JP7281564B2 - 過酸化ジアシルを生成するためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、過酸化ジアシルを調製するためのプロセスに関する。
過酸化ジアシルは、以下の一般式を有し、
R-C(=O)-O-O-C(=O)-R
式中、R基は、同じであり得るかまたは異なり得、ヘテロ原子含有置換基で任意に置換されたアリール、アリールアルキル、および直鎖、分岐鎖、または環状アルキル基から選択される。
対称過酸化ジアシル、すなわち、上記式中のR基が同じであるものは、以下の式によって示されるように、過剰の酸無水物または酸塩化物を過酸化水素のアルカリ性溶液と反応させることによって調製されている。
2R-C(=O)-O-C(=O)-R+Na→R-C(=O)-O-O-C(=O)-R+2NaOC(=O)R

2R-C(=O)Cl+Na→R-C(=O)-O-O-C(=O)-R+2NaCl
この反応スキームにおいて、Naは、個別的な生成物Naを指すのではなく、HおよびNaOOHを含む平衡を指す。
米国特許第3,580,955号は、酸塩化物を、アルデヒドおよび酸素と、酸受容体の存在下で反応させることによって、不斉過酸化ジアシルを調製するためのプロセスを開示する。
米国特許第3,502,701号は、酸塩化物を過酸(peroxyacid)と反応させることによって不斉過酸化ジアシルを生成する。
酸塩化物は、比較的高価であり、かつ塩化物含有水層を生じ、これは、塩分濃度の高い廃水をもたらす。
不斉過酸化ジアシルの調製を可能にする別のプロセスは、英国特許第1,156,573号に記載されており、このプロセスは、有機無水物、アルデヒド、および酸素間の、有機酸のリチウムまたはマグネシウム塩を含む触媒の存在下での反応を伴う。
英国特許第444,603号は、ベンズアルデヒドおよび酢酸無水物を、酸素含有ガスと、過酸化ジベンゾイルの存在下で反応させることによる、過酸化アセチルベンゾイルの調製を開示する。
しかしながら、無水物は、酸塩化物よりもさらに高価であり、このプロセスの廃棄物流は、形成されたカルボン酸塩に起因して高い有機負荷、すなわち、高い化学的酸素要求量(COD)値を含有し、したがって、経済的および環境的に魅力的ではない。
英国特許第901,041号は、過酸(peracid)を有機酸の無水物またはハロゲン化物と反応させることによって過酸化ジアシルを調製するプロセスを開示し、このプロセスでは、塩化物を使用することが好ましいと言われている。
米国特許第3,580,955号明細書 米国特許第3,502,701号明細書 英国特許第1,156,573号明細書 英国特許第444,603号明細書 英国特許第901,041号明細書
本発明の目的は、その排出物中に比較的低いカルボン酸(塩)含有量を有し、酸塩化物の使用を必要としない、過酸化ジアシルを生成するためのプロセスを提供することである。
この目的は、以下の工程:
a)式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を、式R-C(=O)-OOHの過酸(peroxyacid)と反応させることによって、過酸化ジアシルおよびカルボン酸を含む混合物を生成する工程であって、
式中、RおよびRが、独立して、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、1~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択され、Rが、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択される、生成する工程、
b)カルボン酸を、そのカルボン酸塩または付加物の形態で、混合物から抽出または分離する工程、
c)カルボン酸を塩または付加物から遊離する工程、
d)任意選択的に、式R-C(=O)Hのアルデヒドを酸素と反応させることによって、追加量のカルボン酸を生成する工程、
e)工程c)で得られたカルボン酸、および任意選択的に追加量の式R-C(=O)OHのカルボン酸[工程d)から得られた、および/または別の方法で得られた該追加量のカルボン酸]を、酸無水物または式C(R=C=O(式中、各Rが、独立して、HおよびCHから選択される)のケテン、好ましくは酢酸無水物と反応させて、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を形成する工程、ならびに
f)工程e)で形成された無水物の少なくとも一部を、工程a)に再利用する工程、を含む、プロセスによって、達成することができる。
このプロセスは、無水物から過酸化ジアシルを生成し、この無水物は、少なくとも部分的にカルボン酸副生成物から得られる。この工程a)で形成されたカルボン酸の再利用により、経路は経済的に魅力的となり、その排出物は低CODとなる。
好ましくは、工程a)において必要とされる無水物の量を形成するために必要とされる任意の追加量のカルボン酸は、対応するアルデヒドの酸化によって得られる。したがって、工程d)において追加量のカルボン酸を生成し、工程e)においてそれを酢酸無水物またはケテンと反応させることが好ましい。
このプロセスは、腐食性または揮発性反応物の使用を伴わないため、生産安全性を高め、過酸化ジアシルが最終的に使用される場所(例えば、重合施設)での生産が可能となる。そのようなオンサイト生産により、応需型の過酸化物生産が可能となり、それによって貯蔵容量および結果として生じる安全対策を最小限に抑えることが可能となる。
