JP2021155068A - 液体入り容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容液の残量が減少した状態においても内容液を容易に吐出することが可能な液体入り容器を提供する。【解決手段】口部11aと胴部11bとを備えた外層体11と、外層体11の内側に減容変形自在に設けられた内層体12と、外層体11と内層体12との間に外気を導入するための外気導入口14とを備えたポリエステル樹脂製の容器本体10と、吐出口21bと、吐出口21bを開閉する逆止弁24とを備え、口部11aに装着された吐出キャップ20と、容器本体10に収納された内容液30と、を有する液体入り容器1であって、内層体12の内部に気体が収納されたヘッドスペースHSが設けられ、ヘッドスペースHSの容積が、内層体12の内容積の、12〜20%の範囲内であることを特徴とする液体入り容器1。【選択図】図1

Description

本発明は、容器本体に内容液を収納した液体入り容器に関する。
従来、容器本体に、化粧水などの化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸、食品調味料あるいは薬品などの液体を内容液として収納した液体入り容器として、口部と胴部とを備えた外層体と、外層体の内側に減容変形自在に設けられた内層体と、外層体と内層体との間に外気を導入するための外気導入口とを備えた二重構造の容器本体の口部に、吐出口と、この吐出口を開閉する逆止弁とを備えた吐出キャップを装着した構成のものが知られている。
このような液体入り容器では、吐出口を下方に向けるように容器を傾け、容器本体の胴部を押圧(スクイズ)することで、内層体に収納されている内容液を吐出口から外部に吐出させることができる。また、内容液の吐出後、胴部の押圧を解除すると、逆止弁によって吐出口から内層体の内部への外気の流入が阻止されるとともに、外気導入口を通して外層体と内層体の間に外気が導入されて、内層体を減容変形させたまま外層体のみを元の形状に復元させることができる。したがって、このような液体入り容器によれば、内層体に収納されている内容液を外気と置換させることなく外部に吐出させることができ、これにより、内層体の内部に残った内容液を空気と接触し難くして、その劣化や変質を抑制することができる。
従来、上記のような液体入り容器として、容器本体を、ポリエステル樹脂製の外プリフォームの内側にポリエステル樹脂製の内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成された、ポリエステル樹脂製のブロー成形品としたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2017−128383号公報
ポリエステル樹脂製の容器本体は、例えば押出しブロー成形によって外層体がポリエチレン樹脂製、内層体がEVOH樹脂製となる二重構造に形成された押出しブロー成形容器に比べて、胴部の剛性が高くなる。そのため、特に、内層体に収納されている内容液の残量が減少して残り僅かとなった状態において、胴部を押圧して内容液を吐出させる際に、内容液を吐出するために必要な胴部の押圧力として、押出しブロー成形容器に比べて、より大きな押圧力が必要となり、その吐出操作が困難である、という問題があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、内容液の残量が減少した状態においても内容液を容易に吐出することが可能な液体入り容器を提供することにある。
本発明の液体入り容器は、口部と胴部とを備えた外層体と、前記外層体の内側に減容変形自在に設けられた内層体と、前記外層体と前記内層体との間に外気を導入するための外気導入口とを備えたポリエステル樹脂製の容器本体と、吐出口と、前記吐出口を開閉する逆止弁とを備え、前記口部に装着された吐出キャップと、前記容器本体に収納された内容液と、を有する液体入り容器であって、前記内層体の内部に気体が収納されたヘッドスペースが設けられ、前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、12〜20%の範囲内であることを特徴とする。
本発明の液体入り容器は、上記構成において前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、14〜20%の範囲内であるのが好ましい。
本発明の液体入り容器は、上記構成において、前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、14〜15%の範囲内であるのが好ましい。
本発明の液体入り容器は、上記構成において、前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのが好ましい。
本発明の液体入り容器は、上記構成において、前記容器本体が、ポリエステル樹脂製の外プリフォームの内側にポリエステル樹脂製の内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成されたブロー成形品であるのが好ましい。
