JP2009109459A - ピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置 - Google Patents

ピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な操作により所定の圧力以下で検体収容部に検体を注入し、検体収容部に所定量の検体を充填することができるピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置を提供する。
【解決手段】ピペットの先端に装着し、液体を吸引して収容部に収容し、該収容部から該液体を吐出するピペットチップにおいて、ピペットと連通する接続開口を備えた接続部と、接続開口と連通する吸引吐出口を先端に備えた挿入部と、収容部に挿入した挿入部と摺動する外筒パッキンと、を有し、吸引吐出口から流入した液体が所定の圧力P1を加えたとき接続開口の側に通過可能な管路抵抗部を設けたことを特徴とするピペットチップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置に関する。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System:マイクロ総合分析システム)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab−on−chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたμ−TASは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とすることによる恩恵は多大と言える。
本出願人は、マイクロチップの微細流路内に試薬などを封入し、マイクロポンプによって微細流路に駆動液を注入して試薬などを移動させ、反応部、次いで検出部へ流すことにより、血液など検体との反応結果を測定することができる検査装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。
このような検査装置では、検査に先立って試料容器内に収容された血液などの液体を注射器などを用いて採取し、マイクロチップの検体注入口からマイクロチップ内部の検体収容部に検体を注入していた。検体収容部はマイクロチップ内部の試薬等の収容された流路と連通しているので、検体収容部の出口側の流路を一部狭めて撥水バルブを設け、検体収容部に収容した検体が他の流路に流入しないようにしていた。
一方、従来の検査装置では、血液等の各種の被検査試料を検査する場合、一般に、試料容器内に収容された検査液等の液体をピペットチップに採取し、ピペットチップに採取した液体を被検査試料が収容された分注用プレート等の反応容器における収容部に分注させて検査するようにしていた(例えば特許文献3、特許文献4参照)。このような方法では、ピペットチップに所定の量の液体を吸引し、吸引した液体を全て収容部に分注する必要がある。
特開2004−28589号公報 特開2006−149379号公報 特開平7−284674号公報 特開平7−260799号公報
しかしながら、注射器やピペットチップに所定の量の検体を吸引し、吸引した検体をマイクロチップの検体注入口から注入する方法では、検体を検体収容部に注入する圧力を制御できないので、検体が撥水バルブを越えて試薬を収容した流路に流れ込むおそれがある。また、検体注入時に漏れ等があると、検体の量が不足し、後の検査で誤差が発生する要因になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡単な操作により所定の圧力以下で検体収容部に検体を注入し、検体収容部に所定量の検体を充填することができるピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.
ピペットの先端に装着し、液体を吸引して収容部に収容し、該収容部から該液体を吐出するピペットチップにおいて、
前記ピペットと連通する接続開口を備えた接続部と、
前記接続開口と連通する吸引吐出口を先端に備えた挿入部と、
前記収容部に挿入した前記挿入部と摺動する外筒パッキンと、
を有し、
前記吸引吐出口から流入した前記液体が所定の圧力P1を加えたとき前記接続開口の側に通過可能な管路抵抗部を設けたことを特徴とするピペットチップ。
2.
1に記載のピペットチップからマイクロチップの注入口に注入した液体を液体収容部に収容し、検査を行う検査システムにおいて、
前記マイクロチップは前記液体収容部の吐出側に撥水バルブを有し、
前記液体が前記圧力P1より大きい圧力P2を加えたとき前記撥水バルブを通過可能になるように構成されていることを特徴とする検査システム。
3.
2に記載の検査システムに用いるピペットであって、
1に記載のピペットチップを接続した筒状のピペット外筒と、
前記ピペット外筒の内壁と摺動するプランジャパッキンと前記接続開口と連通する先端に設けられた第1開口と該第1開口と連通する他端に設けられた第2開口とを備えた吸引プランジャと、
を有することを特徴とするピペット。
4.
