JP7039432B2 - 吐出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、外容器体と内容器体とを備えた二重構造の容器本体と、容器本体の口部に装着される吐出キャップとを備えた吐出容器に関する。
従来、化粧水などの化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸、食品調味料あるいは薬品などを内容物として収容する容器として、外容器体と内容器体とを備えた二重構造の容器本体と、容器本体の口部に装着される吐出キャップとを備え、吐出キャップのキャップ本体に設けた吐出口から内容物を吐出するようにした吐出容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような吐出容器では、キャップ本体の頂壁に外気の通気口が設けられ、容器本体の口部には、通気口からキャップ本体の内部に取り込んだ外気を外容器体と内容器体との間に導入するための外気導入口が設けられている。また、キャップ本体の内側には、口部の開口を覆う閉塞壁に内容物の流通孔を備えた中栓が装着されており、キャップ本体と中栓の間には、内容器体の内部から流通孔を通して吐出口に向けた内容物の流出を許容するように流通孔を開閉する逆止弁が設けられている。これにより、吐出口から内容物を吐出させた後、逆止弁によって吐出口から内容器体の内部への外気の流入を阻止しつつ外気導入口を通して外容器体と内容器体の間に外気を導入して、外容器体を元の形状に保持したまま内容器体のみを減容変形させることができる。よって、内容器体に収容されている内容物を外気と置換させることなく吐出させて、内容器体の内部に残った内容物を空気と接触し難くし、その劣化や変質を抑制することができる。
特開2018-122860号公報
上記構成を有する吐出容器では、外容器体を元の形状に保持したまま内容器体のみを確実に減容変形させるために、外気導入口を通して外容器体と内容器体との間に効率良く外気を導入することが可能な構成とするのが好ましい。
しかし、上記従来の吐出容器では、外気導入口を外容器体に設けて口部の外周面に開口させ、キャップ本体の頂壁に設けた通気口から取り込んだ外気を、キャップ本体と口部の外周面との間やキャップ本体と中栓との間などに設けた外気導入用の流路を通して外気導入口にまで導くようにしているので、外気が通る流路の経路が複雑になるとともに流路の断面積が小さくなり、外容器体と内容器体との間に効率良く外気を導入する構成とすることが困難であるという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、外容器体と内容器体との間に効率良く外気を導入することが可能な吐出容器を提供することにある。
本発明の吐出容器は、外容器体と、該外容器体の内側に配置された減容変形自在の内容器体とを有する二重構造の容器本体と、内容物の吐出口を備え、前記容器本体の筒状の口部に装着された吐出キャップと、を有する吐出容器であって、前記吐出キャップが、前記吐出口と外気の通気口とを備えた頂壁と、該頂壁に連なる筒状の側壁とを有し、前記口部を覆うキャップ本体と、前記キャップ本体に固定されて前記口部の開口を覆う閉塞壁と、前記口部の内周面に嵌合するシール部を備えた筒状壁とを有し、前記閉塞壁に前記吐出口に連なる流通孔が設けられた中栓と、前記内容器体の内部から前記流通孔を通して前記吐出口に向けた内容物の流れを許容するように前記流通孔を開閉する逆止弁と、前記頂壁と前記閉塞壁との間に設けられ、前記頂壁と前記閉塞壁との間に前記吐出口と前記流通孔とを連ねる内容物の流路を区画形成する筒状の区画壁と、を有し、前記内容器体に、前記外容器体と前記内容器体との間に連通するとともに前記シール部よりも前記閉塞壁の側において前記筒状壁と前記内容器体との間に連通する外気導入口が設けられ、前記外気導入口が、前記閉塞壁に設けられた通気用開口を介して前記通気口に連通していることを特徴とする。