本発明の液体入り容器は、上記構成において、前記内容液が、液状の食品であるのが好ましい。
本発明によれば、内容液の残量が減少した状態においても内容液を容易に吐出することが可能な液体入り容器を提供することができる。
本発明の一実施形態である液体入り容器の一部切欠き正面図である。 図1に示す液体入り容器の、吐出キャップの部分の拡大断面図である。 図1に示す容器本体を成形するためのプリフォーム組立体の一部切欠き正面図である。 実施例の液体入り容器と比較例の液体入り容器における、傾斜吐出時における胴部の押圧に必要な荷重の推移を示す特性線図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示すように、本実施の形態の液体入り容器1は、容器本体10と、吐出キャップ20とを備え、容器本体10には内容液30が収納されている。
本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すように、液体入り容器1を、容器本体10に対して吐出キャップ20が上方に位置する正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、液体入り容器1の軸心Oを通るとともに軸心Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
容器本体10は、積層剥離容器とも呼ばれるものであり、外層体11と、外層体11の内側に配置された内層体12とを有する二重構造となっている。
外層体11は、容器本体10の外殻を構成する部分であり、円筒状の口部11aと、口部11aの下端に一体に連なる有底筒状の胴部11bとを備えたボトル形状となっている。
図2に示すように、口部11aの外周面には、雄ねじ11cが一体に設けられている。また、口部11aの外周面の、雄ねじ11cよりも下方側部分にはネックリング11dが一体に設けられている。
図1に示すように、胴部11bは、口部11aの下端から下方に向けて徐々に拡径して口部11aに対して径方向外側に向けて張り出すとともに、上下方向の中間部分に若干括れた部分を有する形状となっている。胴部11bは可撓性を有しており、押圧(スクイズ)されることで弾性変形して径方向内側に向けて凹むことができるとともに、当該弾性力によって凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。
なお、胴部11bの形状は、上記に限らず、種々変更可能である。
内層体12は、内口部12aと収納部12bとを有している。
図2に示すように、内口部12aは口部11aよりも小径の略円筒状となっており、口部11aの内側に同軸に配置されている。口部11aと内口部12aとの間には隙間13が設けられている。内口部12aの上端部は口部11aの内周面に全周に亘って当接しており、これにより口部11aと内口部12aとの間の隙間13は外部に対して閉塞されている。なお、内口部12aには、隙間13を形成するための複数の縦リブ12cが周方向に間隔を空けて一体に設けられている。
図1に示すように、収納部12bは、胴部11bよりも薄肉の袋状に形成されており、内口部12aの下端に一体に連なるとともに胴部11bの内面に剥離可能に積層されている。すなわち、本実施の形態では、容器本体10は積層剥離容器となっている。収納部12bの内部は収納空間Sとなっており、収納空間Sに所定量の内容液30が収納されている。収納部12bは減容変形自在となっており、内容液30が収納空間Sの外部に吐出されるのに伴って、胴部11bの内面から剥離しつつ減容変形(内容積を減少させるように変形)することができる。
容器本体10は外気導入口14を備えている。本実施の形態では、口部11aに複数の外気導入口14が設けられている。図2に示すように、これらの外気導入口14は、それぞれ口部11aを径方向に貫通するとともに周方向に延びる長孔形状の貫通孔となっており、周方向に所定の間隔を空けて並べて設けられている。複数の外気導入口14は、それぞれ外層体11と内層体12との間(隙間13)に連通しており、外層体11と内層体12との間に外気を導入することができる。
なお、外気導入口14は、少なくとも1つ設けられていれば、その数は任意に設定することができる。
容器本体10は、ポリエステル樹脂製となっている。
本実施の形態では、容器本体10は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である。すなわち、容器本体10を構成する外層体11及び内層体12は、何れも、ポリエチレンテレフタレート樹脂製となっている。外層体11及び内層体12を、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製とすることで、容器本体10を軽量で透明性が高く、且つリサイクル性の高い容器とすることができる
