JP7269794B2 - 物品の処理装置および処理方法 - Google Patents
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Description
この処理部は、搬送方向における間隔をなくすとともに、搬送方向における間隔をなくすことにより、複数の物品を水平方向に集積することができる。
この処理装置における処理部は、式(1)を満足して移動することで、搬送方向において隣り合う物品と物品との間隔を狭くし、Vgxで移動することで、幅方向において隣り合う物品と物品との間隔を狭くすることができる。
Vc<Vgy … 式(1)
また、処理される物品の寸法、形状が変更されたとしても、機械的な型替作業は不要であり、処理部の移動経路、速度などの設定を変更するだけで、物品の変更に対応できる。仮に、処理部の交換が必要であったとしても、処理部は一度に処理する物品の数本分の寸法を有していればよい。したがって、処理部を交換する作業は長尺なガイドを交換するのに比べると負担が小さい。
本実施形態においては、物品の処理の一例として複数の容器100を集積する装置を説明する。本実施形態における処理装置1は、図1に示すように、容器100を上流Uから下流Dに向けて搬送する搬送部3と、搬送部3で運ばれる容器100を水平方向に移動させて集積する処理部5と、搬送部3および処理部5の動作を制御する制御部7と、を備えている。処理装置1は、長尺なガイドを使用することなく、複数の容器100の集積を実現する。
本実施形態における集積とは、複数の容器100が水平方向に隙間なく密集することをいう。
また、処理装置1において、上流Uおよび下流D、ならびに、幅方向x、搬送方向yおよび鉛直方向zは、図1に示した通りに定義される。上流Uおよび下流Dは相対的な意味を含んでいる。幅方向xおよび搬送方向yを含む二次元の平面は水平方向に沿っている。また、容器100が搬送される向きは、図1などに白抜きの矢印で示されている。
搬送部3は、上流Uから受け取った容器100を載せて下流Dに向けて容器100を所定の搬送速度Vcで搬送する。搬送部3の一例としてコンベヤ装置が掲げられ、一定の搬送速度Vcで容器100を搬送できるし、可変の搬送速度Vcで容器100を搬送できる。
処理部5は、搬送部3を搬送される容器100を押しながら搬送部3の任意の水平方向に移動させる。処理部5は、容器100を当初の位置から所望する位置まで移動する経路を案内するガイドとしての機能を有する。
処理部5が移動する速度は、幅方向xの速度成分Vgx、搬送方向yの速度成分Vgyおよび鉛直方向zの速度成分Vgzで表される。速度成分Vgxおよび速度成分Vgyは、処理部5による容器100の移動速度と等価である。
制御部7は、搬送部3の動作および処理部5の動作を制御する。
搬送部3の動作は、搬送部3の駆動の開始および停止に加えて、搬送部3の搬送速度Vcを含む。また、処理部5の動作は、処理部5の駆動の開始および停止に加えて、処理部5の移動方向および処理部5の速度成分Vgx,VgyおよびVgzを含む。
次に、処理装置1による容器100の集積手順の概要を、図2を参照して説明する。
図2に示すように、複数の容器100は、上流Uから下流Dに向けて搬送される過程で、処理部5が図中の斜め前方に移動することにより集積される。
容器100は、上流Uにおいて4行×6列のマトリックス状に整列したグループの単位(100G1,100G2)で搬送される。ここでいうマトリックス状に整列とは、一つの行を構成する複数の容器100が幅方向xに平行に並び、かつ、一つの列を構成する複数の容器100が搬送方向yに平行に並んでいることを意味する。加えて、集積の前の整列においては、隣り合う容器100と容器100の間に一定の隙間が設けられている。この隙間が設けられている複数の容器100からなる容器群100Gを処理部5で水平方向に移動させることで、隙間をなくした集積群100Pを形成する。
処理部5は移動成分Lyを有している。この移動成分Lyは、次工程で集積群100Pを処理する際に、隣り合う集積群100Pが処理の妨げにならないことを考慮して定められる。
処理装置1は、1行目(R1)の6本の容器100を移動させた後に、2行目(R2)、3行目(R3)および4行目(R4)のそれぞれの6本の容器100を順に移動させることにより、集積群100Pを形成する。この手順を図3~図5を参照して説明する。
その後は、図4(b)~図5(b)に示すように、始点(SP)から終点(EP)への移動と終点(EP)から始点(SP)への移動とを複数回繰り返す。そうすると、先行する容器群100G1は集積群100Pへと変換される一方、処理部5は後続の容器群100G2の集積動作に入る。
上述したように処理装置1は、始点にある処理部5が容器群100G1、100G2…から1行ずつ容器100を分離して終点まで移動することにより、集積群100Pを形成する。この処理部5による集積動作が行われている最中には、容器100は搬送部3により搬送されている。処理部5により容器群100G1,100G2…から集積群100Pを形成するために、搬送部3による容器100の搬送速度Vcと処理部5の移動速度Vgとは以下の関係を有する。なお、移動速度Vgは、図6(a)に示すように、幅方向xの速度成分Vgxと搬送方向yの速度成分Vgyを有している。なお、図6において、速度成分Vgx、速度成分Vgyとは異なる矢印は、処理部5が移動する向きを示している。図9~図11も同様である。
