JP7269687B1 - 包装体の密封不良検査方法およびそれに用いる検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
以下の工程からなる包装体の密封不良検査方法。
包装体11をステーションAに配設する工程と、
包装体11をカバー容器Aで覆う工程と、
カバー容器A内に検知用ガス14を注入する工程と、
吸着パッド15を包装体11に吸着して引き上げる工程と、
包装体11をステーションBに配設する工程と、
包装体をカバー容器Bで覆う工程と、
押さえパッドで包装体の表面を押圧する工程と、
カバー容器B内のガスを検知センサーに送出する工程と、
検知センサーが検知用ガスを検知する工程。
【選択図】図5
Description
これにより安定的に密封された包装体を提供できる。
しかし一方で、消費者の開封の容易性を考慮して、封止が不完全になる場合もある。
そのため、封止漏れという欠陥が生ずるおそれもあった。
このような封止欠陥は、包装材の皺によるもの、不適切な溶融温度によるもの、封止部の異物による汚染によるもの、接着剤の不足によるもの、封止剤の厚みの不均一によるものなどがある。
また、包装材に薄手の可撓性の材料を使用するため、それを使用する包装体にピンホールが存在する場合もあり、これも包装体の密封不良になっていた。
このような包装体の密封不良は、包装体の内容物の保存に影響を与えることもあり、
工業的生産過程において大きな課題であった。
例えば、包装体を水中に沈めて気泡が発生するかどうかなどの手段が行われていた。
特許文献1(米国特許第4,747,299号)には、封止部の周りの圧力を変えることにより、圧力の変化に応答して膨脹した容器の壁面の位置の変化が感知される方法が記載されている。
特許文献2(米国特許第4,205,551号)には、針を備えた装置の針を包装体中に挿入し、圧力を加え、針に設けたセンサーにより圧力の減少を測定するものが開示されている。
特許文献3(米国特許第4,715,215号)には、包装体を収容する真空容器を設け、減圧し、包装体を膨らませ、時間の経過にともなって、包装体の寸法が減少したとき漏れを認識するという装置が開示されている。
また、水中に沈める検査法では、検体(包装体)の水の拭き取りなどの手間がかかっていた。
さらに、プラスチックフィルムやアルミ箔などの可撓性の包装材によって密封した包装体などの、形状の定まらない包装体に対応させるには、検査方法やその装置に種々の工夫が必要であった。
本発明は、上記のような形状の定まらない包装体の密封不良を、乾式で精度よく検出できる、包装体の密封不良検査方法およびそれに用いる検査装置を提供すること目的とするものである。
包装体11をステーションAに配設する工程と、
包装体11をカバー容器Aで覆う工程と、
カバー容器A内に検知用ガス14を注入する工程と、
吸着パッド15を包装体11に吸着して引き上げる工程と、
包装体11をステーションBに配設する工程と、
包装体をカバー容器Bで覆う工程と、
押さえパッドで包装体の表面を押圧する工程と、
カバー容器B内のガスを検知センサーに送出する工程と、
検知センサーが検知用ガスを検知する工程と、が備えられていることを特徴とする。
(2)本発明の包装体の密封不良検査装置は、
請求項1の包装体の密封不良検査方法を実施するための装置であって、
ステーションAにおいて、
包装体を載置する検査テーブルと、
包装体を覆うためのカバー容器Aと、
前記カバー容器Aを上昇又は下降させるためのアクチュエータと、
包装体の表面を吸着して引き上げるための吸着パッドと、
前記吸着パッド15を上昇又は下降させるためのアクチュエータと、が備えられており、
ステーションBにおいて、
包装体の表面を押圧する押さえパッドと、
検知用ガスを検出するための検知センサーと、
カバー容器Bの上下動のためのアクチュエータと、
が備えられていることを特徴とする包装体の密封不良検査装置。
検体に密封不良がなければ、検体内に検知用ガスは導入されず、押さえパッドで押圧しても検体から何らガスは排出されないので、包装体の密封不良を簡易に精度良く検査できる。
本発明において、ステーションとは、包装体(以下、検体ということもある)を検査するための場所をいい、ステーションAとステーションBとが用意されている。
