以下、本発明の各実施形態に係る電動アクチュエータについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータの構成を示す部分断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100は、駆動機構と、軸体110と、移動可能なナット160と、筐体120と、第1軸受131および第2軸受132と、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142とを備える。
駆動機構は、モータ10、および、モータ10の出力軸部11に接続された減速機構部12を含む。減速機構部12は、軸体110における軸方向の一方側の端部に位置する回転軸部115に接続されている。本実施形態においては、モータ10と軸体110とが、互いに並列に配置されているが、これに限られず、モータ10と軸体110とが、同一直線状に配置されていてもよい。
軸体110は、軸方向に延在している。軸体110には、上記軸方向の一方側から順に、回転軸部115、雄ねじ部114、円柱部113、拡径部112、および、ねじ軸部111が設けられている。拡径部112においては、軸体110の直径が部分的に大きくなっている。ねじ軸部111は、いわゆるボールねじのねじ軸として機能する部分である。
ナット160は、ねじ軸部111にボールを介して螺合し、駆動機構が駆動することにより軸体110に対して相対的に上記軸方向に移動可能である。ナット160は、いわゆるボールねじのナットである。電動アクチュエータ100においては、軸体110とナット160とを含むボールねじが構成されている。
ナット160には、可動筒170が接続されている。可動筒170の内側に、軸体110のねじ軸部111が位置している。可動筒170は、ナット160とともに軸体110に対して相対的に上記軸方向に移動可能である。可動筒170の上記軸方向の他方側の端部には、先端金具171が取り付けられている。本実施形態に係る電動アクチュエータ100においては、可動筒170および先端金具171が直線可動部となり、先端金具171が直線可動部の先端部となる。
筐体120は、軸体110の一部を収容する。本実施形態においては、筐体120は、略円筒状の外形を有している。筐体120は、軸体110と同軸状に配置されている。筐体120の内部に、軸体110の円柱部113および拡径部112が位置している。筐体120には、筐体120の径方向に延在する2つの貫通孔123が設けられている。2つの貫通孔123のうちの一方から、第1荷重センサ141に接続された引出配線が筐体120の外側に引き出される。2つの貫通孔123のうちの他方から、第2荷重センサ142に接続された引出配線が筐体120の外側に引き出される。
筐体120の上記軸方向の一方側に、ハウジング20が配置されており、筐体120の上記軸方向の他方側に、外筒22が配置されている。筐体120は、ハウジング20と外筒22との間に挟まれた状態で、ハウジング20および外筒22の各々と接続されている。
ハウジング20は、モータ10のモータハウジングと接続されている。ハウジング20の内部に、出力軸部11、減速機構部12、並びに、軸体110の回転軸部115および雄ねじ部114が位置している。軸体110の上記軸方向の一方側の端面と対向するように配置されたベースプレート21が、ハウジング20に取り付けられている。ベースプレート21は、上記軸方向に突出した突出部を有し、突出部には開口部21hが設けられている。
外筒22の上記軸方向の他方側の端部に、外筒22と可動筒170との間を塞ぐブッシュ23が取り付けられている。ブッシュ23の内周面には、可動筒170の外周面と摺接する潤滑部材が設けられている。
ハウジング20、筐体120、外筒22およびブッシュ23によって囲まれた空間は、閉鎖空間となっている。なお、筐体120の2つの貫通孔123は、後述するように、筐体120に端子箱180などが取り付けられることにより閉塞される。
第1軸受131および第2軸受132の各々の少なくとも一部は、軸体110が挿通された状態で筐体120内に配置されている。第1軸受131および第2軸受132の各々の内側に、軸体110の円柱部113が位置している。第1軸受131および第2軸受132の各々は、たとえば、転がり軸受またはすべり軸受である。具体的には、第1軸受131および第2軸受132の各々は、円すいころ軸受でもよい。
第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、環状であり、軸体110が挿通された状態で筐体120内に配置されている。第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の内側に、軸体110の円柱部113が位置している。第1荷重センサ141は、第1軸受131と並んで配置されている。第2荷重センサ142は、第2軸受132と並んで配置されている。本実施形態においては、第1荷重センサ141は、第1軸受131と直接的に接しているが、たとえば、ワシャなどを介して第1軸受131と間接的に接していてもよい。第2荷重センサ142は、第2軸受132と直接的に接しているが、たとえば、ワシャなどを介して第2軸受132と間接的に接していてもよい。また、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の形状は、環状に限られない。
第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、たとえば、ひずみゲージ式、圧電式、磁歪式、静電容量式、ジャイロ式、ばね式または音叉式の荷重センサである。第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、いわゆるロードセルで構成されていてもよい。
筐体120は、上記軸方向において第1荷重センサ141が配置されている位置と第2荷重センサ142が配置されている位置との間に、筐体120の内径が部分的に小さくなっている縮径部122を有している。
具体的には、筐体120において、第1軸受131および第1荷重センサ141を囲んでいる内周面121と、第2軸受132および第2荷重センサ142を囲んでいる内周面121との間に、内周面121より内径の小さい縮径部122が設けられている。第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において縮径部122と並んで配置されている。
軸体110は、軸体110の円柱部113および拡径部112が筐体120に収容された状態において、上記軸方向における縮径部122の位置より一方側の位置に雄ねじ部114を有し、かつ、上記軸方向における縮径部122の位置より他方側の位置に拡径部112を有している。
電動アクチュエータ100は、軸体110の雄ねじ部114と螺合するロックナット150をさらに備える。縮径部122に対して上記軸方向の一方側に位置する第1荷重センサ141および第1軸受131、並びに、縮径部122に対して上記軸方向の他方側に位置する第2荷重センサ142および第2軸受132を、上記軸方向の一方側に向けて挿通した軸体110の雄ねじ部114と、ロックナット150とが螺合することにより、第1荷重センサ141および第1軸受131が縮径部122とロックナット150との間に挟み込まれ、第2荷重センサ142および第2軸受132が縮径部122と拡径部112との間に挟み込まれている。その結果、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体120内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、ロックナット150を雄ねじ部114に締め込んだときの軸力によって発生している。
