以下、信号生成装置および信号読取システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
この信号生成装置は、一対の信号線(一例として一対の被覆導線)で構成される通信路を介して伝送される2線差動電圧方式のロジック信号に基づき、このロジック信号に対応する符号を特定可能な符号特定用信号を生成する。また、この信号読取システムは、信号生成装置によって生成された符号特定用信号に基づいて上記のロジック信号に対応する符号を特定すると共に、特定した符号で構成される符号列を特定するシステムであって、「CANプロトコル」、「CAN FD」、「FlexRay(登録商標)」などの各種通信プロトコルに準拠した各種の「2線差動電圧方式のロジック信号」や、「LVDS」による小振幅低消費電力通信が可能な各種通信プロトコルに準拠した各種の「2線差動電圧方式のロジック信号」を対象とすることができる。この場合、「CANプロトコル」および「CAN FD」の「CAN通信用のシリアルバス」では、「高電位側信号線(CANH)/低電位側信号線(CANL)」が「ロジック信号を伝送するための一対の被覆導線」に相当し、「FlexRay通信用のシリアルバス」では、「正側信号線(BP)/負側信号線(BM)」が「ロジック信号を伝送するための一対の被覆導線」に相当し、「LVDSによる通信を行うシリアルバス」では、「正論理側信号線/負論理側信号線」が「ロジック信号を伝送するための一対の被覆導線」に相当する。また、この信号読取システムは、上記のロジック信号に対応する符号および符号列を特定する機能を備えていることから、結果として、通信路に伝送されているロジック信号を検出するアナライザとしても機能し、さらに検出した符号列をメモリに記憶するように構成されているときには記録装置(レコーダ)としても機能する。
以下では、一例として、「CAN通信用のシリアルバス」を対象として、CAN通信用のシリアルバス(CAN通信路。以下、単に通信路ともいう)から各種CANフレーム(2線差動電圧方式のロジック信号によって示されている符号の列(以下、符号列ともいう))を取得して動作する各種電子機器とシリアルバスとの間に配設して使用される信号生成装置および信号読取システムを例に挙げて説明する。具体的には、一例として、自動車に配設されている通信路からロジック信号を読み取り、対応する符号列(CANフレーム)を利用した各種の処理を外部機器(CAN通信対応機器)において実行させる例について説明する。
図1に示す信号読取システム1は、「信号読取システム」の一例であって、信号生成装置2A(「信号生成装置」の一例)、および符号化装置3(「符号化装置」の一例)を備えて構成されている。この信号読取システム1は、自動車に配設されているCAN通信用のシリアルバスSB(「通信路」の一例)からCANフレーム(「通信路を介して伝送されるロジック信号」の一例)を読み取り、読み取ったCANフレームと同じCANフレームCs(「ロジック信号に対応する符号列」の一例)を各種のCAN通信対応機器に出力することができるように構成されている。
この場合、シリアルバスSBを介してのCANプロトコルに準拠した通信時には、図1,2に示すように、CANフレーム(符号列)を構成する各符号を表すロジック信号Saが、シリアルバスSBにおける2本の被覆導線のうちのCANHigh(CANH)の被覆導線Laに伝送される電圧信号の電圧Va(以下、理解の容易のため、この電圧信号自体を電圧信号Vaともいう)と、2本の被覆導線のうちのCANLow(CANL)の被覆導線Lbに伝送される電圧信号の電圧Vb(以下、理解の容易のため、この電圧信号自体を電圧信号Vbともいう)との間の電位差(Va-Vb)である差動信号として伝送される。
なお、シリアルバスSBを介してのロジック信号Saの伝送原理については公知のため、詳細な説明を省略するが、CANHigh(CANH)の電圧信号VaおよびCANLow(CANL)の電圧信号Vbの仕様について簡単に説明する。図3に示すように、電圧信号Va,Vbは、ベースになる電圧(+2.5V)から逆方向に変化する電圧信号であって、電圧信号Vaがこのベースの電圧のときには、電圧信号Vbも同じ期間に亘り同じベースの電圧になって、電位差(Va-Vb)がゼロ(最小)となるこの期間に伝送されるCANフレームを構成する符号Cs(論理値)は「1」を示すものとなる。一方、電圧信号Vaがこのベースの電圧よりも高電圧の規定電圧(+3.5V)のときには、電圧信号Vbは同じ期間に亘り、逆にベースの電圧よりも低電圧の他の規定電圧(+1.5V)になって、電位差(Va-Vb)が最大となるこの期間に伝送されるCANフレームを構成する符号Cs(論理値)は「0」を示すものとなる。また、シリアルバスSBにおいて差動信号を伝送するための基準電位となる信号線である「SG」や、差動信号の伝送の用途以外に配設されている信号線および電力線等の図示および説明を省略する。
信号生成装置2Aは、図2に示すように、入力端子11,12、第1検出部13、第2検出部14、信号生成部15、処理部16および出力部17を備えている。また、信号生成装置2Aは、図1,2に示すように、入力端子11に接続された第1プローブPLa、および入力端子12に接続された第2プローブPLb(第1プローブPLaとは別体のプローブ)を介して一対の被覆導線La,Lb(以下、特に区別しないときには「被覆導線L」ともいう)で構成されるシリアルバスSBに接続されて、このシリアルバスSBを介して伝送される2線差動電圧方式のロジック信号Sa(具体的には、被覆導線La側の電圧信号Vaおよび被覆導線Lb側の電圧信号Vb)に基づき、図3に示すように、電圧信号Va,Vbに対応する符号Cs(電位差(Va-Vb)である差動信号に対応する符号Cs(「1」または「0」))を特定可能な符号特定用信号Sfを生成する。
第1プローブPLaおよび第2プローブPLbは、シールドケーブル(一例として、同軸ケーブル)を用いて構成されている。また、第1プローブPLaは、基端部側が入力端子11に接続される(固定的、または取り外し自在に接続される)と共に、被覆導線Laに取り外し自在に接続される先端部側(自由端部側)に電極部21aが設けられている。本例では、第1プローブPLaは金属非接触型のプローブとして構成されている。このため、電極部21aは、被覆導線Laに接続された状態において、被覆導線Laの不図示の絶縁被覆部(以下、単に「被覆部」ともいう)に接触(当接)して、被覆導線Laの不図示の金属部(芯線)と容量結合する電極22aと、被覆導線Laの被覆部における電極22aの接触部位をこの電極22aを含めて覆うことで、電極22aの他の金属部(被覆導線Laの芯線以外の金属部)との容量結合を防止するためのシールド23aとを備えている。また、電極22aは、第1プローブPLaを構成するシールドケーブルの芯線および入力端子11を介して第1検出部13に接続されている。また、シールド23aは、このシールドケーブルのシールドおよび入力端子11を介して、信号生成装置2Aにおける基準電位の部位(グランドG)に接続されている。
第2プローブPLbも第1プローブPLaと同様に金属非接触型のプローブとして構成されて、基端部側が入力端子12に接続されると共に、被覆導線Lbに取り外し自在に接続される先端部側(自由端部側)に電極部21bが設けられている。また、電極部21bは、被覆導線Lbの金属部(芯線)と容量結合する電極22bと、被覆導線Lbの被覆部における電極22bの接触部位をこの電極22bを含めて覆うことで、電極22bの他の金属部(被覆導線Lbの芯線以外の金属部)との容量結合を防止するためのシールド23bとを備えている。また、電極22bは、第2プローブPLbを構成するシールドケーブルの芯線および入力端子12を介して第2検出部14に接続されている。また、シールド23aは、このシールドケーブルのシールドおよび入力端子12を介して、グランドGに接続されている。また、被覆導線La,Lbは同一構造(外径や断面構造が同一)の電線で構成されているため、この被覆導線La,Lbに接続される電極部21a,21bは同一に構成されている。
また、上記したように電極部21a,21bが同一に構成されているため、信号生成装置2Aの使用者が各プローブPLa,PLbを被覆導線La,Lbに誤接続する(第1プローブPLaを被覆導線Lbに接続し(取り付け)、第2プローブPLbを被覆導線Laに接続する(取り付ける))、という可能性もある。しかしながら、符号Csを正しく特定可能な符号特定用信号Sfを生成するためには、図2に示すように、第1検出部13が、入力端子11に接続された第1プローブPLaを介して被覆導線La(CANHの信号線)に接続され、第2検出部14が、入力端子12に接続された第2プローブPLbを介して被覆導線Lb(CANLの信号線)に接続される必要がある。このため、この誤接続を防止すべく、第1プローブPLaおよび第2プローブPLbには、接続すべき被覆導線La,Lbを明示するためのマーク等(例えば、接続すべき被覆導線La,Lbを示す「CANH」,「CANL」の文字等)が表示されている。
第1検出部13は、一例として、図2に示すように、インピーダンス素子13a、およびアンプ13bを備えて、入力端子11および第1プローブPLaを介して接続された被覆導線Lに伝送されている電圧(正しく被覆導線Laに接続されたときには電圧Va、一方、被覆導線Lbに誤接続されたときには電圧Vb)に応じて電圧が変化する第1電圧信号Vd1を出力する。
一例として、インピーダンス素子13aは、抵抗31a(高抵抗値の抵抗(少なくとも数MΩ程度の高インピーダンス抵抗))、および抵抗31aに並列接続されたコンデンサ32aを備えて構成されている。インピーダンス素子13aは、その一端(抵抗31aの一端)が入力端子11を介して第1プローブPLaを構成するシールドケーブルの芯線に接続され、その他端(抵抗31aの他端)がグランドGに接続されている。この構成により、インピーダンス素子13aは、電極部21aの電極22aと容量結合する一方の被覆導線L(被覆導線Laまたは被覆導線Lb)に伝送されている電圧信号Vの電圧V(電圧信号Vaの電圧Vaまたは電圧信号Vbの電圧Vb)に応じて電圧が変化する電圧信号Vc1を、両端間に発生させる。この場合、インピーダンス素子13aは、第1プローブPLaが正しく被覆導線Laに接続されているときには、電圧Vaがベースの電圧のときに低電圧となり、電圧Vaが高電圧の規定電圧のときに高電圧となるように変化する電圧信号Vc1を発生させ、一方、第1プローブPLaが被覆導線Lbに誤接続されているときには、電圧Vbがベースの電圧のときに高電圧となり、電圧Vbが低電圧の規定電圧のときに低電圧となるように変化する電圧信号Vc1を発生させる。
アンプ13bは、一例として、この電圧信号Vc1を非反転増幅して、第1電圧信号Vd1として出力する。なお、この構成に代えて、アンプ13bが、この電圧信号Vc1を反転増幅して、第1電圧信号Vd1として出力する構成を採用することもできる。また、アンプ13bは、電圧信号Vc1に含まれる交流成分と共に直流成分も併せて増幅する構成とすることもできるが、電圧信号Vc1に含まれる交流成分のみを増幅する構成(交流アンプとする構成)を採用して、アンプ13bの出力が飽和する(第1電圧信号Vd1がアンプ13bの作動用電圧で頭打ちとなる)事態の発生を軽減するのが好ましい。
