JP7275804B2 - ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents
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Description
このようななか、本発明者らが特許文献1を参考にフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーを合成し、これを含有するゴム組成物を製造してその氷上性能を評価したところ、今後さらに高まるであろう要求を考慮するとさらなる改善が望ましいことが明らかになった。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
無機充填剤20質量部以上と、
後述する式(A)で表される繰り返し単位Aと後述する式(B)で表される繰り返し単位Bとを少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー1質量部以上とを含有する、ゴム組成物。
(2) 上記(メタ)アクリル系ポリマーが、さらに後述する式(C)で表される繰り返し単位Cを有する、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記(メタ)アクリル系ポリマー中の上記繰り返し単位Aの含有量が、50モル%以上である、上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 上記(メタ)アクリル系ポリマー中の上記繰り返し単位Bの含有量が、1~50モル%である、上記(1)~(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
(5) 上記(1)~(4)のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造された、スタッドレスタイヤ。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明のゴム組成物が含有する各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
本発明のゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、
天然ゴムとブタジエンゴムとを含み、上記ブタジエンゴムの含有量が30質量%以上である、ジエン系ゴム100質量部と、
無機充填剤20質量部以上と、
後述する式(A)で表される繰り返し単位Aと後述する式(B)で表される繰り返し単位Bとを少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(以下、「特定ポリマー」とも言う)1質量部以上とを含有する、ゴム組成物である。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とを含む。ここで、ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量は30質量%以上である。
ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量の上限は特に制限されないが、タイヤにしたときに耐摩耗性能、WET性能、氷上性能、機械的特性、低燃費性能、耐熱性、耐寒性、耐劣化性、耐汚染性、耐光性及び操縦安定性により優れる理由から、80質量%以下であることが好ましい。
以下、「タイヤにしたときに耐摩耗性能、WET性能、氷上性能、機械的特性、低燃費性能、耐熱性、耐寒性、耐劣化性、耐汚染性、耐光性及び操縦安定性により優れる」ことを「本発明の効果がより優れる」とも言う。
ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、35~70質量%であることが好ましく40~60質量%であることがより好ましい。
また、ジエン系ゴム中の天然ゴムの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、20~80質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましい。
上記ジエン系ゴム中のその他のゴム成分の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0~30質量%であることが好ましい。
本発明の組成物に含有される無機充填剤は特に制限されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、層状又は板状粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムなどの無機充填剤が挙げられ、こちらのうち1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、カーボンブラックは無機充填剤に該当しないものとする。
上記シリカは特に制限されないが、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、湿式シリカが好ましい。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100~300m2/gであることが好ましく、150~200m2/gであることがより好ましい。なお、本明細書において、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物において、無機充填剤(特にシリカ)の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、150質量部以下であることが好ましい。無機充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、50~100質量部であることが好ましい。
本発明の組成物は、下記式(A)で表される繰り返し単位Aと下記式(B)で表される繰り返し単位Bとを少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(特定ポリマー)を含有する。
ここで、(メタ)アクリル系ポリマーとは(メタ)アクリル系モノマーの重合体である。(メタ)アクリル系モノマーとは(メタ)アクリロイルオキシ基(H2C=CH-C(=O)-O-又はH2C=C(CH3)-C(=O)-O-)や(メタ)アクリルアミド基(H2C=CH-C(=O)-N<又はH2C=C(CH3)-C(=O)-N<)等の(メタ)アクリル基(H2C=CH-C(=O)-又はH2C=C(CH3)-C(=O)-)を有するモノマーを指す。
式(A)中、Rfはフッ素原子を含む基を表す。
式(B)中、RB1はアルキレン基を表し、RB2は水素原子又はアルキル基を表し、nは2以上の整数を表す。
特定ポリマーは、上述した式(A)で表される繰り返し単位Aを有する。
上記Rは、本発明の効果がより優れる理由から、水素原子であることが好ましい。
上記Rfは、本発明の効果がより優れる理由から、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましい。ここで、フッ素原子を含む炭化水素基とは、炭化水素基中の少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置換したものである。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基(特に、炭素数1~30)、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基(特に、炭素数2~30)、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基(特に、炭素数2~30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6~18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記Rfは、本発明の効果がより優れる理由から、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましく、フッ素原子を含む脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、フッ素原子を含む直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましく、-(CH2)p-(CF2)q-CF3で表される基であることが特に好ましい。ここで、pは0~10の整数を表し、本発明の効果がより優れる理由から、1~3の整数であることが好ましい。また、qは1~10の整数を表し、本発明の効果がより優れる理由から、3~7の整数であることが好ましい。