端子箱180は、本体部181、蓋部182、パッキン183およびシール部184を含む。本体部181の底面は、シール部184を介して筐体120の外周面と接している。シール部184によって、筐体120と端子箱180とが、気密に接続されている。
本体部181の底面には、筐体120の2つの貫通孔123に対応する開口が設けられている。この開口および貫通孔123を通じて、第1荷重センサ141に接続された引出配線および第2荷重センサ142に接続された引出配線の各々が、端子箱180の内部に引き込まれている。
本体部181の内部に、基板を保持する基板台186、および、アンプを保持するアンプ台187が設けられている。本体部181は、パッキン183を介して蓋部182によって気密に閉鎖されている。
上記のように、筐体120に端子箱180などが取り付けられて、筐体120の2つの貫通孔123が閉塞されることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142が筐体120の外部に露出しないようにすることができる。
モータ10が正転駆動して先端金具171が物体を上記軸方向の他方に向けて押したとき、先端金具171には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。先端金具171に負荷された荷重F1は、可動筒170を介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F1は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F1は、軸体110の拡径部112から第2軸受132を介して第2荷重センサ142に伝播する。その結果、第2荷重センサ142が荷重F1を検出する。
モータ10が逆転駆動して先端金具171が物体を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、先端金具171には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。先端金具171に負荷された荷重F2は、可動筒170を介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F2は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F2は、軸体110の雄ねじ部114からロックナット150および第1軸受131を介して第1荷重センサ141に伝播する。その結果、第1荷重センサ141が荷重F2を検出する。
ここで、予圧荷重が負荷されている、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の検出値から負荷荷重を算出する方法について説明する。
図2は、可動筒に荷重が負荷されていない状態を示す模式図である。図2においては、電動アクチュエータ100において第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の周囲の構成のみ図示しており、先端金具171は図示していない。
可動筒170に荷重が負荷されていない状態においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に予圧荷重F0のみ負荷される。この状態においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の検出値はF0となる。たとえば、予圧荷重F0=80kgである場合、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の検出値は80kgとなる。
すなわち、可動筒170に負荷されている荷重は、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引いて、80kg-80kg=0kgであると算出することができる。
図3は、可動筒に予圧荷重より低い荷重が負荷されている状態を示す模式図である。図3に示すように、可動筒170が予圧荷重より低い荷重Faで物体を押しているとき、可動筒170に上記軸方向の一方に向けて荷重Faが負荷される。この状態において、第1荷重センサ141には予圧荷重F’0が負荷され、第2荷重センサ142には予圧荷重F’0および荷重Faが負荷される。たとえば、予圧荷重F0=80kg、荷重Fa=20kgである場合、第1荷重センサ141の検出値は70kgとなり、第2荷重センサ142の検出値は90kgとなる。
すなわち、可動筒170に負荷されている荷重は、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引いて、90kg-70kg=20kgであると算出することができる。
図4は、可動筒に予圧荷重より高い荷重が負荷されている状態を示す模式図である。図4に示すように、可動筒170が予圧荷重より高い荷重Fbで物体を押しているとき、可動筒170に上記軸方向の一方に向けて荷重Fbが負荷される。たとえば、予圧荷重F0=80kg、荷重Fb=200kgである場合、第1荷重センサ141の検出値は0kgとなり、第2荷重センサ142の検出値は200kgとなる。
すなわち、可動筒170に負荷されている荷重は、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引いて、200kg-0kg=200kgであると算出することができる。
上記のように、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引くことにより、可動筒170に負荷されている荷重を算出することができる。算出された荷重の値が正である場合は、可動筒170に上記軸方向の一方に向いた荷重が負荷されており、算出された荷重の値が負である場合は、可動筒170に上記軸方向の他方に向いた荷重が負荷されている。
上記のように、本実施形態に係る電動アクチュエータ100においては、軸体110に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ142の検出値が増加しつつ第1荷重センサ141の検出値が減少するように、かつ、軸体110に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ141の検出値が増加しつつ第2荷重センサ142の検出値が減少するように、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々が配置されている。
本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体120内に固定されている。また、軸体110に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ142の検出値が増加しつつ第1荷重センサ141の検出値が減少するように、かつ、軸体110に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ141の検出値が増加しつつ第2荷重センサ142の検出値が減少するように、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々が配置されている。
