JP7278890B2

JP7278890B2 - 扁平ボトル及びその製造方法

Info

Publication number: JP7278890B2
Application number: JP2019122334A
Authority: JP
Inventors: 峻原田; 修城野
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Current assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date: 2019-06-28
Filing date: 2019-06-28
Publication date: 2023-05-22
Anticipated expiration: 2039-06-28
Also published as: JP2021008295A

Description

本発明は、扁平ボトル及びその製造方法に関する。

ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等の合成樹脂製のボトルが、洗剤用、飲料用、食品用、化粧料用等の様々な用途に使用されている。このようなボトルは、有底筒状のプリフォームを形成し、金型に配置したプリフォームを軸方向及び径方向に延伸させる２軸延伸ブロー成形（例えば、特許文献１参照）によって得ることができる。

特開平５－２４０９９号公報

２軸延伸ブロー成形によって胴部が細長い横断面形状を有する扁平ボトルを成形する場合、プリフォームの延伸量が周方向に異なることにより、延伸量が比較的多くなる領域において胴部の肉厚が薄くなりすぎたり、破れたりする成形不良を生じる虞がある。また、この虞は、口部に対して胴部が偏心している場合に顕著となる。

本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、２軸延伸ブロー成形時に成形不良を生じ難くすることができる扁平ボトル及びその製造方法を提供することにある。

本発明の扁平ボトルは、胴部が細長い横断面形状を有する合成樹脂製の扁平ボトルであって、前記胴部の外面が、有底筒状のプリフォームを形成し、金型に配置したプリフォームを軸方向及び径方向に延伸させる２軸延伸ブロー成形により、前記胴部の外面における口部の中心軸線からの距離が所定の距離以内である短延伸領域に設けられた微細凹凸表面と、平滑表面とからなり、前記胴部の外面における前記口部の前記中心軸線からの距離が前記所定の距離を超える長延伸領域に主として前記平滑表面が位置し、前記短延伸領域に主として前記微細凹凸表面が位置することを特徴とする。

本発明の扁平ボトルは、上記構成において、前記口部に対して前記胴部が偏心しているのが好ましい。

本発明の扁平ボトルの製造方法は、有底筒状の合成樹脂製のプリフォームを形成するプリフォーム形成工程と、金型に配置した前記プリフォームを軸方向及び径方向に延伸することで胴部が細長い横断面形状を有する扁平ボトルを成形する延伸工程とを有し、前記プリフォームの外面を、前記胴部の外面における口部の中心軸線からの距離が所定の距離以内である短延伸領域に対応する領域に位置する微細凹凸表面と、平滑表面とから構成し、前記金型のキャビティを平滑表面から構成し、前記プリフォームの前記外面は、前記胴部の外面における前記口部の前記中心軸線からの距離が前記所定の距離を超える長延伸領域に対応する領域に主として前記平滑表面が位置し、前記短延伸領域に対応する領域に主として前記微細凹凸表面が位置することを特徴とする。

本発明の扁平ボトルの製造方法は、上記構成において、前記プリフォーム形成工程において、前記微細凹凸表面をブラスト加工によって設けるのが好ましい。

本発明の扁平ボトルの製造方法は、上記構成において、前記延伸工程において、前記口部に対応する部分に対して前記胴部に対応する部分が偏心した前記キャビティを有する前記金型を用いるのが好ましい。

本発明によれば、２軸延伸ブロー成形時に成形不良を生じ難くすることができる扁平ボトル及びその製造方法を提供することができる。

本発明の一実施の形態である扁平ボトルを示す側面図である。図１に示す扁平ボトルの上面図である。図１と９０°異なる角度から視た扁平ボトルの側面図である。

以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。

図１～図３に示す本発明の一実施の形態である扁平ボトル１は、円筒状の口部２と、口部２の下端に連なる有底筒状の胴部３とからなっており、胴部３の少なくとも一部が細長い横断面形状を有する扁平状をなしている。本実施形態における胴部３は、下半部が扁平状となるように形成されている。また、扁平ボトル１は、有底筒状のプリフォームを形成し、金型に配置したプリフォームを軸方向及び径方向に延伸させる２軸延伸ブロー成形により、成形されている。なお、本願において、上下方向とは口部２の中心軸線Ｏに沿う方向、すなわち軸方向を意味し、上方とは胴部３から口部２に向かう方向を意味し、下方とはその反対方向を意味し、径方向とは口部２の中心軸線Ｏと直交する方向を意味し、周方向とは口部２の中心軸線Ｏを周回する方向を意味し、横断面とは口部２の中心軸線Ｏと直交する断面を意味している。

