JP7278932B2 - 検査用容器 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、検査用容器に関する。
生体試料から抽出された検体に対して各種分析を行うために用いられる検査用カートリッジ、分析チップなどの検査用容器が知られている。
特許文献1には、一方の面に複数の凹部を備えた弾性部材を、その凹部が基板側となるように、基板と重ねて構成された、液体を収容する複数のウェル(液体収容部)と、ウェル間を接続する流路とを備えた化学処理用カートリッジが開示されている。特許文献1では、ローラーをカートリッジの弾性部材に押し付けながら回転させることで、弾性部材が弾性変形し、弾性変形したウェル中の液体が押し出されてそのウェルに接続した流路を介して隣接するウェルに移動される方法が開示されている。
特許文献2には、壁体に囲まれて形成された液体槽(液体収容部)の容積を変化させることによって、液体槽に満たされた液体を液体槽に連結された流路に送る送液機構および送液機構を備えた分析装置が開示されている。
特開2007-101428号公報 特開2003-166910号公報
例えば、核酸抽出を行い分析に供するための検査用容器としては、送液方向の上流から下流に向かって少なくとも3つの収容部を備え、3つのうちの中間に配置された収容部から下流側の収容部に送液する際に、上流側の収容部への液戻りを生じさせないように送液可能な検査用容器が求められる。
特許文献1は、液体を収容している収容部に対して上流側は押しつぶされて流路が塞がれた状態で下流側に送液するため、上流側への液戻りは生じない。しかし、特許文献1では上流側の収容部に収容されている液体はすべて下流側に移動させることを前提としており、上流側の収容部の液体を残したまま、次工程に進む態様には適用できない。一方、特許文献2では、2つの収容部間における送液についてのみ検討しており、上流および下流の両方に流路が接続された収容部から下流側に優先的に送液する手法については検討されていない。
また、特許文献1、2に記載の検査用容器は、いずれも液体収容部を繋ぐ流路が、液体収容部の下端において互いを連通するように配置構成されているため、外力を加えない場合にも毛細管力等により液体が流路を通って隣接する収容部に流れ込む恐れがある。
本開示の技術は、上記事実を考慮し、液体を収容する少なくとも3つの収容部を備え、3つのうちの中央の収容部に収容されている液体を下流側の収容部に送液する際の、上流側の収容部への液戻りを抑制可能検査用容器を提供することを目的とする。
本開示の検査用容器は、それぞれ液体を収容可能な第1収容部、第2収容部および第3収容部、第1収容部と第2収容部とを互いの上端位置で連通する第1流路、並びに第2収容部と第3収容部とを互いの上端位置で連通する第2流路を内部に備え、少なくとも第2収容部の上壁面を構成する部分に、第2収容部の内部に向かって変形可能な可撓性を有する容器本体と、
第2収容部の上壁面を構成する部分が第2収容部の内部に向って変形されることで第2収容部に収容された液体を、第2流路を介して第3収容部に送液する際に、第1収容部への液体の逆流を抑制する液戻り防止構造とを備えた検査用容器である。
本開示の検査用容器においては、容器本体が、第1収容部、第1流路、第2収容部、第2流路、および第3収容部の各々を形成する部分が開口した本体部と、第2収容部の上壁面を構成する部分を含む上蓋部材とを備え、上蓋部材で本体部の開口を覆うことにより、内部に第1収容部、第1流路、第2収容部、第2流路および第3収容部を形成したものであってもよい。
本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造が、第2収容部の内底面から第1流路の内底面までの高さが第2収容部の内底面から第2流路の内底面までの高さよりも高く構成された構造を含むことが好ましい。
本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造が、第2収容部の内底面から第1流路の内底面までの高さが第2収容部の内底面から第2流路の内底面までの高さよりも高く構成された構造を含む場合、第1流路の内底面と第2収容部との段差部における、第1流路の内底面と第2収容部の内側面とのなす角が、鋭角であることが好ましい。
本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造が、第1流路の内面の水接触角が第2流路の内面の水接触角よりも大きく設定された第1流路および第2流路の構造を含むことが好ましい。
本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造が、第1流路の第2収容部側に設けられた、第2収容部の内底面から2以上の段を含む階段部の構造を含むことが好ましい。
本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造が階段部の構造を含む場合、階段部の少なくとも1つの段を構成する内底面と内側面とのなす角が、鋭角であることが好ましい。
本開示の検査用容器においては、核酸の検査を行うためのクロマトグラフ担体と、クロマトグラフ担体を収容する担体収容部とをさらに備えていてもよい。
本開示の検査用容器においては、第1収容部が、磁性粒子を含む第1液体を収容し、第1流路が、第1液体から分離された分離磁性粒子を通過させ、第2収容部が、分離磁性粒子を収容するものであってもよい。
本開示の技術によれば、液体を収容する少なくとも3つの収容部を備えた検査用容器において、3つのうちの中央の収容部に収容されている液体を下流側の収容部に送液する際の、上流側の収容部への液戻りを抑制可能である。
検査用容器1の概略構成を示す分解斜視図である。 検査用容器1の概略構成を示す断面図である。 検査用容器1の本体部の概略構成を示す平面図である。 検査用容器1を備えた送液装置および送液方法を示す図である。 変形例の検査用容器1Aの概略構成を示す断面図である。 検査用容器2の概略構成を示す分解斜視図である。 検査用容器2の概略構成を示す断面図である。 検査用容器2の本体部の概略構成を示す平面図である。 検査用容器3の概略構成を示す分解斜視図である。 検査用容器3の概略構成を示す断面図である。 検査用容器3の本体部の概略構成を示す平面図である。 変形例の検査用容器3Aの概略構成を示す断面図である。 検査用容器4の概略構成を示す断面図である。 検査用容器5の概略構成を示す断面図である。 検査用容器6の概略構成を示す断面図である。 核酸抽出検査装置100の概略構成図である。 検査用容器の分解斜視図と分注機の要部を示す図である。 検査用容器の断面図と磁石とを示す図である。 検査用容器の断面図と押圧機の要部を示す図である。 実施例、比較例の検査用容器の概略構成を示す断面図である。 実施例、比較例の検査用容器の概略構成を示す平面図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、以下の説明で用いる前方、後方、上方、下方、左方および右方は、それぞれ、各図において「FR」、「RR」、「UP」、「DO」、「LH」、「RH」にて示す矢印方向に対応する。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、容器の利用上FR側が上流、RR側が下流である。また、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜変更している。
「第1実施形態の検査用容器」
第1実施形態に係る検査用容器1について説明する。図1は、検査用容器1の概略構成を示す分解斜視図である。図2は、検査用容器1の概略構成を示す断面図である。図3は、検査用容器1の本体部12の概略構成を示す平面図である。
図1、図2および図3に示される検査用容器1は、それぞれ液体を収容可能な第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23、第1収容部21と第2収容部23とを互いの上端位置で連通する第1流路31、並びに第2収容部22と第3収容部23とを互いの上端位置で連通する第2流路32を内部に備えた容器本体10を備える。そして、容器本体10は、少なくとも第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aに、第2収容部22の内部に向かって変形可能な可撓性を有する。
本例においては、容器本体10は、本体部12と上蓋部材14とを備える。本体部12は、第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32、および第3収容部23の各々を形成する部分に開口を有する。そして、容器本体10は、上蓋部材14で本体部12の開口を覆うことにより、内部に第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32および第3収容部23を形成した構成を有する。すなわち、本体部12は、収容部21~23の各々の内底面21a~23aおよび側壁面、並びに流路31,32の各々の内底面31a、32aおよび側壁面を構成し、上蓋部材14は、収容部21~23の各々の上壁面21b~23bおよび流路31、32の各々の上壁面31b、32bを構成する。但し、内部に各収容部および各流路を備えた構成であれば、本構成に限定されない。