第2検出部14は、一例として、図2に示すように、インピーダンス素子14a、およびアンプ14bを備えて、入力端子12および第2プローブPLbを介して接続された被覆導線Lに伝送されている電圧(正しく被覆導線Lbに接続されたときには電圧Vb、一方、被覆導線Laに誤接続されたときには電圧Va)に応じて電圧が変化する第2電圧信号Vd2を出力する。
一例として、インピーダンス素子14aは、抵抗31b(抵抗31aと同じ抵抗値の抵抗)、および抵抗31bに並列接続されたコンデンサ32b(好ましくは、コンデンサ32aと同等の容量値のコンデンサ)を備えて構成されている。インピーダンス素子14aは、その一端(抵抗31bの一端)が入力端子12を介して第2プローブPLbを構成するシールドケーブルの芯線に接続され、その他端(抵抗31bの他端)がグランドGに接続されている。この構成により、インピーダンス素子14aは、電極部21bの電極22bと容量結合する一方の被覆導線L(被覆導線Laまたは被覆導線Lb)に伝送されている電圧信号Vの電圧V(電圧信号Vaの電圧Vaまたは電圧信号Vbの電圧Vb)に応じて電圧が変化する電圧信号Vc2を、両端間に発生させる。この場合、インピーダンス素子14aは、第2プローブPLbが被覆導線Laに誤接続されているときには、電圧Vaがベースの電圧のときに低電圧となり、電圧Vaが高電圧の規定電圧のときに高電圧となるように変化する電圧信号Vc2を発生させ、一方、第2プローブPLbが正しく被覆導線Lbに接続されているときには、電圧Vbがベースの電圧のときに高電圧となり、電圧Vbが低電圧の規定電圧のときに低電圧となるように変化する電圧信号Vc2を発生させる。
なお、インピーダンス素子13a,14bは、上記の構成(抵抗31aおよびコンデンサ32aの並列回路、抵抗31bおよびコンデンサ32bの並列回路)に限定されるものではない。例えば、抵抗31aや抵抗31bだけの回路や、コンデンサ32aやコンデンサ32bだけの回路で構成してもよい。また、コンデンサ32a,32bについては、ディスクリート部品で構成することもできるし、入力端子11,12を介して接続されたプローブPLa,PLbを構成するシールドケーブルの配線容量(芯線とシールドとの間に形成される容量)で構成することもできる。
アンプ14bは、一例として、アンプ13bと同一に構成(増幅率が同一で、かつ増幅形態(非反転増幅であるか反転増幅であるか、交流アンプであるか否か)が同一に構成)されている。本例では、アンプ14bは、増幅率がアンプ13bと同一の非反転アンプで構成されて、この電圧信号Vc2を非反転増幅して、第2電圧信号Vd2として出力する。なお、アンプ13bが反転アンプのときには、アンプ14bは増幅率がアンプ13bと同一の反転アンプで構成されて、この電圧信号Vc2を反転増幅して、第2電圧信号Vd2として出力する。また、アンプ13bが交流アンプのときには、アンプ14bも交流アンプで構成されて、電圧信号Vc2に含まれる交流成分のみを増幅して、第2電圧信号Vd2として出力する。
信号生成部15は、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2を入力すると共に、各電圧信号Vd1,Vd2の差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて符号特定用信号Sfを生成して出力する。この場合、信号生成部15は、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され(正しく被覆導線Laに接続され)、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続されて(正しく被覆導線Lbに接続されて)、図3に示すように、電圧Vaがベースの電圧のときに低電圧となり、かつ電圧Vaが高電圧の規定電圧のときに高電圧となるように電圧信号Vc1が発生し、また電圧Vbがベースの電圧のときに高電圧となり、かつ電圧Vbが低電圧の規定電圧のときに低電圧となるように電圧信号Vc2が発生している状態において、電圧信号Vc1と同相の第1電圧信号Vd1および電圧信号Vc2と同相の第2電圧信号Vd2の差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて、シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる符号特定用信号Sfを正しく生成して出力する。
処理部16は、一例として、CPUなどで構成されて、計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続されている接続状態(正しい接続状態)であるか、または第1プローブPLaが接続されるべきでない被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが接続されるべきでない被覆導線Laに接続されている接続状態(誤接続状態)であるかを判別すると共に、この判別結果を出力部17に出力する。また、処理部16は、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2のうちのいずれか一方の信号(本例では一例として、第2電圧信号Vd2)を入力すると共に、この一方の信号に基づいて計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、上記の接続状態を判別する。また、処理部16には、判別処理において使用する基準長短関係が予め記憶されている。
出力部17は、一例として、ディスプレイ装置や発光ダイオードなどの表示装置で構成されて、処理部16から出力される判別結果を表示する(出力する)。本例では一例として、出力部17は、発光ダイオードで構成されて、処理部16から出力された判別結果が誤接続状態を示すものであるときにのみ発光状態(点滅を繰り返す発光状態や、連続して発光する発光状態など)に移行する。この構成により、信号生成装置2Aは、使用者に対して、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されているか、誤接続されているかを報知することが可能となっている。
符号化装置3は、信号生成装置2Aから出力された符号特定用信号Sfに基づき、ロジック信号Saに対応する符号Cs(図3参照)を特定する符号化処理を実行し、特定した符号Csの列(すなわち、シリアルバスSBを伝送されているCANフレームと同じCANフレーム)を、信号読取システム1に接続されている各種CAN通信対応機器に出力する。なお、符号化装置3は、CAN通信対応機器と有線伝送路を介して接続されているときには、特定したCANフレームを有線通信でCAN通信対応機器に出力(送信)し、CAN通信対応機器と無線伝送路を介して接続されているときには、特定したCANフレームを無線通信でCAN通信対応機器に出力(送信)する。
具体的には、上記したように、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されている状態において、信号生成装置2Aは、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる符号特定用信号Sfを生成して出力し、符号化装置3は、CANフレーム(CAN通信における標準フォーマットのデータフレーム)が図4に示すフレーム構造となっていることを前提として、この符号特定用信号SfからCANフレーム(符号Csで構成される符号列)を特定する。
この場合、符号化装置3は、符号特定用信号Sfが、バスアイドル状態を示すレセッシブからドミナントへ変化したことを検出したとき(SOF(Start Of Frame)を検出したとき)に、このSOFから開始するデータフレームの受信を開始する。また、符号化装置3は、符号特定用信号Sfが、7ビット長に亘ってレセッシブが連続したことを検出したとき(EOF(End Of Frame)を検出したとき)に、データフレームが終了したことを検出して、データフレームの受信を終了する。また、このデータフレームでは、SOFからCRCシーケンスの終わりまでの範囲において、ビットスタッフィングルール(同じデータが5ビット連続したとき、その次のデータにスタッフビットという反転ビットを入れるというルール)が適用される。なお、図4に示すデータフレームの構成は公知であるため、他の構成についての説明は省略する。また、図4中において括弧書きで示す数値は、対応するデータのビット数を示している。
一方、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されている状態においては、信号生成装置2Aは、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となる符号特定用信号Sfを生成して、符号化装置3に出力する。この場合、符号特定用信号Sfは、図4に示す構成のデータフレームのドミナントとレセッシブとが反転した状態の信号として出力される。したがって、符号化装置3は、この符号特定用信号SfからCANフレーム(符号Csで構成される符号列)を特定できないことから、CANフレームを特定する動作を繰り返す。なお、符号化装置3は、予め規定された期間に亘って、CANフレームを特定することができないときには、その旨を示すエラー信号を出力する構成を採用することもできる。
次に、信号読取システム1の使用例、およびその際の信号読取システム1の動作について、図面を参照して説明する。
最初に、図1,2に示すように、使用者によって、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され(正しく被覆導線Laに接続され)、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続され(正しく被覆導線Lbに接続され)ているときには、信号生成装置2Aの第1検出部13では、上記したように、インピーダンス素子13aが、図3に示すように、入力端子11および第1プローブPLaを介して接続された被覆導線Laの電圧Vaに応じて電圧が変化する(つまり、電圧Vaがベースの電圧のときに低電圧となり、電圧Vaが高電圧の規定電圧のときに高電圧となるように変化する)電圧信号Vc1を発生させ、アンプ13bが、図3に示すように、この電圧信号Vc1を非反転増幅して第1電圧信号Vd1を出力する。これにより、第1検出部13は、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電圧となる第1電圧信号Vd1を生成して出力する。
また、信号生成装置2Aの第2検出部14では、上記したように、インピーダンス素子14aが、図3に示すように、入力端子12および第2プローブPLbを介して接続された被覆導線Lbの電圧Vbに応じて電圧が変化する(つまり、電圧Vbがベースの電圧のときに高電圧となり、電圧Vbが低電圧の規定電圧のときに低電圧となるように変化する)電圧信号Vc2を発生させ、アンプ14bが、図3に示すように、この電圧信号Vc2を非反転増幅して第2電圧信号Vd2を出力する。これにより、第2検出部14は、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電圧となる第2電圧信号Vd2を生成して出力する。
