JP7281067B2 - 多炎孔バーナ - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 ・ニュースリリース〔confidential〕 業務用ガス屋外用ストーブ「パラソルヒーター(R)」シリーズ モデルチェンジのご案内
本発明は、強風下でも使用可能な多炎孔バーナおよびこの多炎孔バーナを用いることにより有風下でも使用可能な暖房機器、ガス調理器などの燃焼機器に関する。
コンロ等で用いられるバーナは、図12に示すように、バーナキャップ100とバーナ本体101との二体構造であり、炎孔a、bはバーナキャップ100の端縁(外周面)に設けられるのが通例である。バーナ本体101は通常プレス加工や鋳造、バーナキャップ100は鋳造、鍛造もしくは切削あるいはこれらを併用した製造方法で生産される。バーナ本体101は、用途に応じて数種のバーナキャップ100と共用化されて、異なった仕様のバーナとして使い回される。プレス加工や鋳造でバーナ本体101を製造するための金型にコストが掛かることがその一因とされる。更に、バーナ本体101を鋳造で作る場合において、特に偏心した混合管等が設けられる場合には、バーナ本体101のバーナキャップ100との接触面に機械加工で炎孔を形成することが技術的に容易ではないこともその要因として挙げられる。
そして、火炎の浮上り(リフト)や吹き飛び(ブローオフ)を抑える上で、保炎は重要な技術である。層流燃焼バーナの場合、主炎孔aより小さい保炎孔bを主炎孔aの下方に形成して、保炎孔bに形成される袖火の熱や反応中間物質(ラジカル)の供給によって主炎を安定させる(リフトを抑える)ことが広く行われている。開口面積の小さい保炎孔bからの袖火の方が混合気の流速が遅く、開口面積の大きい主炎孔aからの主炎よりもリフトが遅れる(リフトの起きる一次空気率が高くなる)ことが上記のような保炎孔bを形成する理由である。ちなみに、乱流火炎の場合は、ブラフボディ背後に形成される渦の逆流域が保炎に広く用いられるが、圧損や燃焼騒音(轟音)が大きくなり、民生用機器には適用が困難である。
屋外での燃焼機器の使用は風対策が必須であり、通常覆いや防風板が風除けとして用いられる。しかしながら、自然風の風向や風速は常に変化して一定ではないため、逆流も考えると、完璧な風除けは困難である。また、燃焼機器であるために給気と排気を行う必要上、風除けを密閉構造にすることができず、覆いや防風板による風対策は好ましくない。 屋内で使用する燃焼機器であっても、リフト性能に劣る燃焼機器の場合、窓からの風や扉の開閉による風もしくはエアコンの風で火炎の立ち消えが起きる。コンロの場合、コンロ台扉の開閉でコンロの火炎が吹き飛ぶ例のあることが良く知られている。このように、屋外あるいは屋内で使用する燃焼機器のいずれでも、バーナ自体の耐風性能は重要である。
多数の炎孔を有する多炎孔バーナにおいては、火移りの良さも重要である。炎孔ピッチが一定値より大きくなると火移りが悪くなり、多炎孔バーナの末端の炎孔への着火がなされなくなる、あるいは遅れることにより、爆発点火の可能性が生じる。火炎検知が遅れると、点火不良となるおそれがある。したがって、火移り性能の良いことも燃焼安全上必須の性能である。
特許文献1には、上記の図12に示すように、主炎孔aの下部に上下幅の狭い保炎孔bを全周に連続的に形成したバーナが開示されている。また、炎孔を上下二段とした保炎強化バーナが開示されている。ここで、主炎孔aと保炎孔bの位置関係は、保炎孔aが下方(燃焼ガスの主流方向上流側)、主炎孔aが上方(燃焼ガスの主流方向下流側)とされており、バーナ本体101に炎孔は形成されていない。
特許文献2には、バーナキャップに設けた突起によってキャップを本体からわずかに浮かせ、バーナ全周に保炎孔を形成したバーナが開示されている。この場合も、主炎孔と保炎孔の位置関係は、保炎孔が下方(上流側)、主炎孔が上方(下流側)とされており、バーナ本体に炎孔は形成されていない。図13に示すように、非特許文献1には、主炎と袖火の位置関係における保炎効果(54頁 図3.14)や、横風を受けた場合のコンロバーナの火炎の様子(70頁 図3.26)が述べられている。ただし、保炎孔が主炎孔の下流側にある場合については、言及されていない。
特開2002-181310号公報 特開2014-228210号公報
H.R.N.Johnes著、題名The applications of combustion principles to domestic gas burner design, British Gasplc出版,1989年 54頁 図3.14、70頁 図3.26
従来の保炎孔が設けられた多炎孔バーナに強い横風が当たると、主炎孔の下方に位置する保炎孔の火炎がなくなる。すると、主炎孔の火炎の浮き上がりや吹き飛びが発生しやすくなり、安定した燃焼性能が得られなくなる。
本発明は、上記に鑑み、耐風性能および火移り性能に優れた多炎孔バーナを提供するとともに、このバーナを用いて屋外でも安定した燃焼性能を発揮できる暖房機器やガス調理器などの燃焼機器を提供することを目的とする。
