JP7267238B2 - 電気機器 - Google Patents

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Description

本開示は、回転子と固定子とを備える回転電機および電気機器に関する。
回転電機において、巻線の中性点電位変動などに伴う静電誘導による回転軸とアースとの間に発生する電圧は、回転子を支持する軸受に印加される。軸受に印加される電圧が軸受潤滑油の絶縁破壊電圧を超えた場合には、放電により軸受面が局部発熱して溶融痕が発生する電食現象が問題となる。
近年の回転電機は、高周波のインバータで駆動されるようになっており、中性点における巻線の相間電圧の基本波である中性点基本波電圧のインバータの変調方式による変動が増加している。また、インバータのスイッチングによる矩形波状の電圧が短周期で重畳されて波高値が高くなっている。インバータ制御の回転電機は、中性点基本波電圧の変動の増加および波高値の増大に起因して放電回数が増加しており、短期間に電食が進行して異常な振動騒音が発生する場合がある。
特許文献1には、軸受の電食を抑制する固定子が開示されている。特許文献1に記載の固定子は、円環状ヨークと、磁性材料からなり、円環状ヨークと併設される磁性コアと、磁性コアが併設される円環状ヨークの内周側および外周側に円環状のヨークの軸方向にコイルを巻き回して閉路を構成するキャンセルコイルと、を備える。キャンセルコイルは、U相、V相およびW相のそれぞれに対応する3つの要素コイルを含み、3つの要素コイルは、円環状ヨークの円周方向の複数の箇所に配置される。これによって、円環状ヨーク内を円周方向に流れる不平衡磁束がキャンセルコイルを貫くことによって三次の電圧が誘導される。そして、三次の電圧が誘導されることで、キャンセルコイルには、不平衡磁束を妨げる向きの電流が流れる。この結果、回転軸に発生する電圧が低減され、軸受の電食が抑制される。
特開2018-26894号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、キャンセルコイルを構成する3つの要素コイルを、円環状ヨークの円周方向の複数の箇所に配置し、直列に接続する必要があった。そのため、特許文献1に記載の固定子は、構造および加工が複雑になるという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、従来に比して簡素な構造および加工によって、軸受における電食を抑制することができる電気機器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の電気機器は、固定子と、固定子の内側に空隙を介して配置された回転子と、回転子に固定された回転軸と、回転軸を回転可能に支持する第1軸受および第2軸受と、外郭と、導電部材と、を有する回転電機と、回転電機の回転軸に固定される羽根と、を備える。固定子は、円環状のヨーク、およびヨークの内周面から径方向に突出する複数のティースを含む固定子鉄心と、固定子鉄心に巻回された電機子巻線と、を有する。外郭は、固定子、第1軸受および第2軸受を支持する。導電部材は、回転軸に電気的に接続され、外郭のうち回転軸が貫通する面である貫通面と間隔をおいて配置され、回転軸に対し回転対称な導電性材料からなる。導電部材は、外郭の貫通面と羽根との間に配置される。
本開示によれば、従来に比して簡素な構造および加工によって、軸受における電食を抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態1による回転電機の構成の一例を示す断面図 図1のII-II断面図 実施の形態1による回転電機のインバータと電機子巻線との結線図 実施の形態1による回転電機の直流電圧VDCおよび電位PSCの中間の電位からみた3倍の周波数の電圧を重畳した相電圧、相間電圧および中性点電圧の基本波波形の一例を示す図 実施の形態1による回転電機の中性点電圧波形および軸電圧波形の一例を示す図 一般的な回転電機において外郭が接地された場合の等価回路を示す図 実施の形態1による回転電機において外郭が接地された場合の等価回路を示す図 実施の形態2による回転電機の構成の一例を示す断面図 実施の形態3による回転電機を備える換気扇の断面図
