JP7280715B2 - ねじ締め装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークにねじを締結するねじ締め装置に関する。
従来のねじ締め装置は、特許文献1および特許文献2に開示されており以下に説明する。
まず、特許文献1に開示の従来のねじ締め装置は、ねじに係合するビットを回転駆動可能なねじ締めツールと、前記ビットに加わる外力を検出可能な力センサと、ねじ締めツールおよび力センサを任意の位置へ移動自在なアームと、前記力センサにより検出した検出押付力および予め設定した設定押付力に基づいて前記アームを力制御する力制御装置とを備えて成る。また、前記ねじ締めツールは、ビットに直結され当該ビットに回転付与可能なビット回転モータを備えて成り、前記力センサは、ビットに加わった軸方向に作用する押付力を検出するよう構成されている。これにより、特許文献1に開示の従来のねじ締め装置は、ねじがワークに接触してから正常に締付けられるまでの間、ビットに付与する押付力を一定または増加するよう前記設定押付力に基づいて力制御できる。よって、ねじの螺入時おけるビットの押付力をワークやねじの特性に合わせて出力できるという特徴がある。
次に、特許文献2に開示の従来のねじ締め装置は、ねじを吸着保持可能なビットと、このビットを軸方向へ付勢する圧縮ばねと、前記ビットに回転を付与するビット回転モータと、このビット回転モータに対する前記ビットの相対的な位置を検出する位置検出部と、前記ビット回転モータを所定位置へ移動自在なアームと、このアームの移動制御および前記ビット回転モータの回転制御を可能とする制御装置とを備える。また、前記位置検出部は、回転するビットの軸周りに配置されており、当該ビットの相対移動に合わせて軸方向に摺動可能な検出体と、前記ビットの相対移動量を計測する変位センサとを備えて成る。このように構成された特許文献2に開示の従来のねじ締め装置は、圧縮ばねの撓み解消によって螺入しているねじにビットを追従させることができるので、ねじの螺入状態に併せて前記アームを細やかに位置制御する必要が無く、当該アームを所定の位置に留める簡単な制御でよいという特徴がある。また、特許文献2に開示の従来のねじ締め装置は、ビットを軸方向へ付勢しかつ当該軸方向への相対移動を許容する圧縮ばねを具備するので、ビットに保持されたねじをワークへ当接させる時に発生する衝撃力が当該圧縮ばねの撓みによって低減するという特徴もある。
特許第5565550号 特許第6397510号
しかしながら、特許文献1に開示された従来のねじ締め装置は、前記ビットとビット回転モータとを直結しているので、ねじをワークへ当接させた際に生じる軸方向の衝撃力が当該ビットおよびビット回転モータへ伝達される。したがって、ビットおよびビット回転モータに内蔵された部品が当該衝撃力によって破損し易いという問題があった。また、このような高い衝撃力を生じることがないよう前記ビットの移動速度を低く設定することも考えられるが、この場合、ビットの移動に時間を要することから1サイクル当たりの作業時間が増大するという問題もあった。
一方、特許文献2に開示された圧縮ばねを備える従来のねじ締め装置は、前記圧縮ばねの撓みによってビットをビット回転モータに対し相対移動可能にするので、ねじとワークとの当接時に発生する衝撃力を緩和することができる。このように衝撃力の緩和を目的とする圧縮ばねは、相応の柔軟性を有する必要があり、あまり強固な弾性特性のものを採用できない。従って、柔軟性を有する圧縮ばねが所定量撓んだことを契機に前記ビット回転モータを駆動したい場合、圧縮ばねに付勢されるビットを緩やかにワークに近づけなければならないことから、前記圧縮ばねを備えたものであってもねじ締め作業を短時間に終え難いという問題もあった。また、前記圧縮ばねは、上述したように柔軟性を有することからその撓み量が僅かな力の変化で変動し易いため、当該圧縮ばねの撓み量を制御パラメータとして利用する場合には、その変動の影響で高さ位置を含む制御が安定しなくなる等の問題も発生していた。