容器本体10は、図3に示すプリフォーム組立体40をブロー成形して形成されたブロー成形品とすることができる。プリフォーム組立体40としては、外層体11を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の外プリフォーム41の内側に、内層体12を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の内プリフォーム42を組み込んだ二重構造のものを用いることができる。
例えば、外プリフォーム41は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、外層体11の口部11aと同一形状の口部41aと、口部41aの下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部41bとを有する略試験管形状に形成されたものとすることができる。なお、外プリフォーム41は、外層体11の口部11aと同一形状の口部41aを有しているので、外プリフォーム41において、口部41aを構成する各部に図2と同一の符号を付してある。
一方、内プリフォーム42は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、内層体12の内口部12aと略同一形状の内口部42aと、内口部42aの下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部42bとを有する略試験管形状に形成されたものとすることができる。なお、内口部42aの外周面には、内層体12と同様の複数の縦リブ12cが周方向に間隔を空けて一体に設けられている。
このような構成のプリフォーム組立体40をブロー成形することにより、図1に示す容器本体10を形成することができる。本実施の形態においては、ブロー成形として二軸延伸ブロー成形が採用されている。なお、外プリフォーム41の口部41aと内プリフォーム42の内口部42aは、ブロー成形において、その大部分は延伸されない。
本実施の形態では、容器本体10には内容液30として、醤油が収納されている。
なお、容器本体10に収納される内容液30は、醤油に限らず、例えば、化粧水などの化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸、食品調味料などの他の液状の食品、あるいは薬品などの種々の液体であってよい。
次に、吐出キャップ20の構成について説明する。
図2に示すように、吐出キャップ20は、キャップ本体21と蓋体22とを備えている。吐出キャップ20は、例えば、ポリエチレン樹脂製ないしポリプロピレン樹脂製の射出成型品とすることができる。
キャップ本体21は、口部11aを覆う有頂円筒状となっており、雌ねじ21aが雄ねじ11cにねじ結合することで口部11aに装着されている。
キャップ本体21には吐出口21bが設けられており、内層体12の収納空間Sに収納されている内容液30を吐出口21bから外部に吐出することができる。本実施の形態においては、吐出口21bは、上方に向けて徐々に拡径しながら外向きに湾曲する円筒状に形成されており、その内径(直径)は、最小部分において、2〜5mm程度とされている。なお、吐出口21bの形状や大きさは種々変更可能である。
キャップ本体21の内部には中栓23が装着されており、中栓23に逆止弁24が装着されている。
中栓23には、内容液30を収納空間Sから吐出口21bへ流出させる流出孔23aが設けられている。また、キャップ本体21と中栓23との間には、吐出口21bと流出孔23aとの間に内容液30の流路を区画する環状壁25が設けられている。
逆止弁24は板状(円板状)となっており、中栓23の上面に配置されて流出孔23aを閉塞している。また、逆止弁24は、環状壁25に複数(3本)の弾性変形自在の脚部24aで連結されている。これにより、逆止弁24は、中栓23の上面に対して接近・離反する方向に移動して、収納空間Sから吐出口21bへ向けた内容液30の流出を許容するとともに、吐出口21bから収納空間Sへ向けた内容液30や外気の流入を阻止するように流出孔23aを開閉する。すなわち、逆止弁24は、吐出口21bを収納空間Sに対して開閉し、内容液30を吐出口21bから外部に吐出させつつ吐出口21bから収納空間Sの内部に外気が侵入することを抑制するように機能する。なお、逆止弁24は、開放方向に0.5mm押し上げられたときに、100mN以下(例えば、30〜70mN程度)の反力を生じる設定とされている。
キャップ本体21は、外気導入口14よりも下方において、口部11aの外周面に設けられた環状のシール突起11eに全周に亘って当接している。これにより、キャップ本体21の内部は外部に対して閉塞されている。
キャップ本体21には通気口21cが設けられており、この通気口21cを通して外部からキャップ本体21の内側に外気を取り込み、これを外気導入口14に供給することができる。また、キャップ本体21には、通気口21cから外気導入口14へ向けた外気の流れを許容するとともに、外気導入口14から通気口21cへ向けた外気の流れを阻止するように作動する外気用逆止弁26が設けられている。