可動筒170に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に予圧荷重を負荷していることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、電動アクチュエータ100において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
また、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142が筐体120の外部に露出しないようにすることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に水およびダストなどが付着することを抑制して、電動アクチュエータ100の信頼性を高めることができる。
さらに、軸体110を支持する第1軸受131および第2軸受132とは別に1対の軸受を設ける必要がないため、電動アクチュエータ100が大型化することを抑制することができる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータについて図を参照して説明する。本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200は、駆動機構および予圧荷重を負荷するための構成が主に、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100と異なるため、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図5は、本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータの構成を示す部分断面図である。図5に示すように、本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200は、駆動機構と、軸体110と、移動可能なナット160と、筐体と、第1軸受131および第2軸受132と、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142とを備える。
電動アクチュエータ200は、駆動機構が駆動することにより、軸体110の周方向に回転する回転ホイール40をさらに備える。具体的には、駆動機構は、モータ、および、モータの出力軸部に接続された円筒ウォーム30を含む。円筒ウォーム30は、ウォームホイールである回転ホイール40と係合している。円筒ウォーム30および回転ホイール40は、ウォームギヤを構成している。
軸体110には、上記軸方向の一方側から順に、雄ねじ部114、円柱部113、および、ねじ軸部111が設けられている。ねじ軸部111の最小直径は、円柱部113の直径より大きい。
筐体は、互いに接続される第1筐体230および第2筐体220を含む。第1筐体230は、第2筐体220と同軸状に位置しつつ、第1筐体230の上記軸方向の一方側の端部233が第2筐体220の上記軸方向の他方側の端部223の内側に入り込んだ状態で第2筐体220に固定されている。第2筐体220の内周面221における上記軸方向の他方側の端部と、第1筐体230の端部233の外周面とが互いに接している。
第2筐体220の端部223と、第1筐体230のフランジ部232とが上記軸方向において互いに当接するように、第1筐体230と第2筐体220とが、図示しないボルトによって締結固定されている。
円筒ウォーム30および回転ホイール40は、第2筐体220の内側に収容されている。第1荷重センサ141および第1軸受131は、回転ホイール40に対して上記軸方向の上記他方側に位置しつつ筐体の内側に収容されている。第2荷重センサ142および第2軸受132は、回転ホイール40に対して上記軸方向の一方側に位置しつつ筐体の内側に収容されている。
第1筐体230は、第1荷重センサ141および第1軸受131が配置されている位置に対して上記軸方向における他方側の位置に、第1筐体230の内径が部分的に小さくなっている第1縮径部234を有している。第1筐体230において、第1縮径部234は、第1荷重センサ141および第1軸受131を囲んでいる内周面231と隣り合っている。
第2筐体220は、第2荷重センサ142および第2軸受132が配置されている位置に対して上記軸方向における一方側の位置に、第2筐体220の内径が部分的に小さくなっている第2縮径部222を有している。第2筐体220において、第2縮径部222は、第2荷重センサ142および第2軸受132を囲んでいる内周面と隣り合っている。
第1荷重センサ141は、上記軸方向において第1縮径部234と並んで配置されている。第2荷重センサ142は、上記軸方向において第2縮径部222と並んで配置されている。
回転ホイール40の内周面41には、軸体110の上記軸方向の上記一方側の端部の外周面に設けられた雄ねじ部114と螺合する雌ねじ部が設けられている。軸体110の上記軸方向の一方側の端部の外周面に設けられた雄ねじ部114と、回転ホイール40の雌ねじ部とが螺合することにより、軸体110と回転ホイール40とが互いに接続される。軸体110の雄ねじ部114と回転ホイール40の雌ねじ部とが螺合した状態において、回転ホイール40の上記軸方向の他方側の端部と、軸体110のねじ軸部111の上記軸方向の一方側の端部とが、上記軸方向において互いに当接している。
回転ホイール40には、円筒ウォーム30と係合する歯部、歯部に対して上記軸方向の他方側に並んで位置する第1肩部43、および、歯部に対して上記軸方向の一方側に並んで位置する第2肩部42が設けられている。
第1荷重センサ141および第1軸受131は、第1縮径部234と第1肩部43との間に挟み込まれている。第2荷重センサ142および第2軸受132は、第2縮径部222と第2肩部42との間に挟み込まれている。その結果、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、第1筐体230と第2筐体220とを締結固定する図示しないボルトの軸力によって発生している。
モータが正転駆動して先端金具171が物体を上記軸方向の他方に向けて押したとき、先端金具171には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。先端金具171に負荷された荷重F1は、可動筒170を介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F1は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F1は、軸体110のねじ軸部111から回転ホイール40に伝播する。回転ホイール40に伝播した荷重F1は、回転ホイール40の第2肩部42から第2軸受132を介して第2荷重センサ142に伝播する。その結果、第2荷重センサ142が荷重F1を検出する。
モータが逆転駆動して先端金具171が物体を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、先端金具171には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。先端金具171に負荷された荷重F2は、可動筒170を介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F2は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F2は、軸体110の雄ねじ部114から回転ホイール40および第1軸受131を介して第1荷重センサ141に伝播する。その結果、第1荷重センサ141が荷重F2を検出する。