工程a)は、過酸の、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物との反応を伴う。
この式におけるRは、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、1~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択される。好適な置換基の例は、アルコキシ、塩素、およびエステル置換基である。炭素原子の数は、好ましくは2~11個、さらにより好ましくは2~8個、および最も好ましくは3~6個の炭素原子である。さらなる好ましい実施形態では、Rは、直鎖または分岐鎖アルキル基から選択される。最も好ましくは、Rは、n-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、およびイソプロピル基からなる群から選択される。
この式におけるRは、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択される。好適な置換基の例は、アルコキシ、塩素、およびエステル置換基である。炭素原子の数は、好ましくは2~11個、さらにより好ましくは2~8個、および最も好ましくは3~6個の炭素原子である。さらなる好ましい実施形態では、Rは、直鎖または分岐鎖アルキル基から選択される。最も好ましくは、Rは、n-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、およびイソプロピル基からなる群から選択される。
無水物は、対称であり得、R=Rを意味するか、または不斉であり得、R≠Rを意味する。
無水物が対称である場合、工程a)で形成され、工程b)で抽出または分離されるカルボン酸は、式R-C(=O)OHを有する。無水物が不斉である場合、カルボン酸は、R-C(=O)OHおよびR-C(=O)OHの混合物である。
好適な対称無水物は、プロピオン酸無水物、n-酪酸無水物、イソ酪酸無水物、ピバリン酸無水物、吉草酸無水物、イソ吉草酸無水物、2-メチル酪酸無水物、2-メチルペンタン酸無水物、2-メチルヘキサン酸無水物、2-メチルヘプタン酸無水物、2-エチル酪酸無水物、カプロン酸無水物、カプリル酸無水物、イソカプロン酸無水物、n-ヘプタン酸無水物、ノナン酸無水物、イソノナン酸無水物、3,5,5-トリメチルヘキサン酸無水物、2-プロピルヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ネオデカン酸無水物、ウンデカン酸無水物、ネオヘプタン酸無水物、ラウリン酸無水物、トリデカン酸無水物、2-エチルヘキサン酸無水物、ミリスチン酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリン酸無水物、フェニル酢酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、3-メチル-シクロペンタンカルボン酸無水物、ベータ-メトキシプロピオン酸無水物、メトキシ酢酸無水物、エトキシ酢酸無水物、プロポキシ酢酸無水物、アルファ-エトキシ酪酸無水物、安息香酸無水物、o-、m-、およびp-トルイル酸無水物、2,4,6-トリメチル安息香酸無水物、o-、m-、およびp-クロロ安息香酸無水物、o-、m-、およびp-ブロモ安息香酸無水物、o-、m-、およびp-ニトロ安息香酸無水物、o-、m-およびp-メトキシ安息香酸無水物、ならびに上記の無水物のうちの2つ以上の混合物である。
対称無水物の好適な混合物の例は、イソ酪酸無水物と2-メチル酪酸無水物との混合物、イソ酪酸無水物と2-メチルペンタン酸無水物との混合物、2-メチル酪酸無水物とイソ吉草酸無水物との混合物、および2-メチル酪酸無水物と吉草酸無水物との混合物である。
不斉無水物は、通常、不斉無水物と対称無水物との混合物として入手可能である。これは、不斉無水物は、通常、酸の混合物を、例えば酢酸無水物と反応させることによって得られるためである。これは、不斉無水物および少なくとも1つの対称無水物を含む、無水物の混合物をもたらす。そのような無水物の混合物を、本発明のプロセスにおいて使用することができる。好適な不斉無水物の例は、好ましくはイソ酪酸無水物と2-メチル酪酸無水物との混合物として存在する、イソ酪酸-2-メチル酪酸無水物;好ましくはイソ酪酸無水物と酢酸無水物との混合物として存在する、イソ酪酸-酢酸無水物;好ましくは2-メチル酪酸無水物と吉草酸無水物との混合物として存在する、2-メチル酪酸-吉草酸無水物;好ましくはプロピオン酸無水物とイソ酪酸無水物との混合物として存在する、プロピオン酸-イソ酪酸無水物、および好ましくは酪酸無水物と吉草酸無水物との混合物として存在する、酪酸-吉草酸無水物である。
より好ましい無水物は、イソ酪酸無水物、2-メチル酪酸無水物、2-メチルヘキサン酸無水物、3-メチルヘキサン酸無水物、2-プロピルヘプタン酸無水物、イソノナン酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、2-エチルヘキサン酸無水物、カプリル酸無水物、n-吉草酸無水物、イソ吉草酸無水物、カプロン酸無水物、およびラウリン酸無水物である。最も好ましいのは、イソ酪酸無水物である。
