JP7269050B2 - 表示装置、および表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置、および表示装置の製造方法に関する。例えば、有機発光素子を各画素に有する表示装置、およびその製造方法に関する。
表示装置の代表例として、有機EL(Electroluminescence)表示装置が知られている。有機EL表示装置は、基板上に形成された複数の画素内の各々に有機発光素子(以下、発光素子)を表示素子として備える。発光素子は一対の電極間に有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)を有しており、一対の電極間に電流を供給することで駆動される。発光素子の駆動中、有機化合物は酸化あるいは還元されて荷電された状態をとり、さらこれらが再結合することによって励起状態が生じる。このような荷電状態や励起状態などの活性種は、電気的に中性の状態、あるいは基底状態と比べて反応性が高いため、他の有機化合物と反応する、あるいは発光素子に浸入した水や酸素などの不純物と容易に反応する。このような反応は発光素子の特性に影響を与え、発光素子の効率の低下や寿命の低減の原因となる。
このような特性劣化を抑制する方法として、無機化合物を含む膜と有機化合物を含む膜が積層された封止膜を用いることが提案されている。このような構造を有する封止膜を発光素子上に形成することで、不純物の侵入が抑制され、信頼性の高い表示装置を提供することができる(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2017/0077456号明細書
本発明に係る実施形態の一つは、高い信頼性を有する表示装置、およびその製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の実施形態の一つは表示装置である。この表示装置は、基板、トランジスタ、平坦化膜、表示素子、ダム、およびガイドを備える。基板は、表示領域、および表示領域を囲む周辺領域を有する。トランジスタは表示領域上に位置する。平坦化膜はトランジスタ上に位置し、トランジスタを覆う。表示素子は平坦化膜上に位置し、トランジスタと電気的に接続される。ダムは周辺領域上に位置し、表示領域を囲む。ガイドは平坦化膜とダムの間に位置し、表示領域を囲む。ガイドは、平坦化膜に含まれる第1の有機化合物を含む。
本発明の実施形態の一つは表示装置である。この表示装置は、基板、トランジスタ、平坦化膜、表示素子、第1のダム、第2のダム、およびガイドを備える。基板は、表示領域、および表示領域を囲む周辺領域を有する。トランジスタは表示領域上に位置する。平坦化膜はトランジスタ上に位置し、トランジスタを覆う。表示素子は平坦化膜上に位置し、トランジスタと電気的に接続される。第1のダムは周辺領域上に位置し、表示領域を囲む。第2のダムは周辺領域上に位置し、第1のダムを囲む。ガイドは平坦化膜と第1のダムとの間、および第1のダムと第2のダムの間の少なくともいずれかに位置する。ガイドは、平坦化膜に含まれる第1の有機化合物を含む。
本発明の実施形態の一つは表示装置の製造方法である。この製造方法は、基板上にトランジスタを形成すること、第1の樹脂をトランジスタを覆うように形成すること、第1の樹脂を加工することにより、トランジスタ上の平坦化膜、平坦化膜を囲むガイド、およびガイドを囲むダムを形成すること、ならびにトランジスタと電気的に接続される表示素子を形成することを含む。ガイドは、第1の樹脂から形成される複数の絶縁膜を含む。
本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の画素回路の等価回路。 本発明の表示装置の模式的断面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的断面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的断面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的断面図。 本発明の表示装置のガイドとダムの模式的断面図。 本発明の表示装置のガイドの模式的上面図。 従来の表示装置の製造工程の一例を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造時におけるパッシベーション膜の状態を示す上面模式図。 本発明の表示装置のガイドの模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的断面図。 従来の表示装置の製造工程の一例を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造時におけるパッシベーション膜の状態を示す上面模式図。 本発明の表示装置のガイドの模式的上面図。 本発明の表示装置のガイドの模式的上面図。 本発明の表示装置の模式的上面図。 本発明の表示装置の製造方法を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造方法を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造方法を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造方法を説明するための模式的断面図。 本発明の表示装置の製造方法を説明するための模式的断面図。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書と請求項において、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
本明細書および請求項において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
本明細書および請求項において、「ある構造体が他の構造体から露出するという」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
<第1実施形態>
1.全体構成
本発明の一実施形態の表示装置100の模式的上面図を図1に示す。図1に示すように、表示装置100は基板102を有し、その上に複数の画素104が設けられる。複数の画素104を包含する単一の領域、およびこれを取り囲む領域がそれぞれ基板102の表示領域106と周辺領域として定義される。
周辺領域には画素104を駆動するための駆動回路が設けられる。図1に示した例では、表示領域106を挟む二つの走査線駆動回路108や、アナログスイッチなどを含む信号線駆動回路110が設けられる。表示領域106や走査線駆動回路108、信号線駆動回路110からは図示しない配線が基板102の一辺へ延び、基板102の端部で露出されて端子112を形成する。端子112はフレキシブル印刷回路(FPC)基板などのコネクタ116と電気的に接続される。コネクタ116上、あるいは基板102上には画素104を制御するための駆動IC114をさらに搭載してもよい。なお、信号線駆動回路110を周辺領域上に設けず、この機能を駆動IC114によって実現してもよい。
以下の説明では、便宜上、表示装置100の端子112側を下部、端子と反対側を上部とする。基板102や表示領域106が主に四つの辺で構成される四角形と見做すことができる場合、端子112側の辺を下辺、端子112と反対側の辺を上辺と呼ぶ。
2.画素
2-1.画素回路
各画素104には、表示素子130を含む画素回路が設けられる。画素回路は走査線駆動回路108や信号線駆動回路110などによって駆動される。これにより、表示素子130の動作が制御され、その結果、画像を表示領域106上に表示することが可能となる。以下、表示素子130として発光素子を用いる例を用いて画素回路を説明する。
画素回路の構成は任意に選択することができ、その一例を等価回路として図2に示す。図2に示した画素回路は、表示素子130に加え、駆動トランジスタ150、発光制御トランジスタ154、補正トランジスタ152、初期化トランジスタ156、書込トランジスタ158、保持容量140、付加容量170を有している。高電位電源線180には高電位PVDDが与えられ、この電位が電流供給線182を介して各列に接続される画素104に与えられる。表示素子130、駆動トランジスタ150、発光制御トランジスタ154、補正トランジスタ152は、高電位電源線180と低電位電源線184との間で直列に接続される。低電位電源線184には低電位PVSSが与えられる。