次いで、信号生成部15は、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2を入力すると共に、各電圧信号Vd1,Vd2の差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて符号特定用信号Sfを生成して出力する。この場合、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され(正しく被覆導線Laに接続され)、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続されて(正しく被覆導線Lbに接続されて)いることから、信号生成部15は、図3に示すように、この差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて、シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる正しい符号特定用信号Sfを生成して出力する。
また、処理部16は、第2電圧信号Vd2に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続されている接続状態(正しい接続状態)であるか、または第1プローブPLaが接続されるべきでない被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが接続されるべきでない被覆導線Laに接続されている接続状態(誤接続状態)であるかを判別して、この判別結果を出力部17に出力する。
まず、計測処理では、処理部16は、予め規定された計測期間(図4に示すデータフレームを1つ以上必ず含む期間)において、第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSH、および第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLを計測する。
第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続されている接続状態(正しい接続状態)であることから、図3に示すように、第2電圧信号Vd2における高電位の期間は、符号特定用信号Sfのレセッシブの期間に対応し、第2電圧信号Vd2における低電位の期間は、符号特定用信号Sfのドミナントの期間に対応する。
また、図4に示すデータフレームの構成では、上記したように、EOFでは7ビット長に亘ってレセッシブが連続し、またバスアイドル期間でもレセッシブが連続することから、このレセッシブの期間に対応する第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSHは必ず7ビット長以上になる。これに対して、ドミナントの期間に対応する第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLは、ドミナントが連続し得るSOFからCRCシーケンスの終わりまでの範囲において、ビットスタッフィングルール(同じデータの連続が最大で5ビットに規制されるルール)が適用されることから、最大でも5ビット長になる。
次いで、処理部16は、長短特定処理を実行する。この長短特定処理では、処理部16は、計測処理で計測した第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSHと第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLとを比較して、最長連続期間長TSHおよび最長連続期間長TSLのいずれが長いかを示す長短関係(等価的に、いずれが短いかを示す長短関係でもある)を特定する。各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されている状態においては、上記したように、最長連続期間長TSHは必ず7ビット長以上になるのに対して、最長連続期間長TSLは最大でも5ビット長であることから、処理部16は、最長連続期間長TSHが長いとの現在の長短関係を特定する。
続いて、処理部16は、判別処理を実行する。この判別処理では、処理部16は、長短特定処理で特定した上記の現在の長短関係と、記憶されている基準長短関係とを比較して、一対のプローブPLa,PLbがそれぞれ接続されるべき一対の被覆導線La,Lbに接続されているか否かを判別する。具体的には、処理部16は、現在の長短関係が基準長短関係と一致しているときには、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていると判別し、現在の長短関係が基準長短関係と一致していないときには、各プローブPLa,PLbは接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていない(誤接続されている)と判別する。また、処理部16は、この判別した結果(判別結果)を出力部17に出力する。
この場合の基準長短関係とは、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されている状態のときに長短特定処理において特定される長短関係であって、上記したように最長連続期間長TSHが長いとの長短関係となる。したがって、処理部16には、最長連続期間長TSHが長いとの基準長短関係が予め記憶されている。
処理部16は、この判別処理において、長短特定処理において特定した現在の長短関係(最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)と、記憶されている基準長短関係(最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)とを比較して、現在の長短関係が基準長短関係と一致していることから、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていると判別して、その判別結果を出力部17に出力する。これにより、出力部17は、処理部16から出力されるこの判別結果に基づいて、非発光状態に移行する。したがって、信号生成装置2Aの使用者は、出力部17が非発光状態であることに基づき、一対のプローブPLa,PLbがそれぞれ接続されるべき一対の被覆導線La,Lbに接続されていることを確認することが可能となっている。
次に、図1,2に示す接続状態とは異なり、図示はしないが、使用者によって、第1プローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Laに接続されているとき(つまり、誤接続状態のとき)には、信号生成装置2Aの第1検出部13では、インピーダンス素子13aは、被覆導線Lbの電圧Vbに応じて電圧が変化する電圧信号Vc1(つまり、電圧Vbがベースの電圧のときに高電圧となり、電圧Vbが低電圧の規定電圧のときに低電圧となるように変化する電圧信号。図3に示す電圧信号Vc1と位相が反転した電圧信号)を発生させ、アンプ13bが、この電圧信号Vc1を非反転増幅して第1電圧信号Vd1を出力する。これにより、第1検出部13は、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電圧となる第1電圧信号Vd1を生成して出力する。
また、信号生成装置2Aの第2検出部14では、インピーダンス素子14aは、被覆導線Laの電圧Vaに応じて電圧が変化する電圧信号Vc2(つまり、電圧Vaがベースの電圧のときに低電圧となり、電圧Vaが高電圧の規定電圧のときに高電圧となるように変化する電圧信号。図3に示す電圧信号Vc2と位相が反転した電圧信号)を発生させ、アンプ14bが、この電圧信号Vc2を非反転増幅して第2電圧信号Vd2を出力する。これにより、第2検出部14は、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電圧となる第2電圧信号Vd2を生成して出力する。
次いで、信号生成部15は、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2を入力すると共に、各電圧信号Vd1,Vd2の差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて符号特定用信号Sfを生成して出力する。この場合、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2の各位相は、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されているときの位相に対して反転した状態となっていることから、差分電圧(Vd1-Vd2)の極性も各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されているときの極性に対して逆極性となっている。したがって、信号生成部15は、この差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて、シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となる正しくない(間違った)符号特定用信号Sf(図3に示す符号特定用信号Sfとは、低電位側電圧(ドミナント)と高電位側電圧(レセッシブ)とが入れ替わった信号、つまり位相が反転した信号)を生成して出力する。
また、処理部16は、第2電圧信号Vd2に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、各プローブPLa,PLbが接続されるべき(対応する)被覆導線La,Lbに正しく接続されているか、誤接続されているかを判別して、この判別結果を出力部17に出力する。
まず、計測処理では、処理部16は、上記した計測期間において、第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSH、および第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLを計測する。
この場合、第2プローブPLbは被覆導線Laに誤接続されていることから、第2電圧信号Vd2は、被覆導線Laの電圧Vaに対応して電圧が変化する電圧信号、つまり、図示はしないが、その高電位の期間が符号特定用信号Sfのドミナントの期間に対応し、その低電位の期間が符号特定用信号Sfのレセッシブの期間に対応する電圧信号となっている。
また、上記したように、データフレームでは、レセッシブの期間は必ず7ビット長以上になり、ドミナントの期間は最長でも5ビット長であることから、処理部16は、この計測処理において、高電位についての最長連続期間長TSHとして最長でも5ビット長に止まることを計測し、低電位についての最長連続期間長TSLとして7ビット長以上になることを計測する。
次いで、処理部16は、長短特定処理を実行する。この長短特定処理では、処理部16は、計測処理で計測した第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSHと第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLとを比較して、最長連続期間長TSHおよび最長連続期間長TSLのいずれが長いかを示す長短関係(等価的に、いずれが短いかを示す長短関係でもある)を特定する。各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていない状態(誤接続状態)においては、上記したように、最長連続期間長TSLは必ず7ビット長以上になるのに対して、最長連続期間長TSHは最大でも5ビット長であることから、処理部16は、最長連続期間長TSLが長いとの現在の長短関係を特定する。
