JP7281762B2 - 中容器を有する化粧料容器 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、加飾を施した外容器内に内容器(中容器)を収容した二重容器であって、前記外容器は、少なくとも前記加飾を施した部分が透明または半透明であり、前記加飾は、外層側にあり直接視認可能な表面部と、前記表面部の内層側にあり、前記内容器の外表面の色と同系色の色を有する裏面部と、を有することを特徴とする二重容器が開示されている。
また、内容器の外側表面は、高輝度の金属調の塗装、クロムメッキ、金メッキ、蒸着等の適宜手段により鏡面(光沢)処理が施された反射面であることが開示されている。
それゆえに、中容器の外側表面の反射面での光の反射が化粧料容器の高級感を表現するといった長所を有する。
そのため、化粧料容器の光沢は十分に満足できるものではなく、また塗装で一定の光沢を有する化粧料容器を得るには熟練した塗装技術が必要であった。
それゆえに、反射した光が化粧料容器の外側に出るまでに、中容器と外容器の間の空間で乱反射するため、化粧料容器の外側から視認した化粧料容器の光沢がより低くなり、高級感が損なわれるという問題もあった。
前記外容器の内側にのみ、少なくとも一層の塗膜が形成されており、
前記少なくとも一層の塗膜は、前記外容器の内側に形成された第1塗膜を含み、
前記第1塗膜は、ビヒクルとアルミ箔粒とを含み、
前記外容器の外側の20度鏡面光沢度が150以上であり、
前記外容器の外側の60度鏡面光沢度が120以上であり、
前記外容器の紫外線遮蔽率が95%以上であり、
前記外容器の可視光遮蔽率が95%以上であることを特徴とする、化粧料容器に関する。
前記第1塗膜は、該第1塗膜に含まれる合成樹脂の固形分100重量部に対して前記アルミ箔粒を50~200重量部含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧料容器に関する。
前記第2塗膜は、ビヒクルと顔料および/または染料とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧料容器に関する。
前記第2塗膜は、前記第1塗膜の前記外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の化粧料容器に関する。
前記第1塗膜は、前記第2塗膜の前記外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の化粧料容器に関する。
前記外容器の内側にのみ、少なくとも一層の塗膜が形成されており、
前記少なくとも一層の塗膜は、前記外容器の内側に形成された第1塗膜を含み、
前記第1塗膜は、ビヒクルとアルミ箔粒とを含み、
前記外容器の外側の60度鏡面光沢度が300以上であり、
前記外容器の紫外線遮蔽率が95%以上であり、
前記外容器の可視光遮蔽率が95%以上であることを特徴とする、化粧料容器に関する。
図1は、本発明に係る中容器を有する化粧料容器の概略縦断面図である。図2は、図1の要部Aの拡大図である。図3は、図1の要部Aの拡大図であって、外容器の内側表面上に第1塗膜が形成され、第1塗膜の外容器の内側表面とは反対側の面上に第2塗膜が形成されている実施形態を示す図である。図4は、図1の要部Aの拡大図であって、外容器の内側表面上に第2塗膜が形成され、第2塗膜の外容器の内側表面とは反対側の面上に第1塗膜が形成されている実施形態を示す図である。図5は、本発明に係る中容器を有する化粧料容器の一実施例の一部切り欠き外観図である。
さらに、本発明に係る中容器を有する化粧料容器(1)には、外容器(4)の内側表面(41)にのみ、少なくとも一層の塗膜(C)が形成されている。
また、中容器(3)の内部空間(S)に収める内容物は、紫外線、可視光線、赤外線などの光によって変性し易い成分を含有するものであるときに本発明に係る化粧料容器(1)は特に効果的であるため、例えば、化粧料である。
蓋(2)の形状は特に限定されず、外容器(4)と着脱自在に係合でき、外容器(4)に係合した際、外容器(4)内に収容された中容器(3)を密閉できる形状であればいかなる形状であっても良い。例えば、図1に示す如く、縦断面視略コ字状であっても良い。
内部空間(S)の密閉性を高めるために、蓋(2)あるいは外容器(4)にパッキン等の弾性部材(図示せず)を設けても良い。
例えば、合成樹脂や金属等が挙げられるが、これに限定されず、光の透過を防止できることが自明である材質であればいかなるものを用いても良い。
蓋(2)の厚みは特に限定されず、光の透過を防止でき、中容器(3)に充填された内容物を密閉できる厚みであればいかなる厚みであってもよい。
蓋(2)は単層でもよく複数の層(例えば、金属の層と合成樹脂の層の2層構造等)から形成されていても良い。
中容器(3)は、内容物を収容する内部空間(S)を有し、収容した内容物と接触する内側表面(31)と、中容器(3)を外容器(4)に収容した際に塗膜(C)と対向する外側表面(32)を備えている。
中容器(3)は、図1に示す如く、外容器(4)に収容された際、中容器(3)の外側表面(32)と外容器(4)の内側表面(41)上に設けられた塗膜(C)との間に隙間(空隙)(G)があっても、なくてもよい。