駆動トランジスタ150のゲートは、初期化トランジスタ156を介して第1の信号線188と電気的に接続されるとともに、書込トランジスタ158を介して第2の信号線186と電気的に接続される。第1の信号線188には初期化信号Viniが与えられ、第2の信号線186には映像信号Vsigが与えられる。書込トランジスタ158は、そのゲートに接続される書込制御走査線190に与えられる走査信号SGによって動作が制御される。初期化トランジスタ156のゲートは、初期化制御信号IGが与えられる初期化制御走査線192と接続され、初期化制御信号IGにより動作が制御される。
補正トランジスタ152と発光制御トランジスタ154のゲートにはそれぞれ、補正制御信号CGが印加される補正制御走査線194、発光制御信号BGが印加される発光制御走査線198が接続される。駆動トランジスタ150のドレインには、補正トランジスタ152を介し、リセット制御線196が接続される。リセット制御線196は、走査線駆動回路108に設けられるリセットトランジスタ160と接続される。リセットトランジスタ160はリセット制御信号RGによって制御され、これによりリセット信号線200に与えられるリセット電位Vrstを補正トランジスタ152を介して駆動トランジスタ150のドレインに印加することができる。
駆動トランジスタ150のソースとゲートとの間に保持容量140が設けられ、駆動トランジスタ150のソースと低電位電源線184の間に付加容量170が設けられる。図示しないが、付加容量170は、両端子がそれぞれ駆動トランジスタ150のソースと高電位電源線180に接続されるように配置してもよい。
信号線駆動回路110、または駆動IC114は、第1の信号線188と第2の信号線186に初期化信号Viniと映像信号Vsigをそれぞれ出力する。一方、走査線駆動回路108は書込制御走査線190に走査信号SGを出力し、初期化制御走査線192に初期化制御信号IGを出力し、補正制御走査線194に補正制御信号CGを出力し、発光制御走査線198に発光制御信号BGを出力し、リセットトランジスタ160のゲートにリセット制御信号RGを出力する。
図2に示した画素回路はあくまで一例であり、トランジスタや容量などの素子の数や接続関係に制約はない。
2-2.断面構造
隣接する二つの画素104の断面模式図を図3に示す。図3には、表示素子130と、これに接続される保持容量140、駆動トランジスタ150、付加容量170が図示されている。
駆動トランジスタ150と保持容量140などの各種素子は、基板102上にアンダーコート202を介して設けられる。基板102は、この上に形成される回路を支持する機能を有し、ガラスや石英、あるいは高分子を含むことができる。基板102にポリイミドやポリアミド、ポリカルボナートなどの高分子を用いることで、表示装置100に可撓性を付与することができ、いわゆるフレキシブルディスプレイを提供することも可能である。
駆動トランジスタ150は、半導体膜204、半導体膜204上のゲート絶縁膜206、ゲート絶縁膜206上のゲート電極210、ゲート電極210上の第1の層間膜212、第1の層間膜212上のドレイン電極214、ソース電極216などを有する。半導体膜204は活性領域204a、活性領域204aを挟持する低濃度不純物領域204b、およびこれらを挟持する高濃度不純物領域204cなどを有してもよい。図3では駆動トランジスタ150はトップゲート構造のトランジスタとして描かれているが、画素回路を構成するトランジスタの構造に制約はなく、種々の構造のトランジスタを利用することができる。
保持容量140は、半導体膜204の一部(高濃度不純物領域204c)、その上のゲート絶縁膜206、ゲート電極210と同一層に存在する容量電極208、容量電極208上の第1の層間膜212、およびソース電極216の一部によって構成される。ここでゲート絶縁膜206、第1の層間膜212は保持容量140の誘電体として機能する。
駆動トランジスタ150や保持容量140の上にはさらに、第2の層間膜218と第2の層間膜218上の平坦化膜220が設けられる。第2の層間膜218は、画素回路中のトランジスタや容量などの素子に不純物が浸入することを防ぐために設けられる。平坦化膜220によって駆動トランジスタ150や保持容量140などを含む画素回路に起因する凹凸が吸収され、平坦な面が形成される。
平坦化膜220と第2の層間膜218には、ソース電極216に達する開口が設けらる。この開口と平坦化膜220の一部を覆う接続パッド224がソース電極216と接するように設けられるとともに、付加容量電極172が平坦化膜220上に形成される。接続パッド224と付加容量電極172を覆うように第3の層間膜174がさらに形成される。第3の層間膜174は、平坦化膜220に設けられた開口において接続パッド224の一部を覆わず、接続パッド224の上面を露出する。これにより、その上に設けられる表示素子130の画素電極132と接続パッド224間の電気的接続が可能となる。第3の層間膜174には、その上に設けられる隔壁(リブ、あるいはバンクとも呼ばれる)222と平坦化膜220の接触を許容するための開口226を設けてもよい。なお、接続パッド224や開口226の形成は任意である。接続パッド224を設けることで、引き続くプロセスにおいてソース電極216の表面の酸化を防止することができ、これによる接触抵抗の増大を抑制することができる。開口226は、平坦化膜220から水や酸素などの不純物を放出するための開口として機能することができ、これを設けることで画素回路中の半導体素子や表示素子130の信頼性を向上させることができる。
第3の層間膜174上には、接続パッド224と付加容量電極172と重なるように、画素電極132が設けられる。画素電極132は、第3の層間膜174と平坦化膜220に設けられる開口において、接続パッド224を介してソース電極216と電気的に接続される。付加容量電極172、第3の層間膜174、および画素電極132によって付加容量170が形成される。したがって、画素電極132は付加容量170と表示素子130によって共有される。
アンダーコート202、ゲート絶縁膜206、第1の層間膜212、第2の層間膜218、第3の層間膜174には、例えばケイ素を含む無機化合物を用いることができる。ケイ素を含む無機化合物としては、酸素とケイ素を含む酸化ケイ素、酸素とケイ素、および窒素を含む酸化窒化ケイ素や窒化酸化ケイ素、ケイ素と窒素を含む窒化ケイ素などが挙げられる。これらの膜は単層構造を有していてもよく、積層構造を有していてもよい。平坦化膜220や隔壁222は有機化合物を含む。典型的な有機化合物としては、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などが例示される。
ゲート電極210、容量電極208、ドレイン電極214、ソース電極216は、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、アルミニウム、銅、あるいは、これらの合金を含むように構成される。これらの電極は、例えば、アルミニウムや銅などの高い導電性を有する金属をチタン、モリブデン、タングステン、タンタルなどの高融点金属で挟持した構造を有するように構成してもよい。
表示素子130は、画素電極132、画素電極132上の対向電極136、および画素電極132と対向電極136に挟まれるEL層134によって構成される。画素電極132は、インジウムとスズの混合酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の混合酸化物(IZO)などの可視光に対して透過性を示す導電性酸化物、あるいは銀やアルミニウムなどの金属、もしくはこれらの金属の合金を含む。画素電極132は単層構造、積層構造のいずれを有してもよい。積層構造を有する場合、例えばITOやIZOなどの導電性酸化物を含む膜で金属を含む膜を挟持した構造を採用することができる。
EL層134は、画素電極132と隔壁222を覆うように設けられる。ここでEL層134とは、画素電極132と対向電極136の間に設けられる層全体を指す。EL層134は複数の層から構成することができ、例えば電荷注入層、電荷輸送層、発光層、電荷ブロック層、励起子ブロック層など、種々の機能層を組み合わせて形成することができる。表示素子130は、すべての画素104間でEL層134の構造が同一となる、あるいは隣接する画素104間で構造が異なるように構成することができる。例えば発光層の構造や材料を隣接する画素104間で異なるようにEL層134を形成することで、隣接する画素104から異なる発光を得ることができる。すべての画素104において同一のEL層134を用いる場合には、カラーフィルタを設けることで、複数の発光色を得ることが可能となる。図3では、見やすさを考慮し、代表的な機能層として、ホール注入・輸送層、発光層、電子注入・輸送層が画素電極132から順に積層された構造が示されている。