続いて、処理部16は、判別処理を実行する。処理部16は、この判別処理において、長短特定処理において特定した現在の長短関係(最長連続期間長TSLが長いとの長短関係)と、記憶されている基準長短関係(最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)とを比較して、現在の長短関係が基準長短関係と一致していないことから、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていない(誤接続状態である)と判別して、その判別結果を出力部17に出力する。これにより、出力部17は、処理部16から出力されるこの判別結果に基づいて、発光状態に移行する。したがって、信号生成装置2Aの使用者は、出力部17が発光状態であることに基づき、各プローブPLa,PLbが誤接続状態であることを確認することが可能となっている。
したがって、信号生成装置2Aの使用者は、被覆導線Laに接続されているプローブPLbを被覆導線Laから外して被覆導線Lbに接続し、かつ被覆導線Lbに接続されているプローブPLaを被覆導線Lbから外して被覆導線Laに接続して、各プローブPLa,PLbの誤接続状態を解消することができる。
また、処理部16は、第2電圧信号Vd2に基づく上記の計測処理、長短特定処理および判別処理を繰り返し実行していることから、プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続された時点で、信号生成装置2Aでは出力部17が非発光状態となる。これにより、信号生成装置2Aの使用者は、プローブPLa,PLbがそれぞれ接続されるべき被覆導線La,Lbに接続されていることを確認することができる。
このようにして、プローブPLa,PLbは最終的には被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続される。これにより、信号読取システム1では、信号生成装置2Aは、正しい符号特定用信号Sfを生成して、符号化装置3に出力する。また、符号化装置3は、この正しい符号特定用信号Sfに基づき、シリアルバスSBを介して伝送されているCANフレームを構成する符号Csを特定すると共に、特定した符号Csで構成される符号列を、シリアルバスSBを介して伝送されているCANフレームと特定して、各種CAN通信対応機器に出力する。これにより、このCAN通信対応機器では、信号読取システム1から出力された(信号読取システム1によってシリアルバスSBから読み取られた)CANフレーム(符号Csの列)に対応して予め規定されている各種の処理が実行される。
このように、この信号生成装置2Aでは、プローブPLaを介して接続された被覆導線(被覆導線La,Lbのうちの一方)を介して伝送されている電圧(電圧Va,Vbのうちの一方)に応じて電圧が変化する第1電圧信号Vd1を出力する第1検出部13と、プローブPLbを介して接続された被覆導線(被覆導線La,Lbのうちの他方)を介して伝送されている電圧(電圧Va,Vbのうちの他方)に応じて電圧が変化する第2電圧信号Vd2を出力する第2検出部14と、差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて符号特定用信号Sfを生成する信号生成部15と、第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2のうちの一方の電圧信号(上記の例では、第2電圧信号Vd2)における高電位についての最長連続期間長TSHおよび低電位についての最長連続期間長TSLを計測する計測処理、最長連続期間長TSH,TSLの長短関係を特定する長短特定処理、および長短特定処理で特定した長短関係および基準長短関係を比較して各プローブPLa,PLbの被覆導線La,Lbへの接続状態(正しい接続状態で接続されているか、誤接続状態で接続されているか否か)を判別すると共にこの判別結果を出力する判別処理とを実行する処理部16を備えている。
したがって、この信号生成装置2Aおよび信号読取システム1によれば、使用者が、処理部16から出力される判別結果に基づき(上記の例では、この判別結果に応じて発光状態または非発光状態になる出力部17を確認することにより)、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続されているか、誤接続状態で接続されているかを確実に知得(認識)することができ、誤接続状態のときには、プローブPLa,PLbを被覆導線La,Lbに正しい接続状態となるように接続し直すこと(プローブPLa,PLbを被覆導線La,Lbに正しい接続状態で確実に接続すること)ができる。したがって、この信号生成装置2Aおよび信号読取システム1によれば、信号生成装置2Aが正しい符号特定用信号Sfを生成して出力することができ、符号化装置3が、この正しい符号特定用信号Sfに基づいて、ロジック信号Saによって示されている符号Csを正確に特定することができ、さらには特定した符号Csの列で構成されるCANフレームを正確に特定することができる。
なお、上記の信号生成装置2Aでは、処理部16が第2検出部14から出力される第2電圧信号Vd2に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別結果を実行する構成を採用しているが、処理部16が第1検出部13から出力される第1電圧信号Vd1に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別結果を実行する構成を採用することもできる。この構成においても、各プローブPLa,PLbが対応する被覆導線La,Lbに接続されているとき(正しい接続状態のとき)の長短特定処理での長短関係(この場合、最長連続期間長TSLが長いとの長短関係)を基準長短関係として処理部16に予め記憶しておくことにより、処理部16が、第1電圧信号Vd1における高電位についての最長連続期間長TSHおよび低電位についての最長連続期間長TSLを計測する計測処理、最長連続期間長TSH,TSLの現在の長短関係を特定する長短特定処理、および長短特定処理で特定した現在の長短関係と基準長短関係とを比較して、一致しているときには各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続されていると判別し、一致していないときには各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されていると判別すると共に判別結果を出力する判別処理とを実行して、判別結果を出力部17に出力させることができる。
また、上記の信号読取システム1では、信号生成装置2Aの処理部16が、第1検出部13から出力される第1電圧信号Vd1および第2検出部14から出力される第2電圧信号Vd1のいずれかに基づき、上記の計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されているか否かを判別する構成を採用しているが、この構成に限定されない。上記したように、符号化装置3は、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されている状態において信号生成装置2Aの信号生成部15から出力される符号特定用信号Sf(図4に示す構成のデータフレームのドミナントとレセッシブとが反転した状態の信号)からはCANフレームを特定することができない。したがって、符号化装置3が、予め規定された期間(例えば、上記の計測期間と同じ期間)に亘ってCANフレームを特定することができないときには、その旨(CANフレームを特定できない旨)を示すエラー信号を信号生成装置2Aの出力部17に出力するというエラー処理を実行し、信号生成装置2Aの出力部17が、このエラー信号を入力したときにその旨を表示する(例えば、発光状態に移行する)ことで、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されていることを使用者に報知する、という構成を信号生成装置2Aおよび信号読取システム1において採用することもできる。この構成では、信号生成装置2Aは、上記した処理部16を省くことが可能となる。
また、符号化装置3が実行する上記のエラー処理に相当する処理を、信号生成装置2Aの処理部16が実行する構成を採用することもできる。以下、この構成を採用した信号生成装置2Bについて、図5を参照して説明する。なお、上記した信号生成装置2Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
信号生成装置2Bは、図5に示すように、入力端子11,12、第1検出部13、第2検出部14、信号生成部15、処理部16および出力部17を備え、入力端子11に接続された第1プローブPLa、および入力端子12に接続された第2プローブPLbを介して一対の被覆導線La,Lbに接続される。また、この信号生成装置2Bは、処理部16以外の構成要素については、信号生成装置2Aと同一に構成されている。
図5に示す信号生成装置2Bの処理部16は、信号生成部15から出力される符号特定用信号Sfに基づいて符号Csおよび符号Csの複数個で構成される符号列(CANフレーム)を特定する符号特定処理と、符号特定処理における符号列の特定状態に基づいて、一対のプローブPLa,PLbがそれぞれ接続されるべき一対の被覆導線La,Lbに接続されているか否かを判別する判別処理とを実行する。具体的には、処理部16は、この判別処理では、符号特定処理において符号列を特定できているとの特定状態のときには各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていると判別し、かつ符号特定処理において符号列を予め規定された期間に亘って特定できていないとの特定状態のときには各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていない(誤接続されている)と判別すると共に、判別結果を出力部17に出力する判別処理とを実行する。
したがって、この信号生成装置2Bおよび信号読取システム1によっても、使用者が、処理部16から出力される判別結果に基づき(上記の例では、この判別結果に応じて発光状態または非発光状態になる出力部17を確認することにより)、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続されているか、誤接続状態で接続されているかを確実に知得(認識)することができ、誤接続状態のときには、プローブPLa,PLbを入れ替えて被覆導線La,Lbに接続することで、プローブPLa,PLbを被覆導線La,Lbに正しい接続状態で確実に接続することができる。したがって、この信号生成装置2Bおよび信号読取システム1によれば、信号生成装置2Bが正しい符号特定用信号Sfを生成して出力することができ、符号化装置3が、この正しい符号特定用信号Sfに基づいて、ロジック信号Saによって示されている符号Csを正確に特定することができ、さらには特定した符号Csの列で構成されるCANフレームを正確に特定することができる。