例えば、中容器(3)の形状は、図1に示す如く、縦断面視略U字状でもよく縦断面視略V字状であっても良い。
中容器(3)は、詰め替え用の容器(レフィル容器)とすることが可能である。
中容器(3)は単層でもよく複数の層(例えば、合成樹脂の層とEVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)等のバリア層の2層構造等)から形成されていても良い。
中容器(3)の材質は、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の合成樹脂が挙げられるがこれに限定されず、化粧料を収容する容器に通常用いられ、当業者に自明の材質であればいかなる材質でも用いることができる。
尚、中容器(3)の材質は、中容器(3)に収容する化粧料の性質に合わせて適宜選択することができる。
外容器(4)は、化粧料容器(1)の外側に面する外側表面(42)、内側表面(41)、係合部(4e)、および上端部(43)を備えている。
外容器(4)の内側表面(41)には少なくとも一層の塗膜(C)が形成されている。
外容器(4)の形状は特に限定されず、蓋(2)と着脱自在に係合でき、中容器(3)を着脱自在であってもよく、一度着けると使用時は外れない形に収容する形状であってもよい。
例えば、外容器(4)の形状は、図1に示す如く、縦断面視略U字状等である。
外容器(4)が透明または半透明であることにより、外容器(4)と外容器(4)の内側表面(41)上に設けられた塗膜(C)間の光の反射による輝きが化粧料容器(1)の高級感を表現する。
外容器(4)の材質には、例えば、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチレン等を用いることができる。
外容器(4)の内側表面(41)が滑らかであることにより、塗膜(C)の内側表面(C11)との対向面(Ca)(すなわち、光沢面)が滑らかに形成される(図2参照)。
それゆえに、外容器(4)の外側表面(42)から入ってきた光(L)が、塗膜(C)の対向面(Ca)で乱反射し難くなるため、外容器(4)の外側表面(42)の光沢が高くなる。
このように、外容器(4)の内側表面(41)が滑らかであることにより、滑らかな光沢面を備えた塗膜(C)を容易に形成することができる。
それゆえに、本発明において、滑らかな光沢面を備えた塗膜(C)は、熟練した塗装技術を必要とせずに形成することができるため、一定の光沢の塗膜(C)を容易に作製することができる。そのため、中容器を有する化粧料容器(1)の製造コストを低減でき、歩留まりも向上する。
少なくとも一層の塗膜(C)が外容器(4)の内側表面(41)に形成されていることにより、化粧料容器(1)の使用時に、塗膜(C)に使用者の手等が直接触れることがないため、使用によって塗膜(C)が汚れたり、剥がれたりすることがなく、長期間安定して本発明に係る化粧料容器(1)を使用することができる。
第1塗膜(C1)に含まれる合成樹脂は、第一成分としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のいずれかまたはその混合物と、第二成分としてニトロセルロース樹脂(NC)、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂等の繊維素系樹脂のいずれかまたはその混合物が挙げられる。その理由は、第一成分が添加されていないと外容器(4)の内側表面(41)および第2塗膜(C2)との密着性が低下し、第二成分である繊維素系樹脂が添加されていないとアルミ箔粒の配向が乱れひいては光沢が低下するため、いずれの場合も望ましくないためである。
例えば、VALIFAST(色名:ブラック、ブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、ピンク、レッド、バイオレット、イエロー)(オリエント化学工業社製)、シークステイン(色名:ブラック、イエロー、オレンジ、レッド、グリーン、オーク、ブラウン、オールナット、ブルー)(和信化学工業社製)、バンチャック(色名:ブラック、スミクロ、レッド、スカーレット、ブラウン、オレンジ、イエロー、レモンイエロー、グリーン、ブルー、マホガニ、ダークマホガニ、オーク、ダークオーク、チーク、チェスナット、オールナット、ダークオールナット、クワイロ、ローズ)(玄々化学工業社製)等を第1塗膜(C1)に用いることができる。
その理由は、塗料固形分を0.1重量%未満とすると、膜厚がつかないため60度鏡面光沢度が120以上とならず、3重量%を超えるとアルミ箔粒の配向が乱れ、光沢が低下することから、いずれの場合も望ましくないためである。
その理由は、塗料の粘度が40秒を超えると、外容器(4)の内側表面(41)あるいは第2塗膜(C2)上にアルミ箔粒が均一に塗膜形成することが困難となるためである。
その理由は、0.05MPa未満では、塗装することが困難であり、0.3MPaを超えると、薄く均一に塗膜形成することが困難となるため、いずれの場合も望ましくないためである。
保護層を設けることで、使用者の手が接触すること等により第1塗膜(C1)のアルミ箔粒が第1塗膜(C1)から剥がれ落ちてしまうことを防止できる。