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記内容器体が、前記口部を構成する筒状の内口部と該内口部の上端に連なる拡径部分とを有し、前記外気導入口が前記内口部と前記拡径部分との間に設けられているのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記通気用開口と前記通気口との間に空気用逆止弁が設けられているのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記側壁の内周面に一体に設けられ、それぞれ径方向内側に突出するとともに上下方向に延びる複数本の縦リブと、前記口部の外周面に一体に設けられ、複数本の前記縦リブに食い込んで前記吐出キャップを前記口部に対して抜止め保持するとともに、前記吐出キャップが前記口部に対して相対回転したときに複数本の前記縦リブに食い込んだ食込み部に沿って相対移動して前記吐出キャップに上方に向けた押上げ力を加えるねじ部と、を有するのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記キャップ本体が、前記外容器体よりも軟質の合成樹脂材料で形成されているのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記キャップ本体が、ポリプロピレン樹脂製またはポリエチレン樹脂製であるのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのが好ましい。
本発明によれば、外容器体と内容器体との間に効率良く外気を導入することが可能な吐出容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態である吐出容器の一部切欠き正面図である。 図1に示す吐出容器の要部の拡大断面図である。 プリフォーム組立体の一部切欠き正面図である。 図1に示す吐出容器の吐出キャップを口部に対して相対回転させた状態における断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
図1、図2に示す本発明の一実施の形態である吐出容器1は、例えば醤油等の食品調味料を内容物(内容液)として収容する用途に用いられるスクイズ式のものであり、容器本体2と、容器本体2の円筒状の口部2aに装着された吐出キャップ3とを備えている。
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すように、吐出容器1を容器本体2に対して吐出キャップ3が上方に位置する正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。また、径方向は、吐出容器1の軸心Oを通るとともに軸心Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
容器本体2は、外容器体10と、外容器体10の内側に収容された内容器体20とを有する二重構造となっている。本実施の形態では、容器本体2は積層剥離容器(デラミネーション容器)に構成されている。
外容器体10は容器本体2の外殻を構成する部分であり、容器本体2の円筒状の口部2aの外殻部分を構成する円筒状の外口部11と、外口部11の下端に一体に連なる胴部12とを備えたボトル形状となっている。
外口部11の下端にはネックリング13が一体に設けられている。ネックリング13は外口部11の全周に亘って円環状に延びており、外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。
胴部12は、外口部11の下端に一体に連なるとともに下方に向けて徐々に拡径して外口部11に対して径方向外側に向けて張り出す肩状部分12aと、肩状部分12aの下端に一体に連なるとともに若干括れた部分を有する略円筒状の胴本体部分12bと、胴本体部分12bの下端を閉塞する底部分12cとを有している。
胴本体部分12bは可撓性を有しており、スクイズ(押圧)されることで弾性変形して径方向内側に向けて凹むことができるとともに、当該弾性力によって凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。胴本体部分12bをスクイズにより弾性変形可能な構成としたことにより、内容物の吐出操作を容易に行い得るようにすることができる。
肩状部分12aには、上下方向に延びる複数(18本)の凹リブ14が周方向の全周に亘って等間隔に並べて設けられている。なお、図1においては、便宜上、1つの凹リブ14にのみ符号を付している。なお、凹リブ14を設けない構成とすることもできる。
図2に示すように、外口部11のネックリング13よりも上方側の上端側部分における外周面には、口部側シール部15が一体に設けられている。口部側シール部15は、外口部11の全周に亘って円環状に延びるとともに外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。