対向電極136は複数の画素104にわたって形成される。すなわち、対向電極136は複数の画素104によって共有される。対向電極136は、例えばITOやIZOなどの透光性を有する導電性酸化物、あるいはアルミニウム、マグネシウム、銀などの金属、もしくは合金を含む。EL層134で得られる発光を画素電極132を介して取り出す場合には、導電性酸化物を含むように画素電極132を形成し、対向電極136は、アルミニウムや銀などの可視光に対する反射率の高い金属を用いて形成される。一方、EL層134で得られる発光を対向電極136を介して取り出す場合には、画素電極132は、アルミニウムや銀などの可視光に対する反射率の高い金属を含むように形成され、対向電極136は可視光に対して透過性を示すように形成される。具体的には、ITOやIZOなどの導電性酸化物を含む膜、あるいは銀やマグネシウム、アルミニウムなどの金属を含み、可視光が透過可能な厚さを有する金属薄膜で対向電極136を構成することができる。
表示素子130上には、表示素子130を保護するための保護膜(以下、パッシベーション膜)230が設けられる。パッシベーション膜230の構造は任意に選択することができるが、例えば図3に示すように、無機化合物を含む第1の無機膜232、有機化合物を含む有機膜234、および無機化合物を含む第2の無機膜236を有する積層構造をパッシベーション膜230に適用することができる。この場合、無機化合物としては上述したケイ素を含有する無機化合物を使用することができる。有機化合物としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの高分子を使用することができる。
ガス透過性の低い第1の無機膜232と第2の無機膜236により、外部からの不純物の侵入を効果的に抑制することができる。有機膜234は比較的大きな厚さを有することができ、これにより、隔壁222、あるいは異物などに起因する凹凸を吸収して平坦な上面が与えられる。有機膜234が有する平坦化機能により、この上に形成される第2の無機膜236の平坦性が向上するとともに、第2の無機膜236に亀裂やピンホールが発生することを防ぐことができ、より効果的に表示素子130を保護することができる。
パッシベーション膜230上には、樹脂膜240が設けられる。樹脂膜240は、表示領域106を保護するとともに、端子112上に形成される第1の無機膜232や第2の無機膜236をエッチング処理によって除去し、端子112を露出するためのマスクとしても用いられる膜であり、エッチング処理の際、パッシベーション膜230を保護する機能を有する。樹脂膜240も有機化合物である高分子を含み、高分子としては、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。図示していないが、表示装置100は、パッシベーション膜230と樹脂膜240の間、あるいは樹脂膜240の上にタッチセンサを備えてもよい。
3.周辺領域
3-1.構造
図4に、表示装置100の四隅の構造の模式的上面図を示す。この図では、表示素子130やパッシベーション膜230、樹脂膜240などの構成は省略されている。以下に詳細に述べるように、表示装置100は、表示領域106を囲む少なくとも一つのガイド260、および複数のダム250を有している。図4に示した例では、四つのダム(第1のダム250-1、第2のダム250-2、第3のダム250-3、第4のダム250-4)と四つのガイド(第1のガイド260-1、第2のガイド260-2、第3のガイド260-3、第4のガイド260-4)を有する例が示されている。各ガイド260は複数の絶縁膜(以下、ガイド絶縁膜)262を含む。具体的には、第1のガイド260-1、第2のガイド260-2、第3のガイド260-3、第4のガイド260-4はそれぞれ、複数の第1のガイド絶縁膜262-1、複数の第2のガイド絶縁膜262-2、複数の第3のガイド絶縁膜262-3、複数の第4のガイド絶縁膜262-4を含むように構成される。以下、これらの構造を詳細に説明する。
3-2.上部周辺領域
表示領域106に対して端子112と反対側に位置する領域118-1(図1参照)の上面模式図を図5に、図5の鎖線A-A´に沿った断面模式図を図6に示す。これらの図には、周辺領域、および周辺領域に近接する画素104の一部が示されている。
図6に示すように、周辺領域には、基板102の上辺とほぼ平行に延伸する一つ、あるいは複数の配線270、低電位電源線184、および低電位電源線184に接続される第1の接続配線138などが設けられる。配線270の数や用途、機能には制約はなく、例えば画素電極132にPVDDを与えるための高電位電源線180、駆動回路に種々の信号を伝達するための信号線として機能することができる。図6に示した例では、配線270、低電位電源線184はそれぞれゲート電極210、ソース電極216(ドレイン電極214)と同一の層内に存在する例が示されているが、配線270はソース電極216(ドレイン電極214)と同一の層に存在してもよく、低電位電源線184がゲート電極210と同一の層に存在してもよい。あるいは、配線270や低電位電源線184の両方、または一方は、ゲート電極210やソース電極216(ドレイン電極214)とは異なる層に形成される金属膜で形成してもよい。第1の接続配線138は、ITOやIZOなどの導電性酸化物、あるいはチタンやタングステン、モリブデン、アルミニウムなどの金属を含むように構成される。
対向電極136は、表示領域106から周辺領域へ延伸し、周辺領域において低電位電源線184と電気的に接続される。これにより、表示領域106全体にわたり、対向電極136にほぼ同一の電位を供給することが可能となる。対向電極136と低電位電源線184とは直接接してもよいが、図6に示すように、第1の接続配線138や第2の接続配線228を介して電気的接続が行われてもよい。第2の接続配線228は平坦化膜220上に位置し、隔壁222に形成される複数の開口226において一部が隔壁222から露出される(図5、図6)。この開口226において対向電極136と第2の接続配線228の接続が行われる。第2の接続配線228は画素電極132と同一工程で形成することが可能であり、このため、これらは同一の構造を有し、同一の層内に存在することができる。
図4から図6に示すように、第1のガイド260-1は、平坦化膜220と第1のダム250-1の間の領域(第1の領域280)に位置する。第2のガイド260-2は、第1のダム250-1と第2のダム250-2の間の領域(第2の領域282)に位置する。第3のガイド260-3は、第2のダム250-2と第3のダム250-3の間の領域(第3の領域284)に位置する。第4のガイド260-4は、第3のダム250-3と第4のダム250-4の間の領域(第4の領域286)に位置する。
表示領域106に設けられる平坦化膜220は、低電位電源線184の一部を覆うように、基板102の上辺方向にも延在する(図5、図6)。しかしながら周辺領域では、平坦化膜220の一部は除去され、残存する平坦化膜220によって複数のダム250、およびガイド260が形成される。なお、図6では、表示素子130の下に位置する平坦化膜220、および第2の接続配線228の下に位置する平坦化膜220は分離されているように描かれているが、ソース電極216と表示素子130の電気的接続に用いられる開口はこれらを完全に分離しない。
第1のダム250-1、第2のダム250-2は、有機膜234の形状と位置を制御する機能を有し、一方、第3のダム250-3と第4のダム250-4は、樹脂膜240の形状と位置を制御する機能を有する。表示装置100の製造方法は後述するが、有機膜234と樹脂膜240は、インクジェット法や印刷法などの湿式成膜法を用いて形成される。すなわち、原料となる樹脂、あるいはその前駆体を含む溶液、もしくは懸濁液(以下、これらの溶液と懸濁液を総じて原料液と記す)を第1の無機膜232、あるいは第2の無機膜236上に吐出・塗布し、その後原料液の溶媒を溜去する、および/または前駆体を反応させることで有機膜234や樹脂膜240が形成される。有機膜234を与える原料液は、第1の無機膜232上で広がり、表示領域106の全体を覆うように吐出・塗布される。この時、原料液の一部は表示領域106からはみ出すが、これは第1のダム250-1によって堰き止められる。その結果、有機膜234を第1のダム250-1内に選択的に形成することができる。なお、原料液が第1のダム250-1から外側に流出した場合には、第2のダム250-2によって原料液が堰き止められ、これにより、第2のダム250-2よりも基板102端部側へ有機膜234が形成されることが防止される。
