本発明のタウオリゴマー形成の阻害剤は、タウオリゴマーの形成に関連する疾患、例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合症、嗜銀性顆粒認知症、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト ヤコブ病、ボクサー認知症/慢性外傷性脳症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ゲルストマン ストロイスラー シャインカー病、ハラーフォルデン スパッツ病、筋緊張性ジストロフィー、C型ニーマン ピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下神経膠症、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性全脳炎、及び神経原線維型認知症を処置及び防止することができる。さらに、理論によって限定されるものではないが、本開示のタウオリゴマー形成の阻害剤は、タウオリゴマーの形成に関連する疾患を改善する、軽減する、さもなければ制御されるようにすることができると考えられる。
本文を通して、組成物が特定の成分を有する、若しくは含む(including又はcomprising)と記述される場合、又はプロセスが特定のプロセスステップを有する、若しくは含むと記述される場合、本教示の組成物は、列挙された成分から本質的になる、又はからなることも企図され、本教示のプロセスが列挙されたプロセシングステップから本質的になる、又はからなることも企図される。
本願においては、要素又は成分が、列挙された要素又は成分のリストに含まれる、及び/又は該リストから選択されると記述される場合、要素又は成分が列挙された要素又は成分のいずれか一つである可能性がある、また、列挙された要素又は成分の2つ以上からなる群から選択される可能性があることを理解すべきである。
本明細書における単数形の使用は、別段の記載がない限り複数形を含む(その逆も同様である)。さらに、「約」という用語の使用が定量値の前にある場合、本教示は、別段の記載がない限り、特定の定量値自体も含む。
ステップの順序又はある動作を行う順序は、本教示が実施可能である限り、重要でないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップ又は動作を同時に実行することができる。
本明細書では「ハロゲン」という用語は、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を意味するものとする。「ハロ」という用語は、置換基クロロ、ブロモ、フルオロ及びヨードを意味するものとする。
本明細書では、別段の記載がない限り、「アルキル」及び/又は「脂肪族」は、単独で使用されても、置換基の一部として使用されても、1~20個の炭素原子又はこの範囲内の任意の数、例えば1~6個の炭素原子又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状炭素鎖を指す。炭素原子の指定数(例えば、C1~6)は、アルキル成分中の炭素原子の数、又はより大きいアルキル含有置換基のアルキル部分を独立に指すものとする。アルキル基の非限定的例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどが挙げられる。アルキル基は、場合によっては置換することができる。置換アルキル基の非限定的例としては、ヒドロキシメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、1-クロロエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-カルボキシプロピルなどが挙げられる。(C1~6アルキル)2アミノなどの複数のアルキル基を有する置換基においては、アルキル基は、同じでも異なってもよい。
本明細書では「アルケニル」及び「アルキニル」基という用語は、単独で使用されても、置換基の一部として使用されても、2個以上、好ましくは2~20個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状炭素鎖を指し、アルケニル鎖は鎖中に少なくとも1個の二重結合を有し、アルキニル鎖は鎖中に少なくとも1個の三重結合を有する。アルケニル及びアルキニル基は、場合によっては置換することができる。アルケニル基の非限定的例としては、エテニル、3-プロペニル、1-プロペニル(又は2-メチルエテニル)、イソプロペニル(又は2-メチルエテン-2-イル)、ブテン-4-イルなどが挙げられる。置換アルケニル基の非限定的例としては、2-クロロエテニル(又は2-クロロビニル)、4-ヒドロキシブテン-1-イル、7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-4-エン-2-イル、7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-3,5-ジエン-2-イルなどが挙げられる。アルキニル基の非限定的例としては、エチニル、プロパ-2-イニル(又はプロパルギル)、プロピン-1-イル及び2-メチル-ヘキサ-4-イン-1-イルが挙げられる。置換アルキニル基の非限定的例としては、5-ヒドロキシ-5-メチルヘキサ-3-イニル、6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-3-イン-2-イル、5-ヒドロキシ-5-エチルヘプタ-3-イニルなどが挙げられる。
本明細書では「シクロアルキル」とは、単独で使用されても、別の基の一部として使用されても、例えば、3~14個の環炭素原子、好ましくは3~7又は3~6個の環炭素原子、更には3~4個の環炭素原子を有し、場合によっては1個以上(例えば、1、2又は3個)の二重又は三重結合を含む、環化アルキル、アルケニル及びアルキニル基を含めた非芳香族炭素含有環を指す。シクロアルキル基は、単環式(例えば、シクロヘキシル)又は多環式(例えば、縮合、架橋及び/又はスピロ環構造を含む)とすることができ、炭素原子は、環構造の内側又は外側に位置する。シクロアルキル基の任意の適切な環位置は、限定された化学構造と共有結合することができる。シクロアルキル環は、場合によっては置換することができる。シクロアルキル基の非限定的例としては、シクロプロピル、2-メチル-シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、2,3-ジヒドロキシシクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクタニル、デカリニル、2,5-ジメチルシクロペンチル、3,5-ジクロロシクロヘキシル、4-ヒドロキシシクロヘキシル、3,3,5-トリメチルシクロヘキサ-1-イル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イル、デカヒドロアズレニル、ビシクロ[6.2.0]デカニル、デカヒドロナフタレニル及びドデカヒドロ-1H-フルオレニルが挙げられる。「シクロアルキル」という用語は、二環式炭化水素環である炭素環も含み、その非限定的例としては、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3-ジメチル[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル及びビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが挙げられる。
「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲンで置換された、指定数の炭素原子を有する分枝状と直鎖状の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。ハロアルキル基は、アルキル基のすべての水素がハロゲンで置換されているパーハロアルキル基を含む(例えば、-CF3、-CF2CF3)。ハロアルキル基は、ハロゲンに加えて、1個以上の置換基で場合によっては置換することができる。ハロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジクロロエチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル及びペンタクロロエチル基が挙げられるが、それらに限定されない。
「アルコキシ」という用語は、基-O-アルキルを指し、アルキル基は上で定義したとおりである。アルコキシ基は、場合によっては置換することができる。C3~C6環状アルコキシという用語は、3~6個の炭素原子及び少なくとも1個の酸素原子を含む環を指す(例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン)。C3~C6環状アルコキシ基は、場合によっては置換することができる。
単独で又は別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、6個の炭素メンバーの不飽和芳香族単環式環又は10~14個の炭素メンバーの不飽和芳香族多環式環として本明細書では定義される。アリール環は、例えば、1個以上の水素原子を置換することができる1個以上の部分で各々場合によっては置換されたフェニル又はナフチル環とすることができる。アリール基の非限定的例としては、フェニル、ナフチレン-1-イル、ナフチレン-2-イル、4-フルオロフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-メチルフェニル、2-アミノ-4-フルオロフェニル、2-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、2-シアノフェニル、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル、3-メトキシフェニル、8-ヒドロキシナフチレン-2-イル 4,5-ジメトキシナフチレン-1-イル及び6-シアノ-ナフチレン-1-イルが挙げられる。アリール基としては、例えば、芳香族及び/又は飽和若しくは部分飽和環の1個以上の炭素原子において置換することができる、1個以上の飽和又は部分飽和炭素環と縮合したフェニル又はナフチル環(例えば、ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエニル、インダニル)も挙げられる。
「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、基-アルキル-アリールを指し、アルキル及びアリール基は本明細書に定義されたとおりである。本発明のアラルキル基は、場合によっては置換される。アリールアルキル基の例としては、例えば、ベンジル(「Bn」と略記される)、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、フルオレニルメチルなどが挙げられる。
「複素環式」、「複素環」、「ヘテロシクリル」という用語は、単独で使用されても、別の基の一部として使用されても、3~20個の原子を有する1個以上の環であって、少なくとも1個の環中の少なくとも1個の原子が窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環が非芳香族である、環として本明細書に定義される。2個以上の縮合環を含む複素環基においては、非ヘテロ原子を有する環をアリールとすることができる(例えば、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、クロマニル)。例示的な複素環基は、3~14個の環原子を有し、そのうち1~5個は、窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から独立に選択されるヘテロ原子である。複素環基中の1個以上のN又はS原子は、酸化することができる。複素環基は、場合によっては置換することができる。
単一の環を有する複素環式単位の非限定的例としては、ジアジリニル、アジリジニル、ウラゾリル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリニル オキサチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、ヒダントイニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン-2-オニル(バレロラクタム)、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドール及び1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリンが挙げられる。2個以上の環を有する複素環式単位の非限定的例としては、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インドリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、クロマニル、イソクロマニル、インドリニル、イソインドリニル及びデカヒドロ-1H-シクロオクタ[b]ピロリルが挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、単独で使用されても、別の基の一部として使用されても、5~20個の原子を有する1個以上の環として本明細書に定義され、少なくとも1個の環中の少なくとも1個の原子は窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環の少なくとも1個は芳香族である。2個以上の縮合環を含むヘテロアリール基においては、非ヘテロ原子を有する環を炭素環(例えば、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピリミジン)又はアリール(例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル)とすることができる。例示的なヘテロアリール基は、5~14個の環原子を有し、窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から独立に選択される1~5個の環ヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基中の1個以上のN又はS原子は、酸化することができる。ヘテロアリール基は置換することができる。単一の環を含むヘテロアリール環の非限定的例としては、1,2,3,4-テトラゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、トリアジニル、チアゾリル、1H-イミダゾリル、オキサゾリル、フラニル、チオフェネイル(thiopheneyl)、ピリミジニル、2-フェニルピリミジニル、ピリジニル、3-メチルピリジニル及び4-ジメチルアミノピリジニルが挙げられる。2個以上の縮合環を含むヘテロアリール環の非限定的例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、シンノリニル、ナフチリジニル、フェナントリジニル、7H-プリニル、9H-プリニル、6-アミノ-9H-プリニル、5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、ピリド[2,3-d]ピリミジニル、2-フェニルベンゾ[d]チアゾリル、1H-インドリル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1-H-インドリル、キノキサリニル、5-メチルキノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、8-ヒドロキシ-キノリニル及びイソキノリニルが挙げられる。
上述したヘテロアリール基の一非限定的例は、1~5個の炭素環原子及び窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から独立に選択されるヘテロ原子である少なくとも1個の追加の環原子(好ましくは、ヘテロ原子である1~4個の追加の環原子)を有するC1~C5ヘテロアリールである。C1~C5ヘテロアリールの例としては、トリアジニル、チアゾル-2-イル、チアゾル-4-イル、イミダゾル-1-イル、1H-イミダゾル-2-イル、1H-イミダゾル-4-イル、イソオキサゾリン-5-イル、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル及びピリジン-4-イルが挙げられるが、それらに限定されない。
別段の記載がない限り、2個の置換基が一緒に指定数の環原子を有する環を形成する(例えば、R2とR3がそれらが結合している窒素(N)と一緒に3~7環員を有する環を形成する)とき、環は、炭素原子及び場合によっては窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)から独立に選択される1個以上(例えば、1~3個)の追加のヘテロ原子を有することができる。環は飽和又は部分飽和とすることができ、場合によっては置換することができる。
本発明では、単一のヘテロ原子を含む縮合環単位及びスピロ環式環、二環式環などは、ヘテロ原子含有環に対応する環式ファミリーに属すると考えられる。例えば、以下の式を有する1,2,3,4-テトラヒドロキノリンは、本発明では、複素環式単位と考えられる。
以下の式を有する6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピリミジンは、本発明では、ヘテロアリール単位と考えられる。
縮合環単位が飽和環とアリール環の両方にヘテロ原子を含むとき、アリール環が優位を占め、環が割り当てられるカテゴリのタイプを決定する。例えば、以下の式を有する1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジンは、本発明では、ヘテロアリール単位と考えられる。
用語又はそれらの接頭辞語根のいずれかが置換基の名称中に出現するときはいつでも、名称は、本明細書に記載の限定を含むと解釈される。例えば、「アルキル」若しくは「アリール」という用語又はそれらの接頭辞語根のいずれかが置換基(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)の名称中に出現するときはいつでも、名称は、「アルキル」及び「アリール」についての上記限定を含むと解釈される。
