。
本実施形態の軸力検出装置は、被締結体の挿通孔にボルトを挿入し、挿通孔を貫通したボルトの雄ねじ部にナットを螺合締結することにより、被締結体を狭圧するボルト・ナット締結体を引っ張り、軸力を検出する装置である。回転防止機構は、第1実施形態の機構と同じである。ただし、第2及び第3実施形態の回転防止機構を採用してもよい。
軸力検出装置の基本的な構成は、第1実施形態等と同じであるから詳細な説明を省略する。
ボルト10は、六角ボルトであり、ボルトネジ軸部11及びボルト頭部12から構成されている。ただし、ボルト10は、例えば、十二角ボルト、四角ボルトなど第1実施形態で説明した様々なボルトを用いることができる。また、ボルト頭部を有しないスタッドボルトを用いることもできる。
図示例では、ナット15の側面における上端から下端までの全体に亘って、第4雄ネジ部15aが形成されているが、本発明はこれに限るものではなく、図30(c)に図示するように、上端から下端までの一部に形成されていてもよい。
上述の例では、ナット15の上面と接続部材第1中空部21aとが当接した時に、接続部材2の下端部と被締結体H1との間にクリアランスが形成されるように構成したが、本発明はこれに限るものではなく、図30(d)に図示するように、ボルトネジ軸部11の先端面と接続部材第2中空部21bの天面とが当接した時に、クリアランスが形成されるように構成してもよい。なお、ボルトネジ軸部11の先端面には、当該先端面に形成された凹部又は凸部も含まれる。
図31(a)及び図31(b)を参照しながら、本変形例3について説明する。図31(a)は本変形例3のナットの斜視図である。図31(b)は本変形例3の軸力検出装置の概略図である。本変形例3では、フランジナットが用いられる。
図31(b)に図示する構成において、フランジ部502を拡径し、テンション受部4と被締結体H1との間に、フランジ部502を介在させてもよい。この場合、テンション受部4は、座金500のフランジ部502を介して、ボルト引っ張り時の反力を受けることになる。
図31(d)は本変形例のナットの斜視図である。図31(e)は、本変形例の軸力検出装置の概略図である。本変形例のナット500では、フランジ部502の外周面に周方向に延びる第4雄ネジ部502aが連続的に形成されている。
図31(f)は、本変形例5の軸力検出装置の概略図である。本変形例のナット500は、ナット本体501の外周面に第4雄ネジ部501aが形成されるとともに、フランジ部502の外周面に第4雄ネジ部502aが形成されている。これらの第4雄ネジ部501a及び502aは、互いに同じピッチでなければならない。ピッチが異なると、第4雄ネジ部501a及び502aに接続部材2を螺合させることができない。
図31(g)は、本変形例のナットの斜視図である。同図を参照して、フランジ部502は、下端平板部503及び下端平板部503の上面外縁から上方に向かってドーム状に延びる曲面部504を含む。ただし、曲面部504は、円錐台状に形成してもよい。下端平板部503の外周面には、周方向に延びる第4雄ネジ部503aが形成されている。ただし、第4雄ネジ部は、ナット本体501に形成してもよい。また、ナット本体501及び下端平板部503の双方に第4雄ネジ部を形成してもよい。
図32を参照しながら、本実施形態の変形例7について説明する。図32は、図1に対応しており、テンション受部4が被締結体H1に当接した直後の状態を示している。本変形例7では、ナット15と被締結体H1との間に、平板状の座金50を介在させている。座金50は、テンション中空部41の内径よりも径寸法が小さく設定されており、接続部材2の下端部と座金50との間には、微小なクリアランスが形成されている。
また、段付き座金の上面(段付き座金51の上面に凹部又は凸部が形成されている場合、これらの凹部又は凸部も含まれる)が接続部材2に当接した時に、接続部材2の下端部と被締結体H1との間にクリアランスが形成されてもよい。
さらに、ロゼットワッシャの曲面部(当該曲面部に凹部又は凸部が形成されている場合、当該凹部又は凸部を含む)を当接部位としてもよい。