同様に、樹脂膜240を与える原料液は、第2の無機膜236上で広がり、表示領域106全体、および有機膜234を覆うように吐出・塗布される。この時、原料液の一部は表示領域106や有機膜234からはみ出すが、これは第3のダム250-3によって堰き止められる。その結果、樹脂膜240を第3のダム250-3内に選択的に形成することができる。なお、原料液が第3のダム250-3から外側に流出した場合には、第4のダム250-4によって原料液が堰き止められ、これにより、第4のダム250-4よりも基板102端部側へ樹脂膜240が形成されることが防止される。
このような機構に基づいて有機膜234と樹脂膜240の形状や位置が制御される。したがって、有機膜234は、第1のガイド260-1の少なくとも一部を覆う。有機膜234は、図6に示すように第1のダム250-1の一部を覆ってもよく、図示しないが、端部が第1のダム250-1と平坦化膜220の間に位置するように配置されてもよい。有機膜234が第1のダム250-1を覆う場合、有機膜234はさらに第2のダム250-2の一部を覆うように、あるいは端部が第2のダム250-2と第1のダム250-1の間に位置するように形成してもよい。
樹脂膜240は、有機膜234の端部を覆う。すなわち、樹脂膜240の端部は、それに最も近い基板102の端部と有機膜234の端部の間に位置する。樹脂膜240は、第1のダム250-1と第2のダム250-2を覆う。図6に示すように、樹脂膜240は、第3のダム250-3の一部を覆ってもよく、図示しないが、端部が第3のダム250-3と第2のダム250-2の間に位置するように配置してもよい。あるいは、第3のダム250-3を覆うとともに第4のダム250-4の一部を覆う、あるいは端部が第3のダム250-3と第4のダム250-4の間に位置するように樹脂膜240を配置してもよい。図6に示すように、パッシベーション膜230の第1の無機膜232と第2の無機膜236は、少なくとも第1のダム250-1を覆い、好ましくは第2のダム250-2、および第3のダム250-3の一部を覆う。
ガイド260は平坦化膜220と同一の組成を有する。すなわち、ガイド絶縁膜262は平坦化膜220が有する有機化合物を含む。ダム250は、第1の層250a、および第1の層250a上に位置する第2の層250bの二層構造を有する。第1の層250aは平坦化膜220と同一の組成を有し、平坦化膜220が有する有機化合物を含む。したがって、平坦化膜220、ガイド絶縁膜262、およびダム250の第1の層250aは同一の層内に存在する。ガイド260の高さ、すなわちガイド絶縁膜262の高さは、平坦化膜220の高さや第1の層250aの高さよりも小さい。換言すると、ガイド絶縁膜262の上面は、平坦化膜220や第1の層250aの上面と比較し、より基板102に近い。後述するように、第2の層250bは隔壁222と同一の組成を有する。すなわち、第2の層250bは、隔壁222に含まれる有機化合物を含む。
3-3.側部周辺領域
表示装置100の長辺の一部を含む領域118-2(図1参照)の上面模式図を図7に、図7の鎖線B-B´に沿った断面模式図を図8に示す。これらの図には、周辺領域、および周辺領域に近接する画素104の一部が示されている。以下、領域118-1と同一、または類似する構成については説明を割愛することがある。
図8に示すように、周辺領域には走査線駆動回路108に含まれるトランジスタなどが設けられる。領域118-1と同様(図6)、対向電極136は、表示領域106から周辺領域へ延伸し、周辺領域において低電位電源線184と電気的に接続される。図4、図7、図8に示すように、領域118-1と同様(図6)、周辺領域には少なくとも一つのガイド260と複数のダム250が設けられる。
3-4.下部周辺領域
表示領域106の端子112側に位置する領域118-3(図1参照)の上面模式図を図9に、図9の鎖線C-C´に沿った断面模式図を図10に示す。これらの図には、周辺領域、および周辺領域に近接する画素104の一部が示されている。以下の説明においても、領域118-1、118-2と同一、類似する構成については説明を割愛することがある。
図10に示すように、周辺領域には、アナログスイッチなどを備える信号線駆動回路110が形成され、さらに基板102の下辺とほぼ平行に延伸する一つ、あるいは複数の配線272、低電位電源線184、および低電位電源線184に接続される第1の接続配線138や第2の接続配線228などが設けられる。表示領域106と基板102の端部の間には、画素104、あるいは信号線駆動回路110へ種々の信号や電源を供給するための配線122が形成される。配線122は複数の層内に形成される導電膜から形成することができ、例えば図10に示すように、駆動トランジスタ150のゲート電極210と同一層に存在する配線122a、およびソース電極216(ドレイン電極214)と同一層に存在する配線122bを接続することで形成することができる。配線122は基板102の端部で露出されて端子112を形成する。端子112においては、配線122の上面は保護導電膜124で覆われていてもよい。保護導電膜124は、例えば画素電極132、あるいは接続パッド224と同時に形成され、これらと同一層に存在することができる。領域118-1、118-2と同様、対向電極136は、表示領域106から周辺領域へ延伸し、周辺領域において第1の接続配線138や第2の接続配線228を介して低電位電源線184と電気的に接続される。領域118-1、118-2と同様、周辺領域には少なくとも一つのガイド260と複数のダム250が設けられる。
表示装置100では、ダム250やガイド260は必ずしもそれぞれ四つ設ける必要は無く、例えば第1のダム250-1から第4のダム250-4を設ける場合には、第1の領域280から第4の領域286のうち少なくとも一つにガイド260設ければよい。あるいはダム250を二つ設ける場合、平坦化膜220と一つのダム250の間の領域、および二つのダム250の間の領域の双方に260を形成してもよく、あるいは一方の領域のみにガイド260を形成してもよい。あるいは、第1のダム250-1から第4のダム250-4を設ける場合でも、第2の領域282と第4の領域286にはガイド260を設けず、第1の領域280と第3の領域284にそれぞれガイド260を設けてもよいし、あるいは第1の領域280と第3の領域284にはガイド260を設けず、第2の領域282と第4の領域286にそれぞれガイド260を設けてもよい。
3-5.ガイドの構成
図4に示すように、各ガイド260は、平坦化膜220に含まれる有機化合物を含有する複数のガイド絶縁膜262によって構成される。ガイド絶縁膜262は、最長辺が表示領域106に向くように配置される。すなわち、ガイド絶縁膜262の各々は、そのガイド絶縁膜262に最も近い表示領域106の一つの辺が延伸する方向に対し、最長辺が垂直、あるいは実質的に垂直になるように配置される。
例えば第1のガイド260-1に着目すると、表示領域106(あるいは基板102)の上辺と下辺に平行に配置される複数の第1のガイド絶縁膜262-1に最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺は、それぞれその上辺と下辺である。これらの第1のガイド絶縁膜262-1の最長辺は、上辺、あるいは下辺が延伸する方向に対しに対して垂直、あるいは実質的に垂直である。同様に、表示装置100の側部周辺領域(例えば領域118-3)に位置する第1のガイド絶縁膜262-1に最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺は、その上辺と下辺の間の辺(縦辺)である。これらの第1のガイド絶縁膜262-1の最長辺は、この縦辺が延伸する方向対して垂直、あるいは実質的に垂直である。ただし、各ガイド260の四隅では、ガイド絶縁膜262の最長辺は表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に対して傾いていてもよい。
第1のガイド絶縁膜262-1は、少なくとも平坦化膜220と第1のダム250-1の一方から物理的に離隔する。同様に、第2のガイド絶縁膜262-2から第4のガイド絶縁膜262-4もそれぞれ、隣接するダム250の少なくとも一方から物理的に離隔する。例えば第2のガイド260-2の場合、第2のガイド絶縁膜262-2は隣接する第1のダム250-1と第2のダム250-2の両者から離隔する(図11(A))、あるいは第1のダム250-1と第2のダム250-2の一方と接する(図11(B)、図11(C))。後者の場合、第2のガイド260-2は、それと接するダム250の第1の層150aと一体化される。他のガイド260も同様である。