また、上記の信号生成装置2A,2Bでは、使用者が、処理部16から出力される判別結果に基づき、各プローブPLa,PLbが誤接続状態であることを知得したときには、正しい接続状態となるようにプローブPLa,PLbを手動(手作業)で接続し直す構成を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、2つの検出部13,14と信号生成部15との間に、検出部13,14から出力される第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2を信号生成部15の一対の入力端子15a,15bに切り替えて入力し得る信号切替部を配置することにより、各プローブPLa,PLbが誤接続状態のとき(つまり、プローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつプローブPLbが被覆導線Laに接続されているとき)であっても、信号切替部の切替状態を変更することで、信号生成部15が算出する差分電圧の極性を、各プローブPLa,PLbが正しい接続状態のときの電圧(Vd1-Vd2)と同等の極性に反転(修正)し得る構成を採用することもできる。まず、この構成を信号生成装置2Aに適用して構成された信号生成装置2Cについて図6を参照して説明する。なお、信号生成装置2Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
まず、信号生成装置2Cの構成について説明する。信号生成装置2Cは、図6に示すように、入力端子11,12、第1検出部13、第2検出部14、信号生成部15、処理部16、出力部17および信号切替部18を備え、入力端子11に接続された第1プローブPLa、および入力端子12に接続された第2プローブPLbを介して一対の被覆導線La,Lbに接続される。この信号生成装置2Cでは、2つの検出部13,14の出力端子と信号生成部15の入力端子15a,15bとの間に信号切替部18が配設されている。
信号切替部18は、一例として、2極双投形のスイッチ(2つのc接点回路18a,18bを内蔵するスイッチ)で構成されている。また、c接点回路18aでは、a端子が第1検出部13の出力端子に接続され、b端子が信号生成部15の入力端子15aに接続され、かつc端子が信号生成部15の入力端子15bに接続されている。また、c接点回路18bでは、a端子が第2検出部14の出力端子に接続され、b端子が信号生成部15の入力端子15bに接続され、かつc端子が信号生成部15の入力端子15aに接続されている。また、c接点回路18a,18bは、処理部16から出力される切替信号Scに基づき、図6において実線で示すようにa端子がb端子に接続される第1切替状態と、図6において破線で示すようにa端子がc端子に接続される第2切替状態の任意の一方の切替状態に連動して切り替え可能に構成されている。
また、この信号生成装置2Cでは、信号生成部15は、入力端子15aに入力される電圧から入力端子15bに入力される電圧を減算することにより、符号特定用信号Sfを生成するための差分電圧を算出する。したがって、信号生成部15は、入力端子15aに第1電圧信号Vd1が入力され、かつ入力端子15bに第2電圧信号Vd2が入力されているときには、差分電圧(Vd1-Vd2)を算出し、入力端子15aに第2電圧信号Vd2が入力され、かつ入力端子15bに第1電圧信号Vd1が入力されているときには、誤った差分電圧(Vd2-Vd1)を算出する。
また、信号生成部15は、被覆導線La側に第1検出部13が接続され、かつ被覆導線Lb側に第2検出部14が接続されているときには、第1検出部13から出力される第1電圧信号Vd1が信号切替部18を介して入力端子15aに入力され、また第2検出部14から出力される第2電圧信号Vd2が信号切替部18を介して入力端子15bに入力されているときに、算出した差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて正しい符号特定用信号Sfを生成して出力する。また、信号生成部15は、被覆導線La側に第2検出部14が接続され、かつ被覆導線Lb側に第1検出部13が接続されているときには、第2検出部14から出力される第2電圧信号Vd2が信号切替部18を介して入力端子15aに入力され、また第1検出部13から出力される第1電圧信号Vd1が信号切替部18を介して入力端子15bに入力されているときに、算出した差分電圧(Vd2-Vd1)に基づいて正しい符号特定用信号Sf(符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる符号特定用信号Sf)を生成して出力する。
つまり、信号生成部15は、第1検出部13および第2検出部14のうちの被覆導線La側に接続されている一方の検出部から出力される電圧信号(第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2のうちの一方)が入力端子15aに入力され、かつ第1検出部13および第2検出部14のうちの被覆導線Lb側に接続されている他方の検出部から出力される電圧信号(第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2のうちの他方)が入力端子15bに入力されているとき(信号生成装置2Cが被覆導線La,Lbに正しく接続されているとき)にのみ、算出した差分電圧に基づいて正しい符号特定用信号Sfを生成して出力する。
また、この信号生成装置2Cでは、処理部16は、信号生成部15の各入力端子15a,15bのうちのいずれか一方に入力される電圧信号(本例では一例として、入力端子15bに入力される電圧信号)に基づいて計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、各プローブPLa,PLbの被覆導線La,Lbへの接続状態(正しい接続状態であるか、誤接続状態であるか)を判別する。また、処理部16は、この判別の結果、誤接続状態であると判別したときには、信号切替部18に対して、現在の切替状態を変更する切替信号Scを出力する切替処理を実行する。本例では一例として、処理部16は、初期状態において、信号切替部18に対して第1切替状態に移行させる切替信号Scを出力するように構成されているため、判別処理において誤接続状態(各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されている)と判別したときには、信号切替部18に対して第2切替状態に移行させる切替信号Scを出力する切替処理を実行する。
また、処理部16には、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに正しく接続されている状態(プローブPLaが被覆導線Laに接続され、かつプローブPLbが被覆導線Lbに接続されている状態)であって、信号切替部18が第1切替状態のとき(つまり、第1電圧信号Vd1が信号切替部18のc接点回路18aを介して信号生成部15の入力端子15aに入力され、第2電圧信号Vd2が信号切替部18のc接点回路18bを介して信号生成部15の入力端子15bに入力されているとき)において実行された長短特定処理において特定される長短関係(つまり、最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)が基準長短関係として予め記憶されているものとする。
次に、信号生成装置2Cの動作について、図面を参照して説明する。
最初に、図6に示すように、使用者によって、第1プローブPLaが接続されるべき被覆導線Laに接続され(正しく被覆導線Laに接続され)、かつ第2プローブPLbが接続されるべき被覆導線Lbに接続され(正しく被覆導線Lbに接続され)ているときには、信号生成装置2Cでは、第1検出部13が、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電圧となる第1電圧信号Vd1を生成して信号切替部18に出力する。また、第2検出部14が、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電圧となる第2電圧信号Vd2を生成して信号切替部18に出力する。
信号切替部18は、処理部16によって初期状態において第1切替状態(図6において実線で示される切替状態)に移行させられているため、入力した第1電圧信号Vd1を信号生成部15の入力端子15aに出力し、入力した第2電圧信号Vd2を信号生成部15の入力端子15bに出力する。
次いで、信号生成部15は、入力端子15aに第1電圧信号Vd1が入力され、かつ入力端子15bに第2電圧信号Vd2が入力されているため、上記したように差分電圧(Vd1-Vd2)を算出すると共に、この差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて正しい符号特定用信号Sf(シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる符号特定用信号Sf)を生成して出力する。
また、処理部16は、第2電圧信号Vd2に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、判別処理での判別結果を出力部17に出力する。
各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されて、被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第2電圧信号Vd2が入力端子15bに入力されているとき(つまり、信号生成装置2Cが被覆導線La,Lbに正しく接続されているとき)には、信号生成装置2Aの動作説明において述べたように、処理部16は、計測処理で計測した第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSH、および第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLに基づき、長短特定処理において、最長連続期間長TSHが長い(最長連続期間長TSLよりも長い)との現在の長短関係を特定する。
これにより、処理部16は、判別処理では、長短特定処理で特定した上記の現在の長短関係と、記憶されている基準長短関係とを比較して、現在の長短関係が基準長短関係と一致していることから、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていると判別して、この判別した結果(判別結果)を出力部17に出力すると共に、信号切替部18に対する新たな切替処理は実行せずに、現在の第1切替状態を維持させる。これにより、入力端子15aに第1電圧信号Vd1が信号切替部18を介して継続して入力され、かつ入力端子15bに第2電圧信号Vd2が信号切替部18を介して継続して入力されるため、信号生成部15は、差分電圧(Vd1-Vd2)を継続して算出すると共に、この差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて正しい符号特定用信号Sfを継続して生成して出力する。また、出力部17は処理部16から出力されるこの判別結果に基づいて非発光状態に移行することから、信号生成装置2Cの使用者は、出力部17が非発光状態であることに基づき、各プローブPLa,PLbがそれぞれ接続されるべき被覆導線La,Lbに接続されていることを確認することが可能となっている。