本例において、上蓋部材14は全体に亘って可撓性を有する。しかし、容器本体10の少なくとも第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aに、すなわち、上蓋部材14の部分14Aに、第2収容部22に向かう方向に変形可能な可撓性部を有していれば、上蓋部材14の全体が可撓性を有するものでなくてもよい。
検査用容器1は、液戻り防止構造として、第2収容部22の内底面22aから第1流路31の内底面31aまでの高さh1(以下において、「第1流路の高さh1」という)が第2収容部22の内底面22aから第2流路32の内底面32aまでの高さh2(以下において、「第2流路の高さh2」という。)よりも高く構成された構造を含む。なお、検査用容器1において、第1流路31の内底面31aの第2収容部22の内底面22aからの高さh1は、第1流路31と第2収容部22との段差部の角の第2収容部22の内底面22aからの高さで定義する。同様に、第2流路32の内底面31aの第2収容部22の内底面22aからの高さh2は、第2収容部22と第2流路32との段差部の角の第2収容部22の内底面22aからの高さで定義する。液戻り防止構造は、第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aが第2収容部22に向かう方向に変形されることで第2収容部22に収容された液体を、第2流路32を介して第3収容部23に送液する際に、第1収容部21への液体の逆流を抑制するための構造である。
検査用容器1は、第1流路31が第1収容部21と第2収容部22の上端位置に、第2流路32が第2収容部22と第3収容部23の上端位置にそれぞれ備えられているので、流路が収容部の下端もしくは深さ方向中間に備えられている場合と比較して、収容部に収容されている液体が流路に入り込み難い構造であるため、外力を加えない状態で毛細管現象等によって流路を通過してしまうのを抑制することができる。他方、第2収容部22の上部に第2収容部22の内部に向かって変形可能な部分14Aを備えているので、この部分14Aを第2収容部22の内部に変形させて第2収容部22の容積を減じることで、第2収容部22に収容されている液体を押し出し第3収容部23への送液を簡単に実現することができる。
そして、容器本体10の部分14Aが、第2収容部22に向かう方向に変形されることで、第2収容部22に収容されている液体を、第2流路32を介して第3収容部23に送液する際、第1流路31の高さh1が第2流路32の高さh2よりも高いので、第2収容部22から押し出される液体は、より低い位置に形成されている第2流路32に優先的に送液される。そのため、第1流路31への液戻りを抑制することができ、下流である第3収容部23側への送液性が高い。本構成によれば、高さh1、h2に差を設けるだけの簡単な構成で第1流路31への液戻りを抑制して第3収容部23への送液性を高めることができる。
第1流路31の高さh1と第2流路32の高さh2との差h1-h2は、第2流路32の高さh2の20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。差h1-h2が大きいほど、第2流路32への送液がより促進され、第3収容部23への送液性を高めることができる。
検査用容器1における液体の送液方法を、検査用容器1を備えた送液装置60の概略構成と共に説明する。図4は送液装置60の概略構成、および送液方法を説明するための図である。送液装置60は、検査用容器1と、押圧部としてプランジャ52を備えた押圧機50とを備えている。
押圧機50は、プランジャ52で、検査用容器1の第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aを第2収容部22内部に向かって押圧する。本例において、押圧機50は、押圧動作時にプランジャ52をガイドするシリンダ54を備えている。
図4の下図に示すように、押圧機50が、上蓋部材14の部分14Aを、第2収容部の内部に向かって押圧することにより、可撓性を有する部分14Aは第2収容部22側に変形される。これによって、第2収容部22の容積を減少させて第2収容部22中の液体を第3収容部23に送液することができる。なお、押圧機50に備えられる押圧部は、部分14Aを収容部の内部に向かって押圧することができる構成であればプランジャに限らず、棒状の押込み圧子、あるいはシリンダーなども選択することが可能である。また、先端形状に関しても、円柱、角柱、半球、円錐、多角錐、平型、あるいはくさび型などの形状を適宜選択することが可能である。
容器本体10の、第2収容部上壁面22bを構成する部分14Aは、第2収容部22の内部に向かって押込まれて第2収容部22の容積を減じることができればよく、部分14Aの全体が可撓性を有しているものに限らない。例えば、部分14Aのうちプランジャ52が直接接触する中央部は可撓性を有さず、その周りの部分にのみ可撓性を有した構成であってもよい。
部分14Aが可撓性膜で形成されている場合、あるいは、上蓋部材14全体が可撓性膜で構成されている場合、可撓性膜の破断伸度は100%以上600%以下であることが好ましく、200%以上500%以下であることがより好ましく、200%以上400%以下であることが更に好ましい。また、可撓性膜の厚みをtμm(マイクロメートル)、かつ弾性率αMPa(メガパスカル)であり、第2収容部22の深さがdμmである場合、0.03≦t/d≦2.5、かつ、2000≦α×t≦250000であることが好ましい。0.03≦t/d≦1.8、かつ、2000≦α×t≦110000であることがより好ましく、0.08≦t/d≦1.0、かつ、2000≦α×t≦50000であることがさらに好ましく、0.2≦t/d≦0.4、かつ、4000≦α×t≦20000であることが特に好ましい。
可撓性膜の材料としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィンおよびポリカーボネートなどが好適である。
上蓋部材14の第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23のそれぞれの上壁面21b、22b、23bを構成する部分には、液体を分注するための分注口が設けられていてもよい。なお、分注口は、分注時に開放されるが、それ以外の時にはシールされる構成であることが好ましい。また、上蓋部材14に分注口を設けず、それぞれの収容部21、22、23にそれぞれに液体が注入された後に、上蓋部材14を本体部12の上面に被せて接着してもよい。
本例において、第1流路31および第2流路32は第2収容部22の幅Wよりも狭い幅W1を有している。第1流路31および第2流路32の幅W1は第2収容部22の幅Wと同等であってもよいが、第1収容部21および第2収容部22の幅よりも狭い方が、より好ましい。第1流路31および第2流路32の幅W1は第1収容部21の幅Wの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。第1流路31の幅と第2流路32の幅は同一であってもよいし、同一でなくてもよい。また、本例では、第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23を同一形状としているが、これらは同一でなくてもよい。
本体部12の材料としては、公知の樹脂成型プラスチック材料であれば、特に制限なく利用できる。例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)および環状オレフィンコポリマー(COC)等のシクロオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。特に、耐熱性、透明性の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が好ましい。また、これらの樹脂の共重合体であってもよい。
第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23の大きさ(容量)は、例えば、1μL(マイクロリットル)~数100μL程度である。
(変形例)
図5に、第1実施形態の変形例の検査用容器1Aを示す。検査用容器1Aは本体部12Aと上蓋部材14とからなる容器本体10Aを備える。検査用容器1Aにおいては、第1流路31の内底面31aと、第2収容部22との段差部の第1流路31の内底面31aと第2収容部22の内側面22cとのなす角33が鋭角である。段差部の角33を鋭角とすることで、角度が90°以上である場合と比較して、第2収容部22に収容されている液体が第1流路31に進入するのをより効果的に抑制できる。これにより、第2収容部22に収容されている液体を、より優先的に第2流路32へ送液することができる。
「第2実施形態の検査用容器」