3に記載のピペットと、
前記第2開口を開閉するバルブ手段と、
前記吸引プランジャを前記ピペット外筒に対して相対的に移動させる吸引プランジャ駆動手段と、
前記収容部と前記注入口が連通する位置に移動させた後、前記挿入部を前記外筒に押し込むように前記ピペット外筒を移動させるピペット外筒駆動手段と、
前記バルブ手段を制御するバルブ駆動制御手段と、
前記吸引プランジャ駆動手段を制御する吸引プランジャ駆動制御手段と、
前記ピペット外筒駆動手段を制御するピペット外筒駆動制御手段と、
を有し、
前記バルブ駆動制御手段が前記第2開口を閉じた後、前記吸引プランジャ駆動制御手段が前記吸引プランジャを移動させて前記液体収容部に液体を収容し、前記バルブ駆動制御手段が前記第2開口を開放した後、前記ピペット外筒駆動制御手段が前記ピペット外筒を移動させて前記液体を前記注入口から注入することを特徴とする充填装置。
本発明によれば、所定値以上の圧力が加わったとき液体が通過する管路抵抗部をピペットチップの内筒に設けたので、簡単な操作により所定の圧力以下で検体収容部に検体を注入し、所定量の検体を充填することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるピペットチップ20の断面図である。
ピペットチップ20は図1には図示せぬピペット40の先端に装着し、液体を吸引して収容し、所定量吐出する部品である。ピペットチップ20は外筒21と内筒22から構成される。本実施形態では液体として血液や体液などの検体を用いる例について説明するが本発明は検体に限定されるものではなく試薬など他の液体にも適用できる。
外筒21は、図1のように筒状になっていて、内側は液体である検体を収容する収容部28である。収容部28の内壁には外筒パッキン26が設けられている。外筒21の先端は後に説明するマイクロチップ1の検体注入口213と嵌合する突起部21aが設けられている。
内筒22は、図1のように収容部28に挿入する挿入部39と接続部37が設けられている。挿入部39の外周は外筒パッキン26と摺動する形状であり、収容部28に収容した検体が挿入部39と収容部28の間の隙間から漏れないようにしている。接続部37は図1には図示せぬピペット40と連通する接続開口36を備え、ピペット40と螺合するネジ部27によりピペット40と接続する。
挿入部39の吸引吐出口35は管路23、管路抵抗部24、管路25を介して接続開口36と連通している。管路抵抗部24は管路23、管路25より細くなっており、管路23から所定値以上の圧力P1で検体を注入したとき管路抵抗部24を通過して管路25に検体が吐出するようになっている。
外筒21、内筒22の材料は特に限定されるものではなく、例えばステンレス、真鍮などの金属材料や、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンなどの樹脂材料を用いることができる。管路抵抗部24は例えば直径1μm〜200μm、長さは0.5mm〜5mm程度であり、実験により所定値以上の圧力P1で検体を注入したとき管路抵抗部24を通過するように設定する。
次に、本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1について、図2を用いて説明する。
図2(a)、図2(b)はマイクロチップ1の外観図である。図2(a)において矢印は、図示せぬ筐体にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であり、図2(a)は挿入時にマイクロチップ1の下面となる面を図示している。図2(b)はマイクロチップ1の側面図である。
図2(a)の検出部の窓111aと検出部の流路111bは検体と試薬の反応を光学的に検出するために設けられており、ガラスや樹脂などの透明な部材で構成されている。110a、110b、110c、110d、110eは内部の微細流路に連通する駆動液注入口であり、各駆動液注入口110から駆動液を注入し内部の試薬等を駆動する。213はマイクロチップ1に検体を注入するための検体注入口である。
図2(b)に示すように、マイクロチップ1は溝形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基板109から構成されている。次に、マイクロチップ1を構成する溝形成基板108と被覆基板109に用いる材料について説明する。
マイクロチップ1は、加工成形性、非吸水性、耐薬品性、耐候性、コストなどに優れていることが望まれており、マイクロチップ1の構造、用途、検出方法などを考慮して、マイクロチップ1の材料を選択する。その材料としては従来公知の様々なものが使用可能であり、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材料を適宜組み合わせて、基板および流路エレメントが成形される。