次に、図6に示す接続状態とは異なり、図示はしないが、使用者によって、第1プローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Laに接続されているとき(つまり、誤接続状態のとき)には、信号生成装置2Cでは、第1検出部13がプローブPLaを介して被覆導線Lbに接続されていることから、第1検出部13は、正しい接続状態のときとは異なり、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電圧となる第1電圧信号Vd1を生成して信号切替部18に出力する。また、第2検出部14がプローブPLbを介して被覆導線Laに接続されていることから、第2検出部14もまた正しい接続状態のときとは異なり、シリアルバスSBにCANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電圧となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電圧となる第2電圧信号Vd2を生成して信号切替部18に出力する。
信号切替部18は、処理部16によって初期状態において第1切替状態(図6において実線で示される切替状態)に移行させられているため、入力した第1電圧信号Vd1を信号生成部15の入力端子15aに出力し、入力した第2電圧信号Vd2を信号生成部15の入力端子15bに出力する。
次いで、信号生成部15は、上記したように入力端子15aには、CANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間における電圧と、符号Cs(「0」)が伝送されている期間における電圧との高低関係が、正しい接続状態のとき(プローブPLa,PLbが正しく接続されているとき)とは逆になる第1電圧信号Vd1が入力され、また入力端子15bにも、CANフレームを構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間における電圧と、符号Cs(「0」)が伝送されている期間における電圧との高低関係が、正しい接続状態のときとは逆になる第2電圧信号Vd2が入力される。これにより、信号生成部15は、正しい接続状態のときとは極性の異なる差分電圧(Vd1-Vd2)を算出すると共に、この差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて誤った符号特定用信号Sf(シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となる符号特定用信号Sf)を生成して出力する。
また、処理部16は、第2電圧信号Vd2に基づいて、計測処理、長短特定処理および判別処理を実行して、判別処理での判別結果を出力部17に出力する(出力部17は発光状態に移行する)。
各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されておらず、被覆導線Laの電圧Vaに基づく第2電圧信号Vd2が入力端子15bに入力されているときには、処理部16は、計測処理で計測した第2電圧信号Vd2における高電位についての最長連続期間長TSH、および第2電圧信号Vd2における低電位についての最長連続期間長TSLに基づき、長短特定処理において、最長連続期間長TSLが長い(最長連続期間長TSHよりも長い)との現在の長短関係を特定する。
これにより、処理部16は、判別処理では、長短特定処理で特定した上記の現在の長短関係と、記憶されている基準長短関係とを比較して、現在の長短関係が基準長短関係と一致していないことから、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されていないと判別して、この判別した結果(判別結果)を出力部17に出力すると共に、信号切替部18に対する新たな切替処理(切替信号Scを出力して、現在の第1切替状態から第2切替状態に切り替える処理)を実行する。
第2切替状態に移行した信号切替部18は、プローブPLaを介して被覆導線Lbに接続されている第1検出部13から出力されている第1電圧信号Vd1を信号生成部15の入力端子15bに出力し、プローブPLbを介して被覆導線Laに接続されている第2検出部14から出力されている第2電圧信号Vd2を信号生成部15の入力端子15aに出力する。
したがって、信号生成部15では、被覆導線Laの電圧Vaに基づく第2電圧信号Vd2が入力端子15aに入力され、かつ被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第1電圧信号Vd1が入力端子15bに入力される状態になることから、正しい接続状態のときと極性の一致する差分電圧(Vd2-Vd1)を算出すると共に、この差分電圧(Vd2-Vd1)に基づいて正しい符号特定用信号Sf(シリアルバスSBにCANフレーム(符号列)を構成する符号Cs(「1」)が伝送されている期間において高電位側電圧(レセッシブ)となり、符号Cs(「0」)が伝送されている期間において低電位側電圧(ドミナント)となる符号特定用信号Sf)を生成して出力する。
また、処理部16は、信号生成部15の入力端子15bに入力される電圧信号に基づく上記の計測処理、長短特定処理および判別処理を繰り返し実行していることから、被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第1電圧信号Vd1が入力端子15bに入力される状態になった時点で、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されているとき(被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第2電圧信号Vd2が入力端子15bに入力されているとき)と同じ長短関係になる最長連続期間長TSHおよび最長連続期間長TSL(最長連続期間長TSHが最長連続期間長TSLよりも長い長短関係になる各期間長TSH,TSL)を計測処理において計測する。
これにより、処理部16は、長短特定処理において、最長連続期間長TSHが長い(最長連続期間長TSLよりも長い)との現在の長短関係を特定し、判別処理において、長短特定処理において特定した現在の長短関係(最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)と、記憶されている基準長短関係(最長連続期間長TSHが長いとの長短関係)とを比較して、現在の長短関係が基準長短関係と一致していることから、各プローブPLa,PLbが接続されるべき被覆導線La,Lbに正しく接続されている(つまり、被覆導線Laの電圧Vaに基づく電圧信号(本例では第2電圧信号Vd2)が入力端子15aに入力され、かつ被覆導線Lbの電圧Vbに基づく電圧信号(本例では第1電圧信号Vd1)が入力端子15bに入力される接続状態である)と判別して、その判別結果を出力部17に出力する(これにより、出力部17は、発光状態から非発光状態に移行する)。
また、処理部16は、信号切替部18に対する新たな切替処理は実行せずに、現在の第2切替状態を維持させる。これにより、入力端子15aに第2電圧信号Vd2が信号切替部18を介して継続して入力され、かつ入力端子15bに第1電圧信号Vd1が信号切替部18を介して継続して入力されるため、信号生成部15は、差分電圧(Vd2-Vd1)を継続して算出すると共に、この差分電圧(Vd2-Vd1)に基づいて正しい符号特定用信号Sfを継続して生成して出力する。
このように、この信号生成装置2Cによれば、被覆導線Laに本来接続されるべきプローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつ被覆導線Lbに本来接続されるべきプローブPLbが被覆導線Laに接続されている誤接続状態であっても、処理部16が、この誤接続状態を判別して、信号切替部18に対して現在の切替状態から別の切替状態(本例では、第1切替状態から第2切替状態)に切り替える切替処理を実行することで、被覆導線Laの電圧Vaに基づく第2電圧信号Vd2が信号生成部15の入力端子15aに入力され、かつ被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第1電圧信号Vd1が入力端子15bに入力される接続状態(結果として、正しい接続状態)に自動的に切り替えることができる。したがって、この信号生成装置2Cによれば、使用者が正しい接続状態となるようにプローブPLa,PLbを手動(手作業)で接続し直す作業を省きつつ(使用者による手動作業を完全に不要にしつつ)、正しい符号特定用信号Sfを生成して出力することができる。
なお、この信号生成装置2Cは、各プローブPLa,PLbが被覆導線La,Lbに誤接続されている状態であっても、処理部16が上記のようにして動作することにより、正しい符号特定用信号Sfを生成し得る状態に自動的に移行できることから、誤接続状態を使用者に報知するために出力部17を発光状態に移行させる処理の実行、および出力部17を省く構成を採用することもできる。
また、検出部13,14から出力される第1電圧信号Vd1および第2電圧信号Vd2を信号生成部15の各入力端子15a,15bに切り替えて入力し得る信号切替部18を配置する構成を信号生成装置2Aに適用して構成された信号生成装置2Cについて上記したが、この信号切替部18を配置する構成を信号生成装置2Bに適用して、図7に示す信号生成装置2Dとして構成することもできる。なお、信号生成装置2B,2Cと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この信号生成装置2Dにおいても、処理部16が、信号生成部15から出力される符号特定用信号Sfに基づいて符号Csおよび符号Csの複数個で構成される符号列(CANフレーム)を特定する符号特定処理において、予め規定された期間に亘って符号列を特定できていないと判別したときに、信号生成装置2Cの処理部16と同様にして、信号切替部18を第1切替状態から第2切替状態に切り替える切替処理を実行する。これにより、信号生成装置2Dでも、被覆導線Laの電圧Vaに基づく第2電圧信号Vd2が信号生成部15の入力端子15aに入力され、かつ被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第1電圧信号Vd1が入力端子15bに入力される接続状態(結果として、正しい接続状態)に自動的に切り替えることができる。したがって、この信号生成装置2Dにおいても、使用者が正しい接続状態となるようにプローブPLa,PLbを手動(手作業)で接続し直す作業を省きつつ(使用者による手動作業を完全に不要にしつつ)、正しい符号特定用信号Sfを生成して出力することができる。
なお、上記の信号生成装置2C,2Dでは、処理部16が判別結果に基づいて信号切替部18に対する切替処理を実行すること(つまり、自動切替を行うこと)により、使用者による手動作業を完全に不要にし得る構成を採用しているが、これに限定されるものではない。図示はしないが、例えば、使用者が手動で操作する操作スイッチ(切替スイッチ)を信号生成装置に設けて、信号切替部18がこの操作スイッチの切替状態に対応して、接続状態を切り替える構成(つまり、手動切替の構成)を採用することもできる。この構成を採用した信号生成装置においても、使用者が、出力部17に出力される判別結果に応じて操作スイッチを操作するだけで、被覆導線Laの電圧Vaに基づく第2電圧信号Vd2が信号生成部15の入力端子15aに入力され、かつ被覆導線Lbの電圧Vbに基づく第1電圧信号Vd1が入力端子15bに入力される接続状態(結果として、正しい接続状態)に切り替えることができる。したがって、この信号生成装置によっても、使用者が正しい接続状態となるようにプローブPLa,PLbを手動(手作業)で接続し直す作業を省きつつ、正しい符号特定用信号Sfを生成して出力することができる。
