JP7270926B2 - ロックボルトの軸力検出用定着具 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル工事における掘削部分の支保のため、地山中に挿入されたロックボルトの軸力を検出するための軸力検出用定着具に関する。
従来より、NATM工法に代表される山岳トンネル工事では、発破による掘進毎に、掘削壁面に対するコンクリートの吹付けを行うとともに、多数のロックボルトをトンネル壁面に対して垂直に地山中に挿入することにより、吹付けコンクリートとロックボルトとを主たる支保として地山の定着を図った後、その外面に防水シートを敷設し、最終的なコンクリート覆工を行うことが知られている。
前記ロックボルトによる地山の定着には、従来より、図9に示されるように、吹付けコンクリート面に対し、例えばM24のロックボルト51の場合、直径約45mm、深さ3~4mのボアホール52を地山に穿孔し、このボアホール52内にグラウト材53を充填した後、ロックボルト51を挿入し地山と定着させ、ロックボルト51の頭部が貫通された支圧板54を定着面に設置するとともに、その外面側からロックボルト51にナット55を螺合して定着させる定着具50が用いられていた。
前記ロックボルトの支保効果を確認するとともに地山の変形状況を把握するため、ロックボルトに作用する軸力を検出する技術が種々開発されている。例えば、下記特許文献1には、ボルト本体の長さ方向に沿ってリード線に連結されたひずみゲージが所定の間隔で複数配置された軸力測定用ロックボルトが開示されている。また、下記特許文献2には、地山に設置され、少なくとも地山からの突出部分の端部近傍に雄ねじ部が設けられるアンカー材と、前記アンカー材の突出部分に外挿されるワッシャーと、前記アンカー材の雄ねじ部に螺合され、前記ワッシャーと接触して前記ワッシャーを地山側に押圧するナットとを備え、前記ワッシャーの前記ナット側表面に、前記ワッシャーの本体と相違する色を有し、前記ワッシャーの所定量以上の変形で剥離する塗膜が設けられ、前記塗膜が前記ワッシャーの前記ナット側表面における前記ナットと接触しない領域に設けられた地山変状検出構造が開示されている。
実開昭57-2435号公報 特許第5649234号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるようなひずみゲージを備えたロックボルトは、高額であり、特別な計測機器や電源が必要になるなど、計測の利便性に難点があった。
また、上記特許文献2に開示される所定量以上の変形で剥離する塗膜が設けられた軸力検出ワッシャーの場合は、電源が不要などの利点を有するが、広範囲に設ける場合には、比較的高額になるとともに、塗膜の剥離具合が離れた位置から確認しにくいなどの欠点があった。また、この軸力検出ワッシャーの場合は、定着面の凹凸状態やワッシャーの据え付け状態によってワッシャーの変形量が大きく変化してしまうなどの問題もあった。
そこで本発明の主たる課題は、目視では確認が困難なロックボルトに作用する軸力を、測定器等を使用することなく、安価で目視のみで容易かつ正確に検出できるようにしたロックボルトの軸力検出用定着具を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、ロックボルトに作用する軸力を検出可能としたロックボルトの軸力検出用定着具であって、
前記ロックボルト定着具は、ロックボルトが貫通された状態で定着面に設置される支圧板と、ロックボルトに螺合されるナットとの間に配置される透明板と、前記支圧板と前記透明板との間に配置され、圧力を受けることにより発色するとともに、発色濃度が圧力の大きさに応じて変化する圧力測定フィルムとを含むことを特徴とするロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項1記載の発明では、支圧板とナットとの間に透明板が配置されるとともに、前記支圧板と透明板との間に圧力測定フィルムが配置されることにより、ロックボルトの軸力検出用定着具が構成されている。前記圧力測定フィルムは、圧力を受けることにより発色するとともに、発色濃度が圧力の大きさに応じて変化するように構成されている。地山の変形などによりナットを介して支圧板に圧力が作用した場合、支圧板と透明板との間に挟み込まれた圧力測定フィルムに所定の圧力が作用し、圧力測定フィルムが発色する。この発色した状態が前記透明板を透かして外部の離れた位置からでも明確に視認できるため、測定器等を使用することなく、安価で目視のみで容易にロックボルトに作用する軸力を検出できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記圧力測定フィルムは、異なる圧力領域で発色する複数の種類のものを予め用意しておき、現場において地山の状態に応じて使用する種類を変化させている請求項1記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項2記載の発明では、異なる圧力領域で発色する複数の種類の圧力測定フィルムを予め用意しておき、現場において、例えば、軟弱地盤では地山の変形が生じやすいため通常のものより高い圧力領域で発色する圧力測定フィルムを使用するなど、地山の状態に応じて使用する種類を変化させている。
