JP7265900B2 - 二重構造容器 - Google Patents
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Description
従って、上記のような二重構造容器では、後加工により、空気導入口を形成する必要があり、生産性が低いという問題がある。
本発明の他の目的は、打栓嵌合によりキャップを装着するのに適した形態の二重構造容器を提供することにある。
前記外筒容器は、外筒首部と、該外筒首部に連なり且つ延伸成形された胴部とを有しており、
前記内袋容器は、内袋首部と、該内袋首部に連なり且つ延伸成形された袋状部とを有しており、
前記内袋の袋状部の外面と外筒容器の胴部内面との間の空間に空気を導入し且つ該空間から空気を排出するための空気路が形成される構造を有しており、
前記空気路は、前記外筒首部の内面、該外筒首部の上端面および該外筒首部の外面に沿って存在するものであり、
前記内袋首部の外面には、下方部分に、前記外筒首部の内面との嵌合固定用リング状突起が設けられており、該リング状突起は、空気路形成用切欠きを有しており、該切欠きを通して、前記空気路が前記内袋の袋状部の外面と外筒容器の胴部内面との間の空間に連通しており、
前記内袋首部の上端には、該リング状突起よりも小径の小フランジが水平方向外方に延びており、該小フランジは、前記外筒首部の上端を覆っておらず、
前記内袋容器が前記外筒容器に収容されている状態において、該内袋首部のリング状突起が、前記外筒首部の内面に嵌合固定されていることを特徴とする二重構造容器が提供される。
(1)前記外筒首部の内面の上端部は、該二重構造容器に装着されるキャップに形成されている空気弁が接触する接触面となっていること。
(2)前記空気弁が接触する面が、前記外筒首部の内面上端から内方に向かって傾斜降下している傾斜面であること。
(3)前記外筒首部の外面上部には、キャップを打栓嵌合するためのアンダーカットが設けられており、該アンダーカットには、前記空気路を形成する切欠きが形成されていること。
(4)前記内袋首部の外面には、前記外筒首部の内面との嵌合固定用リング状突起が設けられており、該リング状突起には、前記空気路を形成する切欠きが形成されていること。
(5)前記外筒首部の内面には、前記リング状突起との係合により、該外筒首部内での内袋首部の軸方向位置を規制する段差が設けられていること。
この二重構造容器の概略構造を示す図1を参照して、全体として1で示す二重構造容器は、ボトル形状の外筒容器3と、醤油等の内容液が収容される内袋容器5とからなり、図1から理解されるように、外筒容器3の内部に、内袋容器5が挿入されて保持されている。
また、内袋容器5は、首部(内袋首部)21と、この内袋首部21に連なり膨らんだ形態の袋状部23とからなっている。
また、内容液が排出されると、内容液が排出された分だけ袋状部23の容積が減り、一方、外筒容器3の胴部15は凹んだ状態から復帰するため、作用空間Z内は負圧の状態となる。従って、内容液の排出後には、作用空間Z内に空気を導入し、作用空間Z内を常圧に戻す必要がある。負圧のままのときは、胴部15の原形復帰がスムーズに行われないばかりか、次に、胴部15を押圧して内容液の排出を行う場合、胴部15を大きく凹ませなければならず、内容液の排出を効果的に行うことが困難となってしまうからである。
また、小フランジ41は、このリング状突起43よりも小径に形成されているため、内袋首部21が外筒首部11内に嵌合固定された状態において、内袋首部11の上端の小フランジ41は、外筒首部11の上端面を覆っておらず、リング状突起43の上部には、外筒首部11の内面に沿ってストレートな空間Yが上部空間に直接連通している(図2参照)。しかも、リング状突起43には切欠き43aが形成されており、前述した作用空間Zと、上記のストレートな空間Y外筒首部11と内袋首部21との間の空間が連通するように構成されている。従って、このストレートな空間Yを通して、作用空間Zから外部にかけての空気路Xを形成することが可能となっている。