特に、多数の測定検体、とりわけ汚染、感染のリスクのある臨床検体を対象とするチップは、ディスポーサブルタイプであることが望ましい。そのため、量産可能であり、軽量で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラステック樹脂、例えば、透明性、機械的特性および成型性に優れて微細加工がしやすいポリスチレンが好ましい。また、例えば分析においてチップを100℃近くまで加熱する必要がある場合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカーボネートなど)を用いることが好ましい。また、タンパク質の吸着が問題となる場合にはポリプロピレンを用いることが好ましい。樹脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイクロチップの局所的に加熱される領域に、これらの材料を用いることにより、面方向への熱伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加熱することができる。
検出部111において、呈色反応の生成物や蛍光物質などの検出を光学的に行う場合は、少なくともこの部位の基板は光透過性の材料(例えばアルカリガラス、石英ガラス、透明プラスチック類)を用い、光が透過するようにする必要がある。本実施形態においては、検出部の窓111aと、少なくとも検出部の流路111bを形成する溝形成基板は、光透過性の材料が用いられていて、検出部111を光が透過するようになっている。
マイクロチップ1には、検査、試料の処理などを行うための、微小な溝状の流路(微細流路)および機能部品(流路エレメント)が、用途に応じた適当な態様で配設されている。ここでは、これらの微細流路および流路エレメントによってマイクロチップ1内で行われる特定の遺伝子の増幅およびその検出を行う処理の一例を図2(c)を用いて説明する。
図2(c)はマイクロチップ1内部の微細流路および流路エレメントの機能を説明するための説明図である。
微細流路には、例えば検体液を収容する検体収容部221、試薬類を収容する試薬収容部220などが設けられており、場所や時間を問わず迅速に検査ができるよう、試薬収容部220には必要とされる試薬類、洗浄液、変性処理液などがあらかじめ収容されている。図2(c)において、試薬収容部220、検体収容部221および流路エレメントは四角形で表し、その間の微細流路は実線と矢印で表す。検体収容部221は本発明の液体収容部である。
マイクロチップ1は、微細流路を形成した溝形成基板108と溝状の流路を覆う被覆基板109から構成されている。微細流路はマイクロメーターオーダーで形成されており、例えば幅は数μm〜数百μm、好ましくは10〜200μmで、深さは25〜500μm程度、好ましくは25〜250μmである。
少なくともマイクロチップ1の溝形成基板108には、上記の微細流路が形成されている。被覆基板109は、少なくとも溝形成基板の微細流路を密着して覆う必要があり、溝形成基板の全面を覆っていても良い。なお、マイクロチップ1の微細流路には、例えば、図示せぬ送液制御部、逆流防止部(逆止弁、能動弁など)などの送液を制御するための部位が設けられ、逆流を防止し、所定の手順で送液が行われるようになっている。
検体注入口213はマイクロチップ1に検体を注入するための注入部、駆動液注入口110はマイクロチップ1に駆動液を注入するための注入部である。マイクロチップ1による検査を行うに先立って、検査担当者は検体を検体注入口213から図示せぬピペットチップ20を装着した図示せぬピペット40を用いて注入する。検体注入口213はピペットチップ20の突起部21aが嵌合するようになっている。
図2(c)に示すように、検体注入口213から注入された検体は、連通する微細流路を通って検体収容部221に収容される。検体収容部221の出口側には後に説明する撥水バルブ250が設けられ、所定以上の圧力P2を加えないと検体収容部221から吐出されないようになっている。
次に、駆動液注入口110aから所定以上の圧力P2で駆動液を注入すると、駆動液は連通する微細流路を通って検体収容部221に収容されている検体を押し出し、増幅部222に検体を送り込む。
一方、駆動液注入口110bから注入された駆動液は、連通する微細流路を通って試薬収容部220aに収容されている試薬aを押し出す。試薬収容部220aから押し出された試薬aは増幅部222に駆動液によって送り込まれる。このときの反応条件によっては、増幅部222の部分を所定の温度にする必要があり、加熱または吸熱して所定の温度で反応させる。