以下に、本開示の実施の形態にかかる回転電機および電気機器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による回転電機の構成の一例を示す断面図である。図2は、図1のII-II断面図である。以下では、回転電機10として、3相4極集中巻の永久磁石式同機電動機を例として取り上げる。回転電機10は、内周面が円筒状に形成された固定子11と、固定子11の内側に空隙を介して配置された円筒状の回転子12と、回転子12に固定された回転軸13と、回転軸13を回転可能に支持する第1軸受14および第2軸受15と、固定子11並びに第1軸受14および第2軸受15を支持し、固定子11および回転子12を内包する外郭16と、を備える。なお、回転軸13は、回転子12と一体に設けられていてもよい。
第1軸受14は、外輪14gと、内輪14nと、転動体14tと、を備える。外輪14gの内部に転動体14tを介して内輪14nが回転可能に支持されており、軸受箱16fで外輪14gが保持されている。転動体14tは、不図示の保持器にて一定の間隔に保持されている。転動体14tが外輪14gおよび内輪14nに設けられた溝を転がることによりスムースな回転が可能となっている。外輪14g、転動体14t、保持器、内輪14n間には、グリースなどの潤滑油が入っており、転がり面に薄い油膜を形成して金属と金属とが直接接触して磨耗するのを防止している。
第2軸受15は、外輪15gと、内輪15nと、転動体15tと、を備える。外輪15gの内部に転動体15tを介して内輪15nが回転可能に支持されており、軸受箱16rで外輪15gが保持されている。転動体15tは、不図示の保持器にて一定の間隔に保持されている。転動体15tが外輪15gおよび内輪15nに設けられた溝を転がることによりスムースな回転が可能となっている。外輪15g、転動体15t、保持器、内輪15n間には、グリースなどの潤滑油が入っており、転がり面に薄い油膜を形成して金属と金属とが直接接触して磨耗するのを防止している。以上のように、実施の形態1では、第1軸受14および第2軸受15が転がり軸受である場合を示している。
固定子11は、円環状のヨーク17およびヨーク17の内周面から径方向に突出する複数のティース181,182,183,184,185,186を含む固定子鉄心19と、電機子巻線20と、を有する。以下では、ティース181,182,183,184,185,186は、全体を指す場合には、ティース18と称される。ティース18は、ヨーク17から回転子12に向けて突出している。円環状のヨーク17の内側に、内周面が円筒状となるように、ティース18が配置される。つまり、ティース18によって、円環状のヨーク17の内側には円柱状の空間が形成され、この円柱状の空間に回転子12が配置される。固定子鉄心19は透磁率の高い磁性材料で形成される。電機子巻線20は、ティース18に不図示の絶縁物を介して巻回されている。
固定子鉄心19には、電機子巻線20を通すためにヨーク17とティース18とに囲まれたスロット21が設けられている。
ティース18にはU1,V1,W1,U2,V2,W2の6個のコイルから成る電機子巻線20が巻回されている。
回転軸13は、第1軸受14が配置される外郭16の面16Aを貫通する。以下では、面16Aは貫通面と称される。回転電機10は、回転軸13に電気的に接続され、貫通面16Aと間隔をおいて配置され、回転軸13に対して回転対称な導電性材料からなる導電部材50を備える。図1では、導電部材50は円盤状である場合が示される。
図3は、実施の形態1による回転電機のインバータと電機子巻線との結線図である。U相は二つのコイルU1,U2が直列接続されている。V相は二つのコイルV1,V2が直列接続されている。W相は二つのコイルW1,W2が直列接続されている。U相のU1側、V相のV1側およびW相のW1側は、インバータ30に接続されている。U相のU2側、V相のV2側およびW相のW2側は互いに接合されて中性点Nとなっており、U相、V相およびW相は、Y結線されている。
