(一実施の形態)
既存のLTE(LTE-Advancedを含む)において、基地局(例えば、eNodeB:eNB)と端末(ユーザ装置(User Equipment:UE)との間におけるU-Plane(ユーザプレーン)の無線インタフェースプロトコルは、レイヤ1(物理レイヤ(PHYレイヤ))とレイヤ2とを含む。
以下、レイヤまたはサブレイヤの処理の一例を説明する。以下の説明において、送信側(Tx)および受信側(Rx)は、それぞれ、基地局と端末のいずれかに対応してよい。例えば、上りリンク(Uplink:UL)の場合、送信側は端末に対応し、受信側は基地局に対応する。また、例えば、下りリンク(Downlink:DL)の場合、送信側は基地局に対応し、受信側は端末に対応する。
なお、各レイヤまたはサブレイヤでは、以下に説明する処理と異なる処理が行われてもよいし、以下に説明する処理の一部が省略されてもよい。
レイヤ1は、伝送媒体(例えば、空気中を伝搬する電気信号)にて伝送を行うための物理的な接続と、伝送する信号の信号処理を行う。レイヤ1における信号処理は、例えば、送信側では変調および符号化を含み、受信側では復調および復号を含む。
レイヤ2は、L2と略記されることがある。レイヤ2は、プロトコルスタックにおいて、レイヤ1に近い方から順に、メディアアクセス制御(Medium Access Control:MAC)、無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)、および、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)の3つのサブレイヤを含む。
なお、PDCPサブレイヤは、PDCPレイヤ、PDCPエンティティ又はPDCP処理部と称されてもよい。RLCサブレイヤは、RLCレイヤ、RLCエンティティ又はRLC処理部と称されてもよい。MACサブレイヤは、MACレイヤ、MACエンティティ又はMAC処理部と称されてもよい。
PDCPレイヤでは、送信側において、Internet Protocol(IP)パケットのヘッダ圧縮処理と秘匿処理とが実施され、データの処理単位の一例であるPDCP Protocol Data Unit(PDCP PDU)がRLCレイヤに出力される。受信側では、送信側に対応するヘッダ復元、秘匿解除等の処理が行われる。
RLCレイヤでは、Acknowledged Mode(AM)、Unacknowledged Mode(UM)、Transparent Mode(TM)の3モードがある。RLCレイヤのAM/UMでは、送信側において、MACレイヤから通知されるRLC PDU(s)のトータルサイズに基づいて、PDCP PDUの切り出し及び連結等を行うことで、Transmission Time Interval(TTI)毎のTransport Block(TB)サイズに見合ったRLC PDUを生成して、RLC PDUをMACレイヤに出力する。受信側では、MACレイヤからRLC PDUを取得(受信)し、RLC PDUからRLC SDUの構築(変換)を行う。受信側では、構築したRLC SDUをPDCPレイヤに出力する。なお、以下では、RLCレイヤにおいて、「RLC PDUを取得する」ことは、受信側において送信側から受信した信号からRLC PDUを生成することに対応してよい。
また、RLCレイヤのAMでは、受信側からのRLC PDUの受信状態の報告に基づいて、送信側がRLC PDUを再送するAutomatic Repeat reQuest(ARQ)制御が実施される。RLC PDUの受信状態を報告するメッセージは、RLC status reportと称される。RLC status reportは、例えば、RLC PDU単位で受信に成功したか否かを示す。以下では、RLC status reportは、「status report」と略記されることがある。なお、status reportについては、後述する。
MACレイヤでは、共有チャネルのリソースがスケジューリングされる。すなわち、下りリンク(Downlink:DL)では、基地局が端末に対するどのベアラのRLC PDUをトランスポートブロック(Transport Block:TB)に多重して送信するかを決定する。上りリンク(Uplink:UL)では、基地局が、どの端末に物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)にてデータ送信させるかを決定し、端末がどのベアラのRLC PDUをTBに多重するかを決定する。送信側のMACレイヤと受信側のMACレイヤとがHybrid Automatic Repeat reQuest(HARQ)を用いてTBを伝送する。受信側のMACレイヤでは、TBからRLC PDUを生成してRLCレイヤに出力する。
以上説明した無線インタフェースプロトコルは、既存のLTEに限らず、Internet of Things(IoT)向けの無線通信システムにおいても適用される。例えば、Narrowband-IoT(NB-IoT)において、上述した無線インタフェースプロトコルが適用される。
上述のように、status reportは、RLCレイヤのAMにおける、RLC PDUの受信状態を報告するメッセージである。