さらに、特許文献2に開示された従来のねじ締め装置は、ワークへねじを螺入し始めてから締結を完了するまでの間、圧縮ばねの撓み解消によって前記ビットを相対移動させるので、圧縮ばねを螺入開始前にねじの首下長さ以上に撓ませておく必要がある。つまり、首下長さの長いねじを締結する場合、圧縮ばねの十分な撓み量を確保しておく必要があるのでねじ締めツールの全長が長くなってしまうという問題もあった。また、特許文献2に開示された従来のねじ締め装置は、回転するビットの軸周りに位置検出部を配置しているので、突起部を有するワークなどの場合、前記位置検出部が前記突起部に干渉してねじを締結できないなど特に狭い箇所へのねじ締め作業に対応し難いという問題もあった。
本発明に係るねじ締め装置は、ねじに嵌合するビットおよび当該ビットを回転駆動可能なビット回転モータを備え、前記ビットは、ビット回転モータに対して軸方向に所定量相対移動可能かつ所定の弾性を有する緩衝手段によって常時軸方向に付勢して設けられているねじ締めツールと、このねじ締めツールを軸方向へ移動操作可能な移動ユニットとを備えて成るねじ締め装置において、前記ねじ締めツールおよび前記移動ユニットは、移動ユニットに対してねじ締めツールを相対移動自在に支持するツール支持ユニットを介して連結されており、前記ツール支持ユニットは、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動に伴って弾性変形し当該ねじ締めツールを軸方向へ付勢する付勢手段と、前記緩衝手段が弾性変形することにより、前記ビットが相対移動限界位置まで移動後、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動状態に応じた信号を発する相対移動検出手段とを具備して成ることを特徴とする。
また、前記相対移動検出手段は、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動量を検出する変位センサであることが好ましい。
さらに、前記ねじ締めツールおよび移動ユニットの作動を制御する制御ユニットを設け、この制御ユニットは、ねじ込むねじの1回転当たりの軸方向移動量およびビットの回転速度に基づいて算出した同期速度と、この同期速度よりも高速のアプローチ速度とを予め記憶し、前記ねじ締めツールの軸方向移動速度がアプローチ速度となるよう移動ユニットを制御するとともに、前記相対移動検出手段から出力された信号に基づきねじ締めツールの前記軸方向移動速度が同期速度に切り替わるよう移動ユニットを制御するよう構成されていることが好ましい。
また、前記制御ユニットは、ねじ締めが完了した時点における移動ユニットの現在位置を取得してこれを予め設定されたねじ締め完了位置と照合するとともに、相対移動検出手段の信号を取得してこれを予め設定された相対移動完了基準量と照合し、これらの照合結果からねじのねじ込み量の良否を判定するよう構成されていることが好ましい。
さらに、前記ねじ締め完了位置は、移動ユニットに対してねじ締めツールが所定量相対移動した状態にある位置に設定されていることが好ましい。
本発明に係るねじ締め装置は、移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動状態を検出するようになっているので、ビットの軸周りの構造を簡素化でき、相対移動検出手段をビットから離して配置することができる。これにより、深い座繰り穴を有するワークなどであっても前記相対移動検出手段が座繰り穴の内壁に干渉することがないことから、狭い箇所へのねじ締め作業にも対応できるという利点がある。
また、前記付勢手段は、ねじ締めツールを移動ユニットに対して相対移動可能に付勢しているので、前記ビットをビット回転モータに直結したものであっても、ねじとワークとの当接による衝撃力を緩和できるという利点もある。
さらに、前記緩衝手段は、ビットが相対移動限界位置まで移動した後に弾性変形を開始し、前記付勢手段に先行して弾性変形を生じるため、ねじの螺入中にビットおよびねじ締めツールの相対移動が同時に発生しない。つまり、ねじ締めツールの相対移動がビットの相対移動後に開始されるので、締結後のねじ浮き判定などをビットおよびねじ締めツールの双方の相対移動に基づいて行う必要が無い。よって、ねじ締めツールの相対移動量のみ検出可能な相対移動検出手段を1台設置すればよいので、ねじ締め装置のコストを低減できるという利点もある。