このような構造は、表示装置100の高い信頼性に寄与する。後述するように、平坦化膜220やダム250の第1の層250a、ガイド260は、有機化合物を含む単一の膜から同一の工程で形成される。有機化合物を含む膜は、無機化合物を含む膜と比較して水や酸素などの不純物の透過率高いいため、不純物の輸送経路として働く。しかしながら、この膜は周辺領域において分断されて平坦化膜220や第1の層250a、ガイド260を与える。したがって、この膜を介して外部から不純物が表示領域106へ侵入する経路は存在せず、表示素子130の劣化が抑制され、表示装置100は高い信頼性を示す。
ガイド絶縁膜262の上面模式図を図12(A)に、図12(A)の鎖線D-D´に沿った模式的断面図を図12(B)に示す。図12(B)には、ガイド絶縁膜262上に設けられる第1の無機膜232も描かれている。各ガイド260に含まれる複数のガイド絶縁膜262は、隣接する二つのガイド絶縁膜262間の間隔Sが第1の無機膜232の厚さtの2倍以上になるように構成することが好ましい。また、有機膜234や樹脂膜240をインクジェット法によって形成する場合、有機膜234や樹脂膜240を与える原料液の液滴の直径をdとすると、間隔Sはd/2以下であることが好ましい。以下に述べるように、このような間隔Sを持つようにガイド絶縁膜262を配置することで、有機膜234や樹脂膜240が設置される領域を精密に制御することが可能となる。より具体的には、各ガイド絶縁膜262の幅Wは10μm以上100μm以下、10μm以上50μm、あるいは20μm以上50μmとすることができる。間隔Sは、10μm以上150μm以下、10μm以上100μm以下、あるいは20μm以上50μm以下とすることができる。幅Wや間隔Sは、ガイド260ごとに異なってもよい。
3-6.有機膜と樹脂膜の形状制御
上述したように、有機膜234や樹脂膜240を湿式成膜法を適用して形成する場合、吐出・塗布された原料液が第1の無機膜232、あるいは第2の無機膜236上で広がる。原料液の量、粘性、および第1の無機膜232や第2の無機膜236に対する親和性を適切に制御することにより、原料液は該当するダム250によって確実に堰き止められ、その結果、有機膜234や樹脂膜240の位置や形状を制御することができる。
しかしながら、インクジェット法や印刷法は、比較的位置選択性良く薄膜を形成できる方法の一つであるが、上述したパラメータを常に適切に調整することは必ずしも容易ではなく、その結果、得られる薄膜の形状や位置を精密に制御できない場合がある。例えば原料液の粘性が高い、あるいは原料液と第1の無機膜との親和性が低いために第1の無機膜232上で原料液が十分に広がらない場合、表示領域106上で第1の無機膜232が原料液から露出することがある。また、図13に示すように、異物290が周辺領域に付着した場合、異物290を有機膜234で十分に覆うことができない。その結果、有機膜234上に形成される第2の無機膜236にピンホールが発生し(図13の拡大図中の矢印参照)、不純物が浸入する原因となる。
一方、ガイド260は周辺領域に微細な凹凸構造を与える。また、各ガイド260において隣接するガイド絶縁膜262の間隔Sは、第1の無機膜232の厚さtの2倍以上である。このため、ガイド260上に形成される第1の無機膜232には、ガイド260に含まれる複数のガイド絶縁膜262に起因する凹凸構造が反映される。その結果、第1の無機膜232の上面には複数の細い溝が形成される(図12(B))。
このような凹凸構造を有する周辺領域において、第1の無機膜232上に吐出・塗布された有機膜234を与える混合液がガイド260の一端に接すると(図14(A))、間隔Sで配置されるガイド絶縁膜262が誘起する毛細管現象によって、混合液は溝の内部を通って他端まで広がる(図14(B))。このため、第1の無機膜232上に塗布された混合液をガイド260が形成される領域まで広げることが可能となる。有機膜234を第1のダム250-1を覆い、かつ第2の領域282を覆うように形成する場合には、第2の領域282に第2のガイド260-2を形成する。これにより、第2のガイド260-2に起因して生じる第1の無機膜232の溝によって、混合液を第2のガイド260-2の端部まで確実に広げることができる。このような機構を利用することで、第1のガイド260-1を形成することによって第1のダム250-1内に、第1のガイド260-1と第2のガイド260-2を形成することによって第1のダム250-1内、あるいは第2のダム250-2内に有機膜234を選択的に形成することができるとともに、第2の無機膜236が必要とする平坦な面を十分に確保することができる。その結果、周辺領域に異物が付着しても、有機膜234によって異物を十分に覆うことができるのみならず、第2の無機膜236にピンホールなどの欠陥が発生することを防止することができる。このことは信頼性の高い表示装置の提供に寄与する。
同様に、第3のガイド260-3や第4のガイド260-4は、樹脂膜240の形状制御に有効である。第1のガイド260-1や第2のガイド260-2と同様、第3のガイド260-3や第4のガイド260-4も周辺領域において微細な凹凸構造を与える。後述するように、表示装置100の製造過程では、第3のガイド260-3や第4のガイド260-4は第1の無機膜232と第2の無機膜236に覆われ、その上に樹脂膜240を与える混合液が吐出・塗布される。このため、図示しないが、この凹凸構造は第2の無機膜236に反映され、第2の無機膜236の上面に複数の細い溝が形成される。
このため、樹脂膜240を与える混合液が第3のガイド絶縁膜262-3、あるいは第4のガイド絶縁膜262-4に起因する溝の一端に接すると、毛細管現象によって混合液は溝の内部を通って他端まで広がる。このため、混合液を第3のガイド260-3、あるいは第4のガイド260-4が形成される領域まで確実に広げることが可能となる。換言すると、第3のガイド260-3や第4のガイド260-4を形成することにより、樹脂膜240を第3のダム250-3内、あるいは第4のダム250-4内に選択的に形成することができる。その結果、表示領域106とその上に設けられるパッシベーション膜230を樹脂膜240によって確実に封止し、保護することが可能となる。また、樹脂膜240は、第1の無機膜232や第2の無機膜236のエッチングマスクとしても機能する。このため、第3のガイド260-3や第4のガイド260-4は、第1の無機膜232や第2の無機膜236の形状の精密な制御にも寄与する。
4.変形例
各ガイド260におけるガイド絶縁膜262の配置や形状は、上述したそれらに限られない。ガイド絶縁膜の配置や形状の他の例を図15(A)から図15(D)に示す。
図15(A)に示すように、ガイド絶縁膜262は、千鳥配置となるように配置されてもよい。すなわち、各ガイド絶縁膜262の重心を結ぶ直線(図15(A)中の点線)が、ガイド260の延伸する方向においてジグザグ形状を描くようにガイド絶縁膜262を配置することができる。
あるいは図15(B)に示すように、各ガイド260のすべてのガイド絶縁膜262、あるいは一部のガイド絶縁膜262の最長辺が、それに最も近い基板102、あるいは表示領域106の辺が延伸する方向に対して傾くようにガイド絶縁膜262を配置してもよい。換言すると、ガイド260が延伸する方向に対し、ガイド絶縁膜262の最長辺が傾いてもよい。この場合、例えば図15(C)に示すように、隣接する一対のガイド絶縁膜262は、互いに傾く方向が逆でも良く、ガイド260が延伸する方向に垂直な軸を中心として線対称に配置されてもよい。
あるいは図15(D)に示すように、各ガイド260においてガイド絶縁膜262は、全てが同一の長さである必要は無く、少なくとも一部は他の一部と長さが異なってもよい。
上述したように、表示装置100では、ガイド260がもたらす凹凸構造により、有機膜234や樹脂膜240を与える混合液に毛細管現象が働く。このため、例えば混合液の粘性が高い、もしくは混合液と被処理面との親和性が低く、混合液が高い接触角を有するため、第1の無機膜232や第2の無機膜236上で混合液が広がりにくい場合でも、表示領域106と周辺領域を有機膜234や樹脂膜240で確実に覆い、異物の影響を効果的に排除すること可能となる。その結果、表示装置100に対して確実な封止が達成され、高い信頼性を付与することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、ガイド絶縁膜262の配置が、第1実施形態で述べた表示装置100のそれと異なる表示装置に関して説明する。第1実施形態と同一、類似する構成については説明を割愛することがある。
1.ガイド絶縁膜の構成