また、扁平ボトル１は、口部２に対して胴部３が偏心している。なお、本願において、口部２に対して胴部３が偏心するとは、口部２の中心軸線Ｏに対して胴部３の中心軸線が実質的に一致しない状態を意味しており、口部２の中心軸線Ｏに対して胴部３の中心軸線が平行である状態や、傾斜している状態を含んでいる。

扁平ボトル１は、主材樹脂としてポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）を用いたポリエチレンテレフタレート樹脂製であるが、ポリエチレンテレフタレート樹脂以外の合成樹脂製であってもよい。また、扁平ボトル１は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。

口部２の外面には、図示しないキャップ部材に対する雄ねじ状の係止部２ａと円環状のネックリング２ｂとが設けられている。係止部２ａは雄ねじ状に限らず、例えば打栓用の円環凸状であってもよい。ネックリング２ｂは円環状に限らず、また、ネックリング２ｂを設けない構成としてもよい。

胴部３の外面は、２軸延伸ブロー成形により、胴部３の外面における口部２の中心軸線Ｏからの距離が所定の距離以内である短延伸領域に設けられた微細凹凸表面Ｓ１と、平滑表面Ｓ２とからなっている。

このような扁平ボトル１は、より具体的には以下に述べる製造方法（すなわち、本発明の一実施の形態である扁平ボトルの製造方法）によって得ることができる。

本実施の形態である扁平ボトルの製造方法は、有底筒状の合成樹脂製のプリフォームを射出成形によって形成するプリフォーム形成工程と、金型に配置したプリフォームを軸方向及び径方向に延伸することで扁平ボトル１を成形する延伸工程とを有している。なお、プリフォームは射出成形以外の方法によって形成してもよい。延伸工程で用いる金型は、口部２に対応する部分に対して胴部３に対応する部分が偏心したキャビティを有している。延伸工程により、キャビティの形状に沿った形状の胴部３を有する扁平ボトル１が成形される。

延伸工程においては、プリフォームの内部に加圧流体を供給することにより、プリフォームが径方向に延伸される。また、延伸工程においては、延伸ロッドによってプリフォームを軸方向に延伸してもよいし、延伸ロッドを用いずに、プリフォームの内部に供給した加圧流体によってプリフォームを軸方向に延伸してもよい。

本実施の形態である扁平ボトルの製造方法では、プリフォームの外面を、胴部３の外面の短延伸領域に対応する領域に位置する微細凹凸表面と、平滑表面とから構成し、金型のキャビティを平滑表面から構成するようにしている。微細凹凸表面は、プリフォーム形成工程においてブラスト加工によって容易に設けることができるが、これに限らず、例えば、プリフォームの射出成形に用いる金型のキャビティに微細凹凸表面を形成することによって設けてもよい。

しかし、本実施の形態である扁平ボトルの製造方法はこれに限らず、プリフォームの外面と金型のキャビティとの一方を胴部３の外面の短延伸領域に対応する領域に位置する微細凹凸表面と、平滑表面とから構成し、プリフォームの外面と金型のキャビティとの他方を平滑表面から構成するようにしていればよい。なお、プリフォームの外面と金型のキャビティとの一方に設けた微細凹凸表面により、扁平ボトル１の胴部３の微細凹凸表面Ｓ１が形成される。

微細凹凸表面と平滑表面との接触によりプリフォームの外面と金型のキャビティとを接触させる場合の方が、平滑表面と平滑表面との接触によりプリフォームの外面と金型のキャビティとを接触させる場合よりも、接触面同士を滑り易くすることができる。