「置換」という用語は、明細書を通して使用される。「置換」という用語は、非環式でも環式でも、以下に定義される1個の置換基又は幾つか(例えば、1~10個)の置換基で置換された1個以上の水素原子を有する部分として本明細書に定義される。置換基は、単一の部分の1又は2個の水素原子を一度に置換することができる。さらに、これらの置換基は、2個の隣接炭素上の2個の水素原子を置換して、前記置換基、新しい部分又は単位を形成することができる。例えば、単一の水素原子置換を必要とする置換単位としては、ハロゲン、ヒドロキシルなどが挙げられる。2個の水素原子置換としては、カルボニル、オキシイミノなどが挙げられる。隣接炭素原子からの2個の水素原子置換としては、エポキシなどが挙げられる。「置換」という用語は、本明細書を通して、置換基で置換された1個以上の水素原子を部分が有することができることを示すのに使用される。部分が「置換」されたと記述されるとき、任意の数の水素原子を置換することができる。例えば、ジフルオロメチルは置換C1アルキルであり、トリフルオロメチルは置換C1アルキルであり、4-ヒドロキシフェニルは置換芳香環であり、(N,N-ジメチル-5-アミノ)オクタニルは置換C8アルキルであり、3-グアニジノプロピルは置換C3アルキルであり、2-カルボキシピリジニルは置換ヘテロアリールである。
本明細書に定義された可変の基、例えば、本明細書に定義されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、複素環及びヘテロアリール基は、単独で使用されても、別の基の一部として使用されても、場合によっては置換することができる。場合によっては置換された基は、そのように示される。
以下は、部分上の水素原子を置換することができる置換基の非限定的例である:ハロゲン(塩素(Cl)、臭素(Br)、フッ素(F)及びヨウ素(I))、-CN、-NO2、オキソ(=O)、-OR11、-SR11、-N(R11)2、-NR11C(O)R11、-SO2R11、-SO2OR11、-SO2N(R11)2、-C(O)R11、-C(O)OR11、-C(O)N(R11)2、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~14シクロアルキル、アリール、複素環又はヘテロアリール。アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリール基の各々は、ハロゲン、-CN、-NO2、オキソ及びR11から独立に選択された1~10個(例えば、1~6又は1~4個)の基で場合によっては置換され、R11は、各々、独立に水素、-OR12、-SR12、-C(O)R12、-C(O)OR12、-C(O)N(R12)2、-SO2R12、-S(O)2OR12、-N(R12)2、-NR12C(O)R12、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、シクロアルキル(例えば、C3~6シクロアルキル)、アリール、複素環若しくはヘテロアリールであり、又は2個のR11単位は、それらが結合した原子(単数又は複数)と一緒に、場合によっては置換された炭素環若しくは複素環を形成し、前記炭素環又は複素環は3~7個の環原子を有し、R12は、各々、独立に水素、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、シクロアルキル(例えば、C3~6シクロアルキル)、アリール、複素環若しくはヘテロアリールであり、又は2個のR12単位は、それらが結合した原子(単数又は複数)と一緒に、場合によっては置換された炭素環若しくは複素環を形成し、前記炭素環又は複素環は好ましくは3~7個の環原子を有する。
一部の実施形態においては、置換基は、
i)-OR13、例えば、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH2CH2CH3、
ii)-C(O)R13、例えば、-COCH3、-COCH2CH3、-COCH2CH2CH3、
iii)-C(O)OR13、例えば、-CO2CH3、-CO2CH2CH3、-CO2CH2CH2CH3、
iv)-C(O)N(R13)2、例えば、-CONH2、-CONHCH3、-CON(CH3)2、
v)-N(R13)2、例えば、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-NH(CH2CH3)、
vi)ハロゲン:-F、-Cl、-Br及び-I、
vii)-CHeXg、式中、Xはハロゲンであり、mは0~2であり、e+g=3、例えば、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CCl3又は-CBr3、
viii)-SO2R13、例えば、-SO2H、-SO2CH3、-SO2C6H5、
ix)C1~C6線状、分枝状又は環状アルキル、
x)シアノ
xi)ニトロ、
xii)N(R13)C(O)R13、
xiii)オキソ(=O)、
xiv)複素環、及び
xv)ヘテロアリール
から選択され、各R13は、独立に水素、場合によっては置換されたC1~C6線状若しくは分枝状アルキル(例えば、場合によっては置換されたC1~C4線状又は分枝状アルキル)、又は場合によっては置換されたC3~C6シクロアルキル(例えば、場合によっては置換されたC3~C4シクロアルキル)であり、2個のR13単位は一緒に3~7個の環原子を含む環を形成することができる。ある態様においては、各R13は、独立に水素、ハロゲンで場合によっては置換されたC1~C6線状若しくは分枝状アルキル又はC3~C6シクロアルキル若しくはC3~C6シクロアルキルである。
本明細書の様々な場所で、化合物の置換基は、群又は範囲で示される。本文はこうした群及び範囲の各々及び全ての個々の下位組合せを含むことが特に意図される。例えば、「C1~6アルキル」という用語は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5及びC5~C6アルキルを個々に示すことが特に意図される。
本発明では「化合物」、「類似体」及び「組成物」という用語は、すべての鏡像異性体、ジアステレオマー体、塩などを含めて、本明細書に記載のタウオリゴマー形成の阻害剤を等しく表し、「化合物」、「類似体」及び「組成物」という用語は、本明細書を通して区別なく使用される。
本明細書に記載の化合物は、(キラル中心とも称する)不斉原子を含むことができ、化合物の一部は1個以上の不斉原子又は中心を含むことができ、したがって光学異性体(鏡像異性体)及びジアステレオマーを生じ得る。本教示及び本明細書に開示される化合物は、こうした鏡像異性体及びジアステレオマー、並びにラセミ及び分割された鏡像異性的に純粋なR及びS立体異性体、並びにRとS立体異性体の別の混合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩を含む。光学異性体は、ジアステレオマー塩形成、速度論的分割及び不斉合成を含めて、ただしそれらに限定されない、当業者に既知の標準手順によって、純粋な形で得ることができる。本教示は、アルケニル部分(例えば、アルケン及びイミン)を含む化合物のシス及びトランス異性体も包含する。本教示は、当業者に既知の標準分離手順によって純粋な形で得ることができる、すべての可能な位置異性体及びそれらの混合物を包含し、カラムクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ及び高速液体クロマトグラフィを含むが、それらに限定されないことも理解される。本明細書に記載の化合物が例えばケト若しくはオキシム基又は芳香族部分を含む場合、互変異性異性(「互変異性」)が生じ得る。したがって、単一の化合物が1つを超えるタイプの異性を示すこともある。
1つを超えるタイプの異性を示す化合物、及びそれらの1つ以上の混合物を含めて、本開示の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体及び互変異性体が本開示の化合物の範囲内に含まれる。さらに、対イオンが光学活性、例えば、D-ラクタート若しくはL-リジン、又はラセミ、例えば、DL-タルトラート若しくはDL-アルギニンである、酸付加又は塩基塩も含まれる。
酸性部分を有し得る本教示の化合物の薬学的に許容される塩は、有機及び無機塩基を用いて形成することができる。脱プロトンに利用可能な酸性水素の数に応じて、モノアニオン性塩とポリアニオン性塩の両方が企図される。塩基と一緒に形成される適切な塩としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩などの金属塩、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ、ジ若しくはトリ低級アルキルアミン(例えば、エチル-tert-ブチル-、ジエチル-、ジイソプロピル-、トリエチル-、トリブチル-又はジメチルプロピルアミン)又はモノ、ジ若しくはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ、ジ又はトリエタノールアミン)と一緒に形成されるものなどのアンモニア塩及び有機アミン塩が挙げられる。無機塩基の具体的非限定的例としては、NaHCO3、Na2CO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、LiOH、NaOH、KOH、NaH2PO4、Na2HPO4及びNa3PO4が挙げられる。内部塩を形成することもできる。同様に、本明細書に開示される化合物が塩基性部分を含むときには、有機及び無機酸を用いて塩を形成することができる。例えば、以下の酸から塩を形成することができる:酢酸、アスパラギン酸、ホウ酸、グルコヘプトン酸、グルクロン酸、ヘキサフルオロリン酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ヨウ化水素酸、エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ニコチン、オロト酸、パルミチン酸、糖酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸 プロピオン酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、ジクロロ酢酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、フタル酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及びショウノウスルホン酸並びに他の公知の薬学的に許容される酸。更なる適切な塩基塩は、薬学的に許容される塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。適切な塩の総説としては、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」Stahl及びWermuth(Wiley-VCH、Weinheim、ドイツ、2002)を参照されたい。
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及び所望の酸又は塩基の溶液を適宜一緒に混合することによって容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿することができ、濾過によって収集することができ、又は溶媒の蒸発によって回収することができる。塩のイオン化度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで変わり得る。
本発明の化合物は、非溶媒和型と溶媒和型のどちらでも存在し得る。「溶媒和化合物」という用語は、本発明の化合物と1種以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えば、エタノールとを含む分子複合体を記述するのに本明細書で使用される。「水和物」という用語は、前記溶媒が水であるときに使用される。薬学的に許容される溶媒和化合物としては、水和物及び他の溶媒和化合物が挙げられ、結晶化の溶媒は、同位体置換することができる。例えば、D2O、d6-アセトン、d6-DMSO。本発明の化合物(塩、遊離塩基、遊離酸及び中性化合物の形のものを含む)は、水和物及び他の溶媒和化合物を形成することができる。
本発明の化合物は、薬物ホスト包接化合物などの包接化合物又は他の複合体として存在することができ、上記溶媒和化合物とは対照的に、薬物及びホストは、化学量論量又は非化学量論量で存在する。化合物は、化学量論量でも非化学量論量でもよい、2種以上の有機及び/又は無機成分を含む薬物の複合体として存在することもできる。生成した複合体は、イオン化でも、部分イオン化でも、非イオン化でもよい。こうした複合体の総説については、Haleblian、J Pharm Sci、64(8)、1269~1288(1975年8月)を参照されたい。本発明の化合物は、その多形体及び異性体(光学、幾何及び互変異性異性体を含む)並びに同位体標識化合物として存在することもできる。固体状態においては、本発明の化合物は、結晶形でも非晶形でも存在することができる。
本発明の化合物は、プロドラッグとして投与することができる。したがって、それ自体ほとんど又は全く薬理活性を持たなくてもよい本開示の化合物のある種の誘導体は、体の中又は上に投与すると、例えば加水分解によって、所望の活性を有する化合物に転化することができる。こうした誘導体は「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用についての更なる情報は、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACS Symposium Series(T Higuchi及びW Stella)及び「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E B Roche編、American Pharmaceutical Association)に見つけることができる。プロドラッグは、例えば、本開示の化合物中に存在する適切な官能基を例えばH Bundgaard「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載の「プロ部分」として当業者に既知のある種の部分で置換することによって製造することができる。こうしたプロドラッグの幾つかの例としては、
(i)式(I)の化合物がカルボン酸官能基(-COOH)、そのエステルを含む場合、例えば、(C1~C8)アルキルによる水素の置換、
(ii)式(I)の化合物がアルコール官能基(-OH)、そのエーテルを含む場合、例えば、(C1~C6)アルカノイルオキシメチルによる水素の置換、及び
(iii)式(I)の化合物が一級又は二級アミノ官能基(-NH2又は-NHR、R≠H)、そのアミドを含む場合、例えば、(C1~C10)アルカノイルによる一方又は両方の水素の置換が挙げられる。[上記例及び他のプロドラッグタイプの例に係る置換基の更なる例は、上記参考文献に見つけることができる。]最後に、本開示のある化合物は、それら自体、それぞれ本開示の別の化合物のプロドラッグとして作用することができる。
本発明は、同じ原子番号を有するが天然に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子で1個以上の原子が置換された本開示のすべての薬学的に許容される同位体標識化合物を含む。
本発明の化合物に含まれるのに適切な同位体の例としては、2H、3Hなどの水素の同位体、11C、13C、14Cなどの炭素の同位体、36Clなどの塩素の同位体、18Fなどのフッ素の同位体、123I、125Iなどのヨウ素の同位体、13N、15Nなどの窒素の同位体、15O、17O、18Oなどの酸素の同位体、32Pなどのリンの同位体、及び35Sなどの硫黄の同位体が挙げられる。
本開示のある同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み入れた同位体標識化合物は、薬物及び/又は基質組織分布の研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち3H、及び炭素14、すなわち14Cは、組入れの容易性及び容易な検出手段の点から見て、この目的に特に有用である。
重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体で置換すると、代謝安定性の増大に起因するある治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加、又は必要投与量の減少が得られる場合があり、したがって、ある状況においては好ましい場合がある。
11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放射同位体による置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)研究に有用であり、患者及び動物における診断薬として有用であり得る。
本開示の同位体標識化合物は、一般に、当業者に既知の従来技術によって、又は以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いた添付の実施例及び調製に記載のものに類似したプロセスによって、調製することができる。
任意の構成要素又は任意の式で任意の変数が1回を超えて発生するときには、各発生におけるその定義は、その他すべての発生におけるその定義と無関係である(例えば、N(Rx)2において、各Rxは、同じでも他と異なってもよい)。置換基及び/又は変数の組合せは、こうした組合せによって安定な化合物が生成する場合にのみ許容される。
本明細書では「処置する」及び「処置すること」及び「処置」という用語は、患者が罹患した疑いのある症状を部分的又は完全に軽減、阻止、改善及び/又は緩和することを指す。
本明細書では「治療上有効な」及び「有効量」とは、望ましい生物活性又は効果を誘発する物質又は量を指す。