インバータ30は、アームをなす6個のスイッチング素子31,32,33,34,35,36を備えている。上段のアームをなすスイッチング素子31と下段のアームをなすスイッチング素子34とが直列に接続されて第1レグを構成している。上段のアームをなすスイッチング素子32と下段のアームをなすスイッチング素子35とが直列に接続されて第2レグを構成している。上段のアームをなすスイッチング素子33と下段のアームをなすスイッチング素子36とが直列に接続されて第3レグを構成している。第1レグ、第2レグおよび第3レグは、直流電源40に並列に接続されている。第1レグから出力端子Rが出ており、回転電機10のU相と接続されている。第2レグから出力端子Sが出ており、回転電機10のV相と接続されている。第3レグから出力端子Tが出ており、回転電機10のW相と接続されている。
直流電源40は、商用電源といった交流給電であれば交流電源を整流素子で整流後、コンデンサで平滑することで得られる。直流電源40は、電気自動車などによる直流給電であれば、蓄電池から直接得られるが、直流電圧変換器であるDC(Direct Current)-DCコンバータで電圧調整してもよい。
次に、軸受における電食の発生原理、および実施の形態1による回転電機10において軸受における電食が抑制される仕組みについて説明する。以下では、軸受における電食は、軸受電食と称される。
インバータ30は、直流電源40の直流電圧VDCを、スイッチング素子31,32,33,34,35,36をパルス幅変調信号に基づいて高速にオンまたはオフし、出力端子R,S,Tの電位が第1状態および第2状態のいずれかになるように選択する。第1状態は、出力端子R,S,Tの電位を直流電源40のプラス側の電位VSおよびマイナス側の電位PSCのいずれかに接続する状態である。第2状態は、出力端子R,S,Tの電位を直流電源40のプラス側の電位VSにもマイナス側の電位PSCにも接続しない、フローティングの状態である。これによって、回転電機10の電機子巻線20の相間電圧の平均値の位相差が120度ずれた3相電圧となるようにインバータ30は動作する。パルス幅変調には相間電圧の基本波の平均値を正弦波とする正弦波駆動の他に、台形波状とする台形波駆動、矩形波状とする矩形波駆動など様々な駆動方式があるが、いずれの駆動方式においても電位PSCを基準に出力端子R,S,Tの短時間での実際の電圧波形は、矩形波となる。
正弦波駆動のパルス幅変調は、原理的には電機子巻線20へ印加する所望の正弦波状基本波と三角波搬送波との大小を比較することによって、各レグの上段のアームをオンするかまたは下段のアームをオンするかを決める。ただし、直流電圧VDCの範囲の中で、相間電圧をできるだけ大きくとれるように、電機子巻線20へ印加する正弦波電圧の3倍の周波数の正弦波を各相の相電圧へ重畳したものを三角波搬送波と比較することがある。この場合、相電圧の平均値は馬蹄形の波形となるが、相間では重畳した3倍の周波数の正弦波は差し引かれるため、相間電圧は所望の正弦波電圧となる。
図4は、実施の形態1による回転電機の直流電圧VDCおよび電位PSCの中間の電位からみた3倍の周波数の電圧を重畳した相電圧、相間電圧および中性点電圧の基本波波形の一例を示す図である。出力端子R,S,Tにおける電圧は、U相、V相およびW相の相電圧を示している。出力端子Rと出力端子Sとの間の電圧R-Sは、U相とV相との相間電圧を示している。出力端子Sと出力端子Tとの間の電圧S-Tは、V相とW相との相間電圧を示している。出力端子Tと出力端子Rとの間の電圧T-Rは、W相とU相との相間電圧を示している。正弦波電圧の3倍の周波数の正弦波の電圧を電機子巻線20へ印加すると、零相電圧とよばれる電機子巻線20全体の電圧は、前述の重畳された3倍の周波数の正弦波で振れ、中性点Nの中性点電圧となって現れる。零相電圧により、ヨーク17には円周方向に循環する磁束が発生する。そして、ヨーク17を貫通している回転軸13には電磁誘導起電力および静電誘導による軸電圧が発生し、第1軸受14および第2軸受15の油膜に電圧が印加される。
このとき、前述したようにインバータ30の出力電圧の基本波は正弦波状であるが、実際には、パルス幅変調された矩形波状の電圧であるため、電機子巻線20全体の電圧も矩形波状に変動している。この高周波の矩形波状の電圧は、電機子巻線20から外郭16、電機子巻線20から回転軸13などに存在する静電容量を通じて回転軸13に印加されることとなる。