また、上記の信号読取システム1では、信号生成装置2A,2B,2C,2Dが、「高電位期間」および「低電位期間」の配列パターンがシリアルバスSBを介して伝送されているロジック信号Saのロジックパターン(つまり、電位差(Va-Vb)の大小のパターン)と一致する符号特定用信号Sfを生成して出力すると共に、符号化装置3が、符号特定用信号Sfにおける高電位期間を2進数データの「1」とし、かつ符号特定用信号Sfにおける低電位期間を2進数データの「0」とする符号化処理を実行して符号列Cs(CANフレーム)を特定する構成を採用したが、図示はしないが、信号生成装置2A,2B,2C,2Dが、「高電位期間」および「低電位期間」の配列パターンがシリアルバスSBを介して伝送されているロジック信号Saのロジックパターン(電位差(Va-Vb)の大小のパターン)と反転する符号特定用信号(上記した符号特定用信号Sfと位相が反転した信号)を生成して出力すると共に、符号化装置3が、この符号特定用信号における低電位期間を2進数データの「1」とし、かつこの符号特定用信号における高電位期間を2進数データの「0」とする符号化処理を実行して符号列Cs(CANフレーム)を特定する構成を採用することもできる。
また、上記の例では、通信路を構成する一対の信号線が一対の被覆導線La,Lbで構成されて、信号生成装置2A,2B,2C,2Dが、金属非接触型のプローブである第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを介してこの被覆導線La,Lbに接続される構成を採用しているが、通信路を構成する一対の信号線は一対の被覆導線に限定されず、プローブの接続部位において金属部(芯線)が露出した導線であってもよい。この場合、信号生成装置2A,2B,2C,2Dは、図示はしないが、一般的な接触式のプローブとして構成された第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを介して一対の信号線に接続される構成を採用することができる。
また、上記の例では、出力部17を表示装置で構成して、処理部16から出力された判別結果が誤接続状態を示すものであるときにのみ表示装置を発光状態に移行させることで、使用者に対して誤接続状態であることを報知するようにしているが、この構成に限定されない。例えば、処理部16から出力された判別結果が誤接続状態を示すものであるときにのみ表示装置を非発光状態に移行させ、誤接続状態が解消されたときに表示装置を発光状態に移行させる構成を採用することもできる。また、処理部16から出力された判別結果の内容に基づいて発光状態を変える構成、例えば、判別結果の内容に誤接続状態を示すものであるときには、点滅する発光状態に表示装置を移行させ、判別結果の内容に正しい接続状態を示すものであるときには、連続点灯する発光状態に表示装置を移行させる構成を採用することもできる。
また、出力部17を構成する表示装置として、図8に示すように、第1検出部13に対応する第1表示器17a、および第2検出部14に対応する第2表示器17bを有し、処理部16が、判別処理での判別の結果(判別結果)に基づいて、第1検出部13に対応する一方のプローブPLaおよび第2検出部14に対応する他方のプローブPLbの各々がCANHigh(CANH)の被覆導線La(高電位側信号線)およびCANLow(CANL)の被覆導線Lb(低電位側信号線)のうちのいずれの信号線に接続されているかを判別すると共に、一方のプローブPLaが接続されていると判別された信号線を示す情報を第1表示器17aに表示させると共に、他方のプローブPLbが接続されていると判別された信号線を示す情報を第2表示器17bに表示させる構成を採用することもできる。なお、この構成の表示装置は、誤接続状態を示す上記の表示装置と共に、またはこの表示装置に代えて配設することができる。
まず、この構成を採用した信号生成装置2A,2B,2C,2Dの構成について説明する。なお、基本的な構成は、上記した信号生成装置2A,2B,2C,2Dの構成と同じであるため、相違する構成(第1表示器17aおよび第2表示器17b)についてのみ説明し、同じ構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
具体的には、第1表示器17aは、例えば、それぞれが発光ダイオードで構成された2つの表示器17a1,17a2を有して構成されている。また、表示器17a1,17a2は、第1検出部13に対応する位置に(本例では、第1検出部13に対応する入力端子11の近傍であって、目視し得る位置に)配設されている。また、表示器17a1,17a2のうちの表示器17a1は、被覆導線La(高電位側信号線)に対応する表示器であることから、このことを示すシンボル(例えば、「H」の文字)が近傍に表示され、また表示器17a2は、被覆導線Lb(低電位側信号線)に対応する表示器であることから、このことを示すシンボル(例えば、「L」の文字)が近傍に表示されている。
また、第2表示器17bは、例えば、それぞれが発光ダイオードで構成された2つの表示器17b1,17b2を有して構成されている。また、表示器17b1,17b2は、第2検出部14に対応する位置に(本例では、第2検出部14に対応する入力端子12の近傍であって、目視し得る位置に)配設されている。また、表示器17b1,17b2のうちの表示器17b1は、被覆導線La(高電位側信号線)に対応する表示器であることから、このことを示すシンボル(例えば、「H」の文字)が近傍に表示され、また表示器17b2は、被覆導線Lb(低電位側信号線)に対応する表示器であることから、このことを示すシンボル(例えば、「L」の文字)が近傍に表示されている。
次いで、各表示器17a,17bを備えた信号生成装置2A,2B,2C,2Dの動作について説明する。なお、各表示器17a,17bを備えた信号生成装置2A,2Bと、各表示器17a,17bを備えた信号生成装置2C,2Dとで動作が異なるため、信号生成装置2A,2Bと、信号生成装置2C,2Dとに分けて動作を説明する。
最初に、各表示器17a,17bを備えた信号生成装置2A,2Bでは、処理部16は、判別処理において、正しい接続状態(つまり、第1プローブPLaが被覆導線Laに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Lbに接続されている接続状態)であると判別したときには、第1プローブ(一方のプローブ)PLaが接続されていると判別された信号線を示す情報を第1表示器17aに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17a1を点灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17a2を消灯させることで、被覆導線Laを示す情報を表示させる)と共に、第2プローブ(他方のプローブ)PLbが接続されていると判別された信号線を示す情報を第2表示器17bに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17b1を消灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17b2を点灯させることで、被覆導線Lbを示す情報を表示させる)。
また、処理部16は、判別処理において、誤接続状態(つまり、第1プローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Laに接続されている接続状態)であると判別したときには、第1プローブ(一方のプローブ)PLaが接続されていると判別された信号線を示す情報を第1表示器17aに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17a1を消灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17a2を点灯させることで、被覆導線Lbを示す情報を表示させる)と共に、第2プローブ(他方のプローブ)PLbが接続されていると判別された信号線を示す情報を第2表示器17bに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17b1を点灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17b2を消灯させることで、被覆導線Laを示す情報を表示させる)。
この構成により、この信号生成装置2A,2Bによれば、第1表示器17aに表示されている情報(表示器17a1,17a2のいずれが点灯しているかで示される情報)、および第2表示器17bに表示されている情報(表示器17b1,17b2のいずれが点灯しているかで示される情報)に基づいて、第1検出部13に対応する第1プローブPLaが被覆導線La,Lbのいずれに接続され、また第2検出部14に対応する第2プローブPLbが被覆導線La,Lbのいずれに接続されているかを使用者に報知することができる。
次に、各表示器17a,17bを備えた信号生成装置2C,2Dでは、処理部16は、最初に実行した判別処理の判別結果に基づき、信号切替部18に対する切替処理の実行が必要な場合は、切替処理を実行すると共に、再度、判別処理を実行するが、上記の最初に実行した判別処理において、正しい接続状態(つまり、第1プローブPLaが被覆導線Laに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Lbに接続されている接続状態)であると判別したときには、第1プローブ(一方のプローブ)PLaが接続されていると判別された信号線を示す情報を第1表示器17aに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17a1を点灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17a2を消灯させることで、被覆導線Laを示す情報を表示させる)と共に、第2プローブ(他方のプローブ)PLbが接続されていると判別された信号線を示す情報を第2表示器17bに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17b1を消灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17b2を点灯させることで、被覆導線Lbを示す情報を表示させる)。
また、処理部16は、上記の最初に実行した判別処理において、誤接続状態(つまり、第1プローブPLaが被覆導線Lbに接続され、かつ第2プローブPLbが被覆導線Laに接続されている接続状態)であると判別したときには、第1プローブ(一方のプローブ)PLaが接続されていると判別された信号線を示す情報を第1表示器17aに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17a1を消灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17a2を点灯させることで、被覆導線Lbを示す情報を表示させる)と共に、第2プローブ(他方のプローブ)PLbが接続されていると判別された信号線を示す情報を第2表示器17bに表示させる(つまり、「H」の文字が近傍に表示されている表示器17b1を点灯させ、「L」の文字が近傍に表示されている表示器17b2を消灯させることで、被覆導線Laを示す情報を表示させる)。また、処理部16は、その後に再度実行する判別処理での判別結果に拘わらず、各表示器17a,17bに表示させる情報の内容を維持する。