なお、中栓23に、内容液30を吐出した後、吐出口21bの内部に残った内容液30をキャップ本体21の内部に引き込むためのサックバック用のボール弁27を設けた構成とすることもできる。
蓋体22は、キャップ本体21と略同径の有頂円筒状となっている。蓋体22は、外周面の一部においてヒンジ28によりキャップ本体21に連結されており、キャップ本体21を開閉することができる。
上記構成を有する液体入り容器1は、口部11aを下方に向けるように容器本体10を傾けて胴部11bを押圧(スクイズ)することで、内層体12の収納空間Sに収納されている内容液30を吐出キャップ20の吐出口21bから外部に吐出させることができるとともに、内容液30の吐出後、胴部11bの押圧を解除したときに、逆止弁24によって吐出口21bから内層体12の収納空間Sへの外気の流入を阻止するとともに、外気導入口14を通して外層体11と内層体12の間に外気を導入して、内層体12を減容変形させたまま外層体11のみを元の形状に復元させることができる。これにより、内層体12の収納空間Sに収納されている内容液30を、外気と置換させることなく外部に吐出させるようにして、内層体12の収納空間Sの内部に残った内容液30を空気と接触し難くし、その劣化や変質を抑制することができる。
なお、液体入り容器1は、容器本体10が、口部11aと胴部11bとを備えた外層体11と、外層体11の内側に減容変形自在に設けられた内層体12と、外層体11と内層体12との間に外気を導入するための外気導入口14とを備えたポリエステル樹脂製となる構成を有し、吐出キャップ20が、吐出口21bと、吐出口21bを開閉する逆止弁24とを備えて口部11aに装着された構成を有し、これにより、胴部11bを押圧することで容器本体10に収納された内容液30を吐出口21bから外気と置換することなく吐出することができる構成となっていれば、液体入り容器1を構成する容器本体10及び吐出キャップ20の構成は、上記に限らず、種々変更可能である。
図1に示すように、本実施の形態の液体入り容器1では、容器本体10の内層体12の内部に収納されている内容液30の量は、内層体12の内容積よりも少なくなっている。これにより、内層体12の内部には、内容液30の液面よりも上側に、内容液30が収納されずに気体が収納されたヘッドスペースHSが設けられている。
本実施の形態では、ヘッドスペースHSを構成する気体は空気であるが、ヘッドスペースHSを構成する気体は他の気体でもよく、例えば窒素等の不活性ガスとすることで内容液の劣化を抑制することができる。
外層体11と内層体12とを有する二重構造の容器本体10を備えた液体入り容器1では、内層体12の内部に、気体が収納されたヘッドスペースHSを設けた構成とすることにより、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなったときの内層体12の収納部12bの容積を、ヘッドスペースHSを設けない場合に比べて、ヘッドスペースHSを構成する気体の体積の分だけ大きくすることができる。これにより、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなった状態において、内容液30を吐出するために胴部11bを押圧したときに、当該押圧力が、ヘッドスペースHSを構成する気体を介して内容液30に伝達されるようにして、ヘッドスペースHSを設けない場合に比べて、より小さな押圧力で内容液30を容易に吐出させることができる。
一方、本実施の形態の液体入り容器1では、容器本体10はポリエチレンテレフタレート樹脂製(ポリエステル樹脂製)となっているので、例えば押出しブロー成形によって外層体がポリエチレン樹脂製、内層体がEVOH樹脂製となる二重構造に形成された押出しブロー成形容器に比べて、胴部11bの剛性が高くなり、その分、内容液30を吐出するために必要な胴部11bの押圧力も大きくなる。
そこで、本実施の形態の液体入り容器1では、内層体12の内部に気体が収納されたヘッドスペースHSを設けるとともに、ヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の、12〜20%の範囲内とするようにしている。ヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の、12〜20%の範囲内とすることで、容器本体10がポリエチレンテレフタレート樹脂製(ポリエステル樹脂製)であっても、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなったときに、内容液30を吐出するために必要となる胴部11bに対する押圧力を過度に高めることなく、容器本体として押出しブロー成形容器を用いた場合と同様の比較的小さな押圧力で、内容液30を容易に吐出させることができる。