また、相対移動検出手段は、ねじ締めツールの相対移動量を検出する変位センサであるため、検出した相対移動量を数値として扱え、しかも当該相対移動量がねじの浮き量と同じ軸方向の位置関係となる。よって、相対移動検出手段を搭載したねじ締め装置は、高精度なねじ浮き判定を行えるという利点もある。
さらに、前記制御ユニットは、ねじを螺入している際、ねじ締めツールの相対移動を生じるアプローチ速度から前記相対移動を生じ難い同期速度へ切り替え制御しているので、ビットの押圧力をねじ螺入時から徐々に高め、前記同期速度へ切り替え後からはほぼ一定に制御できる。よって、ねじを螺入する当初から強く押圧しないので、即座にめねじに噛み込んでねじ浮きとなるような問題を生じ難く、さらに着座時に必要以上の押圧力を掛けないよう規制できるという利点もある。また、ねじ締めツールの相対移動した距離と付勢手段の付勢力とが相関関係にあるので、前述のように移動ユニットの移動速度をアプローチ速度から同期速度へ切替制御することは、付勢手段の付勢力に基づく切替制御ともいえる。したがって、ねじをワークへ押し付けた状態でなければ低速の同期速度へ切り替えないので、高さのバラツキにより低い表面高さのワークへのねじ締めであれば、移動ユニットの高さ位置を基準に切り替え制御するものに比べると1サイクル当たりの作業時間を短縮できるという利点もある。
しかも、前記制御ユニットは、ねじ締めが完了した時点における移動ユニットの現在位置を取得してこれを予め設定されたねじ締め完了位置と照合するとともに、相対移動検出手段の信号を取得してこれを予め設定された相対移動完了基準量と照合し、これらの照合結果からねじのねじ込み量の良否を判定するよう構成されているので、移動ユニットの現在位置のみを基準に判定するものに比べ、高精度なねじ浮き判定が行えるという利点もある。
また、前記ねじ締め完了位置は、ねじ締めツールを所定量相対移動した状態、つまり付勢手段を所定量撓ませた状態にしてティーチングにより設定されているため、ワークの高さが通常よりも低い場合、その高さの差を付勢手段の撓みの解消によって吸収できるという利点もある。
本発明に係るねじ締め装置の動作を説明するための動作説明図であり、原位置状態を示すものである。 図1から動作を進めビットを回転駆動させる高さ位置となる高速移動位置まで可動部を下降させた時点を示す動作説明図である。 図2から動作を進めねじの先端をワークに当接させた時点を示す動作説明図である。 図3から動作を進め弱ばねを撓ませ始めた時点を示す動作説明図である。 図4から動作を進め弱ばねを完全に撓ませた時点を示す動作説明図である。 図5から動作を進め強ばねを撓ませ始めた時点を示す動作説明図である。 図6から動作を進めねじを所定の締め付けトルクにより締結した時点を示す動作説明図である。
本発明に係るねじ締め装置1は、図1ないし図7に示すように、ねじNを嵌合可能なビットBに回転を付与するねじ締めツール10と、このねじ締めツール10を軸方向へ相対移動自在に支持して成るツール支持ユニット20と、このツール支持ユニット20を軸方向へ往復移動させかつ当該往復移動した位置情報を適宜発信する移動ユニット30と、この移動ユニット30およびねじ締めツール10を駆動制御してワークWへねじNを締結する制御ユニット40とを備える。
前記ねじ締めツール10は、回転駆動可能なビット回転モータMと、このビット回転モータMの出力軸に取り付けられた軸継手11と、この軸継手11に接続された前記ビットBとを備える。
前記ビット回転モータMは、ビットBに付与された負荷トルクに対応する負荷電流を検出して適宜制御ユニット40へ送信するよう構成されている。
前記軸継手11は、前記ビットBを軸方向へ摺動自在に支持するとともに一体に回転可能に配して成り、前記ビットBを軸方向へ常時付勢する緩衝手段を具備して成る。