図33を参照しながら、本実施形態の変形例8について説明する。図33は、テンション受部4が保護プレート60に当接した直後の状態を示している。すなわち、ナット15及びテンション受部4と被締結体H1との間に、保護プレート60を介在させることができる。接続部材2の下端部と保護プレート60との間には、微小なクリアランスが形成されている。保護プレート60は、ボルトネジ軸部11を挿通させるための開口部を有しており、テンション受部4の外径よりも径寸法が大きく設定されている。そのため、ハンドル5を回転させてテンション受部4を下動させた時に、テンション受部4の当接する部材は被締結体H1ではなく保護プレート60となる。この場合、被締結体H1から加わる軸力検出時の反力は、保護プレート60を介してテンション受部4に伝達される。保護プレート60については、説明を繰り返さない。
上述の実施形態及び変形例では、ナットの種類を六角ナットとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、四角ナット、或いは十二角ナットに置換することもできる。なお、四角ナット、十二角ナットは、フランジを有していてもよいし、フランジを有していなくてもよい。
上述の実施形態では、ボルトの頭部、座金、ナットのうちいずれかを接続部材2を介してテンションロッド31で引っ張る構成について説明したが、本実施形態の軸力検出装置は、ボルトの軸部を、接続部材を介して引っ張る装置である。回転防止機構は、第1実施形態の機構と同じである。ただし、第2及び第3実施形態の回転防止機構を採用してもよい。
ナット15は、平板状に限るものではなく、例えば、図26に図示するフランジ付きのナットであってもよい。この場合、ナットのフランジ部をテンション受け部4と被締結体Hとの間に介在させてもよい。ナットのフランジ部の形状は、例えば、図24に示す形状を模した曲面(又はテーパ面)を有する形状としてもよい。
(変形例1)
ナット15と被締結体H1との間に座金を介在させてもよい。座金には、図15(a)に図示する通常の座金、図15(b)に図示する段付き座金51、図15(c)に図示するロゼットワッシャからなる座金52などを用いることができる。座金を拡径して、テンション受け部4と被締結体H1との間に介在させてもよい。この場合、テンション受部4は、座金を介して、ボルト引っ張り時の反力を受けることになる。
本実施形態の変形例1のナット15に変えて、上述の実施形態で説明した保護プレート60をボルト頭部12と被締結体Hとの間に介在させてもよい。この場合、テンション受部4は、保護プレート60を介して、ボルト引っ張り時の反力を受けることになる。
なお、図35(a)、図35(b)に図示する、底面部42を備えたテンション受け部4を用いる場合、テンション受け部4は、複数の部品に分割できる分割タイプとすることが望ましい。この場合、接続部材2をボルト10などに螺合させた後に、テンション受け部4を組み立てることにより、図35(a)、図35(b)に図示する軸力検出装置を完成させることができる。
上述の各実施形態で説明した回転防止機構を設けることにより、ボルト10の引っ張り時に、テンションロッド31の回転トルクが、接続部材2を介して、テンション受け部4に働き、テンション受け部4が回転してしまうおそれがある。したがって、テンション受け部4が回転しないように、テンション受け部4の接地面の摩擦係数を大きくしたり、テンション受け部4の径を大きく設計する(つまり、トルクを大きくしておく)などしておくことが望ましい。
なお、上述の各実施形態において、テンションロッド31の回転軸周り方向における、回転防止機構のガタやねじれがあると、ボルト10が緩め方向に回転しやすくなる。したがって、回転防止機構のガタやねじれが少なくなるように設計することが望ましい。
2 接続部材
3 引張機構
4 テンション受部
5 ハンドル
10,100,200,300 ボルト
11 ボルトネジ軸部
12a,102b,202a,302a1,302b1 第1雄ネジ部
14 50 51 52 81 91 座金
15 95 97 500 ナット
21 接続部材本体部
21a 接続部材中空部
21a1 第1雌ネジ部
21d 第1歯形部
22 凸部
22a 第2雄ネジ部
25 キー
31 テンションロッド
31a 小径ロッド部
31b 大径ロッド部
32 軸受部
33 角ドライブ
34 レンチ
41a キー溝
42 底面部
43 歯形部