第2実施形態に係る検査用容器2について説明する。図6は、検査用容器2の概略構成を示す分解斜視図である。図7は、検査用容器2の概略構成を示す断面図である。図8は、検査用容器2の本体部12Bの概略構成を示す平面図である。
図6、図7および図8に示される検査用容器2は、それぞれ液体を収容可能な第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23、第1収容部21と第2収容部22とを互いの上端位置で連通する第1流路31、並びに第2収容部22と第3収容部23とを互いの上端位置で連通する第2流路32を内部に備えた容器本体10Bを備える。そして、容器本体10Bは、少なくとも第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aに、第2収容部22の内部に向かって変形可能な可撓性を有する。なお、図面において、第1実施形態の検査用容器1と同様の要素については同一の符号を付している。検査用容器1と同一の符号が付された要素については、検査用容器1について説明したものと同様であり、詳細な説明は省略する。以下の図面において同様とする。
本例において、容器本体10Bは、本体部12Bと上蓋部材14とを備える。本体部12Bは、第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32、および第3収容部23の各々を形成する部分に開口を有する。そして、容器本体10Bは、上蓋部材14で本体部12Bの開口を覆うことにより、内部に第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32および第3収容部23を形成した構成を有する。すなわち、本体部12Bは、収容部21~23の各々の内底面21a~23aおよび側壁面、並びに流路31,32の各々の内底面31a、32aおよび側壁面を構成し、上蓋部材14は、収容部21~23の各々の上壁面21b~23bおよび流路31、32の各々の上壁面31b、32bを構成する。但し、内部に各収容部および各流路を備えた構成であれば、本構成に限定されない。
検査用容器2は、液戻り防止構造として、第1流路31の内面の水接触角R1が第2流路32の内面の水接触角R2よりも大きく設定された第1流路31および第2流路32の構造を含む。本例では、第1流路31の内面に疎水化処理がなされた疎水化面34が形成されている。
第1流路31の内面と第2流路32との内面とに水接触角差を生じさせるには、本例のように、第1流路31の内面に疎水化処理を行う、および/または第2流路32の内面に親水化処理を行えばよい。
検査用容器2は、第1流路31が第1収容部21と第2収容部22の上端位置に、第2流路32が第2収容部22と第3収容部23の上端位置にそれぞれ備えられているので、流路が収容部の下端もしくは中間に備えられている場合と比較して、収容部に収容されている液体が流路に入り込み難い構造であるため、外力を加えない状態で毛細管現象等によって流路を通過してしまうのを抑制することができる。他方、第2収容部22の上部に第2収容部22の内部に向かって変形可能な部分14Aを備えているので、この部分14Aを第2収容部22の内部に変形させて第2収容部22の容積を減じることで、第2収容部22に収容されている液体を押し出し第3収容部23への送液を簡単に実現することができる。
そして、容器本体10Bの部分14Aが、第2収容部22に向かう方向に変形されることで、第2収容部22に収容されている液体を、第2流路32を介して第3収容部23に送液する。この際、第1流路31の内面の水接触角が、第2流路32の内面の水接触角よりも大きいので、第2収容部22から押し出される液体は、より水接触角の小さい第2流路32に優先的に送液される。そのため、第1流路31への液戻りを抑制することができ、下流である第3収容部23側への送液性が高い。本構成によれば、表面処理を施すだけの簡単な処理で第1流路31への液戻りを抑制して第3収容部23への送液性を高めることができる。
親水化処理あるいは疎水化処理等の表面処理は、それぞれの流路の内面全域に形成されていることが好ましいが、内面の一部に表面処理がなされていない部分があっても構わない。
親水化処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理などの表面改質処理、および親水性コーティング剤の塗布処理、親水性フィルムの貼合等が挙げられる。疎水化処理としては、例えば、フッ素樹脂あるいは疎水性シリカ含有樹脂等の疎水性コーティング剤の塗布処理、およびシランカップリング処理、撥水性フィルムの貼合等が挙げられる。
第1流路31の水接触角R1と第2流路32の水接触角R2との差R1-R2は10°以上であることが好ましく、20°以上が好ましく、40°以上がより好ましく60°以上がさらに好ましい。
本明細書において、水接触角は、純水の接触角である。具体的には、全自動接触角計(型番:DM-701、協和界面科学(株))を用い、雰囲気温度25℃の条件下で、流路、収容部の内面に純水を1μL滴下した後、θ/2法により接触角を測定し、5回測定して得られた値の算術平均値とする。
本検査用容器2における液体の送液方法は、第1実施形態の検査用容器1の場合と同様である。
「第3実施形態の検査用容器」
第3実施形態に係る検査用容器3について説明する。図9は、検査用容器3の概略構成を示す分解斜視図である。図10は、検査用容器3の概略構成を示す断面図である。図11は、検査用容器3の本体部12Cの概略構成を示す平面図である。
図9、図10および図11に示される検査用容器3は、それぞれ液体を収容可能な第1収容部21、第2収容部22および第3収容部23、第1収容部21と第2収容部22とを互いの上端位置で連通する第1流路31、並びに第2収容部22と第3収容部23とを互いの上端位置で連通する第2流路32を内部に備えた容器本体10Cを備える。そして、容器本体10Cは、少なくとも第2収容部22の上壁面22bを構成する部分14Aに、第2収容部22の内部に向かって変形可能な可撓性を有する。
本例においては、容器本体10Cは、本体部12Cと上蓋部材14とを備える。本体部12Cは、第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32、および第3収容部23の各々を形成する部分に開口を有する。そして、容器本体10Cは、上蓋部材14で本体部12Cの開口を覆うことにより、内部に第1収容部21、第1流路31、第2収容部22、第2流路32および第3収容部23を形成した構成を有する。すなわち、本体部12Cは、収容部21~23の各々の内底面21a~23aおよび側壁面、並びに流路31,32の各々の内底面31a、32aおよび側壁面を構成し、上蓋部材14は、収容部21~23の各々の上壁面21b~23bおよび流路31、32の各々の上壁面31b、32bを構成する。但し、内部に各収容部および各流路を備えた構成であれば、本構成に限定されない。
検査用容器3は、液戻り防止構造として、第1流路31の第2収容部22側に設けられた、第2収容部22の内底面22aから2以上の段41、42を含む階段部40の構造を含む。一方、第2流路32は階段部を備えていない。また、本例では、第1流路31の第1収容部21側にも階段部が設けられているが、第1収容部21側の階段部はなくてもよい。
検査用容器3は、第1流路31が第1収容部21と第2収容部22の上端位置に、第2流路32が第2収容部22と第3収容部23の上端位置にそれぞれ備えられているので、流路が収容部の下端もしくは中間に備えられている場合と比較して、収容部に収容されている液体が流路に入り込み難い構造であるため、外力を加えない状態で毛細管現象等によって流路を通過してしまうのを抑制することができる。他方、第2収容部22の上部に第2収容部22の内部に向かって変形可能な部分14Aを備えているので、この部分14Aを第2収容部22の内部に変形させて第2収容部22の容積を減じることで、第2収容部22に収容されている液体を押し出し第3収容部23への送液を簡単に実現することができる。
そして、容器本体10Cの部分14Aが、第2収容部22に向かう方向に変形されることで、第2収容部22に収容されている液体を、第2流路32を介して第3収容部23に送液する。この際、第1流路31に2段以上の階段部40を備えていることにより、第2収容部22に収容されている液体が第1流路31を通過する際の障壁が2段以上となるために、第1流路31への液体の進入は抑制され、第2収容部22から押し出される液体は、より障壁が小さい第2流路32に優先的に送液される。そのため、第1流路31への液戻りは抑制され、下流である第3収容部23側への送液性が高い。第1流路31に階段部40を設けることで、第1流路31への液戻りを防止する高い効果を得ることができる。
階段部40は、第2収容部22側の最初の段41と、2段目の段42を含む。階段部40は2段に限られず、3段、あるいは4段以上であってもよい。しかしながら、構造の複雑化を避ける観点から、階段部40は2段もしくは3段が好ましい。
最初の段41の高さh1は、第2収容部22の内底面22aから上壁面22bまでの高さ(深さ)をdとした場合に、dの25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