この構成により、この信号生成装置2C,2Dによれば、第1表示器17aに表示されている情報(表示器17a1,17a2のいずれが点灯しているかで示される情報)、および第2表示器17bに表示されている情報(表示器17b1,17b2のいずれが点灯しているかで示される情報)に基づいて、第1検出部13に対応する第1プローブPLaが被覆導線La,Lbのいずれに接続され、また第2検出部14に対応する第2プローブPLbが被覆導線La,Lbのいずれに接続されているかを使用者に報知することができる。
また、上記の例では、判別結果を信号生成装置2A,2B,2C,2Dに配設された出力部17にのみ出力する構成を採用しているが、例えば、出力部17に外部インターフェース回路を設けて、外部インターフェース回路を介して伝送路(有線や無線の伝送路)で接続された外部装置にもこの判別結果を出力する構成を採用することもできる。
また、上記の信号生成装置2A,2B,2C,2Dはいずれも、上記した構成(先端部側(自由端部側)に電極部21a,21bが配設された構成)の第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを介して、シリアルバスSBを構成する被覆導線La,Lbに接続される構成である。このため、この第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを備えた信号生成装置2A,2B,2C,2D、およびこれらのうちのいずれかを備えた信号読取システム1では、各電極部21a,21bが一体的に形成されている構成のプローブを備えた構成とは異なり、図9に示すように、電極部21a,21bをシリアルバスSBにおける長手方向(長さ方向)Wに沿って離間する任意の2つの位置(同図に示すように、電極部21aは、一般的に互いにツイストされている(撚り合わされている)被覆導線La,Lbのうちの被覆導線Laの第1の位置P1に、電極部21bはシリアルバスSBを構成する被覆導線Lbの第2の位置P2)に装着して使用することができる。このため、図示はしないが、各電極部21a,21bが一体的に形成されていて、シリアルバスSBにおける長手方向Wに沿った同じ位置に取り付ける構成(ツイストされている被覆導線La,Lbをこの位置において解いて、電極部21a,21bを取付可能な距離だけ離す作業と、電極部21a,21bをこの位置における対応する被覆導線La,Lbに同時に取り付ける作業とを行う必要がある構成)のプローブを備えた構成とは異なり、各電極部21a,21bを、それぞれが取り付け易い各位置P1,P2においてツイストされている被覆導線La,Lbを解いて取り付けることができる。また、各電極部21a,21bをシリアルバスSBにおける長手方向Wに沿った別の位置P1,P2に取り付ける構成のため、ツイストされている被覆導線La,Lbを各位置P1,P2において解く量を少なくすることができる。したがって、信号読取システム1によれば、各電極部21a,21bのシリアルバスSBへの装着を確実に行えると共に、装着に要する時間の短縮も図ること(装着性を高めること)ができる。
また、各プローブPLa,PLbを共通の1つのコネクタを介して信号生成装置2A,2B,2C,2Dに接続するようにし、かつ各プローブPLa,PLbにおける各基端部側の部位(例えば図9に示す部位X)を、電極部21a,21b側の部位をある程度露出させた状態のままで熱収縮チューブなどで一本化する(まとめる)ようにしてもよい。また、図9の信号読取システム1では、各プローブPLa,PLbの基端部側をそれぞれ信号生成装置2A,2B,2C,2Dに接続する構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。
例えば、図10に示す信号読取システム1のように、2芯シールド線CBcを介して信号生成装置2A,2B,2C,2Dに接続された接続ボックスなどの接続部51に、各プローブPLa,PLbの基端部側をそれぞれ接続する構成を採用することもできる。この構成では、2芯シールド線CBcは、基端部側が不図示のコネクタを介して信号生成装置2A,2B,2C,2Dに接続されると共に、2つの芯線がこのコネクタを介して信号生成装置2A,2B,2C,2D内の各インピーダンス素子13a,14aに接続されると共に、不図示のシールドがコネクタを介して信号生成装置2A,2B,2C,2D内のグランドGに接続されている。また、接続部51は、2芯シールド線CBcの自由端側に接続されている。この場合、接続部51内には、2芯シールド線CBcに含まれてインピーダンス素子13aに接続される一方の芯線を、対応する第1プローブPLaを構成するシールドケーブルの芯線に接続し、2芯シールド線CBcに含まれてインピーダンス素子14aに接続される他方の芯線を、対応する第2プローブPLbを構成するシールドケーブルの芯線に接続し、かつ2芯シールド線CBcのシールドを、各プローブPLa,PLbを構成する各シールドケーブルのシールドに接続する不図示の接続回路が内蔵されている。
この図10に示す信号読取システム1においても、別体に形成された一対のプローブPLa,PLbの自由端側に各電極部21a,21bが配置されている構成のため、上記した図9に示す信号読取システム1と同等の効果を奏することができる。
また、上記の各信号読取システム1では、信号生成装置2A,2B,2C,2Dが、被覆導線La,Lbの金属部(芯線)と容量結合する電極部21a,21bを有するプローブPLa,PLbを介して被覆導線La,Lbに接続されると共に、被覆導線La,Lbに伝送されている電圧信号Va,Vbの電圧Va,Vbに応じて電圧が変化する各電圧信号Vc1,Vc2を生成し、この電圧信号Vc1,Vc2に基づいて、電圧信号Va,Vbに対応する符号Csを特定可能な符号特定用信号Sfを生成する構成(すなわち、電圧検出プローブとして機能する上記の各プローブPLa,PLbを使用する構成)を採用しているが、この構成に限定されるものではない。
例えば、各プローブPLa,PLbに代えて、図11に示すように、一対の電流検出プローブPLc,PLd(被覆導線La,Lbを切断することなく、被覆導線La,Lbに装着し得るクランプ式の電流検出プローブが好ましい)を信号生成装置2A,2B,2C,2Dに接続して、符号特定用信号Sfを生成する構成を採用することもできる。公知となっている様々な電流検出プローブをこの電流検出プローブPLc,PLdとして使用することができるが、以下では、一例として、本願出願人が既に提案している特開2006-343109号公報に開示されている電流検出プローブを使用する例を挙げて説明する。また、プローブPLa,PLbを備えた上記の信号読取システム1とは、電流検出プローブPLc,PLdを備えた構成以外の構成は同一のため、説明を省略するものとする。
この電流検出プローブPLc,PLdは、図11に示すように、略円形に形成されると共に先端が開閉自在に構成されたクランプ部61と、クランプ部61の内部に配設されて鉄心などの磁気コアに巻線を巻き付けたコイルで構成された電流センサ(図示せず)とを備えて、同一に構成されている。この電流センサは、各クランプ部61で対応する被覆導線(電流検出プローブPLcでは被覆導線La、電流検出プローブPLdでは被覆導線Lb)を挟み込んだ状態(クランプした状態)において、対応する被覆導線を流れている電流(被覆導線Laを流れている電流Iaと、被覆導線Lbを流れている電流Ib)を検出してその電流値に振幅が比例する電流対応信号Vi(電流Iaについての電流対応信号Viaと、電流Ibについての電流対応信号Vib)を検出信号として信号生成装置2A,2B,2C,2Dに出力する。なお、この電流検出プローブPLc,PLdは、上記した構成により、AC電流検出プローブ(交流電流検出プローブ)として構成されているが、電流検出プローブPLc,PLdとして交流電流だけでなく直流電流についても測定し得るDC電流検出プローブ(直流電流検出プローブ)を採用してもよいのは勿論である。
被覆導線Laを流れている電流Iaは、被覆導線Laに伝送される電圧信号Vaの電圧Vaに応じてその電流値が変化することから、電流対応信号Viaは電圧信号Vaの電圧Vaに応じてその電圧値が変化する。また、被覆導線Lbを流れている電流Ibは、被覆導線Lbに伝送される電圧信号Vbの電圧Vbに応じてその電流値が変化することから、電流対応信号Vibは電圧信号Vbの電圧Vbに応じてその電圧値が変化する。したがって、信号生成装置2A,2B,2C,2Dでは、電流検出プローブPLc,PLdが接続されている構成においても、第1プローブPLaおよび第2プローブPLbが接続されている上記の構成と同様にして、第1検出部13が第1電圧信号Vd1を出力し、第2検出部14が第2電圧信号Vd2を出力し、信号生成部15が各電圧信号Vd1,Vd2の差分電圧(Vd1-Vd2)に基づいて符号特定用信号Sfを生成して出力することができる。
したがって、図11に示す構成(電流検出プローブPLc,PLdを備えた構成)の信号生成装置2A,2B,2C,2D、およびこの信号生成装置2A,2B,2C,2Dのうちのいずれかを備えた信号読取システム1によれば、各プローブPLa,PLbを備えた上記の構成と同様にして、処理部16は、上記の計測処理、長短特定処理および判別処理を実行したり、また上記の符号特定処理および判別処理を実行したりして、電流検出プローブPLc,PLdが誤接続状態で接続されているか否かを判別すると共にこの判別結果を出力することができる。このため、使用者は、処理部16から出力される判別結果に基づき(上記の例では、この判別結果に応じて発光状態または非発光状態になる出力部17を確認することにより)、各電流検出プローブPLc,PLdが被覆導線La,Lbに正しい接続状態で接続されているか、誤接続状態で接続されているかを確実に知得(認識)することができ、誤接続状態のときには、電流検出プローブPLc,PLdを入れ替えて被覆導線La,Lbに接続することで、電流検出プローブPLc,PLdを被覆導線La,Lbに正しい接続状態で確実に接続することができる。
また、電流検出プローブPLc,PLdを備えた信号生成装置2A,2B,2C,2D、およびこれらのうちのいずれかの信号生成装置を備えた信号読取システム1においても、第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを備えた構成と同様にして、電流検出プローブPLc,PLdの各クランプ部61をシリアルバスSBにおける長手方向Wに沿って離間する任意の2つの位置(図11に示すように、電流検出プローブPLcのクランプ部61は、ツイストされている(撚り合わされている)被覆導線La,Lbのうちの被覆導線Laの第1の位置P1に、電流検出プローブPLdのクランプ部61は、シリアルバスSBを構成する被覆導線Lbの第2の位置P2)に装着して使用することができる。このため、第1プローブPLaおよび第2プローブPLbを備えた構成と同様の効果を奏することができる。