特に言及する場合を除いて、「対象」又は「患者」という用語は、区別なく使用され、ヒト患者、非ヒト霊長類などの哺乳動物、並びにウサギ、ラット、マウスなどの実験動物、及び他の動物を指す。したがって、本明細書では「対象」又は「患者」という用語は、本発明の化合物を投与することができる任意の哺乳動物の患者又は対象を意味する。本発明の例示的一実施形態においては、本発明の方法による処置の対象患者を特定するために、容認されたスクリーニング方法を使用して、標的となる若しくは疑わしい疾患若しくは症状に関連する危険因子を決定し、又は対象における既存の疾患若しくは症状の状態を決定する。これらのスクリーニング方法としては、例えば、標的となる又は疑わしい疾患又は症状に関連し得る危険因子を決定する従来の精密検査が挙げられる。これら及び他の常法によって、臨床医は、本発明の方法及び化合物を用いた療法を必要とする患者を選択することができる。
本発明の一実施形態は、式(IX)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
R1、R2、R3a、R3b、R3c及びR3dは、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3b、R3c及びR3dは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択される。
本発明の別の一実施形態は、式(IXa)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
Xは、CH及びNからなる群から選択され、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3b、R3c及びR3dは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R7は、水素及びNR5COR8からなる群から独立に選択され、
R8は、水素、場合によっては置換されたアリール、場合によっては置換されたヘテロアリール、
、(OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b)から選択される基で場合によっては置換されたC1~6アルキル、並びに(OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b)から選択される基で場合によっては置換されたC3~7シクロアルキルからなる群から独立に選択され、
R9は、水素、C1~6アルキル及びCOR10からなる群から選択され、
R10は、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R11a及びR11bは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
本発明の別の一実施形態は、式(X)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3bは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4bは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択される。
本発明の別の一実施形態は、式(Xa)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
Xは、CH及びNからなる群から選択され、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3bは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R7は、水素及びNR5COR8からなる群から独立に選択され、
R8は、水素、場合によっては置換されたアリール、場合によっては置換されたヘテロアリール、
、OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b-から選択される基で場合によっては置換されたC1~6アルキル、並びにOH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11bから選択される基で場合によっては置換されたC3~7シクロアルキルからなる群から独立に選択され、
R9は、水素、C1~6アルキル及びCOR10からなる群から選択され、
R10は、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R11a及びR11bは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
本発明の別の一実施形態は、式(XI)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
Xは、CH及びNからなる群から選択され、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3b、R3c及びR3dは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R7は、水素及びNR5COR8からなる群から独立に選択され、
R8は、水素、場合によっては置換されたアリール、場合によっては置換されたヘテロアリール、
、(OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b)から選択される基で場合によっては置換されたC1~6アルキル、並びに(OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b)から選択される基で場合によっては置換されたC3~7シクロアルキルからなる群から独立に選択され、
R9は、水素、C1~6アルキル及びCOR10からなる群から選択され、
R10は、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R11a及びR11bは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
本発明の別の一実施形態は、式(XII)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3bは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択される。
本発明の別の一実施形態は、式(XIII)の化合物並びにそれらの鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、及び複合体を含む。
式中、
Xは、CH及びNからなる群から選択され、
R1は、水素、場合によっては置換されたC1~6アルキル、場合によっては置換された分岐C3~7アルキル、場合によっては置換されたアリール、及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、R2は、場合によっては置換されたアリール及び場合によっては置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
R3a、R3bは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-C(O)NR4aR4b、-NR5COR6、アリール及びヘテロアリールからなる群から各々独立に選択され、
R4a及びR4abは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R5は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R6は、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、
R7は、水素及びNR5COR8からなる群から独立に選択され、
R8は、水素、場合によっては置換されたアリール、場合によっては置換されたヘテロアリール、
、OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11b-から選択される基で場合によっては置換されたC1~6アルキル、並びにOH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11bから選択される基で場合によっては置換されたC3~7シクロアルキルからなる群から独立に選択され、
R9は、水素、C1~6アルキル及びCOR10からなる群から選択され、
R10は、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R11a及びR11bは、水素及びC1~6アルキルからなる群から独立に選択され、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においてはAは、
である。
一部の実施形態においては、R1は水素である。
一部の実施形態においては、R1は、場合によっては置換されたC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R1は、場合によっては置換されたC3~7分枝状アルキルである。
一部の実施形態においては、R1は、場合によっては置換されたアリールである。
一部の実施形態においては、R1は、場合によっては置換されたヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R2は、場合によっては置換されたアリールである。
一部の実施形態においては、R2は、場合によっては置換されたヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R3aは水素である。
一部の実施形態においては、R3aはハロゲンである。
一部の実施形態においては、R3aはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R3aはC1~6アルコキシである。
一部の実施形態においては、R3aは-C(O)NR4aR4bである。
一部の実施形態においては、R3aは-NR5COR6である。
一部の実施形態においては、R3aはアリールである。
一部の実施形態においては、R3aはヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R3bは水素である。
一部の実施形態においては、R3bはハロゲンである。
一部の実施形態においては、R3bはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R3bはC1~6アルコキシである。
一部の実施形態においては、R3bは-C(O)NR4aR4bである。
一部の実施形態においては、R3bは-NR5COR6である。
一部の実施形態においては、R3bはアリールである。
一部の実施形態においては、R3bはヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R3cは水素である。
一部の実施形態においては、R3cはハロゲンである。
一部の実施形態においては、R3cはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R3cはC1~6アルコキシである。
一部の実施形態においては、R3cは-C(O)NR4aR4bである。
一部の実施形態においては、R3cは-NR5COR6である。
一部の実施形態においては、R3cはアリールである。
一部の実施形態においては、R3cはヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R3dは水素である。
一部の実施形態においては、R3dはハロゲンである。
一部の実施形態においては、R3dはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R3dはC1~6アルコキシである。
一部の実施形態においては、R3dは-C(O)NR4aR4bである。
一部の実施形態においては、R3dは-NR5COR6である。
一部の実施形態においては、R3dはアリールである。
一部の実施形態においては、R3dはヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R4aは水素である。
一部の実施形態においては、R4aはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R4bは水素である。
一部の実施形態においては、R4bはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R5は水素である。
一部の実施形態においては、R5はC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R6は水素である。
一部の実施形態においては、R6はC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、XはCHである。
一部の実施形態においては、XはNである。
一部の実施形態においては、R7は水素である。
一部の実施形態においては、R7はNR5COR8である。
一部の実施形態においては、R8は水素である。
一部の実施形態においては、R8は、場合によっては置換されたアリールである。
一部の実施形態においては、R8は、場合によっては置換されたヘテロアリールである。
一部の実施形態においては、R8は
である。
一部の実施形態においては、R8は、OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11bから選択される基で場合によっては置換されたC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R8は、OH、C1~6アルコキシ及びNR11aR11bから選択される基で場合によっては置換されたC3~7シクロアルキルである。
一部の実施形態においては、R9は水素である。
一部の実施形態においては、R9はC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R9はCOR10である。
一部の実施形態においては、R10は水素である。
一部の実施形態においては、R10はC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R11aは水素である。
一部の実施形態においては、R11aはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、R11bは水素である。
一部の実施形態においては、R11bはC1~6アルキルである。
一部の実施形態においては、nは1である。
一部の実施形態においては、nは2である。
一部の実施形態においては、nは3である。
一部の実施形態においては、mは1である。
一部の実施形態においては、mは2である。
本発明の例示的非限定的実施形態としては、表1、2及び3の化合物が挙げられる。
本発明の化合物が本明細書において命名され、称される様式を示す目的で、以下の式を有する化合物は、化学名3-(2-エチルナフタレン-6-イル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを有する。
本発明では、ラセミ式で示される化合物は、2つの鏡像異性体又はそれらの混合物のいずれかを等しく表し、第2のキラル中心が存在する場合には、すべてのジアステレオマーを等しく表す。
本明細書に記載の実施形態のすべてにおいて、適切な任意選択の置換基の例は、請求項に係る発明の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の化合物は、本明細書に記載の置換基又は置換基の組合せのいずれかを含むことができる。
プロセス
本教示の化合物は、本明細書に概説した手順に従って、市販出発材料、文献公知の化合物、又は容易に調製される中間体から、標準合成法及び当業者に既知の手順を用いて、調製することができる。標準合成法、有機分子の調製の手順、官能基変換及び操作は、関連する科学文献又は分野の標準的な教科書から容易に得ることができる。典型的な又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、別段の記載がない限り、別のプロセス条件を使用することもできることを理解されたい。最適反応条件は、使用する特定の反応物又は溶媒によって変わり得るが、こうした条件は、当業者が通常の最適化手順によって決定することができる。有機合成の当業者は、示される合成ステップの性質及び順序が、本明細書に記載の化合物の形成を最適化する目的で変わり得ることを認識するはずである。
本明細書に記載のプロセスは、当該技術分野で公知の任意の適切な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、1H又は13C)、赤外分光法、分光測光法(例えば、紫外可視)、質量分析法などの分光学的手段、又は高圧液体クロマトグラフィ(HPLC:high pressure liquid chromatography)、ガスクロマトグラフィ(GC:gas chromatography)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:gel-permeation chromatography)、薄層クロマトグラフィ(TLC:thin layer chromatography)などのクロマトグラフィによってモニターすることができる。
化合物の調製は、種々の化学基の保護及び脱保護を含むことができる。保護及び脱保護の必要性並びに適切な保護基の選択は、当業者が容易に判断することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版(Wiley&Sons、1991)に見つけることができ、その開示全体を参照により本明細書に援用する。
本明細書に記載の反応又はプロセスは、有機合成の当業者によって容易に選択することができる適切な溶媒中で行うことができる。適切な溶媒は、一般に、反応が行われる温度、すなわち、溶媒の凍結温度~溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度において、反応物、中間体及び/又は生成物に対して実質的に非反応性である。所与の反応は、1種の溶媒又は1種を超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応段階に応じて、特定の反応段階に適切な溶媒を選択することができる。