ここで、内層体12の内容積は、容器本体10単体における、内層体12の口部12a及び収納部12bの両方を含んだ内部空間の容積であり、内層体12の内部に充填可能な内容液30の最大量に等しい容積である。また、ヘッドスペースHSの容積は、内層体12の内容積と、実際に内層体12の内部に収納された内容液30の量との差に相当する容積である。
このように、本実施の形態の液体入り容器1では、内層体12の内部に気体が収納されたヘッドスペースHSを設けるとともに、ヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の12〜20%の範囲内としたので、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなった状態においても、比較的小さな押圧力で内容液30を容易に吐出させることができる。したがって、本実施の形態の液体入り容器1を、内容液30の吐出の操作性に優れ、内層体12に残留する内容液30の残量を少なくすることが可能なものとすることができる。
なお、内層体12の内部に設けたヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の12%未満とした場合には、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなった状態において、内容液30を吐出するために必要な胴部11bに対する押圧力が過度に大きくなり、胴部11bの押圧が困難になるとともに、吐出することができずに内層体12の内部に残留する内容液30の量が多くなる。反対に、内層体12の内部に設けたヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の20%よりも大きくした場合には、ヘッドスペースHSが過度に大きくなり、当該ヘッドスペースHSを構成する気体に触れることで、内層体12に収納されている内容液30の品質が低下し、あるいは液体入り容器1が既に開封済みであるとの誤認を生じる虞があり、好ましくない。
本実施の形態の液体入り容器1において、内層体12の内部に設けたヘッドスペースHSの容積は、内層体12の内容積の14〜20%の範囲内とするのがより好ましい。ヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の14〜20%の範囲内とすることにより、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなった状態において、比較的小さな押圧力で、内容液30を、さらに確実に吐出させることができる。
本実施の形態の液体入り容器1において、内層体12の内部に設けたヘッドスペースHSの容積は、内層体12の内容積の14〜15%の範囲内とするのがさらに好ましい。ヘッドスペースHSの容積を、内層体12の内容積の14〜15%の範囲内とすることにより、内層体12に収納されている内容液30の残量が減少して残り僅かとなった状態において、比較的小さな押圧力で、内容液30を、さらに確実に吐出させることができる。
本発明の効果を確認するために、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器を用意し、これらの液体入り容器について、傾斜吐出時における胴部の押圧に必要な荷重の推移を測定する試験を行った。
実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器は、それぞれ上記した液体入り容器1と同様の構成の容器本体と吐出キャップとを備えた構成のものとし、容器本体(内層体)の内容積は510mlとした。また、吐出キャップに設けられる逆止弁は開方向に0.5mm変位させた際の反力が55mNとなる3点弁の構成のものとし、吐出口の内径(最小径)は3.5mmとした。容器本体に収納する内容液は、粘度が約3mPa・sの醤油とした。
実施例1の液体入り容器は、内容積が510mlの容器本体に70mlの内容液を収納した構成とした。実施例1の液体入り容器において、ヘッドスペースの容積は、内層体の内容積の13.7%である。
実施例2の液体入り容器は、内容積が510mlの容器本体に80mlの内容液を収納した構成とした。実施例2の液体入り容器において、ヘッドスペースの容積は、内層体の内容積の15.7%である。
実施例3の液体入り容器は、内容積が510mlの容器本体に90mlの内容液を収納した構成とした。実施例3の液体入り容器において、ヘッドスペースの容積は、内層体の内容積の17.6%である。
比較例の液体入り容器は、内容積が510mlの容器本体に60mlの内容液を収納した構成とした。比較例の液体入り容器において、ヘッドスペースの容積は、内層体の内容積の11.8%である。
上記試験においては、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器のそれぞれについて、当該容器を、吐出口が下方を向くとともに容器本体の軸線が鉛直方向に対して45度の角度で傾斜する姿勢に傾倒させ、この状態で容器本体の軸線に垂直な方向から丸棒を胴部の上下方向の中心位置に押し当て、容器本体に収納されている内容液を吐出口から45g吐出させる吐出操作を複数回(12回)行い、それぞれの吐出操作において丸棒が胴部に加えた荷重(押圧力)を測定した。