本発明の多炎孔バーナは、燃料と空気との混合気を多数の炎孔に導く混合気通路を有するバーナ本体と、バーナ本体の端部を覆うことにより混合気が混合気通路から炎孔以外に漏出することを防ぐバーナキャップとを備えている。バーナ本体に、混合気通路と外部を連通する多数の主炎孔および保炎孔が設けられ、主炎孔は、バーナ本体の端縁に混合気通路から外部に向かって溝状に形成され、保炎孔は、主炎孔よりもバーナキャップ側に位置し、バーナ本体の端縁を取り巻くように連続的に開口するとともに主炎孔に連通するように形成される。
すなわち、保炎孔は、主炎孔に対して燃焼ガスの主流方向下流側に位置する。そして、主炎孔の上方において、バーナ本体とバーナキャップとの間に狭小な間隙を設けることにより、主炎孔に連通して連続的に開口する保炎孔が形成される。この場合、バーナキャップの炎孔側は凹凸のない平面状にすることが可能となる。
ここで、本発明でいう混合気は、混合気の一次空気率が0から160%程度、すなわちバーナに燃料のみを供給する拡散燃焼から100%以上の空気を予混合して供給する完全予混合燃焼までの各範囲の燃料と空気の混合気を指す。燃料は、気体燃料と液体燃料の蒸気(気化した液体燃料)を意味する。また、燃焼ガスの主流方向とは、燃焼して発生した燃焼ガスが燃焼室内や大気中で流れる方向であり、必ずしもバーナの炎孔から噴出される混合気の流出方向ではない。例えば、バーナが開放燃焼で上向きに設置される場合、混合気の噴出方向および火炎の方向が横向きであっても、燃料ガスの主流方向は上向きである。
また、上記構成における狭小な間隙は、バーナ本体とバーナキャップの間にスペーサーを設けることによって形成される。スペーサーの機能を果たすために、バーナ本体とバーナキャップを連結するネジの間に座金を挟んだり、バーナキャップに押しを入れて凹みを設け、バーナキャップの裏面の突起を利用したり、あるいは、バーナ本体に保炎孔を開削する際に削り残しを作ること等により充足される。更に、主炎孔における溝状の開口については、その断面は矩形には限らず、円形、台形その他の形状であってもよく、溝の奥行き方向に関して断面形状や断面積が変化したり、蛇行したりするようにしてもよい。
上記構成において、層流燃焼バーナにおける保炎孔は、0003段落に記載した理由によって、主炎孔の下方(上流側)に設けるのが一般的である。しかしながら、発明者らは、本バーナ開発過程における種々の実験の結果、主炎孔に連通するように連続的に保炎孔を開口すると強い保炎効果が得られ、主炎孔の下方に保炎孔を設ける場合と遜色のない火炎の安定化効果の得られる結果を得た。特に、炎孔の向きと平行な方向の強風(燃焼ガスの主流方向とは垂直方向:いわゆる横風)を当てた場合には、主炎孔下方に保炎孔を非連続的に開口した場合より優れた耐風性能の得られることを見出した。
燃焼ガスの主流方向に対して略垂直方向に炎孔が開口された多炎孔バーナに強い横風を当てると、上流側の火炎は無くなり、その部分の炎孔から空気が侵入して、下流側の炎孔に侵入した空気で希釈された混合気の火炎が横向きに形成される。下流側に形成される火炎は希薄火炎であり、容易に吹き飛ぶが、連通された保炎孔があると、吹き飛びが抑えられる。風に直角な方向を向いた主炎孔から流入する余り希釈されていない混合気が下流に流れ、下流にある保炎孔付近に安定した袖火が形成される。このようにして、最下流炎孔からの火炎の吹き飛びが抑制される。横風が強い場合、主炎は横風に平行になるため、保炎孔が横向きとなった主炎孔の下にあろうと上にあろうと、その位置の違いは影響しないためと考えられる。
主炎孔に連通する連続的な保炎孔は、良好な火移り性能を発揮する。風向きや風速が刻々と変化する自然風下では、火移りが重要である。ある方向からの風によって、一部の炎孔からの火炎が吹き飛んでも、風向きの変わった次の瞬間に火炎を再着火させる作用を奏する。したがって、耐風性能が強化される。
また、主炎孔のピッチ(配置間隔)が大きい場合、例えばバーナが円形でない場合などで主炎孔の向きが揃っていない場合に、保炎孔は火移り性能を発揮する。保炎孔が主炎孔に連通して連続的に形成されているため、主炎孔間の火移り以外にも袖火経由で火移りが行われるからである。ちなみに、主炎孔については、その断面積が上流から下流に向かって末広がりになるように形成すると、流速が上流で速く、下流で遅くなる混合気流れを作ることができ、火炎の吹き飛びと逆火の両方を抑える効果が期待できる。
バーナ本体に炎孔を形成して、バーナキャップに炎孔を形成しないので、バーナキャップは平板状にすることができる。この場合、安価にバーナキャップを提供することができ、焼損によって消耗品となる用途では、使用者の負担が小さくなる。特に、バーナ本体を鋳造で成型する場合には、炎孔は鋳造に加えて機械加工で精度よく切削することができる。バーナキャップに炎孔を形成する一般的な鋳造バーナのバーナ本体でも、バーナキャップとの接触面は機械加工が追加工されるので、バーナ本体に炎孔を形成してもコスト的に負担は少ない。