これらの教示の化合物は、有機化学の技術分野で公知の方法によって調製することができる。これらの教示の化合物の調製に使用される試薬は、商業的に得ることができ、又は文献に記載の標準手順によって調製することができる。例えば、本発明の化合物は、以下の一般的合成スキームで説明する方法に従って調製することができる。
化合物の調製のための一般的合成スキーム
本発明の化合物の調製に使用される試薬は、商業的に得ることができ、又は文献に記載の標準手順によって調製することができる。本発明によれば、部類(genus)の化合物は、以下の反応スキームの一つによって製造することができる。
式(I)の化合物は、スキーム1-xに概説するプロセスに従って調製することができる。
したがって、式(1)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物は、そのまま又は亜硫酸水素ナトリウム、N-エチル-ピリジニウムテトラフルオロボラート、塩化銅若しくは亜硫酸水素ナトリウムの存在下で、N,N-ジメチルアセトアミド、エタノール、水、ニトロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの溶媒の存在下で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、式(2)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物と反応して、式(3)の化合物を生成する。
式(4)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物は、O-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスファート、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールなどのカップリング剤の存在下で、場合によってはトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンなどの塩基の存在下で、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの溶媒中で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、式(5)の化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物と反応して、式(6)の化合物を生成する。式(6)の化合物は、トリフルオロ酢酸(TFAと略記される)、塩酸(HClと略記される)などの酸と、塩化メチレン(CH2Cl2)、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で反応して、式(7)の化合物を生成する。式(7)の化合物は、そのまま又は亜硫酸水素ナトリウム、N-エチル-ピリジニウムテトラフルオロボラート、塩化銅若しくは亜硫酸水素ナトリウムの存在下で、N,N-ジメチルアセトアミド、エタノール、水、ニトロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの溶媒の存在下で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、式(2)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物と反応して、式(9)の化合物を生成する。
式(10)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物は、ジクロロメタン、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、水などの溶媒の存在下で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸などの酸と反応して、式(11)の化合物を生成する。式(11)の化合物は、O-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールなどのカップリング剤の存在下で、場合によってはトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンなどの塩基の存在下で、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの溶媒中で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、式(12)の化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物と反応して、式(13)の化合物を生成する。
式(14)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物は、トルエンスルホン酸 亜硫酸水素ナトリウムの存在下で、N,N-ジメチルアセトアミドなどの溶媒中で、又はナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下で、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒中で、式(15)の適切に置換された化合物、公知の化合物、又は公知の方法によって調製された化合物と反応する。あるいは、式(15)の化合物をアルコール溶媒中で塩酸で前処理し、その場で生成したイミダートを次いで式(14)亜硫酸水素ナトリウムの化合物で処理して、エタノール、メタノールなどの溶媒の存在下で、場合によっては加熱して、場合によってはマイクロ波照射によって、式(16)の化合物を生成することができる。
シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来技術、例えば、クロマトグラフィ及び分別結晶によって分離することができる。
個々の鏡像異性体の調製/単離の従来技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた、ラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。
あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)は、適切な光学活性化合物、例えば、アルコールと反応することができ、式(I)の化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合、酒石酸、1-フェニルエチルアミンなどの酸又は塩基と反応することができる。生成したジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィ及び/又は分別結晶によって分離することができ、ジアステレオ異性体の一方又は両方を当業者に周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体(単数又は複数)に転化することができる。
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィ、一般にHPLCによって、樹脂上で、不斉固定相、及びイソプロパノール0~50%、一般に2~20%及びアルキルアミン0~5%、一般にジエチルアミン0.1%を含む炭化水素、一般にヘプタン又はヘキサンからなる移動相を用いて、鏡像異性的に濃縮された形で得ることができる。溶出物を濃縮して濃縮混合物が得られる。
立体異性体の混合物は、当業者に既知の従来技術によって分離することができる。[例えば、E L Eliel、「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、ニューヨーク、1994)を参照されたい。]
以下の非限定的実施例は、本発明の例示的化合物を調製する代表的な方法である。本発明の化合物を調製するために、当業者は、当業者に既知の適切な試薬、出発材料及び精製方法を代用する方法を知るはずである。
1H-NMRスペクトルは、Varian Mercury 300MHz NMRによって得られた。1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案された構造と一致した。特性化学シフト(δ)は、主要なピークの命名に従来の略語を用いてテトラメチルシランからの低磁場方向の百万分率で与えられる:例えば、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、ブロード。純度(%)及び質量スペクトルデータを、210~400nmの2996ダイオードアレイ検出器を備えたWaters Alliance 2695HPLC/MS(Waters Symmetry C18、4.6×75mm、3.5μm)によって測定した。保持時間(RT:Retention time)を分単位で報告する。質量スペクトル(m/z)をエレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI:atmospheric pressure chemical ionization)によって記録した。薄層クロマトグラフィ(TLC)を使用した場合、それは、シリカゲル60F254プレートを用いたシリカゲルTLCを指し、Rfは、TLCプレート上の溶媒先端の移動距離で割った化合物の移動距離である。
実施例1:3-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:5-ニトロ-2-ビニルフェノール。5分間脱気したジメチルホルムアミド(2mL)中の5-ニトロ-2-ブロモフェノール(109mg、0.5mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(206mg、0.65mmol)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.1mmol)を添加した。混合物を90℃で4時間加熱した。混合物を濾過し、水(25mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×40mL)。有機層を塩水(20mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(20g、30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。溶媒を減圧下で除去して単離された生成物(66mg、80%)。LC/MS:RT=4.41分、純度>95%。
ステップ2:5-アミノ-2-エチルフェノール。メタノール(1mL)中の5-ニトロ-2-ビニルフェノール(60mg、0.36mmol)、炭素担持20%水酸化パラジウム(60mg)の混合物を風船を用いて水素雰囲気で18時間保持した。混合物を濾過し、濃縮して、所望の生成物を得た(36mg、72%収率)。LC/MS:RT=2.26分、純度>95%。
ステップ3:2-アミノ-N-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)ベンズアミド。ジメチルホルムアミド(3mL)中の5-アミノ-2-エチルフェノール(78mg、0.60mmol)、N-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ安息香酸(175mg、0.78mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(342mg、0.90mmol)、トリエチルアミン(0.5mL)の混合物を18時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。混合抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物を逆相HPLCによって精製した。(31mg、15%)。LC/MS:RT=5.84分、純度>95%、(M-100+H)+=257.41。t-ブチルオキシカルボニル保護中間体をトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(各1mL)で4時間処理した。溶媒を減圧下で除去して、脱保護アミン中間体(28mg、94%)を得た。LC/MS:RT=3.66分、純度>95%、(M+H)+=257.35。
ステップ4:3-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン。2-アミノ-N-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(28mg、0.11mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(14uL、0.14mmol)をジメチルアセトアミド中の亜硫酸水素ナトリウムと混合し、150℃に加熱した。反応物を室温に冷却後に水(20mL)に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した(3×20mL)。混合抽出物を塩水(20mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(12g、0?10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標記化合物(10mg、TFA塩、20%)を得た。LC/MS:RT=3.51分、純度>95%、(M+H)+=344.43。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=9.01(s、1H)、8.82(d、J=5.6Hz、1H)、8.63(d、J=8.2Hz、1H)、8.43~8.24(m、1H)、8.09~7.90(m、2H)、7.90~7.79(m、1H)、7.69(t、J=7.5Hz、1H)、7.19~6.99(m、1H)、6.87~6.60(m、2H)、2.70~2.42(m、2H)、1.22~1.01(m、3H)
上記実施例1の手順に従って、かつ当業者に既知の適切な試薬、出発材料及び精製方法を代用して、本発明の実施例2~5を調製した。
実施例2:3-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩
3-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩を2-アミノ-N-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(67mg、0.26mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(32uL、0.33mmol)から合成した。生成物(44mg、49%収率)。LC/MS:RT=3.27分、純度>95%、(M+1)+=349.98。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.30(dd、J=1.5、7.9Hz、1H)、8.06(d、J=7.9Hz、1H)、7.97~7.88(m、1H)、7.85~7.78(m、1H)、7.69~7.60(m、1H)、7.29(d、J=8.5Hz、1H)、6.93~6.87(m、1H)、6.80~6.71(m、1H)
実施例3:3-(4-ヒドロキシブチル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩
3-(4-ヒドロキシブチル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩を2-アミノ-N-(4-ヒドロキシブチル)ベンズアミド(87mg、0.42mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(51uL、0.55mmol)から合成した。生成物(55mg、44%収率)。LC/MS:RT=2.63分、純度>95%、(M+1)+=296.07。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=9.00(d、J=7.9Hz、1H)、8.35(dd、J=1.3、8.1Hz、1H)、8.02~7.87(m、1H)、7.83~7.62(m、2H)、4.35(t、J=5.7Hz、1H)、4.19~3.97(m、2H)、3.46(t、J=6.2Hz、1H)、1.85~1.65(m、3H)、1.52~1.33(m、1H)。
実施例4:3-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩
3-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩を2-アミノ-N-(3-(ベンジルオキシ)フェニル)ベンズアミド(115mg、0.36mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(46uL、0.47mmol)から合成した。生成物(91mg、62%収率)。LC/MS:RT=4.46分、純度>95%、(M+1)+=406.04。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=9.04(br.s.、1H)、8.82(br.s.、1H)、8.57~8.48(m、1H)、8.35(dd、J=1.5、8.2Hz、1H)、8.02~7.90(m、2H)、7.90~7.82(m、1H)、7.76~7.65(m、1H)、7.42~7.27(m、6H)、7.11~7.03(m、2H)、7.00~6.92(m、1H)、5.07(d、J=4.4Hz、2H)。
実施例5:3-(ナフタレン-2-イル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:N-t-ブチルオキシカルボニル-2-アミノ-N-(ナフタレン-2-イル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ安息香酸(462mg、1.95mmol)、ナフタレン-2-アミン(214mg、1.5mmol)から合成した。t-ブチルオキシカルボニル保護中間体(418mg、77%収率)。LC/MS:RT=6.66分、純度>95%、(M+H)+=363.40