無水物は、過酸と反応させる。過酸は、式R-C(=O)-OOHを有し、式中、Rは、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、1~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアルカリール基から選択される。
好適な置換基の例は、アルコキシ、塩素、およびエステル置換基である。
炭素原子の数は、好ましくは1~11個、より好ましくは1~9個、および最も好ましくは1~6個である。
さらなる好ましい実施形態では、Rは、直鎖または分岐鎖アルキル基である。
好適な過酸としては、過酢酸、プロパンペルオキシ酸、n-ブタンペルオキシ酸、イソブタンペルオキシ酸、2,2-ジメチルプロパンペルオキシ酸、n-ペンタンペルオキシ酸、3-メチルブタンペルオキシ酸、2-メチルブタンペルオキシ酸、2-エチルブタンペルオキシ酸、n-ヘキサンペルオキシ酸、オクタンペルオキシ酸、4-メチルペンタンペルオキシ酸、n-へプタンペルオキシ酸、n-ノナンペルオキシ酸、n-デカンペルオキシ酸、ネオデカンペルオキシ酸、ウンデカンペルオキシ酸、ドデカンペルオキシ酸、ネオへプタンペルオキシ酸、トリデカンペルオキシ酸、2-エチルヘキサンペルオキシ酸、テトラデカンペルオキシ酸、オクタデカンペルオキシ酸、フェニルエタンペルオキシ酸、シクロヘキサンペルオキシ酸、3-メチル-シクロペンタンペルオキシ酸、ベータ-メトキシプロパンペルオキシ酸、アルファ-エトキシブタンペルオキシ酸、過安息香酸、o-、m-、およびp-メチル過安息香酸、2,4,6-トリメチル過安息香酸、o-、m-、およびp-クロロ過安息香酸、o-、m-、およびp-ブロモ過安息香酸、o-、m-、およびp-ニトロ過安息香酸、o-、m-、およびp-アセトキシ過安息香酸、o-、m-、およびp-アミノ過安息香酸、ならびにo-、m-、およびp-メトキシ過安息香酸が挙げられる。
好ましい過酸としては、過酢酸、プロパンペルオキシ酸、n-ブタンペルオキシ酸、イソブタンペルオキシ酸、n-ペンタンペルオキシ酸、ジメチルプロパンペルオキシ酸、2-メチルブタンペルオキシ酸、n-デカンペルオキシ酸、ドデカンペルオキシ酸、および2-エチルヘキサンペルオキシ酸が挙げられる。
より好ましい過酸は、過酢酸、プロパンペルオキシ酸、n-ブタンペルオキシ酸、イソブタンペルオキシ酸、およびn-ペンタンペルオキシ酸である。
最も好ましい過酸は、過酢酸であり、これは、R=CHを意味する。過酢酸の利点は、例えば、米国特許第3,264,346号に記載されているように、比較的安価であり、かつ低Hおよび酢酸含有量を有する蒸留物として生成することができるということである。
過酸は、純粋な形態で、または水もしくは有機溶媒中の溶液中で使用することができる。好適な有機溶媒は、アルカン(例えば、イソドデカン、Spiridane(登録商標)およびIsopar(登録商標)鉱油)、クロロアルカン、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、フタル酸ジメチル、エチレングリコールジベンゾエート、マレイン酸ジブチル、ジ-イソノニル-1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート(DINCH)、テレフタル酸ジオクチル、または2,2,4-トリメチルペンタンジオールジイソブチレート(TXIB))、エーテル、アミド、およびケトンである。
最も好ましい実施形態では、過酸は、水溶液、最も好ましくは30~50重量%の水溶液として添加される。
工程a)の反応は、好ましくは-10~60℃の範囲、より好ましくは0~40℃の範囲、および最も好ましくは5~40℃の範囲の温度で実施される。
過酸:無水物のモル比は、好ましくは0.8:1~2.2:1、より好ましくは0.95:1~2.0:1、および最も好ましくは1.0:1~1.4:1の範囲である。
この反応は、溶媒の存在を必要としない。しかしながら、最終生成物(すなわち、過酸化ジアシル)が溶媒中での希釈を必要とする場合、溶媒を事前充填するか、または反応中に反応混合物に投与することができる。好適な溶媒は、アルカン、クロロアルカン、エステル、エーテル、アミド、およびケトンである。好ましい溶媒は、イソドデカン、Spirdane(登録商標)、Isopar(登録商標)鉱油などのアルカン(の混合物);酢酸エチル、酢酸メチル、エチレングリコールジベンゾエート、マレイン酸ジブチル、ジイソノニル-1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート(DINCH)、または2,2,4-トリメチルペンタンジオールジイソブチレート(TXIB)などのエステル;およびフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸ジオクチルなどのフタレートである。
塩基は、反応中に存在し得る。好適な塩基の例は、アルキル化アミン、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはカルシウムの酸化物、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、およびカルボン酸塩である。この反応は、好ましくは少なくとも4、より好ましくは少なくとも5のpHで実施される。
