JP7273962B2 - 空気処理装置 - Google Patents
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Description
還気が流入する還気流入口と、外気が流入する外気流入口とを有する流入装置と、
第1の熱交換器と第2の熱交換器とを有する熱供給装置と、
第1のダンパーと、
第1の静止型除湿デバイスと第2の静止型除湿デバイスとを有する複合除湿デバイスと、
第2のダンパーと、
前記還気が流出する還気流出口と、前記外気が流出する外気流出口とを有する流出装置と
を備え、
前記還気は、
前記流入装置、前記第1の熱交換器、前記第1のダンパー、前記複合除湿デバイス、第2のダンパー及び流出装置を通過する還気流路に沿って流れ、
前記外気は、
前記流入装置、前記第2の熱交換器、前記第1のダンパー、前記複合除湿デバイス、第2のダンパー及び流出装置を通過する外気流路に沿って流れ、
前記第1のダンパーと、前記第2のダンパーとは、
連動することで、前記還気流路と前記外気流路とを切り替え、
前記還気流路は、
切り替えに従って、前記第1の静止型除湿デバイスと前記第2の静止型除湿デバイスとを交互に通過すると共に、前記還気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有し、
前記外気流路は、
切り替えに従って、前記還気流路が通過する静止型除湿デバイスと異なる静止型除湿デバイスを通過するように、前記第1の静止型除湿デバイスと前記第2の静止型除湿デバイスとを交互に通過すると共に、前記外気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有する。
図面にXYZ座標の記載がある場合、図面間でXYZ座標は同一の座標系である。図面では、還気をRA、外気をOA、排気をEA及び給気をSAと表記している。また図面において外気OAを白の矢印、還気RAを斜線の矢印で示している。
以下の説明では、第1のダンパー状態における還気流路を還気流路RA(1)と表記し、第2のダンパー状態における還気流路を還気流路RA(2)と表記し、第1のダンパー状態における外気流路を外気流路OA(1)と表記し、第2のダンパー状態における還気流路を外気流路OA(2)と表記する。
第1のダンパー状態とは、上流ダンパー20の4つのサブダンパーのうち、サブダンパー20a,20dが開状態、かつ、下流ダンパー21の4つのサブダンパーのうち、サブダンパー21b,21cが開状態の場合をいう。
第2のダンパー状態とは、上流ダンパー20の4つのサブダンパーのうち、サブダンパー20b,20cが開状態、かつ、下流ダンパー21の4つのサブダンパーのうち、サブダンパー21a,21dが開状態の場合をいう。
***構成の説明***
以下に図面を参照して空気処理装置500を説明する。空気処理装置500の特徴は以下のとおりである。
図1は、第1のダンパー状態の空気処理装置500を示す。
図2は、第2のダンパー状態の空気処理装置500を示す。
第1のダンパー状態では還気流路RA(1)は、位置P(1)で一度曲がる。第2のダンパー状態では還気流路RA(2)は、位置P(2)で一度曲がる。第1のダンパー状態では外気流路OA(1)は、位置P(1)で一度曲がる。第2のダンパー状態では外気流路OA(2)は、位置P(2)で一度曲がる。
このように、第1のダンパー状態と第2のダンパー状態とで、還気流路RA(1)は、還気の流れる方向の変化が対応する位置P(1)と、位置P(2)との部分を有する。同様に、第1のダンパー状態と第2のダンパー状態とで、外気流路OA(1)は、外気の流れる方向の変化が対応する位置P(1)と、位置P(2)との部分を有する。
また、第1のダンパー状態において、還気流路RA(1)と外気流路OA(1)とは、還気の流れる方向の変化と、外気の流れる方向の変化とが対応する位置P(1)の部分を有する。同様に、第2のダンパー状態において、還気流路RA(2)と外気流路OA(2)とは、還気の流れる方向の変化と、外気の流れる方向の変化とが対応する位置P(2)の部分を有する。つまり、還気流路と外気流路とは、第1のダンパー状態と、第2のダンパー状態との両方の状態において、還気の流れる方向の変化と外気の流れる方向の変化とが対応する部分を有する。