NB-IoTにおいて、status reportは、例えば、信号の送信側と受信側との間で認識するAM Windowのずれを検出した場合に、要求される。この検出は、例えば、シーケンス番号(Sequence Number:SN)に基づいて行われる場合があり、「SN gap detection」と称されてよい。
NB-IoTにおいて、status reportは、例えば、信号の送信側が、RLCヘッダのPollingビットに基づいて要求される。例えば、Pollingビットを含む信号の受信側は、Pollingビットが「1」に設定されていることを検出した場合、status reportを送信してよい。Pollingビットが「1」に設定されていることは、「Pollingが立つ」と称されることがある。また、Pollingビットを設定することは、「Pollingを実施する(実行する)」と称されることがある。
status reportは、MACレイヤにおけるARQの残留誤りを補うメッセージである。
例えば、MACレイヤにおいて、Acknowledgement(ACK)を受信していないデータ(以下、「未ACKデータ」と称されることがある)が存在した場合であっても、status reportは、当該データがRLC PDUのフォーマットにてRLCレイヤに到達していることを示す場合がある。この場合、当該データは、MACレイヤにおけるACKを受信していないデータであっても、status reportによって受信側への到達が確認されるため、バッファから削除される。
LTEとNB-IoTとでは、status reportを要求する機能に違いがある。
図1は、status reportを要求する機能の一例を示す図である。図1には、NB-IoTのULおよびDL、ならびに、LTEのULおよびDLそれぞれにおいて実装されるstatus reportを要求する機能の一例が示される。
例えば、図1中の「○」は、仕様により実装が規定される機能を示す。図1中の「×」は、実装が規定されない機能を示す。図1中の「△」は、仕様によって規定されていないが、ベンダが独自に実装してよい機能を示す。
「Poll by pollPDU」は、「pollPDU」と称されるパラメータの値によってPollingが実施される。「pollPDU」は、受信されたPDU数の確認応答を要求すべく、送信されるRLC PDUの数を定めるパラメータである。例えば、RLC PDUの送信側において、pollPDUが示す数のRLC PDUが送信された場合に、Pollingが実施される。
「Poll by pollByte」は、「pollByte」と称されるパラメータの値によってPollingが実施される。「pollByte」は、受信されたPDU数の確認応答を要求すべく、送信されるRLC PDUの数を定めるパラメータである。例えば、RLC PDUの送信側において、pollByteが示す量(バイト数)のRLC PDUが送信された場合に、Pollingが実施される。
「Poll by last data」は、最後のデータ(last data)が送信される場合にPollingが実施される。別言すると、「Poll by last data」は、送信データが無くなった場合にPollingが実施されることと捉えてよい。
「t-Reordering expiry」は、RLCレイヤにおける並べ替え(Reordering)に係る時間が所定時間を経過した場合にPollingが実施される。
図1に示したように、NB-IoTでは、DLにおいて、「pollPDU」および「pollByte」によるPolling機能が実装される場合がある。
例えば、NB-IoTのユースケースでは、スモールパケットの送信が主流であるため、LTEと比較して、status reportをトリガする契機が少ないと想定される。
status reportをトリガする契機が少ない場合、端末がレイヤ2において保持しているデータ量が、端末がレイヤ2において保持可能なデータ量を超過する可能性がある。端末がレイヤ2において保持しているデータ量は、「UE L2バッファ滞留量」と称され、端末がレイヤ2において保持可能なデータ量は、「UE L2バッファ容量」と称されることがある。
UE L2バッファ滞留量は、例えば、RLCレイヤにおいて並べ替え(RLC reordering)中のDLデータの量と、RLCレイヤにおける未ACK(RLC未ACK)のULデータの量との和によって表される。
UE L2バッファ滞留量がUE L2バッファ容量を超過した場合、L2バッファが溢れる状況が発生し、スループットに影響を及ぼす可能性がある。L2バッファが溢れる状況は、「L2バッファ溢れ」または「L2バッファstalling状態」と称されることがある。
そのため、基地局は、例えば、RLCレイヤにて、UE L2バッファ容量と、UE L2バッファ滞留量とに基づいて、DLのスケジューリングを停止する制御を行ってよい。DLのスケジューリングの停止は、DLのスケジューリングを滞らせることに相当する。DLのスケジューリングの停止は、Stallingと称されてよい。
図2は、基地局と端末との間におけるStallingの一例を示す図である。図2には、Stalling前とStalling後の基地局と端末の、PDCPレイヤ(「LTE-PDCP」)、RLCレイヤ(「LTE-RLC」)、および、下位レイヤが示される。なお、下位レイヤは、例えば、MACレイヤとPHYレイヤを含んでよい。