請求項3に係る本発明として、前記透明板は、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル(PMMA)、アクリロニトリルスチレン(AS)及びポリカーボネート(PC)の内のいずれかからなる請求項1、2いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記透明板の素材について、前記圧力測定フィルムの発色状態が外部から透けて視認可能な透明度を有するとともに、所定の圧力に対する強度を備えたものとして好適ないくつかの樹脂材を例示している。
請求項4に係る本発明として、前記支圧板の圧力測定フィルム当接側の面又は前記透明板の圧力測定フィルム当接側の面に、前記ロックボルトの中心軸を中心とした環状突起部が半径方向に所定の間隔で複数設けられている請求項1~3いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記支圧板の圧力測定フィルム当接側の面又は前記透明板の前記圧力測定フィルム当接側の面に、環状突起部を半径方向に所定の間隔で複数設けることによって、圧力測定フィルムに作用する圧力が環状突起部に集中的に作用するため、圧力測定フィルムがより明確に発色するようになり、外部からの視認性をより向上できる。
請求項5に係る本発明として、前記透明板に、前記ロックボルトの中心軸を中心として半径方向に所定の間隔で、軸力用目盛りが設けられている請求項1~4いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記透明板に軸力検出用目盛りを設けることにより、軸力の増加に伴ってロックボルトの中心軸を中心として徐々に拡大する円形の発色部の外縁を目安として、ロックボルトに作用している軸力の大きさが把握できるようになる。
請求項6に係る本発明として、前記支圧板の圧力測定フィルム当接側の面に、多数のドット状突起部が形成されるか、前記支圧板と前記圧力測定フィルムとの間に、前記圧力測定フィルムとの当接面が凹凸状に形成された表面凹凸板が介在されている請求項1~5いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項6記載の発明では、圧力測定フィルムが発色しやすいように、前記支圧板の前記圧力測定フィルム当接側の面に、多数のドット状突起部を形成するか、前記支圧板と圧力測定フィルムとの間に、表面が凹凸状に形成された表面凹凸板を介在している。
請求項7に係る本発明として、前記圧力測定フィルムが上下2層で配置されており、下層側圧力測定フィルムが上層側圧力測定フィルムより外側に延在する大きさで形成されるとともに、上層側圧力測定フィルムが下層側圧力測定フィルムより大きな圧力領域で発色するように構成されている請求項1~6いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具が提供される。
上記請求項7記載の発明では、上下2層で圧力測定フィルムを配置し、下層側圧力測定フィルムを相対的に大きな寸法で形成し、上層側圧力測定フィルムを相対的に大きな圧力領域で発色するもので構成することによって、所定の圧力範囲では、下層側圧力測定フィルムが発色し、これより大きな圧力が作用すると上層側圧力測定フィルムが発色するようになり、上層側圧力測定フィルムが発色し出したら要注意であるとの目安とすることができる。
以上詳説のとおり本発明によれば、目視では確認が困難なロックボルトに作用する軸力を、測定器等を使用することなく、安価で目視のみで容易かつ正確に検出できるようになる。
本発明に係る軸力検出用定着具1を用いたロックボルト2の使用状態を示すトンネルの横断面図である。 軸力検出用定着具1を用いたロックボルト2を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。 環状突起部9が設けられた支圧板4を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。 軸力検出用目盛り10が設けられた透明板6の平面図である。 ドット状突起部11が設けられた支圧板4の平面図である。 圧力測定フィルム7が1層の場合を示す、(A)はロックボルト2の頭部の側面図、(B)は支圧応力分布図、(C)は平面図である。 圧力測定フィルム7が2層の場合であって応力が小さい場合を示す、(A)はロックボルト2の頭部の側面図、(B)は支圧応力分布図、(C)は平面図である。 