図2において、このキャップ100の概略構造が示されているが、内袋容器5内に収容されている内容物の排出は許容するが、内袋容器5内への空気の流入を阻止する逆止弁は省略されており、また、このキャップ100に設けられている上蓋が省略されている。かかるキャップ100は、外筒容器3の首部11に装着されるものであり、省略されている逆止弁とは別に、空気弁Aが設けられており、そのキャップ100の筒状側壁の外面には、前述した外筒首部11に形成されているアンダーカット31と係合する周状突起Bが形成されており、筒状側壁121に連なり且つ水平方向に延びている頂板部には、筒状側壁とは間隔をおいて下方に延びているインナーリングCが設けられている。図2から理解されるように、上記の空気弁Aは、キャップ軸方向下方に延びている環状フラップ片であり、内外に揺動可能となっており、上記の筒状側壁とインナーリングCとの間の位置において、頂板部から下方に延びており、その下端は外筒首部11の内面上端に形成されている傾斜面33に当接している。
例えば、スクイズ停止後に作用空間Z内に空気が流入しないときには、袋状部23が収縮しているため、内容液を排出するためには、胴部15を強く押圧して大きく凹ませることが必要となってしまい、最終的には、内容液の排出を行うことができなくなってしまう。本発明の二重構造容器1では、このような不都合が、空気弁Aと当接する傾斜面33の形成により、有効に解決されている。
しかし、空気弁接触面が直胴面との場合は、キャップ100を打栓により装着する際に空気弁Aの変形等を生じ易くなるため、キャップ100を打栓により装着するという観点からは、空気弁接触面は、上記のような傾斜面33とすることが好適である。
また、環境温度変化(温度上昇)により、作用空間Z内の圧力が上昇したときのガス抜きを効果的に行うことができるという点でも、空気弁接触面は、図2に示されているように、傾斜面33とすることが好適である。即ち、空気弁接触面がストレートな直立面であると、このような温度上昇により内圧が上昇した時、空気弁Aが該直立面に接触するため、作用空間Zからのガス抜きは行われない。このため、キャップ100の上蓋を開けたとき、内容液が排出されてしまうことがある。しかしながら、空気弁接触面を傾斜面33としておけば、例えば、空気弁A(環状のフラップ片)の外面(傾斜面33と当接する側の面)に、高さ方向に延びている線状溝を少なくとも1本形成しておくことにより、ガス抜きを有効に行うことができ、上蓋を開けたときの内容液の排出を有効に防止することができる。環境温度の変化程度の内圧上昇では、空気弁Aの外方の撓みが小さいため、空気弁Aに形成されている溝を通してガス抜きが行われるためである。勿論、スクイズ時には、作用空間Zの内圧が大きく上昇し、空気弁Aが大きく外方に撓むため、このような溝を通しての空気の排出は生じることが無い。
このようなプリフォームの形態の一例を図6に示した。
また、管状部53は、延伸成形される部分であり、ブロー成形されることにより、前述した外筒容器3の肩部13、胴部15及び底部17となる部分が賦形される。
尚、図では、小フランジ41に形成されている切欠き41a及びリング状突起43に形成されている切欠き43aは、作図上、何れも省略されている。
この場合には、内袋プリフォーム61の上端の小フランジ41と外筒首部11の上端との間の空間に治具を挿入した状態でブロー成形を行い、ブロー成形後、治具を引き抜き、突出している内袋首部21の上端を外筒首部11内に押し込む(打栓)ことにより、図2及び図5に示された形態とすることができる。スタックプリフォーム71をこのような形態とすることは、成形後に、内袋容器5の袋状部23と外筒容器3の肩部13との間に空隙を形成することができるため、最初に内容液の排出を行う際、作用空間Z内への空気の導入を速やかに行うことができるという利点がある。
尚、この二重構造容器1に装着されるキャップとしては、原理的には、螺子係合により外筒首部11に装着される所謂螺子キャップを使用することもできる。この場合には、外筒首部11の外面に、キャップ係合用螺条を設け、この螺条に、空気路Xを確保するためのスリットが形成されることとなる。
