JP7272534B1 - 支給計算システム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1記載の技術は、通勤交通費の新規発生、経路変更、打ち切り等の申請があると給与システムと連携して給与の交通費支給額を算出する技術であって、会社の通勤手当の支給基準や算出方法に関する定義を作成し、通勤交通費の申請データが入力されると通勤手当定義に基づいて申請データを通勤手当データに変換し、給与の交通費支給額を精算する場合は通勤手当データを計算し直す更新処理を行う。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、交通費の支給金額に変動が生じた場合に、支給対象者に支給する給与支給金額を計算する給与支給計算処理の一部である交通費の支給金額又は交通費に応じて変動する支給金額を計算する処理を給与支給計算処理の実行タイミングより前に実行する支給計算システムを提供することを目的としている。
ここで、第1計算処理の実行の設定が行われるとは、例えば、第1計算処理が他のシステムで実行される場合に、実行に必要な情報及び実行時期等を他のシステムに対して設定する処理となる。
〔発明2〕 さらに、発明2の支給計算システムは、発明1の支給計算システムにおいて、前記判定手段は、前記支給対象者が通勤で利用する通勤経路の情報を含む通勤経路情報の申請処理によって当該支給対象者の前記交通費の支給金額が発生し若しくは変更された場合、又は支給計算業務の担当者による入力装置を介した入力により前記支給金額が変更された場合に、前記交通費の支給金額に変動が生じたと判定する。
〔発明3〕 さらに、発明3の支給計算システムは、発明1又は2の支給計算システムにおいて、前記判定手段は、前記交通費の支給金額に関する支給情報を記憶する支給情報記憶手段に記憶された前記支給情報に変更が生じた場合に、前記交通費の支給金額に変動が生じたと判定する。
〔発明4〕 さらに、発明4の支給計算システムは、発明1又は2の支給計算システムにおいて、前記第1計算処理実行手段は、前記第1計算処理を実行するバッチ処理プログラムの実行スケジュールを設定する実行スケジュール設定部と、当該実行スケジュール設定部で設定した実行スケジュールで前記バッチ処理プログラムを実行するバッチ処理プログラム実行部とを有する。
さらに、発明2の支給計算システムによれば、通勤経路情報の申請による交通費の支給金額の変動に加えて、支給計算業務の担当者による入力装置を介した入力により交通費に係る支給金額が変更された場合も事前対応が可能であり、給与支給計算処理の負荷をより軽減することができる。
さらに、発明4の支給計算システムによれば、バッチ処理プログラムの実行スケジュールを設定して、自動でバッチ処理プログラムを実行して第1計算処理を実行することができるので、給与支給計算処理にかかる負荷をより軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図13は、本実施の形態を示す図である。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
インターネット199には、図1に示すように、交通費の算出及び交通費に係る給与支給金額の算出を支援するサービス(以下、「交通費給与連携支援サービス」と称す)を提供する通勤交通費算出サーバ100と、交通費に係る給与支給金額を算出するための各種基礎データの更新処理を実行するバッチサーバ150と、通勤交通費算出サーバ100及びバッチサーバ150で利用される各種テーブル情報を管理するデータベースサーバ170と、交通費給与連携支援サービスを利用する企業の社員ごとに設置された社員端末200とが接続されている。
次に、通勤交通費算出サーバ100の構成を説明する。
図2は、通勤交通費算出サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
通勤交通費算出サーバ100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
〔バッチサーバ150及びデータベースサーバ170のハードウェア構成〕
次に、バッチサーバ150及びデータベースサーバ170の構成を説明する。
〔社員端末200のハードウェア構成〕
社員端末200は、上記通勤交通費算出サーバ100のような据え置き型を想定した端末、または、スマートフォン、タブレットなどの携帯型の端末から構成されている。前者の場合、そのハードウェア構成は、上記通勤交通費算出サーバ100と同様となる。一方、後者の場合、そのハードウェア構成は、CPUと、アプリケーションソフトなどのプログラムやプログラムを実行するためのデータ等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、付属の各種装置に対してデータの入出力を媒介するI/Fとで構成されている。これらは、データを転送するための信号線で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