本発明の多炎孔バーナでは、混合気通路から保炎孔に流入する混合気に対して流動抵抗を持たせるために保炎孔の上流側に障害物が設けられ、保炎孔に流入する混合気の全部または一部が主炎孔を経由して流入する構造とされる。この障害物は、混合気が混合気通路から保炎孔に直接流出することを妨げるものである。障害物の全部あるいは一部として、上記のスペーサーあるいはその機能を果たす代替物によって兼用することが可能である。
保炎孔から流出する混合気を主炎孔からのものに比べて流速を遅くすることが、吹き飛びを遅れさせる上で有利となる。そこで、圧力の高い混合気通路の混合気を直接保炎孔に流入させるのではなく、一旦主炎孔を通過させて圧力を低下させた後に保炎孔に導いて更に圧力を減衰させれば、低流速で噴出させることができる。動圧を保ったまま混合気通路を通過して保炎孔に流入した混合気では、流速が速くなるので、袖火形成には不適である。このように、流動抵抗を高める障害物は、主として動圧をもった混合気への対策である。なお、必ずしも全ての保炎孔の通路が、主炎孔経由である必要はない。
混合気通路に直接保炎孔が開口していないので、横風時に保炎孔に直接侵入する空気を抑制し、主炎孔経由の空気で混合気が希釈される効果を減衰させ、噴出流速を低下させる効果を発揮する。したがって、吹き飛びの起きにくい袖火を生成させることができ、耐風性能や火移り性能の良いバーナを提供できる。
本発明の多炎孔バーナでは、バーナ本体が回転対称に形成され、主炎孔がバーナ本体の上端縁に開口するように配置され、保炎孔が主炎孔の上方に位置する。そして、バーナ本体の中心軸上に混合気を導入するための接続口または混合管が設けられる。
ここで、主炎孔と保炎孔は、中心軸に対して垂直な向きに開口されることが標準ではあるが、用途によっては、中心軸に垂直な方向から仰角や方位角に角度、例えば30°程度の角度をつけることも可能である。更には、主炎孔と保炎孔の仰角を違えることも有効である。なお、バーナ本体に点火や火炎検知のための炎孔、突起、凹み、あるいはバーナ本体を機体に取付けるためのねじ孔や金具などが、回転対称を破る形で付加された多炎孔バーナに対しても、本構成を適用し得る。
回転対称に多炎孔バーナを構成する場合、鋳造されたバーナ本体外周上に機械加工によって容易に精度よく炎孔を切削成形することが可能である。マシニングセンター等の複合工作機に一度装着すると、旋盤加工とフライス加工がワークを掴みなおすことなく連続的に実施できるからである。形状を工夫すれば、鋳造で炎孔を一体的に形成し、機械加工の工数を減らすことも可能である。
また、プレス加工でバーナ本体を形成する場合でも、炎孔は複数回の曲げと絞りを行うプレス成形にて形成することができる。この場合でも、回転対称であることは金型製造においてで有利に働き、精度を高めながらのコストダウンにつながる。一方、バーナキャップは単純な円板もしくは若干の丸み、例えば球面の一部のような丸みを帯びた円板となるため、製造が容易で安価に提供できる。
中心軸上に混合管もしくは接続口が配されると、各炎孔への混合気の配分は無風状態では均等となる。混合気の整流を行う必要がなくなり、燃焼性能上や圧損対策上有利となるとともに、開発コストを低減できる。
また、耐風性能においても、回転対称は有利である。どの方向からの風でもバーナに同一に作用し、風向きによる有利不利を生じない。このことは、例えば矩形のバーナを考えれば、容易に想到できるであろう。
主炎孔と保炎孔の中心軸に対する角度は被加熱物との関係で決まり、暖房用途では垂直が適当である。コンロ等のガス調理器の加熱用途では、被加熱物に向かう仰角を取ることが適当である。旋回を掛けるために、方位角を付けることも有効な場合がある。主炎孔と保炎孔の混合気吹出し方向が異なり、その延長線が交わるように主炎孔に仰角を付けると、保炎上で有利になる。主炎に対して袖火が熱や反応中間物質を効果的に供給できるようになるからである。
本発明の多炎孔バーナでは、保炎孔の一部に流入制限体が設けられ、保炎孔への混合気の流入が部分的に制限されている。流量制限体は、保炎孔の上流側に設けられる、あるいは障害物の下流側に設けられる。バーナ本体に形成された保炎孔の一部が、連続的な開口を保ったままで、混合気の流れが部分的に制限される。
保炎孔の出口が連続的に開口されていても、上流で混合気の流入を制限することにより、その下流の混合気流量が減少し、その部分の保炎孔から形成される袖火が小さくなる。これにより、バーナの火炎が全体としてその部分で分割される。二次空気の流入が容易となり、燃焼反応が促進され、全体として火炎長が短くなる。二次空気を必要としない全予混合燃焼でも、空気過剰率が小さい場合には、火炎下流に空気が流入すれば燃焼が促進されることは同様である。
