以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係る電子機器の一例として、デジタル一眼レフカメラ(以下「カメラ」という)を取り上げることとする。但し、本発明に係る電子機器はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ1000の概略構成を示す斜視図であり、図1(a)はカメラ1000を正面側(前面側)から見た斜視図を、図1(b)はカメラ1000を背面側(後ろ側)から見た斜視図である。
カメラ1000は、カメラ本体100と、カメラ本体100に対して交換可能(着脱可能)なレンズユニット150(レンズ鏡筒(交換レンズ))とを備える。カメラ本体100は、前方に突出する第1のグリップ部101と第2のグリップ部を有する。ユーザは、第1のグリップ部101を把持することによって、カメラ1000を正位置姿勢で安定させて撮像操作を行うことができる。また、ユーザは、第2のグリップ部102を把持することによって、カメラ1000を縦位置姿勢で安定させて撮像操作を行うことができる。
なお、正位置姿勢とは、撮像部22(図2参照)において略長方形の撮像領域(不図示)の長辺を水平方向と略平行にする姿勢をいう。また、縦位置姿勢とは、撮像部22の略長方形の撮像領域の短辺を水平方向と略平行にする姿勢をいう。第2のグリップ部102は、カメラ本体100に一体的に形成されていてもよいし、カメラ本体100に着脱可能であってもよい。
カメラ本体100は、第1のレリーズボタン103、第2のレリーズボタン105、電源スイッチ43、ファインダ16、表示部28、タッチパネル78a及びAF-ONボタン80a,80bを備える。レンズユニット150は、AF-ONボタン80c,80dを備える。
第1のレリーズボタン103と第2のレリーズボタン105はそれぞれ、撮影開始を指示するための操作部材であり、後述の図2に示すスイッチ部70に含まれる。第1のレリーズボタン103は正位置姿勢で撮影を行う際に主に用いられ、第2のレリーズボタン105は縦位置姿勢で撮影を行う際に主に用いられる。後述するように、第1のレリーズボタン103には光学式トラッキングポインタ5が組み込まれており、第2のレリーズボタン105には光学式トラッキングポインタ6が組み込まれている(例えば、図3参照)。光学式トラッキングポインタ5,6については後述する。
第1のレリーズボタン103が半押しされると(第1のストロークだけ押下されると)、第1のスイッチSW1_7a(図2参照)がオンして、第1のシャッタスイッチ信号が発生する。システム制御部50(図2参照)は、第1のシャッタスイッチ信号に応答して、AF(オートフォーカス)処理やAE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を行う。なお、第1のストロークが解除されると、AF処理等は中止される。
第1のレリーズボタン103が全押しされると(第2のストロークまで押下されると)、第2のスイッチSW2_7b(図2参照)がオンして、第2のシャッタスイッチ信号が発生する。システム制御部50は、第2のシャッタスイッチ信号に応答して、撮像部22からの信号読み出しから記憶媒体200(図2参照)に画像データを書き込むまでの一連の撮影動作が開始される。第2のレリーズボタン105は、第1のレリーズボタン103と同様に動作するため、詳細な説明は省略する。
なお、カメラ1000には、AFのモードとして、静止した被写体の撮像に適するワンショットAFと、動く被写体の撮像に適するサーボAF(コンティニュアスAF)とが備わっている。ワンショットAFでは、ユーザが任意に選択した焦点検出領域において自動焦点検出が行われ、フォーカスレンズを焦点位置に移動させた後に停止させる制御が行われる。一方、サーボAFでは、焦点位置にフォーカスレンズを移動させた後も主被写体の動きを検出し、主被写体に動きが検出されると焦点検出領域において検出したデフォーカス量に応じてフォーカスレンズが継続的に駆動される。ワンショットAFとサーボAFはユーザによって選択可能である。
電源スイッチ43は、カメラ1000の電源のオン、オフを切り替える操作部材であり、図2に示すスイッチ部70に含まれる。ファインダ16は、レンズユニット150を介して入射した光学像の焦点及び構図を確認する際に用いられる、所謂、覗き込み型のファインダである。ユーザは、ファインダ16を通じて、光学像と、ファインダ視野内表示器41(図2参照)に表示される情報を観察することができる。カメラ本体100の背面に設けられた表示部28は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。表示部28には、ライブビュー映像や撮影画像、カメラ1000の設定情報等の各種情報が表示される。タッチパネル72は、表示部28の表示面に配置されており、ユーザからのタッチ操作を受け付ける。タッチパネル72は、表示部28に重畳して設けられていてもよいし、表示部28と一体に設けられていてもよい。
AF-ONボタン80a,80bを押下することによってAF処理が開始される。また、AF-ONボタン80a,80bの押圧が解除されるとAF処理が停止される。なお、AF-ONボタン80a,80bは、図2に示すスイッチ部70に含まれる。AF-ONボタン80aには光学式トラッキングポインタ1が組み込まれており、AF-ONボタン80bには光学式トラッキングポインタ2が組み込まれている。光学式トラッキングポインタ1,2については後述する。