第1軸受14および第2軸受15の油膜には基本波だけの場合に比べて波高値が高い高周波の矩形波状の電圧が重畳され、絶縁破壊による放電が頻繁に発生して、軸受面の劣化が急速に進む。
図5は、実施の形態1による回転電機の中性点電圧波形および軸電圧波形の一例を示す図である。この図で、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。軸電圧波形520は、中性点電圧波形510よりも鈍ってはいるが、中性点電圧の変動によって誘起された軸電圧が60マイクロ秒程度の周期で発生している。
次に、中性点電圧と軸電圧との関係を簡易的な等価回路で示す。図6は、一般的な回転電機において外郭が接地された場合の等価回路を示す図である。ここで、中性点電圧はVNで示され、中性点Nから回転軸13までの静電容量はCnsで示され、第1軸受14および第2軸受15の内輪14n,15nから外輪14g,15gまでの静電容量はCsbで示され、回転軸13から外郭16までの静電容量はCsf1で示される。現実には各々に抵抗およびインダクタンス成分が存在するが、簡便のために省略している。中性点電圧VNは、前述の3つの静電容量Cns,Csb,Csf1によるインピーダンスにより分圧され、静電容量Csbに分圧される電圧が軸電圧となる。つまり、軸電圧をVaとすると、軸電圧Vaは、次式(1)によって示される。
Va=Cns/(Csb+Csf1)×VN ・・・(1)
一方、図1に示されるように、実施の形態1の回転電機10は、外郭16に近接した回転軸13上の位置に導電性材料からなる円盤状の導電部材50をさらに備える。円盤状の導電部材50は、回転軸13と電気的に接続されており、円盤状の導電部材50と回転軸13とは同電位となっている。
図7は、実施の形態1による回転電機において外郭が接地された場合の等価回路を示す図である。図7に示されるように、図6の等価回路と比較して、静電容量Csb,Csf1と並列接続となるように、回転軸13から外郭16までの静電容量Csf2が追加されている。静電容量Csf2は、円盤状の導電部材50と外郭16との静電容量である。静電容量Csf2が追加されることで、並列接続された静電容量Csb,Csf1からなる合成インピーダンスは低下し、静電容量Csbに分圧される軸電圧は低下する。この結果、軸受電食が抑制される。つまり、実施の形態1による回転電機10の場合の軸電圧Vaは、次式(2)によって示される。
Va=VN×Cns/(Csb+Csf1+Csf2) ・・・(2)
この円盤状の導電部材50と外郭16との静電容量Csf2は、次式(3)で概算することができる。ただし、εは空気の誘電率であり、Sは円盤状の導電部材50と外郭16とが対面する部分の表面積であり、dは円盤状の導電部材50と外郭16との距離であるとする。
Csf2=ε×S/d ・・・(3)
このため、円盤状の導電部材50の直径を変えることで、外郭16と対面する部分の表面積Sを変えることができ、この結果、静電容量Csf2の値を調節することができる。したがって、静電容量Csbに分圧される軸電圧Vaを容易に調節することが可能である。
次に、数値を用いた例により、軸電圧抑制の効果を示す。図6において、VN=70[V],Cns=5[pF],Csb=30[pF],Csf1=30[pF]であるとき、(1)式より軸電圧Vaは5.8[V]となる。
回転電機10の外郭16が、直径Φが130[mm]であり、高さが100[mm]である略円筒形であり、ここに直径Φが130[mm]の円盤状の導電部材50を1[mm]の間隔をおいて設置するものとする。(3)式より、円盤状の導電部材50と外郭16との静電容量Csb2は117.5[pF]となる。この場合の回転電機10の等価回路は、図7に示されるものとなり、第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量は60[pF]から177.5[pF]へ変化したことになる。円盤状の導電部材50の取り付け前の第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量をCaとし、取り付け後の第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量をCbとする。取り付け後に対する取り付け前の静電容量の比率Ca/Cbは0.34となる。つまり、円盤状の導電部材50を取り付け後の軸電圧Vaは、円盤状の導電部材50を取り付ける前の軸電圧Vaに0.34を乗算した2.0[V]となる。すなわち、軸電圧Vaを円盤状の導電部材50の取り付け前の約34%に抑制することができる。