特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、10モル%以上であることが好ましく、10モル%超であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量の上限は、本発明の効果がより優れる理由から、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることがさらに好ましく、60モル%以下であることがさらに好ましく、50モル%以下であることがさらに好ましく、50モル%未満であることがさらに好ましく、40モル%以下であることがさらに好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましい。
なお、特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量(モル%)とは、特定ポリマーの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位A(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ポリマーは、上述した式(B)で表される繰り返し単位Bを有する。
上記Rは、本発明の効果がより優れる理由から、メチル基であることが好ましい。
上記アルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、直鎖状であることが好ましい。
上記アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1~10であることが好ましく、2~5であることがより好ましい。
なお、複数存在するRB1は同一であっても異なっていてもよい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、直鎖状であることが好ましい。
上記アルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、1~3であることがさらに好ましい。
上記nは、本発明の効果がより優れる理由から、3以上の整数であることが好ましく、4以上の整数であることがより好ましい。
上記nの上限は、本発明の効果がより優れる理由から、20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。
特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、1モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましく、30モル%以上であることがさらに好ましく、40モル%以上であることがさらに好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、50モル%超であることがさらに好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましい。特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量の上限は、本発明の効果がより優れる理由から、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましい。
なお、特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量(モル%)とは、特定ポリマーの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位B(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ポリマー中の繰り返し単位A及び繰り返し単位Bの合計の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましく、80モル%以上であることが特に好ましく、90モル%以上であることが最も好ましい。
特定ポリマー中の繰り返し単位A及び繰り返し単位Bの合計の含有量の上限は特に制限されず、100モル%である。
なお、特定ポリマー中の繰り返し単位A及び繰り返し単位Bの合計の含有量(モル%)とは、特定ポリマーの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位A(モル数)及び繰り返し単位B(モル数)の合計の割合(モル%)を意味する。
特定ポリマーは、さらに下記式(C)で表される繰り返し単位Cを有していてもよい。
上記Rは、本発明の効果がより優れる理由から、メチル基であることが好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、直鎖状であることが好ましい。
上記アルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1~20であることが好ましく、10であることがより好ましく、1~3であることがさらに好ましい。
特定ポリマーが繰り返し単位Cを有する場合、特定ポリマー中の繰り返し単位Cの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、1~50モル%であることが好ましく、5~30モル%であることがより好ましく、10~20モル%であることがさらに好ましい。
なお、特定ポリマー中の繰り返し単位Cの含有量(モル%)とは、特定ポリマーの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位C(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ポリマーが繰り返し単位Cを有する場合、特定ポリマー中の繰り返し単位Aと繰り返し単位Bとの合計の含有量及び繰り返し単位Cの合計の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましく、80モル%以上であることが特に好ましく、90モル%以上であることが最も好ましい。
特定ポリマー中の繰り返し単位Aと繰り返し単位Bと繰り返し単位Cとの合計の含有量の上限は特に制限されず、100モル%である。
なお、特定ポリマー中の繰り返し単位Aと繰り返し単位Bと繰り返し単位Cとの合計の含有量(モル%)とは、特定ポリマーの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位A(モル数)と繰り返し単位B(モル数)と繰り返し単位C(モル数)との合計の割合(モル%)を意味する。
本明細書では、特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量(モル%)と特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量(モル%)と特定ポリマー中の繰り返し単位Cの含有量(モル%)とを「A/B/C」とも表す。例えば、特定ポリマーについて「A/B/C=50/20/30」とは、その特定ポリマーにおいて、特定ポリマー中の繰り返し単位Aの含有量が50モル%であり、特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量が20モル%であり、特定ポリマー中の繰り返し単位Cの含有量が30モル%であることを表す。