レンズユニット150に設けられたAF-ONボタン80c,80dはそれぞれ、AF-ONボタン80aと同様に動作する。つまり、AF-ONボタン80c,80dを押下することによってAF処理が開始され、AF-ONボタン80c,80dの押圧が解除されるとAF処理が停止される。AF-ONボタン80c,80dは、図2に示すスイッチ部71に含まれる。AF-ONボタン80cには光学式トラッキングポインタ3が組み込まれており、AF-ONボタン80dには光学式トラッキングポインタ4が組み込まれている。
続いて、光学式トラッキングポインタ1~6について説明する。光学式トラッキングポインタ1~6は、指紋等の模様の動きを光学的に検知して、タッチ操作や指の2次元方向での相対的な移動を検知することにより、指等の動きに関する情報を出力する操作部材(光入力デバイス)である。以下の説明では、「光学式トラッキングポインタ」を「OTP」と記し、例えば、「光学式トラッキングポインタ1」を「OTP_1」と記す。また、光学式トラッキングポインタ1~6を区別することなく説明する際には、単に「OTP」と記す。
OTPの構造については図5乃至図7を参照して後に詳細に説明することとし、ここでは簡単な説明を行う。OTPは、発光部、光学式位置検出素子、位置検出用レンズ部及び照射用レンズ部を有する。発光部は、OTPを組み込んだボタンの表面に当接している指等に向かってボタンの内部側から光を照射する。発光部から射出した光は照射用レンズ部を通過して指等に照射される。指の指紋等の模様の情報を含む指から反射光は、位置検出用レンズ部を通過して光学式位置検出素子に結像する。光学式位置検出素子は、例えば、イメージセンサ等であり、結像した光学像を画像データに変換して、システム制御部50へ送る。
システム制御部50は、光学式位置検出素子から取得した画像データに基づいて、OTPが組み込まれたボタンへの指のタッチ操作、指の移動方向や移動量を画像追跡して、指の動きを示す信号を生成する。このような画像追跡には、例えば、特開平11-345076号公報等に記載の画像処理を用いることができるが、これに限られるものではない。
OTPから出力(OTPを組み込んだボタンに対する指の移動情報)を用いて、ファインダ視野内表示器41及び表示部28に表示可能な測距点枠の位置を移動させることができる。その一例については、図8を参照して後述する。なお、ファインダ視野内表示器41又は表示部28に表示可能で、且つ、移動可能な表示体は、測距点枠に限られない。例えば、OTPからの出力に基づいて、再生された画像を次の再生画像に切り替える操作が行われるようにしてもよい。また、OTPからの出力を、メニュー画面において選択を行うためのカーソルの移動、シャッタスピード、ISO感度、絞り、露出補正等の設定値の切り替え等に用いるようにしてもよい。
図2は、カメラ1000の概略構成を示すブロック図である。なお、図2に示す構成要素のうち、図1を参照して説明した構成要素については、同じ符号を付しており、重複する説明を省略する。
レンズユニット150は、撮影レンズ155、通信端子66、レンズ制御回路201、AF駆動回路202、絞り駆動回路203、絞り204、スイッチ部71、OTP_3を含むAF-ONボタン80c,OTP_4を含むAF-ONボタン80dを有する。
カメラ本体100は、メインミラー12とサブミラー30を有するクイックリターンミラー、フォーカシングスクリーン13、測光センサ17(AEセンサ)、システム制御部50、焦点駆動回路115、測光回路106及び焦点検出部11(AFセンサ)を備える。カメラ本体100は、ミラー駆動回路114、ファインダ16、ペンタプリズム14、撮像部22、シャッタ91、シャッタ駆動回路92、クランプ/CDS回路34、AGC35、A/D変換器23、画像処理部24及びメモリ制御部15を備える。カメラ本体100は、バッファメモリ37、メモリ32、表示部28、D/A変換器19、インタフェース40、記憶媒体200、不揮発性メモリ56、スイッチセンス回路93、時刻計測回路109、姿勢検出回路82及び液晶表示駆動回路107を備える。カメラ本体100はまた、ファインダ視野外表示装置9、ファインダ内液晶駆動回路111、ファインダ視野内表示器41、電源42、電源供給回路110及びバッテリチェック回路108を備える。カメラ本体100は更に、OTP_5を含む第1のレリーズボタン103、OTP_6を含む第2のレリーズボタン105、OTP_1を含むAF-ONボタン80a、OTP_2を含むAF-ONボタン80bを備える。
レンズユニット150は、レンズユニット150に設けられたレンズ側マウントとカメラ本体100に設けられたカメラ側マウントとを係合させることにより装着が可能であり、係合を解除することにより取り外すことができる。撮影レンズ155は、例えば、複数枚のレンズから構成されるが、図2では簡略化して示している。レンズユニット150は、単焦点レンズであるかズームレンズであるか等、レンズの種類を問わない。
通信端子66と通信端子10は、レンズ制御回路201がシステム制御部50と通信を行うための端子であり、レンズユニット150がカメラ本体100に機械的に装着されることで通信端子66と通信端子10は電気的に接続される。レンズ制御回路201は、絞り駆動回路203を制御して絞り204を駆動し、AF駆動回路202を制御して撮影レンズ155を光軸900に沿って移動させて被写体に焦点を合わせる。OTP_3とOTP_4は、レンズ制御回路201には接続される。