流入制限体として、バーナ本体とバーナキャップを連結するためのねじを利用するとよい。上述の燃焼効果に加えて、締結の効果が兼用できる。また、ねじの存在により、閉塞された保炎孔の一部における火炎が短くなる。この多炎孔バーナを放熱板を赤熱させて放射を出す暖房機器に適用すると、放熱板の一部において、赤熱度合いが弱くなって暗くなり、放熱板に明暗の模様を付けることができる。また、この多炎孔バーナをガス調理器のコンロに適用すると、流量制限体をゴトクの爪の位置に合わせることにより、ゴトクの爪に当たる火炎が弱くなるので、ゴトクの焼損を抑え、ゴトクの爪によって火炎が冷却されて発生する一酸化炭素を抑制することや熱効率を向上させる効果が期待される。
本発明の多炎孔バーナでは、主炎孔の開口面積、開口間隔、開口方向のうち、少なくとも一つに変化を持たせる。主炎孔の開口面積の縮小、主炎孔の開口間隔(ピッチ)の拡大、開口方向の不揃いといった変化を持たせても、保炎孔が連続的に主炎孔を連結する機能を果たしているので、連続的な袖火による点火や火移りが容易になされる。そのため、通常のバーナよりもその変化範囲を広げることが可能となる。この場合も、バーナの火炎を全体として分割したり、火炎長に変化付けたりすることができる。なお、主炎孔の開口に対する変化は、規則性をもって行うことが実用的である。例えば、炎孔面積に変化をつける場合は、大火、大火、中火を繰り返すようなパターンとなるように大、大、中とする。ピッチについても大、中、中を繰り返すなどである。これにより、全体としての燃焼負荷を増大させ、黄色の火炎が生じるイエローチップを減少させ、ゴトクの爪の焼損を抑える、もしくは放熱板に赤熱状態の違いによる模様を表現することが可能になる。
本発明の多炎孔バーナは、燃料の供給圧力を利用して、エジェクターにて一次空気を吸引・混合する混合管を備えた層流部分予混合バーナとされる。バーナの分類が、いわゆるブンゼンバーナである。
ブンゼン火炎では、完全燃焼のために、二次空気を必要とする。主炎の下方(上流側)に袖火があると、袖火は酸素を消費するので、主炎基部への酸素供給を阻害して、燃焼を不安定、すなわちリフト傾向にする。その結果、袖火による主炎への熱と反応中間物質供給による火炎の安定化効果を一部相殺することになる。袖火が主炎の上方(上流側)にあると、上記の負の作用がなくなり、ブンゼン燃焼に有益な保炎技術となる。
一次空気自給型のブンゼンバーナは、燃焼用送風機を利用するバーナに比べて耐風性能では劣るものの燃焼用の送風機を必要としないため、商用電源無しでも運転することができる。このことは、本バーナを屋外キャンプ用のガス調理器や屋外設置型の暖房機器に適用する場合に好適である。燃料に液化石油ガス(LPG)を用いれば、燃料配管が近くに無くてもボンベに詰めることによって燃料を容易に供給できる。当然ながら、屋内で使用する燃焼機器であっても、商用電源を必要としないことは不利とはならない。
本発明の多炎孔バーナは、立ち消えを検知するための火炎検知部が複数設けられる。多炎孔バーナでは、強い横風時には、風上側の火炎は無くなり、風下側の火炎のみの状態で燃焼するようになる。屋外暖房などの特定用途では、そのような状態になっても燃焼を継続することが必要になる。自然風には息あり、必ずしも強風が継続するわけではないので、そのような瞬時の強風で使えなくなると、暖房機器としての機能を果たせなくなる。
バーナは、風などによって気が付かないうちに火が消えた場合にセンサが働き、ガスを自動的に止める立ち消え安全装置を備えている。強風時、立ち消え安全装置の火炎検知部がたまたま風上側にあれば、立ち消え安全装置は失火が起きたものと判定し、遮断弁を閉止して、燃料供給を止めて燃焼を停止させる。このような誤動作を避けるためには、複数の火炎検知部をバーナの炎孔周囲に配置し、その火炎検知信号の論理和を求めて、火炎の有無を判定すればよい。より簡単には、火炎検知部となる熱電対やフレームロッドを並列に連結すれば論理和を取ることができる。消炎する炎孔の範囲が狭い場合には、火炎検知部は2箇所に対向させればよいが、消炎範囲が広い場合は、3箇所以上に対称的に配置すべきである。これにより、部分的に火炎が無くなった状態でも、立ち消え安全装置は火炎無とは判定せず、安定的に燃焼を持続させることができる。
ここで例示した熱電対やフレームロッドは、点検知のセンサであり、本バーナはこれらのセンサの使用に好適である。一方、紫外線光電管は火炎を特定の立体角内の面で検知できるが、熱に弱いので、火炎全体を立体角内として見込める位置への設置には困難な場合がある。その場合には、複数設置が現実的となる。
本発明の多炎孔バーナを用いた暖房機器では、バーナキャップの上方に放射板が配され、多炎孔バーナによって加熱された放射板の外周面から赤外線を放射する。放射板は、耐熱金属板、セラミック板もしくはそれらの多孔板又は凹凸を付けた当該材料から形成された多孔板等からなる。多炎孔バーナによって放射板の内周面を加熱すると、外周面から赤外線が放射され、赤外線を暖房に利用する。