以下、空気処理装置500を詳しく説明する。
図4は、第1のダンパー状態において、空気処理装置500の上面を透過して模式的に示す。
図5は、第2のダンパー状態において、左側面を透過して模式的に示す。
図6は、第2のダンパー状態において、空気処理装置500の上面を透過して模式的に示す。
(1)流入装置210、(2)加熱器10、(3)冷却器11、(4)上流ダンパー20、(5)第1の静止型デシカント30、(6)第2の静止型デシカント31、(7)下流ダンパー21、(8)流出装置220、(9)外気検知センサー80、(10)還気検知センサー81、(11)設定情報記憶部82を備える。図1に示すように、加熱器10及び冷却器11から、下流ダンパー21は筐体400の内部に配置されている。
図1を参照して流入装置210を説明する。流入装置210は内部が中空の直方体の形状である。流入装置210は、仕切り板216によって、同じ形状の2つの直方体の空間に分けられている。点P5は線分P1、P4の中点であり、点P6は線分P2、P3の中点である。流入装置210は、還気が流入する還気流入口211と、外気が流入する外気流入口213とを有する。
また、流入装置210は、開口である流出口212及び開口である流出口214を有する。流出口212の下側は仕切り板217で塞がれており、流出口214の上側は仕切り板218で塞がれている。仕切り板217と仕切り板218は同一の形状であり、点P7に対して点対称に位置する。還気流入口211は円形であり、円の中心の(Y,Z)座標は、以下のようである。Y座標は線分P3,P6の中点であり、Z座標は線分P3,P4の中点である。同様に、外気流入口213は円形であり、円の中心の(Y,Z)座標は、以下のようである。Y座標は線分P2,P6の中点であり、Z座標は線分P2,P1の中点である。還気流入口211に流入した還気は、左上に形成された流出口212からX方向へ流出する。外気流入口213に流入した外気は、右下に形成された流出口214からX方向へ流出する。なお、左方向はY方向、上方向はZ方向である。
(2)加熱器10は、還気を加熱して、デシカントを再生させる高温低湿の空気にする。
(3)冷却器11は、外気を冷却し、デシカントによって除湿(吸着)される低温高湿の空気にする。
(4)上流ダンパー20は、還気と外気が流入するデシカントを切り替える。
上流ダンパー20は第1のダンパーである。
(5)第1の静止型デシカント30は、外気が通る場合に外気を除湿する。
(6)第2の静止型デシカント31は、外気が通る場合に外気を除湿する。
(7)下流ダンパー21は、上流ダンパー20の切り替えに応じて切り替わり、還気及び外気が通る。下流ダンパー21は第2のダンパーである。
(8)図1及び図2では、流出装置220を透過的に示している。流出装置220は、第3仕切り板803によって、上下の2つの空間に分けら得ている。流出装置220は、下流ダンパー21に接続しており、サブダンパー21a,21b,21c,21dに対応し、サブダンパー21a,21b,21c,21dと同等の大きさの4つの開口が形成されている。例えばサブダンパー21cが開状態であれば、サブダンパー21cの開口と、サブダンパー21cに対応する流出装置220の開口は重なる。上流ダンパー20では上側の空間の左側に外気流出口222が形成されており、下側の空間の右側に還気流出口221が形成されている。
(9)外気検知センサー80は、外気の温度及び湿度を検出する。
(10)還気検知センサー81は、還気の温度及び湿度を検出する。
(11)設定情報記憶部82は、設定情報である設定温度及び設定湿度を記憶する。
第2の静止型デシカント31は第2の静止型除湿デバイスである。第1の静止型デシカント30と第2の静止型デシカント31とは、複合除湿デバイス32を構成する。
第1の静止型除湿デバイスである第1の静止型デシカント30と、第2の静止型除湿デバイスである第2の静止型デシカント31とは、水平に設置された状態で水平方向で隣接する。図1に示すように、第1の静止型デシカント30と第2の静止型デシカント31は、第1の静止型デシカント30及び第2の静止型デシカント31から還気及び外気が流出する流出方向に対して左右に配置されている。