測光センサ17は、メインミラー12で反射してフォーカシングスクリーン13上に結像した被写体の輝度を測光する。測光回路106は、測光センサ17からの出力信号(測光結果)をシステム制御部50へ送る。焦点検出部11は、システム制御部50によって制御される焦点駆動回路115によって駆動される。メインミラー12はハーフミラーとして構成されており、メインミラー12を透過し、サブミラー30で反射した光は焦点検出部11へ導かれる。焦点検出部11は、入射した光学像に基づいて、例えば、位相差検出方式によりデフォーカス量を求め、求めたデフォーカス量をシステム制御部50へ出力する。システム制御部50は、焦点検出部11から取得したデフォーカス量に基づいてレンズユニット150を制御し、フォーカスレンズを合焦位置へ移動させる。
なお、AF方式は、位相差AF方式に限られず、コントラストAF方式であってもよい。また、位相差AFを行う際に、焦点検出部11を用いずに撮像部22の撮像面で検出したデフォーカス量に基づいて位相差AFを行う、所謂、撮像面位相差AF方式を用いてもよい。
システム制御部50は、ミラー駆動回路114を制御して、露光やライブビュー撮影、動画撮影の際のクイックリターンミラーのアップダウン動作を行う。クイックリターンミラーは、通常状態では撮影光路内のミラーダウン位置にあって、メインミラー12が入射光をフォーカシングスクリーン13へ向けて反射し、フォーカシングスクリーン13に光学像を結像させる。フォーカシングスクリーン13に結像した光学像は、ペンタプリズム14を介して、ファインダ16と測光センサ17へ導かれる。クイックリターンミラーは、撮影時又はライブビュー表示を行う際には、入射光を撮像部22へ導くように、撮影光路内から退避した位置へ移動(フォーカシングスクリーン13側へ回動)したミラーアップ位置に保持される。
撮像部22は、光学像を電気信号に変換する撮像素子であり、具体的には、CCDセンサ又はCMOSセンサである。ここでは、撮像部22は、35mmフルサイズCMOSセンサ又はAPS-CサイズCMOSセンサであるものとし、よって、撮像可能領域は略長方形状である。シャッタ91は、撮像部22の前方に配置されており、システム制御部50は、シャッタ駆動回路92を制御して、シャッタ91を駆動する。撮像部22から出力されるアナログ画像信号は、クランプ/CDS回路34とAGC35を介してA/D変換器23に送られる。A/D変換器23は、取得したアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、画像処理部24へ送る。
画像処理部24は、A/D変換器23から送られてきたデジタル画像信号又はメモリ制御部15から送られてきた画像データに対して、画素補間処理やリサイズ処理、色変換処理等の各種処理を行う。また、画像処理部24は撮像により得られた画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果を用いてシステム制御部50は、露光制御や測距制御を行う。つまり、TTL方式のAF処理、AE処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等が行われる。画像処理部24は更に、撮像により得られた画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
画像処理部24は、システム制御部50の制御下で、画像データをD/A変換器19へ送る。D/A変換器19は、画像データをアナログ信号に変換して表示部28へ送り、これにより表示部28に画像が表示される。画像処理部24には、画像データを一時的に記憶するためバッファメモリ37が接続されている。
メモリ32には、撮像部22によって撮像され、A/D変換器23によるA/D変換によって生成されたデジタル画像信号(画像データ)と、表示部28での表示用の画像データが格納される。メモリ32は、所定数の静止画像、所定時間の動画像及び音声を格納するための十分な記憶容量を有する。なお、メモリ32は、メモリカード等の着脱可能な記憶媒体であってもよいし内蔵メモリであってもよい。メモリ32への各種データの書き込みとメモリ32からの各種データの読み出しは、メモリ制御部15によって制御される。
メモリ制御部15には、インタフェース40を介して記憶媒体200が接続される。
システム制御部50は、不揮発性メモリ56を有する。不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去と記憶が可能なメモリであり、例えば、EEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用定数やプログラム等が格納される。システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサを内蔵しており、カメラ1000の全体的な制御を行う。