放射板の片面(加熱面)を多炎孔バーナで加熱し、反対面(放射面)から固体放射を行う放射型暖房機器は、加熱面からの放射をバーナ自らも受けて昇温し、やがてバーナキャップの焼損に至る。本バーナはバーナキャップに炎孔を持たない単純な形状であるため、消耗品としてバーナキャップを交換しても、利用者のコスト負担は小さい。耐熱性のある金属(例えば、ステンレス鋼:SUS304、SUS443J1、SUS310S等)に炎孔を有するバーナキャップを製造する場合は、難加工材であるため、ロストワックス鋳造や機械加工等のコストの掛かる製造法とならざるを得ず、コストがかかる。なお、バーナ本体は放射を受ける面積(形態係数)が小さく、また内部を通過する混合気で冷却されるため、焼損に至ることは希である。
本多炎孔バーナを用いた放射型暖房機器は、バーナが横風に強いので耐風性能が良く、強風下でも使用できる。特に火炎検知部を複数、例えば3本としたものは、さまざまな方向からの風に対しても火炎の不検知による燃焼遮断は起きない。
また、円筒状に形成された放射板の外周面に、円周方向に切り起こした通風孔が多数形成され、放射板の内側下方に多炎孔バーナが組み込まれる。放射板は、円筒状の側面に軸方向に多数の切り込みを入れて一定方向に切り起こした円筒状の多孔板である。
本多炎孔バーナを用いた放射型暖房機器は、バーナの耐風性能が良く強風下でも使用できる。加えて、耐熱金属からなる放射板を軸方向に一定方向に切り起こした上で円筒状に形成することにより、侵入した風が円筒状の放射板内部で旋回し、火炎もそれに合わせて旋回することがわかった。その結果、火炎検知が一箇所であっても、有風下の火炎を検知できることが確かめられた。本構成では、火炎検知が一箇所にも関わらず、特に耐風性能が高く、15m/sの風速に耐えられる。また、火炎検知部には、熱電対やフレームロッド等を使用するが、いずれも接触式のセンサであるため、長期的には焼損する。火炎検知部を1つにできるので、消耗品として交換する部品が減少するとともに、信頼性と機器のコストダウンに寄与する。
ちなみに、放射板を多孔板の円筒形状とする場合、円筒の上部を封止し、無風状態では燃焼ガスが多孔板の開口から排出される程度の開口率とする。これにより、最も放射板の温度が高くなり、放射率の上がることがわかっている。また、二次空気が必要な燃焼方法の場合、放射板の下方にあるバーナの下側は、必要最小限に開口した構成とする。
本多炎孔バーナを用いたガス調理器では、多炎孔バーナが筐体内に実装され、多炎孔バーナの混合気通路に連通する接続口または混合管の上流側に燃料を供給・遮断するガス栓が取付けられ、炎孔の上方に被調理物を支持する複数の爪を有するゴトクまたは食材を載置する調理部が配置される。ガス栓は、コックや弁を含む。調理部は、焼き網、グリドルもしくは鉄板等である。立ち消え安全装置や自動点火装置は必要に応じて付加することが可能である。
本多炎孔バーナを用いた赤外線式焼き物器などのガス調理器では、バーナが横風に強いので、耐風性能が良い。本ガス調理器は、窓を開けての窓際での調理、例えば焼き鳥や鰻の焼きや屋外での調理、例えばバーベキューに適している。また、屋内で使用する場合でも、窓から入ってくる風やエアコンの風があるときだけでなく、部屋の扉の開閉時でも吹き消えや立ち消えが起きにくい。さらに、本ガス調理器を置いたり内蔵したりするコンロ台等の扉の開閉でも吹き消えが起きにくい。
このように、風の当たる屋外で使用するとき、その耐風性能が発揮され、容易に吹き消えが起きなくなる。これにより、屋外設置や携帯用の燃焼機器において、本多炎孔バーナは性能を発揮し、燃焼機器の安定的な使用を可能にする。なお、多炎孔バーナの火炎の一部がリフトして、若干の一酸化炭素を排出する場合でも、屋外であれば安全性に問題は生じない。
本発明によると、主炎孔よりもバーナキャップ側に位置する保炎孔は主炎孔の上方(下流側)に設けられたものであり、主炎孔の下方(上流側)に設けるという常識の逆転の発想に基づく。これが成り立つのは、強風により火炎は風下に風と平行な方向になびくからである。その場合、袖火が主炎の上方にあろうと下方にあろうと保炎効果において相違がなくなるからと考えられる。また、保炎孔が各主炎孔に連通するように連続的に形成することにより、主炎孔の一部で火炎が吹き飛んでも、吹き飛んだ主炎孔に連通する保炎孔からの袖火によってすぐに再着火される。これらのことから、炎孔をバーナキャップではなくバーナ本体側に設けることが有利になる。
すなわち、全主炎孔を連結するように連続的に開口し、かつ主流方向において主炎孔よりも下流側に保炎孔が形成されることにより、横風を受けた場合にも容易に消炎せず、火移りが良好となり、耐風性能と火移り性能に優れた多炎孔バーナを実現できる。これにより、自然風に曝される屋外で使用する暖房機器などの燃焼機器に好適となり、屋内においても、いたるところに風は生じるため、その保炎性能を発揮できる。
また、バーナキャップに炎孔を設けないため、バーナキャップを安価に製造できる。バーナキャップが高温に曝され、焼損による取替が必要になっても、取替えの際にコスト的に有利になる。さらには、難加工材の多い耐熱材料において、簡単な加工でバーナキャップを製造可能となり、安価に耐熱材料を使用できるとともに、バーナ全体の耐久性向上に寄与する。