また、口部2aの外周面すなわち外口部11のネックリング13と口部側シール部15との間における外周面には、ねじ部16が一体に設けられている。ねじ部16は、外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出するとともに当該外周面に沿って螺旋状に延びる雄ねじとなっており、その断面形状は、径方向外側を向く先端が鋭角な三角形状となっている。本実施の形態においては、ねじ部16は二条ねじとして設けられているが、例えば一条ねじとするなど、その条数は種々変更可能である。
図1に示すように、内容器体20は、容器本体2の円筒状の口部2aの内側部分を構成する円筒状の内口部21と、内口部21の下端に一体に連なる収容部22とを有し、外容器体10の内側に配置されている。
図2に示すように、内口部21は外口部11よりも小径となっており、外口部11の内側に当該外口部11と同軸に配置されている。外口部11の内周面と内口部21の外周面との間には所定の間隔の隙間23が設けられている。内口部21の上端は円筒状の拡径部分24となっており、拡径部分24の外周面が外口部11の内周面に全周に亘って当接している。これにより、外口部11と内口部21との間の隙間23は、外口部11ないし内口部21の上端部分において外部に対して閉塞されている。拡径部分24の上端には径方向外側に向けて延びる円環状のフランジ部25が一体に設けられ、フランジ部25が外口部11の上端に当接することで内口部21は外口部11に対して軸方向に位置決めされている。
内容器体20には、複数の外気導入口26が設けられている。これらの外気導入口26は、それぞれ内容器体20の内口部11と拡径部分24との間の部分に設けられ、内容器体20を径方向に貫通する貫通孔となっている。これらの数の外気導入口26は、それぞれ外容器体10と内容器体20との間に連通しており、これらの外気導入口26を通して外容器体10と内容器体20との間に外気を導入することができる。
本実施の形態においては、内容器体20、軸心Oを挟んで対向する一対の外気導入口26を設けるようにしているが、少なくとも1つの外気導入口26が設けられていれば、内容器体20に設ける外気導入口26の数は種々変更可能である。
図1に示すように、収容部22は胴部12よりも薄肉で柔軟性を有する袋状に形成され、胴部12の内面に剥離可能に積層されている。収容部22の内部は内容物の収容空間Sとなっており、内口部21を通して収容部22に内容物を充填することができるとともに内口部21を通して収容部22に収容されている内容物を外部に吐出することができる。収容部22は減容変形自在となっており、内容物の注出に伴って胴部12の内面から剥離しつつ減容変形(内容積を減少させるように変形)することができる。収容部22の減容変形に伴い、外気導入口26から外容器体10と内容器体20との間に外気が導入されることで、胴本体部分12bを元の形状に維持ないし復元させたまま、収容部22のみを胴部12の内面から容易に剥離させて減容変形させることができる。
図2に示すように、外気導入口26から胴部12と収容部22との間に向けた外気の気道を確保するために、内口部21の外周面には、複数本のスペーサリブ27が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。なお、スペーサリブ27は、外口部11の内周面に設けるようにしてもよく、外口部11と内口部21の何れにもスペーサリブ27を設けない構成としてもよい。
外容器体10及び内容器体20は、何れも、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製となっている。すなわち、容器本体2はポリエチレンテレフタレート樹脂製となっている。容器本体2をポリエチレンテレフタレート樹脂製とすることで、容器本体2を軽量で透明性が高く、且つリサイクル性の高い容器とすることができる。
上記構成の容器本体2は、図3に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して形成されたブロー成形品となっている。プリフォーム組立体30は、外容器体10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の外プリフォーム31の内側に、内容器体20を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の内プリフォーム32を組み込んだ二重構造となっている。