第2塗膜(C2)に用いる顔料はとくに限定されないが、例えば、隠蔽性が良い、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラックなどが挙げられ、望ましくはカーボンブラックが使用される。
例えば、VALIFAST(色名:ブラック、ブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、ピンク、レッド、バイオレット、イエロー)(オリエント化学工業社製)、シークステイン(色名:ブラック、イエロー、オレンジ、レッド、グリーン、オーク、ブラウン、オールナット、ブルー)(和信化学工業社製)、バンチャック(色名:ブラック、スミクロ、レッド、スカーレット、ブラウン、オレンジ、イエロー、レモンイエロー、グリーン、ブルー、マホガニ、ダークマホガニ、オーク、ダークオーク、チーク、チェスナット、オールナット、ダークオールナット、クワイロ、ローズ)(玄々化学工業社製)等を第2塗膜(C2)に用いることができる。
第2塗膜(C2)に染料を用いた場合でも、外容器(4)の外側の20度鏡面光沢度が150以上であり、外容器(4)の外側の60度鏡面光沢度が120以上である、高い光沢度を具備した化粧料容器(1)とすることができる。
より具体的には、酸化チタンの場合は60~150重量部、黄色酸化鉄および赤色酸化鉄の場合は10~40重量部が好ましい。その理由は、酸化チタンの配合を60重量部未満とすると、第2塗膜(C2)の遮蔽性が低下し、酸化チタンの配合が150重量部を超えると、塗装時に粘度が高くなりすぎて分散しにくくなり、いずれの場合も望ましくないためである。同様に、黄色酸化鉄および赤色酸化鉄を用いる場合も、その配合が10重量部未満とすると、第2塗膜(C2)の遮蔽性が低下し、40重量部を超えると、塗装時に粘度が高くなりすぎて分散し難くなりいずれの場合も望ましくないためである。また、第2塗膜(C2)に体質顔料である炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、タルク、クレー等を用いても良い。
その理由は、第1塗膜(C1)の上に均一に塗膜形成することができるためである。塗料固形分、塗料粘度、スプレー塗装圧の条件は、塗料の種類により異なり、限定されるものではない。
例えば、VALIFAST(色名:ブラック、ブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、ピンク、レッド、バイオレット、イエロー)(オリエント化学工業社製)、シークステイン(色名:ブラック、イエロー、オレンジ、レッド、グリーン、オーク、ブラウン、オールナット、ブルー)(和信化学工業社製)、バンチャック(色名:ブラック、スミクロ、レッド、スカーレット、ブラウン、オレンジ、イエロー、レモンイエロー、グリーン、ブルー、マホガニ、ダークマホガニ、オーク、ダークオーク、チーク、チェスナット、オールナット、ダークオールナット、クワイロ、ローズ)(玄々化学工業社製)等を第2塗膜(C3)に用いることができる。
第2塗膜(C3)に染料を用いた場合でも、外容器(4)の外側の20度鏡面光沢度が150以上であり、外容器(4)の外側の60度鏡面光沢度が120以上である、高い光沢度を具備した化粧料容器(1)とすることができる。
実施例および比較例で用いた蓋、中容器、外容器は以下の材料により作製した。
蓋:ABS樹脂(白色)
中容器:ポリプロピレン樹脂(白色)
外容器:アクリルスチレン樹脂(透明)
実施例および比較例で用いた材料は以下の通りである。
アクリル樹脂は、アクリディックA-165(DIC株式会社製、固形分45%、プラスチック用アクリル樹脂)を用いた。
繊維素系樹脂は、1/2NC(ニトロセルロース樹脂、固形分20%)を用いた。
アルミ箔粒は、メタルアーL-55350(ECKART社製、固形分10%、厚み0.001~0.01μm、最大粒径5~30μm)を用いた。
顔料は、NSP-CZ306(D)YELLOW(日弘ビックス株式会社製、イエロー顔料、有機顔料、平均粒径200nm以下)と、カーボンブラックMA-100(三菱化学株式会社製、カーボンブラック、無機顔料)を用いた。
染料は、バンチャク(レッド、ブルー、イエロー、ブラック)を用いた。
実施例および比較例で用いた、第1塗膜(C1)に使用する塗料は以下の通りである。
第1塗膜A:メタルアーL-55350(7.0重量部)、アクリディックA-165(1.4重量部)、1/2NC(0.5重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(50.0重量部)、ブチルセロソルブ(10.0重量部)、酢酸ブチル(31.1重量部)を攪拌混合し、調製した。
第1塗膜B:メタルアーL-55350(7.0重量部)、アクリディックA-165(2.8重量部)、1/2NC(0.5重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(50.0重量部)、ブチルセロソルブ(10.0重量部)、酢酸ブチル(29.7重量部)を攪拌混合し、調製した。
第1塗膜C:メタルアーL-55350(7.0重量部)、アクリディックA-165(1.4重量部)、1/2NC(0.5重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(50.0重量部)、ブチルセロソルブ(10.0重量部)、酢酸ブチル(29.7重量部)、NSP-CZ306(D)YELLOW(顔料)(5.0重量部)を攪拌混合し、調製した。