2番目の段42の高さh12は、第2収容部22の高さdの50%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。なお、2番目の段42の高さh12と最初の段41の高さh1との差は、液戻り防止の観点から最初の段41の高さh1の20%以上であることが好ましい。なお、2段目の段42の高さh12は、1つ目の段41との段差部の角の第2収容部22の内底面22aからの高さで定義する。
(変形例)
図12に、第3実施形態の変形例の検査用容器3Aを示す。検査用容器3Aは本体部12Dと上蓋部材14とからなる容器本体10Dを備える。検査用容器3Aにおいては、階段部40の少なくとも1つの段を構成する内底面と内側面とのなす角(ここでは角43)が、鋭角である。段差部の角43を鋭角とすることで、角度が90°以上である場合と比較して、第2収容部22に収容されている液体が第1流路31に進入するのをより効果的に抑制できる。これにより、第2収容部22に収容されている液体を、より優先的に第2流路32へ送液することができる。
図12に示す検査用容器3Aでは、階段部40の2段目の段42の角43のみが鋭角であるが、流路31内に含まれるすべての段の角が鋭角であってもよい。階段部40の段41,42の少なくとも1つの角が鋭角であれば、第2収容部22から第1流路31への液体の進入を抑制する効果が高められる。なお、検査用容器3Aのように第1流路31の各段の内底面31aの第2収容部22の内底面22aからの高さが一定でない場合には、各段の高さは、各段の角の第2収容部22の内底面22aからの高さで定義する。
本検査用容器3あるいはその変形例における液体の送液方法は、第1実施形態の検査用容器1の場合と同様である。
以上の通り、第1実施形態の検査用容器1は、第1流路31の高さh1が第2流路32の高さh2よりも高く構成された構造(以下において、液戻り防止構造1という。)を備える。第2実施形態の検査用容器2は、第1流路31の内面の水接触角が第2流路32の内面の水接触角よりも大きく設定された第1流路31および第2流路32の構造(以下において、液戻り防止構造2という。)を備える。そして、第3実施形態の検査用容器3は、第1流路31の第2収容部側に構成された、第2収容部22の内底面22aから2以上の段を含む階段部40の構造(以下において、液戻り防止構造3という。)を備える。
これらの液戻り防止構造1~3は組み合わせて備えることも好ましい。例えば、図13に示すように、液戻り防止構造1と液戻り防止構造2とを備えた検査用容器4としてもよい。検査用容器4は、本体部12Eと上蓋部材14とから構成される容器本体10Eを備える。検査用容器4は、第1流路の高さh1と第2流路の高さh2がh1>h2となる構造を有し、第1流路31の内面に疎水化処理を施した疎水化面34を備えて、第1流路31の内面の水接触角を第2流路32の内面の水接触角よりも高くしている。
図14に示すように、液戻り防止構造2と液戻り防止構造3とを備えた検査用容器5としてもよい。検査用容器5は、本体部12Fと上蓋部材14とから構成される容器本体10Fを備える。検査用容器5は、第1流路31の内面に疎水化処理を施した疎水化面34を備えて、第1流路31の内面の水接触角を第2流路32の内面の水接触角よりも高くしており、かつ第1流路31に階段部40を備えている。
また、液戻り防止構造1と液戻り防止構造3とを備えた検査用容器であってもよいし、図15に示すように、液戻り防止構造1~3の全てを備えた検査用容器6としてもよい。検査用容器6は、本体部12Gと上蓋部材14とから構成される容器本体10Gを備える。検査用容器6は、第1流路31の高さh1と第2流路32の高さh2がh1>h2となる構造を有し、第1流路31の内面に疎水化処理を施した疎水化面34を備えて、第1流路31の内面の水接触角を第2流路32の内面の水接触角よりも高くしている。さらに、第1流路31に階段部40を備えている。
液戻り防止構造1~3の2つもしくは3つを組み合わせて備えた検査用容器によれば、液戻り防止構造1のみ、液戻り防止構造2のみ、あるいは液戻り防止構造3のみを備えた場合と比較して、より高い液戻り防止効果を得ることができる。
なお、本開示の検査用容器においては、液戻り防止構造は、上記例に限らず、第2収容部と第1収容部との間の第1流路が、第2収容部と第3収容部との間の第2流路よりも、第2収容部に収容されている液体を、相対的に通しにくくする構造であればよい。例えば、第1流路、第2流路のそれぞれに弁を設けた構造を液戻り防止構造として備えていてもよい。第1流路、第2流路のそれぞれに弁を設けた場合には、第2収容部から第3収容部へ送液の際に、第1流路の弁を閉じ、第2流路の弁を解放した状態で送液を行うことで、第1収容部への液戻りを効果的に防止し、第3収容部への送液性を向上させることができる。
「核酸抽出検査への適用例」
本開示の技術の実施形態に係る検査用容器は、例えば、核酸抽出検査の検査用カートリッジとして適用することができる。本開示の技術の第4実施形態に係る検査用容器101を用いた核酸抽出検査について説明する。
図16は、検査用容器101を備えた核酸抽出検査装置100の概略構成を示す構成図である。核酸抽出検査装置100は、検査用容器101、押圧機50、分注機106、磁界発生移動部107、および検査用容器101の搬送部102を備える。
図17は、検査用容器101の分解斜視図と分注機106の要部を示す図である。図18は、検査用容器101と磁界発生移動部107の磁石Mを示す図である。図19は、検査用容器101と押圧機50の要部を示す図である。なお、図18、図19においては、図17に示す検査用容器101についての線18-18断面図を示している。
検査用容器101は、それぞれ液体を収容可能な4つの収容部120~123、クロマトグラフ担体128を収容するクロマトグラフ担体収容部125、および4つの流路130、131、132、135を内部に備えた容器本体110を備える。
容器本体110は、本体部112と上蓋部材114とを備える。本体部112は、各収容部120~123、125および流路130、131、132、135の各々を形成する部分に開口を有する。そして、容器本体110は、上蓋部材114で本体部112の覆うことにより、内部に収容部120~123、125、流路130、131、132、135を形成した構成を有する。本体部112は、各収容部および流路の側壁面および底面を構成し、上蓋部材114は、各収容部および流路の上壁面を構成する。本例において、上蓋部材114は可撓性膜により構成されている。上蓋部材114には、各収容部120~123にそれぞれに収容される液体を注入するための図示しない注入口が設けられている。注入口にそれぞれシリンジ160~163の先端が挿入され、それぞれ対応する収容部120~123に各種液体が注入可能に構成されている。
収容部120は、核酸が吸着した磁性粒子Pを含む検体液150を収容する磁性粒子集磁チャンバ(以下において、集磁チャンバ120という。)である。収容部121は、洗浄液151を収容し、磁性粒子Pに非特異吸着した物質を洗浄する洗浄チャンバ(以下において、洗浄チャンバ121という。)である。収容部122は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)溶液152を収容するPCRチャンバ(以下においてPCRチャンバ122という。)である。収容部123は増幅した核酸と展開液153とを混合させる検出チャンバ(以下において、検出チャンバ123という。)である。
流路130は集磁チャンバ120と、洗浄チャンバ121とを互いの上端位置で連通する。流路130は集磁チャンバ120および洗浄チャンバ121側に階段部を備え、集磁チャンバ120に収容された検体液150が流路130に入り込むのを抑制し、洗浄チャンバ121に収容される洗浄液151への検体液150の混入が抑制されるように構成されている。
流路131は洗浄チャンバ121と、PCRチャンバ122とを互いの上端位置で連通し、流路132はPCRチャンバ122と検出チャンバ123とを互いの上端位置で連通する。洗浄チャンバ121、PCRチャンバ122、検出チャンバ123および流路131、132は、それぞれ本開示の技術における第1収容部、第2収容部、第3収容部、第1流路および第2流路に相当する。そして、ここでは、PCRチャンバ122に収容された液体を、流路132を介して検出チャンバ123に送液する際に、洗浄チャンバ121に液体が逆流するのを抑制する液戻り防止構造を備える。本例においては、液戻り防止構造として、液戻り防止構造3を含む。すなわち、液戻り防止構造として、流路131のPCRチャンバ122側に構成された、PCRチャンバ122の内底面122aから2以上の段を含む階段部の構造を備えている。
なお、液戻り防止構造としては、第1流路(流路131)の高さを第2流路(流路132)の高さよりも高くした構造(液戻り防止構造1)を含んでもよい。また、第1流路の内面の水接触角が第2流路の内面の水接触角よりも大きく設定された第1流路および第2流路の構造(液戻り防止構造2)を含んでもよい。あるいは、その他の液戻り防止構造および液戻り防止構造1~3を2つ以上組み合わせて備えていてもよい。