圧力測定フィルム7が2層の場合であって応力が大きい場合を示す、(A)はロックボルト2の頭部の側面図、(B)は支圧応力分布図、(C)は平面図である。 従来の定着具50を用いた施工状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る軸力検出用定着具1が装着されるロックボルト2の適用例としては、図1に示されるように、山岳トンネルの施工を挙げることができる。山岳トンネルの施工手順は、概ねドリルジャンボ等の削孔機によって切羽に穿孔を形成し、これに爆薬を装填して爆破することにより順次岩盤を破壊する発破を行い、掘削ズリを坑外に搬出した後、掘削を終えた壁面に対して、図1に示されるように、吹付けロボットにより吹付けコンクリート3を施工し、順次地山に向けて複数のロックボルト2、2…を打設して地山を支保する。
前記ロックボルト2の施工は、通常、吹付けコンクリート3の外面からボアホールを地山に穿孔し、このボアホール内にグラウト材を充填した後、ロックボルト2を挿入し、図2に示されるように、吹付けコンクリート3の外面から突出したロックボルト2が貫通した状態で支圧板4を設置したたならば、ナット5をロックボルト2に螺合して定着させるという手順で行う。なお、前記グラウト材の注入は、ボアホールにロックボルト2を挿入した状態で行うようにしてもよい。
これに対して、本願発明に係る軸力検出用定着具1は、ロックボルト2に作用する軸力を、測定器等を使用することなく、目視のみで容易かつ正確に検出できるようにしたものであり、前記支圧板4と前記ナット5との間に透明板6が配置されるとともに、前記支圧板4と透明板6との間に、圧力を受けることにより発色するとともに、発色濃度が圧力の大きさに応じて変化する圧力測定フィルム7が配置された定着構造となっている。すなわち、軸力検出用定着具1は、前記透明板6と圧力測定フィルム7との積層構造によって構成され、前記圧力測定フィルム7が支圧板4と透明板6との間に挟み込まれた状態で配置された構造となっている。
前記支圧板4は、図2に示されるように、角形、円形等の平面形状からなる金属製の平板で、地山に穿孔されたボアホールより大きな外形寸法で形成されている。また、その平面の中央部には、吹付けコンクリート3の外面から突出するロックボルト2の先端部分が挿通可能な厚み方向に貫通する開孔4aが形成されている。
前記透明板6は、図2に示されるように、角形、円形等の平面形状からなるプラスチック製の平板で、前記支圧板4と同等以下の大きさ、好ましくは支圧板4より小さな大きさで形成されている。また、その平面の中央部には、前記支圧板4の外面から突出するロックボルト2の先端部分が挿通可能な厚み方向に貫通する開孔6aが形成されている。
前記透明板6の材質としては、前記ナット5の締結に耐え得る所定の強度を有するとともに、前記圧力測定フィルム7が圧力を受けて発色した状態が透明板6の外面から透かして視認できる程度の透明性を有するプラスチックであれば公知のものを制限なく使用できるが、このような性質を有するプラスチック材としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル(PMMA)、アクリロニトリルスチレン(AS)又はポリカーボネート(PC)などを挙げることができる。
前記透明板6と支圧板4との間に配置される圧力測定フィルム7は、前述の通り、圧力を受けることにより発色するとともに、発色濃度が圧力の大きさに応じて変化するように構成されたものであり、好適には、富士フイルム株式会社製の商品名「プレスケール」(登録商標)を用いるのが好ましい。このプレスケールは、無色染料が内包されたマイクロカプセルからなる発色剤層と、前記無色染料との接触によって化学反応して発色する顕色剤層とが支持体に塗布されたもので、前記発色剤層のマイクロカプセルが圧力によって破壊され、その中の無色染料が顕色剤と接触して、化学反応することにより発色するものである。前記発色剤層のマイクロカプセルは、所定の圧力範囲内で異なる圧力で破壊するように大きさ・強度が調整されものが複数混在して配置され、支持体の全面にほぼ均等に塗布されている。このため、圧力の大きさに応じた発色濃度が得られるようになっている。また、前記マイクロカプセルの破壊強度を調整することにより、異なる圧力領域で発色する複数の種類の圧力測定フィルム7を得ることができる。現在、圧力に応じて超微圧用から超高圧用まで8種類9タイプのプレスケールが市販されている。発色した際の色としては、支圧板4の色(金属色)に対して目立つ色、例えば赤色などがよい。