工程b)に従って、カルボン酸は、そのカルボン酸塩または付加物の形態で、工程a)で得られた混合物から抽出または分離される。該塩または付加物の形成は、塩基の存在を必要とする。工程a)中に塩基が存在しなかった場合、または工程a)中に添加された塩基の量が、カルボン酸の大部分を対応する塩もしくは付加物に変換するのに不十分である場合、工程b)において塩基または追加量の塩基が添加され得る。工程a)から生じる混合物中に存在する塩基の量が、カルボン酸の大部分を対応する塩または付加物に変換するのに十分である場合、工程b)において追加量の塩基を添加する必要はない。
好適な塩基は、アルキル化アミン、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはカルシウムの酸化物、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、およびカルボン酸塩である。これらの塩基は、カルボン酸を脱プロトン化し、それによって水相に終着する水溶性塩を形成する。その後、有機相および水相は分離される。
他の好適な塩基は、カルボン酸を捕捉し、それによって付加物を形成することができる、塩基性機能を有する固体材料である。そのような固体材料の例は、ポリ(スチレン-コ-ビニルベンジルアミン-コ-ジビニルベンゼン)、N-{2-[ビス(2-アミノエチル)アミノ]エチル}アミノメチル-ポリスチレン、ジエチルアミノメチル-ポリスチレン、スチレンおよびジビニルベンゼンのジメチルアミノメチル化コポリマー、ポリマー結合モルホリン、ポリ(4-ビニルピリジン)、3-アミノプロピルシリル官能化SBA-15シリカ等のアルキルアミン基を含有するゼオライトまたはメソポーラスシリカ、高分子アミン、ならびにこれらの材料のうちの1つ以上の混合物などの塩基性イオン交換樹脂である。形成された付加物は、濾過によって反応混合物から除去することができる。
水相中のあらゆる残留ペルオキシ化合物は、水相を、溶媒および/または無水物、好ましくは式R-C(=O)-O-C(=O)-Rの無水物で洗浄することによって除去することができる。
カルボン酸の除去後、過酸化ジアシルを含有する有機相は、精製および/または乾燥され得る。精製は、任意選択的に塩、塩基、もしくは酸を含有する水で洗浄すること、および/または、例えば、カーボンブラックもしくは珪藻土上で濾過することによって実施することができる。乾燥は、MgSOもしくはNaSOのような乾燥塩を使用することによって、または空気もしくは真空乾燥工程を使用することによって実施することができる。過酸化ジアシルを水中で乳化する場合、乾燥工程を省略することができる。
工程c)において、カルボン酸は、例えば、
(i)カルボン酸塩を含有する水相を酸性化すること、
(ii)付加物を(例えば、加熱もしくは酸性化することによって)分割し、塩基性機能を有する固体材料からカルボン酸を物理的に分離(例えば、蒸留)すること、または
(iii)電気化学的膜分離、例えば双極膜電気透析(BPM)を介して塩を分割することによって、遊離される。
カルボン酸の酸性化およびプロトン化のための好ましい酸は、HSO、HCl、NaHSO、KHSOなどのような、3未満のpKaを有する酸である。最も好ましくは、HSOが使用される。HSOを使用する場合、好ましくは、90~96重量%の溶液として添加される。
酸性化は、好ましくは6未満、より好ましくは4.5未満、および最も好ましくは3未満のpHになるよう実施される。得られるpHは、好ましくは1未満ではない。
酸に加えて、少量の還元剤、例えば、亜硫酸塩および/またはヨウ化物もまた、任意の過酸化物残基を分解するために水相に添加され得る。任意の過酸化ジアシル残基を分解するために、熱処理(例えば、20~80℃)を適用することができる。
次いで、カルボン酸を含有する有機層は、任意の水性の塩含有層から分離される。分離は、液体/液体分離器、遠心分離器、(パルスおよび/またはパックされた)向流カラム、ミキサセトラ(の組み合わせ)、または連続(プレート)分離器などの従来の分離装置を使用して、重力によって実施することができる。
いくつかの実施形態では、分離は、有機液相を濃縮塩溶液、例えば、20~30重量%のNaCl、NaHSO、KHSO、NaSO、またはKSO溶液で塩析することによって促進することができる。塩は、水性液相中のカルボン酸の溶解度を低下させる。この抽出は、反応器、遠心分離器、またはミキサセトラなどの任意の好適なデバイスで実施することができる。
特に、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、およびメチルまたはエチル分岐鎖ペンタン酸のような低分子量の酸については、残留量の酸が水層中に溶解したままである。この残留量は、吸着、(共沸)蒸留、または抽出によって回収することができる。任意選択的に、カルボン酸の溶解度を低下させるために、塩(例えば、硫酸ナトリウム)を水層に添加することができる。
別の実施形態では、カルボン酸の遊離は、電気化学的膜分離によって達成される。電気化学的膜分離技法の例は、膜電気分解および双極膜電気透析(BPM)である。BPMは、好ましい電気化学的膜分離法である。
電気化学的膜分離は、カルボン酸および金属水酸化物(例えば、NaOHまたはKOH)中の金属カルボン酸塩の分割、および両方の種の分離をもたらす。したがって、膜によって分離された(i)カルボン酸含有混合物および(ii)NaOHまたはKOH溶液をもたらす。