所定の反応時間の後、さらに駆動液により増幅部222から送り出された反応後の検体を含む溶液は、検出部111に注入される。注入された溶液は検出部111の流路壁に担持されている反応物質と反応し流路壁に固定化する。
次に、駆動液注入口110cから駆動液を注入すると、駆動液は連通する微細流路を通って試薬収容部220bに収容されている試薬bを押し出し、微細流路から検出部111に注入する。
同様に、駆動液注入口110dから駆動液を注入すると、駆動液は連通する微細流路を通って試薬収容部220cに収容されている試薬を押し出し、微細流路から検出部111に注入する。
最後に、駆動液注入口110eから駆動液を注入して、洗浄液収容部223から洗浄液を押しだし、検出部111に注入する。洗浄液によって検出部111内に残留している未反応の溶液41を洗浄する。
洗浄後、検出部111の流路壁に吸着した反応物の濃度を光学的に測定することによって、増幅した遺伝子など被検出物を検出する。このように、駆動液注入口110から駆動液を順次注入することにより、マイクロチップ1の内部で所定の処理が行われる。
図3を用いて、検体31を収容したピペットチップ20からマイクロチップ1の検体注入口213に検体31を注入する際の条件を説明する。
図3は検体31を収容したピペットチップ20をマイクロチップ1の検体注入口213に嵌合させた状態の断面図である。
図3のピペットチップ20は図1のピペットチップ20より簡略化した形状を図示しているが、図1のピペットチップ20と基本構成は同様であり、同じ構成要素には同番号を付し説明を省略する。また、図3には図2で説明したマイクロチップ1の検体注入口213、検体収容部221、撥水バルブ250、増幅部222の断面図を図示している。検体収容部221、撥水バルブ250、増幅部222は溝形成基板108に設けられた溝であり、被覆基板109に覆われている。撥水バルブ250の部分の深さは浅く、流路が狭くなっているため、検体31に所定以上の圧力P2を加えないと検体収容部221から増幅部222に検体31は吐出されない。
図3(a)は、ピペットチップ20の管路23と収容部28に検体31が収容されている状態を示している。検体31は、事前に外筒21の収容部28側を検体31が収容された容器に入れ、接続開口36を閉じて内筒22を図面上方向に移動させ検体31を吸引されたものとする。検体収容部221に収容する検体31の量は例えば1μl〜5μlであり、管路23と収容部28に収容されている検体31の量は、検体収容部221に収容する検体31の量よりも大きいものとする。
図3(b)は、図3(a)の状態から矢印方向に内筒22を移動させ、検体収容部221に検体31を注入した状態である。
検体31を検体収容部221に注入し、検体収容部221の内部が検体31で充填されてから、さらに内筒22を矢印方向に移動させると、管路抵抗部24と撥水バルブ250に加わる検体31の圧力が高まってくる。撥水バルブ250を通過可能な圧力P2を管路抵抗部24を通過可能な圧力P1より大きくしておくと、圧力P1以上が加わると検体31は管路抵抗部24を通過し、図3(b)のように管路25側にあふれ出す。このようにすると、簡単な操作で検体収容部221に所定の量の検体31を充填し、余った検体31はピペットチップ20の内部に回収できる。
次に、ピペットチップ20を装着したピペット40と、ピペット40を用いて自動的に液体の充填を行う充填装置80の実施形態について図4〜図11を用いて説明する。
図4は本発明の実施形態における充填装置80の回路ブロック図、図5は本発明の実施形態における充填手順を説明するためのフローチャート、図6〜図11は各手順におけるピペット40の状態を説明するための説明図である。
最初に図6を用いてピペット40と充填装置80の構成について説明する。
ピペット40は、ピペットチップ20を接続した筒状のピペット外筒42と、ピペット外筒の内壁と摺動するプランジャパッキン43を備えた吸引プランジャ41から構成される。吸引プランジャ41には、第1開口46、第2開口47を備えた管路44が設けられている。第1開口46は装着するピペットチップ20の接続開口35の側に設けられ、管路25と連通する。
吸引プランジャ41は、プランジャパッキン43がピペット外筒42の内壁と摺動しながら紙面上下方向に移動できるように構成されている。
吸引プランジャ駆動部45は、吸引プランジャ41を保持してモータなどの駆動源により吸引プランジャ41をピペット外筒42に対して相対的に移動させる本発明の吸引プランジャ駆動手段である。
ピペット外筒駆動部29は、例えばロボットアームであり、ピペット外筒42を保持して各方向に移動させることができる。ピペット外筒駆動部29は、本発明のピペット外筒駆動手段である。