外プリフォーム31は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、外容器体10の外口部11と同一形状の外口部11と、外口部11の下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部31aとを有する略試験管形状に形成されている。なお、外プリフォーム31は、外容器体10と同一形状の外口部11を有しているので、外プリフォーム31においても外口部11を構成する各部に図2と同一の符号を付してある。
内プリフォーム32は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、内容器体20の内口部21と略同一形状の内口部21と、内口部21の下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部32aとを有する略試験管形状に形成されている。なお、内プリフォーム32は、内容器体20と同一形状の内口部21を有しているので、内プリフォーム32においても内口部21を構成する各部に図2と同一の符号を付してある。
このような構成のプリフォーム組立体30をブロー成形することにより、図1に示す容器本体2を容易に形成することができる。本実施の形態においては、ブロー成形として二軸延伸ブロー成形が採用されている。
ここで、本実施の形態では、外気導入口26を、内容器体20の内口部11と拡径部分24との間の部分に内容器体20を径方向に貫通する貫通孔として設けるようにしているので、内プリフォーム32の軸心に沿って相対移動する上型と下型とを備えた射出成形型を用いた射出成形によって、外気導入口26を備えた内プリフォーム32を容易に形成することができる。すなわち、上型と下型との内プリフォーム32の軸心に垂直な合わせ面の一部を内口部11と拡径部分24との間の部分に設けることで、内プリフォーム32に、拡径部分24の側における内面が内プリフォーム32の軸心に垂直であるとともに内口部21の側における内面が内プリフォーム32の軸心に平行となる形状の外気導入口26を形成することができる。そして、当該形状の外気導入口26を有する内プリフォーム32を外プリフォーム31に組み込んだプリフォーム組立体30をブロー成形することにより、内容器体20に外気導入口26を備えた容器本体2を容易に形成することができる。
次に、吐出キャップ3の構成について説明する。
図2に示すように、吐出キャップ3はキャップ本体40を備えている。キャップ本体40は、頂壁41と、この頂壁41の外周縁に一体に連なる円筒状の側壁42とを備えた略有頂円筒状に形成されており、口部2aに装着されて口部2aを覆っている。
頂壁41には内容物の吐出口43が一体に設けられている。吐出口43は、内容器体20の収容空間Sに収容されている内容物を外部に吐出することができる。本実施の形態においては、吐出口43は、頂壁41から上方に向けて徐々に拡径しながら外向きに湾曲する筒状に形成されているが、その形状や大きさは、収容空間Sに収容される内容物や用途等に応じて種々変更可能である。
側壁42の内周面は、口部側シール部15の外周端に全周に亘って当接している。これにより、側壁42と外口部11との間は外部に対して気密に密封されている。すなわち、キャップ本体40の側壁42と口部2aとの間は外部に対して密封されている。
頂壁41には外気の通気口44が設けられている。通気口44はキャップ本体40の内部に連通しており、通気口44を通して外部からキャップ本体40の内側に外気を取り込むことができる。
キャップ本体40は、蓋体50を一体に備えた構成とすることができる。蓋体50は、キャップ本体40と略同径の有頂円筒状に形成され、外周面の一部においてヒンジ51を介してキャップ本体40に開閉自在に連結されている。蓋体50は、その天壁52の内面に筒状の栓部材53を一体に備えている。栓部材53は、蓋体50がキャップ本体40の上方を覆う閉位置とされると、吐出口43の内周面に嵌合して吐出口43を閉塞する。また、天壁52の内面には、栓部材53の外側を覆う円筒状突起54が設けられている。
蓋体50は、その開口縁の内周に設けられた係止溝55が頂壁41の外周縁に設けられた突起部分にアンダーカット係合することにより、キャップ本体40の頂壁41を覆った閉状態に保持される。一方、蓋体50は、ヒンジ51を中心として回動することで開状態とされる。蓋体50が開状態となると、栓部材53が吐出口43から離脱して、吐出口43が内容物を吐出可能な状態に開放される。