処理部5は、容器群100Gから1行分の容器100を分離するために、式(1)を満たす必要がある。
Vc<Vgy … (1)
Vc:搬送部3による容器100の搬送速度
Vgy:処理部5の搬送方向yの速度成分
ここで、後続の行に属する容器100が始点(SP)に対応する位置まで移動したときに、先行の行に属する容器100が終点(EP)まで移動する必要がある。したがって、処理部5は以下の式(2)を満たす必要がある。
(Vgy-Vc)/Ly=d/Vc … 式(2)
Vc:搬送部3による容器100の搬送速度
Vgy:処理部5の搬送方向yの速度成分
Ly:ye-ys
d:移動前の容器100と容器100の間隔
例えば、静止している容器100に速度Vrで移動する処理部5で接触する場合(第1態様)と、本実施形態のように搬送速度Vcで移動する容器100に速度成分Vgxが速度Vrの処理部5が接触する場合(第2態様)を比べる。つまり、容器100に処理部5が接触することで、容器100には転倒するおそれがある。特に、速度成分Vgxを大きくする場合には、この転倒を考慮する必要性が大きくなる。
次に、処理装置1が奏する効果を説明する。
以上、本発明の好ましい形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
以上で説明した実施形態は、1行を構成するN本の容器100を一度にまとめて移動させるが、これは本発明の好ましい形態にすぎない。本発明は、1行を構成するN本の容器100を分割して移動させることができる。一例として、本発明は、図7(a)~(d)に示すように、1行を構成する6本の容器100を3本ずつ移動させることもできる。
複数の容器100が搬送部3に供給されることで、本発明の集積装置が機能する。本発明おいてこの搬送部3への容器100の供給の形態は任意であるとともに、搬送部3における容器100の配列も任意である。
上述した実施形態では、処理部5は搬送方向yに傾斜する同じ経路を往復移動するが、本発明における処理部5の移動経路はこれに限定されない。図9~図11を参照してその一例(変形例)を説明する。この変形例は、搬送方向yに容器100と容器100の間隔を狭くして搬送方向yについて集積を行う第1動作と、幅方向xに容器100と容器100の間隔を狭くして幅方向xについて集積を行う第2動作と、を個別に行う。変形例で用いられる処理部5は真っすぐな部材のみからなる。
この変形例においても、図9(a)に示すように、容器100が4行×6列で搬送されているものとする。
はじめに、図9(b)に示すように、処理部5が2行目の容器100と3行目の容器100間に挿入され、3行目の容器100の流れをせき止める。これにより、4行目の容器100が停止している3行目の容器100に近づき、3行目と4行目の容器100の間隔が狭くなる。処理部5は、1行目の容器100と2行目の容器100の間に挿入され、次いで、図9(c)に示すように搬送方向yの上流Uに向かって移動することにより、2行目の容器100を3行目の容器100に向けて移動させる。次に、1行目の容器100を下流D側から上流U側に向けて移動させることにより、4行×6列で搬送される複数の容器100は、搬送方向yの間隔が狭くされ、搬送方向yに集積される。これで搬送方向yの集積動作は完了する。ここでは処理部5が鉛直方向zの上方から降下して挿入される例を示すが、本発明はこれに限るものではなく、搬送部3の側方に配置する処理部5を、幅方向xに移動させることで挿入することもできる。
次に、幅方向xの集積動作に移行する。
上述した実施形態では、処理部5が搬送方向yに傾斜する向きに直線運動することによって容器100を移動させるが、処理部5は回転運動することによって容器100を移動させることもできる。図12を参照してその一例を説明する。ここでいう回転運動とは、限られた角度の範囲で行われる回転運動である。
図12(a)のa-1、a-2およびa-3を参照すると、a-1のときの6本の容器100は、a-2まで搬送方向yに平行移動し、さらにa-2からa-3までの間は搬送方向yに傾斜する向きに平行移動する。なお、図12(a)に示すように、本実施形態において容器100を受け止めるストッパ9を設けることができる。
図12(b)のb-1、b-2およびb-3を参照すると、b-1のときの6本の容器100は、a-2まで搬送方向yに傾斜する向きに平行移動し、さらにa-2からa-3までの間も搬送方向yに傾斜する向きに平行移動する。
以上で説明した実施形態は、処理部5が予め定められた移動経路および速度で移動することを前提として説明したが、本発明はこれに限定されず、搬送部3を搬送される複数の容器100の位置情報に基づいて処理部5による集積動作を行うことができる。