NaOHまたはKOH溶液は、本発明のプロセス、例えば工程a)において再利用することができる。
温度、塩濃度、およびカルボン酸の水中溶解度に応じて、カルボン酸含有混合物は、2つの液相の二相混合物または均質混合物であり得る。均質混合物が電気化学的膜分離条件下(概ね40~50℃)で形成される場合、混合物を約30℃未満の温度に冷却すること、および/または塩の添加により、二相混合物が形成されることを確実にする。次いで、この二相カルボン酸含有混合物の有機液層は、重力によって、または遠心分離器のような装置を使用することによって、水層から分離することができる。
カルボン酸含有有機相は、任意選択的に、工程e)で使用する前に、アルコール、ケトン、アルケン、および水などの揮発性物質を除去するために精製される。これらの揮発性物質は、吸着、蒸留、または塩、分子ふるい等で乾燥させることによって、除去することができる。蒸留は、好ましい精製方法である。蒸留は、好ましくは、2つの生成物収集段階、すなわち、1つはアルコールのような不純物を収集する段階、もう1つは任意選択的にカルボン酸との共沸剤として、残りの水を収集する段階を伴う。
工程e)およびf)に従って、その後、カルボン酸を、酸無水物または式C(R=C=Oのケテン(式中、各Rが、独立して、HおよびCHから選択される)、好ましくは、酢酸無水物と反応させて、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を形成し、その後、これを工程a)に少なくとも部分的に再利用し、再び使用して、過酸化ジアシルを生成する。
工程e)の反応、特に酢酸無水物との反応は、中間区間にカルボン酸および酢酸無水物を供給される反応性蒸留カラムで有利に実施される。無水生成物はカラムの下部から抽出され、酢酸生成物はカラムの上部から収集される。代替的な方法は、蒸留カラムを上に載せた攪拌反応器内で無水物を生成することである。これにより、平衡を移動させるために、形成時に酢酸を蒸留することが可能になる。米国特許第2005/014974号は、酢酸無水物をイソ酪酸と反応させることによってイソ酪酸無水物を調製するためのプロセスを開示し、このプロセスは、形成された酢酸を蒸留する工程を含む。蒸留カラムは、高純度の酢酸を得るのに十分に効率的であることが好ましい。カラムの効率は、少なくとも8つの理論プレートであることが好ましい。高純度の酢酸は、様々な目的のために販売および/または使用することができる。
式C(R=C=Oのケテンとの反応は、好ましくは、米国特許第2,589,112号に開示されているように、向流吸着デバイスにおいて実施される。好ましいケテンは、式CH=C=Oを有する。
工程e)において触媒を使用してもよいが、触媒の非存在下で反応を実施することが好ましい。好適な触媒の例は、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはカルシウムの酸化物、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、およびカルボン酸塩である。
カルボン酸対酢酸無水物のモル比は、好ましくは0.5:1~5:1、より好ましくは1.5:1~2.2:1、最も好ましくは1.8:1~2.2:1の範囲である。酢酸無水物に対してわずかに過剰のカルボン酸が使用され得る。
反応は、好ましくは、70~200℃、好ましくは100~170℃、最も好ましくは120~160℃の温度で実施される。温度は、反応器内の圧力を調整することによって、所望の値に維持することができる。この圧力は、好ましくは1~100kPa、より好ましくは5~70kPaの範囲である。
反応の完了後、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rの無水物を精製するために、存在し得るあらゆる過剰の酢酸無水物を留去することができる。
次いで、この無水物を、工程a)で再び使用することができる。
好ましい実施形態では、工程e)で使用されるカルボン酸は、2つまたは3つの供給源から得られる。第1の供給源は、工程c)で遊離されるカルボン酸である。第2の供給源は、以下に記載されるように、工程d)に従って対応するアルデヒドを酸化することにより得られるカルボン酸である。第3の供給源は、任意の他の方法で得られた追加量のカルボン酸である。
工程d)の酸素源としては、好ましくは空気が使用されるが、純酸素、または酸素富化もしくは酸素貧化空気も適用され得る。酸素源は、反応器にガスとして、好ましくはスパージャを使用して供給することにより、反応混合物に添加することができる。
工程d)の反応は、好ましくは0~70℃の範囲、より好ましくは10~60℃の範囲、および最も好ましくは20~55℃の範囲の温度で実施される。
好ましくは大気圧が使用され、より低い圧力ではアルデヒドが蒸発し得るが、これは望ましくない。
触媒は、任意選択的に使用され得る。酸化を加速するだけでなく、酸の収率も高める非常に優れた触媒は、白金黒および第二鉄塩である。セリウム、ニッケル、鉛、銅、およびコバルト塩もまた有用であり、特に、それらのカルボン酸塩が有用である。
触媒は、アルデヒドに対して0~20mol%、より好ましくは0~5mol%、および最も好ましくは0~2mol%の量で添加され得る。