図4に、上記試験結果を示す。
図4に示すように、吐出回数の1回目から9回目にかけては、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器において、内容液を吐出するために必要な胴部の押圧力に大きな差異はなく、何れも、徐々に押圧力は増加するが、比較的小さな荷重となっている。内容液の残量が残り少なくなった10回目の吐出操作では、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器の何れにおいても、内容液を吐出するために必要な胴部の押圧力が増加する。
内容液の残量が残り僅かとなった11回目の吐出操作では、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の液体入り容器の何れにおいても押圧力が最大となる。
ここで、比較例の液体入り容器では、11回目の吐出操作における押圧力は160N以上であり、胴部を最後まで押し切ることが困難であった。このように、比較例の液体入り容器では、内容液の残量が減少した状態における内容液の吐出の操作性が悪く、そのため内容液の残量が多くなることが確認された。
これに対し、実施例1、実施例2及び実施例3の液体入り容器では、11回目の吐出操作における押圧力は、何れも150N以下と、比較的小さな押圧力であった。また、実施例1、実施例2及び実施例3の液体入り容器では、内容液の残量は何れも、最初に容器本体に収納した量の2%以下であった。これにより、実施例1、実施例2及び実施例3の液体入り容器が、内容液の残量が減少した状態における内容液の吐出の操作性に優れたものであることが確認できた。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、容器本体10は、積層剥離容器とされているが、これに限らず、例えば、外層体11の内部に外層体11とは別に形成された内層体12を組み込んだ二重容器とすることもできる。
また、前記実施の形態では、容器本体10はポリエチレンテレフタレート樹脂製とされているが、これに限らず、ポリエステル樹脂製であれば他の樹脂製であってもよい。
さらに、前記実施の形態では、外層体11と内層体12との間に外気を導入するための外気導入口14を外層体11の口部11aに設けるようにしているが、これに限らず、例えば胴部11bや容器本体の底部分などの他の部位に設けるようにしてもよい。
1 液体入り容器
10 容器本体
11 外層体
11a 口部
11b 胴部
11c 雄ねじ
11d ネックリング
11e シール突起
12 内層体
12a 内口部
12b 収納部
12c 縦リブ
13 隙間
14 外気導入口
20 吐出キャップ
21 キャップ本体
21a 雌ねじ
21b 吐出口
22 蓋体
23 中栓
23a 流出孔
24 逆止弁
24a 脚部
25 環状壁
26 外気用逆止弁
27 ボール弁
28 ヒンジ
30 内容液
40 プリフォーム組立体
41 外プリフォーム
41a 口部
41b 延伸部
42 内プリフォーム
42a 内口部
42b 延伸部
O 軸心
S 収納空間
HS ヘッドスペース

Claims (6)

  1. 口部と胴部とを備えた外層体と、前記外層体の内側に減容変形自在に設けられた内層体と、前記外層体と前記内層体との間に外気を導入するための外気導入口とを備えたポリエステル樹脂製の容器本体と、
    吐出口と、前記吐出口を開閉する逆止弁とを備え、前記口部に装着された吐出キャップと、
    前記容器本体に収納された内容液と、を有する液体入り容器であって、
    前記内層体の内部に気体が収納されたヘッドスペースが設けられ、
    前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、12〜20%の範囲内であることを特徴とする液体入り容器。
  2. 前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、14〜20%の範囲内である、請求項1に記載の液体入り容器。
  3. 前記ヘッドスペースの容積が、前記内層体の内容積の、14〜15%の範囲内である、請求項2に記載の液体入り容器。
  4. 前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である、請求項1〜3の何れか1項に記載の液体入り容器。
  5. 前記容器本体が、ポリエステル樹脂製の外プリフォームの内側にポリエステル樹脂製の内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成されたブロー成形品である、請求項1〜4の何れか1項に記載の液体入り容器。
  6. 前記内容液が、液状の食品である、請求項1〜5の何れか1項に記載の液体入り容器。
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