実施の形態1では、回転電機10は、外郭16の外側で外郭16に接触しない位置で回転軸13に電気的に接続される円盤状の導電部材50を備える。これによって、回転軸13と外郭16との間の静電容量が増加し、回転軸13と外郭16と並行して接続される第1軸受14および第2軸受15の内輪14n,15nと外輪14g,15gとの間の静電容量との合成インピーダンスを低下させることができる。すなわち、第1軸受14および第2軸受15の内輪14n,15nから外輪14g,15gにかかる軸電圧Vaを低下させることができる。この結果、回転電機10の動作中における第1軸受14および第2軸受15での放電回数の増加を抑制し、第1軸受14および第2軸受15における電食を抑制することができるという効果を有する。
また、回転電機10の内部の構造を変更することがなく、かつ簡素な導電部材50を取り付けるだけで、上記した第1軸受14および第2軸受15における電食を抑制することができるという効果を有する。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2による回転電機の構成の一例を示す断面図である。以下では、実施の形態1と同一構成要素には、同一の構成要素を付して、その説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態2の回転電機10は、実施の形態1の円盤状の導電部材50に代えて、回転軸13に導電体からなるお椀状の導電部材51を備える。お椀状の導電部材51は、外郭16の貫通面16Aと、貫通面16A側の側面と、を予め定められた距離を置いて覆うように配置される。すなわち、お椀状の導電部材51は、外郭16の貫通面16Aと対向して配置される底面部511と、底面部511の外周に沿って設けられる側面部512と、を有する。お椀状の導電部材51も、回転軸13と電気的に接続されており、お椀状の導電部材51と回転軸13とは同電位となっている。
お椀状の導電部材51と外郭16とが対面する部分の表面積は、実施の形態1に比べて増加し、静電容量Csf2はより大きな値となる。そのため、図7に示される等価回路において、静電容量Csb,Csf1,Csf2からなる合成インピーダンスはより小さな値となる。この結果、静電容量Csbに分圧される軸電圧Vaをより小さな値とすることができ、軸受電食を抑制することができる。
次に、数値を用いた例により、軸電圧抑制の効果を示す。お椀状の導電部材51は、直径Φが130[mm]の円盤状の底面部511に、幅が100[mm]の円筒状の側面部512を接合した形状であるものとする。また、お椀状の導電部材51は、外郭16と1[mm]の間隔をおいて設置されるものとする。その他は、実施の形態1の数値例と同様であるとすると、お椀状の導電部材51と外郭16との静電容量Csf2は、478.9[pF]となる。このとき、第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量は60[pF]から538.9[pF]へと変化したことになり、お椀状の導電部材51の取り付け前後の第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量の比率Ca/Cbは0.11となる。つまり、お椀状の導電部材51を取り付け後の軸電圧Vaは、お椀状の導電部材51を取り付ける前の軸電圧Vaに0.11を乗算した0.6[V]となる。すなわち、軸電圧Vaをお椀状の導電部材51の取り付け前の約11%に抑制することができる。