第1のレリーズボタン103と第2のレリーズボタン105、スイッチ部70及び電源スイッチ43は、スイッチセンス回路93を介してシステム制御部50に接続される。時刻計測回路109は、システム制御部50が各種の制御を行う際に必要な時間を計測し、計測時間をシステム制御部50へ送信する。姿勢検出回路82は、例えば、ジャイロセンサ等を有し、カメラ1000の姿勢を検出して、システム制御部50へ通知する。液晶表示駆動回路107は、システム制御部50の制御下で、カメラ1000に係る各種情報をファインダ視野外表示装置9に表示する。ファインダ内液晶駆動回路111は、システム制御部50の制御下で、ファインダ視野内表示器41の表示を制御する。
電源42は、カメラ1000の各部に電力を供給する。電源42は、ここでは、AC電源(ACアダプター)42aを備えると共に二次電池42bを有する構成となっているが、これに限定されるものではない。電源42からは、電源供給回路110を介してシステム制御部50に電力が供給される。システム制御部50は、バッテリチェック回路108を介して、二次電池42bの電池残量をチェックする。
システム制御部50には、OTP_1,_2,_5,_6が接続されている。また、レンズユニット150がカメラ本体100に装着されると、レンズユニット150に設けられたOTP_3,_4は、レンズ制御回路201を介してシステム制御部50に接続される。OTPは、例えば、赤外線方式のタッチセンサであるが、これに限られず、抵抗膜方式、表面弾性波方式、静電容量方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等であってもよいし、別の方式のタッチセンサであってもよい。
システム制御部50は、OTPの出力信号に基づいて、AF-ONボタン80a~80d、第1のレリーズボタン103又は第2のレリーズボタン105に対するユーザの指のスライド操作による指の動きの方向(以下「移動方向」という)を検出する。具体的には、システム制御部50は、移動方向を上、下、左、右、左上、左下、右上及び右下の8方向で求める。さらに、システム制御部50は、OTPの出力に基づいて、平面内で互いに直交するx軸方向とy軸方向の各方向でのスライド操作の移動量(以下、「移動量(x,y)」と記す)を求める。
システム制御部50は、OTPに対する次の操作又は状態を検知する。第1の操作は、OTPに新たに指がタッチ(接触)したこと(タッチの開始)であり、「タッチダウン」と称呼する。第1の状態は、OTPに指がタッチしている状態であり、「タッチオン」と称呼する。第2の操作は、OTPに指をタッチさせた状態で指を移動させることであり、「タッチムーブ」と称呼する。第3の操作は、OTPにタッチしていた指を離したこと(タッチの終了)であり、「タッチアップ」と称呼する。第2の状態は、OTPに何もタッチしていない状態であり、「タッチオフ」と称呼する。
タッチダウンが検知されると、これと同時にタッチオンであることが検知される。タッチダウンの後、タッチアップが検知されない限りは、通常、タッチオンは継続して検知される。タッチムーブは、タッチオンが検知されている状態で検知される。しかし、タッチオンが検知されても、移動量(x,y)がゼロ(0)であればタッチムーブは検知されない。タッチしていた全ての指がタッチアップしたことが検知された後に、タッチオフとなる。
システム制御部50は、上記の操作、状態、移動方向及び移動量(x,y)に基づいて、OTP上でどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについては、OTPにおける上、下、左、右、左上、左下、右上および右下の8方向、又は、x軸方向及びy軸方向の2次元方向の移動が検知される。システム制御部50は、8方向のいずれかの方向への移動又はx軸方向及びy軸方向の一方向又は両方向への移動を検知すると、スライド操作が行なわれたと判定する。ユーザの指がOTPにタッチしたがスライド操作されることなく所定の時間内にタッチを離す操作を行った場合、システム制御部50はタップ操作が行われたと判定する。タップ操作とは、指先でAF-ONボタン又はレリーズボタンを軽く突いて離す操作を指す。
例えば、ユーザが第1のレリーズボタン103や第2のレリーズボタン105、AF-ONボタン80a~80dにタッチ操作を行って2次元方向に指をスライドさせる。このような操作が行われると、システム制御部50は、OTPによって検知された移動量(x,y)を取得し、取得した移動量(x,y)をシステムメモリ52に格納する。また、システム制御部50は、OTPによって検知された移動方向を取得し、取得した方向をシステムメモリ52に格納する。システム制御部50は、システムメモリ52に格納した移動量(x,y)と移動方向に基づいて、ファインダ視野内表示器41に表示される測距点枠(図8参照)と表示部28に表示可能な測距点枠(図8参照)の移動後の位置を求める。そして、システム制御部50は、測距点枠と測距点枠を移動後の位置へ移動させて表示する。例えば、ユーザは、第1のレリーズボタン103の押圧によってサーボAFを実行している際に、AF-ONボタン80aに組み込まれたOTP_1を操作することにより、サーボAFの実行中に測距点枠を移動させる操作を行うことができる。一方、ユーザは、第1のレリーズボタン103や第2のレリーズボタン105、AF-ONボタン80a~80dのいずれかに対して指を離さずに押圧するか又は押圧を解除することにより、AF処理のオン、オフを切り替えることができる。