〔各種テーブルについて〕
次に、データベースサーバ170の記憶装置70に記憶されている各種テーブルについて説明する。
図3(a)~(e)は、企業マスタテーブル400、勤務先マスタテーブル402、社員情報マスタテーブル404、社員別経路情報テーブル406及び社員別支給情報テーブル408のデータ構造を示す図である。
企業マスタテーブル400には、図3(a)に示すように、企業ID及び適用開始日の組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、企業名、申請制御区分、社員グループ区分情報、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報からなる主要情報が登録されている。
勤務先マスタテーブル402は、図3(b)に示すように、企業ID、勤務先ID及び適用開始日の組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、勤務先ID、勤務先名、通勤先住所、カレンダID、始業時刻、終業時刻、燃料単価種別ID、地図情報、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報からなる主要情報が登録されている。
記憶装置70には、図4(a)~(e)に示すように、社員ごとの日割通勤交通費の支給情報を登録する社員別日割支給情報テーブル410と、所属部署ごとの承認者及び代理申請者の情報を登録する部署情報テーブル412とが記憶されている。加えて、バッチサーバのIPアドレス等のシステム環境情報を登録するシステム環境情報テーブル414と、バッチ処理プログラムの物理ファイル名の情報等を含むバッチジョブの定義情報を登録するバッチジョブ定義情報テーブル416と、タスクスケジューラに登録したタスクを実行するための情報を登録するタスクスケジューラ情報テーブル418とが記憶されている。
ここで、日割IDは、日割情報を一意に特定するための情報であり、例えば、日割情報ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、日割支給対象期間は、通勤交通費を日割で計算する対象期間を示す情報であり、支給対象日数は、支給対象期間のうち通勤交通費を日割りで支払う日数の情報であり、利用方向種別(片道/往復)は、支給対象期間に利用した経路方向種別を示す情報である。また、支払詳細情報は、運賃改定処理対象であるか否かを示す情報である。
ここで、承認者IDは、所属部署IDに対応する所属部署に所属する社員の通勤経路の申請について承認を行う権限を有する上司権限を有する社員の社員IDであり、代理申請者IDは、同じ所属部署に所属する他の社員について通勤経路の申請を代理で行うことができる権限を有する社員の社員IDである。
ここで、バッチサーバユーザIDは、バッチサーバ150にアクセスするユーザを識別するための情報であり、例えば、ユーザごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、パケット名は、給与連携基礎データの作成で使用するパケット名であり、実費用パケット名は、実費処理で使用するパケット名である。
ここで、テナント番号は、給与連携基礎データの作成処理等のバッチ処理を実行するテナントの番号である。また、バッチ処理IDは、バッチ処理の種類を識別するための情報であり、例えば、バッチ処理の種類ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、バッチパスは、バッチ処理プログラムを保存している物理パス(バッチサーバ150側)であり、バッチ処理物理ファイル名は、バッチ処理プログラムの物理ファイル名である。
ここで、バッチ処理パスは、バッチ処理を統括するバッチ処理メインプログラムの物理ファイル名(フルパス)を示す情報であり、パラメータ情報は、バッチ処理で読み込むパラメータ情報である。例えば、給与連携基礎データの作成を行うバッチ処理(以下、「給与連携バッチ処理」と称す)であれば、交通費の支給金額に変動が生じた支給情報を一意に識別するための情報であり、企業ID、社員ID、支給ID(日割支給情報の場合は日割IDも)等を含む情報となる。
ここで、給与基礎データは、通勤手当の支給金額のデータであり、課税基礎データは、通勤手当の支給金額に対する課税額のデータであり、社会保険基礎データは、通勤手当の支給金額に対する社会保険の保険金額のデータであり、雇用保険基礎データは、通勤手当の支給金額に対する雇用保険の保険金額のデータである。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
〔通勤経路情報新規申請処理〕
次に、社員が通勤経路情報を新規に申請する場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。
図5は、通勤経路情報新規申請処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す通勤経路情報新規申請処理を実行する。