第1塗膜D:メタルアーL-55350(7.0重量部)、アクリディックA-165(1.4重量部)、1/2NC(0.5重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(50.0重量部)、ブチルセロソルブ(10.0重量部)、酢酸ブチル(29.7重量部)、バンチャクイエロー(5.0重量部)を攪拌混合し、調製した。
実施例および比較例で用いた、図3に示す第2塗膜(C2)に使用する塗料は以下の通りである。
第2塗膜A:アクリディックA-165(30.0重量部)に、カーボンブラックMA-100が1.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ8.5重量部を添加して分散させ、調製した。
第2塗膜B:アクリディックA-165(30.0重量部)に、NSP-CZ306(D)YELLOW(顔料)が5.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ5.0重量部を添加して分散させ、調製した。
第2塗膜Ca:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクレッドが5.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ5.0重量部を撹拌混合し、調製した。
第2塗膜Cb:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクレッドが2.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ7.5重量部を撹拌混合し、調製した。
第2塗膜D:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクブルーが5.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ5.0重量部を撹拌混合し、調製した。
第2塗膜E:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクイエローが5.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ5.0重量部を撹拌混合し、調製した。
第2塗膜Fa:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクブラックが5.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ5.0重量部を撹拌混合し、調製した。
第2塗膜Fb:アクリディックA-165(30.0重量部)に、バンチャクブラックが2.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0重量部、イソプロピルアルコール30.0重量部、ブチルセロソルブ7.5重量部を撹拌混合し、調製した。
すべての塗膜は、上記内容で調整した塗料を外容器の内側表面上、第1塗膜上、あるいは第2塗膜上にエアースプレー塗装後、70℃、30分で乾燥させて形成した。
各試験において、実施例および比較例として以下のものを用いた。
尚、全ての実施例および比較例において、蓋、中容器、外容器、塗膜の組成および塗膜の形成方法は上記した同じものを用いた。
実施例1:外容器の内側表面にのみ第1塗膜Aが形成されている化粧料容器
実施例2:第1塗膜Aが外容器の内側表面に形成され、第2塗膜Aが第1塗膜の外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例3:第2塗膜Bが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Bの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例4a:第2塗膜Cが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Caの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例4b:第2塗膜Cが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Cbの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例5:第2塗膜Dが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Dの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例6:第2塗膜Eが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Eの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例7a:第2塗膜Fが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Faの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例7b:第2塗膜Fが外容器の内側表面に形成され、第1塗膜Aが第2塗膜Fbの外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