前記ビットBは、ねじNに嵌合可能な嵌合部Rを備え、図示しないマグネットを備えるかあるいはエア吸引機構に接続されて成り、前記嵌合部Rに嵌合したねじNを吸着保持可能に構成される。
前記緩衝手段は、前記ビットBに加わる軸方向の外力に応じて軸方向へ弾性変形するよう構成されており、極めて弱い外力によって撓み始める弾性特性を備えた弱ばねS1として構成される。なお、前記ビット回転モータMに対してビットBが相対移動できない状態を図5ないし図7に示すが、このように弱ばねS1が撓み切った状態を相対移動限界位置として説明する。
前記ツール支持ユニット20は、前記移動ユニット30に対するねじ締めツール10の相対移動に伴って弾性変形し当該ねじ締めツール10を軸方向へ付勢する付勢手段と、前記移動ユニット30に対するねじ締めツール10の相対移動状態を検出する相対移動検出手段とを備える。
前記ツール支持ユニット20は、後記可動部34にねじ止めされた第一ブラケット24と、この第一ブラケット24に連結された第二ブラケット21と、この第二ブラケット21に配され軸方向へ摺動自在な摺動部材22と、この摺動部材22に取り付けられ前記ビット回転モータMを固定支持するツール取付部材23とを備える。
前記付勢手段は、軸方向へ圧縮されることで撓む弾性を有する強ばねS2で構成されており、この強ばねS2は、前記弱ばねS1よりも高い弾性特性を備えて成る。また、前記強ばねS2は、弱ばねS1を最も撓ませた後、すなわちビットBの相対移動を完全に終えた前記相対移動限界位置でなければ、その弾性変形を開始しないという高い弾性特性に設定されている。さらに、強ばねS2は、前記第一ブラケット24と前記ツール取付部材23との間に配置され、ツール取付部材23をワークWへ向かうよう付勢して成る。
前記相対移動検出手段は、ビットBの軸周りおよびビットBの高さ位置から前記ビット回転モータM側へ離されて配置されている。
また、前記相対移動検出手段は、軸方向へ摺動する接触子25aを具備した変位センサ25であり、前記第一ブラケット24に取り付けられ、前記接触子25aは、前記強ばねS2により付勢されたツール取付部材23に当接するよう配されている。また、変位センサ25は、ねじ締めツール10の移動ユニット30に対する相対移動距離を検出し、この検出した相対移動検出量を制御ユニット40へ適宜送信可能に構成されている。
前記移動ユニット30は、回転駆動するZ軸モータ31と、このZ軸モータ31に連結されたボールねじ軸32と、このボールねじ軸32に螺合された可動ナット33と、この可動ナット33を回転自在に配した可動部34とを備え、前記Z軸モータ31が制御ユニット40に接続されて成る。
前記可動部34は、前記Z軸モータ31の回転駆動によって前記ボールねじ軸32の延びる軸方向へ往復移動可能に構成されており、前記ツール支持ユニット20を取り付けて成る。これにより、ねじ締めツール10は、前記ツール支持ユニット20とともに軸方向へ往復移動することができる。
前記制御ユニット40は、外部機器に指令を発したり当該外部機器から各種信号を受信する送受信部41と、動作プログラム等を記憶して成る記憶部42と、前記送受信部41および記憶部42の情報に基づき演算を行うとともに当該演算結果を比較判定する制御部43とから構成される。
前記送受信部41は、前述した外部機器の一例であるビット回転モータM、Z軸モータ31、前記相対移動検出手段を接続しており、これら外部機器から発せられた信号を受け取るとともに、前記ビット回転モータMおよびZ軸モータ31へ駆動指令を発するよう構成されている。
前記記憶部42は、一連のねじ締めを行うために必要な前記動作プログラムと、前記可動部34の位置および速度制御に必要な設定位置および設定速度と、前記ビット回転モータMの回転制御に必要な設定負荷電流および設定回転速度と、前記ボールねじ軸32のリードに基づく1回転当たりの可動部34の移動距離と、締結するねじNのリードに基づく1回転当たりの軸方向へ進む移動距離とを記憶して成る。
前記可動部34の設定位置は、ねじ締め開始前の原位置から下降する際の目標位置である高速移動位置であり、この高速移動位置は、前記ビットBに嵌合したねじNの先端がワークWに当接していない高さ位置になるように設定されている。