導電部材50,51と外郭16が対面する部分の表面積を増加させ、導電部材50,51の取り付け前後の第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13から外郭16までの間の静電容量の比率Ca/Cbを、実施の形態1では0.34まで変化させ、実施の形態2では0.11まで変化させる例を挙げた。しかし、導電部材50,51の取り付けにより静電容量をこれ以上に変化させるためには、精度上の制約が生じる。一般的に、例に挙げた体格の回転電機10において、回転子12と固定子11との間の空隙長と、回転軸13の軸中心からのずれである偏心量との比率である偏心率=偏心量/空隙長は、30%程度とされている。例えば、空隙長が0.3[mm]であるとすると、偏心量は0.09[mm]となる。
ここで、実施の形態2においてお椀状の導電部材51と外郭16との間の間隔が0.09[mm]のときのお椀状の導電部材51の取り付け前後の静電容量の比率Ca/Cbは0.10となる。よって、実施の形態1,2で示した導電部材50,51と外郭16との間の間隔を0.09[mm]よりも小さくすると、導電部材50,51と外郭16とが接触する場合が多くなることになる。このため導電部材50,51と外郭16との間の間隔を小さくすることで静電容量を大きくするためには、加工精度または組立精度の向上が必要となり、大きな投資または組立方法の変更等が必要となる。
また、回転電機10の体格を大きくすることで、静電容量Csf2を大きくすることはできるが、体格増加に伴い、静電容量Cns,Csb,Csf1もともに増加することになるため、導電部材50,51の取り付け前後の静電容量の比率Ca/Cbを小さくすることはできない。
従って、大きな投資または組立方法の変更などを伴わず簡素な方法で、導電部材50,51の取り付け前後の静電容量の比率Ca/Cbを変更できる範囲は、0.10以上1未満が妥当であると考えられる。
実施の形態2では、回転電機10は、外郭16の貫通面16Aと、外郭16の貫通面16A側の側面と、を予め定められた間隔をおいて覆うように配置されるとともに、回転軸13に電気的に接続されるお椀状の導電部材51を備える。これによって、第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13と外郭16との間の静電容量が実施の形態1の場合に比してさらに増加し、第1軸受14および第2軸受15の内輪14n,15nから外輪14g,15gにかかる軸電圧Vaを実施の形態1の場合に比して低下させることができる。この結果、回転電機10の動作中における第1軸受14および第2軸受15での放電回数の増加を抑制し、軸受電食を抑制することができるという効果を有する。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3による回転電機を備える換気扇の断面図である。換気扇60は、回転電機10を備える電気機器の一例である。換気扇60は、本体部61に搭載される上記した実施の形態1,2で説明した回転電機10と、回転電機10の回転軸13の先端に固定される羽根62と、を備える。図9では、回転軸13に円盤状の導電部材50が設けられる実施の形態1による回転電機10が本体部61に搭載される例が示されている。
一例では、換気扇60の本体部61は、建築物の天井板63の開口を通じて天井裏に設置される。換気扇60は、天井板63の開口で露出した本体部61を覆うグリル64を有する。回転電機10が回転し羽根62も回転すると、図9の矢印Aで示される空気の流れが発生する。
実施の形態1,2で説明したように、回転電機10の回転軸13に取り付けられた導電部材50,51は外郭16に近接して取り付けられているため、羽根62の取り付けおよび空気の流れを阻害することなく、回転電機10の動作中において発生する軸電圧Vaを抑制することができるという効果を有する。
実施の形態4.
実施の形態1から3では、回転電機10の回転軸13に新たに円盤状の導電部材50またはお椀状の導電部材51などの部材を取り付ける構造とした。しかし、実施の形態3の換気扇60において、羽根62を金属製としてもよい。つまり、回転軸13に設けられる導電部材によって、羽根62が構成される。この場合にも、回転軸13に電気的に接続した導電部材である羽根62が外郭16と対面することとなる。この結果、第1軸受14および第2軸受15を含む回転軸13と外郭16との間の静電容量を大きくすることができ、回転電機10の動作中において発生する軸電圧Vaを抑制することができるという効果を有する。
実施の形態5.