本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200においても、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引くことにより、可動筒170に負荷されている荷重を算出することができる。
本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体内に固定されている。また、軸体110に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ142の検出値が増加しつつ第1荷重センサ141の検出値が減少するように、かつ、軸体110に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ141の検出値が増加しつつ第2荷重センサ142の検出値が減少するように、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々が配置されている。
可動筒170に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に予圧荷重を負荷していることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、電動アクチュエータ200において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
また、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142が筐体の外部に露出しないようにすることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に水およびダストなどが付着することを抑制して、電動アクチュエータ200の信頼性を高めることができる。
さらに、軸体110を支持する第1軸受131および第2軸受132とは別に1対の軸受を設ける必要がないため、電動アクチュエータ200が大型化することを抑制することができる。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータについて図を参照して説明する。本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータ300は、回転ホイールがナットと接続されている点が主に、本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200と異なるため、本発明の実施形態2に係る電動アクチュエータ200と同様である構成については説明を繰り返さない。
図6は、本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータの構成を示す部分断面図である。図6に示すように、本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータ300は、駆動機構と、軸体110と、ナット360と、筐体と、第1軸受131および第2軸受132と、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142とを備える。
電動アクチュエータ300は、駆動機構が駆動することにより、軸体110の周方向に回転する回転ホイール40をさらに備える。具体的には、駆動機構は、モータ、および、モータの出力軸部に接続された円筒ウォーム30を含む。円筒ウォーム30は、ウォームホイールである回転ホイール40と係合している。円筒ウォーム30および回転ホイール40は、ウォームギヤを構成している。軸体110には、ねじ軸部111が設けられている。
筐体は、互いに接続される第1筐体330および第2筐体220を含む。第1筐体330は、第2筐体220と同軸状に位置しつつ、第1筐体330の上記軸方向の一方側の端部333が第2筐体220の上記軸方向の他方側の端部223の内側に入り込んだ状態で第2筐体220に固定されている。第2筐体220の内周面221における上記軸方向の他方側の端部と、第1筐体330の端部333の外周面とが互いに接している。回転ホイール40の外周面における上記軸方向の他方側の端部と、第1筐体330の端部333の内周面335とが互いに接している。
第2筐体220の端部223と、第1筐体330のフランジ部332とが上記軸方向において互いに当接するように、第1筐体330と第2筐体220とが、ボルト240によって締結固定されている。
円筒ウォーム30および回転ホイール40は、第2筐体220の内側に収容されている。第1荷重センサ141および第1軸受131は、回転ホイール40に対して上記軸方向の上記他方側に位置しつつ筐体の内側に収容されている。第2荷重センサ142および第2軸受132は、回転ホイール40に対して上記軸方向の一方側に位置しつつ筐体の内側に収容されている。
第1筐体330は、第1荷重センサ141および第1軸受131が配置されている位置に対して上記軸方向における他方側の位置に、第1筐体330の内径が部分的に小さくなっている第1縮径部334を有している。第1筐体330において、第1縮径部334は、第1荷重センサ141および第1軸受131を囲んでいる内周面331と隣り合っている。
第2筐体220は、第2荷重センサ142および第2軸受132が配置されている位置に対して上記軸方向における一方側の位置に、第2筐体220の内径が部分的に小さくなっている第2縮径部222を有している。第2筐体220において、第2縮径部222は、第2荷重センサ142および第2軸受132を囲んでいる内周面と隣り合っている。
第1荷重センサ141は、上記軸方向において第1縮径部334と並んで配置されている。第2荷重センサ142は、上記軸方向において第2縮径部222と並んで配置されている。
回転ホイール40の内周面には、ナット360の上記軸方向の一方側の端部の外周面に設けられた雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が設けられている。ナット360の上記軸方向の上記一方側の端部の外周面に設けられた雄ねじ部と、回転ホイール40の雌ねじ部とが螺合することにより、軸体110と回転ホイール40とが互いに接続される。
第1荷重センサ141および第1軸受131は、第1縮径部334とナット360との間に挟み込まれている。第2荷重センサ142および第2軸受132は、第2縮径部222と回転ホイール40との間に挟み込まれている。その結果、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、第1筐体330と第2筐体220とを締結固定するボルト240の軸力によって発生している。
本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータ300においては、モータが正転駆動してナット360が回転ホイール40とともに回転することにより、軸体110が上記軸方向の他方側に移動する。モータが逆転駆動してナット360が回転ホイール40とともに回転することにより、軸体110が上記軸方向の一方側に移動する。本実施形態に係る電動アクチュエータ300においては、軸体110が直線可動部となる。