実施例8:外容器の内側表面にのみ第1塗膜Bが形成されている化粧料容器
実施例9:外容器の内側表面にのみ第1塗膜Cが形成されている化粧料容器
実施例10:外容器の内側表面にのみ第1塗膜Dが形成されている化粧料容器
比較例1:塗膜が一切形成されていない化粧料容器
比較例2:中容器の外側表面にのみ第1塗膜Aが形成されている化粧料容器
比較例3:中容器の外側表面に第1塗膜Aが形成され、第2塗膜Aが第1塗膜Aの中容器の外側表面とは反対側の面上に形成されている化粧料容器
本発明に係る中容器を有する化粧料容器の光沢を確認するために、20度鏡面光沢度および60度鏡面光沢度を以下の方法で測定した。
上記表1より、20度光沢および60度光沢の両方(特に、20度光沢)において、実施例1~10は比較例1~3と比較して大きな光沢度を備えていた。
この結果より、本発明に係る中容器を有する化粧料容器は、比較例1~3の化粧料容器よりも光沢が高く、鮮映性の高い鏡面状であることがわかった。
また、第1塗膜に顔料または染料を配合した実施例9~10は、比較例1~3よりも光沢が高く、鮮映性の高い鏡面状であったが、同じ顔料または染料を第1塗膜ではなく第2塗膜に配合した実施例3および6よりも20度光沢および60度光沢の両方が低い値であった。この結果から、顔料または染料を配合して化粧料容器を着色する場合は、第1塗膜に顔料または染料を配合するよりも、第2塗膜に顔料または染料を配合する方が、より高い光沢を得られることがわかった。
本発明に係る中容器を有する化粧料容器の紫外線・可視光遮蔽率を確認するために、紫外線・可視光遮蔽率を以下の方法で測定した。
上記表2より、紫外線および可視光の両方において、実施例2は比較例1~3と比較してより優れた遮蔽率を備えていた。この結果より、実施例2に係る中容器を有する化粧料容器は、従来の化粧料容器よりも優れた紫外線・可視光遮蔽率を備えていることがわかった。
また、実施例1および3~10は、紫外線および可視光の両方において、比較例1よりも優れた遮蔽率を備えており、比較例2~3と同等以上の優れた遮蔽率を備えていることがわかった。
本発明に係る中容器を有する化粧料容器の重厚感を、官能試験によって確認した。
尚、本明細書において、「重厚感がある」とは、化粧料容器に収容された化粧料容器の内容量が多く見え、化粧料容器自体が大きく見え、化粧料容器自体に重々しさがあることを指す。
評価は以下の3段階で行った。
重厚感あり:〇
重厚感少しあり:△
重厚感なし:×
上記表3より、実施例1~10は比較例1~3と比較してより優れた重厚感を備えていた。
この結果より、本発明に係る中容器を有する化粧料容器は、従来の化粧料容器よりも優れた重厚感を備えていることがわかった。
また、光沢面が化粧料容器の外側近傍に形成されているので、化粧料容器の外側から中容器が見えない。それゆえに、化粧料の内容量が少なく見えて、化粧料容器自体が小さく見えることがなく、化粧料容器に重厚感を出すことができる。
2 蓋
3 中容器
31 中容器の内側表面
32 中容器の外側表面
4 外容器
41 外容器の内側表面
42 外容器の外側表面
C 塗膜
C1 第1塗膜
C2 第2塗膜(図3)
C3 第2塗膜(図4)
Claims (4)
- 蓋と、中容器と、外容器とを含む化粧料容器であって、
前記外容器の内側にのみ、少なくとも一層の塗膜が形成されており、
前記少なくとも一層の塗膜は、前記外容器の内側に形成された第1塗膜を含み、
前記第1塗膜は、ビヒクルとアルミ箔粒とを含み、
前記外容器の外側の20度鏡面光沢度が150以上であり、
前記外容器の外側の60度鏡面光沢度が120以上であり、
前記外容器の紫外線遮蔽率が95%以上であり、
前記外容器の可視光遮蔽率が95%以上であり、
前記第1塗膜の前記ビヒクルは合成樹脂を含み、
前記第1塗膜は、該第1塗膜に含まれる合成樹脂の固形分100重量部に対して前記アルミ箔粒を50~200重量部含み、
前記少なくとも一層の塗膜は、第1塗膜と第2塗膜とを含む2層構造であることを特徴とする、化粧料容器。 - 前記第2塗膜は、ビヒクルと顔料および/または染料とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧料容器。
- 前記第1塗膜は、前記外容器の内側表面に形成されており、
前記第2塗膜は、前記第1塗膜の前記外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧料容器。 - 前記第2塗膜は、前記外容器の内側表面に形成されており、
前記第1塗膜は、前記第2塗膜の前記外容器の内側表面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧料容器。
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