第1のレリーズボタン103、第2のレリーズボタン及びAF-ONボタン80a~80dは、タッチ操作やスライド操作を行いながら、速やかにAF処理を開始することができるようにするため、次に図3及び図4を参照して説明する配置とすることが望ましい。
図3は、カメラ1000において撮影の際にユーザによって操作される操作部の配置を説明する斜視図である。図3(A)は、第1のレリーズボタン103の配置を示す背面図である。第1のレリーズボタン103は、第1のグリップ部101を握った手301の人差し指301aで操作可能な位置に配置されている。つまり、第1のレリーズボタン103はカメラ1000を上側から見た際に、第1のグリップ部101の突出部と重畳する位置に配置されている。
図3(B)は、第2のレリーズボタン105の配置を示す斜視図である。第2のレリーズボタン105は、第2のグリップ部102を握った手301の人差し指301aで操作可能な位置に配置されている。つまり、第2のレリーズボタン105はカメラ1000を背面側において右側面方向から見た際に、第2のグリップ部102の突出部と重畳する位置に配置されている。
図3(C)は、AF-ONボタン80a,80cの配置を示す斜視図である。AF-ONボタン80aは、第1のグリップ部101を握った手301の親指301bで操作可能な位置に配置されている。AF-ONボタン80cは、第1のグリップ部101を握った手301と異なる手302の親指302aで操作可能な位置に配置されている。
図3(D)は、AF-ONボタン80b,80dの配置を示す斜視図である。AF-ONボタン80bは、第2のグリップ部102を握った手301の親指301bで操作可能な位置に配置されている。また、AF-ONボタン80dは、第2のグリップ部102を握った手301と異なる手302の親指302aで操作可能な位置に配置されている。
図4は、AF-ONボタン80a~80dの配置を説明する図である。図4(A)は、AF-ONボタン80aの配置を説明する背面図である。AF-ONボタン80aは、カメラ1000を正位置姿勢で背面側から見た際に、第1のグリップ部101の上下方向(垂直方向)の長さの略中心より上側に配置される。そして、AF-ONボタン80aは、カメラ1000を正位置姿勢で背面側から見た際に、表示部28の左右方向(水平方向)の中心線より右側に、且つ、ファインダ16の凸形状部601を避けた範囲Aに配置されることが望ましい。図4(B)は、AF-ONボタン80bの配置を説明する背面図である。AF-ONボタン80bは、カメラ1000を正位置姿勢で背面側から見た際に、第2のグリップ部102の左右方向の長さの略中心より右側に、且つ、表示部28の上下方向の中心線より下側の範囲Bに配置されることが望ましい。図4(C)は、AF-ONボタン80cの配置を説明する側面図である。AF-ONボタン80cは、レンズユニット150において、カメラ1000を正位置姿勢で背面側から見たときの左側となる側面から(第1のグリップ部101の逆側の面から)見える範囲Cに配置することが望ましい。図4(D)は、AF-ONボタン80dの配置を説明する上面図である。AF-ONボタン80dは、レンズユニット150において、カメラ1000が正位置姿勢で上面側から(第2のグリップ部102の逆側の面から)見える範囲Dに配置することが望ましい。
なお、AF-ONボタン80a(OTP_1)については更に、カメラ1000を正位置姿勢で背面側から見た際に、以下の関係1乃至関係4が満たされる位置に配置することが望ましい。
関係1は、左右方向(水平方向)において、第1のグリップ部101の右端からAF-ONボタン80aの中心までの距離が、第1のグリップ部101の右端からファインダ16の凸形状部601の中心までの距離よりも短い、という関係である。これにより、ユーザがファインダ16を覗きこんだ際に、ユーザの目とAF-ONボタン80aを操作する指との干渉を防止して、操作性を高めることができる。
関係2は、AF-ONボタン80aは、人差し指で操作する第1のレリーズボタン103に対して、筐体(カメラ本体100)を挟んで対向する位置に設けられている、という関係である。これにより、ユーザは、AF-ONボタン80aを操作した後、第1のレリーズボタン103を押下するまでの間、第1のグリップ部101を隙間なくしっかり把持し続けることが可能になる。
関係3は、左右方向において、第1のグリップ部101の右端からAF-ONボタン80aの中心までの距離が、第1のグリップ部101の右端から第1のレリーズボタン103の中心までの距離よりも長い、という関係である。これにより、ユーザは、第1のグリップ部101から手の腹部分を浮かせずに、第1のレリーズボタン103とAF-ONボタン80aを操作することが可能になる。
関係4は、左右方向において、第1のグリップ部101の右端から表示部28の中心までの距離が、第1のグリップ部101の右端からAF-ONボタン80aの中心までの距離よりも長い、という関係である。これにより、AF-ONボタン80aを操作する指で表示部28が隠れてしまうのを防止して、表示部28に表示される測距点枠等の表示物をAF-ONボタン80aにより操作する際の操作性を高めることができる。
次に、AF-ONボタン80a(OTP_1)の構造について詳細に説明する。図5は、AF-ONボタン80aの構造を説明する図であり、図5(A)はAF-ONボタン80aとOTP_1との位置関係を示す上面図であり、図5(B)は図5(A)に示す矢視D-Dでの断面図である。なお、AF-ONボタン80b~80dはAF-ONボタン80aと同等の構成を有しているため、AF-ONボタン80b~80dについての詳細な説明は省略する。