実施の形態3の換気扇60において、羽根62が樹脂製の場合には、外郭16と対面する部位に導電性の部材または金属箔などを設けてもよい。実施の形態4において、羽根62が樹脂製である場合も同様に、外郭16と対面する部位に導電性の部材または金属箔などを設けてもよい。このようにすることで、上記した実施の形態と同様に、回転軸13に電気的に接続された導電部材が外郭16と対面することとなり、回転軸13と外郭16との間の静電容量を大きくすることができ、回転電機10の動作中において発生する軸電圧Vaを抑制することができるという効果を有する。
上記実施の形態1から5の回転電機10または回転電機10を備える電気機器では、回転軸13を回転可能に支持する第1軸受14および第2軸受15が、転がり軸受である場合を例に挙げて説明した。しかし、第1軸受14および第2軸受15が、すべり軸受などの回転部と回転部を回転可能に支持する回転支持部との間に絶縁性の膜が形成される種類の軸受であれば、上記した実施の形態1から5を適用することができる。
また、上記実施の形態1から5では、中性点電圧VNの変動する原理がわかり易いように、インバータ30のパルス幅変調方式として、電機子巻線20へ印加する正弦波電圧の3倍の周波数の正弦波を各相の相電圧へ重畳したものを三角波搬送波と比較する方式で説明した。しかし、インバータ30からパルス幅変調された矩形波状の電圧が電機子巻線20全体へ印加されて、中性点Nは矩形波状に変動するため、3倍の周波数の正弦波を各相の相電圧へ重畳していない場合にも、上記した実施の形態1から5は有効である。また、インバータ30の駆動方式が、台形波駆動または矩形波駆動である場合にも、上記した実施の形態1から5を適用することができる。
また、インバータ30からの電圧供給でなくても、中性点電圧VNが変動する電源形態であれば、軸電圧による第1軸受14および第2軸受15に電食が発生する可能性がある。上記した実施の形態1から5は、インバータ30以外の中性点電圧VNが変動する電源であっても、第1軸受14および第2軸受15の電食を抑制することができる。さらに、電機子巻線20は集中巻でなく、分布巻の場合にも、同様の効果が得られる。さらにまた、相数または極数、巻線方式、電動機の種類は限定されるものではなく誘導電動機またはリラクタンス電動機などの交流電動機なら上記した実施の形態の効果が得られる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 回転電機、11 固定子、12 回転子、13 回転軸、14 第1軸受、14g,15g 外輪、14n,15n 内輪、14t,15t 転動体、15 第2軸受、16 外郭、16A 貫通面、16f,16r 軸受箱、17 ヨーク、18,181,182,183,184,185,186 ティース、19 固定子鉄心、20 電機子巻線、21 スロット、30 インバータ、31,32,33,34,35,36 スイッチング素子、40 直流電源、50,51 導電部材、60 換気扇、61 本体部、62 羽根、63 天井板、64 グリル、511 底面部、512 側面部。

Claims (5)

  1. 円環状のヨーク、および前記ヨークの内周面から径方向に突出する複数のティースを含む固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻回された電機子巻線と、を有する固定子と、
    前記固定子の内側に空隙を介して配置された回転子と、
    前記回転子に固定された回転軸と、
    前記回転軸を回転可能に支持する第1軸受および第2軸受と、
    前記固定子、前記第1軸受および前記第2軸受を支持する外郭と、
    前記回転軸に電気的に接続され、前記外郭のうち前記回転軸が貫通する面である貫通面と間隔をおいて配置され、前記回転軸に対し回転対称な導電性材料からなる導電部材と、
    を有する回転電機と、
    前記回転電機の前記回転軸に固定される羽根と、
    を備え、
    前記導電部材は、前記外郭の前記貫通面と前記羽根との間に配置されることを特徴とする電気機器
  2. 前記導電部材を接続しない状態での前記回転軸を回転させたときの前記回転軸と前記外郭との間の静電容量をCaとし、前記導電部材を接続した状態での前記回転軸を回転させたときの前記回転軸と前記外郭との間の静電容量をCbとしたときの、Cbに対するCaの比率Ca/Cbは、0.10以上かつ1未満であることを特徴とする請求項1に記載の電気機器
  3. 前記導電部材は、円盤状であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気機器
  4. 前記導電部材は、前記外郭の前記貫通面と、前記外郭の側面のうち前記貫通面側の部分と、を覆うように設けられるお椀状であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気機器
  5. 前記第1軸受および前記第2軸受は、回転する回転部と、前記回転部の外側に配置され、前記回転部を回転可能に支持する回転支持部と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の電気機器
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