図1に示すように、第1仕切り板801は、流入装置210と上流ダンパー20との間の筐体400の内部を、上下に分けている。第1仕切り板801の上部には加熱器10が位置し、第1仕切り板801の下部には冷却器11が位置する。第1仕切り板801は、A、B,C,Dで示される四角形である。
第2仕切り板802は、上流ダンパー20から下流ダンパー21までの筐体400の内部を左右に分けている。第2仕切り板802の左側には第1の静止型デシカント30が位置し、第2仕切り板802の右側には第2の静止型デシカント31が位置する。第2仕切り板802は、E,F,G,Hで示される四角形である。
第3仕切り板803は、下流ダンパー21を起点として流出装置220の内部を上下に分けている。流出装置220において、第3仕切り板803の上側から給気が流出し、第3仕切り板803の下側から排気が流出する。第3仕切り板803は、I,J,K,Lで示される四角形である。
空気処理装置500は、さらに、上流ダンパー開閉装置320、下流ダンパー開閉装置321、仕切り板開閉装置350を備える。上流ダンパー開閉装置320及び下流ダンパー開閉装置321は、上流ダンパー20及び下流ダンパー21の各サブダンパーを開閉させる開閉機構である。上流ダンパー開閉装置320は、上流ダンパー20の有するサブダンパー20a、20b、20c、20dを開閉する。下流ダンパー開閉装置321は、下流ダンパー21の有するサブダンパー21a、21b、21c、21dを開閉する。仕切り板開閉装置350は、後述するバイパス路仕切り板804を開閉させる開閉機構である。バイパス路仕切り板804が開くことで、後述する還気のバイパス路50が形成される。
空気処理装置500は、さらに、上流ダンパー開閉装置320、下流ダンパー開閉装置321及び仕切り板開閉装置350を制御する制御装置100を備える。後述する図7で説明するように、制御装置100には、外気検知センサー80、還気検知センサー81、設定情報記憶部82、給気検知センサー83、排気検知センサー84、上流ダンパー開閉装置320、下流ダンパー開閉装置321、仕切り板開閉装置350及び冷凍サイクル装置450が接続している。
図7は、制御装置100のハードウェア構成を示す。制御装置100はコンピュータである。制御装置100は、バイパス制御装置であり、冷媒制御装置であり、ダンパー制御装置である。制御装置100は、プロセッサ110を備えるとともに、主記憶装置120、補助記憶装置130、入力インタフェース140、出力インタフェース150及び通信インタフェース160といった他のハードウェアを備える。以下ではインタフェースはIFと表記する。プロセッサ110は、信号線170を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
補助記憶装置130は、データを不揮発的に保管する記憶装置である。補助記憶装置130の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。また、補助記憶装置130は、SD(登録商標)(Secure Digital)メモリカード、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であっても良い。
出力IF150は、各種機器が接続され、各種機器にプロセッサ110により制御信号が出力されるポートである。
通信IF160は、各種機器とプロセッサ110とが通信する通信ポートである。図7では、通信IF160には、外気検知センサー80、還気検知センサー81、設定情報記憶部82、給気検知センサー83、排気検知センサー84、上流ダンパー開閉装置320、下流ダンパー開閉装置321、仕切り板開閉装置350及び冷凍サイクル装置450が接続している。
なお、逆に、冷却器11が、重力の方向を基準にして、加熱器10の上方に配置されても構わない。
<第1のダンパー状態>
図1を参照して第1のダンパー状態における、還気流路RA(1)及び外気流路OA(1)を説明する。図1及び図4に示すように、第1のダンパー状態のときには、外気及び還気は、それぞれ冷却器11、加熱器10の直後、上流ダンパー20の手前で一度曲がる。具体的には、白の矢印で示す外気は、加熱器10の直後、かつ、上流ダンパー20の手前の位置P(1)で一度曲がる。外気及び還気は、第1の静止型デシカント30または第2の静止型デシカント31のどちらかに流れる。つまり、第1のダンパー状態では、外気が第1の静止型デシカント30を通過する場合は、還気は第2の静止型デシカント31を通過する。第1の静止型デシカント30及び第2の静止型デシカント31を通過後は、外気及び還気は、そのまま直線上にある外気流出口222及び還気流出口221から、外気は給気として、還気は排気として流出する。