本実施形態の表示装置と表示装置100の相違点の一つは、各ガイド260のガイド絶縁膜262の最長辺が、ガイド絶縁膜262に最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に平行、あるいは実質的に平行である点である。具体的な例を領域118-1の上面模式図(図16)、および図16の鎖線E-E´に沿った模式的断面図(図17)に示す。図16に示すように、各ガイド260において、複数のガイド絶縁膜262は千鳥配置を取る。したがって、一つのガイド260において、複数のガイド絶縁膜262はガイド260の延伸方向に沿って二列に配列し、隣接するガイド絶縁膜262の重心を結ぶ線はジグザグ構造を取る(図16、図17)。一つの列に着目すると、隣接するガイド絶縁膜262間の距離は、ガイド絶縁膜262の最長辺の長さよりも短い。また、基板102の主面に平行な方向(矢印292の方向)において観察した場合、一方の列の隣接するガイド絶縁膜262の間は、他方の列のガイド絶縁膜262によって塞がれる。その他の構成は表示装置100のそれと同一であるので、説明は割愛する。
有機膜234や樹脂膜240を形成する際に用いる原料液の粘性が低い場合、あるいは原料液と被処理面(第1の無機膜232や第2の無機膜236など)との親和性が高い場合、原料液が過剰に広がることがある。例えば図18に示すように、有機膜234を与える原料液が第3のダム250-3を超えて基板102の端部側へ流出した場合、有機膜234はその上に形成される第2の無機膜236や樹脂膜240から露出する。その結果、有機膜234に不純物が容易に侵入し、パッシベーション膜230はその機能を失う。
しかしながら上述した配置を有するガイド260を設けることにより、原料液をガイド絶縁膜262によってガイド260が延伸する方向に原料液を広げるとともに、ガイド260が延伸する方向に対して垂直な方向において原料液を堰き止めることができる。例えば平坦化膜220と第1のダム250-1に挟まれる第1の領域280を例にとって説明すると、図19に示すように、平坦化膜220を超えた原料液は、第1のガイド絶縁膜262-1が原料液の進行方向(図中、矢印の方向)に対して垂直に延伸するため、第1のガイド絶縁膜262-1によって堰き止められる。同時に、ガイド260が延伸する方向(図中の矢印の方向に対して垂直な方向)に原料液が広がる。その結果、有機膜234を第1のダム250-1内に選択的に形成することができる。図示しないが、原料液が第1のガイド260-1や第1のダム250-1を超えた場合でも、第2の領域282にも同様の配置を有する第2のガイド260-2が設けられるため、原料液は第2のガイド絶縁膜262-2に堰き止められて第2のダム250-2を超えることは無く、第2のダム250-2内に有機膜234を選択的に形成することができる。このような原理に基づき、有機膜234の形状と位置を精密に制御することができる。
同様の機構が樹脂膜240の形成時にも働く。すなわち、樹脂膜240を与える原料液が第3のダム250-3から基板102の端部へ流出した場合、第4のガイド260-4の第4のガイド絶縁膜262-4によって堰き止められ、第4のダム250-4を超えることを防止することができる。端部が第2のダム250-2と第3のダム250-3の間に位置するように樹脂膜240を形成する場合には、第3のガイド絶縁膜262-3により、原料液が第3のダム250-3を超えて流出することが防止される。これにより、樹脂膜240の形状と位置が精密に制御される。
2.変形例
本実施形態において、各ガイド260におけるガイド絶縁膜262の配置や形状は、上述したそれらに限られない。例えば図20(A)に示すように、二列に配列した複数のガイド絶縁膜262を備え、一方の列を形成するガイド絶縁膜262は一体化されて表示領域106を囲む一本の絶縁膜となるように各ガイド260を構成してもよい。この場合、各ガイド260において、一本の絶縁膜として形成されるガイド絶縁膜262が、他の列を形成する複数のガイド絶縁膜262よりも表示領域106に近くてもよく、遠くてもよい。
あるいは図20(B)に示すように、各ガイド260は、表示領域106を囲む一本のガイド絶縁膜262と、このガイド絶縁膜262を囲む一本のガイド絶縁膜262によって構成されてもよい。あるいは図20(C)に示すように、ガイド絶縁膜262は、ガイド260が延伸する方向に三列、あるいはそれ以上の列で配置されてもよい。この場合、隣接する二つの列に着目すると、複数のガイド絶縁膜262が千鳥配置を取るようにガイド260を構成することが好ましい。
なお、図20(A)から図20(C)は、隣接する二つのダム250に挟まれるガイド260を示すが、平坦化膜220と第1のダム250-1に挟まれるガイド260にもこれらの変形例を適用することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、ガイド絶縁膜262の配置や形状が、第1、第2実施形態で述べたそれらと異なる表示装置に関して説明する。第1、第2実施形態と同一、類似する構成については説明を割愛することがある。
本実施形態の表示装置のガイド絶縁膜262の配置例を図21(A)から図22に示す。本実施形態の表示装置では、各ガイド260は、表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に対し、最長辺が平行、あるいは実質的に平行であるガイド絶縁膜262と、垂直、あるいは実質的に垂直であるガイド絶縁膜262を有する。
例えば図21(A)に示すように、各ガイド260は三列に配置した複数のガイド絶縁膜262を有し、そのうちの一列では、ガイド絶縁膜262の最長辺は、それに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に垂直、あるいは実質的に垂直である。これに対して他の二列では、ガイド絶縁膜262の最長辺は、それに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に平行、あるいは実質的に平行である。後者の列では、複数のガイド絶縁膜262は千鳥配置を取ることができる。前者の一列に配置されるガイド絶縁膜262は、有機膜234や樹脂膜240を与える原料液の広がりを促進し、後者の二列に配置されるガイド絶縁膜262は、原料液が過剰に広がることを抑制する。その結果、所望の領域に選択的に有機膜234や樹脂膜240を形成することができる。
あるいは図21(B)、図21(C)に示すように、各ガイド260は、一つ、あるいは複数の櫛歯状のガイド絶縁膜262を含んでもよい。この櫛歯状のガイド絶縁膜262も表示領域106を囲む。櫛歯状のガイド絶縁膜262は、それに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に垂直な部分と平行な部分を併せ持つ。前者によって原料液の広がりが促進され、後者によって原料液が過剰に広がることが抑制される。その結果、所望の領域に選択的に有機膜234や樹脂膜240を形成することができる。
さらに図21(D)に示すように、一つ、あるいは複数の櫛歯状のガイド絶縁膜262、および最長辺がそれに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に平行に配置される複数のガイド絶縁膜262を有するよう、ガイド260を構成してもよい。櫛歯状のガイド絶縁膜262のうち、それに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に垂直な部分によって原料液の広がりが促進される。一方、櫛歯状のガイド絶縁膜262の残りの部分、および最長辺がそれに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に平行に配置される複数のガイド絶縁膜262によって原料液が過剰に広がることが抑制される。
あるいは図22に示すように、ガイド絶縁膜262の配置が異なるガイド260が交替するように、複数のガイド260を構成してもよい。図22に示された例では、第1のガイド260-1と第3のガイド260-3がそれぞれ有する第1のガイド絶縁膜262-1と第3のガイド絶縁膜262-3は、最長辺がそれに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に垂直、あるいは実質的に垂直になるように配置される。一方、第2のガイド260-2と第4のガイド260-4がそれぞれ有する第2のガイド絶縁膜262-2と第4のガイド絶縁膜262-4は、最長辺がそれに最も近い表示領域106(あるいは基板102)の辺が延伸する方向に平行、あるいは実質的に平行になるように配置される。
このような配置を有する複数のガイド260を形成することにより、有機膜234と樹脂膜240の形状と位置をより精密に制御することができる。すなわち、第1のガイド260-1と第2のガイド260-2により、有機膜234を与える原料液の広がりの促進と過剰な広がりの抑制がそれぞれ達成される。同様に、第3のガイド260-3と第4のガイド260-4により、樹脂膜240を与える原料液の広がりの促進と過剰な広がりの抑制がそれぞれ達成される。