キャップ本体40は、外容器体10よりも軟質の合成樹脂材料で形成されるのが好ましい。本実施の形態では、外容器体10がポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのに対し、キャップ本体40はポリプロピレン樹脂製となっている。キャップ本体40は、外容器体10よりも軟質の合成樹脂材料であれば、ポリプロピレン樹脂製に限らず、例えばポリエチレン製とすることもできる。
キャップ本体40の内側には中栓60が装着されている。
中栓60は、キャップ本体40に固定されて口部2aないし内口部21の開口を覆う閉塞壁61を有している。閉塞壁61は略円板状に形成されており、その外周縁には上方に向けて起立する円筒状の係合壁62が一体に設けられている。係合壁62は、上端がキャップ本体40の頂壁41の下面に当接するとともに下端がキャップ本体40の側壁42の内周面に設けられた係止突起45に係止されている。これにより、閉塞壁61は、係合壁62を介して、頂壁41との間に上下方向に所定の間隔を空けた状態となって、キャップ本体40に固定されている。また、中栓60は、側壁42と係合壁62との間に設けられたスプライン状の回り止め部63によって、キャップ本体40に対して回り止めされている。
閉塞壁61には、内容物の流出孔64が設けられている。流出孔64は、閉塞壁61と頂壁41との間の空間を介して吐出口43に連なっており、収容空間Sに収容されている内容物を吐出口43に向けて流出させることができる。
閉塞壁61の下面には、当該下面から下方に向けて突出する円筒状の筒状壁65が一体に設けられている。筒状壁65の下端側部分はシール部65aとなっている。シール部65aは、その外周面において、口部2aないし内口部21の拡径部分24よりも下側における内周面に全周に亘って液密に嵌合している。
内容器体20の上端すなわちフランジ部25は閉塞壁61の下面に当接しており、内容器体20と筒状壁65のシール部65aよりも閉塞壁61の側(上方側)の部分との間は、筒状壁65を取り囲むように延びる環状の下側外気流通路P1となっている。このように、内容器体20に設けられた外気導入口26は、シール部65aよりも閉塞壁61の側において、筒状壁65と内容器体20との間に設けられた下側外気流通路P1に連通している。
中栓60には、合成樹脂材料ないしエラストマー等によって形成された逆止弁70が装着されている。逆止弁70は、弁本体71、複数の脚部72及び区画壁73を備えている。弁本体71は、板状(円板状)に形成され、閉塞壁61の頂壁41の側を向く上面に配置されて流出孔64を閉塞している。区画壁73は、円筒状に形成されて頂壁41と閉塞壁61との間に配置され、頂壁41と閉塞壁61とに嵌合保持されている。複数の脚部72は、それぞれ弾性変形自在に形成されて弁本体71と区画壁73とを連結している。本実施の形態では、逆止弁70は、3本の脚部72によって弁本体71が区画壁73に支持された3点弁となっている。このような構成により、弁本体71は、閉塞壁61の上面に対して接近・離反する方向に移動して、収容空間Sから流出孔64を通して吐出口43に向けた内容物の流出を許容するとともに吐出口43から流出孔64を通して収容空間Sに向けた内容物や外気の流入を阻止するように、流出孔64を開閉することができる。したがって、内容物の吐出後に、胴本体部分12bの復元に伴って吐出口43から内容器体20の内部に外気が流入することを防止して、内容器体20の収容空間Sに収容されている内容物を空気に触れづらくして、その品質の劣化を抑制することができる。
頂壁41と閉塞壁61との間に設けられた区画壁73により、頂壁41と閉塞壁61との間に、吐出口43と流出孔64とを連ねる内容物の流路P2が区画形成されている。また、頂壁41と閉塞壁61との間の空間の区画壁73の外側の部分は、通気口44に連なる上側外気流通路P3となっている。すなわち、頂壁41と閉塞壁61との間の空間は、区画壁73の内側の内容物の流路P2と、区画壁73の外側の上側外気流通路P3とに区画されている。
閉塞壁61には、下側外気流通路P1と上側外気流通路P3とを連通させる複数の通気用開口66が設けられている。したがって、内容器体20に設けられた外気導入口26は、下側外気流通路P1、通気用開口66及び上側外気流通路P3を介して通気口44に連通している。
通気口44と通気用開口66との間には、通気口44と外気導入口26との間の外気の流路を開閉する空気用逆止弁74が設けられている。空気用逆止弁74は区画壁73の外周面に一体に連なる傘状に形成され、通気口44からキャップ本体40の内部を通した外気導入口26への外気ないし空気の流れを許容するとともに、外気導入口26からキャップ本体40の内部を通した通気口44への空気の流れを阻止するように作動する。
