JP7276922B1 - 空調設備および空調方法 - Google Patents
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Abstract
Description
負極の活物質として用いられる水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出が行えるものであれば特に限定されない。例えば、希土類系合金であるAB5型、ラーベス相合金であるAB2型、チタン-ジルコニウム系合金であるAB型、マグネシウム系合金であるA2B型などの合金系が挙げられる。
正極の活物質は、二酸化マンガンが好ましい。二酸化マンガンは安価で環境への負荷が小さいという特徴がある。なお、高容量化を達成しやすいことから、正極の活物質は、嵩密度が大きなもの、例えば球状のものが好ましい。
中間電極の活物質は水酸化ニッケルが好ましい。なお、高容量化を達成しやすいことから、中間電極の活物質は、嵩密度が大きなもの、例えば球状のものが好ましい。
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン-ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)を含む。
導電助剤は、導電性を有する粉末であればよい。この導電助剤は、例えば、黒鉛粉末、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどの、カーボン粉末が好ましい。もしくはオキシ水酸化コバルトが好ましい。
固体電解質は、特に限定されないが、発火性が低く、耐水性がある酸化物系を用いた。固体電解質を砕いたもの網目の細かいふるいでふるったものを水に溶かしてスラリーにして、ポリオレフィン系の不織布を浸した後に乾燥させ粉体状にした。
負極、正極および中間電極には固体電解質の粉末の他にニッケル粉を添加した。ニッケル粉は電極の導電性を良くする効果が期待でき、固体電解質は電解液と活物質間のイオン導電性を改善するのに役立つ。
活物質として水素吸蔵合金、導電助剤としてカーボンブラック、および、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。粉末状の前述の負極材料を混合した後、造粒したものをペースト状に混練して、このペーストを集電体に配置して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して負極を製作した。なお、集電体として発泡状もしくは繊維状のニッケル金属多孔体が好ましく、本実施形態ではニッケルフォームを用いた。
活物質として二酸化マンガン、導電助剤としてオキシ水酸化コバルト、および、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。粉末状の前述の正極材料を混合した後、造粒したものをペースト状に混練して、このペーストを集電体に配置して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して正極を製作した。なお、集電体として発泡状もしくは繊維状のニッケル金属多孔体が好ましく、本実施形態ではニッケルフォームを用いた。
活物質として水酸化ニッケル、導電助剤としてカーボンブラック、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。粉末状の前述の中間電極材料を混合してペースト状に混練して、このペーストを集電体に塗工して、乾燥後にローラープレスで集電体を圧延して中間電極を製作した。なお、集電体として発泡状もしくは繊維状のニッケル金属多孔体が好ましく、本実施形態ではニッケルフォームを用いた
本発明で用いられる電解液は、水電解で通常用いられているアルカリ水溶液であれば特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ物質を一種単独もしくは二種以上を水に溶かしたものが好適である。電池の出力特性の観点から、電解液は水酸化カリウム水溶液であることが好ましい。
本発明で用いられるセパレータは、電子は通さず、イオンを透過させ、ガスを通過しにくいものが好ましい。セパレータの形状としては、微多孔膜、織布、不織布、圧粉体が挙げられ、このうち、出力特性と作製コストの観点から不織布が好ましい。セパレータの材料としては、特に限定されないが、耐アルカリ性、耐酸化性、耐還元性を有することが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。本実施形態においてはポリプロピレン製の不織布を採用した。
コアユニット20は、正極11と、中間電極13と、負極12と、正極11-中間電極13間に介在するセパレータ14と、負極12-中間電極13間に介在するセパレータ14と、これら電極群を収納する密閉容器(図示せず)とを主要な構成要素として備えている。