対称過酸化ジアシルおよび不斉過酸化ジアシルの両方は、本発明のプロセスによって生成することができる。上記式のR、R、およびRが等しい場合、対称過酸化ジアシルが得られる。このプロセスが特に好適な対称過酸化ジアシルの例は、過酸化ジ-プロパノイル、過酸化ジ-2-メチルブチリル、過酸化ジ-イソ-バレリル、過酸化ジ-n-バレリル、過酸化ジ-n-カプロイル、および過酸化ジ-イソブチリルである。
しかしながら、不斉過酸化ジアシルは、このプロセスの好ましい生成物、より具体的には、過酸化アセチル-アシルである。これは、過酢酸が、使用される最も好ましい過酸であるためである。本プロセスが特に好適である特に好ましい過酸化ジアシルの例は、過酸化アセチル-イソブタノイル、過酸化アセチル3-メチルブタノイル、過酸化アセチル2-メチルブタノイル、過酸化アセチルラウロイル、過酸化アセチルイソノナノイル、過酸化アセチルシクロヘキシルカルボン酸、過酸化アセチル2-プロピルヘプタノイル、過酸化アセチルp-メチルベンゾイル、および過酸化アセチル2-エチルヘキサノイルである。
好適な不斉過酸化ジアシルの他の例は、過酸化プロパノイル2-メチルブチリル、過酸化ブチリル2-メチルブチリル、過酸化ペンタノイル2-メチルブチリル、過酸化イソブチリル2-メチルブチリル、過酸化ヘキサノイル2-メチルブチリル、過酸化プロパノイルイソバレリル、過酸化ブチリルイソバレリル、過酸化バレリルイソバレリル、過酸化イソブチリルイソバレリル、過酸化ヘキサノイルイソバレリル、過酸化プロパノイルバレリル、過酸化ブチリルバレリル、過酸化イソブチリルバレリル、過酸化ヘキサノイルバレリル、過酸化プロパノイルヘキサノイル、過酸化ブチリルヘキサノイル、過酸化イソブチリルヘキサノイル、過酸化プロパノイルイソブチリル、過酸化ブチリルイソブチリル、過酸化ペンタノイルイソブチリル、過酸化ヘキサノイルイソブチリル、過酸化プロパノイルブチリル、過酸化ペンタノイルブチリル、過酸化ヘキサノイルブチリル、過酸化プロパノイルシクロヘキシルカルボキシル、過酸化ブチリルシクロヘキシルカルボキシル、過酸化ペンタノイルシクロヘキシルカルボキシル、過酸化イソブチリルシクロヘキシルカルボキシル、過酸化ヘキサノイルシクロヘキシルカルボキシル、過酸化プロパノイル2-エチルヘキサノイル、過酸化イソブチリル2-エチルヘキサノイル、過酸化ブチリル2-エチルヘキサノイル、過酸化プロパノイルイソノナノイル、過酸化イソブチリルイソノナノイル、過酸化ブチリルイソノナノイル、過酸化プロパノイルオクタノイル、過酸化イソブチリルオクタノイル、過酸化バレリルイソノナノイル、および過酸化ブチリルオクタノイルであり、そのなかでも、過酸化プロパノイルイソバレリル、過酸化プロパノイルバレリル、過酸化プロパノイルイソブチリル、過酸化プロパノイルイソノナノイル、過酸化プロパノイルオクタノイル、および過酸化バレリルイソノナノイルが好ましい。
本発明に従うプロセスおよびその個々の工程は、バッチ式にまたは連続的に実施することができる。連続モードで実施されることが好ましい工程は、工程e)における無水物を作製するための反応性蒸留、ならびに工程c)におけるカルボン酸の単離および精製である。
また、バッチ作業と連続作業との組み合わせも使用することができる。組み合わせの例は、以下のとおりである。
-工程a)における過酸化ジアシルへのバッチ反応、続いてカルボン酸のバッチ分離および連続精製、ならびに工程e)における無水物への連続反応性蒸留、
-過酸化ジアシルへの連続反応、ならびにカルボン酸の分離および精製、続いて工程e)における無水物へのバッチモード蒸留、
-過酸への連続反応、続いて過酸化ジアシルへの連続反応、ならびにカルボン酸の分離および精製、続いて工程e)における無水物へのバッチモード蒸留、または
-過酸化ジアシルへのバッチ反応および生成物の分離、続いてカルボン酸の連続モード精製、ならびに工程e)における無水物への連続反応性蒸留。
<実施例>
攪拌器および温度計を備え、氷/塩浴中に配置された50mlのビーカー中に、5.6gのイソドデカン、2.0gの25重量%のNaCl溶液、および5.1gのイソ酪酸無水物(0.032mol)を配置した。混合物を攪拌し、温度を外部冷却によって0℃に維持しながら、(i)20分間で7.57gの32.4重量%の過酢酸水溶液(0.032mol)、および(ii)45分間で6.2gの25重量%のNaOH溶液(0.039mol)を投与した。
反応後15分後、層を重力により分離させ、水層を有機層から分離した。有機層を、7gの25重量%のNaCl溶液と4gの6重量%の重炭酸塩溶液との混合物で処理した。水層を重力により分離した後、有機層をFT-IRによって分析し(1784cm-1、1049cm-1、および1814cm-1で強いピーク)、41.1重量%の過酸化アセチルイソブチリルを含有した。
残留過酸化物を除去するために、水層(14.2グラム)を、0℃で2.8gのイソドデカンを用いて2回抽出した。残りの過酸を分解するために、抽出した水相を、0.4gのNaSOで処理した。
その後、1.8gの96重量%のHSOを添加して、pHを2.5に低下させた。層を40℃で重力により分離させた。追加的に2.5重量%のイソ酪酸を含有する、NaSO含有水層を廃棄した。有機相は、3.3gの湿潤イソ酪酸から構成されていた。