モータが正転駆動して軸体110が物体を上記軸方向の他方に向けて押したとき、軸体110には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。軸体110に負荷された荷重F1は、ボールを介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F1は、回転ホイール40に伝播する。回転ホイール40に伝播した荷重F1は、第2軸受132を介して第2荷重センサ142に伝播する。その結果、第2荷重センサ142が荷重F1を検出する。
モータが逆転駆動して軸体110が物体を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、軸体110には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。軸体110に負荷された荷重F2は、ボールを介してナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F2は、第1軸受131を介して第1荷重センサ141に伝播する。その結果、第1荷重センサ141が荷重F2を検出する。
本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータ300においても、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引くことにより、軸体110に負荷されている荷重を算出することができる。
本発明の実施形態3に係る電動アクチュエータ300においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体内に固定されている。また、軸体110に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ142の検出値が増加しつつ第1荷重センサ141の検出値が減少するように、かつ、軸体110に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ141の検出値が増加しつつ第2荷重センサ142の検出値が減少するように、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々が配置されている。
軸体110に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に予圧荷重を負荷していることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、電動アクチュエータ300において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
また、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142が筐体の外部に露出しないようにすることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に水およびダストなどが付着することを抑制して、電動アクチュエータ300の信頼性を高めることができる。
さらに、軸体110を支持する第1軸受131および第2軸受132とは別に1対の軸受を設ける必要がないため、電動アクチュエータ300が大型化することを抑制することができる。
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータについて図を参照して説明する。本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータ400は、直線可動部の構成が主に、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100と異なるため、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図7は、本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータの構成を示す部分断面図である。図7に示すように、本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータ400は、駆動機構と、軸体110と、移動可能なナット160と、筐体420と、第1軸受131および第2軸受132と、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142とを備える。
駆動機構は、モータ10、および、モータ10の出力軸部に接続された減速機構部12を含む。減速機構部12は、軸体110における軸方向の一方側の端部に位置する回転軸部115に接続されている。本実施形態においては、モータ10と軸体110とが、互いに直交するように配置されているが、これに限られず、モータ10と軸体110とが、同一直線状に配置されていてもよい。
ナット160には、先端金具470が取り付けられている。先端金具470は、ナット160とともに軸体110に対して相対的に上記軸方向に移動可能である。本実施形態に係る電動アクチュエータ400においては、先端金具470が直線可動部となる。
筐体420は、軸体110の一部を収容する。本実施形態においては、筐体420は、略円筒状の外形を有している。筐体420は、軸体110と同軸状に配置されている。筐体420の内部に、軸体110の円柱部113および雄ねじ部114が位置している。
筐体420の上記軸方向の一方側に、ハウジング20が配置されており、筐体420の上記軸方向の他方側に、外筒22が配置されている。筐体420は、ハウジング20と外筒22との間に挟まれた状態で、ハウジング20および外筒22の各々と接続されている。
第1軸受131および第2軸受132は、軸体110が挿通された状態で筐体420内に配置されている。第1軸受131および第2軸受132の各々の内側に、軸体110の円柱部113が位置している。
第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、環状であり、軸体110が挿通された状態で筐体420内に配置されている。第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々の内側に、軸体110の円柱部113が位置している。第1荷重センサ141は、第1軸受131と並んで配置されている。第2荷重センサ142は、第2軸受132と並んで配置されている。
筐体420は、上記軸方向において第1荷重センサ141が配置されている位置と第2荷重センサ142が配置されている位置との間に、筐体420の内径が部分的に小さくなっている縮径部422を有している。具体的には、筐体420において、第1軸受131および第1荷重センサ141を囲んでいる内周面と、第2軸受132および第2荷重センサ142を囲んでいる内周面との間に、内径の小さい縮径部422が設けられている。第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において縮径部422と並んで配置されている。
軸体110は、軸体110の円柱部113が筐体420に収容された状態において、上記軸方向における縮径部422の位置より一方側の位置に雄ねじ部114を有し、かつ、上記軸方向における縮径部422の位置より他方側の位置に拡径部112を有している。