また、特に限定されるものではないが、この筒状側壁121には、上方から下方に延びているスリット127が形成されており、これにより二重壁構造となっている。このような二重壁構造により、使用済のキャップ100を、格別の器具を用いずに、二重構造容器1から容易に引き剥がすことが可能となっており、分別廃棄性が高められている。
従って、上記のような空気弁Aを設ける代わりに、上記の頂板部125に開口を形成し、この開口を開け閉めし得る形態の空気弁を設ける構造とすることもできる。頂板部125に形成される開口が、前述したストレートな空間Yに連通しているからである。
この案内筒145は、筒状側壁121内の中空空間と連通しており、内袋容器5から排出される内容液の注出路となる。
この上蓋123は、天板部151と天板部151の外周縁に連なるスカート部153とから構成されている。
このポール161は、上蓋123を閉じたとき、中栓保持用リング137内に収容されている中栓111に保持されている逆止弁113を押圧賦勢するための部材である。従って、上蓋123を閉じたとき、このポール161は、内容液注出用案内筒145内に侵入し、逆止弁113に当接することとなる。従って、案内筒145の上端は、ヒンジバンド147側の背が低く形成されている。また、ポール161は、付け根部側が比較的大径に形成され、先端部側が小径に形成された形態を有しており、これに伴い、案内筒145の内面の上方部分には、内方に突出した内方突起145aが設けられている。即ち、上蓋123を閉じたとき、案内筒145内に侵入したポール161は、大径の付け根部側が内方突起145aとの嵌合によりしっかりと固定され、ポール161の小径の先端部側が位置決めされ、一定位置で逆止弁113に当接し、逆止弁113を賦勢するように構成されている。
3:外筒容器
5:内袋容器
11:外筒首部
13:肩部
15:胴部
21:内袋首部
23:袋状部
31:アンダーカット
33:傾斜面
35:段差
43:嵌合固定用リング状突起
100:キャップ
X:空気路
Y:ストレートな空間
Z:作用空間
A:キャップの空気弁
Claims (5)
- 外筒容器と外筒容器の内部に収容された内袋容器とから成る二重構造容器において、
前記外筒容器は、外筒首部と、該外筒首部に連なり且つ延伸成形された胴部とを有しており、
前記内袋容器は、内袋首部と、該内袋首部に連なり且つ延伸成形された袋状部とを有しており、
前記内袋の袋状部の外面と外筒容器の胴部内面との間の空間に空気を導入し且つ該空間から空気を排出するための空気路が形成される構造を有しており、
前記空気路は、前記外筒首部の内面、該外筒首部の上端面および該外筒首部の外面に沿って存在するものであり、
前記内袋首部の外面には、下方部分に、前記外筒首部の内面との嵌合固定用リング状突起が設けられており、該リング状突起は、空気路形成用切欠きを有しており、該切欠きを通して、前記空気路が前記内袋の袋状部の外面と外筒容器の胴部内面との間の空間に連通しており、
前記内袋首部の上端には、該リング状突起よりも小径の小フランジが水平方向外方に延びており、該小フランジは、前記外筒首部の上端を覆っておらず、
前記内袋容器が前記外筒容器に収容されている状態において、該内袋首部のリング状突起が、前記外筒首部の内面に嵌合固定されていることを特徴とする二重構造容器。 - 前記外筒首部の内面の上端部は、該二重構造容器に装着されるキャップに形成されている空気弁が接触する接触面となっている請求項1に記載の二重構造容器。
- 前記空気弁が接触する面が、前記外筒首部の内面上端から内方に向かって傾斜降下している傾斜面である請求項2に記載の二重構造容器。
- 前記外筒首部の外面上部には、キャップを打栓嵌合するためのアンダーカットが設けられており、該アンダーカットには、前記空気路を形成する切欠きが形成されている請求項1~3の何れかに記載の二重構造容器。
- 前記外筒首部の内面には、前記リング状突起との係合により、該外筒首部内での内袋首部の軸方向位置を規制する段差が設けられている請求項1~4の何れかに記載の二重構造容器。
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