44 第2歯形部
60 保護プレート
311 テンションロッド中空部
311a 第2雌ネジ部
H(H1,H2) 被締結体
Claims (13)
- 被締結体に締結された締結体の軸力を検出する軸力検出装置であって、
第1ネジ部及び第2ネジ部を有する接続部材と、
第3ネジ部を備え、前記第2ネジ部を前記第3ネジ部に螺合させた状態で、上下方向に延びる回転軸周りの回転トルクを前記接続部材に付与することにより、前記接続部材を介して前記締結体を引っ張るテンションロッドと、
前記接続部材の外周周りに配置され、前記テンションロッドによる引張時に前記被締結体から作用する反力を受けるテンション受け部と、
を有し、
前記締結体又は前記締結体とともに締結に用いられる締結部品には、前記第1ネジ部に螺合する第4ネジ部が形成されており、
前記接続部材及び前記テンション受け部は、回転防止機構を有し、
前記回転防止機構は、前記テンションロッドの回転軸方向における前記接続部材の移動を許容するとともに、軸力検出後の除荷時に前記テンションロッドの回転軸周りにおける前記接続部材の回転を防止することを特徴とする軸力検出装置。 - 前記回転防止機構は、上下方向に延びるキー及び前記キーが係合するキー溝であり、
前記キー及び前記キー溝のうち一方は、前記テンション受け部に形成されており、他方は、前記接続部材に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の軸力検出装置。 - 前記接続部材は、外周面がn角形(ただし、nは3以上の整数である)に形成されており、前記テンション受け部には、前記接続部材の外周面と噛み合う歯形部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸力検出装置。
- 前記n角形は正n角形であり、
前記歯形部の山部の数は、nの倍数であることを特徴とする請求項3に記載の軸力検出装置。 - 前記回転防止機構は、前記接続部材に形成された第1歯形部と、前記テンション受け部に形成され、前記テンションロッドの回転軸周り方向において前記第1歯形部と噛み合う第2歯形部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の軸力検出装置。
- 前記締結体を引張り、軸力を検出する際に、前記テンションロッドによる回転トルクが、前記テンション受け部を回転させるトルクを超えないように、前記テンションロッドは設計されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の軸力検出装置。
- 前記テンション受け部の接地面には、摩擦力を高める高摩擦処理が施されていることを特徴とする請求項6に記載の軸力検出装置。
- 前記締結体を引っ張って、軸力を検出する際に、前記テンション受け部が回転しないように、前記テンションロッドの回転軸から前記テンション受け部までの距離を設定することを特徴とする請求項6に記載の軸力検出装置。
- 前記締結体を引っ張って、軸力を検出する際に、前記テンション受け部が回転しないように、前記テンションロッドの回転軸から前記テンション受け部までの距離を設定することを特徴とする請求項7に記載の軸力検出装置。
- 前記締結体は、ボルトであり、
前記締結部品は、ナット又は座金であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の軸力検出装置。 - 前記第4ネジ部が前記締結体に形成されている場合、前記第4ネジ部は、ボルト頭部の側面及びボルトのネジ軸部のいずれかに形成されていることを特徴とする請求項10に記載の軸力検出装置。
- 前記第4ネジ部が前記ナットに形成されている場合、前記第4ネジ部は、前記ナットの側面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の軸力検出装置。
- 前記第4ネジ部が前記座金に形成されている場合、前記第4ネジ部は、前記座金の側面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の軸力検出装置。
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