通勤経路情報新規申請処理は、CPU30において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ここで、通勤経路情報の新規申請は、例えば、新入社員が初めて通勤経路情報を登録する場合、又は引っ越しをして通勤経路が変わった場合などに行われる。
ステップS102に移行した場合は、申請情報入力処理を実行して、ステップS104に移行する。
ステップS106に移行した場合は、社員情報マスタテーブル404から、申請者の所属部署の情報(所属部署ID)を取得するとともに、部署情報テーブル412から、取得した所属部署IDに対応する承認先情報(承認権限を有する社員の社員ID)を取得して、ステップS108に移行する。
また、例えば、社員A及びFは上司権限を有する社員であるとして、ワークフローにおける承認権限が与えられているとする。また、社員Eは一般社員であり、代理申請権限が与えられているとする。ここで、承認権限は、ワークフローにおいて同じ所属部署(例えばB1)に所属する所属社員の申請内容を承認する権限であり、代理申請権限は、人事部以外の社員が他の所属社員の申請を代理で行う権限である。すなわち、承認権限を有する社員A及びFは、同じ所属部署B1の社員B~E及びG~Iの申請に対して承認を行うことが可能となっている。また、代理申請権限を有する社員Eは、同じ所属部署B1の社員A~D及びF~Iの申請処理を代理で行うことが可能となっている。
ステップS108では、取得した承認先情報に基づいて承認ルートを構築する。その後、構築した承認ルートに基づいてルート先の各承認者宛てに申請情報の承認要求を送信して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
すなわち、承認ルートは、まず「社員A及びF」となり、社員Aが先に承認後は「社員A→人事社員J~L」となる。一方、社員Fが先に承認後は、「社員F→人事社員J~L」となる。すなわち、承認は社員A及びFのいずれか一方が行えばよく双方共の承認は必要ない。また、承認後の点検は、所属部署B1を担当している人事社員J~Lの3人となり、点検についても人事社員J~Lのうちのいずれか一人が行えばよい。
一方、ステップS104において、登録申請を受信せずにステップS110に移行した場合は、社員端末200からのキャンセル要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS104に移行する。
次に、人事社員が、社員別支給情報テーブル408及び社員別日割支給情報テーブル410に登録された支給情報の追加及び修正を行う場合の動作を説明する。
図6は、支給情報追加・修正処理を示すフローチャートであり、図7は、社員情報一覧画面500を示す図であり、図8は、経路一覧画面800を示す図であり、図9は、支給情報一覧画面801を示す図である。
ここで、通勤費給与連携サービスの提供ページに人事権限を有するアカウントでログインすると、人事権限を有する社員(以下、「人事社員」と称す)の社員端末200の表示装置には、サービスのトップページが表示される。このトップページには、図示省略するが、「申請」「社員情報」「業務マスタ」などのメインメニューボタンが表示されている。なお、図示省略するが、これらメインメニューボタンは常に画面上部に表示されており、トップページ以外のページからでも選択することが可能となっている。そして、人事権限を有する社員が、社員端末200を介して「社員情報」のメニューボタンを選択(マウスによる押下又は指によるタッチ等を)することで、表示装置には、図7に示す社員情報一覧画面500が表示される。ここで、人事社員は、交通費に係る給与支給金額の計算に係る業務を行う権限を有している。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図6のフローチャートに示す支給情報追加・修正処理を実行する。
支給情報追加・修正処理は、CPU30において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行する。
すなわち、図8に示す経路一覧画面800にて経路の修正ボタン80が選択された場合は、社員端末200の表示装置に、図9に示す支給情報一覧画面801が表示される。
すなわち、図9に示す支給情報一覧画面801にて、日割支給情報が選択された状態で修正ボタン83が選択された場合は、社員端末200の表示画面に、日割支給情報設定画面(図示略)が表示される。なお、図示省略するが、定期の支給情報が選択された状態で修正ボタン83が選択された場合は、日割支給情報設定画面とは異なる定期の支給情報について追加設定できる画面が表示され、何も選択していない状態で追加ボタン82が選択された場合は、定期と日割の両方の支給情報を追加設定できる画面が表示される。
ここでは、支給情報追加処理として、日割支給情報設定画面において、人事社員が入力した情報に基づいて、支給情報を追加する場合の処理について説明する。