前記可動部34の設定速度は、前記原位置から前記高速移動位置までの区間を下降させる高速移動速度と、この高速移動速度から速度を下げて下降させるアプローチ速度と、このアプローチ速度からさらに速度を下げてワークWへ螺入中のねじNに同期して下降させる同期速度と、ねじNの締結を終えた後に前記可動部34を原位置へ復帰させる復帰速度とから成る。
前記ビット回転モータMの設定負荷電流は、正常なねじNをワークWに着座させるために必要なトルクに相当する仮締め負荷電流と、ねじNの締付けを完了させる締付けトルクに相当の本締め負荷電流との2種であり、これらが前記記憶部42に記憶されている。
前記ビット回転モータMの設定回転速度は、当該ビット回転モータMの回転開始から前記仮締め負荷電流に到達するまでの区間となる仮締め回転速度と、前記仮締め負荷電流に到達してから前記本締め負荷電流に到達するまでの区間となる本締め回転速度とから成る。
また、前記記憶部42は、正常にねじNの締結を完了すべき高さ位置であるねじ締め完了位置と、ねじ締結後のねじ浮き判定処理に必要な相対移動完了基準量とを記憶している。これらねじ締め完了位置および相対移動完了基準位置は、何れも予めのティーチングによって設定されており、ワークWに締結されたねじNにビットBを嵌合させて、さらに、ねじ締めツール10を可動部34に対して所定量だけ相対移動させた状態にしておき設定されるものである。具体的には図7に示す状態を再現する形で設定されている。
前記ねじ締め完了位置は、前記Z軸モータ31から発せられる回転パルスと、記憶部42に記憶されたボールねじ軸32のリードに基づく1回転当たりの可動部34の移動距離とに基づいて演算された可動部34の高さ位置である。
一方、前記相対移動完了基準量は、前記相対移動検出手段から出力される相対移動検出量であり、図7の状態に再現し得られる相対移動距離である。また、この相対移動完了基準量は、前述のねじ浮き判定処理のみならず、前記可動部34の速度をアプローチ速度から同期速度へ切り替える速度切替情報としても扱われている。
なお、本実施形態において、原位置は0mm、高速移動位置は-30mm、ねじ締め完了位置は-40mm、ねじNのリードに基づく1回転当たりの軸方向へ進む移動距離は1mm、ボールねじ軸32のリードに基づく1回転当たりの可動部34の移動距離は20mm、仮締め回転速度は240回転/分、本締め回転速度は50回転/分、高速移動速度は400mm/秒、アプローチ速度は40mm/秒、同期速度は4mm/秒(=ねじNのリードに基づく1回転当たりの軸方向へ進む移動距離1mm×仮締め回転速度/60秒)、復帰速度は600mm/秒、相対移動完了基準量は1.5mmに設定されている。
このように構成されたねじ締め装置1の作用を以下に説明する。図示しない作業者などの操作により発信されるねじ締め開始信号が前記送受信部41を介して制御部43へ送信される。これにより、制御部43は、記憶部42から高速移動速度および高速移動位置を読み出すとともに、前記高速移動速度に基づきZ軸モータ31を駆動制御する。よって、図1に示すよう原位置で待機していた可動部34は、前記高速移動速度である400mm/秒の速度で前記高速移動位置に向かうようワークWへ向かって高速下降し始める。
前記制御部43は、Z軸モータ31から発せられる回転パルスと、記憶部42に記憶されたボールねじ軸32のリードに基づく1回転当たりの可動部34の移動距離とに基づいて可動部34の現在位置を演算するとともに、この演算した現在位置と記憶部42に記憶された高速移動位置とを比較する。
前記制御部43は、図2に示すように可動部34の現在位置が高速移動位置に到達すれば、記憶部42からアプローチ速度および仮締め回転速度を読み出し、前記送受信部41を介してアプローチ速度に基づきZ軸モータ31を駆動制御するとともに、仮締め回転速度によりビット回転モータMを駆動制御する。これにより、前記可動部34およびねじ締めツール10は、前記高速移動速度よりも低くかつ前記同期速度である4mm/秒よりも高いアプローチ速度の40mm/秒の速度で下降し、前記ねじNを吸着保持したビットBが仮締め回転速度の240回転/分で回転する。