前記圧力測定フィルム7による発色は、図2(B)に示されるように、ナット5で固定された中央部を中心としてほぼ円形に形成される。ロックボルト2の軸力は、ナット5で固定された中央部が最も大きく、外周に向かうに従って、支圧板4や透明板6の撓み変形によって軸力の影響が低下するため、前記圧力測定フィルム7の発色濃度は、中央部が最も濃く、外周へ向かうに従って徐々に薄くなるグラデーションを呈するようになる。ロックボルト2に作用する軸力が、圧力測定フィルム7の設定された圧力範囲内にある場合、図2(B)に示されるように、圧力測定フィルム7の中央から中間位置までの円形の発色部8が形成される。この発色部8の外縁の大きさから、ロックボルト2に作用している軸力の大きさがある程度定量的に推定できるようになる。
前記圧力測定フィルム7は、図2に示されるように、角形、円形等の前記透明板6とほぼ同じ外形で形成されたフィルム材である。また、その平面の中央部には、前記支圧板4の外面から突出するロックボルト2の先端部分が挿通可能な厚み方向に貫通する開孔7aが形成されている。
前記軸力検出用定着具1は、図1に示されるように、全てのロックボルト2…に設置してもよいし、所定の本数毎に1本の割合で設置してもよく、また地山の変形が懸念される範囲のみに設置してもよい。
以上の構成により、本軸力検出用定着具1は、ロックボルト2を挿入した地山の変形などによりナット5を介して支圧板4に圧力が作用した場合、支圧板4と透明板6との間に挟み込まれた圧力測定フィルム7に所定の圧力が作用し、圧力測定フィルム7が発色する。この発色した状態が前記透明板6を透かして外部の離れた位置からでも明確に視認でき、ロックボルト2の軸力が所定の軸力以上になっていることが目視で簡単に確認できる。このため、測定器等を使用することなく、安価で目視のみで容易かつ正確にロックボルト2に作用する軸力を検出できるようになる。前記圧力測定フィルム7が発色してロックボルト2の軸力が所定の軸力以上になっていることが確認された場合、必要に応じて、ロックボルトの増打ちや吹付けコンクリートの増吹きなどの対策を行うことができる。
次に、更に容易に軸力が検出できるようにして利便性を高めた種々の変形例について説明する。
図3に示されるように、前記支圧板4の圧力測定フィルム7当接側の面に、ロックボルト2の中心軸を中心とした環状突起部9を半径方向に所定の間隔で複数設けることができる。図示例では、3本の環状突起部9、9…が同心円状にほぼ等間隔に配置されている。前記環状突起部9を設けることにより、支圧板4から圧力測定フィルム7に作用する圧力が、この環状突起部9に集中して作用するため、圧力測定フィルム7がより明確に発色するようになる。前記環状突起部9がロックボルト2の中心軸を中心としたリング状に設けられているため、軸力の増加に伴ってロックボルトの中心軸を中心に徐々に拡大する円形状の発色部8が、前記環状突起部9の位置で濃くなり、外部からの視認性が向上する。前記環状突起部9は、環状部材を支圧板4の表面に貼着して設けてもよいし、支圧板4の表面の削り出しによって形成してもよい。前記環状突起部9は、支圧板4に設けるのではなく、前記透明板6の圧力測定フィルム7当接側の面に設けるようにしても同様の効果を得ることができる。
次の変形例として、図4に示されるように、前記透明板6に、ロックボルト2の中心軸を中心として半径方向に所定の間隔で、軸力検出用目盛り10を設けてもよい。図示例では、前記軸力検出用目盛り10は、中心側から5t(トン)、10t、15tの3本の目盛りが等間隔で同心円状に設けられている。軸力の増加に伴って中心側から徐々に拡大する発色部8の外縁が各目盛りに達した状態で、各目盛りに表示された軸力が作用していると判断できる。前記軸力検出用目盛り10の圧力数値は、予め室内試験(引張試験)を行い、ロックボルト2の引張力と圧力測定フィルム7の発色範囲の大きさ(直径)との相関性を把握することにより設定が可能である。
また他の変形例として、図5に示されるように、前記支圧板4の圧力測定フィルム7当接側の面に、多数のドット状突起部11、11…を所定の間隔を空けて形成してもよい。前記ドット状突起部11…を形成することにより、このドット状突起部11…に圧力が集中して圧力測定フィルム7が発色しやすくなるため、発色したときの外部からの視認性が向上する。前記ドット状突起部11は、支圧板4の表面にエンボス加工を施すことにより設けてもよいし、前記支圧板4と圧力測定フィルム7との間に、前記圧力測定フィルム7との当接面が凹凸状に形成された表面凹凸板を配置することにより設けてもよい。前記表面凹凸板としては、表面に凹凸加工を施した板状のものを制限なく用いることができ、一例として紙やすりなどを挙げることができる。
次に、前記軸力検出用定着具1の発色メカニズムについて、図6に基づいて更に詳細に説明するとともに、図7及び図8に基づいて他の変形例について説明する。