流路132は、PCRチャンバ122と、検出チャンバ123とを互いの上端位置で連通する。なお、PCRチャンバを温調する際の液体の蒸発を防ぐために、流路132に図示しない弁が備えられていてもよい。弁は、PCRチャンバ122から検出チャンバ123に送液する際に、開放可能なものであればよい。
流路135は、検出チャンバ123とクロマトグラフ担体収容部125とを互いの下端位置で連通する。
磁性粒子Pは、磁力によって引き寄せられる粒子である。また、磁性粒子Pは、例えば、DNAなどの特定の検体が吸着するように処理がなされた磁性粒子である。具体的には、磁性粒子Pとして、JSR(株)社製 型番:MagnosphereMX100/Carboxyl、および、型番:Magnosphere MS160/Tosyl、コアフロント社製sicastar、並びに三洋化成社製マグラピッド等を用いることが可能である。
また、磁性粒子Pとしては、0.01μm以上100μm以下の範囲の粒径を有する磁性粒子が用いられる。好ましくは、磁性粒子Pとして、1μm~10μm程度の粒径を有する磁性粒子が用いられる。磁性粒子Pは、集磁チャンバ120内に予め備えられていてもよいし、検体液150と共に集磁チャンバ120内に注入されてもよい。
検体液150は、例えば、検体から抽出された核酸を含む検体液である。検体液150は、検体からDNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)などの核酸を抽出して磁性粒子Pの表面に核酸を吸着させるための界面活性剤を含んでいてもよい。また、界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween20)、あるいはTritonX-100等を用いることができる。なお、これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。検体からの核酸抽出、および磁性粒子Pへの表面吸着を促進するために、グアニジン塩酸塩などのカオトロピック物質を含んでいてもよい。また、界面活性剤を含む代わりにカラムを用いて検体から抽出した核酸を含んでいてもよい。さらに、磁性粒子Pの凝集を抑制するための界面活性剤を含んでいてもよい。
洗浄液151は、磁性粒子Pに非特異吸着した物質を除去する。洗浄液151としては、水あるいは緩衝液、エタノールおよびイソプロピルアルコール等の有機溶剤などを用いることができる。洗浄液として緩衝液を用いる場合、塩は特に限定されないがトリス、リン酸等の塩が好ましく用いられる。また、洗浄工程におけるRNAの溶出を抑制するために、ドデシル硫酸ナトリウムおよびTritonX-100等の界面活性剤を含有してもよい。
PCR溶液152は、PCRによる核酸を増幅させる処理を行うための溶液である。PCR溶液152には、例えば、逆転写酵素、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸を混合したdNTPおよび逆転写酵素用プライマーが含まれている。転写酵素はRNAの塩基配列を鋳型としてcDNA(相補的デオキシリボ核酸)を合成する酵素である。
クロマトグラフ担体収容部125は、クロマトグラフ担体128を収容する。クロマトグラフ担体収容部125では、増幅された核酸を含む展開液153が展開される。クロマトグラフ担体128は、核酸クロマトグラフ担体であり、展開液153中に標的となる核酸が存在するか否かを示す。
分注機106は、各種液体150~153を検査用容器101の各収容部120~123に添加するためのシリンジ160~163を備える。
押圧機50は、プランジャ52を備え、プランジャ52により容器本体110(ここでは、上蓋部材114)のPCRチャンバ122に対応する領域を押圧可能に構成されている。
磁界発生移動部107は、磁石Mおよび磁石Mを移動する移動機構170を含む。
磁石Mは、例えば、永久磁石であるが、電磁石であってもよい。図18に示すように、磁石Mは、検査用容器101の上蓋部材114上で位置A0~A5の間で自在に移動される。位置A0、位置A3および位置A5は、磁石Mが配置されていても検査用容器101の内部に収容されている磁性粒子Pに対して磁力が作用しない位置である。位置A1は集磁チャンバ120上の位置であり、磁石Mが配置された場合に集磁チャンバ120内の磁性粒子Pに磁力を作用させる位置である。位置A2は洗浄チャンバ122上の位置であり、磁石Mが配置された場合に洗浄チャンバ121内の磁性粒子Pに磁力を作用させる位置である。位置A4はPCRチャンバ122上の位置であり、磁石Mが配置された場合にPCRチャンバ122内の磁性粒子Pに磁力を作用させる位置である。
磁性粒子Pを集磁チャンバ120から洗浄チャンバ121に移動させる場合、まず、位置A1に磁石Mを配置する。磁石Mが位置A1に配置されると、集磁チャンバ120に収容されている磁性粒子Pは磁石Mの磁力によって集められ、上蓋部材14を隔てて磁石Mに対応する位置に引き寄せられた集まった状態となる。この状態から上蓋部材14に沿って磁石Mを位置A2に移動すると、磁石Mの移動に伴い磁性粒子Pは検体液150から分離されて洗浄チャンバ121に移動する。その後、磁石Mを位置A3に移動すると、磁性粒子Pは洗浄液152中に分散される。
同様に、磁性粒子Pを洗浄チャンバ121からPCRチャンバ122に移動させる場合、まず、位置A2に磁石Mを配置する。磁石Mが位置A2に配置されると洗浄チャンバ121に収容されている磁性粒子Pは、上蓋部材14を隔てて磁石Mに対応する位置に引き寄せられ集まった状態となる。この状態から上蓋部材14に沿って磁石Mを位置A4に移動すると、磁石Mの移動に伴い磁性粒子Pは洗浄液151から分離されてPCRチャンバ122に移動する。その後、磁石Mを位置A5に移動すると、磁性粒子PはPCR溶液152中に分散される。
移動機構170は、磁石Mを集磁チャンバ120上の位置A1から流路130上を通過し、洗浄チャンバ121上の位置A2さらに流路135上を通過し、PCRチャンバ122上の位置A45に自在に移動する機能を有する。また、移動機構170は、磁石Mを各チャンバ120、121、122内に磁力が及ばない位置A0、A3およびA5へ移動する。
なお、核酸抽出検査装置100は、さらに、温調部108(図18参照)を備えている。温調部108は、PCRチャンバ122中のPCR溶液の温度を制御する。温調部108は、溶液を加熱するためのヒーター、あるいはペルチェ素子等の加熱手段と、溶液を冷却するためのペルチェ素子、ファン、ヒートシンク、あるいは液冷機構などの冷却手段とを備える。温調部108は、PCRにおける熱変性工程、アニーリング工程、および伸長工程の、それぞれに工程毎に適切な温度となるように、溶液の温度を昇温あるいは降温する。
搬送部102は、検査用容器101を、分注機106、磁界発生移動部107および押圧機50に相対的に移動する装置である。搬送部102は、検査用容器101のみを搬送するものであってもよいし、検査用容器101に対する分注機106、磁界発生移動部107および押圧機50のそれぞれの位置を移動させるものであってもよい。
(核酸抽出検査方法)
検査用容器101を備えた核酸抽出検査装置100における核酸抽出検査の工程について説明する。
-前処理(吸着工程)-
RNAを含む試料に、細胞膜を溶解する界面活性剤を含む溶解液、および磁性粒子Pを混合して、RNAを磁性粒子Pに吸着させる。RNAを含む試料としては、生体試料、ウイルスなど、RNAを含んでいれば特に限定されない。なお、必要に応じてフィルターなどにより、夾雑物を除去してもよい。
-集磁工程-
前処理で得られた、RNAが吸着した磁性粒子Pを含む検体液150をシリンジ160により集磁チャンバ120に注入する。その後、磁石Mを集磁チャンバ120上の位置A1にセットする。これにより、集磁チャンバ120に収容されている磁性粒子Pが磁石Mに引き寄せられ、上面の磁石Mに対応する位置に集まり凝集した状態となる(図18参照)。
なお、集磁チャンバ120において、吸着工程および集磁工程を時系列的に行ってもよい。
その後、磁石Mを流路130に沿って移動させることにより、磁性粒子Pを検体液150から分離して洗浄チャンバ121に移動する。
-洗浄工程-
洗浄チャンバ121において、RNAが吸着した磁性粒子Pを、洗浄チャンバ121に収容されている洗浄液151で洗浄する。洗浄チャンバ121には予め洗浄液151を充填していてもよいし、磁性粒子Pの移動後に洗浄液151を注入してもよい。磁石Mを磁力が洗浄チャンバ121に影響を与えない位置(位置A3)まで移動し、磁性粒子Pを洗浄液151内に分散させることで洗浄を促進することができる。洗浄によって、RNA以外の物質であって磁性粒子Pに非特異的に結合した物質を除去する。
その後、磁石Mを洗浄チャンバ121上の位置A2に戻すことで、磁性粒子Pを上面の磁石Mに対応する位置(位置A2)に再び集め、磁石Mを流路135に沿ってPCRチャンバ122上の位置A4に移動させることにより、磁性粒子Pを洗浄液151から分離してPCRチャンバ122に移動する。その後、磁石MをPCRチャンバ122に磁力を及ぼさない位置A5に移動させることで、磁性粒子PをPCR溶液152中に分散させる。