図1は、ステーションAにおいて、検体11である包装体が検査テーブル12上に配設された状態を示す説明図である。
まず、ステーションAには、検体11である包装体を載置する検査テーブル12、検体11を覆うためのカバー容器13(カバー容器Aとする)、カバー容器13を上昇又は下降させるためのアクチュエータ18、検体11の表面を吸着して引き上げるための吸着パッド15、吸着パッド15を上昇又は下降させるためのアクチュエータ17、が備えられている。
なお、本発明における一連の工程は、図示しないコントローラ(制御装置)によって実行される。
検体11を包装する材料としては、薄手の可撓性のあるガスバリア性ポリマーフィルム(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)が挙げられる。
これらは食品などを密封する袋材として広く利用されている。
食品などの収納後に、検体の口部は材料を溶融するなどの手段により封止される。
検体11を載置する検査テーブル12としては、平面状で無孔の基台などが挙げられる。
検査テーブル12はベルトコンベア16上に設置され、ベルトコンベア16はモーターにより駆動されるようになっている。
カバー容器13は、検体11を覆う容器であるが、本発明では、底部が開放状態の矩形状の箱型容器などが挙げられる。
カバー容器13は、アクチュエータ18の作用により上下動させることができるようになっている。
なお、検体11をカバー容器13で覆った後において、検査テーブル12との間を気密状態にする必要性はない。
吸着パッドとは、一般に、真空にすることでワークを吸着するための部材をいい、吸着パッド15と検体11との間に存在する圧力よりも周囲の圧力が高い場合に大気圧によって検体11を吸着することができる。
検体11の表面を吸着するための吸着パッド15としては、クッション性に優れている部材が望ましく、材質は、ニトリル、シリコン、ウレタン、ふっ素などが挙げられ、検体11の種類によって適宜選択することができる。
アクチュエータ17、18としては、水圧、油圧、空気圧、電気などを駆動源として伸縮駆動する部材をいい、本発明では、その端部に連結した吸着パッド15やカバー容器13を上昇又は下降させるための動力手段である。
図2において、検体11は、コンベヤ16によりカバー容器13の下方位置に配設される。
ステーションAに設置された位置検知器が検体11を認識した信号をコントローラへ送る。
コントローラは、コンベヤ16を停止させ、アクチュエータ17を作動させカバー容器13を下降させて、検体11を覆う。
吸着パッド15を検体11に吸着して引き上げる状態を示す説明図である。
図3に示すように、
カバー容器13内に検知用ガス14を注入する。
検知用ガス14としては、5%水素+95%窒素混合ガスが挙げられる。
次に、アクチュエータ18を作動しカバー容器13内の吸着パッド15を下降させて、検体11の表面に吸着して引き上げる。
このとき、包装体の内部が減圧状態にされるので、検体11に穴がある場合は、カバー容器13内に注入した検知用ガス14が検体11内に導入される。
なお、上記工程において、検体11を吸着した吸着パッド15をどの程度まで引き上げるかは、包装材の種類や強度、厚みなどによって適宜決定する。
吸着パッド15を必要以上に引き上げると、包装材が破れたり、一旦封鎖した口の部分(例えばシールした部分)が再び開口するおそれがあるので注意が必要である。
図4に示すように、検体11は、コンベヤ16によりステーションBに備えられたカバー容器23の下方位置に配設される。
ステーションBに設置された位置検知器が検体11を認識した信号をコントローラへ送る。
コントローラは、コンベヤ16を停止させ、アクチュエータ27を作動させカバー容器23を下降させて、検体11を覆う。
図5に示すように、コントローラは、アクチュエータ28を作動させカバー容器23内に配設された押さえパッド25を検体11上に下降させて押圧する。
検体11の包装体にピンホールや封止不良など欠陥があるものは、ステーションAにおいて検知用ガスが導入されているので、押さえパッド25によって検体11が押圧されると、包装体内部に導入された検知用ガス14が該欠陥部分からカバー容器23内へ押し出される。