燃料電池作動モードは、水素ガス貯蔵室34および酸素ガス貯蔵室33にそれぞれ貯蔵された水素ガスおよび酸素ガスにより発電を行うモードである。すなわち、負極12は水素ガスにより充電状態にあり、正極11は酸素ガスにより充電状態にある。このとき、負極12における酸化反応と、中間電極13における還元反応により、中間電極13が放電する。一方、正極11における還元反応と、中間電極13における酸化反応により、中間電極13が充電される。このとき、コアユニット20は燃料電池として動作する。図2は燃料電池作動モードにおける各電極の反応サイクルを示したチャートである。水素ガスおよび酸素ガスは、後述する燃料ガス発生モードで蓄えた水素ガスおよび酸素ガスを使用してもよく、他所で製造された水素ガスおよび酸素ガスを使用してもよい。以下、燃料電池作動モードについて、反応式を用いて説明を行う。
2M + H2 → 2MH (1)
また正極11は酸素ガス貯蔵室33に貯えられた酸素ガスにより充電される。その反応式を(2)式に示す。
2MnOOH + 1/2O2 → 2MnO2 + H2O (2)
負極12および正極11が充電状態にあれば、コアユニット20は燃料電池として発電することができる。このことを以下に説明する。
充電状態にある負極12および中間電極13が放電をする。
反応式で示すと、中間電極13の放電は、負極12における酸化反応と、中間電極13における還元反応により進む。この反応は図2の(*1)で示すサイクルに図示されている。
負極12の反応式は、(3)式となる。
MH + OH- → M + H2O + e- (3)
一方、中間電極13の反応式は、(4)式となる。
NiOOH + H2O + e- → Ni(OH)2 + OH- (4)
(3)式において放電した負極12は、水素ガスにより直ちに充電されることは(1)式に示す通りである。
充電状態にある正極11が放電し、中間電極13が充電する。
反応式で示すと、正極11における還元反応と、中間電極13における酸化反応により、中間電極13が充電される。この反応は図2の(*2)で示すサイクルに図示されている。
正極11の反応式は(5)式となる。
MnO2 + H2O + e- → MnOOH + OH- (5)
一方、中間電極13の反応式は、(6)式となる。
Ni(OH)2 + OH- → NiOOH + H2O + e- (6)
(5)式において放電した正極11は、酸素ガスにより直ちに充電されることは(2)式に示す通りである。
ステップ1とステップ2を含めた、正極11、中間電極13および負極12の全反応は(7)式となる。
H2 + 1/2O2 → H2O (7)
燃料ガス発生モードは、電極反応を利用して水素ガスと酸素ガスが発生するモードである。このモードでは、負極12からは水素ガスが、正極11からは酸素ガスがそれぞれ発生するが、これら水素ガスおよび酸素ガスは、互いに接触することなく、別個に水素ガス貯蔵室34および酸素ガス貯蔵室33にそれぞれ貯蔵される。
燃料ガス発生モードについて、水素ガス発生ステップと酸素ガス発生ステップに分けて、反応式を用いて説明を行う。
ステップ1は水素発生反応ステップである。負極12に直流電源(図示せず)のマイナス極を接続し、中間電極13にプラス極を接続して負極12の充電を行った場合、負極12の反応式は(8)式となる。
2M + 2H2O +2e- → 2MH + 2OH- (8)
なお、式中Mは水素吸蔵合金を表す。そして、負極12が満充電になり水素吸蔵合金が水素を吸蔵しなくなると、(9)式の反応式により負極12から水素が発生する。
このとき、負極12の全反応式は(9)式となる。
2H2O + 2e- → 2OH- + H2 (9)
一方、中間電極13は、水酸化イオンを取り込んで充電され、反応式は(10)式となる。
2Ni(OH)2 + 2OH- → 2NiOOH + 2H2O + 2e-(10)
中間電極13が満充電となると、反応を停止する。
このとき、中間電極13と負極12の全反応式は、(9)式と(10)式から(11)式となる。
2Ni(OH)2 → 2NiOOH + H2 (11)
ステップ2は酸素発生反応ステップである。中間電極13に直流電源のプラス極を接続し、正極11にマイナス極を接続した場合、正極11の反応式は(12)式となる。
MnOOH + OH- → MnO2 + H2O + e- (12)
ここで、正極11は酸素ガスに接触しており満充電状態なので、このとき(13)式の反応式により正極11から酸素が発生する。
2OH- → 2e- + H2O + 1/2O2 (13)
一方、中間電極13の反応式は(14)式となる。
2NiOOH + 2H2O + 2e- → 2Ni(OH)2 + 2OH-(14)
そして、正極11と中間電極13の満充電前の全反応式は、
(12)式と(14)式から次式となる。
MnOOH + NiOOH → MnO2 + Ni(OH)2
一方、正極11と中間電極13の全反応式は(13)式と(14)式から(15)式となる。
2NiOOH + H2O → 2Ni(OH)2 + 1/2O2 (15)
ステップ1とステップ2を含めた、負極12、中間電極13および正極11の全反応式は(16)式となる。