-PCR工程-
PCRチャンバ122において、磁性粒子Pに吸着したRNAをPCR溶液152中に溶出させ、PCRによるDNA増幅を行う。抽出されたRNAからcDNAを合成し、PCRによりcDNAを増幅させる。なお、この際、磁性粒子は、重力によりPCRチャンバ122中の内底面に沈む。
-送液工程-
PCR工程の後、PCRチャンバ122中の増幅されたcDNAを含む溶液を検出チャンバ123に送液する。なお、検査用容器101は、流路131が洗浄チャンバ121とPCRチャンバ122の上端位置に、流路132がPCRチャンバ122と検出チャンバ123の上端位置にそれぞれ備えられているので、この送液工程の前に、PCRチャンバ122から溶液152が毛細管現象等によって流路131、132を通過してしまうのを抑制することができる。
送液する際には、PCRチャンバ122上にプランジャ52を位置させ、シリンダ54に沿ってプランジャ52を押下する。可撓性のある上蓋部材114の部分114Aはプランジャ52により押圧されて、PCRチャンバ122の内部方向に押し込まれる。これによって、PCRチャンバ122の容積が小さくなるため、PCRチャンバ122中の液体は、流路を通って検出チャンバ123に送液される。この際、戻り防止構造を有しているので、PCRチャンバ122中の溶液152は、洗浄チャンバ121側にほとんど逆流することなく、PCRチャンバ122から押し出された多くを検出チャンバ123に送液することができる。また、PCRチャンバ122の上端位置に流路132が備えられているので、内底面に磁性粒子Pを沈ませた状態でPCR溶液の上澄み部分を優先的に送液することができ、磁性粒子Pが検出チャンバ123側に流出するのを抑制することができる。磁性粒子Pの検出チャンバ123への進入を抑制することにより、次工程において、ノイズの少ない検査が可能となる。
-検出工程-
検出チャンバ123においては、cDNAを含む溶液を展開液と混合させる。その後、その混合した液は、流路135を通過して、クロマトグラフ担体収容部125に配置されている核酸クロマトグラフ担体(クロマトグラフ担体128)で展開する。検査対象となるRNAが含まれていれば、陽性、含まれていなければ陰性の結果が得られる。
以上のようにして、核酸抽出検査がなされる。
なお、上記においては、増幅方法として逆転写PCR法を用いる場合について説明したが、増幅方法は逆転写PCR法に限らず、転写PCR法、あるいは等温増幅法(例えば、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)、LAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)、およびTRC(transcription-reverse transcription concerted)等)等の公知の増幅方法を用いることができる。また、上記において、検出方法として核酸クロマト法を用いる場合について説明したが、検出方法は核酸クロマト法に限らず蛍光検出法(インターカレーター法、プローブ法等)、金ナノ粒子を用いた光散乱法、シーケンス法、電気化学法、圧電法、重量あるいは力学的変化の検出等の公知の方法を用いることができる。これらの場合、容器にはクロマトグラフ担体128およびその収容部125を備える必要はない。他方、検査装置において、検出チャンバ123から蛍光検出を行うための蛍光検出ユニット等の各種検出法に即した検出ユニットを備えればよい。但し、高額な検出系および検出機器が不要であり、解析における操作が簡便であることから核酸クロマト法が好ましい。
検査用容器101を用いることで、PCRチャンバ122において増幅されたDNAを含む溶液を、洗浄チャンバ121への逆流を抑制して効率よく検出チャンバ123に送液することができ、十分な送液量を実現できる。逆流を抑制して、検出チャンバ123への送液量を増加させることができるため、検出チャンバ123に流入させるDNAのトータル量を増やすことができるので、判定精度の向上に繋がる。
なお、上記検査用容器101は、検査用容器101と、磁性粒子Pと、洗浄液151、PCR溶液152および展開液153等の各種処理液とをセットにした検査キットとして提供することもできる。検査キットには、さらに核酸溶出液等の他の処理液を含んでもよい。また、検査キットとしては、検査用容器101と磁性粒子Pのみをセットとして提供することも可能である。磁性粒子Pは検査用容器101の集磁チャンバ120内に予めセットされていてもよいし、別途に用意されていてもよい。
本開示の技術は、前述した実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、前述した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
以下、本開示の技術のより具体的な実施例および比較例について説明する。
3つの収容部とその間を連結する流路を備えた容器の実施例および比較例を作製し、評価を行った。図20は、実施例および比較例の検査用容器201の形状を示す断面図である。図21は、実施例および比較例の検査用容器201の本体部212の平面図である。各例において容器201は第1収容部221、第2収容部222、第3収容部223、第1収容部221と第2収容部222とを上端で接続する第1流路231、および第2収容部222と第3収容部223とを上端で接続する第2流路232を備えている。3つの収容部221、222、223は同一形状であり、長さL=7.5mm、幅W=7.5mm、深さd=1mmとした。第1流路231、第2流路232の幅は1mmとした。なお、第1流路231および第2流路232の構造については、各例毎に異なる。
[実施例1]
実施例1の検査用容器は、液戻り防止構造1を備えるものとした。すなわち、第1流路の第2収容部の内底面からの高さh1を、第2流路の第2収容部の内底面からの高さh2よりも大きくした。h1を0.6mm、h2を0.5mmとした。
検査用容器201は容器本体210を備え、容器本体210は、本体部212と上蓋部材214とから構成した。本体部212は、第1収容部221、第2収容部222、第3収容部223、第1流路231および第2流路232の各々を形成する部分に開口を有し、第1収容部221、第2収容部222および第3収容部223の側壁面と、第1流路231および第2流路232の側壁面および内底面を構成する主本体部212Aと、第1収容部221、第2収容部222、および第3収容部223の内底面を構成する底面部材212Bとから構成した。
本体部212の材料としてはポリカーボネート(PC)を用いた。具体的には、主本体部212Aは三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製ユーピロンEB-3001Rを用いて射出成型した。底面部材212Bには住化アクリル販売株式会社製のテクノロイC000(厚み100μm)を用いた。また、上蓋部材214には、富田マテックス社製シリコーンフィルムGFSX6000(厚み300μm)を用いた。
底面部材212Bを、スリーエムジャパン株式会社製の粘着剤#9969を用いて主本体部212Aの底面にローラー貼りし、上蓋部材214を、ニッパ株式会社製シリコーン粘着剤NSD-50を用いて主本体部212Aの上面にローラー貼りして実施例1の検査用容器を得た。
[実施例2]
実施例2の検査用容器は、実施例1の検査用容器において、第1流路の高さh1を0.7mmとしたものであり、同様の手法により作製した。
[実施例3]
実施例3の検査用容器は、実施例1の検査用容器において、第1流路の高さh1を0.8mmとしたものであり、同様の手法により作製した。
[実施例4]
実施例4の検査用容器は、液戻り防止構造2を備えるものとした。すなわち、第1流路の内面の水接触角を、第2流路の内面の水接触角よりも大きくなるようにした。
第1流路の高さh1を0.5mmとして、第2流路の高さh2と同一とし、第1流路の内面に疎水化処理を施した以外は実施例1と同様にして実施例4の容器を得た。本例の疎水化処理としては、株式会社フロロテクノロジー(FS-1610)を筆で塗布した後、70℃で1分乾燥させる処理を行った(後記表1において、「フッ素」と表記する。)。
[実施例5]
実施例5の検査用容器は、実施例4の検査用容器と同じ容器本体を備えるが、疎水化面の構成が異なるものとした。疎水化処理の方法を変えた以外は実施例4と同様にして実施例5の容器を作製した。本例の疎水化処理は次の通りとした。流路231の内面に、疎水性コロイダルシリカを含む樹脂組成物を筆で塗布した後、100℃で1分乾燥した。次いで、酸素濃度1000ppm以下の低酸素雰囲気下にて照射量300mJ/cmの露光量のメタルハライドランプ(株式会社GSユアサ製MAL625NAL)の光を照射することにより樹脂組成物を硬化し、第1流路231の内面に撥水性の樹脂層を形成した(後記表において「疎水性シリカ」と表記する。)。
なお、疎水性コロイダルシリカを含む樹脂組成物は、以下の成分を混合することにより得た。
-樹脂組成物-
1-メトキシ-2-プロパノール(富士フイルム和光純薬製)
:6.24g