本実施形態で述べたように、湿式成膜法で形成される膜を与える原料液の広がりを促進する機能を有するガイド絶縁膜と、その過剰な広がりを抑制する機能を有するガイド絶縁膜が共存するようにガイドを形成することで、得られる膜の形状や位置を精密に逝去することが可能となる。
<第4実施形態>
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100の製造方法について、図6、および図23(A)から図27を用いて説明する。図23(A)から図27は、図6に対応する断面模式図である。第1から第3実施形態と同一、類似する構成については説明を割愛することがある。
図23(A)に、駆動トランジスタ150とそれを覆う第2の層間膜218が形成された構造を示す。この構造は公知の方法を適用することで作製できるため、説明は割愛する。
1.平坦化膜とガイドの形成
図23(B)に示すように、第2の層間膜218をエッチング加工し、第1の接続配線138と低電位電源線184との電気的接続のための開口を第2の層間膜218に形成する。その後、この開口を覆うように、第2の層間膜218上に第1の接続配線138を形成する(図23(C))。第1の接続配線138は、スパッタリング法や化学気相堆積(CVD)法などを適用して形成することができる。
この後、図24(A)に示すように、駆動トランジスタ150を含む画素回路や周辺領域を覆うように、基板102の全面に感光性樹脂219を形成する。この感光性樹脂219は平坦化膜220やダム250の第1の層250aを与える膜である。感光性樹脂219の形成では、まず、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などの有機化合物、あるいはその前駆体を含む感光性樹脂の溶液、もしくは懸濁液を、スピンコート法や印刷法、インクジェット法、ディップコーティング法などを適用して基板102の全面に塗布し、その後溶媒を溜去する。あるいは上記有機化合物、またはその前駆体を含むシート状の感光性樹脂219を貼り付ける。
その後、フォトマスク294を基板102上に配置し、感光性樹脂219に対して光を照射する。フォトマスク294は所謂グレイトーンマスク、あるいはハーフトーンマスクと呼ばれるマスクであり、透光部294-1、遮光部294-2、および半透光部294-3を有する。透光部294-1は、露光で用いられる光(照射光)に対し、75%以上100%以下、あるいは80%以上100%以下の透過率を有する。遮光部294-2は、照射光に対する透過率が例えば0%以上5%以下、0%以上2%以下、0%以上1%以下、あるいは実質的に0%である。半透光部294-3の照射光に対する透過率は、20%以上60%以下、30%以上50%以下であり、典型的には40%である。
感光性樹脂219がポジ型の場合、平坦化膜220とダム250の第1の層250aを形成する領域が遮光部294-2によって覆われるように、ガイド260を形成する領域が半透光部294-3によって覆われるように、残りの領域(すなわち、感光性樹脂を完全に除去する領域)が透光部294-1によって覆われるようにフォトマスク294を設計し、配置する。これに対して感光性樹脂219がネガ型の場合、平坦化膜220とダム250の第1の層250aを形成する領域が透光部294-1によって覆われるように、ガイド260を形成する領域が半透光部294-3によって覆われるように、残りの領域が遮光部294-2によって覆われるようにフォトマスク294を設計し、配置する。このようにフォトマスク294を配置して露光を行い、その後現像処理を行うことで、平坦化膜220、ダム250の第1の層250a、およびガイド絶縁膜262が形成される(図24(B))。
感光性樹脂219がポジ型の場合、未露光部、すなわち、遮光部294-2によって覆われる領域では、感光性樹脂219の現像液に対する低い溶解性が維持されるため、感光性樹脂219の高さがほぼそのまま維持される。一方、半露光部、すなわち、半透光部294-3によって覆われる領域では、感光性樹脂219の一部のみが露光され、溶解性が増大する。その結果、露光された部分が現像液に溶解し、他の部分が残存する。したがって、未露光部に相当する平坦化膜220やダム250の第1の層250aの高さは、露光前の感光性樹脂219の高さと同一、あるいは実質的に同一であるのに対し、半露光部に相当するガイド260の高さは、露光前の感光性樹脂219の高さよりも小さい。その結果、平坦化膜220や第1の層250aよりも低いガイド絶縁膜262が得られる。
感光性樹脂がネガ型の場合も同様である。透光部294-1によって覆われる領域では、感光性樹脂219の現像液に対する溶解性が大幅に低下するため現像によって溶解せず、感光性樹脂219の高さがほぼそのまま維持される。一方、半透光部294-3によって覆われる領域では、感光性樹脂219の一部のみが露光されるため、一部が現像液に溶解し、他の部分が残存する。その結果、露光部に相当する平坦化膜220やダム250の第1の層250aの高さは、露光前の感光性樹脂219の高さと同一、あるいは実質的に同一であるのに対し、半露光部に相当するガイド260の高さは、露光前の感光性樹脂219の高さよりも小さくなる。これにより、同一の感光性樹脂219に由来する平坦化膜220や第1の層250a、および第1の層250aよりも低いガイド絶縁膜262が得られる。
なお、この段階において、駆動トランジスタ150と表示素子130との電気的接続のための開口の一部が平坦化膜220に形成される(図24(B))。また、図示しないが、端子112と重なる領域でも感光性樹脂219が除去され、端子112が露出される(図10参照)。その後、この開口においてさらに第2の層間膜218がエッチングされ、ソース電極216が平坦化膜220から露出される(図25(A))。
2.表示素子の形成
引き続き、平坦化膜220と第2の層間膜218に形成された開口を覆うように接続パッド224を、平坦化膜220の上面の一部を覆うように付加容量電極172が形成される。これらもCVD法やスパッタリング法を適用して形成することができる。この時、同時に端子112において配線122を保護する保護導電膜124を形成してもよい(図10参照)。
引き続き、付加容量電極172、および接続パッド224の一部を覆う第3の層間膜174を形成する。さらに付加容量電極172と重なるように画素電極132を、平坦化膜220の一部と第1の接続配線138と重なるように第2の接続配線228を形成する(図25(B))。これらの膜や配線も、CVD法やスパッタリング法を適用して形成することができる。画素電極132と第2の接続配線228は同時に形成することができるため、これらは同一の層内に存在することができる。
さらに、画素電極132の端部を覆うように、かつ、ダム250の第1の層250aを覆うように、隔壁222とダム250の第2の層250bを形成する(図25(B))。これらも感光性樹脂を基板102のほぼ全面に塗布し、遮光部と透光部を有するフォトマスクによる感光性樹脂の露光、現像を行うことで形成することができる。この時、開口226も同時に形成される。このように隔壁222とダム250の第2の層250bを同時に形成することにより、これらは同一の層内に存在し、同一の組成を有し、同一の有機化合物を含むことができる。
その後、隔壁222と画素電極132を覆うように、EL層134を形成し、さらにEL層134上に対向電極136を形成する(図26(A))。これらはインクジェット法や印刷法などの湿式成膜法の他、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成される。対向電極136は、EL層134を覆うのみならず、開口226において第2の接続配線228と接続されるよう、表示領域106から周辺領域に亘って形成される。以上の工程により、表示素子130が形成される。
3.パッシベーション膜の形成
CVD法を利用し、第1の無機膜232を基板102のほぼ全面に形成する。これにより、表示素子130のみならず、ダム250が第1の無機膜232によって覆われる(図26(B))。
その後、有機膜234をインクジェット法や印刷法を利用して形成する(図26(B))。表示装置100には複数のガイド絶縁膜262を有するガイド260が少なくとも一つ、周辺領域に設けられる。このため、第1から第3実施形態で述べた機構が働き、有機膜234の形状や位置を精密に制御することができる。ここで示した例では、有機膜234は、第1のガイド絶縁膜262-1を覆い、第1のダム250-1の一部と重なるように設けられる。