本発明の実施形態の多炎孔バーナを示す図 炎孔の断面図 平面形状が矩形状のバーナ本体およびバーナキャップの平面図および正面図 他の形態の多炎孔バーナの正面図 本発明の多炎孔バーナを用いた屋外設置型の暖房機器を示す図 多炎孔バーナの平面図 多炎孔バーナの断面図 バーナ本体の斜視図 バーナ本体の平面図 本発明の多炎孔バーナを用いた調理用コンロを示す図 燃焼時のコンロの平面図および正面図 従来の多炎孔バーナを示す図 多炎孔バーナが横風を受けたときの燃焼状態を示す図
本発明の実施形態の多炎孔バーナを図1に示す。多炎孔バーナは、バーナ本体1とバーナ本体1の上端部を覆うバーナキャップ2との二体構造であり、バーナ本体1に、多数の主炎孔3と各主炎孔3を連結するように開口された保炎孔4が設けられる。バーナ本体1の内部に燃料と空気との混合気を各炎孔3,4に導く混合気通路5が形成される。バーナ本体1の上端部は中央が開口され、バーナキャップ2はバーナ本体1の上端部に取り付けられ、混合気が混合気通路5から炎孔3,4以外に漏出することを防ぐ。バーナ本体1の下部に、混合気が流入する接続口6が形成され、ホースが接続される。
バーナ本体1の平面形状は円形とされる。バーナキャップ2は、バーナ本体1よりも大径の円形に形成され、バーナキャップ2はバーナ本体1の上端部に被せられる。バーナ本体1の上端部は、中央が開口され、その周縁に円環状の上端縁を有する。上端縁に半径方向に複数の溝が形成される。溝の断面は角を丸めた台形状とされ、各溝が主炎孔3とされる。回転対称に配置された各主炎孔3は、混合気通路5と外部とを連通する。接続口6から流入した混合気は、混合気通路5内をバーナキャップ2に向かって流れ、主炎孔3に導かれる。主炎孔3に流入した混合気は、大部分が主炎孔3から外部に送出され、燃焼して主炎を形成する。この場合、燃焼ガスの主流方向は上方向となる。主炎孔3は水平方向、すなわち燃焼ガスの主流方向とは直角に形成される。
図2に示すように、バーナ本体1の上端縁にスペーサ7が形成される。スペーサ7は、隣り合う主炎孔3の間に形成され、上端縁の上流側に位置する。スペーサ7の下流側は開口される。バーナキャップ2はスペーサ7の上に載置される。バーナ本体1とバーナキャップ2との間に微小な間隙が形成される。この間隙が保炎孔4とされる。保炎孔4は、主炎孔3よりもバーナキャップ2側に位置し、バーナ本体1の上端縁を取り巻くように連続的に開口するとともに主炎孔3に連通する。保炎孔4の上流側に位置するスペーサ7は、混合気が混合気通路5から保炎孔4に直接流入することを妨げる。すなわち、スペーサ7は、混合気通路5から保炎孔4に流入する混合気に対して流動抵抗を持たせるための障害物となる。主炎孔3に流入した混合気の一部は、主炎孔3から保炎孔4に流入し、主炎孔3が形成されていない部分、すなわちスペーサ7の下流側に広がりながら外部に送出される。混合気が燃焼して、上端縁の全周を取り巻く袖火となる。特に、主炎孔3の上方に対応する保炎孔4の部分では、長く伸びた袖火となる。
バーナ本体1は鋳造で作られ、主炎孔3も祖型は同時に鋳造される。バーナキャップ2は耐熱鋼板(SUS304やSUS443J1)で作られ、平板状とすることが簡便であるが、ここでは、混合気の整流のために中央部にふくらみを持たせている。少なくともバーナ本体1の上端縁に対向するバーナキャップ2の周縁は凹凸のない平坦とされる。炎孔出口におけるバーナ本体1とバーナキャップ2との間隙は、スペーサ7を挟むことで担保される。バーナ本体1の炎孔部分を機械加工して、バーナキャップ2との間隙の精度を確保すること望ましいが、その際に上端縁の上流側に削り残しを設けることにより、スペーサ7が形成される。
ここで、バーナ本体1の平面形状は円形とは限らず、例えば長方形の鉄板や金網を加熱するような用途には、バーナ本体1の平面形状を矩形やリング状にすると好適である。図3に示すように、バーナ本体1およびバーナキャップ2は角を丸めた矩形状とされる。
バーナ本体1の上端縁は上方より浅く削られ、主炎孔3を連結するように連続的に保炎孔4が形成される。削り残した上端縁の上流側の部分は、バーナキャップ2と接して混合気通路5から直接保炎孔4に混合気が流入することを妨げている。なお、保炎孔4の高さ、すなわちバーナ本体1とバーナキャップ2との間隙の大きさは、逆火を起こさないために、丸孔状の炎孔における消炎距離(メタンの場合、約2mm)を上限とし、火炎の長さや安定性を考慮して1mm程度とすることが適当である。
バーナを矩形状にする場合には、主炎孔3の出口の開口間隔(ピッチ)が特に角部で大きくなり、かつ主炎孔3相互の角度が開く。そのため、火移り不良が起こりがちであるが、本構成の保炎孔4にすると、良好な火移りを担保できる。
炎孔の向きも水平方向に限られることはない。コンロ等の用途には、斜め上向きとすることで効率を良くすることができ、被加熱物によっては斜め下向きとすることも可能である。更には、吹出し方向を吹出面上で斜めとすることで、旋回を掛けることもできる。この場合は、円形バーナが好適となる。