A-DPH(新中村化学工業、1-メトキシ-2-プロパノール10%希釈液)
:0.70g
フッ素系界面活性剤(メガファックF-780F DIC社製、MEK2%希釈液)
:0.24g
疎水性シリカ分散液 :2.61g
IRGACURE127(BASFジャパン(株)製、1-メトキシ-2-プロパノール2%希釈) :0.21g
上記の樹脂組成物に含まれる疎水性シリカ分散液の調製は以下の手順で行った。
トリメチルシリル基修飾シリカ、1-メトキシ-2-プロパノールを混合し、日本エマソン社製超音波ホモジナイザーSonifier450を用いて、氷水で冷やしながら10分間処理することにより疎水性シリカ分散液を得た。
ここで、疎水性シリカ分散液の成分は以下の通りとした。
-疎水性シリカ分散液の成分-
トリメチルシリル基修飾シリカ(AEROSIL RX200(日本アエロジル社製フュームドシリカ)) :1g
1-メトキシ-2-プロパノール(富士フイルム和光純薬製):19g
[実施例6]
実施例6の検査用容器は、実施例4の検査用容器と同じ容器本体を備えるが、第1流路の内面に疎水化面を備えず、第2流路の内面に親水化面を備えたものとした。実施例4において、第1流路の内面への疎水化処理を行う代わりに、第2流路の内面への親水化処理を施すことにより、第1流路の内面の水接触角が、第2流路の内面の水接触角よりも大きい実施例6の検査用容器を得た。本例の親水化処理としては、第2流路の内面に、2000J/mの条件でコロナ処理を行った。
[実施例7]
実施例7の検査用容器は、実施例6の検査用容器と同じ容器本体を備えるが、親水化面の構成が異なるものとした。実施例6において、親水化処理の方法を変えた以外は実施例6と同様にして実施例7の検査用容器を得た。本例親水化処理としては、第1流路231の上壁面および内底面に相当する部分にのみ親水フィルムを設置した。親水フィルムとしては、スリーエムジャパン株式会社製の親水性処理フィルム#9984を用いた。
[実施例8]
実施例8の検査用容器は、液戻り防止構造3を備えるものとした。すなわち、第1流路231の第2収容部222側に構成された、第2収容部222の内底面222aから2以上の段を含む階段部240の構造を備えた。ここでは階段部240は2段241、242とした。
第1流路231の第2収容部222と隣接する部分に階段部240を設けた以外は、実施例1と同様にして実施例8の検査用容器を得た。なお、最初の段241(表1において「段1」とする。)の第2収容部222の内底面222aからの高さh1は0.25mm、2つ目の段242(表1において「段2」とする。)の第2収容部222の内底面222aからの高さh2は0.5mmとした。
[実施例9]
実施例9の検査用容器は、実施例8において、階段部240の2つ目の段242の第2収容部222の内底面222aからの高さh12を0.65mmとしたものであり、階段部240を設けた以外は、同様の手法により作製した。
[実施例10]
実施例10の検査用容器は、実施例9において、階段部240に3つ目の段243を設け、3段241、242、243を備えるものとした。1つ目の段241、2つ目の段242の高さh1、h12は実施例9と同じとし、3つ目の段243(表1において「段3」とする。)の第2収容部222の内底面222aからの高さh13を0.8mmとし、同様の手法により作製した。
[実施例11]
実施例11の検査用容器は、液戻り防止構造1および液戻り防止構造2を備えるものとした。すなわち、第1流路231の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を、第2流路232の第2収容部222の内底面222aからの高さh2よりも大きくし、かつ、第1流路231の内面の水接触角を、第2流路232の内面の水接触角よりも大きくなるようにした。
実施例11の検査用容器は、第1流路の内面に実施例4と同様の疎水化処理を施した以外は実施例1と同様の手法により作製した。
[実施例12]
実施例12の検査用容器は、液戻り防止構造1および液戻り防止構造3を備えるものとした。すなわち、第1流路231の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を、第2流路232の第2収容部222の内底面222aからの高さh12よりも大きくし、かつ、第1流路231の第2収容部222との隣接領域に、第2収容部222の内底面222aから2以上の段を含む階段部240の構造を備えた。
実施例12の検査用容器は、実施例8において、最初の段241の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を0.6mm、2つ目の段242の第2収容部222の内底面222aからの高さh12を0.7mmとした以外、同様の手法により作製した。
[実施例13]
実施例13の検査用容器は、液戻り防止構造2および液戻り防止構造3を備えるものとした。すなわち、第1流路231の内面の水接触角を、第2流路232の内面の水接触角よりも大きくなるようにし、かつ、第1流路231の第2収容部222側に構成された、第2収容部222の内底面222aから2以上の段を含む階段部240の構造を備えた。
実施例13の検査用容器は、実施例8において、最初の段241の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を0.5mm、2つ目の段242の第2収容部222の内底面222aからの高さh2を0.8mmとし、かつ、第1流路231の内面に実施例4と同様の疎水化処理を施して実施例13の容器を得た。
[実施例14]
実施例14の検査用容器は、液戻り防止構造1、液戻り防止構造2および液戻り防止構造3を備えるものとした。第1流路231の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を、第2流路232の第2収容部222の内底面222aからの高さh2よりも大きくし、第1流路231の内面の水接触角を、第2流路232の内面の水接触角よりも大きくなるようにし、かつ、第1流路231の第2収容部222側に構成された、第2収容部222の内底面222aから2以上の段を含む階段部240の構造を備えた。
実施例8において、最初の段241の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を0.6mm、2つ目の段242の第2収容部222の内底面222aからの高さh2を0.8mmとし、かつ、第1流路231の内面に実施例4と同様の疎水化処理を施して実施例14の容器を得た。
[実施例15]
実施例15の容器は、本体部212の材料としてポリプロピレン(PP)を用いた以外は、実施例14の構成と同様とした。
本例においては、主本体部212Aは日本ポリプロ株式会社製WINTEC WMG03UXを用いて射出成型した。底面部材212Bには東レ株式会社製 トレファンBO60-2500(厚み60μm)を用いた。また、実施例1と同様に、上蓋部材214には、富田マテックス社製シリコーンフィルムGFSX6000(厚み300μm)を用いた。
[実施例16]
実施例16の容器は、本体部212の材料としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を用いた以外は、実施例14の構成と同様とした。
本例においては、主本体部212Aは三菱ケミカル株式会社製アクリペットVH001を用いて射出成型し、底面部材212Bには、住化アクリル販売株式会社製のテクノロイS001(厚み125μm)を用いた。
[実施例17]
実施例17の容器は、本体部212の材料としてCOPを用いた以外は、実施例14の構成と同様とした。
本例においては、主本体部212AはJSR株式会社製ARTON F4520を用いて射出成型し、底面部材212Bには、JSR株式会社製ARTON R5000を製膜して得た厚み50μmのフィルムを用いた。
[比較例1]
比較例1の検査用容器は、液戻り防止構造を備えていないものとした。
比較例1の検査用容器は、実施例1において、第1流路231の第2収容部222の内底面222aからの高さh1を0.5mmとして、第2流路232の第2収容部222の内底面222aからの高さh2と同一とした。この点以外は実施例1と同様にして比較例1の検査用容器を得た。
上記のようにして得た実施例1~17および比較例1の容器について、第2収容部および第1流路の内面の水接触角を測定した。
(水接触角)
水接触角の測定には、全自動接触角計(型番:DM-701、協和界面科学(株))を用いた。雰囲気温度25℃の条件下で、第1流路および第2流路の内面に純水を1μL滴下した後、θ/2法により接触角を測定し、5回測定して得られた値の算術平均値を接触角の値とした。各例の容器の第1流路および第2流路の水接触角および両者の差(第1流路の水接触角-第2流路の水接触角)は後記の表1に示す。
実施例1~17および比較例1の容器について、以下の方法により送液性の評価を行った。
(送液性評価)
第2収容部222に水を満たした後、第2収容部222の上壁面を構成する部分の中央付近を押圧部としてのボールプランジャにて押込んだ。これによって第3収容部223に送液された液重量と第1収容部221に逆流した液重量をそれぞれ測定し、その比を液戻り率として、算出した。