この押さえパッド25の表面は、検体11の形状に応じて変形が可能なように、柔軟な素材で形成されていることが好ましい。
例えば、袋に空気や液体を充填した押圧体などが挙げられる。
なお、押さえパッド25で検体11を押圧する時間は、検体の種類、大きさなどによって適宜決定される。
図5に示すように、カバー容器23には、検体11から押し出された検知用ガス14を検知センサー26に送出するパイプ口部が設けられており、検知センサー26によって検知用ガス14を感知できるようになっている。
押さえパッド25で検体11を押圧するとカバー容器23内のガスが圧縮されて、その一部が検知センサー26に送出される。
送出されたガス中に検知用ガス14が混入されている場合は、検知センサー26で検知用ガス14が検出され、その検体には欠陥があると判定される。
なお、検知用ガス14としては、5%水素-95%窒素混合ガスを用いることが好ましい。
検知センサーとしては、低濃度の水素を検知可能であり、測定環境に存在する他のガスの影響を受けず、水素以外のガスに反応しないセンサーを用いことが好ましい。
市販されているセンサーとしては、インフィコン株式会社製造のSENTRAC(型番590-900)が挙げられる。
なお、検知センサー26において検知用ガス14が検知された場合、その検知信号をコントローラに送り、その検体をマーキングすることによって判別を容易にすることもできる。
図6に示すように、コントローラは、アクチュエータ27を作動させ、カバー容器23を上昇させて検体1の押圧を解除するとともに検体を覆っているカバー容器23を上昇させる。
ついでコンベヤを再び走行させ、検体11を配設する。
これにより、検体の密封不良の検査工程が終了する。
図1に示すように、カバー容器13、23として、それぞれ10リットルの容積の容器を準備した。
ポリプロピレンを素材として袋状に加工した可撓性の包装体を実施例の検体として用いた。
カバー容器13には、検知用ガスとして5%水素-95%窒素混合ガス(インフィコン株式会社製)を導入した。
実施例の検体には、カバー容器13内に配設する前に、0.5mm径の孔を開けておき、本発明の工程にしたがって検知テストを行った。
図5に示すように、押さえパッドで検体を押圧したところ、0.5秒後に、検知センサーが反応した。
他の部位に孔を開けた検体についても同様のテストをおこなったところ、いずれも応答時間が1秒以内に同様の結果が得られた。
12…検査テーブル
13、23…カバー容器
14…検知用ガス
15…吸着パッド
16…コンベア
17、18、27、28…アクチュエータ
25…押さえパッド
Claims (2)
- 以下の工程が備えられている包装体の密封不良検査方法。
包装体をステーションAに配設する工程と、
包装体をカバー容器Aで覆う工程と、
カバー容器A内に検知用ガスを注入する工程と、
吸着パッドを包装体に吸着して引き上げる工程と、
包装体をステーションBに配設する工程と、
包装体をカバー容器Bで覆う工程と、
押さえパッドで包装体の表面を押圧する工程と、
カバー容器B内のガスを検知センサーに送出する工程と、
検知センサーが検知用ガスを検知する工程。 - 請求項1の包装体の密封不良検査方法を実施するための装置であって、
ステーションAにおいて、
包装体を載置する検査テーブルと、
包装体を覆うためのカバー容器Aと、
前記カバー容器Aを上昇又は下降させるためのアクチュエータと、
包装体の表面を吸着して引き上げるための吸着パッドと、
前記吸着パッド15を上昇又は下降させるためのアクチュエータと、が備えられており、
ステーションBにおいて、
包装体の表面を押圧する押さえパッドと、
検知用ガスを検出するための検知センサーと、
カバー容器Bの上下動のためのアクチュエータと、
が備えられていることを特徴とする包装体の密封不良検査装置。
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- 2022-10-24 JP JP2022169765A patent/JP7269687B1/ja active Active
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