人事社員は、社員端末200を介して、日割支給情報設定画面にて必要な情報を入力する。具体的に、日割支給対象期間、支給対象日数、利用方向種別(片道/往復)を入力する。日割支給情報は、例えば、入社日が中途半端な日で、月の途中から出勤するような場合に、その月の出勤日だけ通勤交通費を日割で支給するような場合に設定される情報である。または、例えば感染症の蔓延などによって在宅勤務を行う必要があり、週に2日だけ出勤するといった場合に出勤日だけ通勤交通費を日割で支給するような場合に設定される情報である。従って、日割対象の期間を日割支給対象期間として設定する。
ステップS208に移行した場合は、支給情報修正処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ここで、支給情報修正処理は、日割支給情報設定画面にて既に入力された情報を修正する処理であり、支給情報追加処理と比較して、新たに情報を入力するか既に入力された情報を変更(修正)するかの違いのみで同様の処理となるので説明を省略する。また、日割支給情報が修正されることによって社員別日割支給情報テーブル410に記憶された日割支給情報に通勤交通費の支給金額が変わる変動が生じる。
ステップS212に移行した場合は、選択された他のボタンに対応する処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
〔給与連携基礎データ作成タスク登録処理〕
次に、交通費の支給金額に変動が生じたことを契機に、バッチサーバ150に対して給与連携基礎データ作成タスクの登録を行う場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図10のフローチャートに示す給与連携基礎データ作成タスク登録処理を実行する。
給与連携基礎データ作成タスク登録処理は、CPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の支給情報が変動したか否かを判定する。そして、変動したと判定した場合(YES)は、ステップS302に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、変動が生じるまで判定処理を繰り返す。
図11に示すように、社員による通勤経路の新規申請があってこの申請について上司の承認及び人事部の承認(許可)が得られた場合に、新規に申請された通勤経路に応じた支給情報が生成されて、それが社員別支給情報テーブル408に登録される。同様に、人事社員によって代理で通勤経路の新規申請があった場合も、申請された通勤経路に応じた支給情報が生成されて、それが社員別支給情報テーブル408に登録される。このような場合に、支給情報に支給金額が変わる変動があったか否かを判定する。
また、運賃改定によって、既に支給されている支給額との間に差額が生じる場合にもその差額の支給によって社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の支給情報に支給金額が変わる変動が生じるため、この変動を支給金額の変動と判定する。また、日割支給額の登録、運賃改定による差額の補填処理が完了後に、給与データの給与連携システムへの出力処理が行われ、その後、先取りで次回の給与連携基礎データを作成する処理が行われる。このとき日割支給や運賃改定等によって先取りで作成した給与連携基礎データに変動が生じる場合は、この場合も社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の支給情報に支給金額が変わる変動が生じるため、支給金額の変動が生じていると判定する。
ここで、チェックするパラメータとしては、給与連携バッチ処理を実行するテナントの番号、企業ID、給与連携バッチ処理プログラムのID(以下、「給与連携バッチ処理ID」と称す)、ステップS300で支給金額が変わる変動があったと判定した支給情報を識別する情報を含む。
ステップS304では、記憶装置42に記憶されたバッチジョブ定義情報テーブル416から、バッチ処理メインプログラムの物理ファイル名(フルパス)を取得して、ステップS306に移行する。
ステップS306では、記憶装置42に記憶されたシステムの環境情報テーブル414から、バッチサーバ150のIPアドレス、ログインユーザID及びパスワードを取得して、ステップS308に移行する。
ステップS310では、タスクスケジューラによるタスクの実行条件を作成して、ステップS312に移行する。
ここで、タスクの実行条件は、支給金額に変動が生じたことを判定したことを契機に、可能な限り早いタイミングで給与連携バッチ処理を実行するために、例えば、バッチサーバ150との間のラグを考慮して、バッチサーバ150のシステム日付の2分後にタスクを実行するといった実行条件を作成する。
タスクスケジューラは、コンピュータプログラムの実行制御システムの一つで、利用者が指定したスケジュールや条件に基づいてプログラムの起動や終了を行い、実行状態や実行結果を記録して報告するものである。これにより、OS上での特定のコマンドや実行ファイルの起動や終了などをスケジュールに基づいて自動実行することができる。