特定ポリマーの水の接触角は、本発明の効果がより優れる理由から、50~160°であることが好ましい。
上記特定ポリマーの水の接触角は、特定ポリマーを用いてガラスプレート上に作製したフィルムの水の接触角である。
特定ポリマーは、例えば、重合後に繰り返し単位Aとなる(メタ)アクリル系モノマーと、重合後に繰り返し単位Bとなる(メタ)アクリル系モノマーと、必要に応じて他の(メタ)アクリル系モノマー(例えば、重合後に繰り返し単位Cとなるモノマー)とを重合することで得られる。
本発明の組成物において、特定ポリマーの含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1質量部以上である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、7質量部以上であることがさらに好ましい。
特定ポリマーの含有量の上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに他の成分(任意成分)を含有することができる。
上記任意成分としては、例えば、カーボンブラック、シランカップリング剤、テルペン樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、充填剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、オイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF-HS、SAF、ISAF-HS、ISAF、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF-HS、HAF、HAF-LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50~200m2/gであることが好ましく、70~150m2/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、熱膨張性マイクロカプセルを含有するのが好ましい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常130~190℃の温度で加熱して膨張させて、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。
なお、上記熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもよい。
また、熱により気化して気体を発生する上記液体としては、例えば、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;等の液体が挙げられる。
なお、熱膨張性マイクロカプセルの膨張前の粒子径は、5~300μmが好ましく、10~200μmがより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1~16であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物の水の接触角は、本発明の効果がより優れる理由から、90~160°であることが好ましく、100~120°であることがより好ましい。
上記本発明のゴム組成物の水の接触角は、ゴム組成物を170℃で10分間プレス加硫することで得られる加硫ゴム試験片の水の接触角である。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄又は加硫促進剤を含有する場合は、硫黄及び加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100~155℃)で混合し、冷却してから、硫黄又は加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のスタッドレスタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤである。なかでも、本発明の組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備えるスタッドレスタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すスタッドレスタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のスタッドレスタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5及びビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
以下のとおり、特定ポリマー1~4及び比較ポリマー1~3を製造した。
一方、比較ポリマー1は、上述した繰り返し単位Aを有するが、上述した繰り返し単位Bを有さないため、上述した特定ポリマーに該当しない。また、比較ポリマー2は、上述した繰り返し単位Bを有するが、上述した繰り返し単位Aを有さないため、上述した特定ポリマーに該当しない。また、比較ポリマー3は、上述した繰り返し単位A及び上述した繰り返し単位Bのいずれも有さないため、上述した特定ポリマーに該当しない。
下記表2に示される成分を下記表2に示される割合(質量部)で配合した。具体的には、まず、下記表2に示す成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。そして、得られた加硫ゴム試験片について、以下の評価を行った。
加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:-1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
結果を表2に示す。結果は標準例の氷上摩擦係数を100とする指数で表した。指数が大きいほどゴムと氷との摩擦力が大きく、タイヤにしたときに氷上性能に優れる。
・NR:TSR20(天然ゴム、ガラス転移温度(Tg):-62℃)
・BR:NIPOL BR1220(BR、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製)
・シリカ:ZEOSIL 1165MP(CTAB吸着比表面積:159m2/g、ローディア社製)
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・特定ポリマー1~5:上述のとおり製造した特定ポリマー1~5
・比較ポリマー1~3:上述のとおり製造した比較ポリマー1~3
・熱膨張性マイクロカプセル:マイクロスフェアF100(松本油脂社製)
実施例1~4の対比から、特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量が50モル%超である実施例3~4は、より優れた氷上性能を示した。なかでも、特定ポリマー中の繰り返し単位Bの含有量が90モル%未満である実施例3は、さらに優れた氷上性能を示した。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (5)
- 前記(メタ)アクリル系ポリマー中の前記繰り返し単位Aの含有量が、50モル%未満である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマー中の前記繰り返し単位Bの含有量が、50モル%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて製造された、スタッドレスタイヤ。
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