Stalling前のDL送信では、基地局は、RLCレイヤにおいて、UE L2バッファ滞留量を推測する。端末は、基地局からDL信号を受信し、RLCレイヤにおいて並べ替え処理(Reordering)を実施する。Reorderingによって生じるDLデータは、L2バッファに保持(滞留)される。
ここで、基地局は、基地局によって推測されるUE L2バッファ滞留量がUE L2バッファ容量を超えた場合(またはUE L2バッファ滞留量がUE L2バッファ容量と等しい場合)、Stalling(DLのスケジューリングの停止)を実施する。この場合、DL送信は停止されるため、DLデータが、L2バッファに更に滞留することを回避できる。
一方で、基地局は、Stallingを実施する場合、status reportをトリガしない。
しかしながら、端末の使用用途によっては、端末が、ULにおいて、大容量のデータを送信する場合がある。この場合、ULでは、Pollingが立つ機会であるlast dataの送信の前に、UE L2バッファ容量が溢れてしまう可能性がある。Pollingが立つ機会とは、端末が基地局に対してstatus report送信を要求する機会に対応する。
図3は、L2バッファの状態の一例を示す図である。図3には、2つの異なるシチュエーション1および2におけるL2バッファの状態が示される。
シチュエーション1は、端末が、IoTで通常想定されるデータ量を送信し、大容量のデータを送信しない場合のバッファの状態を示す。大容量のデータとは、例えば、IoTで通常想定されるデータ量を超えるデータ量に相当してよい。
シチュエーション1では、基地局は、基地局によって推測されたUE L2バッファ滞留量がUE L2バッファ容量を超えているため、DLスケジューリングを停止する。また、DLスケジューリングを停止する前に送信されたpollByteまたはpollPDUによって、DLデータ(例えば、図3における#1のデータ)が削除(破棄)される。DLデータが削除されることによって、L2バッファ溢れの発生率が低減される。
シチュエーション2は、端末が大容量のデータを送信する場合の端末のバッファの状態を示す。
シチュエーション2では、基地局は、シチュエーション1と同様に、基地局が推測した端末のL2バッファ滞留量が端末のL2バッファ容量を超えているため、DLスケジューリングを停止する。そして、シチュエーション1と同様に、DLスケジューリングを停止する前に送信されたpollByteまたはpollPDUによって、DLデータ(例えば、図3における#2のデータ)が削除(破棄)される。一方で、ULデータが大容量であり、連続してULデータが送信された場合、RLC未ACKデータが滞留し、且つ、データの最後(last data)が生じない。そのため、Polling機会(status reportを要求する機会)が発生しない。基地局は、status reportの送信機会が発生しないため、status reportを送信しない。端末は、status reportを受信しないため、滞留しているRLC未ACKデータを削除(破棄)しない。そのため、L2バッファ溢れが生じる。
本実施の形態では、基地局が、status reportの送信機会を制御し、端末におけるL2バッファ溢れの発生率を低減する。
[基地局及び端末の構成]
図4は、本実施の形態に係る基地局10の構成の一例を示すブロック図である。図5は、本実施の形態に係る端末20の構成の一例を示すブロック図である。
基地局10と端末20とは、NB-IoTの通信をサポートする。基地局10と端末20とは、上述した既存のLTEの無線インタフェースプロトコルの一部に基づいて、各レイヤを制御する。
図4に例示した基地局10は、例えば、送信部101と、受信部102と、制御部103と、を含む。
送信部101は、制御部103の制御により、DL信号を端末20へ送信する。送信部101は、DL信号を送信する送信側のPHYレイヤの機能部に相当してよい。DL信号には、チャネル品質情報、制御情報を含む制御チャネルの信号、データを含むデータチャネルの信号、又は、参照信号等が含まれてよい。例えば、DL信号には、制御情報の一例であるstatus reportが含まれてよい。
受信部102は、制御部103の制御により、端末20から送信されるUL信号を受信する。受信部102は、UL信号を受信する受信側のPHYレイヤの機能部に相当してよい。UL信号には、チャネル品質情報、制御情報を含む制御チャネルの信号、データを含むデータチャネルの信号、又は、参照信号等が含まれてよい。また、UL信号には、制御情報の一例であるPollingビットが含まれてよい。
制御部103は、送信部101における送信処理、及び、受信部102における受信処理を制御する。例えば、制御部103は、UL信号を受信する受信側、および、DL信号を送信する送信側のレイヤ2の機能部を含む。制御部103は、レイヤ2よりも上位のレイヤからデータおよび制御情報等を受信し、レイヤ2に係る処理を施し、送信部101へ出力する。また、制御部103は、受信部102から受信したデータおよび制御情報等に、レイヤ2に係る処理を施し、レイヤ2よりも上位レイヤへ出力する。
また、例えば、制御部103は、端末20のL2バッファの滞留量(UE L2バッファ滞留量)を管理する。制御部103は、端末20から受信する制御情報に含まれるバッファ状態報告(Buffer Status Report:BSR)に基づいて、UE L2バッファ滞留量を管理してよい。あるいは、制御部103は、UE L2バッファ滞留量を、端末20から受信したデータ量に基づいて、推測してもよい。