前記アプローチ速度で下降しつつ仮締め回転速度で回転するねじNは、やがて図3に示すようにワークWに当接して、この後、めねじWaの位相と一致することで螺入され始める。
このように、ねじNがワークWに当接してめねじWaとの位相を一致させるまでの間、前記ビットBは、ワークWの表面付近から高さ位置をほぼ変えることなく空転するものの、前記可動部34は、前記アプローチ速度で下降しているので、図4に示すように、前記弱ばねS1を撓ませる。したがって、弱ばねS1を備えるねじ締めツール10は、ワークWにねじNの先端を当接させた際に生じる軸方向の衝撃力を低減できる。
また、前記ねじNは、図5に示すように、めねじWaの位相に一致し螺入され始めると、当該ねじNのリードに基づく1回転当たりの軸方向へ進む移動距離および仮締め回転速度によって決定する前記同期速度と同じ速度で下降するものの、この時も可動部34は、前記同期速度よりも高いアプローチ速度によって下降する。
したがって、前記ビットBは、ねじNをめねじWaへ螺入している間において、前記同期速度に等しい当該ねじNの下降速度と可動部34のアプローチ速度との速度差によってビット回転モータMに対して相対移動する。これにより、ビットBは、弱ばねS1を最も撓ませ前記相対移動限界位置に位置し、ビット回転モータMに対する相対移動を終える。
また、このようにビットBの相対移動が完了した後も、前記可動部34は引き続きアプローチ速度により下降しているので、図6に示すように、前記強ばねS2がようやく撓み始める。つまり、この強ばねS2の撓み量がねじ締めツール10の可動部34に対する相対移動量となり、この相対移動検出量が前記変位センサ25から制御ユニット40へ出力される。
前記制御部43は、前記相対移動検出量と前記相対移動完了基準量とを比較し、当該相対移動検出量が前記相対移動完了基準量に到達すると、記憶部42から前記同期速度を読み出し、送受信部41を介してZ軸モータ31を当該同期速度に基づき駆動制御する。これにより、可動部34は、ねじNを螺入中のねじ締めツール10とほぼ同一の速度で下降するので、この同期速度で下降する間、前記強ばねS2の撓み量の変化がほぼ無い。したがって、ねじNがめねじWaに螺合し前記同期速度によって螺入される区間においては、当該ねじNは、ほぼ一定の押付力を付与されつつ図7に示すように着座する位置まで螺入される。
このように、本発明に係るねじ締め装置1は、ねじNをワークWへ螺入している間、当初は前記弱ばねS1を徐々に撓ませ、その後、強ばねS2を撓ませるので、ビットBの押付力をねじNの螺入開始から徐々に高めることができ、さらに、前記強ばねS2の撓み量が所定量に達すれば、ここから着座するまでの区間、前記押付力を一定にできる。したがって、本発明に係るねじ締め装置1は、従来のようにねじの螺入開始から着座までのビットBの押付力を一定にするものや、ねじNの螺入を進めるに従い押付力を減少させる従来のものに比べて、螺入開始時点の高い押圧力によるねじNの噛み込みや焼き付きなどが発生させ難いという利点がある。
前記制御部43は、前記送受信部41を通じてビット回転モータMから出力される検出負荷電流を読み込み、当該検出負荷電流と記憶部42の仮締め負荷電流とを比較する。この比較により前記検出負荷電流が仮締め負荷電流に到達すれば、制御部43は、ビット回転モータMを前記本締め回転速度により駆動制御するとともに、Z軸モータ31を回転停止指令し可動部34を位置決めする。よって、前記ビットBは、ワークWに着座したねじNへさらに回転力を付与する。
前記制御部43は、前記検出負荷電流と前記本締め負荷電流とを比較し、当該検出負荷電流が本締め負荷電流に到達すれば、ビット回転モータMおよびZ軸モータ31をそれぞれ回転停止するよう送受信部41を介して指令する。このように、ねじNを前記締付けトルクになるよう締結を終えた時点が図7に示す状態である。