ここで、タスクのアクションは、実行プログラムと、引数(パラメータ)とによって構成される。
具体的に、実行プログラムは、バッチ処理メインプログラムとなり、パラメータは、テナント番号、給与連携バッチ処理ID及びタスク名となる。ここで、タスク名は、タスクスケジューラに登録するタスク名となる。
ステップS314では、タスク完了後のアクションに対する削除設定を作成して、ステップS316に移行する。ここで、支給金額に変動が生じた場合の給与連携基礎データの作成処理は、変動が生じたときにすぐに行われる処理であり、定期的に繰り返し行われる処理では無いためタスク完了後にアクションを削除する設定を作成する。具体的に、タスクが再度実行するようにスケジュールされていない場合に削除されるまでの時間を設定する。
すなわち、タスクスケジューラで実行するバッチ処理メインプログラム(給与連携バッチ処理)のインスタンスを作成する。すなわち、バッチ処理メインプログラム、パラメータなどを、バッチサーバ150のメインメモリ上に展開して処理・実行できる状態にする。
ここで、給与連携バッチ処理は、交通費の支給金額が変動したと判定後に、他の給与計算システムに交通費に係る支給金額及び他の支給金額に係るデータを出力する前に実行する必要がある。そのため、給与連携バッチ処理は、支給金額に変動が生じたと判定後に速やかに実行されることが望ましい。
ステップS318では、ステップS310~S316で作成した各種情報をタスクスケジューラに登録して、ステップS320に移行する。
すなわち、テナント番号、企業ID、給与連携バッチ処理ID、タスクスケジュール(年月日時分)、実行ユーザ等の情報が登録される。
ステップS320では、バッチサーバ150とのセッションを破棄して、ステップS322に移行する。
〔給与連携バッチ処理プログラム実行処理〕
給与連携バッチ処理プログラム実行処理は、バッチサーバ150において、タスクスケジューラによって実行される処理となる。
図12は、給与連携バッチ処理プログラム実行処理を示すフローチャートである。また、図13は、バッチサーバ150におけるタスクスケジューラによるバッチ処理メインプログラムの実行処理の流れを示す図である。
給与連携バッチ処理プログラム実行処理は、CPUにおいて実行されると、図12に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、登録されたタスクの実行時刻になったか否かを判定し、実行時刻になったと判定した場合(YES)は、ステップS402に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、実行時刻になるまで判定処理を繰り返す。
ステップS402に移行した場合は、タスクスケジューラに登録されたパラメータをチェックして、ステップS404に移行する。ここで、パラメータは、テナント番号、給与連携バッチ処理ID及びタスク名(タスクID)となる。
具体的に、図13に示すように、パラメータ情報として、実行するタスクのテナント番号、バッチ処理ID(給与連携バッチ処理ID)及びタスクIDに対応するパラメータ情報(支給情報の識別情報)を取得する。
ステップS406では、タスクスケジューラに登録された各種情報及びステップS404で取得したパラメータ情報に基づいてバッチ処理メインプログラムが実行され、給与連携バッチ処理プログラムが実行される。その後、ステップS408に移行する。
給与連携バッチ処理プログラムが実行されると、図13に示すように、ステップS404で取得したパラメータ情報に対応する支給情報の変動内容を元に、給与基礎データ、課税基礎データ、社会保険基礎データ及び雇用保険基礎データの各計算値を再計算して、各種基礎データテーブルに登録されている各種基礎データの計算値を再計算後のデータに更新する。
〔実施の形態の効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、交通費の支給金額に変動が生じる支給情報の変更があったと判定されたときに、給与支給計算処理のうち、交通費が影響を与える給与支給金額の計算に係る給与連携基礎データ(給与基礎データ、課税基礎データ、社会保険基礎データ及び雇用保険基礎データ)の計算値について計算又は再計算する処理を実行するようにした。
さらに、本実施の形態では、社員又は代理申請者(人事社員含む)が通勤経路情報の申請又は代理申請を行って、この申請が上司社員及び人事社員に承認され、対象社員の支給情報が初めて社員別支給情報テーブル408に登録された場合に、交通費の支給金額に変動が生じたと判定するようにした。加えて、通勤経路情報の申請が承認されて社員別支給情報テーブル408に登録された支給情報が変更された場合に、交通費の支給金額に変動が生じたと判定するようにした。
さらにまた、人事社員の月次処理によって、鉄道会社やバス会社等の運賃改定により、改定後の料金に対応する支給金額と既に支給した支給金額との間に差額が生じた場合に、差額を支給するために社員別日割支給情報テーブル410に新規に日割支給情報が登録されるか又は既に登録された既存の日割支給情報が変更される。この場合も、交通費の支給金額に変動が生じたと判定するようにした。