ステップ2:2-アミノ-N-(ナフタレン-2-イル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ-N-(ナフタレン-2-イル)ベンズアミド(176mg、0.49mmol)及び4N HClジオキサン溶液(2mL)から合成した。生成物(115mg、90%)。LC/MS:RT=4.57分、純度>95%、(M+H)+=263.46
ステップ3:3-(ナフタレン-2-イル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを2-アミノ-N-(ナフタレン-2-イル)ベンズアミド(111mg、0.42mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(52uL、0.55mmol)から合成した。温度:150℃。生成物:(33mgTFA塩:16%収率)。LC/MS:RT=3.97分、純度>95%、(M+H)+=350.48。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.99(s、1H)、8.64(d、J=4.7Hz、1H)、8.52(td、J=1.6、8.1Hz、1H)、8.37(dd、J=1.6、8.1Hz、1H)、8.07~7.65(m、8H)、7.65~7.41(m、3H)
実施例6:2-(ピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン二塩酸塩
メタノール(6mL)中の3-アミノピリジン-4-カルボン酸(137mg、1.0mmol)、ニコチノニトリル(125mg、1.2mmol)、ナトリウムメトキシド(54mg、0.25mmol)の混合物を3日間加熱還流させた。混合物を濃縮し、ジメチルホルムアミドに溶解し、逆相HPLCによって精製して、所望の生成物を得た。これを4N HClジオキサン溶液を用いてHCl塩(57mg)にした。LC/MS:RT=1.86分、純度>95%、(M+1)+=224.98。
実施例7:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-2-イル)フェニル)-1-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド二塩酸塩
ステップ1:2-(4-アミノフェニル)-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン二塩酸塩
メタノール(3mL)中のN-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-2-イル)フェニル)アセトアミド(70mg、0.20mmol)に4N HClジオキサン溶液(2mL)を添加した。混合物を80℃で7時間加熱した。冷却後、固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、標記化合物を得た(50mg、65%収率)。LC/MS:RT=2.63分、純度>95%、(M+1)+=315.01。
ステップ2:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-2-イル)フェニル)-1-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド二塩酸塩。ジメチルホルムアミド(1mL)中の2-(4-アミノフェニル)-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩(50mg、0.13mmol)、1-メチルアゼチジン-3-カルボン酸(41uL、0.33mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(162mg、0.42mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.7mmol)の混合物を18時間撹拌した。反応物を濾過し、次いで逆相HPLC(3~35%アセトニトリル/水)によって精製して、標記化合物を得た(23mg)。試料を4N HClジオキサン溶液(10mg)を用いてHCl塩にした。LC/MS:RT=2.76分、純度>95%、(M+1)+=412.02。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.53(d、J=8.2Hz、1H)、8.46~8.30(m、1H)、8.17~7.92(m、3H)、7.92~7.81(m、1H)、7.81~7.65(m、3H)、7.58~7.42(m、2H)、4.62~4.39(m、2H)、4.30~4.05(m、2H)、3.92~3.69(m、1H)、3.02~2.85(m、4H)、1.41~1.21(m、1H)
実施例8:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド塩酸塩
ステップ1:2-(4-アミノフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩。メタノール(2mL)中のN-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド(180mg、0.63mmol)と4N HClジオキサン溶液(3mL)の混合物を80℃で7時間加熱した。室温に冷却後、固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、減圧乾燥して、所望の生成物を得た(131mg、74%収率)。LC/MS:RT=2.38分、純度>95%、(M+1)+=243.97。
ステップ2:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド塩酸塩。2-(4-アミノフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩(43mg、0.15mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL)及びジメチルホルムアミド(1mL)の混合物に塩化ニコチノイル塩酸塩(55mg、0.31mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を濾過した。固体を酢酸エチルで洗浄し、乾燥させた(30mg、56%収率)。メタノール中の生成物(23mg)に4N HClジオキサン溶液(0.2mL)を添加した。混合物を30分間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、HCl塩(21mg)を得た。LC/MS:RT=2.89分、純度>95%、(M+1)+=348.90。
実施例9:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)-1-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド塩酸塩
2-(4-アミノフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩(43mg、0.15mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(134mg、0.35mmol)、1-メチルアゼチジン-3-カルボン酸(36mg、0.31mmol)及びジメチルホルムアミド(2mL)の混合物を18時間撹拌した。反応物を濾過し、次いで逆相HPLC(3~35%アセトニトリル/水)によって精製した。酢酸エチル/メタノール中の生成物(26mg)に4N HClジオキサン溶液を添加した。混合物を30分間撹拌した。固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、所望のHCl塩(12mg)を得た。LC/MS:RT=2.59分、純度>95%、(M+1)+=341.02。)
実施例10:2,3-ジ(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
ステップ1:3-アミノ-N-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド。ジメチルホルムアミド(10mL)中の3-t-ブチルオキシカルボニルアミノチオフェン-2-カルボン酸(486mg、2.0mmol)、3-アミノピリジン(244mg、2.6mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(1.0g、2.6mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.48mmol)の混合物を18時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、水、塩水で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(30~50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、t-ブチルオキシカルボニル保護中間体を得た(500mg、78%収率)。生成物を4N HClジオキサン溶液と終夜反応させて脱保護した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、アミン生成物を得た(264mg、77%収率)。
ステップ2:2,3-ジ(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン。ジメチルアセトアミド(1.0mL)中の3-アミノ-N-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(35mg、0.16mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(23uL、0.24mmol)、塩化銅(II)(45mg、0.34mmol)の混合物を120℃で4時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、次いで水(2×30mL)、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、塩水(30mL)で洗浄し、脱水し、再度濃縮した。残留物を逆相HPLCによって精製して、標記化合物を得た(6mg、12%)。LC/MS:RT=2.40分、純度>95%、(M+1)+=307.00、1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.88~8.38(m、4H)、8.28~8.16(m、1H)、8.08~7.90(m、2H)、7.63~7.42(m、3H)
実施例10の上記手順に従って、さらに、当業者に既知の適切な試薬、出発材料及び精製方法に置換して、本発明の実施例11~16を調製した。
実施例11:3-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
ステップ1:3-t-ブチルオキシカルボニル-アミノ-N-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミドを3-t-ブチルオキシカルボニルアミノ-チオフェン-2-カルボン酸(123mg、1.0mmol)、5-アミノ-2-メチルフェノール(243mg、1.0mmol)から合成して、t-ブチルオキシカルボニル保護中間体を得た(250mg、72%収率)。LC/MS:RT=5.49分、純度>95%、(M-100)+=249.39。
ステップ2:3-アミノ-N-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド。
ジクロロメタン/メタノール(5/3mL)中の3-t-ブチルオキシカルボニル-アミノ-N-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(250mg、0.72mmol)に4N HClジオキサン溶液2mLを添加した。混合物を18時間撹拌し、濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)中で撹拌し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、塩水で洗浄し、再度濃縮して、標記化合物を得た(166mg、93%収率)。LC/MS:RT=3.49分、純度>95%、(M+1)+=249.26。
ステップ3:3-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オンを3-アミノ-N-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(84mg、0.34mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(41uL、0.44mmol)から合成した。標記化合物(32mg、30%収率)。LC/MS:RT=2.88分、純度>95%、(M+1)+=336.41。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.90~8.51(m、2H)、8.29~8.03(m、2H)、7.75~7.53(m、1H)、7.52~7.37(m、1H)、7.14~6.96(m、1H)、6.77~6.54(m、2H)、2.13(s、3H)
実施例12:N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩
N-(4-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩を3-アミノ-N-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(70mg、0.32mmol)、N-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド(78mg、0.32mmol)から合成した。生成物(60mg、52%収率)。LC/MS:RT=2.87分、純度>95%、(M+1)+=362.96。1H NMR(300MHz、DMSO)δ=10.07(br.s.、1H)、8.68~8.43(m、2H)、8.31(br.s.、1H)、8.05~7.85(m、1H)、7.60~7.36(m、4H)、7.26(d、J=7.6Hz、2H)、2.07~1.89(m、3H)
実施例13:N-(4-(3,4-ジヒドロ-3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド
N-(4-(3,4-ジヒドロ-3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミドを3-アミノ-N-(6-メトキシピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(75mg、0.3mmol)、N-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド(73mg、0.45mmol)から合成した。生成物(80mg、68%収率)。LC/MS:RT=3.59分、純度>95%、(M+1)+=392.92。1H NMR(300MHz、DMSO)δ=10.14~9.98(m、1H)、8.35~8.21(m、1H)、8.11~7.97(m、1H)、7.81~7.63(m、1H)、7.55~7.37(m、3H)、7.36~7.22(m、2H)、6.90~6.69(m、2H)、3.88~3.68(m、3H)、2.00(s、3H)
実施例14:3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン二塩酸塩
3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン二塩酸塩を3-アミノ-N-(6-メトキシピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(75mg、0.3mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(43uL、0.45mmol)から合成した。温度120℃で2時間。生成物(103mg、100%収率)。LC/MS:RT=2.94分、純度>95%、(M+1)+=336.94。
N-(4-(3-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミドを3-アミノ-N-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(78mg、0.30mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(64uL、0.39mmol)から合成した。生成物(38mg、31%収率)。LC/MS:RT=3.97分、純度>95%、(M+1)+=405.97。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.16~8.10(m、1H)、7.52~7.45(m、2H)、7.43~7.38(m、1H)、7.38~7.32(m、2H)、7.03(d、J=7.6Hz、1H)、6.65~6.58(m、2H)、2.68~2.43(m、2H)、2.12~2.07(m、3H)、1.18~1.09(m、3H)
実施例15:2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
2-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オンを市販3-アミノチオフェン-2-カルボキサミド(142mg、1.0mmol)、3-ピリジンカルボキシアルデヒド(160uL、1.3mmol)から合成した。生成物(36mg)。LC/MS:RT=2.17分、純度>95%、(M+1)+=230.07。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ=8.78(br.s.、1H)、8.63(d、J=8.2Hz、1H)、7.88(d、J=5.3Hz、1H)、7.59(dd、J=5.0、7.9Hz、1H)、7.44(d、J=5.3Hz、1H)、1.99(s、3H)