AF-ONボタン80aは、略円筒形状を有し、カメラ本体100の外装面と略直交する方向に動作可能であり、導電ゴム(第1の導電部)を用いたスイッチである。AF-ONボタン80aは、外装面に対してカメラ本体100の内部へ向けて押し込まれることでオンする。
OTP_1は、AF-ONボタン80aに形成された凹部80eに配置される。OTP_1上には、位置検出用レンズ部880aと照射用レンズ部880bを有するレンズ880が配置されている。そして、AF-ONボタン80aには、肉厚の薄い鏡面部80f,80gを有する透明な窓部が設けられている。
OTP_1は、内面側の鏡面部80g側から外観側の鏡面部80f側に向かって発光部から光を射出し、射出された光は照射用レンズ部880bを通って鏡面部80f上に置かれた指に拡散光として照射される。すると、AF-ONボタン80aに接触(操作)している指(操作体)の指紋等の模様の反射光が、位置検出用レンズ部880aを通って受光部である光学式位置検出素子に結像する。そして、結像した指紋等の模様(光学像)を検出することにより、指の位置や動きを検出することができる。
なお、鏡面部80f,80gで構成される部分は、他の部分と比較すると急激に肉厚が薄くなる部分であるため、AF-ONボタン80aを金型成型等で作成する場合に金型から製品が取り出された際に熱収縮等の影響を受けやすい。そして、熱収縮等によってわずかであっても凹凸の変曲点を有する表面形状になってしまうと、鏡面であるために外光等の反射により変曲点が目立ってしまう。特に、鏡面部80fは外観面となるため、変曲点が存在すると商品価値を低下させてしまうおそれがある。この問題を回避するために、本実施形態では、鏡面部80fは、成型時の熱収縮等による変曲点が発生しないように、鏡面部80fの外側の外周面80hから中心に向けて緩やかに凹状となる半径SRの球面形状となっている。これにより、鏡面部80fは、変曲点を有さないために外観の品位が向上し、また、外周面80hから突出しないために傷が付き難くなる。
また、位置検出用レンズ部880aにより指紋等の模様の反射光を結像させる際には検知領域の中心と外周の光路長変化をできる限り小さくすることが望ましく、そのためには鏡面部80fの中心と外周部の肉厚差を0.02mm以下とすることが望ましい。この場合、鏡面部80fの直径を“α(mm)”とすると、凹状球面の半径SR(mm)とは、“SR≧6.25α2+0.01”の関係を満たす数値とすることが望ましい。
更に、外周面80hに対して鏡面部80fの凹み量が大き過ぎると、指が鏡面部80fに密着しなくなることで検知不良が発生するおそれがある。この問題を回避するために、鏡面部80fの凹み量は0.015mm以内とすることがより望ましい。この場合、鏡面部80fの直径α(mm)と凹状球面の半径SR(mm)とは、“SR≧8.33α2+0.0075”の関係を満たす数値とすることが望ましい。
また、指の指紋の反射光の検出範囲を考慮すると、鏡面部80fの範囲(領域)を規定する直径αは2mm~15mm程度とすることが望ましい。本実施形態では、鏡面部80fの範囲を円形状としたが、鏡面部80fの形状はこれに限らず、検知領域を包括していれば、四角形状やその他の形状であっても構わず、鏡面部80gの形状は鏡面部80fの形状に合わせればよい。
ところで、外観に露出している鏡面部80fは凹状球面となっているため、鏡面部80fに塵埃が付着した場合には、付着した塵埃が鏡面部80fの中心80iに集まりやすい。そこで、位置検出用レンズ部880aの光学系の光軸中心881と、AF-ONボタン80aの鏡面部80fの中心80iとは、同一平面内の第1の方向でΔAだけずらして、且つ、第1の方向と直交する第2の方向でΔBだけずらして、配置されている。これにより、指紋画像を取得する際に塵埃の影響を受け難くすることが可能となっている。
なお、本実施形態では、鏡面部80fの中心80iと位置検出用レンズ部880aの光軸中心881とをずらした。しかし、これに限らず、鏡面部80fにおいて外周面80hから最も遠い部分(塵埃の溜まりやすい部分)を位置検出用レンズ部880aの光学系の光軸中心881からずらした構成としてもよい。
外周面80hは、指の滑りをよくするために梨地処理が施されていることが望ましい。また、指を置く中心を感覚的に認識しやすくするために、外観に向かって凸形状になっていること(高さが内周側よりも外周側で高い構造となっていること)が望ましい。
図6(A)は、AF-ONボタン80aの組立時において、OTP_1が固定される前の状態を示す断面図である。図6(B)は、AF-ONボタン80aの組立時において、OTP_1が固定された後の状態を示す断面図である。なお、AF-ONボタン80b~80dそれぞれへのOTP_2~_4の組み込みは、AF-ONボタン80aへのOTP_1の組み込みと同様に行われるため、AF-ONボタン80b~80dについての詳細な説明は省略する。
前述の通り、OTP_1は、フレキシブル回路基板800に実装されて、AF-ONボタン80aに形成された凹部80eに配置される。つまり、OTP_1は、AF-ONボタン80aにおいて指が載置される面の下方(下側)に配置される。