200mbarで80℃で、回転蒸発器で水を共沸除去した後、イソ酪酸を、別の供給源(この場合はSigma Aldrich)からのイソ酪酸と混合した。イソ酪酸を、酢酸無水物と、イソ酪酸:酢酸無水物のモル比2:1.05で混合し、加熱して、酢酸を400mbar未満および120℃で蒸留して、残渣としてイソ酪酸無水物を得た。次いで、この無水物を第1の工程に再利用して、過酸化アセチルイソブチリルを作製した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
過酸化ジアシルを生成するためのプロセスであって、以下の工程:
a)式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を、式R-C(=O)-OOHの過酸と反応させることによって、過酸化ジアシルおよびカルボン酸を含む混合物を生成する工程であって、
式中、RおよびRが、独立して、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、1~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択され、Rが、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択され、
b)前記カルボン酸を、そのカルボン酸塩または付加物の形態で、前記混合物から抽出または分離する工程、
c)前記カルボン酸を前記塩または付加物から遊離する工程、
d)式R-C(=O)Hのアルデヒドを酸素と反応させることによって、追加量のカルボン酸を生成する、任意選択的な工程、
e)工程c)で得られた前記カルボン酸、および任意選択的に追加量の式R-C(=O)OHのカルボン酸(当該追加量のカルボン酸は、工程d)で、および/または別の方法で得られる)を、酸無水物または式C(R=C=Oのケテン(式中、各Rが、独立して、HおよびCHから選択される)、好ましくは酢酸無水物と反応させて、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を形成する工程、ならびに
f)工程e)で形成された前記無水物の少なくとも一部を、工程a)に再利用する工程、を含む、プロセス。
項2.
前記カルボン酸を、工程e)において酢酸無水物と反応させる、項1に記載のプロセス。
項3.
およびRが同一である、項1または2に記載のプロセス。
項4.
前記式R-C(=O)-OOHの前記過酸が、過酢酸、プロパンペルオキシ酸、n-ブタンペルオキシ酸、イソブタンペルオキシ酸、およびn-ペンタンペルオキシ酸からなる群から選択され、好ましくは過酢酸およびプロパンペルオキシ酸から選択され、最も好ましくは過酢酸である、項1または2に記載のプロセス。
項5.
追加量のカルボン酸を、工程d)において生成し、工程e)において反応させる、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項6.
前記カルボン酸が、工程b)において塩基の水溶液を用いて抽出されて、カルボン酸塩を形成し、前記カルボン酸が、工程c)において、前記抽出物の酸性化によってその塩から遊離される、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項7.
前記カルボン酸が、工程b)において塩基の水溶液を用いて抽出されて、カルボン酸塩を形成し、前記カルボン酸が、工程c)において、電気化学的膜分離、好ましくは双極膜電気透析(BPM)によってその塩から遊離される、項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
項8.
工程e)中に、酢酸が前記反応混合物から除去される、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項9.
工程e)が反応性蒸留カラムで実施される、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項10.
前記式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する前記無水物が、対称無水物であり、式中、RおよびRが、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択される、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項11.
およびRが、独立して、2~8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基から選択される、先行項のいずれか一項に記載のプロセス。
項12.
前記式R-C(=O)-O-C(=O)-Rの前記無水物が、イソ酪酸無水物、2-メチル酪酸無水物、3-メチル酪酸無水物、2-メチルヘキサン酸無水物、2-プロピルヘプタン酸無水物、イソノナン酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、2-エチルヘキサン酸無水物、カプリル酸無水物、およびラウリン酸無水物からなる群から選択される、項10または11に記載のプロセス。
項13.
前記過酸化ジアシルが、過酸化ジ-2-メチルブチリル、過酸化ジ-プロピオニル、過酸化ジ-イソ-バレリル、過酸化ジ-n-バレリル、過酸化ジ-n-カプロイル、および過酸化ジ-イソブチリルからなる群から選択される、項3および5~12のいずれか一項に記載のプロセス。
項14.