(1)還気は、流入装置210の還気流入口211から流入し、流入装置210の流出口212から流出して第1仕切り板801の上を流れる。
(2)還気は加熱器10へ流入後、上流ダンパー20へ流入する。
(3)上流ダンパー20では、図1に示すように、4つのサブダンパー20a,20b,20c,20dのうち、サブダンパー20a,20cが、第1仕切り板801の上側にある。サブダンパー20a,20cのうちサブダンパー20aが開いているので還気はサブダンパー20aを通り抜けて、第2の静止型デシカント31に向かい、第2の静止型デシカント31へ流入する。
(4)下流ダンパー21では、右側のサブダンパー21a、21bのうち、サブダンパー21bが開いている。よって、第2の静止型デシカント31へ流入した還気は、サブダンパー21bを通り抜けて、流出装置220へ流入し、流出装置220の還気流出口221から流出する。
(1)外気は、流入装置210の外気流入口213から流入し、流入装置210の流出口214から流出して第1仕切り板801の下を流れる。
(2)外気は冷却器11へ流入後、上流ダンパー20へ流入する。
(3)上流ダンパー20では、サブダンパー20b,20dのうちサブダンパー20dが開いているので外気はサブダンパー20dを通り抜けて、第1の静止型デシカント30に向かい、第1の静止型デシカント30へ流入する。
(4)下流ダンパー21では、左側のサブダンパー21c、21dのうち、サブダンパー21cが開いている。よって、第1の静止型デシカント30へ流入した外気は、サブダンパー21cを通り抜けて、流出装置220へ流入し、流出装置220の外気流出口222から流出する。
図2及び図6を参照して、第2のダンパー状態における、還気流路RA(2)及び外気流路OA(2)を説明する。図2及び図6に示すように、第2のダンパー状態のときには、外気及び還気はそれぞれ冷却器11、加熱器10を通過後、それぞれの直線上にある上流ダンパー20、第2の静止型デシカント31、第1の静止型デシカント30を流れる。その後、下流ダンパー21を流出の直後、還気流出口221及び外気流出口222の手前の位置P(2)で一度曲がり、還気流出口221及び外気流出口222が流出する。
(1)還気は、流入装置210の還気流入口211から流入し、流入装置210の流出口212から流出して第1仕切り板801の上を流れる。
(2)還気は加熱器10へ流入後、上流ダンパー20へ流入する。
(3)上流ダンパー20では、図2に示すように、サブダンパー20cが開いているので還気はサブダンパー20cを通り抜けて、第1の静止型デシカント30に向かい、第1の静止型デシカント30へ流入する。
(4)下流ダンパー21では、サブダンパー21dが開いている。よって、第1の静止型デシカント30へ流入した還気は、サブダンパー21dを通り抜けて、流出装置220へ流入し、流出装置220の還気流出口221から流出する。
(1)外気は、流入装置210の外気流入口213から流入し、流入装置210の流出口214から流出して第1仕切り板801の下を流れる。
(2)外気は冷却器11へ流入後、上流ダンパー20へ流入する。
(3)上流ダンパー20では、サブダンパー20b,20dのうちサブダンパー20bが開いているので外気はサブダンパー20bを通り抜けて、第2の静止型デシカント31に向かい、第2の静止型デシカント31へ流入する。
(4)下流ダンパー21では、左側のサブダンパー21a、21bのうち、サブダンパー21aが開いている。よって、第2の静止型デシカント31へ流入した外気は、サブダンパー21aを通り抜けて、流出装置220へ流入し、流出装置220の外気流出口222から流出する。
還気流路は、切り替えに従って、第1の静止型除湿デバイスである第1の静止型デシカント30と第2の静止型除湿デバイスである第2の静止型デシカント31とを交互に通過すると共に、還気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有する。