電動アクチュエータ400は、軸体110の雄ねじ部114と螺合するロックナット150をさらに備える。筐体420内において、縮径部422に対して上記軸方向の一方側に位置する第1荷重センサ141および第1軸受131、並びに、縮径部422に対して上記軸方向の他方側に位置する第2荷重センサ142および第2軸受132を、上記軸方向の一方側に向けて挿通した軸体110の雄ねじ部114と、ロックナット150とが螺合することにより、第1荷重センサ141および第1軸受131が縮径部422とロックナット150との間に挟み込まれ、第2荷重センサ142および第2軸受132が縮径部422と拡径部112との間に挟み込まれている。その結果、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体420内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、ロックナット150を雄ねじ部114に締め込んだときの軸力によって発生している。
本実施形態に係る電動アクチュエータ400においては、モータ10が正転駆動して軸体110のねじ軸部111が回転することにより、先端金具470がナット160とともに上記軸方向の他方側に移動する。モータ10が逆転駆動して軸体110のねじ軸部111が回転することにより、先端金具470がナット160とともに上記軸方向の一方側に移動する。
モータ10が正転駆動して先端金具470が搬送物を上記軸方向の他方に向けて押し上げたとき、先端金具470には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。先端金具470に負荷された荷重F1は、ナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F1は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F1は、軸体110の拡径部112から第2軸受132を介して第2荷重センサ142に伝播する。その結果、第2荷重センサ142が荷重F1を検出する。
モータ10が逆転駆動して先端金具470が搬送物を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、先端金具470には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。先端金具470に負荷された荷重F2は、ナット160に伝播する。ナット160に伝播した荷重F2は、ボールを介して軸体110のねじ軸部111に伝播する。軸体110に伝播した荷重F2は、軸体110の雄ねじ部114からロックナット150および第1軸受131を介して第1荷重センサ141に伝播する。その結果、第1荷重センサ141が荷重F2を検出する。
本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータ400においても、第2荷重センサ142の検出値から第1荷重センサ141の検出値を差し引くことにより、先端金具470に負荷されている荷重を算出することができる。
本発明の実施形態4に係る電動アクチュエータ400においては、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体420内に固定されている。また、軸体110に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ142の検出値が増加しつつ第1荷重センサ141の検出値が減少するように、かつ、軸体110に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ141の検出値が増加しつつ第2荷重センサ142の検出値が減少するように、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々が配置されている。
先端金具470に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に予圧荷重を負荷していることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、電動アクチュエータ400において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
また、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142が筐体420の外部に露出しないようにすることにより、第1荷重センサ141および第2荷重センサ142の各々に水およびダストなどが付着することを抑制して、電動アクチュエータ400の信頼性を高めることができる。
さらに、軸体110を支持する第1軸受131および第2軸受132とは別に1対の軸受を設ける必要がないため、電動アクチュエータ400が大型化することを抑制することができる。
(実施形態5)
以下、本発明の実施形態5に係る、電動アクチュエータの直線可動部の先端部に着脱可能に取り付けられて電動アクチュエータの負荷荷重を検出する負荷荷重検出ユニットについて図を参照して説明する。
図8は、本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニットの構成を示す断面図である。図9は、本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニットを、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータに取り付けた状態を示す部分断面図である。
図8および図9に示すように、本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット500は、電動アクチュエータの直線可動部の先端部に着脱可能に取り付けられて電動アクチュエータの負荷荷重を検出する負荷荷重検出ユニットである。
負荷荷重検出ユニット500は、筐体520と、軸体570と、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542とを備える。
筐体520は、電動アクチュエータ100の直線可動部の先端部である可動筒170の先端部と接続可能に設けられている。
軸体570は、軸方向に延在している。軸体570には、上記軸方向の一方側から順に、雄ねじ部573、円柱部572、および、拡径部571が設けられている。拡径部571においては、軸体570の直径が部分的に大きくなっている。拡径部571には、上記軸方向と直交する方向に貫通した貫通孔571hが設けられている。軸体570は、筐体520の内側に上記軸方向の一方側の一部が収容されている。
本実施形態においては、筐体520は、略円筒状の外形を有している。筐体520は、軸体570と同軸状に配置されている。筐体520の内部に、軸体570の円柱部572および雄ねじ部573が位置している。
第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々は、環状であり、軸体570が挿通された状態で筐体520内に配置されている。第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々の内側に、軸体570の円柱部572が位置している。なお、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々の形状は、環状に限られない。
筐体520は、上記軸方向において第1荷重センサ541が配置されている位置と第2荷重センサ542が配置されている位置との間に、筐体520の内径が部分的に小さくなっている縮径部522を有している。