以上で説明した実施形態は、容器100を集積する例について説明したが、本発明における処理装置および処理方法はこれに限定されない。例えば、グループに区分されることなく連続して搬送される容器100から、所定本数の容器100を抜き出してグループを形成する処理、グループで搬送される容器100を平行移動させることにより搬送経路を変更する処理などに、本発明は適用される。
3 搬送部
3A 搬送面
5 処理部
5A 第1部材
5B 第2部材
7 制御部
100 容器
100G,100G1,100G2 容器群
100P 集積群
Claims (9)
- 平坦な搬送面に複数の物品を載せて搬送方向に運ぶ搬送部と、
前記搬送面の上方において、水平方向における任意の向きに移動しながら前記物品を平行移動させる処理部と、を備え、
前記搬送部による前記物品の搬送速度をVc(0<Vc)とし、
前記処理部による前記物品の前記搬送方向の速度成分をVgy(0<Vgy)とし、
前記処理部による前記物品の前記搬送方向に直交する幅方向の速度成分をVgx(0<Vgx)とすると、
前記処理部は、
式(1)を満足して移動することで、前記搬送方向において隣り合う前記物品と前記物品との間隔を狭くし、
前記Vgxで移動することで、前記幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くする物品の処理装置。
Vc<Vgy … 式(1)
- 前記処理部は、
前記搬送方向における前記間隔をなくすとともに、前記搬送方向における前記間隔をなくすことにより、複数の前記物品を水平方向に集積する、
請求項1に記載の処理装置。
- 前記搬送部は、
複数の前記物品からなるグループの単位で前記物品を搬送し、
前記処理部は、
前記グループの中から所定数の前記物品を分離し、分離された所定数の前記物品の前記搬送方向および前記幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くする動作を複数回繰り返す、
請求項1または2に記載の処理装置。
- 前記搬送部は、
前記グループをなす複数の前記物品を、前記搬送方向および前記幅方向に整列されたマトリックス状として搬送し、
前記処理部は、
1行の単位または1列の単位で前記グループの中から所定数の前記物品を分離する、
請求項3に記載の処理装置。
- 前記処理部は、
前記搬送方向に前記物品を押す第1部材と、
前記幅方向に前記物品を押す第2部材と、を備える、
請求項3または請求項4に記載の処理装置。
- 前記搬送部は、
複数の前記物品からなる前記グループの単位で前記物品を搬送し、
前記処理部は、
前記搬送方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くする第1動作と、前記幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くする第2動作のいずれか一方の動作を複数回繰り返した後に、前記第1動作と前記第2動作の他方の動作を複数回繰り返すことで、前記グループにおける複数の前記物品の集積を行う、
請求項3に記載の処理装置。
- 前記搬送部は、
前記グループをなす複数の前記物品を、前記搬送方向および前記幅方向に整列されたマトリックス状として搬送し、
前記処理部は、
1行の単位または1列の単位で前記第1動作と前記第2動作を行う、
請求項6に記載の処理装置。
- 前記処理部は、鉛直方向に移動可能であり、
鉛直方向の上方から降下して、所定数の前記物品と他の前記物品との間に挿入される、
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の処理装置。
- 水平方向に平坦な搬送面に複数の物品を載せて搬送方向に運ぶ搬送ステップと、
水平方向における任意の向きに前記物品を平行移動させる処理ステップと、を備え、
前記処理ステップは、
前記搬送方向において隣り合う前記物品と前記物品との間隔を狭くするとともに、
前記搬送方向に直交する幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との間隔を狭くし、
前記処理ステップにおいて、
前記搬送方向において隣り合う前記物品と前記物品との間隔を狭くするとともに、
前記搬送方向に直交する幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との間隔を狭くし、
前記搬送ステップにおける前記物品の搬送速度をVc(0<Vc)とし、
前記処理ステップにおける前記物品の前記搬送方向の速度成分をVgy(0<Vgy)とし、
前記処理ステップにおける前記物品の前記幅方向の速度成分をVgx(0<Vgx)とすると、
前記処理ステップは、
式(1)を満足して移動することで、前記搬送方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くし、
前記Vgxで移動することで、前記幅方向において隣り合う前記物品と前記物品との前記間隔を狭くする物品の処理方法。
Vc<Vgy … 式(1)
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