外気流路は、切り替えに従って、還気流路が通過する静止型除湿デバイスと異なる静止型除湿デバイスを通過するように、第1の静止型デシカント30と第2の静止型デシカント31とを交互に通過すると共に、外気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有する。
図8は、空気処理装置500の模式的な正面図である。
図9は、空気処理装置500の模式的な背面図である。図8では、還気の流入する加熱器10が、外気の流入する冷却器11の上に配置されている状態を示している。図9では、下流ダンパー21において、サブダンパー21a,21dが開いており、サブダンパー21b,21cが閉じている状態である。
空気処理装置500では、第1のダンパー状態あるいは第2のダンパー状態のいずれの状態でも、外気と還気は位置P(1)または位置(2)の部分でのみY方向に一度曲がる。このため、第1のダンパー状態と第2のダンパー状態とのどちらのダンパー状態にあるときでも、外気及び還気の圧力損失は同等であり、給気と排気の風量が変化しない。
よって、空気処理装置500は、規定の換気量を安定的に維持でき、室内の空気質を安定させ、エネルギー効率の高い除湿運転ができるという効果がある。
また、第1の静止型デシカント30、第2の静止型デシカント31が左右に分かれて配置されている。この構成により、第1の静止型デシカント30、第2の静止型デシカント31が上下に配置されている状態に比べて高さ方向に余裕があるので、デシカント材の面積が必要なときに高さ方向に長くデシカント材を作成する事ができる。また、空気処理装置500の筐体が天井裏などの狭小空間に収められた際に、側面からデシカント材を筐体へと抜き差ししやすく、メンテナンス性が向上する。
空気処理装置500では、還気流路と外気流路の長さが変わらないため、圧力損失を低減することができる。
次に、実施の形態1における変形例1を説明する。変形例1は、空気処理装置500において、加熱器10と冷却器11からなる熱供給装置12と流入装置210との間に、給気流路と還気流路とをまたぐように、全熱交換器40が配置された構成である。
全熱交換器40は、流入装置210を流出する還気が流入し、還気を加熱器10に流入させ、流入装置210を流出する外気が流入し、外気を冷却器11に流入させる。
図11は、第2のダンパー状態における変形例1の空気処理装置500を示す。変形例1では、流入装置210の構成が異なる。
図10に示すように、変形例1では、流入装置210において2還気の流出する流出口212は左下に形成されており、2外気の流出する流出口214は、右上に形成されている。
還気は第1仕切り板801の下に流れ込み、外気は第1仕切り板801の上に流れ込む必要があるためである。これは、還気は全熱交換器40の下側から全熱交換器40に流れ込んで全熱交換器40の上側から流出し、外気は全熱交換器40の上側から全熱交換器40に流れ込んで全熱交換器40の下側から流出するからである。外気及び還気が全熱交換器40を流出したあとの流れは図1及び図2の空気処理装置500と同じである。
以下に熱交換モードを説明する。熱交換モードとは、還気と外気とが全熱交換器40において、全熱交換を行うことを意味する。
(1)図10及び図11に示すように、外気と、外気に比較して温度及び湿度が低い還気とが、全熱交換器40に流入する。全熱交換器40で、外気と外気とは、温度と湿度とを熱交換する。
(2)このとき、バイパス路50を形成するバイパス路仕切り板804は、閉じられており、還気は全熱交換器40をバイパスしない。つまり、バイパス路仕切り板804が閉じている場合、還気は、全熱交換器40に流入し、全熱交換器40から加熱器10に流入する。加熱器10へ流入した還気は、高温、かつ、相対湿度が低い。
(3)上述のように、上流ダンパー20の4つのサブダンパー20a,20b,20c,20dは開閉制御が可能であり、下流ダンパー21の4つのサブダンパー21a,21b,21c,21dも開閉制御が可能である。