具体的には、筐体520において、第1荷重センサ541を囲んでいる内周面521と、第2荷重センサ542を囲んでいる内周面521との間に、内周面521より内径の小さい縮径部522が設けられている。第1荷重センサ541は、上記軸方向において縮径部122と並んで配置されている。第2荷重センサ542上記軸方向において縮径部122と並んで配置されている。本実施形態においては、第1荷重センサ541は、縮径部122と直接的に接しているが、たとえば、ワシャなどを介して縮径部122と間接的に接していてもよい。第2荷重センサ542は、縮径部122と直接的に接しているが、たとえば、ワシャなどを介して縮径部122と間接的に接していてもよい。
軸体570は、軸体570の円柱部572および雄ねじ部573が筐体520に収容された状態において、上記軸方向における縮径部522の位置より一方側の位置に雄ねじ部573を有し、かつ、上記軸方向における縮径部522の位置より他方側の位置に、軸体570の直径が部分的に大きくなっている拡径部571を有している。
負荷荷重検出ユニット500は、軸体570の雄ねじ部573と螺合するロックナット550をさらに備える。筐体520内において、縮径部522に対して上記軸方向の上記一方側に位置する第1荷重センサ541、および、縮径部522に対して上記軸方向の上記他方側に位置する第2荷重センサ542を上記軸方向の上記一方側に向けて挿通した軸体570の雄ねじ部573と、ロックナット550とが螺合することにより、第1荷重センサ541が縮径部522とロックナット550との間に挟み込まれており、第2荷重センサ542が縮径部522と拡径部571との間に挟み込まれている。その結果、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体520内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、ロックナット550を雄ねじ部573に締め込んだときの軸力によって発生している。
筐体520の内周面521における上記軸方向の一方側の端部に、電動アクチュエータ100の可動筒170の先端部と負荷荷重検出ユニット500とを接続するための雌ねじ部523が設けられている。
モータ10が正転駆動して軸体570が物体を上記軸方向の他方に向けて押したとき、軸体570には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。軸体570に負荷された荷重F1は、第2荷重センサ542に伝播する。その結果、第2荷重センサ542が荷重F1を検出する。
電動アクチュエータ100の第2荷重センサ142の検出値と、負荷荷重検出ユニット500の第2荷重センサ542の検出値とを比較することにより、荷重F1に対する電動アクチュエータ100の第2荷重センサ142のキャリブレーションを行なうことができる。
モータ10が逆転駆動して軸体570が物体を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、軸体570には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。軸体570に負荷された荷重F2は、軸体570の雄ねじ部573からロックナット550を介して第1荷重センサ541に伝播する。その結果、第1荷重センサ541が荷重F1を検出する。
電動アクチュエータ100の第1荷重センサ141の検出値と、負荷荷重検出ユニット500の第1荷重センサ541の検出値とを比較することにより、荷重F2に対する電動アクチュエータ100の第1荷重センサ141のキャリブレーションを行なうことができる。
上記のように、本実施形態に係る負荷荷重検出ユニット500においては、軸体570に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ542の検出値が増加しつつ第1荷重センサ541の検出値が減少するように、かつ、軸体570に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ541の検出値が増加しつつ第2荷重センサ542の検出値が減少するように、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々が配置されている。
本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット500においては、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で筐体520内に固定されている。また、軸体570に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に第2荷重センサ542の検出値が増加しつつ第1荷重センサ541の検出値が減少するように、かつ、軸体570に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に第1荷重センサ541の検出値が増加しつつ第2荷重センサ542の検出値が減少するように、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々が配置されている。
軸体570に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々に予圧荷重を負荷していることにより、第1荷重センサ541および第2荷重センサ542の各々における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、負荷荷重検出ユニット500において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット500においては、電動アクチュエータ100の直線可動部の先端部に負荷荷重検出ユニット500を取り付けた状態で電動アクチュエータ100を動作させるのみで、電動アクチュエータ100の負荷荷重を簡易に正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、負荷荷重検出ユニット500を、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100に取り付けたが、これに限られず、負荷荷重検出ユニット500を、本発明の実施形態2~4のいずれかに係る電動アクチュエータに取り付けてもよいし、荷重センサを内蔵していない電動アクチュエータに取り付けてもよい。本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット500を、荷重センサを内蔵していない電動アクチュエータに取り付けた場合、負荷荷重検出ユニット500によって検出された荷重を確認することにより、電動アクチュエータに実際に負荷されている荷重を知ることができる。これにより、モータ10の出力値と電動アクチュエータに負荷される荷重との関係を知ることができる。
(実施形態6)
以下、本発明の実施形態6に係る、電動アクチュエータの直線可動部の先端部に着脱可能に取り付けられて電動アクチュエータの負荷荷重を検出する負荷荷重検出ユニットについて図を参照して説明する。
図10は、本発明の実施形態6に係る負荷荷重検出ユニットの構成を示す断面図である。図11は、本発明の実施形態6に係る負荷荷重検出ユニットを、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータに取り付けた状態を示す部分断面図である。