ピペット外筒駆動部29は、ピペット40を図6のように内筒21の一部が容器30に収容された検体31に入る位置と、図9のように吸引吐出口35と検体注入口213が連通する位置の間を移動させることができる。また、図9の矢印S3方向に挿入部39を外筒21に押し込むようにピペット外筒42を移動させることができる。
電磁バルブ51の一端は、連結チューブ50を介して吸引プランジャ41の第2開口47と連通し、他端は大気側に開放されている。電磁バルブ51は電気信号により第2開口47を開閉する本発明のバルブ手段である。
次に、図4の回路ブロック図について説明する。
なお、今までに説明した同じ構成要素には同番号を付し説明を省略する。
充填装置80は、操作部87と液晶パネルなどを用いた表示部84を備え、操作者は表示部84の表示を参照して操作部87から充填装置80を操作する。
制御部99は、CPU98(中央処理装置)とRAM97(Random Access Memory),ROM96(Read Only Memory)等から構成され、不揮発性の記憶部であるROM96に記憶されているプログラムをRAM97に読み出し、当該プログラムに従って充填装置80の各部を集中制御する。
制御部99は、吸引プランジャ駆動制御部411、ピペット駆動制御部412、バルブ駆動制御部413を備える。
吸引プランジャ駆動制御部411は吸引プランジャ駆動部45を制御し、吸引プランジャ41を所定の位置に移動させる。
ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒駆動部29を制御し、吸引プランジャ41を所定の位置に移動させる。
バルブ駆動制御部413は電磁バルブ51を制御し、電磁バルブ51を開閉する。
吸引プランジャ駆動制御部411は本発明の吸引プランジャ駆動制御手段、ピペット外筒駆動制御部412は本発明のピペット外筒駆動制御手段、バルブ駆動制御部413は本発明のバルブ駆動制御手段である。
次に、図5のフローチャートと図6〜図11を用いて検体を充填する手順を説明する。
なお、予め検体31を収容した容器30と、マイクロチップ1が所定の位置に配置されているものとする。
S101:検体31を吸引する位置にピペット40を移動するステップである。
ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒駆動部29を制御し、図6のように外筒21の先端が検体31に入る位置までピペット40を移動させる。このとき、バルブ駆動制御部413は電磁バルブ51を閉じている。図6の電磁バルブ51を示すブロックに記す×印は電磁バルブ51を閉じた状態を示している。
S102:検体31をピペット40に吸入するステップである。
吸引プランジャ駆動制御部411は吸引プランジャ駆動部45を制御し、吸引プランジャ41を図7のように矢印S1方向に移動させ容器30内の検体31を吸入する。
S103:外筒21の先端をマイクロチップ1に挿入するステップである。
ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒駆動部29を制御し、ピペット40を移動させて図8のように突起部21aを検体注入口213に挿入する。
S104:吸引プランジャ41を初期位置に戻すステップである。
バルブ駆動制御部413は電磁バルブ51を開放する。図9の電磁バルブ51を示すブロックは電磁バルブ51を開放した状態を示している。次に、吸引プランジャ駆動制御部411は吸引プランジャ駆動部45を制御し、吸引プランジャ41を図9のように矢印S2方向に移動させ吸引プランジャ41を初期位置に戻す。
S105:内筒22を押し下げて検体31を注入するステップである。
ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒駆動部29を制御し、図9の矢印S3の方向にピペット外筒42に装着されている内筒22を所定の速度で押し下げ、検体31を検体注入口213から検体収容部221に注入する。
S106:検体31の注入を完了するステップである。
ピペット外筒駆動制御部412は、所定の位置でピペット外筒駆動部29を停止させる。図10のように検体収容部221は検体31で充填され、一方、余った検体31は管路抵抗部24を通過して管路25に収容されている。
S107:終了処理のステップである。
バルブ駆動制御部413は電磁バルブ51を閉じる。次に、ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒駆動部29を制御し、図11のようにピペット40をマイクロチップ1から離れた位置に配置されているフォーク52に外筒21が当接するように移動させる。次に、ピペット外筒駆動制御部412はピペット外筒42を図11の矢印S4方向に移動させる。すると、外筒21はフォーク52に当接しているので内筒22は外筒21に対し相対的に移動し、押し下げられた内筒22は初期位置に戻る。