(4)上述のように、下流ダンパー21のサブダンパー21a,21b,21c,21dは、上流ダンパー20のサブダンパー20a,20b,20c,20dの開閉状態と逆の開閉状態である。サブダンパー20a,20b,20c,20dには上流ダンパー開閉装置320が接続しており、サブダンパー21a,21b,21c,21dには下流ダンパー開閉装置321が接続している。上流ダンパー開閉装置320は、サブダンパー20a,20b,20c,20dを開閉する。下流ダンパー開閉装置321は、サブダンパー21a,21b,21c,21dを開閉する。制御装置100のダンパー制御部111は、上流ダンパー開閉装置320を制御することでサブダンパー20a,20b,20c,20dの開閉を制御し、下流ダンパー開閉装置321を制御することでサブダンパー21a,21b,21c,21dの開閉を制御する。
(5)図11の場合、上流ダンパー20のサブダンパー20bとサブダンパー20cが開いており、サブダンパー20aとサブダンパー20dが、閉じている。
(6)下流ダンパー21では、サブダンパー21aとサブダンパー21dが開いており、サブダンパー21bとサブダンパー21cが閉じている。
図11ではサブダンパー20bが開いているので、外気は第2の静止型デシカント31へ流入する。外気が流入する第2の静止型デシカント31では、第2の静止型デシカント31が外気の水分を吸着し、外気を除湿する。第2の静止型デシカント31へ流入して通過した外気の温度は上がり、相対湿度が低下する。第2の静止型デシカント31を通過した外気は、下流ダンパー21を通って排気される。図11ではサブダンパー21aが開いているので、外気は、サブダンパー21aから、給気として供給される。
第2のダンパー状態は、還気が第1の静止型デシカント30に流入し、外気が第2の静止型デシカント31に流入する状態である(図11)。
このような第1のダンパー状態及び第2のダンパー状態は、予め定められた時間が経過した後に切り替わる方式でも良い。制御装置100のダンパー制御部111が、予め定められた時間が経過した後に、上流ダンパー開閉装置320及び下流ダンパー開閉装置321を介して、第1のダンパー状態のサブダンパーの開閉状態と第2のダンパー状態の開閉状態とを切り替える。あるいは、給気検知センサー83(図7)によって検知した給気温湿度または排気検知センサー84(図7)によって検知した排気温湿度に応じて、ダンパー制御部111が上流ダンパー開閉装置320及び下流ダンパー開閉装置321を介して、第1のダンパー状態と第2のダンパー状態とを切り替える方式でも良い。
図10、図11、図12、図13、図14、図15を参照して、バイパスモードを説明する。図12から図15では、流入装置210は省略している。図12は、変形例1における第2のダンパー状態を示す模式的な上面図である。
図13は、変形例1における第2のダンパー状態を示す模式的な下面図である。
図14は、バイパス路50が形成されるときの空気処理装置500の模式的な側面図である。
図15は、バイパス路50が形成されるときの空気処理装置500の模式的な斜視図である。バイパスモードとは、還気が全熱交換器40へ流入することなく加熱器10へ流入し、還気が全熱交換器40で外気と全熱交換しないモードである。
仕切り板開閉装置350がバイパス路仕切り板804を開閉することで還気のバイパス路50がオン、オフする。後述のように制御装置100の仕切り板制御部112が仕切り板開閉装置350を制御することで、バイパス路仕切り板804が開閉する。
制御装置100は、バイパス制御装置である。制御装置100の仕切り板制御部112は、外気の温度及び湿度と、還気の温度及び湿度とに基づいて、バイパス路50を、オン状態とオフ状態とのいずれかに切り替える。
第1仕切り板801の下側には、n,o,t,sで示すバイパス路仕切り板804が配置されている。図10、図11のバイパス路仕切り板804は、閉じた状態である。バイパス路仕切り板804は、閉じた状態、つまり、バイパス路50を形成しない状態では、第1仕切り板801に対して板805と対称に配置され、還気が全熱交換器40を通らずに冷却器11の配置されている側に流入することを防止する。図15では、バイパス路仕切り板804が開いた状態となり、バイパス路50が形成された状態を示す。バイパス路仕切り板804は、仕切り板開閉装置350によって、n,oが回転の軸となって回転する。回転によってバイパス路仕切り板804のt,sは板805のr,qに近づき、最後にはr,qに重なる。バイパス路仕切り板804が開いた状態では、全熱交換器40の下部から流入した還気は、全熱交換器40へ流入することなく、バイパス路仕切り板804の開状態によって現れた開口806(m、n、o、p)を通り抜けて、加熱器10へ流入する。この還気の流路がバイパス路50である。