本実施の形態では、空気用逆止弁74を通気口44と通気用開口66との間に設けるようにしたので、空気用逆止弁74を区画壁73の外周面に一体に連ねて設けることを可能として、この吐出容器1の構成を簡素化し、コストを低減することができる。
内容物を吐出するために容器本体2の胴本体部分12bをスクイズする際には、空気用逆止弁74が閉じることで、外容器体10と内容器体20との間に空気を保持して内容器体20から内容物を容易に押し出すことができる。また、内容物の吐出後に胴本体部分12bのスクイズを解除したときには、空気用逆止弁74が開くことで、通気口44から外気導入口26を通して外容器体10と内容器体20との間に外気が導入されるようにして、内容器体20を減容変形させたまま外容器体10の胴本体部分12bを元の形状に容易に復元させることができる。
このとき、本実施の形態の吐出容器1では、外気導入口26を内容器体20に設け、シール部65aよりも閉塞壁61の側において中栓60筒状壁65と内容器体20との間に設けた下側外気流通路P1と、中栓60の閉塞壁61に設けた通気用開口66と、閉塞壁61とキャップ本体40の頂壁41との間に設けられた上側外気流通路P3とを介して外気導入口26を通気口44に連通させるようにしたので、外気が通る流路の経路を簡素化するとともに流路の断面積を大きく設定することを可能として、通気口44から導入した外気を、外気導入口26を通して外容器体10と内容器体20との間に効率良く導入することができる。これにより、内容器体20を減容変形させたまま外容器体10の胴本体部分12bを元の形状により容易かつ迅速に復元させることができるので、容器本体2に積層剥離容器としての機能をより効果的に発揮させることができる。
閉塞壁61の下面には、流出孔64に対してヒンジ51とは反対側に位置して、収容空間Sに向けて延在する円筒状の弁体保持壁67が一体に設けられている。弁体保持壁67は下端が下方に向かうに従って内径が狭まるように縮径した形状を有し、その内部には、鋼材や樹脂等により球状(ボール)に形成された弁体68が上下方向に移動自在に配置されている。
容器本体2が吐出口43を下方に向けた傾倒姿勢とされると、弁体68は、図2において2点鎖線で示すように、弁体保持壁67の内部を吐出口43の側に向けて移動する。そして、内容物が注出された後、吐出口43が上方を向くように容器本体2が正立姿勢に戻されると、弁体68は弁体保持壁67の内部を下方に向けて縮径部分に当接する位置(図2において実線で示す位置)まで移動して吐出口43内に残った内容物を弁体保持壁67の内部に向けて吸引する。これにより、内容物の吐出後に、吐出口43の内部の残る内容物の残量を減らして、吐出口43から内容物が垂れ落ちることを防止することができる。すなわち、弁体保持壁67及び弁体68はサックバック機構として機能する。
キャップ本体40の側壁42の内周面には、複数本の縦リブ46が周方向に等間隔に並べて一体に設けられている。複数本の縦リブ46は、それぞれ側壁42の内周面から径方向内側に向けて突出するとともに上下方向(縦方向)に沿って延びている。また、それぞれの縦リブ46の下端は、徐々に突出高さが小さくなるように緩やかに傾斜している。
複数本の縦リブ46の径方向内側における先端部分を通る仮想円の直径は、外口部11の外周面に形成されているねじ部16の径方向外側の先端部分を通る仮想円の直径よりも小さくなっている。したがって、ねじ部16の先端部分は、複数本の縦リブ46のそれぞれに食い込んでいる。複数本の縦リブ46のねじ部16が食い込んだ部分は食込み部46aとなっている。ねじ部16が複数本の縦リブ46のそれぞれに食い込むことで、キャップ本体40すなわち吐出キャップ3は、容器本体2の口部2aに対して抜け止め保持されている。
キャップ本体40、中栓60及び逆止弁70を有する吐出キャップ3は、容器本体2の口部2aに打栓によって装着される。吐出キャップ3が容器本体2の口部2aに打栓されると、外口部11の外周面に設けられたねじ部16が側壁42の内周面に設けられた複数本の縦リブ46を上方から下方に向けて順次弾性変形させながら所定位置にまで移動する。そして、図2に示すように、吐出キャップ3が口部2aの所定位置にまで打栓されると、ねじ部16が複数本の縦リブ46に食い込んだ状態となって口部2aに抜け止め保持された状態となる。このとき、ねじ部16が食い込んだ複数本の縦リブ46には食込み部46aが転写される。