実施例16:N-(4-(3-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド
ステップ1:5-ニトロ-2-ビニルフェノール。5分間脱気したジメチルホルムアミド(12mL)中の5-ニトロ-2-ブロモフェノール(2.0g、9.17mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(3.5g、11mmol)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(636mg、0.55mmol)を添加した。混合物を115℃で20分間加熱した(MV)。混合物を濾過し、水(250mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(120g、30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。生成物(1.13g、75%)。LC/MS:RT=4.41分、純度>95%。
ステップ2:5-アミノ-2-エチルフェノール。メタノール(15mL)中の5-ニトロ-2-ビニルフェノール(1.13g、6.85mmol)、炭素担持Pd(10%、200mg)の混合物を風船を用いて4時間水素化した。混合物を濾過し、濃縮して、所望の生成物を得た(910mg、97%収率)。LC/MS:RT=2.26分、純度>95%。
ステップ3:3-アミノ-N-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド。
ジメチルホルムアミド(20mL)中の5-アミノ-2-エチルフェノール(500mg、3.65mmol)、N-t-ブチルオキシカルボニル3-アミノチオフェン-2-カルボン酸(931mg、3.83mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(1.8g、4.75mmol)、Et3N(2.0mL)の混合物を18時間撹拌した。混合物を水(250mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。混合抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(40g)によって精製して、t-ブチルオキシカルボニル保護中間体を得た(773mg、60%)。LC/MS:RT=5.78分、純度>95%、(M-100+H)+=262.96。De t-ブチルオキシカルボニル生成物(677mg、80%純度)。LC/MS:RT=4.02分、純度>95%、(M+H)+=262.96。
ステップ4:N-(4-(3-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)アセトアミド。3-アミノ-N-(4-エチル-3-ヒドロキシフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(300mg、1.14mmol、80%純度)及びN-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド(242mg、1.5mmol)から。実施例1、ステップ4と同様に調製。温度80℃で3時間。生成物(125mg、34%収率)。LC/MS:RT=3.97分、純度>95%、(M+H)+=405.97。
実施例16の上記手順に従って、さらに、当業者に既知の適切な試薬、出発材料及び精製方法に置換して、本発明の実施例17~21を調製した。
実施例17:3-(3-フルオロ-4-エチルフェニル)-2-(ピリミジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:N-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ-N-(4-エチル-3-フロウロ(flouro)フェニル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル-2-アミノ安息香酸(385mg、1.63mmol)、4-エチル-3-フロウロフェニルアミン(175mg、1.25mmol)から合成した。単離生成物:t-ブチルオキシカルボニル保護アミド中間体(275mg、61%収率)。LC/MS:Rf=6.85分、純度>95%、(M+Na)+=381.48
ステップ2:2-アミノ-N-(4-エチル-3-フロウロフェニル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル-2-アミノ-N-(4-エチル-3-フロウロフェニル)ベンズアミド(275mg、0.77mmol)及び4N HClジオキサン溶液(2mL)から合成した。生成物(180mg、91%)。LC/MS:RT=4.86分、純度>95%、(M+H)+=259.45
ステップ3:3-(3-フロウロ-4-エチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを2-アミノ-N-(4-エチル-3-フロウロフェニル)ベンズアミド(77mg、0.3mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(37uL、0.39mmol)から合成した。温度:150℃。生成物:(30mg TFA塩:22%収率)。LC/MS:RT=4.15分、純度>95%、(M+H)+=346.47。1H NMR(300MHz、DMSO)δ=8.70(d、J=1.8Hz、1H)、8.56(dd、J=1.5、5.0Hz、1H)、8.21(dd、J=1.3、8.1Hz、1H)、8.06~7.86(m、2H)、7.84~7.73(m、1H)、7.70~7.59(m、1H)、7.48(dd、J=5.3、7.9Hz、1H)、7.40~7.20(m、2H)、7.18~7.11(m、1H)、2.67~2.53(m、2H)、1.21~1.04(m、3H)
実施例18:3-(3-ブロモ-4-エチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:N-t-ブチルオキシカルボニル-2-アミノ-N-(4-エチル-3-ブロモフェニル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ安息香酸(270mg、1.14mmol)、4-エチル-3-ブロモフェニルアミン(175mg、0.875mmol)から合成した。t-ブチルオキシカルボニル保護中間体(182mg、50%収率)。
ステップ2:2-アミノ-N-(4-エチル3-ブロモフェニル)ベンズアミドをN-t-ブチルオキシカルボニル2-アミノ-N-(4-エチル3-ブロモフェニル)ベンズアミド(182mg、0.43mmol)及び4N HClジオキサン溶液(2mL)から合成した。生成物(34mg、25%)。LC/MS:RT=5.32分、純度>95%、(M+H)+=319.39
ステップ3:3-(3-ブロモ-4-エチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを2-アミノ-N-(4-エチル3-ブロモフェニル)ベンズアミド(34mg、0.11mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(12uL、0.14mmol)から合成した。温度:150℃。生成物:(17mg TFA塩:39%収率)。LC/MS:RT=4.55分、純度>95%、(M+H)+=406.43。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ=8.95(s、1H)、8.75(d、J=5.6Hz、1H)、8.43(d、J=8.2Hz、1H)、8.38~8.29(m、1H)、8.03~7.90(m、1H)、7.90~7.79(m、2H)、7.90~7.79(m、2H)、7.75~7.62(m、2H)、7.41~7.23(m、2H)、2.85~2.57(m、2H)、1.25~1.13(m、3H)。
実施例19:3-(2-エチルナフタレン-6-イル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:6-ビニルナフタレン-2-アミン。5分間脱気したジメチルホルムアミド(10mL)中の6-ブロモナフタレン-2-アミン(650mg、2-mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(827mg、2.6mmol)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(462mg、0.4mmol)を添加した。混合物を90℃で4時間加熱した。混合物を濾過し、水(100mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。混合抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(40g、10~30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。生成物(220mg、65%)。LC/MS:RT=3.28分、純度>95%、(M+H)+=170.26
ステップ2:6-エチルナフタレン-2-アミン。メタノール(4mL)中の6-ビニルナフタレン-2-アミン(144mg、0.85mmol)、炭素担持5%水酸化パラジウム(144mg)の混合物を風船を用いて水素雰囲気で5時間保持した。反応物を濾過し、濃縮して、所望の生成物を得た(132mg、91%収率)。LC/MS:RT=3.38分、純度>95%、(M+H)+=172.23。
ステップ3:2-アミノ-N-(2-エチルナフタレン-6-イル)ベンズアミド。ジメチルホルムアミド(2mL)中の6-エチルナフタレン-2-アミン(70mg、0.41mmol)、n-t-ブチルオキシカルボニルアミノ安息香酸(126mg、0.53mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(233mg、0.61mmol)、トリエチルアミン(0.5mL)の混合物を18時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×20mL)。混合抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(12g、0~10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。t-ブチルオキシカルボニル保護中間体(36mg、23%収率)。LC/MS:RT=5.30分、純度>95%、(M-100+H)+=291.47。脱保護生成物(25mg、94%)。LC/MS:RT=7.15分、純度>95%、(M+H)+=291.41。
ステップ4:3-(2-エチルナフタレン-6-イル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを2-アミノ-N-(2-エチルナフタレン-6-イル)ベンズアミド(25mg、0.086mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(11uL、0.11mL)から合成した。温度:150℃。生成物(11mg、34%収率)。LC/MS:RT=4.65分、純度>95%、(M+H)+=378.49。1H NMR(300MHz、DMSO)δ=8.60(d、J=2.1Hz、1H)、8.41~8.15(m、2H)、8.02~7.87(m、1H)、7.88~7.74(m、4H)、7.74~7.56(m、3H)、7.56~7.34(m、2H)、7.19(dd、J=4.8、7.8Hz、1H)、2.89~2.62(m、2H)、1.39~1.06(m、3H)。
実施例20:3-(4-メチル-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩
3-(4-メチル-3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩を2-アミノ-N-(4-メチル-3-ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(62mg、0.25mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(34uL、0.32mmol)から合成した。生成物(43mg、52%収率)。LC/MS:RT=3.07分、純度95%、(M-35)+=330.02。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ9.01(d、J=1.76Hz、1H)8.83(d、J=5.86Hz、1H)8.66(dt、7=8.21、1.76Hz、1H)8.34(dd、J=8.06、1.61Hz、1H)7.81~8.18(m、3H)7.39~7.77(m、1H)7.00~7.38(m、1H)6.91(br d、J=6.74Hz、1H)6.79(d、J=2.05Hz、1H)6.68(dd、J=7.92、2.05 2.07~2.23(m、3H)
実施例21:3-(3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩
3-(3-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン塩酸塩を2-アミノ-N-(3-ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(80mg、0.35mmol)及び3-ピリジンカルボキシアルデヒド(47uL、0.44mmol)から合成した。生成物(43mg、60%収率)。LC/MS:RT=2.78分、純度95%、(M-35)+=316.03。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ9.02(br s、1H)8.84(br s、1H)8.66(dt、7=8.21、1.47Hz、1H)8.34(dd、J=7.92、1.47Hz、1H)7.80~8.16(m、3H)7.70(ddd、7=8.14、7.11、1.17Hz、2H)6.93~7.24(m、1H)6.79(d、J=2.05Hz、1H)6.68(dd、J=7.92、2.35Hz、1H)
処方
本発明は、本発明に係るタウオリゴマー形成の阻害剤を含む組成物又は製剤にも関する。一般に、本発明の組成物は、タウオリゴマー化の防止に有効である有効量の本開示のタウオリゴマー形成の1種以上の阻害剤及び本発明に係るそれらの塩と1種以上の賦形剤とを含む。
本発明では「賦形剤」と「担体」という用語は、本発明の記述を通して区別なく使用され、前記用語は、「安全で有効な医薬組成物の処方の実施に使用される成分」として本明細書に定義される。
処方者は、賦形剤が主に安全で安定な機能的医薬品を送達するのに役立ち、送達用全ビヒクルの一部として役立つだけでなく、レシピエントによる活性成分の有効な吸収を達成するための手段としても役立つように使用されることを理解するはずである。賦形剤は、不活性充填剤であるという単純で直接的な役割を果たすことができ、又は本明細書で使用される賦形剤は、成分を安全に胃まで確実に送達するためのpH安定化システム若しくはコーティングの一部とすることができる。処方者は、本発明の化合物が細胞の効力、薬物動態学的性質、及び経口生物学的利用能を改善したという事実を利用することもできる。
本教示は、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物も提供する。こうした担体の例は、当業者によく知られており、例えば、その開示全体を参照により本明細書に援用する、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonoso R.Gennaro編、Mack Publishing Company、Easton、Pa(1985)に記載のものなどの容認された薬学手順に従って調製することができる。本明細書では「薬学的に許容される」とは、毒物学的観点から医薬品用途への使用が許容され、活性成分と有害な相互作用をしない物質を指す。したがって、薬学的に許容される担体は、製剤中の他の成分に適合し、生物学的に許容されるものである。補充の活性化合物を医薬組成物に混ぜることもできる。
本発明の化合物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、徐放性製剤、溶液剤、懸濁液剤として経口投与に、無菌溶液剤、懸濁液剤若しくは乳濁液剤として非経口注射に、軟膏剤若しくはクリーム剤として局所投与に、又は坐剤として直腸投与に適切な剤形にすることができる。医薬組成物は、正確な投与量の単独投与に適切な単位剤形とすることができる。
医薬品用に意図された本発明の化合物は、結晶性又は非結晶性生成物として投与することができる。それらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸発乾燥などの方法によって固体プラグ、粉体又はフィルムとして得ることができる。マイクロ波又は高周波乾燥をこの目的で使用することができる。
医薬品用に意図された本発明の化合物は、単独で、又は本発明の1種以上の別の化合物と組み合わせて、又は1種以上の別の薬物と組み合わせて(又はそれらの任意の組合せとして)投与することができる。医薬組成物は、従来の薬剤担体又は賦形剤及び活性成分として本発明に係る化合物を含む。さらに、それは、他の薬剤又は医薬品、担体、アジュバントなどを含むことができる。一般に、それらは、1種以上の薬学的に許容される賦形剤と共に製剤として投与される。「賦形剤」という用語は、本発明の化合物(単数又は複数)以外の任意の成分を記述するのに本明細書で使用される。賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解性及び安定性に対する賦形剤の効果、剤形の性質などの因子に大きく依存する。医薬組成物及びそれらの調製方法の記述は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)に見つけることができる。