図16は、仕切り板制御部112が有するバイパス判定情報を示すバイパス判定テーブルである。バイパス判定テーブルは補助記憶装置130に格納されている。バイパス判定テーブルに示すv1からv12は、値の範囲を示す。仕切り板制御部112は、外気検知センサー80、還気検知センサー81及び設定情報記憶部82から値を取得し、取得した値がバイパス判定テーブルにおける1行目のv1、v2、v3、3行目のv7、v8、v9に該当する場合は、還気をバイパスさせる。この場合、仕切り板制御部112は、仕切り板開閉装置350を制御することで、バイパス路仕切り板804を開状態にする。
図17は、外気の空気線図上の動きを示す。図17において、記号は以下のとおりである。
Lo_OA:全熱交換器40の出口外気、
Lo_RA:全熱交換器40の出口還気、
HEXo:冷却器11の出口空気、
ET:冷媒の蒸発温度、
I:空気エンタルピー、
ΔI_Lo:全熱交換器40の通過時に冷却器11で必要なエンタルピー変化、
ΔI_bypass:全熱交換器40のバイパス時に冷却器11で必要なエンタルピー変化。
一方で、全熱交換器40を通過した還気は室内空気(還気よりも高温多湿な空気(Lo_RA)となり、加熱器10に流入する。加熱器10では静止型デシカントを再生させるために流入空気が一定の相対湿度よりも低くなるように加熱能力が制御されるため、湿度が高い空気ほど加熱器10で必要な加熱能力が大きくなる。従って、還気を全熱交換器40に流入させることで、加熱器10において必要な加熱能力が増加する。
変形例1の空気処理装置500によれば、必要な除湿量を満足しながら、外気の状態に応じてバイパスモードと熱交換モードとを切り替える。よって、必要エネルギーが最小となるような、エネルギー効率の高い空気処理装置を提供できる。
図18は、変形例2の構成を示す。図18では流入装置210を省略している。空気処理装置500は、さらに、圧縮機、第1の熱交換器である凝縮器、膨張弁及び第2の熱交換器である蒸発器を有し、冷媒が循環する冷凍サイクル装置を備えてもよい。具体的には図18に示すように、空気処理装置500は、圧縮機71、第1の熱交換器、膨張弁70、及び、第2の熱交換器を配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル装置450を備える。空気処理装置500は、第1の熱交換器を加熱器10、第2の熱交換器を冷却器11として用いる。
図19は、変形例3を示す。図19では流入装置210を省略している。変形例3では、冷凍サイクル装置450は、第1の熱交換器である凝縮器を蒸発器として機能させ、第2の熱交換器である蒸発器を凝縮器として機能させる四方弁を備える。空気処理装置500は、さらに、外気流路において複合除湿デバイス32の下流に配置され、凝縮器が蒸発器として機能する場合に、外気が通過し、通過する外気を加湿する加湿装置90を備える。図19に示すように、変形例2の冷凍サイクル装置450に四方弁72を加え、さらに下流ダンパー21の下流に外気を加湿する加湿装置90を設置する。
以下に、制御装置100のハードウェア構成の補足をしておく。図7の制御装置100では、制御装置100の機能がソフトウェアで実現されるが、制御装置100の機能がハードウェアで実現されても良い。
図20は、制御装置100の変形例のハードウェア構成を示す。図20の電子回路600は、ダンパー制御部111、仕切り板制御部112及び冷媒制御部113、主記憶装置120、補助記憶装置130、入力IF140、出力IF150及び通信IF160の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路600は、信号線601に接続している。電子回路600は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。制御装置100の構成要素の機能は、1つの電子回路で実現されても良いし、複数の電子回路に分散して実現されても良い。別の変形例として、制御装置100の構成要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されても良い。