OTP_1が実装されたフレキシブル回路基板800においてOTP_1が実装されている面800bは、カメラ本体100の外装カバー100a(外装部材)の内面100bよりもカメラ本体100の外表面側(外観側)に配置されている。これにより、使用者の指が触れるAF-ONボタン80aの上面を、外装カバー100aの表面から一定の高さとなる位置とすることが可能になることで、操作性を高めることができる。
一方で、OTP_1が実装されている面800bが外装カバー100aの内面100bよりもカメラ本体100の外表面側に配置された場合には、フレキシブル回路基板800を折り曲げ部800aで内部側に折り曲げる必要がある。
そこで、AF-ONボタン80aの直下には、AF-ONボタン80aを摺動可能とするための軸穴600aを備えるボタンベース600が配置されている。AF-ONボタン80aと連動して動作するアンダー操作部材90(連動部材)の嵌合軸90aが、ボタンベース600の軸穴600aに摺動可能に嵌合している。AF-ONボタン80aとアンダー操作部材90の接合部89とは全周にわたって接着されている。こうして、OTP_1は、AF-ONボタン80a及びアンダー操作部材90と一体的に動作する。
なお、AF-ONボタン80aとアンダー操作部材90との接合部89に内外に通じる通路(空洞)が存在すると、その通路を通して外部から水(液体)が内部へ浸入してしまうおそれがある。そこで、例えば、アンダー操作部材90に透光性の高い材料を用いることで、AF-ONボタン80aとアンダー操作部材90の全周を接着する際に接着剤を観察することができるようにすることが望ましい。これにより、内外に通じる通路のない接合部89を形成することができる。
カメラ本体100の外装カバー100aとボタンベース600との間にはシリコンラバー等の弾性部材700が挟持される。これによって、外装カバー100aとボタンベース600の間から内部への水の侵入が防止される。また、アンダー操作部材90に形成された斜面部90bと弾性部材700に設けられた腕部700aとが全周で接触しており、これにより、AF-ONボタン80aと外装カバー100aとの間から内部への水の侵入が防止される。
AF-ONボタン80aの組立工程では、図6(A)に示されるように、先ず、フレキシブル回路基板800が、アンダー操作部材90に形成された穴部90cを挿通し、腕部700aの内周を経て引き出され、不図示の基板等に接続される。この状態では、AF-ONボタン80aが押下される度にフレキシブル回路基板800の折り曲げ部800aに負荷が掛かることで折り曲げ部800aにて回路(配線)が疲労断線してしまうおそれがある。そこで、穴部90cにフレキシブル回路基板800を通した後に、図6(B)に示されるように、固定部材65を穴部90cに挿入して、アンダー操作部材90と固定部材65を接着剤等で固定する。これにより、フレキシブル回路基板800がアンダー操作部材90に固定されるため、AF-ONボタン80aを押下した際にフレキシブル回路基板800の折り曲げ部800aに負荷が掛かるのを抑制することができる。
アンダー操作部材90の下側(カメラ本体100の内部側)には、導電ゴム500aを有するスイッチゴム500と、フレキシブルプリント基板502とが配置されている。フレキシブルプリント基板502において、導電ゴム500aの下側には導電パターン502aが設けられている。AF-ONボタン80aを押下すると、導電ゴム500aは、AF-ONボタン80aに接着されたアンダー操作部材90によってカメラ本体100の内部側へ押し込まれて、導電パターン502aと接触する。これにより、AF-ONボタン80aはオン状態(電気接続された状態)となる。なお、本実施形態では、導電ゴムを用いてオン状態とオフ状態とが切り替えられるスイッチをAF-ONボタン80aに用いたが、AF-ONボタン80aは、外装カバー100aに対して略垂直方向に動作するものであればよい。例えば、反転ばね等を用いたタクトスイッチをAF-ONボタン80aに用いることができる。
続いて、図7を参照して、第1のレリーズボタン103にOTP_5を、第2のレリーズボタン105にOTP_6をそれぞれ組み込む構成について説明する。なお、第2のレリーズボタン105の構成は第1のレリーズボタン103の構成と同じである。また、第2のレリーズボタン105へのOTP_6の組み込みは、第1のレリーズボタン103へのOTP_5の組み込みと同様に行われる。そのため、第2のレリーズボタン105についての構成及び組立について説明は省略する。
OTP_5は、フレキシブル回路基板810に実装されて、第1のレリーズボタン103に形成された凹部103eに配置される。第1のレリーズボタン103の直下には、第1のレリーズボタン103を摺動可能とするための軸穴610aを備えるボタンベース610が配置されており、アンダー操作部材99の嵌合軸99aが軸穴610aに摺動自在に嵌合している。アンダー操作部材99は、抜け止め部材69によってボタンベース610に係止されている。第1のレリーズボタン103とアンダー操作部材99と接合部79とは、全周にわたって接着されており、これにより、OTP_5は第1のレリーズボタン103と結合して一体的に動作する。