本教示の化合物は、経口的又は非経口的に、そのまま又は従来の薬剤担体と組み合わせて投与することができる。適用可能な固体担体は、香味剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動化剤、圧縮助剤、結合剤若しくは錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料として作用することもできる1種以上の物質を含むことができる。化合物は、従来の様式で、例えば、中枢神経系障害の公知の処置療法に使用されるものに類似した様式で処方することができる。本明細書に開示される化合物を含む経口製剤は、錠剤、粒子を含むカプセル剤、バッカル錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤(液体充填を含む)、ゲル剤、散剤、固溶体剤、マルチ及びナノ粒子剤、リポソーム剤、フィルム剤(粘膜付着剤を含む)、卵形剤、噴霧剤、並びに経口液剤、懸濁液剤又は溶液剤を含めて、任意の従来使用の経口剤形を含むことができる。散剤においては、担体は、微粉化合物との混合物である微粉固体とすることができる。錠剤においては、本明細書に開示される化合物を必要な圧縮性を有する担体と適切な割合で混合し、所望の形状及びサイズに圧縮成形することができる。散剤及び錠剤は、化合物の最高99%を含むことができる。
液剤としては、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。こうした製剤は、軟又は硬カプセル中の充填剤として使用することができ、一般に、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース又は適切な油、並びに1種以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液剤は、例えばサシェからの固体の再構成によって調製することもできる。本発明の化合物は、Liang及びChen、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981~986(2001)に記載のものなどの速溶、速崩壊剤形に使用することもできる。
カプセル剤は、本明細書に開示される1種以上の化合物(単数又は複数)と薬学的に許容されるデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶及び微結晶セルロース)、穀粉、ゼラチン、ゴムなどの不活性充填剤(単数又は複数)及び/又は希釈剤(単数又は複数)との混合物を含むことができる。
有用な錠剤製剤は、従来の圧縮、湿式造粒又は乾式造粒法によって製造することができ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アラビアゴム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複合シリカート、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックス及びイオン交換樹脂を含めて、ただしそれらに限定されない、薬学的に許容される希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤又は安定剤を利用することができる。表面改質剤としては、非イオン性及びアニオン性表面改質剤が挙げられる。表面改質剤の代表的例としては、ポロクサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアール(cetostearl)アルコール、セトマクロゴール乳化ロウ、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスファート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム及びトリエタノールアミンが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書の経口製剤は、化合物(単数又は複数)の吸収を変える標準遅延又は徐放性製剤を利用することができる。経口製剤は、適切な可溶化剤又は乳化剤を必要に応じて含む、水又は果汁中の本明細書に開示される化合物を投与することからもなり得る。
液状担体は、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤の調製、及び吸入送達に使用することができる。本教示の化合物は、水、有機溶媒又は両方の混合物、薬学的に許容される油又は脂肪などの薬学的に許容される液状担体に溶解又は懸濁させることができる。液状担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味料、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、色材、粘度調節剤、安定剤、浸透圧調節剤などの他の適切な医薬添加剤を含むことができる。経口及び非経口投与用液状担体の例としては、(特に、本明細書に記載の添加剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液などのセルロース誘導体を含む)水、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えば、グリコールを含む)及びそれらの誘導体並びに油(例えば、分画ヤシ油及び落花生油)が挙げられるが、それらに限定されない。非経口投与の場合、担体は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの油状エステルとすることができる。無菌液状担体は、非経口投与用の無菌液体組成物に使用される。加圧組成物用液状担体は、ハロゲン化炭化水素又は他の薬学的に許容される噴霧剤とすることができる。
無菌溶液剤又は懸濁液剤である液状医薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内又は皮下注射によって利用することができる。無菌溶液剤は静脈内投与することもできる。経口投与用組成物は、液体又は固体とすることができる。
好ましくは、医薬組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、顆粒剤又は坐剤である。こうした剤形においては、医薬組成物は、適切な量の化合物を含む単位用量(単数又は複数)に細分することができる。単位剤形は、パッケージ組成物、例えば、パケット散剤、バイアル、アンプル、充填済シリンジ又は液体含有サシェとすることができる。あるいは、単位剤形はカプセル剤若しくは錠剤自体とすることができ、又はパッケージ形態の適切な数の任意のこうした組成物とすることができる。こうした単位剤形は、約1mg/kgの化合物~約500mg/kgの化合物を含むことができ、単一用量又は2回以上の用量で投与することができる。こうした用量は、経口、移植片、非経口(静脈内、腹腔内及び皮下注射を含む)、経直腸、経膣及び経皮を含めて、化合物(単数又は複数)をレシピエントの血流に導くのに有用である任意の方法で投与することができる。
特定の病態又は障害の処置又は阻止のために投与されるとき、有効投与量は、利用される特定の化合物、投与方法、及び処置される症状の重症度、並びに処置される個体に関連した種々の物理的因子に応じて変わり得ると理解される。治療への応用においては、本教示の化合物は、既に罹患した患者に、疾患及びその合併症の症候を治癒又は少なくとも部分的に改善するのに十分な量で供給することができる。特定の個体の処置に使用される投与量は、一般に、主治医によって主観的に決定されなければならない。関与する変数としては、具体的症状及びその状態並びに患者の体格、年齢及び反応パターンが挙げられる。
ある場合には、定量吸入器、呼吸作動吸入器、複数回投与ドライパウダー吸入器、ポンプ、圧搾作動霧状噴霧ディスペンサー、エアロゾルディスペンサー、エアロゾル噴霧器など、ただしそれらに限定されない装置を用いて、化合物を患者の気道に直接投与することが望ましいこともある。鼻腔内又は気管支内吸入による投与の場合、本教示の化合物を液体組成物、固体組成物又はエアロゾル組成物に処方することができる。液体組成物は、例として、1種以上の薬学的に許容される溶媒に溶解、部分溶解又は懸濁された本教示の1種以上の化合物を含み、例えばポンプ又は圧搾作動霧状噴霧ディスペンサーによって、投与することができる。溶媒は、例えば、等張食塩水又は静菌水とすることができる。固体組成物は、例として、ラクトース又は気管支内使用が許容される他の不活性粉末と混合された本教示の1種以上の化合物を含む粉末調製物とすることができ、例えば、エアロゾルディスペンサー、又は固体組成物を包むカプセルを壊し、又は穴をあけ、固体組成物を吸入のために送達する装置によって、投与することができる。エアロゾル組成物は、例として、本教示の1種以上の化合物、噴霧剤、界面活性剤、及び共溶媒を含むことができ、例えば、定量装置によって投与することができる。噴霧剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、又は生理学的及び環境的に許容される他の噴霧剤とすることができる。
本明細書に記載の化合物は、非経口的又は腹腔内に投与することができる。これらの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくはエステルの溶液又は懸濁液は、ヒドロキシルプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散液剤は、オイル中のグリセロール、液状ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中で調製することもできる。通常の貯蔵及び使用条件下では、これらの調製物は、一般に、微生物の増殖を抑制するために防腐剤を含む。
注射用に適切な剤形としては、無菌水溶液剤又は分散液剤、及び無菌注射液又は分散液を即座に調製するための無菌散剤などが挙げられる。一部の実施形態においては、剤形は無菌とすることができ、その粘度のためにシリンジ中を流れることができる。剤形は、好ましくは、製造及び貯蔵条件下で安定であり、細菌、真菌などの微生物の汚染作用に対して保護することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物及び植物油を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
錠剤剤形の場合、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%~80重量%、より典型的には剤形の5重量%~60重量%を構成することができる。薬物に加えて、錠剤は一般に崩壊剤を含む。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%を構成する。
結合剤は、一般に、凝集性を錠剤製剤に付与するのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン、リン酸水素カルシウム二水和物などの希釈剤を含むこともできる。
錠剤は、場合によっては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80などの界面活性剤、及び二酸化ケイ素、タルクなどの流動化剤を含むこともできる。存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2重量%~5重量%を構成し、流動化剤は錠剤の0.2重量%~1重量%を構成することができる。
錠剤は、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの潤滑剤も含む。潤滑剤は、一般に、錠剤の0.25重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%を構成する。他の可能な成分としては、抗酸化剤、着色剤、香味剤、防腐剤及び矯味剤が挙げられる。
例示的な錠剤は、最高約80%の薬物、約10重量%~約90重量%の結合剤、約0重量%~約85重量%の希釈剤、約2重量%~約10重量%の崩壊剤、及び約0.25重量%~約10重量%の潤滑剤を含む。
錠剤ブレンドは、直接又はローラーで圧縮して、錠剤を形成することができる。あるいは、錠剤ブレンド又はブレンドの一部は、錠剤化前に、湿式、乾式若しくは溶融造粒、溶融凝固、又は押し出しすることができる。最終製剤は、1つ以上の層を含むことができ、被覆してもしなくてもよく、カプセル化も可能である。錠剤製剤は、「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1」、H.Lieberman及びL.Lachman、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN0-8247-6918-X)に考察されている。
上記の種々の投与のための上記製剤は、即時及び/又は改変放出になるように処方することができる。改変放出製剤としては、遅延、持続、パルス、制御、標的及びプログラム放出が挙げられる。
本発明に適切な改変放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散及び浸透性被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On-line、25(2)、1~14(2001)に見られる。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、国際公開第00/35298号に記載されている。
本明細書に記載の化合物は、経皮的に投与することができ、すなわち、体表面、並びに上皮及び粘膜組織を含めて、身体の導管の内壁を横切って投与することができる。こうした投与は、ローション剤、クリーム剤、泡剤、パッチ剤、懸濁液剤、溶液剤及び坐剤(直腸及び膣)中の本教示の化合物及びその薬学的に許容される塩、水和物又はエステルを用いて行うことができる。
本発明の化合物は、血流、筋肉又は内臓に直接投与することもできる。非経口投与の適切な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が挙げられる。非経口投与に適切な装置としては、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び注入技術が挙げられる。
非経口製剤は、一般に、塩、炭水化物、緩衝剤(好ましくは、pH3~9)などの賦形剤を含むことができる水溶液であるが、幾つかの用途では、無菌非水溶液として、又は乾燥体として、より適切に処方して、発熱物質を含まない無菌水などの適切なビヒクルと併せて使用することができる。
例えば凍結乾燥による、無菌条件下の非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準製薬技術を用いて容易に実施することができる。非経口溶液剤の調製に使用される本開示の化合物の溶解性は、溶解性増強剤の導入などの適切な製剤技術の使用によって高めることができる。
非経口投与用製剤は、即時及び/又は改変放出になるように処方することができる。すなわち、本発明の化合物は、活性化合物を改変放出する移植デポーとして投与するために固体、半固体又はチキソトロピー液体として処方することができる。こうした製剤の例としては、ポリマーポリグリコール酸-乳酸(PGLA)ミクロスフェアが挙げられる。
経皮投与は、本明細書に開示される化合物などの化合物及び該化合物に不活性であり得る、皮膚に無毒であり得る、皮膚を介して血流中に体内吸収するために該化合物の送達を可能にすることができる担体を含む皮膚貼付剤を使用して行うことができる。担体は、クリーム及び軟膏、ペースト、ゲル、閉鎖装置などの任意の数の形態をとることができる。クリーム及び軟膏は、水中油型又は油中水型の粘稠性液体又は半固体乳濁液とすることができる。化合物を含む石油又は親水性石油中に分散された吸収性粉体を含むペーストも適切であり得る。担体と一緒に若しくは担体を含まずに化合物を含む貯蔵器を覆う半透膜、化合物を含むマトリックスなどの種々の閉鎖装置を使用して、化合物を血流中に放出することができる。別の閉鎖装置は文献で知られている。リポソームを使用することもできる。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤を含むことができる[例えば、Finnin及びMorgan、J Pharm Sci、88(10)、955~958(1999年10月)参照]。他の局所投与手段としては、電気穿孔法、イオントフォレーシス、フォノフォレシス、ソノフォレーシス及びマイクロニードル又は無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が挙げられる。
本明細書に記載の化合物は、従来の坐剤の形で経直腸的又は経膣的に投与することができる。坐剤は、カカオ脂、坐剤の融点を変えるワックスの添加又は無添加、及びグリセリンを含めて、従来の材料から製造することができる。種々の分子量のポリエチレングリコールなどの水溶性坐剤基剤を使用することもできる。
脂質製剤又はナノカプセルを使用して、本教示の化合物を宿主細胞にインビトロ又はインビボで導入することができる。脂質製剤及びナノカプセルは、当該技術分野で公知の方法によって調製することができる。
本発明の化合物は、一般に乾燥粉末の形で(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとのドライブレンドで、又は例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された、混合成分粒子として)ドライパウダー吸入器から、又はエアロゾル噴霧として加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気流体力学によって微細な霧を生成するアトマイザー)若しくは噴霧器から、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴霧剤を使用して、若しくは使用せずに、鼻腔内又は吸入投与することもできる。鼻腔内使用の場合、散剤は、生体接着性薬剤、例えば、キトサン又はシクロデキストリンを含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又は噴霧器は、例えば、エタノール、エタノール水溶液、又は活性な噴霧剤(単数又は複数)を分散させる、可溶化する、若しくは放出を延長する適切な代替薬剤を溶媒として、及びトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む、本発明の化合物(単数又は複数)の溶液又は懸濁液を含む。