Claims (7)
- 還気が流入する還気流入口と、外気が流入する外気流入口とを有する流入装置と、
全熱交換器と、
第1の熱交換器と第2の熱交換器とを有する熱供給装置と、
第1のダンパーと、
第1の静止型除湿デバイスと第2の静止型除湿デバイスとを有する複合除湿デバイスと、
第2のダンパーと、
前記還気が流出する還気流出口と、前記外気が流出する外気流出口とを有する流出装置と、
制御装置と、
を備え、
前記還気は、
前記流入装置、前記全熱交換器、前記第1の熱交換器、前記第1のダンパー、前記複合除湿デバイス、第2のダンパー及び流出装置を通過する還気流路に沿って流れ、
前記外気は、
前記流入装置、前記全熱交換器、前記第2の熱交換器、前記第1のダンパー、前記複合除湿デバイス、第2のダンパー及び流出装置を通過する外気流路に沿って流れ、
前記第1のダンパーと、前記第2のダンパーとは、
連動することで、前記還気流路と前記外気流路とを切り替え、
前記還気流路は、
切り替えに従って、前記第1の静止型除湿デバイスと前記第2の静止型除湿デバイスとを交互に通過すると共に、前記還気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有し、
前記外気流路は、
切り替えに従って、前記還気流路が通過する静止型除湿デバイスと異なる静止型除湿デバイスを通過するように、前記第1の静止型除湿デバイスと前記第2の静止型除湿デバイスとを交互に通過すると共に、前記外気の流れる方向の変化が対応する部分を切り替え前後で有し、
前記第1の熱交換器は、
前記第1のダンパーと前記第2のダンパーとが連動して前記還気流路と前記外気流路とを切り替える前と後とで、加熱器として機能し、
前記第2の熱交換器は、
前記第1のダンパーと前記第2のダンパーとが連動して前記還気流路と前記外気流路とを切り替える前と後とで、冷却器として機能すると共に、
前記制御装置は、
検知された外気の温度及び湿度と、検知された還気の温度及び湿度と、すでに設定されている設定温度及び設定湿度との組が、予め保有する複数の組であって外気の温度及び湿度と、還気の温度及び湿度と、設定温度及び設定湿度とからなる複数の組のうち、バイパスするべき組に該当するときには、前記還気が前記全熱交換器を通過することなく前記加熱器として機能する前記第1の熱交換器に向かうように、前記還気を前記全熱交換器に対してバイパスさせる空気処理装置。 - 前記還気流路と前記外気流路とは、
前記還気の流れる方向の変化と前記外気の流れる方向の変化とが対応する部分を有する請求項1に記載の空気処理装置。 - 前記第1のダンパーと前記第2のダンパーとは、
制御によって開閉する複数のサブダンパーを有し、
前記空気処理装置は、さらに、
前記第1のダンパーの前記複数のサブダンパーの開閉状態と、前記第2のダンパーの前記複数のサブダンパーの開閉とを、連動して切り替えるダンパー制御装置を備える請求項1または請求項2に記載の空気処理装置。 - 前記加熱器は、
重力の方向を基準にして、前記冷却器の上方に配置された請求項1に記載の空気処理装置。 - 前記第1の静止型除湿デバイスと、前記第2の静止型除湿デバイスとは、
水平に設置された状態において水平方向で隣接する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気処理装置。 - 前記空気処理装置は、さらに、
圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有し冷媒が循環する冷凍サイクル装置を備え、
前記第1の熱交換器として前記凝縮器を使用し、前記第2の熱交換器として前記蒸発器を使用する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気処理装置。 - 前記空気処理装置は、さらに、
前記凝縮器及び前記蒸発器に流入する前記冷媒の流量と温度とを制御する冷媒制御装置を備える請求項6に記載の空気処理装置。
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