特に、本実施の形態では、キャップ本体40を、容器本体2の外容器体10よりも軟質の合成樹脂製としたので、容器本体2の外口部11と一体に形成されたねじ部16を、キャップ本体40と一体に形成された縦リブ46に確実に食い込ませることができる。
本実施の形態の吐出容器1では、吐出キャップ3を容器本体2の口部2aに打栓によって装着する構成としたので、高い不正開封防止効果を得ることができる。特に、吐出キャップ3を容器本体2とともにシュリンクラベル等の包装材で覆うことにより、より高い不正開封防止効果を得ることができる。一方、本実施の形態の吐出容器1では、吐出キャップ3を容器本体2の口部2aに打栓によって装着する構成としつつ、容器本体2の外口部11の外周面にねじ部16を設けるとともに、キャップ本体40の側壁42の内周面に複数本の縦リブ46を設け、吐出キャップ3が口部2aに打栓されたときに、ねじ部16が複数本の縦リブ46に食い込んでそれぞれの縦リブ46に食込み部46aが転写されるようにしたので、吐出キャップ3を口部2aに対して相対回転させるだけの簡単な操作で、吐出キャップ3を容器本体2の口部2aから容易に取り外すことができる。
すなわち、図2に示すように、吐出キャップ3を容器本体2の口部2aに打栓した状態では、複数本の縦リブ46には、ねじ部16が食い込むことによって食込み部46aが転写されているので、図4に示すように、この状態から吐出キャップ3を口部2aに対して相対回転させると、ねじ部16が食込み部46aに沿って回転方向に相対移動して、キャップ本体40を介して吐出キャップ3に上方に向けた押上げ力が加えられることになる。すなわち、ねじ部16が複数の縦リブ46に食い込んで縦リブ48に食込み部46aが転写されることによって、吐出キャップ3はキャップ本体40の側壁42の部分において簡易的に口部2aに対してねじ結合された状態となるので、吐出キャップ3を口部2aに対して当該ねじ結合を緩める方向に相対回転させることで、吐出キャップ3を口部2aに対して相対的に上方に向けて押し上げることができる。そして、ねじ部16が全ての食込み部46aから離脱するまで吐出キャップ3を口部2aに対して相対回転させることで、食込み部46aとねじ部16との係合を解除して、吐出キャップ3を口部2aから取り外すことができる。
このように、吐出キャップ3を口部2aに対して相対回転させるだけの簡単な操作で、吐出キャップ3を容器本体2の口部2aから容易に取り外すことができる。したがって、吐出キャップ3を打栓によって容器本体2の口部2aに装着される高い不正開封防止効果を有する構成としつつ、容器本体2の口部2aから吐出キャップ3を容易に取り外すことができるようにして、容器本体2をリサイクルする際における、吐出キャップ3を容器本体2から分別する作業を容易にすることができる。
また、外口部11の外周面にねじ部16を設け、側壁42の内周面に複数本の縦リブ46を設けるようにしたので、例えば外容器体10をポリエチレンテレフタレート樹脂製としつつ、キャップ本体40をポリプロピレン樹脂製またはポリエチレン樹脂製とするなど、キャップ本体40を外容器体10よりも軟質の合成樹脂材料で形成することが容易である。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、容器本体2は、積層剥離容器とされているが、これに限らず、例えば、外容器体10の内部に外容器体10とは別に形成された内容器体20を組み込んだ二重容器とすることもできる。
また、前記実施の形態では、外容器体10をポリエチレンテレフタレート樹脂製とし、キャップ本体40をポリプロピレン樹脂製またはポリエチレン樹脂製としているが、これに限らず、キャップ本体40が外容器体10よりも軟質の合成樹脂材料製であれば、それぞれ他の合成樹脂材料製とすることもできる。
さらに、前記実施の形態では、複数本の縦リブ46を、上下方向(縦方向)に延びる形状としているが、これに限らず、上下方向に対して傾斜して延びる形状としてもよい。また、縦リブ46を、当該縦リブ46を上下方向に分断する間欠部を備えた構成としてもよい。
さらに、縦リブ46及びねじ部16を設けることなく、吐出キャップ3を、キャップ本体40の側壁42の内周面に設けた雌ねじを口部2aの外周面に設けた雄ねじにねじ結合させて口部2aに装着する構成としてよい。あるいは、縦リブ46及びねじ部16を設けることなく、吐出キャップ3を、キャップ本体40の側壁42の内周面に設けた係止突起を口部2aの外周面に設けた係止突起にアンダーカット係合させて口部2aに装着する構成としてよい。