このような構成であれば、通勤経路情報の申請以外でも、日割支給、運賃改定等の他の理由で交通費の支給金額に変動が生じた場合も事前対応が可能であり、給与支給計算処理の負荷をより軽減することができる。また、社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410への支給情報又は日割支給情報の登録をもって交通費の支給金額に変動が生じたと判定するようにしたので、支給金額の変動の有無をより確実に判定することができる。
本実施の形態において、ステップS300は、発明1乃至4の判定手段に対応し、ステップS302~S310、S400~S408は、発明1及び4の第1計算処理実行手段に対応し、記憶装置42は、発明3の支給情報記憶手段に対応している。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態においては、社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410に支給情報又は日割支給情報が新規に登録されたときに、交通費の支給金額に変動が生じたと判定する構成とした。加えて、社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410に登録された支給情報又は日割支給情報が変更された場合に交通費の支給金額に変動が生じたと判定する構成とした。この構成に限らず、例えば、通勤経路情報が申請され、その申請が承認された場合に、支給金額に変動が生じたと判定する構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、給与連携基礎データの計算処理をバッチサーバ150でタスクスケジューラにより実行する構成としたが、この構成に限らない。例えば、タスクスケジューラを用いずに行う構成、通勤交通費算出サーバ100で実行する構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、図5、図6、図10及び図12のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROMに予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
Claims (3)
- 支給対象者への給与支給金額のうち交通費の支給金額又は当該交通費に応じて変動する支給金額を計算する第1計算処理、当該支給対象者への給与支給金額のうち他の支給金額を計算する第2計算処理、並びに前記第1計算処理及び前記第2計算処理の処理結果に基づいて給与支給金額を計算する第3計算処理からなる給与支給計算処理のうち前記第1計算処理の一部又は全部を当該給与支給計算処理の実行タイミングよりも前に実行するための実行の設定を行い、前記給与支給計算処理は、前記第1~第3計算処理のうち未計算のものを実行する支給計算システムであって、
前記交通費の支給金額に変動が生じたことを判定する判定手段と、
前記判定手段で変動が生じたと判定するごとに、変動が生じたと判定された前記交通費の支給金額に係る前記第1計算処理の実行の設定を行う第1計算処理実行手段と、を備え、
バッチサーバと通信可能に接続され、
前記第1計算処理実行手段は、前記第1計算処理を実行するバッチ処理プログラムを前記バッチサーバに実行させるための実行スケジュールを設定する実行スケジュール設定部と、当該実行スケジュール設定部で設定した前記実行スケジュールの設定情報を前記バッチサーバに送信する設定情報送信部と、を備え、
前記バッチサーバは、前記設定情報送信部が送信した前記設定情報を受信したことに応じて、変動に係る前記支給情報を識別するための識別情報を含む前記バッチ処理プログラムの実行に必要なタスク実行情報を記憶するタスク実行情報記憶手段の当該設定情報に対応する前記タスク実行情報に基づいて、当該設定情報に対応する実行スケジュールで前記バッチ処理プログラムを実行するバッチ処理プログラム実行部を備え、
前記実行スケジュール設定部は、前記実行スケジュールとして、前記バッチサーバでの前記バッチ処理プログラムの実行時刻を設定可能に構成されており、当該実行時刻として前記設定情報の送信後から前記バッチサーバとの通信ラグを考慮した所定時間後の時刻を設定することを特徴とする支給計算システム。 - 請求項1において、
前記判定手段は、前記交通費の支給金額に関する支給情報を記憶する支給情報記憶手段に記憶された前記支給情報に変更が生じた場合に、前記交通費の支給金額に変動が生じたと判定することを特徴とする支給計算システム。 - 請求項2において、
前記判定手段は、支給計算業務の担当者による入力装置を介した入力により前記支給情報記憶手段に新たな前記支給情報が記憶された場合若しくは前記支給情報記憶手段に記憶された前記支給情報が変更された場合に、前記交通費の支給金額に変動が生じたと判定することを特徴とする支給計算システム。
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