バーナキャップ2は、平板とすることが簡便ではあるが、コンロのように煮こぼれが懸念される用途では、煮こぼれを流すために膨らみを持たせる形状が望ましい。さらには、バーナ本体1とバーナキャップ2とを貫通する二次空気取り入れ口(図示せず)を設けることができ、その場合には、中心の凹んだ形状が炎孔への二次空気の流入を助勢する。
図4に中心軸周りの回転対称に形成された多炎孔バーナを示す。混合気の接続口6が中心軸上に形成され、その上流側(下方)に混合管10とノズル11が設けられる。ノズル11に圧力のある燃料を供給して高流速で噴射すると、エジェクター部にて空気が吸引され、混合管10内部で燃料と混合されて一次空気を含有する混合気となる。ここで、燃料の運動量が混合気の運動量として保存されることによって一次空気が吸引されるため、燃焼用空気を圧入する送風機が不要になり、コスト上でも設置上でも有利になる。
バーナ全体を回転対称に構成すると、混合気の流れは軸対称となり、火炎も軸対称に形成されて、安定性が増すとともに各炎孔への流量を均等にするための整流が不要になる。これにより、整流のための付加部品が不要になるとともに開発工数が激減し、部品のコストと開発コストを低減できる。実用化においては、点火装置や立ち消え安全装置を取り付ける必要が生じる場合がある。その際には、点火栓の対極や点火あるいは火炎検知に適した炎孔を設けたり、取付け金具や隠ぺい部分を設けたりすることがある。なお、本構成において、これらは対称な構造の構成要件には含めない。
本多炎孔バーナを使用した屋外設置型の暖房機器を図5に示す。この暖房機器は、ガスボンベを収容する台座20と、台座20に立設されたポール21と、ポール21の上端に設けられた放射部22と、放射部22の上方を覆う傘23とから構成される。放射部22は、多炎孔バーナ24と、多炎孔バーナ24の燃焼によって加熱されると輻射熱を放射する放射板25と、放射板25を覆うカバー26とを備えている。
ポール21の上部に、燃料を開閉するためのコック27や立ち消え安全装置等の燃焼制御部品が設置される。ガスボンベからの燃料配管(メインパイプ)は、ポール内に配管され、燃焼制御部品に接続される。なお、燃料として、ガスボンベのLPGの代わりに、都市ガスを使用してもよい。
放射板25は、多炎孔バーナ24のバーナキャップ2の上方に配される。放射板25は、耐熱鋼製の円筒状に形成され、バーナキャップ2よりも大径とされる。放射板25の上部は閉塞され、下部には開口が設けられている。放射板25の内側下方において、開口に面するように多炎孔バーナ24が配置される。放射板25の外周面に、円周方向に切り起こした通風孔が多数形成されている。多炎孔バーナ24の火炎は、切り起こしの効果により有風時に旋回するため、火炎検知部は1つで足りる。
放射板25は燃焼ガスの対流熱にて内周面から加熱され、外周面から赤外線を出して放射暖房を行う。放射板25の上部に設けられた傘23は、上方に向かった放射を下部に反射する。なお、放射板25や傘23に人体が触れないように、これらは人の手の届きにくい高所に設けられ、カバー26が取り付けられる。燃焼ガスのドラフトにて燃焼排ガスは放射板25の通風孔から排出され、二次空気は下部の開口から導入される。放射板25の開口率は、開口の下部から侵入する二次空気量を不完全燃焼の生じない範囲で抑えることができるように設定され、放射板25の外周面全体を可能な限り高温に保つことができる。放射板25の赤熱範囲をできるだけ広範囲とすることにより、放射効率が上昇し、見栄えとともに省エネルギ性能が向上する。
この暖房機器の多炎孔バーナ24を図6~9に示す。多炎孔バーナ24のバーナ本体1は、一次空気を吸引する混合管28も含めて軸対象に一体的に鋳造される。主炎孔3は、水平(燃焼ガスの主流方向とは直角)方向に、バーナ本体1の上端縁に混合気通路5を外部に結ぶ溝として一体に鋳造成形される。バーナキャップ2は汎用の耐熱鋼製(SUS443J1)の平坦な円板である。
多数の主炎孔3が形成されたバーナ本体1の上端縁の下流側が浅く切削されて、各主炎孔3を連結するように保炎孔4が連続的に形成される。この切削深さによって、保炎孔4の高さが決定される。一方、バーナ本体1の上端縁の上流側は、切削がなされずに削り残されてスペーサ7とされる。スペーサ7により、混合気が保炎孔4に直接流入することが妨げられる。
バーナキャップ2は複数のねじ29によってバーナ本体1に取り付けられる。6本のねじ29が回転対称に配置される。ねじ29は、スペーサ7の下流側に位置し、保炎孔4内に存在する。ねじ29の上流側にあるスペーサ7は、ねじ孔29aのない箇所のスペーサ7よりも幅広とされる。ねじ29が保炎孔4への混合気の流入を部分的に制限する流入制限体となる。流入制限体により、保炎孔4を流れる混合気の流れの一部が阻害される。これにより、ねじ29のある部分では、袖火は小火となる。バーナ本体1の外周に生じる連続的な袖火を6か所で分割され、二次空気の拡散侵入を補助する。以上の構成により、屋外設置の暖房機器に使用しても、容易には風で火炎が吹き飛ばされない、耐風性能の高いブンゼンバーナを提供できる。また、バーナキャップ2は焼損時に交換する必要があるが、その際には安価な補修用部品として提供できる。