続いて、前記制御部43は、前記可動部31の現在位置を演算するとともに、当該現在位置および前記ねじ締め完了位置を比較し、これら2位置を比較した結果、許容される範囲内であれば次の処理を進める。なお、前述の現在位置およびねじ締め完了位置の差が許容範囲外であれば、制御部43からねじ浮きしている旨の信号が外部へ出力される。
この後、制御部43は、変位センサ25の相対移動検出量および相対移動完了基準量を比較し、これら2位置を比較した結果、許容される範囲内であれば次の処理を進める。なお、前述の相対移動検出量および相対移動完了基準量の差が許容範囲外であれば、制御部43からねじ浮きしている旨の信号が外部へ出力される。
このように制御部43は、可動部34の現在位置および変位センサ25の相対移動検出量の2種の高さ寸法に基づいねじ浮き判定を処理している。
制御部43は、ねじ浮き判定を終えればねじ締めツール10を元の高さ位置へ復帰させるために、記憶部42から復帰速度を読み出して復帰速度に基づきZ軸モータ31を駆動制御する。これにより、可動部34は、原位置へと移動を始め、強ばねS2の撓みを解消させた後、弱ばねS1の撓みを解消して図1に示す原位置まで復帰する。
1 … ねじ締め装置
10 … ねじ締めツール
20 … ツール支持ユニット
25 … 変位センサ
30 … 移動ユニット
40 … 制御ユニット
S1 … 弱ばね
S2 … 強ばね

Claims (5)

  1. ねじに嵌合するビットおよび当該ビットを回転駆動可能なビット回転モータを備え、前記ビットは、ビット回転モータに対して軸方向に所定量相対移動可能かつ所定の弾性を有する緩衝手段によって常時軸方向に付勢して設けられているねじ締めツールと、このねじ締めツールを軸方向へ移動操作可能な移動ユニットとを備えて成るねじ締め装置において、
    前記ねじ締めツールおよび前記移動ユニットは、移動ユニットに対してねじ締めツールを相対移動自在に支持するツール支持ユニットを介して連結されており、
    前記ツール支持ユニットは、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動に伴って弾性変形し当該ねじ締めツールを軸方向へ付勢する付勢手段と、前記緩衝手段が弾性変形することにより、前記ビットが相対移動限界位置まで移動後、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動状態に応じた信号を発する相対移動検出手段とを具備して成ることを特徴とするねじ締め装置。
  2. 前記相対移動検出手段は、前記移動ユニットに対するねじ締めツールの相対移動量を検出する変位センサであることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  3. 前記ねじ締めツールおよび移動ユニットの作動を制御する制御ユニットを設け、この制御ユニットは、ねじ込むねじの1回転当たりの軸方向移動量およびビットの回転速度に基づいて算出した同期速度と、この同期速度よりも高速のアプローチ速度とを予め記憶し、前記ねじ締めツールの軸方向移動速度がアプローチ速度となるよう移動ユニットを制御するとともに、前記相対移動検出手段から出力された信号に基づきねじ締めツールの前記軸方向移動速度が同期速度に切り替わるよう移動ユニットを制御するよう構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ締め装置。
  4. 前記制御ユニットは、ねじ締めが完了した時点における移動ユニットの現在位置を取得してこれを予め設定されたねじ締め完了位置と照合するとともに、相対移動検出手段の信号を取得してこれを予め設定された相対移動完了基準量と照合し、これらの照合結果からねじのねじ込み量の良否を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項に記載のねじ締め装置。
  5. 前記ねじ締め完了位置は、移動ユニットに対してねじ締めツールが所定量相対移動した状態にある位置に設定されていることを特徴とする請求項に記載のねじ締め装置。
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