なお、1回毎にピペットチップ20を使い捨てる場合は内筒22を初期位置に戻す手順は不要である。
検体31をマイクロチップ1に充填する手順は以上である。
以上このように、本発明によれば、簡単な操作により所定の圧力以下で検体収容部に検体を注入し、検体収容部に所定量の検体を充填することができるピペットチップ、検査システム、ピペット、充填装置を提供することができる。
本発明の実施形態におけるピペットチップ20の断面図である。 本発明の実施形態におけるマイクロチップ1を説明するための説明図である。 検体31を収容したピペットチップ20をマイクロチップ1の検体注入口213に嵌合させた状態の断面図である。 本発明の実施形態における充填装置80の回路ブロック図である。 本発明の実施形態における充填手順を説明するためのフローチャートである。 検体31を吸引する位置にピペット40を移動した状態を説明するための説明図である。 外筒21の先端をマイクロチップ1に挿入した状態を説明するための説明図である。 吸引プランジャ41を初期位置に戻した状態を説明するための説明図である。 内筒22を押し下げて検体31を注入する状態を説明するための説明図である。 ピペット40から検体31を検体収容部221に充填した状態を説明するための説明図である。 ピペット外筒42を初期位置に戻す動作を説明するための説明図である。
符号の説明
1 マイクロチップ
20 ピペットチップ
21 外筒
22 内筒
21a 突起部
23 管路
24 管路抵抗部
25 管路
26 外筒パッキン
27 ネジ部
28 収容部
29 ピペット外筒駆動部
35 吸引吐出口
36 接続開口
37 接続部
40 ピペット
41 吸引プランジャ
42 ピペット外筒
43 プランジャパッキン
45 吸引プランジャ駆動部
50 連結チューブ
51 電磁バルブ
80 充填装置
213 検体注入口
221 検体収容部
250 撥水バルブ
411 吸引プランジャ駆動制御部
412 ピペット外筒駆動制御部
413 バルブ駆動制御部

Claims (4)

  1. ピペットの先端に装着し、液体を吸引して収容部に収容し、該収容部から該液体を吐出するピペットチップにおいて、
    前記ピペットと連通する接続開口を備えた接続部と、
    前記接続開口と連通する吸引吐出口を先端に備えた挿入部と、
    前記収容部に挿入した前記挿入部と摺動する外筒パッキンと、
    を有し、
    前記吸引吐出口から流入した前記液体が所定の圧力P1を加えたとき前記接続開口の側に通過可能な管路抵抗部を設けたことを特徴とするピペットチップ。
  2. 請求項1に記載のピペットチップからマイクロチップの注入口に注入した液体を液体収容部に収容し、検査を行う検査システムにおいて、
    前記マイクロチップは前記液体収容部の吐出側に撥水バルブを有し、
    前記液体が前記圧力P1より大きい圧力P2を加えたとき前記撥水バルブを通過可能になるように構成されていることを特徴とする検査システム。
  3. 請求項2に記載の検査システムに用いるピペットであって、
    請求項1に記載のピペットチップを接続した筒状のピペット外筒と、
    前記ピペット外筒の内壁と摺動するプランジャパッキンと前記接続開口と連通する先端に設けられた第1開口と該第1開口と連通する他端に設けられた第2開口とを備えた吸引プランジャと、
    を有することを特徴とするピペット。
  4. 請求項3に記載のピペットと、
    前記第2開口を開閉するバルブ手段と、
    前記吸引プランジャを前記ピペット外筒に対して相対的に移動させる吸引プランジャ駆動手段と、
    前記収容部と前記注入口が連通する位置に移動させた後、前記挿入部を前記外筒に押し込むように前記ピペット外筒を移動させるピペット外筒駆動手段と、
    前記バルブ手段を制御するバルブ駆動制御手段と、
    前記吸引プランジャ駆動手段を制御する吸引プランジャ駆動制御手段と、
    前記ピペット外筒駆動手段を制御するピペット外筒駆動制御手段と、
    を有し、
    前記バルブ駆動制御手段が前記第2開口を閉じた後、前記吸引プランジャ駆動制御手段が前記吸引プランジャを移動させて前記液体収容部に液体を収容し、前記バルブ駆動制御手段が前記第2開口を開放した後、前記ピペット外筒駆動制御手段が前記ピペット外筒を移動させて前記液体を前記注入口から注入することを特徴とする充填装置。
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