図10および図11に示すように、本発明の実施形態6に係る負荷荷重検出ユニット600は、電動アクチュエータの直線可動部の先端部に着脱可能に取り付けられて電動アクチュエータの負荷荷重を検出する負荷荷重検出ユニットである。
負荷荷重検出ユニット600は、第1筐体620と、第2筐体690と、軸体670と、荷重センサ641とを備える。荷重センサ641は、環状であり、軸体670が挿通された状態で第1筐体620内に配置されている。なお、荷重センサ641の形状は、環状に限られない。
第1筐体620は、荷重センサ641が配置されている位置に対して上記軸方向における一方側の位置に、第1筐体620の内径が部分的に小さくなっている縮径部622を有し、かつ、荷重センサ641が配置されている位置に対して上記軸方向における他方側の位置の内周面621に雌ねじ部623を有している。第1筐体620は、電動アクチュエータ100の直線可動部の先端部である可動筒170の先端部と接続可能に設けられている。
第2筐体690は、第1筐体620の内側に入り込んでいる端部693の外周面に雌ねじ部623と螺合する雄ねじ部692、および、第1筐体620の上記軸方向の他方側の端面と当接するフランジ部691を有している。
第2筐体690は、第1筐体620と同軸状に位置しつつ、第2筐体690の上記軸方向の一方側の端部693が第1筐体620の上記軸方向の他方側の端部624の内側に入り込んだ状態で第1筐体620に固定されている。
具体的には、第1筐体620の雌ねじ部623と第2筐体690の雄ねじ部692とが螺合することにより、第1筐体620の端部624と第2筐体690のフランジ部691とが当接した状態で、第1筐体620と第2筐体690とが互いに接続されている。
軸体670は、軸方向に延在している。軸体670には、上記軸方向の一方側から順に、雄ねじ部673、円柱部672、および、拡径部671が設けられている。拡径部671においては、軸体670の直径が部分的に大きくなっている。軸体670においては、第1筐体620の内側に円柱部672および雄ねじ部673が収容されている。
軸体670は、上記軸方向において第1筐体620の縮径部622の他方側の端の位置より一方側に雄ねじ部673を有し、かつ、上記軸方向において第1筐体620の縮径部622が配置されている位置より他方側に、軸体670の直径が部分的に大きくなっている拡径部671を有している。
負荷荷重検出ユニット600は、軸体670の雄ねじ部673と螺合するロックナット650をさらに備える。第1筐体620内において、縮径部622に対して上記軸方向の他方側に位置する荷重センサ641を上記軸方向の一方側に向けて挿通した軸体670の雄ねじ部673と、ロックナット650とが螺合することにより、荷重センサ641がロックナット650と拡径部671との間に挟み込まれている。
第2筐体690の雄ねじ部692と第1筐体620の雌ねじ部623とが螺合することにより、第1筐体620の上記端面と第2筐体690のフランジ部691とが当接するとともに、荷重センサ641が縮径部622と第2筐体690の端部693との間に挟み込まれている。
その結果、荷重センサ641は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で第1筐体620内に固定されている。すなわち、予圧荷重は、ロックナット650を雄ねじ部673に締め込んだときの軸力、および、第2筐体690の雄ねじ部692を第1筐体620の雌ねじ部623に締め込んだときの軸力によって発生している。
モータ10が正転駆動して軸体670が物体を上記軸方向の他方に向けて押したとき、軸体670には、上記軸方向の一方に向けて荷重F1が負荷される。軸体670に負荷された荷重F1は、荷重センサ641に伝播する。その結果、荷重センサ641が荷重F1を検出する。
電動アクチュエータ100の第2荷重センサ142の検出値と、負荷荷重検出ユニット600の荷重センサ641の検出値とを比較することにより、荷重F1に対する電動アクチュエータ100の第2荷重センサ142のキャリブレーションを行なうことができる。
モータ10が逆転駆動して軸体670が物体を上記軸方向の一方に向けて引いたとき、軸体670には、上記軸方向の他方に向けて荷重F2が負荷される。軸体670に負荷された荷重F2は、軸体670の雄ねじ部673からロックナット650を介して荷重センサ641に伝播する。その結果、荷重センサ641が荷重F1を検出する。
電動アクチュエータ100の第1荷重センサ141の検出値と、負荷荷重検出ユニット600の荷重センサ641の検出値とを比較することにより、荷重F2に対する電動アクチュエータ100の第1荷重センサ141のキャリブレーションを行なうことができる。
上記のように、本実施形態に係る負荷荷重検出ユニット600においては、軸体670に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に荷重センサ641の検出値が増加するように、かつ、軸体670に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に荷重センサ641の検出値が増加するように、荷重センサ641が配置されている。
本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット600においては、荷重センサ641は、上記軸方向において挟み込まれるように予圧荷重が負荷された状態で第1筐体620内に固定されている。また、軸体670に対して上記軸方向の一方に向けて荷重が負荷された際に荷重センサ641の検出値が増加するように、かつ、軸体670に対して上記軸方向の他方に向けて荷重が負荷された際に荷重センサ641の検出値が増加するように、荷重センサ641が配置されている。
軸体670に荷重が負荷されていない無負荷状態のときから、荷重センサ641に予圧荷重を負荷していることにより、荷重センサ641における微少荷重検出時の検出誤差を低減することができる。その結果、負荷荷重検出ユニット600において、無負荷状態からの押し引き両方の負荷荷重を高精度に検出することができる。
本発明の実施形態6に係る負荷荷重検出ユニット600においては、電動アクチュエータ100の直線可動部の先端部に負荷荷重検出ユニット600を取り付けた状態で電動アクチュエータ100を動作させるのみで、電動アクチュエータ100の負荷荷重を簡易に正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、負荷荷重検出ユニット600を、本発明の実施形態1に係る電動アクチュエータ100に取り付けたが、これに限られず、負荷荷重検出ユニット600を、本発明の実施形態2~4のいずれかに係る電動アクチュエータに取り付けてもよいし、荷重センサを内蔵していない電動アクチュエータに取り付けてもよい。本発明の実施形態6に係る負荷荷重検出ユニット600を、荷重センサを内蔵していない電動アクチュエータに取り付けた場合、負荷荷重検出ユニット600によって検出された荷重を確認することにより、電動アクチュエータに実際に負荷されている荷重を知ることができる。これにより、モータ10の出力値と電動アクチュエータに負荷される荷重との関係を知ることができる。
本実施形態においては、負荷荷重検出ユニット600は、荷重センサを1つのみ備えているため、本発明の実施形態5に係る負荷荷重検出ユニット500に比較して、負荷荷重検出ユニットを廉価にすることができる。
上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。