H2O → H2 + 1/2O2 (16)
上記水素発生反応ステップの特徴は、酸素発生反応において水を電気分解して生じた水素を水素吸蔵合金に貯えておき、電極の酸化還元反応を利用して水素を取り出すことにある。
図6は、水電解装置を用いた冷房設備の物質とエネルギーのフローを説明する図である。水電解装置52における水電解反応で冷却された電解液は熱交換器S1で圧縮機55からの空気と熱交換して加熱される。すなわち、40℃の大気が圧縮機55にて断熱圧縮されて120℃となる。120℃の空気(大気)と80℃の電解液リザーバ54からの電解液が熱交換器S1で熱交換して、それぞれ、80℃の空気と100℃の電解液になる。熱交換器S1はシェル&チューブタイプのものであってもよい。
図7は燃料電池を用いた暖房設備の物質とエネルギーのフローを説明する図である。電解液は燃料電池60の発電過程で60℃から80℃に加熱される。更に、電解液は電解液リザーバ62を経由して熱交換器F1に流れ、熱交換器F1で冷却され60℃となる。燃料電池60の燃料となる水素は水素貯蔵室61から供給される。
11 正極(11t:接続端子)
12 負極(12t:接続端子)
13 中間電極(13t:接続端子)
14 セパレータ
17 酸素流通口
18 水素流通口
19 電解液リザーバ
20 コアユニット
21 スイッチユニット
26 第1ダイオード
27 第2ダイオード
28 切換スイッチ
29 トランス
33 酸素ガス貯蔵室
34 水素ガス貯蔵室
35 電解液タンク
36 電解液ポンプ
51 太陽電池
52 水電解装置
53 水素貯蔵室
54 電解液リザーバ
55 圧縮機
56 膨脹タービン
57 電動機
58 氷蓄熱タンク
59 温水タンク
60 燃料電池
61 水素貯蔵室
62 電解液リザーバ
63 蓄電池
F1 熱交換器
F2 熱交換器
S1 熱交換器
S2 熱交換器
Claims (11)
- 水素吸蔵合金を含む負極と、
二酸化マンガンを含む正極と、
前記負極と前記正極の間に配された水酸化ニッケルを含む中間電極とを有し、燃料電池である燃料電池作動モード及び水電解装置である燃料ガス発生モードとして動作するコアユニットを備え、
前記コアユニットにおいて、電解液が前記正極、前記負極、および前記中間電極と接触しており、
燃料ガス発生モードにおける水電解時に冷却された前記電解液である第1電解液による冷房、および、燃料電池作動モードにおける燃料電池の発電時の反応熱により加熱された前記電解液である第2電解液による暖房を行う空調設備。 - 前記負極が水素吸蔵合金を含み、
前記正極が二酸化マンガンを含み、
前記中間電極が水酸化ニッケルを含む、
請求項1に記載の空調設備。 - 前記負極、前記正極および前記中間電極がニッケル粉および固体電解質を含んでいる請求項2に記載の空調設備。
- 圧縮機により圧縮された空気と前記第1電解液とが熱交換することにより前記第1電解液が加熱されるとともに前記圧縮後の空気が冷却される請求項3に記載の空調設備。
- 前記圧縮機と、
前記圧縮した空気を膨張する膨張機とが同軸に構成されていて、
前記第1電解液と熱交換後の空気が前記膨張機において膨張することにより前記圧縮機を駆動する請求項4に記載の空調設備。 - 前記膨張機から排出された空気が冷熱源に供給され、屋内空気と前記第1電解液と熱交換後の空気とが熱交換することにより前記屋内空気が加熱されて温熱源に供給される請求項5に記載の空調設備。
- 空気を圧縮する圧縮機と、
圧縮した前記空気を膨張する膨張機とが同軸に構成されていて、
圧縮後の前記空気と屋内空気とが熱交換することにより前記圧縮後の空気が冷却されるとともに前記屋内空気が加熱されて加熱後の前記屋内空気が温熱源に供給される請求項3に記載の空調設備。 - 前記屋内空気と熱交換により冷却された空気と前記第2電解液とが熱交換することにより前記屋内空気と熱交換により冷却された空気が加熱されるとともに前記第2電解液が冷却される請求項7に記載の空調設備。
- 前記第2電解液と熱交換後の空気が前記膨張機において膨張することにより前記圧縮機を駆動するとともに前記膨張機を出た空気が冷熱源に供給される請求項8に記載の空調設備。
- 前記第1電解液が前記水電解装置内を循環流通し、前記第2電解液が前記燃料電池内を循環流通する請求項1~9のいずれかに記載の空調設備。
- 水素吸蔵合金を含む負極と、
二酸化マンガンを含む正極と、
前記負極と前記正極の間に配され水酸化ニッケルを含む中間電極とを有し、燃料電池である燃料電池作動モード及び水電解装置である燃料ガス発生モードとして動作するコアユニットにおいて、電解液が前記正極、前記負極、および前記中間電極と接触しており、
燃料ガス発生モードにおける水電解時に冷却された前記電解液である第1電解液を用いた冷房、および、燃料電池作動モードにおける燃料電池の発電時の反応熱により加熱された前記電解液である第2電解液を用いた暖房を行う空調方法。
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