すなわち、
液戻り率=
(第1収容部に戻った液重量[mg])/(第3収容部に送液された液重量[mg])
とした。
液戻り率を以下の判断基準で評価した。実用上はE以上が求められる。また、実用上はD以上が好ましく、C以上がより好ましく、B以上がさらに好ましい。
A:5%未満
B:5%以上、10%未満
C:10%以上、15%未満
D:15%以上、20%未満
E:20%以上、25%未満
F:30%以上
表1に各例の検査用容器の構造および測定、評価結果をまとめて示す。
Figure 0007278932000001
表1に示す通り、液戻り防止構造を備えない比較例1に対して、液戻り防止構造を備えた実施例1~17はいずれも送液性を向上させることができた。
実施例1~3は、いずれも液戻り防止構造1を備えており、第1流路の高さh1と第2流路の高さh2の差(h1-h2)が大きいほど、第3収容部への送液性が向上した。
実施例4~7は、いずれも液戻り防止構造2を備えており、第1流路の内面の水接触角R1と第2流路の内面の水接触角の差(R1-R2)が大きいほど、第3収容部への送液性が向上した。水接触角の差は、40°以上が好ましく、60°以上がより好ましいと考えられる。
実施例8~10は、いずれも液戻り防止構造3を備えている。実施例8、9は、いずれも2段の階段部を備え、段1の高さは共通であるが、段2の高さが異なる。第2の高さが大きいほど、第3収容部への送液性が高かった。実施例10は、3段の階段部を備えており、段1、段2の階段部の高さは実施例9と同一である。階段部の段の数が大きいほど、第3収容部への送液性は向上すると考えられる。
実施例11~14は、液戻り防止構造1~3のいずれか2つもしくはすべてを組み合わせて備えている。液戻り防止構造を組み合わせることにより、1つの構造のみを備えた場合と比較して第3収容部への送液性が向上した。特に、液戻り防止構造2と3を組み合わせた実施例13は実施例11、12よりも送液性が高かった。また、実施例11~14の中でも、液戻り防止構造1、2および3を全て備えた実施例14は、最も送液性が高く、好ましい結果が得られた。
実施例14~17は、液戻り防止構造1~3を全て備えた同一形状であるが、容器の材料が異なる。容器の材料が異なっていても、いずれも高い送液性が得られた。
また、実施例11、および実施例13~17のように、複数の液戻り防止構造を組み合わせて備えた場合には、第1流路の水接触角R1と第2流路の水接触角R2との差は5°から20°の範囲でも十分な効果を得ることができた。
1、1A、2、3、3A、4、5、6 検査用容器
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G 容器本体
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12G 本体部
14 上蓋部材
14A 部分
21 第1収容部
21b 第1収容部の上壁面
22 第2収容部
22a 第2収容部の内底面
22b 第2収容部の上壁面
22c 第2収容部の内側面
23 第3収容部
31 第1流路
31a 第1流路の内底面
32 第2流路
32a 第2流路の内底面
33、43 角
34 疎水化面
40 階段部
41、42 段
50 押圧機
52 プランジャ
54 シリンダ
60 送液装置
100 核酸抽出検査装置
101 検査用容器
102 搬送部
106 分注機
107 磁界発生移動部
108 温調部
110 容器本体
112 本体部
114 上蓋部材
114A 部分
120 集磁チャンバ(収容部)
121 洗浄チャンバ(第1収容部)
122 PCRチャンバ(第2収容部)
122a PCRチャンバの内底面
123 検出チャンバ(第3収容部)
125 クロマトグラフ担体収容部
128 クロマトグラフ担体
130、131、132、135、145 流路
150 検体液
151 洗浄液
152 PCR溶液
153 展開液
160~163 シリンジ
170 移動機構
201 検査用容器
210 容器本体
212 本体部
212A 主本体部
212B 底面部材
214 上蓋部材
221 第1収容部
222 第2収容部
223 第3収容部
231 第1流路
232 第2流路
240 階段部
241、242、243 段
M 磁石
P 磁性粒子

Claims (11)

  1. それぞれ液体を収容可能な第1収容部、第2収容部および第3収容部、前記第1収容部と前記第2収容部とを互いの上端位置で連通する第1流路、並びに前記第2収容部と前記第3収容部とを互いの上端位置で連通する第2流路を内部に備え、少なくとも前記第2収容部の上壁面を構成する部分に、前記第2収容部の内部に向かって変形可能な可撓性を有する容器本体と、
    前記第2収容部の上壁面を構成する前記部分が前記第2収容部の内部に向って変形されることで前記第2収容部に収容された液体を、前記第2流路を介して前記第3収容部に送液する際に、前記第1収容部への前記液体の逆流を抑制する液戻り防止構造とを備え、
    前記液戻り防止構造が、前記第2収容部の内底面から前記第1流路の内底面までの高さが前記第2収容部の前記内底面から前記第2流路の内底面までの高さよりも高く構成された構造を含む、検査用容器。
  2. 前記第1流路の内底面と前記第2収容部との段差部における、前記第1流路の内底面と前記第2収容部の内側面とのなす角が、鋭角である請求項に記載の検査用容器。
  3. 前記液戻り防止構造が、前記第1流路の内面の水接触角が前記第2流路の内面の水接触角よりも大きく設定された前記第1流路および前記第2流路の構造を含む、請求項1又は2に記載の検査用容器。
  4. 前記液戻り防止構造が、前記第1流路の前記第2収容部側に設けられた、前記第2収容部の内底面から2以上の段を含む階段部の構造を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の検査用容器。
  5. それぞれ液体を収容可能な第1収容部、第2収容部および第3収容部、前記第1収容部と前記第2収容部とを互いの上端位置で連通する第1流路、並びに前記第2収容部と前記第3収容部とを互いの上端位置で連通する第2流路を内部に備え、少なくとも前記第2収容部の上壁面を構成する部分に、前記第2収容部の内部に向かって変形可能な可撓性を有する容器本体と、
    前記第2収容部の上壁面を構成する前記部分が前記第2収容部の内部に向って変形されることで前記第2収容部に収容された液体を、前記第2流路を介して前記第3収容部に送液する際に、前記第1収容部への前記液体の逆流を抑制する液戻り防止構造とを備え
    前記液戻り防止構造が、前記第1流路の内面の水接触角が前記第2流路の内面の水接触角よりも大きく設定された前記第1流路および前記第2流路の構造を含む、検査用容器。
  6. 前記液戻り防止構造が、前記第1流路の前記第2収容部側に設けられた、前記第2収容部の内底面から2以上の段を含む階段部の構造を含む、請求項5に記載の検査用容器。
  7. それぞれ液体を収容可能な第1収容部、第2収容部および第3収容部、前記第1収容部と前記第2収容部とを互いの上端位置で連通する第1流路、並びに前記第2収容部と前記第3収容部とを互いの上端位置で連通する第2流路を内部に備え、少なくとも前記第2収容部の上壁面を構成する部分に、前記第2収容部の内部に向かって変形可能な可撓性を有する容器本体と、
    前記第2収容部の上壁面を構成する前記部分が前記第2収容部の内部に向って変形されることで前記第2収容部に収容された液体を、前記第2流路を介して前記第3収容部に送液する際に、前記第1収容部への前記液体の逆流を抑制する液戻り防止構造とを備え
    前記液戻り防止構造が、前記第1流路の前記第2収容部側に設けられた、前記第2収容部の内底面から2以上の段を含む階段部の構造を含む、検査用容器。
  8. 前記階段部の少なくとも1つの段を構成する内底面と内側面とのなす角が、鋭角である請求項に記載の検査用容器。
  9. 前記容器本体は、
    前記第1収容部、前記第1流路、前記第2収容部、前記第2流路、および前記第3収容部の各々を形成する部分が開口した本体部と、前記第2収容部の上壁面を構成する前記部分を含む上蓋部材とを備え、
    前記上蓋部材で前記本体部の開口を覆うことにより、内部に前記第1収容部、前記第1流路、前記第2収容部、前記第2流路および前記第3収容部を形成した請求項1から8のいずれか1項に記載の検査用容器。
  10. 核酸の検査を行うためのクロマトグラフ担体と、
    前記クロマトグラフ担体を収容する担体収容部とをさらに備えた請求項1からのいずれか1項に記載の検査用容器。
  11. 前記第1収容部が、磁性粒子を含む第1液体を収容し、
    前記第1流路が、前記第1液体から分離された分離磁性粒子を通過させ、
    前記第2収容部が、前記分離磁性粒子を収容する、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の検査用容器。
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