本多炎孔バーナを屋外用コンロに使用してもよい。図10、11に示すように、多炎孔バーナの構成は、図4に示したものと同じである。多炎孔バーナの周囲にはゴトク30が配され、鍋、釜などの被調理物の載置を可能にする。燃料は小型ボンベ31入りのLPGであり、その圧力を用いて混合管で一次空気入りの混合気を生成する。混合管10は、バーナ本体1の下部に形成された接続口6に接続され、混合気は混合管10から混合器通路5に流入する。小型ボンベ31と混合管10とを接続する配管中に、その開閉や流量調整のためのコック、弁などのガス栓32が設けられる。そして、これらの構成部品は、構造的に支える強度を有する筐体33内に収納されて、コンロが構成される。なお、筐体33は風除けの機能を有し、ガス調理器としての耐風性能を向上させている。
ゴトク30の爪は、バーナキャップ2を固定するねじ29に対向している。ねじ29のある部分の火炎は小火となるので、ゴトク30の爪に当たる火炎が弱くなる。ゴトク30の焼損が抑えられ、ゴトク30の爪によって火炎が冷却されて発生する一酸化炭素を抑制でき、熱効率を向上させることができる。
本コンロでは、バーナ自体の耐風性能が高いので、風除けを簡略化することができ、ガス調理器の小型軽量化に資することができる。更には、調理が失火で中断することが無いので、風の強い場所においても調理の失敗を心配することなく、安心して利用できる。
1 バーナ本体
2 バーナキャップ
3 主炎孔
4 保炎孔
5 混合気通路
6 接続口
7 スペーサ
20 台座
21 ポール
23 傘
24 多炎孔バーナ
25 放射板
26 カバー
29 ねじ
30 ゴトク

Claims (7)

  1. 燃料と空気との混合気を多数の炎孔に導く混合気通路を有するバーナ本体と、バーナ本体の端部を覆うことにより混合気が混合気通路から炎孔以外に漏出することを防ぐバーナキャップとを備えた多炎孔バーナであって、バーナ本体に、混合気通路と外部を連通する多数の主炎孔および保炎孔が設けられ、主炎孔は、バーナ本体の端縁に混合気通路から外部に向かって溝状に形成され、保炎孔は、主炎孔よりもバーナキャップ側に位置し、バーナ本体の端縁を取り巻くように連続的に開口するとともに主炎孔に連通するように形成され、バーナ本体に、混合気通路から保炎孔に流入する混合気に対して流動抵抗を持たせるために保炎孔の上流側にスペーサが設けられ、スペーサは、混合気が直接保炎孔に流入しないように、隣り合う主炎孔の間で保炎孔と混合気通路との間を塞ぐように形成され、バーナ本体の端縁に対向するバーナキャップの周縁は平坦とされ、バーナキャップの周縁がスペーサの上に載置されたことを特徴とする多炎孔バーナ。
  2. バーナ本体が回転対称に形成され、各主炎孔がバーナ本体の上端縁に開口するように配置され、保炎孔が主炎孔の上方に位置することを特徴とする請求項記載の多炎孔バーナ。
  3. 保炎孔内でスペーサの下流側に流入制限体が設けられ、保炎孔への混合気の流入が部分的に制限されていることを特徴とする請求項1または2記載の多炎孔バーナ。
  4. バーナが、燃料の供給圧力を利用して、エジェクターにて一次空気を吸引・混合する混合管を備えた層流部分予混合バーナであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の多炎孔バーナ。
  5. 立ち消えを検知するための火炎検知部が複数設けられたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の多炎孔バーナ。
  6. 多炎孔バーナを用いた暖房機器であって、多炎孔バーナは、燃料と空気との混合気を多数の炎孔に導く混合気通路を有するバーナ本体と、バーナ本体の端部を覆うことにより混合気が混合気通路から炎孔以外に漏出することを防ぐバーナキャップとを備え、バーナ本体に、混合気通路と外部を連通する多数の主炎孔および保炎孔が設けられ、主炎孔は、バーナ本体の端縁に混合気通路から外部に向かって溝状に形成され、保炎孔は、主炎孔よりも燃焼ガスの主流方向下流側に位置し、バーナ本体の端縁を取り巻くように連続的に開口するとともに主炎孔に連通するように形成され、多炎孔バーナのバーナキャップの上方に放射板が配され、円筒状に形成された放射板の外周面に、円周方向に切り起こした通風孔が多数形成され、放射板の内側下方に多炎孔バーナが組み込まれ、多炎孔バーナによって加熱された放射板の外周面から赤外線を放射することを特徴とする暖房機器。
  7. バーナ本体に、混合気通路から保炎孔に流入する混合気に対して流動抵抗を持たせるために保炎孔の上流側にスペーサが設けられ、スペーサは、混合気が直接保炎孔に流入しないように、隣り合う主炎孔の間で保炎孔と混合気通路との間を塞ぐように形成され、バーナ本体の端縁に対向するバーナキャップの周縁は平坦とされ、バーナキャップの周縁がスペーサの上に載置されたことを特徴とする請求項6記載の暖房機器。
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