その後、CVD法を利用し、有機膜234と第1の無機膜232の上に第2の無機膜236が形成される。第2の無機膜236も基板102のほぼ全面に形成されるため、第3のダム250-3や第4のダム250-4上で第1の無機膜232は第2の無機膜236と接する(図26(B))。この構成によって有機膜234は第1の無機膜232と第2の無機膜236によって封止され、外部から有機膜234への不純物の侵入が防止される。
4.樹脂膜の形成
引き続き、樹脂膜240を形成する(図27)。樹脂膜240も、原料液をインクジェット法や印刷法を利用して形成する。表示装置100には複数のガイド絶縁膜262を有するガイド260が少なくとも一つ、周辺領域に設けられる。このため、第1から第3実施形態で述べた機構が働き、樹脂膜240の形状や位置を精密に制御することができる。ここで示した例では、樹脂膜240は第1のガイド絶縁膜262-1から第3のガイド絶縁膜262-3、第1のダム250-1、および第2のダム250-2を覆い、第3のダム250-3の一部と重なるように設けられる。
その後、樹脂膜240をマスクとして用い、エッチング加工を第1の無機膜232と第2の無機膜236に対して行い、第1の無機膜232と第2の無機膜236を部分的に除去する(図6)。この時、第4のダム250-4や第4のガイド260-4が露出されるだけでなく、端子112上に形成される第1の無機膜232と第2の無機膜236も除去される(図10参照)。これにより、導電性を有する配線122、あるいは保護導電膜124が露出し、コネクタ116との電気的接続が可能となる。以上の工程により、表示装置100が製造される。
上述したように、本実施形態の製造方法を適用することで、パッシベーション膜230や樹脂膜240の形状や位置が精密に制御された表示装置を提供することができる。このため、本実施形態の製造方法により、信頼性の高い表示装置が提供される。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本明細書においては、開示例として主にEL表示装置の場合を例示したが、他の適用例として、その他の自発光型表示装置、液晶表示装置、あるいは電気泳動素子などを有する電子ペーパ型表示装置など、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100:表示装置、102:基板、104:画素、106:表示領域、108:走査線駆動回路、110:信号線駆動回路、112:端子、114:駆動IC、116:コネクタ、118-1:領域、118-2:領域、118-3:領域、122:配線、122a:配線、122b:配線、124:保護導電膜、130:表示素子、132:画素電極、134:EL層、136:対向電極、138:第1の接続配線、140:保持容量、150:駆動トランジスタ、152:補正トランジスタ、154:発光制御トランジスタ、156:初期化トランジスタ、158:書込トランジスタ、160:リセットトランジスタ、170:付加容量、172:付加容量電極、174:第3の層間膜、180:高電位電源線、182:電流供給線、184:低電位電源線、186:第2の信号線、188:第1の信号線、190:書込制御走査線、192:初期化制御走査線、194:補正制御走査線、196:リセット制御線、198:発光制御走査線、200:リセット信号線、202:アンダーコート、204:半導体膜、204a:活性領域、204b:低濃度不純物領域、204c:高濃度不純物領域、206:ゲート絶縁膜、208:容量電極、210:ゲート電極、212:第1の層間膜、214:ドレイン電極、216:ソース電極、218:第2の層間膜、219:感光性樹脂、220:平坦化膜、222:隔壁、224:接続パッド、226:開口、228:第2の接続配線、230:パッシベーション膜、232:第1の無機膜、234:有機膜、236:第2の無機膜、240:樹脂膜、250:ダム、250-1:第1のダム、250-2:第2のダム、250-3:第3のダム、250-4:第4のダム、250a:第1の層、250b:第2の層、260:ガイド、260-1:第1のガイド、260-2:第2のガイド、260-3:第3のガイド、260-4:第4のガイド、262:ガイド絶縁膜、262-1:第1のガイド絶縁膜、262-2:第2のガイド絶縁膜、262-3:第3のガイド絶縁膜、262-4:第4のガイド絶縁膜、270:配線、272:配線、280:第1の領域、282:第2の領域、284:第3の領域、286:第4の領域、290:異物、292:矢印、294:フォトマスク、294-1:透光部、294-2:遮光部、294-3:半透光部

Claims (9)

  1. 表示領域、および前記表示領域を囲む周辺領域を有する基板、
    前記表示領域上のトランジスタ、
    前記トランジスタ上に位置し、前記トランジスタを覆う平坦化膜、
    前記平坦化膜上に位置し、前記トランジスタと電気的に接続される表示素子、
    前記周辺領域上に位置し、前記表示領域を囲む第1のダム、
    前記周辺領域上に位置し、前記第1のダムを囲む第2のダム、
    前記平坦化膜と前記第1のダムとの間、および前記第1のダムと前記第2のダムの間の少なくともいずれかに位置するガイドを備え、
    前記ガイドは、前記平坦化膜に含まれる第1の有機化合物を含み、
    前記ガイドは、複数のガイド絶縁膜を有し、
    前記平坦化膜と前記第1のダムとの間に位置する前記複数のガイド絶縁膜は、前記第1のダムと前記平坦化膜の少なくとも一方から離隔し、
    前記第1のダムと前記第2のダムの間に位置する前記複数のガイド絶縁膜は、前記第1のダムと前記第2のダムの少なくとも一方から離間し、
    前記複数のガイド絶縁膜の高さは、前記第1のダムの高さ、および前記第2のダムの高さよりも小さい、表示装置。
  2. 前記複数のガイド絶縁膜は、最長辺が前記表示領域へ向くように配置される、請求項に記載の表示装置。
  3. 前記複数のガイド絶縁膜は、それぞれの最長辺が、前記最長辺から最も近い前記表示領域の辺に対して平行になるように配置される、請求項に記載の表示装置。
  4. 前記複数のガイド絶縁膜は、前記表示領域の前記辺に平行な方向において千鳥配置される、請求項に記載の表示装置。
  5. 前記ガイドは、前記平坦化膜と前記第1のダムとの間、および前記第1のダムと前記第2のダムの間に位置し、
    前記平坦化膜と前記第1のダムとの間の前記複数のガイド絶縁膜の最長辺が延伸する第1の方向は、前記第1のダムと前記第2のダムの間の前記複数のガイド絶縁膜の最長辺が延伸する第2の方向と異なる、請求項に記載の表示装置。
  6. 前記第1の方向は前記表示装置に向き、
    前記第2の方向は、前記最長辺から最も近い前記表示領域の辺に対して平行である、請求項に記載の表示装置。
  7. 前記表示領域上に隔壁をさらに有し、
    前記表示素子は画素電極を有し、
    前記隔壁は前記画素電極の端部を覆い、
    前記第1のダムと前記第2のダムのそれぞれは、前記第1の有機化合物を含む第1の層、および前記第1の層上に位置し、前記隔壁に含まれる第2の有機化合物を含む第2の層を備える、請求項に記載の表示装置。
  8. 基板上にトランジスタを形成すること、
    第1の樹脂を前記トランジスタを覆うように形成すること、
    前記第1の樹脂を加工することにより、前記トランジスタ上の平坦化膜、前記平坦化膜を囲むガイド、前記ガイドを囲む第1のダム、および前記第1のダムを囲む第2のダムを形成すること、ならびに
    前記トランジスタと電気的に接続される表示素子を形成することを含み、
    前記ガイドは、前記第1の樹脂から形成される複数のガイド絶縁膜を含み、
    前記平坦化膜と前記第1のダムとの間に位置する前記複数のガイド絶縁膜は、前記第1のダムと前記平坦化膜の少なくとも一方から離隔するように形成され、
    前記第1のダムと前記第2のダムの間に位置する前記複数のガイド絶縁膜は、前記第1のダムと前記第2のダムの少なくとも一方から離間するように形成され、
    前記複数のガイド絶縁膜の高さは、前記第1のダムと前記第2のダムの高さよりも小さ、表示装置の製造方法。
  9. 前記第1の樹脂の前記加工は、
    透光部、遮光部、および半透光部を有するフォトマスクを、前記半透光部によって覆われる第1の領域が前記トランジスタから離隔しつつ前記トランジスタを囲むように、かつ、前記遮光部によって覆われる領域が前記第1の領域を囲むように第1の樹脂上に配置すること、
    前記フォトマスクを介して前記第1の樹脂に光照射を行うこと、
    前記第1の樹脂を現像することを含む、請求項に記載の表示装置の製造方法。
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