したがって、このような製造方法によれば、延伸工程において、プリフォームが径方向に延伸してまず胴部３の外面の短延伸領域に対応する領域で金型のキャビティに接する際にプリフォームの外面と金型のキャビティとが互いに滑り易くなる。このため、その後にプリフォームが胴部３の外面における口部２の中心軸線Ｏからの距離が所定の距離を超える長延伸領域に対応する領域で径方向にさらに延伸する際に、短延伸領域側から長延伸領域側に合成樹脂材料を移動し易くすることができる。したがって、短延伸領域側への偏肉を抑制することができるので、長延伸領域側において胴部３の肉厚が薄くなりすぎたり、破れたりする成形不良を生じ難くすることができる。

短延伸領域は、例えば、径方向の延伸量が最大延伸量と最小延伸量の平均値未満となる領域とすることができる。微細凹凸表面Ｓ１は、短延伸領域内における最小延伸量部分を含む一部のみに設けてもよい。

また、上記の製造方法では、微細凹凸を施す範囲を胴部３の外面の短延伸領域に対応する領域内に限定しているので、扁平ボトル１の製造コストを低減することができる。

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。

前記の実施形態では、延伸工程において胴部３に対応する部分が口部２に対応する部分に対して偏心したキャビティを有する金型を用いることにより、胴部３が口部２に対して偏心した扁平ボトル１を製造するようにしているが、これに限らず、延伸工程において胴部３に対応する部分が口部２に対応する部分に対して偏心していないキャビティを有する金型を用いることにより、胴部３が口部２に対して偏心していない扁平ボトル１を製造するようにしてもよい。この扁平ボトル１については、短軸方向の対向面に微細凹凸を施し、長軸方向の対向面を平滑表面とすればよい。

また、前記の実施形態では、延伸工程において扁平状のキャビティを有する金型を用いることにより扁平ボトル１を製造するようにしているが、これに限らず、延伸工程において胴部３に対応する部分が口部２に対応する部分に対して偏心した非扁平状のキャビティを有する金型を用いることにより、胴部３が口部２に対して偏心した非扁平状の偏心ボトルを製造するようにしてもよい。

１扁平ボトル
２口部
２ａ係止部
２ｂネックリング
３胴部
Ｏ口部の中心軸線
Ｓ１胴部の微細凹凸表面
Ｓ２胴部の平滑表面

Claims

胴部が細長い横断面形状を有する合成樹脂製の扁平ボトルであって、
前記胴部の外面が、有底筒状のプリフォームを形成し、金型に配置したプリフォームを軸方向及び径方向に延伸させる２軸延伸ブロー成形により、前記胴部の外面における口部の中心軸線からの距離が所定の距離以内である短延伸領域に設けられた微細凹凸表面と、平滑表面とからなり、
前記胴部の外面における前記口部の前記中心軸線からの距離が前記所定の距離を超える長延伸領域に主として前記平滑表面が位置し、前記短延伸領域に主として前記微細凹凸表面が位置することを特徴とする扁平ボトル。
前記口部に対して前記胴部が偏心している、請求項１に記載の扁平ボトル。
有底筒状の合成樹脂製のプリフォームを形成するプリフォーム形成工程と、
金型に配置した前記プリフォームを軸方向及び径方向に延伸することで胴部が細長い横断面形状を有する扁平ボトルを成形する延伸工程とを有し、
前記プリフォームの外面を、前記胴部の外面における口部の中心軸線からの距離が所定の距離以内である短延伸領域に対応する領域に位置する微細凹凸表面と、平滑表面とから構成し、
前記金型のキャビティを平滑表面から構成し、
前記プリフォームの前記外面は、前記胴部の外面における前記口部の前記中心軸線からの距離が前記所定の距離を超える長延伸領域に対応する領域に主として前記平滑表面が位置し、前記短延伸領域に対応する領域に主として前記微細凹凸表面が位置することを特徴とする扁平ボトルの製造方法。
前記プリフォーム形成工程において、前記微細凹凸表面をブラスト加工によって設ける、請求項３に記載の扁平ボトルの製造方法。
前記延伸工程において、前記口部に対応する部分に対して前記胴部に対応する部分が偏心した前記キャビティを有する前記金型を用いる、請求項３又は４に記載の扁平ボトルの製造方法。