図6は、支圧板4の応力分布図と、圧力測定フィルム7の発色状態を模式的に示した図である。支圧板4の応力は、図6(B)に示されるように、ナット5で固定された中央部を最大として、外縁に向かうに従って徐々に小さくなる台形状に作用する。この支圧板4の応力が圧力測定フィルム7の発色する境界線を超えた領域で発色する。この発色する境界線は、圧力測定フィルム7の発色剤層のマイクロカプセルの破壊強度を調整することによって任意に設定可能である。異なる圧力領域で発色するように調整された圧力測定フィルム7を複数種用意しておき、地山強度に応じて現場で圧力測定フィルム7を選定すればよい。図6(B)に示されるように、地山の変形などによりロックボルト2に作用する軸力が高くなると、ナット5を介して支圧板4に作用する圧力が徐々に高くなる。その圧力が圧力測定フィルム7の発色境界値を超えるとマイクロカプセルの破壊によって発色するようになり、発色部8の面積が圧力が高くなるに従って拡大するようになる。従って、設置部位毎に相対的な軸力分布が把握可能となる。
次いで圧力測定フィルム7の配置の変形例について、図7及び図8に基づいて説明すると、圧力測定フィルムを上下2層で配置し、下層側圧力測定フィルム7Aが上層側圧力測定フィルム7Bより外側に延在する大きさで形成するとともに、上層側圧力測定フィルム7Bが下層側圧力測定フィルム7Aより大きな圧力領域で発色するように構成することができる。つまり、同図7及び図8の(B)に示されるように、上層側圧力測定フィルム7Bの発色する境界値Bが、下層側圧力測定フィルム7Aの発色する境界値Aより大きくなっている。これにより、図7に示されるように、所定の圧力範囲(発色する境界値AとBの間の範囲)では、下層側圧力測定フィルム7Aが発色し、発色する境界値Bより大きな圧力が作用すると、図8に示されるように、上層側圧力測定フィルム7Bが発色するようになる。従って、予め上層側圧力測定フィルム7Bの発色境界値Bを「要注意」領域に対応させて選定しておくことにより、現場で、上層側圧力測定フィルム7Bが発色し出したら「要注意」であるとの目印とすることができる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、山岳トンネルの施工に用いられるロックボルトを例に挙げ説明したが、地山の斜面のアンカー材に用いるロックボルト等に適用することも可能である。
1…軸力検出用定着具、2…ロックボルト、3…吹付けコンクリート、4…支圧板、5…ナット、6…透明板、7…圧力測定フィルム、8…発色部、9…環状突起部、10…軸力検出用目盛り、11…ドット状突起部

Claims (7)

  1. ロックボルトに作用する軸力を検出可能としたロックボルトの軸力検出用定着具であって、
    前記ロックボルト定着具は、ロックボルトが貫通された状態で定着面に設置される支圧板と、ロックボルトに螺合されるナットとの間に配置される透明板と、前記支圧板と前記透明板との間に配置され、圧力を受けることにより発色するとともに、発色濃度が圧力の大きさに応じて変化する圧力測定フィルムとを含むことを特徴とするロックボルトの軸力検出用定着具。
  2. 前記圧力測定フィルムは、異なる圧力領域で発色する複数の種類のものを予め用意しておき、現場において地山の状態に応じて使用する種類を変化させている請求項1記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
  3. 前記透明板は、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル(PMMA)、アクリロニトリルスチレン(AS)及びポリカーボネート(PC)の内のいずれかからなる請求項1、2いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
  4. 前記支圧板の圧力測定フィルム当接側の面又は前記透明板の圧力測定フィルム当接側の面に、前記ロックボルトの中心軸を中心とした環状突起部が半径方向に所定の間隔で複数設けられている請求項1~3いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
  5. 前記透明板に、前記ロックボルトの中心軸を中心として半径方向に所定の間隔で、軸力用目盛りが設けられている請求項1~4いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
  6. 前記支圧板の圧力測定フィルム当接側の面に、多数のドット状突起部が形成されるか、前記支圧板と前記圧力測定フィルムとの間に、前記圧力測定フィルムとの当接面が凹凸状に形成された表面凹凸板が介在されている請求項1~5いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
  7. 前記圧力測定フィルムが上下2層で配置されており、下層側圧力測定フィルムが上層側圧力測定フィルムより外側に延在する大きさで形成されるとともに、上層側圧力測定フィルムが下層側圧力測定フィルムより大きな圧力領域で発色するように構成されている請求項1~6いずれかに記載のロックボルトの軸力検出用定着具。
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