また、例えば、制御部103は、RLCレイヤにおける受信状態を判定し、status reportの送信機会を制御する。例えば、制御部103は、status reportに対して、所定の送信機会を設定し、設定した送信機会にてstatus reportを送信部101へ出力する。
なお、status reportに対する送信機会の設定方法については後述する。
図5に例示した端末20は、例えば、受信部201と、送信部202と、制御部203と、を含む。
受信部201は、制御部203の制御により、基地局10から送信されるDL信号を受信する。受信部201は、DL信号を受信する受信側のPHYレイヤの機能部に相当してよい。
送信部202は、制御部203の制御により、UL信号を基地局10へ送信する。送信部202は、UL信号を送信する送信側のPHYレイヤの機能部に相当してよい。
制御部203は、送信部202における送信処理、及び、受信部201における受信処理を制御する。例えば、制御部203は、UL信号を送信する送信側、および、DL信号を受信する受信側のレイヤ2の機能部を含む。制御部203は、レイヤ2よりも上位のレイヤからデータおよび制御情報等を受信し、レイヤ2に係る処理を施し、送信部202へ出力する。また、制御部203は、受信部201から受信したデータおよび制御情報等に、レイヤ2に係る処理を施し、レイヤ2よりも上位レイヤへ出力する。
また、制御部203は、L2バッファ滞留量を示すBSRを送信部202へ出力してよい。
以上説明した、基地局10と端末20との間において、基地局10が設定するstatus reportに対する送信機会の設定方法1~4を説明する。なお、本実施の形態に係る基地局10が設定する送信機会とは、Pollingによって要求される送信機会とは異なる送信機会であり、Pollingによって要求される送信機会に追加される送信機会であってよい。
[方法1]
方法1では、基地局10が、上りリンクのRLC PDU(UL RLC PDU)を受信した場合に、status reportの送信機会を設定する。
図6は、本実施の形態におけるstatus reportの設定方法1を適用した場合の信号の送受信の一例を示すシーケンス図である。図6の横軸は、時間を示す。図6には、端末20と基地局10との間で送受信される信号、および、基地局10のRLCレイヤ(RLC layer)とPDCPレイヤ(PDCP layer)における動作の一例が示される。
例えば、端末20は、Narrowband Physical Uplink Shared Channel(NPUSCH)の信号を送信する。基地局10は、受信した信号に対するPHYレイヤの処理、および、MACレイヤの処理を行うことによって、RLCレイヤにてUL RLC PDUを受信する。基地局10は、RLCレイヤにおいて、UL RLC PDUを受信した場合に、status reportを送信する。端末20は、status reportを受信することによって、UL未ACKデータを削除できるため、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。
例えば、基地局10は、UL RLC PDUを受信した場合に、Pollingビットが1であると解釈することによって、status reportを送信してよい。なお、Pollingビットが1であるとは、status reportが要求されていることを示してよい。
以上、方法1では、基地局10(例えば、制御部103)が、端末20からUL RLC PDUを受信した場合に、status reportの送信機会の設定を行う。端末20からUL RLC PDUを受信した場合とは、端末20から受信した信号からUL RLC PDUを生成した場合に対応してよい。
[方法2]
方法2では、基地局10は、上りリンクのRLC SDU(UL RLC SDU)を構築した場合に、status reportの送信機会を設定する。
図7は、本実施の形態におけるstatus reportの設定方法2を適用した場合の信号の送受信の一例を示すシーケンス図である。図7の横軸は、時間を示す。図7には、図6と同様に、端末20と基地局10との間で送受信される信号、および、基地局10のRLCレイヤ(RLC layer)とPDCPレイヤ(PDCP layer)における動作の一例が示される。
例えば、端末20は、NPUSCHの信号を送信する。基地局10は、受信した信号に対するPHYレイヤの処理、および、MACレイヤの処理を行うことによって、RLCレイヤにてUL RLC PDUを受信する。基地局10は、RLCレイヤにおいて、受信した1以上のUL RLC PDUからUL RLC SDUを構築(変換)する。基地局10は、UL RLC SDUを構築した場合に、status reportを送信する。端末20は、status reportを受信することによって、UL未ACKデータを削除できるため、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。また、UL RLC SDUは、1以上のUL RLC PDUから構築されるため、図6のケースと異なり、基地局10は、status reportを送信する回数を抑えることができる。そのため、無線リソースの消費を抑制できる。