カメラ本体100の外装カバー100aとボタンベース610との間にはシリコンラバー等の弾性部材710が挟持される。これによって、外装カバー100aとボタンベース610の間から内部への水の侵入が防止される。また、アンダー操作部材99に形成された斜面部99bと弾性部材710に設けられた腕部710aとが全周で接触しており、これにより、第1のレリーズボタン103と外装カバー100aとの間から内部への水の侵入が防止される。
第1のレリーズボタン103の組立工程では、図7(A)に示されるように、先ず、フレキシブル回路基板810が、アンダー操作部材99に形成された穴部99cを通り、腕部710aの内周を経て、不図示の基板に接続される。この状態では、第1のレリーズボタン103が押下される度にフレキシブル回路基板810の折り曲げ部810aに負荷が掛かることで折り曲げ部810aにて回路(配線)が疲労断線してしまうおそれがある。
そこで、穴部99cにフレキシブル回路基板810を通した後に、図7(B)に示されるように、固定部材67を穴部99cに挿入して、アンダー操作部材99と固定部材67を接着剤等で固定する。これにより、フレキシブル回路基板810がアンダー操作部材99に対して固定されるため、第1のレリーズボタン103を押下した際にフレキシブル回路基板810の折り曲げ部810aに負荷が掛かるのを抑制することができる。
アンダー操作部材99の下側(カメラ本体100の内部側)には、導電性のリーフスイッチ777,888,999が配置されている。第1のレリーズボタン103が押下されてリーフスイッチ777,888同士が接触して導通すると、第1のシャッタスイッチ信号が発生して、撮影準備処理が実行される。第1のレリーズボタン103が更に押下されて、リーフスイッチ888,999同士が接触して導通すると、第2のシャッタスイッチ信号が発生して、撮影動作が実行される。
次に、撮影時のカメラ操作の例について説明する。図8は、カメラ1000で撮影を行う際のカメラ操作とファインダ16及び表示部28での表示例を説明する図である。図8(A)は、撮影時のカメラ操作と、カメラ操作に応じてファインダ16に表示される像を示す図である。図8(B)は、撮影時のカメラ操作と、カメラ操作に応じて表示部28に表示される像を示す図である。なお、図8(A),(B)に示したカメラ操作は同じ操作である。
ユーザは、手301で第1のグリップ部101を把持し、親指301bをAF-ONボタン80aに当ててOTP_1を操作しているものとする。図8(A),(B)それぞれに矢印901は、ユーザが親指301bをAF-ONボタン80aの表面(上面)でスライドさせたことに伴うOTP_1からの出力信号に基づいて、システム制御部50がタッチムーブを検知した方向を示している。
図8(A)において、ファインダ視野内表示器41に表示されている測距点枠405aは移動前の測距点枠であり、移動後の測距点枠が測距点枠405で示されている。ファインダ視野内表示器41に表示されている矢印902は、タッチムーブによる測距点枠405aから測距点枠405への測距点枠の移動方向を表しており、OTP_1に対するタッチムーブの方向を示す矢印901と同一方向である。
図8(B)には、撮影時の測距点としての測距点枠を設定可能な測距枠が破線四角形で示されている。換言すれば、ユーザは、複数の測距枠の中から所望の測距枠を測距点枠(測距点)として選択することができる。図8(B)において、表示部28に表示されている測距点枠305aは移動前の測距点枠であり、移動後の測距点枠が測距点枠405で示されている。表示部28に表示されている矢印903は、タッチムーブによる測距点枠405aから測距点枠405への測距点枠の移動方向を表しており、OTP_1に対するタッチムーブの方向を示す矢印901と同一方向である。
このようにしてカメラ1000では、操作部材間における指の移動を行うことなくAF位置の選択とAFの開始を容易に行うことが可能となっている。その際、例えば、第1のレリーズボタン103及び第2のレリーズボタン105では、押下の誤検知を回避するための十分なストロークを確保することが可能となっている。
なお、OTP_1~_6はそれぞれ、タッチ操作とスライド操作の受付について有効か無効かを設定により切り替えることができる。また、OTP_1~_6はそれぞれ、AF動作中であっても、タッチ操作とスライド操作を受け付けることが可能な設定とすることもできる。
なお、ここまではOTPを用いてAF位置の選択し、AFを開始する構成について説明したが、カメラ1000での撮像、再生、設定での動作を選択し、選択した動作の開始又は選択決定の指示にOTPを利用することができる。例えば、撮像には被写体に合焦させる動作が含まれ、再生には画像送りや画像の拡大・縮小が含まれ、設定にはシャッタスピードやISO感度、絞り、露出補正等の設定が含まれる。そして、表示部に撮像や再生、設定等の動作を選択するための画面を表示する共に、表示された画面から所望の項目を選択するためのカーソル(表示体)を表示する。そして、OTPに対する入力量に応じてカーソルを移動させて、OTPを備える操作部材の操作に応じてカーソルによって選択された動作を実行する。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、OTP_1~6は、AF-ONボタン80a~80d、第1のレリーズボタン103及び第2のレリーズボタン105に限らず、他の操作部材にも適用することができる。例えば、タッチパネルや操作部材を傾けて方向を指示するジョイスティック、回転ダイヤル、物理ボタン等にも適用することができる。