前記過酸化ジアシルが、過酸化アセチルイソブタノイル、過酸化アセチル3-メチルブタノイル、過酸化アセチルラウロイルアセチルイソノニル、過酸化アセチル2-メチルブタノイル、過酸化アセチルシクロヘキシルカルボニル、過酸化アセチル2-プロピルヘプタノイル、過酸化アセチルp-メチルベンゾイル、および過酸化アセチル2-エチルヘキサノイルからなる群から選択される、項4~12のいずれか一項に記載のプロセス。
項15.
前記過酸化ジアシルが、過酸化ロパノイルイソバレリル、過酸化プロパノイルバレリル、過酸化プロパノイルイソブチリル、過酸化プロパノイルイソノナノイル、過酸化プロパノイルオクタノイル、および過酸化バレリルイソノナノイルからなる群から選択される、項4~12のいずれか一項に記載のプロセス。

Claims (15)

  1. 過酸化ジアシルを生成するためのプロセスであって、以下の工程:
    a)式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を、式R-C(=O)-OOHの過酸と反応させることによって、過酸化ジアシルおよびカルボン酸を含む混合物を生成する工程であって、
    式中、RおよびRが、独立して、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、1~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択され、Rが、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択され、
    b)前記カルボン酸を、そのカルボン酸塩または付加物の形態で、前記混合物から抽出または分離する工程、
    c)前記カルボン酸を前記塩または付加物から遊離する工程、
    d)式R-C(=O)Hのアルデヒドを酸素と反応させることによって、追加量のカルボン酸を生成する、任意選択的な工程、
    e)工程c)で得られた前記カルボン酸、および任意選択的に追加量の式R-C(=O)OHのカルボン酸(当該追加量のカルボン酸は、工程d)で、および/または別の方法で得られる)を、酸無水物または式C(R =C=Oのケテン(式中、各R が、独立して、HおよびCH から選択される)と反応させて、式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する無水物を形成する工程、ならびに
    f)工程e)で形成された前記無水物の少なくとも一部を、工程a)に再利用する工程、を含む、プロセス。
  2. 前記カルボン酸を、工程e)において酢酸無水物と反応させる、請求項1に記載のプロセス。
  3. およびRが同一である、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記式R-C(=O)-OOHの前記過酸が、過酢酸、プロパンペルオキシ酸、n-ブタンペルオキシ酸、イソブタンペルオキシ酸、およびn-ペンタンペルオキシ酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載のプロセス。
  5. 追加量のカルボン酸を、工程d)において生成し、工程e)において反応させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記カルボン酸が、工程b)において塩基の水溶液を用いて抽出されて、カルボン酸塩を形成し、前記カルボン酸が、工程c)において、前記抽出物の酸性化によってその塩から遊離される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記カルボン酸が、工程b)において塩基の水溶液を用いて抽出されて、カルボン酸塩を形成し、前記カルボン酸が、工程c)において、電気化学的膜分離によってその塩から遊離される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 工程e)中に、酢酸が前記反応混合物から除去される、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 工程e)が反応性蒸留カラムで実施される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記式R-C(=O)-O-C(=O)-Rを有する前記無水物が、対称無水物であり、式中、RおよびRが、酸素および/またはハロゲン含有置換基で任意選択的に置換された、2~17個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、ならびにアリールアルキル基から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. およびRが、独立して、2~8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記式R-C(=O)-O-C(=O)-Rの前記無水物が、イソ酪酸無水物、2-メチル酪酸無水物、3-メチル酪酸無水物、2-メチルヘキサン酸無水物、2-プロピルヘプタン酸無水物、イソノナン酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、2-エチルヘキサン酸無水物、カプリル酸無水物、およびラウリン酸無水物からなる群から選択される、請求項10または11に記載のプロセス。
  13. 前記過酸化ジアシルが、過酸化ジ-2-メチルブチリル、過酸化ジ-プロピオニル、過酸化ジ-イソ-バレリル、過酸化ジ-n-バレリル、過酸化ジ-n-カプロイル、および過酸化ジ-イソブチリルからなる群から選択される、請求項3および5~12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記過酸化ジアシルが、過酸化アセチルイソブタノイル、過酸化アセチル3-メチルブタノイル、過酸化アセチルラウロイル、過酸化アセチルイソノナノイル、過酸化アセチル2-メチルブタノイル、過酸化アセチルシクロヘキシルカルボニル、過酸化アセチル2-プロピルヘプタノイル、過酸化アセチルp-メチルベンゾイル、および過酸化アセチル2-エチルヘキサノイルからなる群から選択される、請求項4~12のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 前記過酸化ジアシルが、過酸化プロパノイルイソバレリル、過酸化プロパノイルバレリル、過酸化プロパノイルイソブチリル、過酸化プロパノイルイソノナノイル、過酸化プロパノイルオクタノイル、および過酸化バレリルイソノナノイルからなる群から選択される、請求項4~12のいずれか一項に記載のプロセス。
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