以上、方法2では、基地局10(例えば、制御部103)が、UL RLC SDUを構成した場合に、status reportの送信機会の設定を行う。UL RLC SDUを構成した場合とは、端末20から受信した信号からUL RLC PDUを生成した後、生成したUL RLC PDUから、UL RLC SDUに変換した場合に対応してよい。
[方法3]
方法1および方法2では、UL RLC PDUまたはUL RLC SDUをトリガにして、status reportの送信機会を設定する例を示した。方法3では、基地局10は、周期的に(例えば、一定の送信間隔にて)status reportの送信機会を設定する。別言すると、方法3では、例えば、タイマが示す送信間隔をトリガにして、status reportの送信機会を設定する。
図8は、本実施の形態におけるstatus reportの設定方法3を適用した場合の信号の送受信の一例を示すシーケンス図である。図8の横軸は、時間を示す。図8には、端末20と基地局10との間で送受信される信号の一例が示される。
図8に示すように、基地局10は、送信間隔Tsにて、status reportを送信する。端末20は、status reportを受信することによって、UL未ACKデータを削除できるため、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。また、例えば、基地局10は、無線品質が低下し、端末20からトリガとなる信号を受信できない場合も、status reportを送信できる。そのため、端末20は、無線品質が低下した場合でも、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。
以上、方法3では、基地局10(例えば、制御部103)が、status reportに対して、周期的な送信機会を設定する。
[方法4]
方法3では、基地局10が、status reportに対して、周期的な送信機会を設定する例を示した。方法4では、基地局は、DLにおいてstallingの実行を決定した場合に、status reportに対して、周期的な送信機会を設定する。
図9は、本実施の形態におけるstatus reportの設定方法4を適用した場合の信号の送受信の一例を示すシーケンス図である。図9の横軸は、時間を示す。図9には、端末20と基地局10との間で送受信される信号の一例が示される。
図9に示すように、基地局10は、DLにおいてstallingの実行を決定した場合、送信間隔Tsにて、status reportを送信する。端末20は、status reportを受信することによって、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。また、方法4では、例えば、無線品質が低下し、端末20からトリガとなる信号を受信できない場合も、基地局10は、DLにおいてstallingの実行を決定したことをトリガに、status reportを送信できる。
以上、方法4では、基地局10(例えば、制御部103)が、DLにおいてstallingの実行を決定した場合に、status reportに対して、周期的な送信機会を設定する。
なお、方法4では、基地局10が、DLにおいてstallingの実行を決定した場合に、status reportに対して、周期的な送信機会を設定する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、基地局10は、DLにおいてstallingの実行を決定した場合に、status reportに対して、少なくとも1回の送信機会を設定してもよい。
また、方法4では、基地局10が、DLにおいてstallingの実行を決定した場合に、status reportに対して、送信機会を設定する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、基地局10は、L2バッファ溢れを検出した場合に、status reportに対して、少なくとも1回の送信機会、または、周期的な送信機会を設定してもよい。
なお、方法3および方法4におけるstatus reportの送信間隔は、静的または動的に変更されてよい。例えば、DLの無線リソースの使用量(または使用率)に応じて、送信間隔を変更してよい。例えば、基地局10は、DLの無線リソースが余っている場合(例えば、無線リソースの使用量が所定値以下の場合)、送信間隔を狭く設定してよい。あるいは、基地局10は、DLの無線リソースの残りが少ない場合(例えば、無線リソースの使用量が所定値以上の場合)、送信間隔を広く設定してもよい。
また、上述した方法1~方法4は、組み合わせて使用されてもよいし、適応的に切替えられてもよい。例えば、無線品質が所定の品質以下の場合、方法3または方法4が使用され、無線品質が所定の品質よりも高い場合、方法1または方法2に切替えられてもよい。
以上説明した本実施の形態では、基地局10の制御部103が、RLCレイヤにおいて規定されるstatus reportの送信機会(例えば、Pollingによって要求される送信機会)と異なる送信機会をstatus reportに対して設定する。送信部101は、設定された送信機会において、status reportを端末20に送信する。