乾燥散剤又は懸濁液剤に使用する前に、製剤を吸入送達に適切なサイズ(一般に5ミクロン未満)に微粉化する。[これは、ナノ粒子を形成する螺旋ジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、超臨界流体プロセシング、高圧均質化、噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法によって行うことができる。]
吸入器又は注入器用の(例えば、ゼラチン又はHPMC製)カプセル、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物と、ラクトース、デンプンなどの適切な粉末基剤と、l-ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤との混合粉末を含むように処方することができる。ラクトースは、無水又は一水和物の形、好ましくは後者とすることができる。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースが挙げられる。
電気流体力学によって微細な霧を生成するアトマイザーに使用される適切な溶液剤は、1回の作動当たり1μg~20mgの本発明の化合物を含むことができ、作動体積は1μl~100μlとすることができる。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒としては、グリセロール及びポリエチレングリコールが挙げられる。メントール、レボメントールなどの適切な香味剤又はサッカリン、サッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与用の本発明の製剤に添加することができる。
吸入/鼻腔内投与用製剤は、例えばポリ(DL-乳酸-コグリコール酸(PGLA)を用いて、即時及び/又は改変放出になるように処方することができる。改変放出製剤としては、遅延、持続、パルス、制御、標的及びプログラム放出が挙げられる。
ドライパウダー吸入器及びエアロゾルの場合には、単位用量は、定量を送達する弁によって決定される。本発明に係る単位は、一般に単一用量で投与できる定量用量を投与するように準備され、より一般的には1日を通して分割用量として投与するように準備される。
本発明の化合物は、一般に等張性pH調節無菌食塩水中の微粉化懸濁液又は溶液の滴の形で、目又は耳に直接投与することもできる。眼球及び耳への投与に適切な他の製剤としては、軟膏剤、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えば、シリコーン)移植片、ウエハ、レンズ、並びにニオソーム、リポソームなどの粒子又は小胞システムが挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸などのポリマー、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース若しくはメチルセルロース、又はヘテロ多糖ポリマー、例えば、ジェランガムを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に混合することができる。こうした製剤は、イオントフォレーシスによって送達することもできる。
本発明の化合物は、上記投与方法のいずれかに使用されるそれらの溶解性、溶解速度、矯味、生物学的利用能及び/又は安定性を向上させるために、シクロデキストリン及びその適切な誘導体、ポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性巨大分子的実体と組み合わせることができる。
例えば、薬物シクロデキストリン複合体は、大部分の剤形及び投与経路に一般に有用であることが判明した。包接化合物と非包接化合物の両方を使用することができる。薬物との複合体形成を導く別の方法として、シクロデキストリンを補助添加剤、すなわち担体、希釈剤又は可溶化剤として使用することができる。これらの目的で最も一般的に使用されるのは、アルファ、ベータ及びガンマシクロデキストリンであり、その例を国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号及び国際公開第98/55148号に見つけることができる。
本教示の化合物の有効性を高めるために、標的疾患の処置に有効な別の薬剤と化合物を組み合わせることが望ましい可能性がある。例えば、標的疾患の処置に有効な別の活性化合物(すなわち、別の活性成分又は薬剤)を本教示の化合物と一緒に投与することができる。別の薬剤は、本明細書に開示される化合物と同時に、又は異なる時間で、投与することができる。
本教示の化合物は、哺乳動物、例えばヒト対象における病的症状又は障害の処置又は阻止に有用であり得る。したがって、本教示は、その薬学的に許容される塩)を含めた本教示の化合物、又は薬学的に許容される担体と組み合わせて、若しくは併せて、本教示の1種以上の化合物を含む医薬組成物を哺乳動物に供給することによって、病的症状又は障害を処置又は阻止する方法を提供する。本教示の化合物は、単独で、又は病的症状若しくは障害の処置若しくは阻止のための別の治療上有効な化合物若しくは療法と組み合わせて、投与することができる。
本発明に係る組成物の非限定的例としては、約0.001mg~約1000mgの1種以上の本発明に係る開示の化合物及び1種以上の賦形剤、約0.01mg~約100mgの1種以上の本発明に係る開示の化合物及び1種以上の賦形剤、並びに約0.1mg~約10mgの1種以上の本発明に係る開示の化合物、並びに1種以上の賦形剤が挙げられる。
ヒト患者への投与の場合、上記治療用では、投与量は、言うまでもなく、使用する化合物、投与方法、所望の処置及び適応障害に応じて変わる。例えば、経口投与は、静脈内投与よりも多い1日の総用量を必要とし得る。式Iの化合物又は式IIの化合物の塩/溶媒和化合物(活性成分)の1日の総用量は、一般に、1mg~1グラム、好ましくは1mg~250mg、より好ましくは10mg~100mgの範囲である。1日の総用量は、単一用量又は分割用量で投与することができる。本発明は、徐放性組成物も包含する。これらの投与量は、体重約65kg~70kgの平均ヒト対象に基づく。医師は、乳児、高齢者などのこの範囲外の体重の対象に対する用量を容易に決定することができる。
投与計画は、最適な所望の反応が得られるように調整することができる。例えば、単一ボーラスを投与することができ、幾つかの分割用量をある期間にわたって投与することができ、又は投与量を治療状況の緊急性に比例して増減することができる。投与を容易にし、投与量を均一にするために、非経口組成物を単位用量形態で処方することが特に有利である。本明細書では単位用量形態とは、処置される哺乳動物対象に対する単位投与量として適切な物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な薬剤担体と一緒に、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の単位用量形態の仕様は、(a)化学療法剤特有の特性及び達成すべき特定の治療又は予防効果、並びに(b)個体における感受性に対処してこうした活性化合物を配合する技術に固有の制約に従い、直接左右される。
したがって、当業者は、本明細書の開示に基づいて、用量及び投与計画が治療技術において周知の方法に従って調節されることを認識されたい。すなわち、最大耐容量を容易に設定することができ、検出可能な治療効果を患者に与える有効量を決定することもでき、検出可能な治療効果を患者に与える各薬剤を投与する時間的要件を決定することもできる。したがって、ある用量及び投与計画が本明細書に例示されるが、これらの例は、本発明の実施において患者に提供され得る用量及び投与計画を決して限定するものではない。
投与量は、軽減すべき症状のタイプ及び重症度に応じて変わり、単回又は複数回投与を含み得ることに留意されたい。さらに、任意特定の対象に対して、具体的投与計画は、個々の必要性、及び組成物の投与者又は投与管理者の専門的判断に従って、経時的に調節すべきであり、本明細書に記載する投与量範囲は単なる例示にすぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲又は実施を限定するものではないことを理解されたい。例えば、用量は、毒性作用及び/又は検査値などの臨床効果を含み得る、薬物動態学的又は薬力学的パラメータに基づいて調節することができる。したがって、本発明は、当業者よって決定される患者内の用量増加を包含する。化学療法剤の投与のための適切な投与量及び投薬計画の決定は、関連技術においてよく知られており、本明細書に開示される教示が与えられた後には当業者によって達成されると理解される。
本発明の医薬組成物は、バルクで、単一単位用量として、又は複数の単一単位用量として、調製することができ、パッケージすることができ、又は販売することができる。本明細書では「単位用量」は、所定量の活性成分を含む個別の量の医薬組成物である。活性成分の量は、一般に、対象に投与される活性成分の投与量に等しく、又は例えばこうした投与量の1/2、1/3などの投与量の好都合な一部分に等しい。
本発明の医薬組成物における活性成分、薬学的に許容される担体、及び任意の追加の活性成分の相対量は、処置される動物のタイプ、処置される疾患のタイプ、患者の性別及び年齢、処置対象の大きさ及び状態に応じて変わり、さらに、組成物が投与される経路に依存する。例として、組成物は、0.1%~100%(w/w)の活性成分を含むことができる。
本開示の化合物及びその同位体標識変異体は、例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合症、嗜銀性顆粒認知症、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト ヤコブ病、ボクサー認知症/慢性外傷性脳症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ゲルストマン ストロイスラー シャインカー病、ハラーフォルデン スパッツ病、筋緊張性ジストロフィー、C型ニーマン ピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下神経膠症、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性全脳炎、及び神経原線維型認知症を含めて、タウオリゴマーの形成を含む疾患の診断及び/又は処置に有用であり得る。標識を検出する手段は当業者によく知られている。例えば、同位体標識は、イメージング技術、写真フィルム又はシンチレーションカウンターを用いて検出することができる。好ましい一実施形態においては、標識は、例えば陽電子放射技術(PET)又は単一光子放射断層撮影(SPECT)イメージングプローブを用いた、イメージング技術によって、対象の脳においてインビボで検出される。
標識された本発明の化合物は、好ましくは、少なくとも1個の放射性核種を標識として含む。陽電子放射放射性核種は、すべての利用候補である。本発明の状況においては、放射性核種は、好ましくは、11C、13C、14C、18F、15O、13N、32S、2H及び3Hから、より好ましくは11C及び18Fから選択される。トレーサーは、選択される検出方法に従って選択することができる。
本発明の方法を実施する前に、診断に有効な量の本発明の標識又は非標識化合物をヒトを含めた生体に投与する。本発明のためのインビボ方法を実施する前に投与される、診断に有効な量の本発明の標識又は非標識化合物は、0.1ng~100mg/kg体重、好ましくは1ng~10mg/kg体重である。
手順
以下の手順を、タウオリゴマーの形成の阻害剤として化合物を評価し、選択するのに利用することができる。
インビトロアッセイ方法
6X-His又はStrepII N末端エピトープタグを有する細菌組換えヒトタウ4R2N(中枢神経系中のタウの最大アイソフォーム、441アミノ酸長、配列番号1)構築物を、タウをその単量体の形態で調製する変性条件を用いて溶菌液から精製した。
ALAアッセイ:AlphaLisa Assay(ALA)を、タウオリゴマー形成を阻害する化合物を特定するための一次スクリーニングとして使用した。それは、ビーズが互いに近接するときにのみシグナルを発生するビーズベースのアッセイである。タウモノマー(標的)はインキュベートされると高次凝集体(二量体、三量体、四量体など)を形成し、ドナーとアクセプターのビーズがタウのエピトープタグに結合すると、近接して、シグナルを発生する。
タウ標的(300nMの各構築物の等量混合物)を緩衝剤(Tris-HCl pH7.4)中で調製し、ビヒクル対照(DMSO)及びある用量範囲の本開示の化合物(0.098uM~50uM)と一緒に96ウェルプレート中で室温で4時間インキュベートした。AlphaLisaアクセプタービーズ&ドナービーズとエピトープタグのリガンド(Perkin Elmer)をビーズ緩衝剤(25mM HEPES pH7.4、100mM NaCl、0.1%Tween-20)で希釈し(最終20ug/mL/ビーズ)、ウェルに添加し、1時間室温でインキュベートした。正の対照(インキュベートされない標的)&ブランク(タウなし)を調製し、ビーズ緩衝剤中でビーズと混合し、プレートをEnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を用いてすぐに読んだ。
CONFAアッセイ:ALAアッセイを用いてヒットと確認された化合物の作用機序を確認するための二次スクリーニングとして使用されたConfirmatory Assay(CONFA)。アッセイは、タウモノマー及び凝集種(二量体、三量体、四量体、五量体など)の可視化及び定量化にSDS-PAGEを利用する以外は、ALAと同様の手順で行われる。エピトープタグのないタウの単一構築物のみが必要であるが、アッセイは、ALAアッセイで調製された同じ標的も使用することができる。
CONFAアッセイの場合、タウ標的(300nM)を緩衝剤(Tris-HCl pH7.4)中で調製し、ビヒクル対照(DMSO)及びある用量範囲の本開示の化合物(0.098uM~50uM)と一緒に室温で3時間インキュベートした。試料を等体積の2×SDS試料緩衝剤(4%SDS、20%グリセロール、0.004%ブロモフェノールブルー、125mM Tris HCl、pH7.0)と混合して、4~20%勾配ポリアクリルアミドゲル(Biorad)上で正の対照(オリゴマー形成されないタウ標的)と一緒にタウモノマーとジスルフィド架橋オリゴマーを分離した。ゲルをOriole Fluorescent Gel Stain(BioRad)で染色し、FluorChem Rシステム(Protein Simple)を用いて画像化した。AlphaViewソフトウェア(Protein Simple)をタウモノマー及びオリゴマーの定量化に使用した。
本明細書に記載の試験溶液に可溶であった化合物のデータを表4に示す。
2.5~6.5か月齢の4群のhtauマウス(n=25/群)を餌中に粉砕された0、10、40及び100mg/kgの化合物TO-0582で処置した。研究は独立に盲検で行われた。研究の主要エンドポイントは、統計的有意性のあるマウスの脳における不溶性タウ凝集体の減少であった。化合物で処置するとすべての用量で不溶性タウが減少し、不溶性タウの減少は、雄性マウスにおいて40mg/kg及び100mg/kg用量で統計的有意性が得られた(この研究における雌性htauマウスは、6か月齢まで病変を生じなかった)。この研究に使用されたタウの生化学分析方法は、以前に記述されている(Acker CMら、Sensitive quantitative assays for tau and phospho-tau in transgenic mouse models.Neurobiol Aging.2013.34:338)。図1の結果は、化合物のタウ病変を減少させるインビボ効力を示す。化合物TO-0582(実施例21)で処置されたhtauマウスの皮質における不溶性タウレベルをpan-tauモノクローナル抗体(mAb)DA31を用いて測定した。これらの値を各マウスの皮質の溶解物中の全タウに対して規準化した。エラーバーは平均値の標準誤差を示す。対照群(白色バー、0mg/kg)に対する10、40又は100mg/kg TO-0582で処置された群の比較のP値は、0.0503(水平線のバー、10mg/kg)、0.0154(斜線のバー、40mg/kg)及び0.0488(縦線のバー、100mg/kg)であった。*はP値<0.05を示す。試験化合物は、すべての用量で、研究期間にわたって忍容性が良好であり、体重、挙動又は病的状態に対して毒性作用を生じなかった。
ヒトの治療処置のための化合物の適切な1日量は、経口投与で約0.01~100mg/kg体重、非経口投与で0.001~100mg/kg体重であった。しかし、本発明に使用されるいずれの医薬組成物でも、治療有効量は、最初に動物モデルから推定することができる。次いで、動物系から誘導される用量反応曲線を使用して、ヒトにおける初期臨床試験の試験用量を決定する。各組成物の安全性判定においては、投与の用量及び回数が、臨床試験における使用が予測されるものに見合う、又はそれを超えるべきである。
考慮すべき他の因子は、投与手順、年齢、体重、性別、感応性、餌、投与期間、併用薬物、疾患の重篤度などの患者又は対象動物の条件である。ある条件下で適切な用量及び投与時間は、上記指数に基づく試験によって決定することができるが、標準臨床技術に従って、開業医の判断及び各患者の状況(年齢、全身状態、症候の重症度、性別など)に従って精緻化し、最終的に決定することができる。
本発明の組成物の毒性及び治療効力は、実験動物における標準薬学手順によって、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)及びED50(集団の50%に治療上有効な用量)を測定することによって求めることができる。治療効果と毒作用の用量比は治療指数であり、ED50/LD50の比として表すことができる。大きい治療指数を示す組成物が好ましい。
処置期間は、短期、例えば、数週間(例えば、10~14週間)、又は利点を得るのに更なる投与がもはや必要ないと主治医が考えるまでの長期とすることができる。