さらに、前記実施の形態では、吐出容器1として、醤油等の食品調味料を内容物(内容液)として収容する用途に用いられるものを例示したが、内容物として、例えば化粧水などの化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸あるいは薬品などの種々のものを収容する用途に用いられる吐出容器に本願発明を適用することもできる。
1 吐出容器
2 容器本体
2a 口部
3 吐出キャップ
10 外容器体
11 外口部
12 胴部
12a 肩状部分
12b 胴本体部分
12c 底部分
13 ネックリング
14 凹リブ
15 口部側シール部
16 ねじ部
20 内容器体
21 内口部
22 収容部
23 隙間
24 拡径部分
25 フランジ部
26 外気導入口
27 スペーサリブ
30 プリフォーム組立体
31 外プリフォーム
31a 延伸部
32 内プリフォーム
32a 延伸部
40 キャップ本体
41 頂壁
42 側壁
43 吐出口
44 通気口
45 係止突起
46 縦リブ
46a 食込み部
50 蓋体
51 ヒンジ
52 天壁
53 栓部材
54 円筒状突起
55 係止溝
60 中栓
61 閉塞壁
62 係合壁
63 回り止め部
64 流出孔
65 筒状壁
65a シール部
66 通気用開口
67 弁体保持壁
68 弁体
70 逆止弁
71 弁本体
72 脚部
73 区画壁
74 空気用逆止弁
O 軸心
S 収容空間
P1 下側外気流通路
P2 内容物の流路
P3 上側外気流通路

Claims (7)

  1. 外容器体と、該外容器体の内側に配置された減容変形自在の内容器体とを有する二重構造の容器本体と、
    内容物の吐出口を備え、前記容器本体の筒状の口部に装着された吐出キャップと、を有する吐出容器であって、
    前記吐出キャップが、
    前記吐出口と外気の通気口とを備えた頂壁と、該頂壁に連なる筒状の側壁とを有し、前記口部を覆うキャップ本体と、
    前記キャップ本体に固定されて前記口部の開口を覆う閉塞壁と、前記口部の内周面に嵌合するシール部を備えた筒状壁とを有し、前記閉塞壁に前記吐出口に連なる流通孔が設けられた中栓と、
    前記内容器体の内部から前記流通孔を通して前記吐出口に向けた内容物の流れを許容するように前記流通孔を開閉する逆止弁と、
    前記頂壁と前記閉塞壁との間に設けられ、前記頂壁と前記閉塞壁との間に前記吐出口と前記流通孔とを連ねる内容物の流路を区画形成する筒状の区画壁と、を有し、
    前記内容器体に、前記外容器体と前記内容器体との間に連通するとともに前記シール部よりも前記閉塞壁の側において前記筒状壁と前記内容器体との間に連通する外気導入口が設けられ、
    前記外気導入口が、前記閉塞壁に設けられた通気用開口を介して前記通気口に連通していることを特徴とする、吐出容器。
  2. 前記内容器体が、前記口部を構成する筒状の内口部と該内口部の上端に連なる拡径部分とを有し、前記外気導入口が前記内口部と前記拡径部分との間に設けられている、請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記通気用開口と前記通気口との間に空気用逆止弁が設けられている、請求項1または2に記載の吐出容器。
  4. 前記側壁の内周面に一体に設けられ、それぞれ径方向内側に突出するとともに上下方向に延びる複数本の縦リブと、
    前記口部の外周面に一体に設けられ、複数本の前記縦リブに食い込んで前記吐出キャップを前記口部に対して抜止め保持するとともに、前記吐出キャップが前記口部に対して相対回転したときに複数本の前記縦リブに食い込んだ食込み部に沿って相対移動して前記吐出キャップに上方に向けた押上げ力を加えるねじ部と、を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の吐出容器。
  5. 前記キャップ本体が、前記外容器体よりも軟質の合成樹脂材料で形成されている、請求項4に記載の吐出容器。
  6. 前記キャップ本体が、ポリプロピレン樹脂製またはポリエチレン樹脂製である、請求項5に記載の吐出容器。
  7. 前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である、請求項1~6の何れか1項に記載の吐出容器。
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