この構成により、基地局10は、Polling機会が無い(status reportの要求がない)場合でも、status reportを送信するため、端末20において、UL未ACKデータを削除でき、L2バッファ溢れの発生率を低減できる。別言すると、端末20は、バッファに保持するデータ量がバッファ容量を超える状態の発生を抑制できる。
例えば、本実施の形態の構成によれば、端末20が、大容量のデータを送信するケースが発生した場合でも、L2バッファ溢れの発生率を低減できるため、様々なユースケースに対応したサービス展開が可能となる。
なお、上述した実施の形態では、基地局10と端末20とが、NB-IoTの通信をサポートする例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、本開示は、NB-IoTと異なる無線通信システムをサポートする基地局と端末に対しても適用されてよい。例えば、本開示は、LTEの通信をサポートする基地局と端末に対して適用されてよいし、NB-IoTと異なるIoT向けの無線通信システムの通信をサポートする基地局と端末に対して適用されてよい。
また、本実施の形態では、既存のLTEで使用されているMAC、RLC、PDCP等の用語を使用しているが、これは便宜上のものであり、これらと同様の機能が他の名称で称されてもよい。
また、本実施の形態における「データユニット」は、「パケット」、「フレーム」、「データグラム」等と呼ばれてもよい。また、本実施の形態における各レイヤのPDU及びSDUはいずれも、データ処理単位に対応した「データユニット」の例である。
また、本実施の形態におけるstatus reportは、RLCレイヤの受信状態の状態報告のメッセージの一例であるが、status reportは、他の名称で称されてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における基地局、端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本開示の一実施の形態に係る基地局及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局10及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部103および制御部203などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、基地局10の制御部103または端末20の制御部203は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送信部101、受信部102、受信部201および送信部202などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局10及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(情報の通知、シグナリング)
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
(適用システム)
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(New Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
(処理手順等)
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(基地局の動作)
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
(入出力の方向)
情報等(※「情報、信号」の項目参照)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
(「システム」、「ネットワーク」)
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
(基地局(無線基地局))
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
(端末)
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(基地局/移動局)
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能を端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示における端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述の端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
(用語の意味、解釈)
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。
時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
(態様のバリエーション等)
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、特許請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。