以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示すように、本実施の形態の吐出容器1は、例えば醤油等の食品調味料を内容物(内容液)として収容する用途に用いられるスクイズ式のものであり、容器本体2と吐出キャップ3とを備えている。
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すように、吐出容器1を容器本体2に対して吐出キャップ3が上方に位置する正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、吐出容器1の軸心Oを通るとともに軸心Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
容器本体2は、積層剥離容器とも呼ばれるものであり、外層体10と、外層体10の内側に収容された内層体20とを有する二重構造となっている。
外層体10は容器本体2の外殻を構成する部分であり、円筒状の外口部11と、外口部11の下端に一体に連なる有底筒状の胴部12とを備えたボトル形状となっている。
外口部11には複数の外気導入口13が設けられている。これらの外気導入口13は、それぞれ外口部11を径方向に貫通するとともに周方向に延びる長孔形状の貫通孔となっており、周方向に所定の間隔を空けて設けられている。複数の外気導入口13は、それぞれ外層体10と内層体20との間に連通しており、これらの外気導入口13を通して外層体10と内層体20との間に外気を導入することができる。
なお、外気導入口13は、少なくとも1つ設けられていれば、その数は任意に設定することができる。
外口部11の下端にはネックリング14が一体に設けられている。ネックリング14は外口部11の全周に亘って円環状に延びており、外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。
胴部12は、外口部11の下端に一体に連なるとともに下方に向けて徐々に拡径して外口部11に対して径方向外側に向けて張り出す肩状部分12aと、肩状部分12aの下端に一体に連なるとともに若干括れた部分を有する略円筒状の胴本体部分12bと、胴本体部分12bの下端を閉塞する底部分12cとを有している。
胴本体部分12bは可撓性を有しており、スクイズ(押圧)されることで弾性変形して径方向内側に向けて凹むことができるとともに、当該弾性力によって凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。胴本体部分12bをスクイズにより弾性変形可能な構成としたことにより、内容物の吐出操作を容易に行い得るようにすることができるとともに、内容物の吐出後に胴本体部分12bが元の形状に容易に復元することで、外層体10と内層体20との間に外気導入口13を通して外気が確実に導入されるようにして、容器本体2に積層剥離容器としての機能を確実に発揮させることができる。
肩状部分12aには、上下方向に延びる複数(18本)の凹リブ15が周方向の全周に亘って等間隔に並べて設けられている。なお、図1においては、便宜上、1つの凹リブ15にのみ符号を付している。肩状部分12aに複数の凹リブ15を設けることで、肩状部分12aの部分において内層体20を外層体10から剥離し易くして、外気導入口13から導入された外気を胴本体部分12bに確実に流通させることができる。なお、凹リブ15を設けない構成とすることもできる。
図1に示すように、内層体20は内口部21と収容部22とを有している。
図2に示すように、内口部21は外口部11よりも小径の円筒状となっており、外口部11の内側に当該外口部11と同軸に配置されている。そして、外口部11と内口部21とによって容器本体2の口部が構成されている。
外口部11の内周面と内口部21の外周面との間には所定の間隔の隙間23が設けられている。内口部21の上端には円筒状の拡径部24が一体に連ねて設けられており、拡径部24の外周面が外口部11の内周面に全周に亘って当接することで、外口部11と内口部21との間の隙間23は、外口部11ないし内口部21の上端部分において外部に対して閉塞されている。拡径部24の上端には径方向外側に向けて延びる円環状のフランジ部25が一体に設けられ、フランジ部25が外口部11の上端に当接することで内口部21は外口部11に対して軸方向に位置決めされている。
図1に示すように、収容部22は胴部12よりも薄肉の袋状に形成され、内口部21の下端に一体に連なるとともに胴部12の内面に剥離可能に積層されている。収容部22の内部は内容物の収容空間Sとなっており、内口部21を通して収容部22に内容物を充填することができるとともに内口部21を通して収容部22に収容されている内容物を外部に吐出することができる。収容部22は減容変形自在となっており、内容物の注出に伴って胴部12の内面から剥離しつつ減容変形(内容積を減少させるように変形)することができる。収容部22の減容変形に伴い、外気導入口13から外層体10と内層体20との間に外気が導入されることで、胴本体部分12bを元の形状に維持ないし復元させたまま、収容部22のみが胴部12の内面から容易に剥離し、減容変形することができる。
図2に示すように、外気導入口13から胴部12と収容部22との間に向けた外気の気道を確保するために、内層体20の外面には、縦リブ26が一体に設けられている。詳細は図示しないが、本実施の形態の容器本体2においては、内層体20の外面には、それぞれの外気導入口13に対応して複数本の縦リブ26が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。それぞれの縦リブ26は、内層体20の外面から径方向外側に向けて突出するとともに内口部21から収容部22に跨って軸心Oに沿う方向に延び、外層体10と内層体20の間に、外気導入口13からネックリング14を超えて肩状部分12aと収容部22との間の部分にまで達する外気の通気路を形成している。これにより、外気導入口13から導入した外気の通気路を、確実に肩状部分12aと収容部22との間にまで導入することができる。
なお、縦リブ26は外口部11の内周面に設けるようにしてもよい。さらに、外口部11と内口部21の何れにも縦リブ26を設けない構成とすることもできる。
図2に示すように、外口部11の外周面には、吐出キャップ3を抜け止め保持するための口部側係合部16が一体に設けられている。口部側係合部16は、外口部11の全周に亘って円環状に延びており、外気導入口13よりも下方側において外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。
本実施の形態では、この口部側係合部16は、口部側シール部17を兼ねている。
また、図2に示すように、外口部11の外周面には、周方向に等しい間隔を空けて複数の口部側山形突起部18が一体に設けられている。図示する場合では、複数の口部側山形突起部18は、それぞれ口部側係合部16の上方に、当該口部側係合部16に連ねて設けられている。
図3に示すように、複数の口部側山形突起部18は、それぞれ上向きの山形形状に形成されている。より具体的には、複数の口部側山形突起部18は、それぞれ口部側係合部16に沿って延びる底辺に対して対頂点が上方に設けられた略三角形状となっており、所定の厚みとなるように外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。それぞれの口部側山形突起部18は、外口部11の周方向に対して傾斜する一対の傾斜面18aを有している。
外層体10及び内層体20は、何れも、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製となっている。外層体10及び内層体20を、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製とすることで、容器本体2を軽量で透明性が高く、且つリサイクル性の高い容器とすることができる
上記構成の容器本体2は、図4に示す本発明の一実施の形態であるプリフォーム組立体30をブロー成形して形成されたブロー成形品となっている。プリフォーム組立体30は、外層体10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の外プリフォーム31の内側に、内層体20を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の内プリフォーム32を組み込んだ二重構造となっている。
外プリフォーム31は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、外層体10の外口部11と同一形状の外口部11と、外口部11の下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部31aとを有する略試験管形状に形成されている。なお、外プリフォーム31は、外層体10と同一形状の外口部11を有しているので、外プリフォーム31においても外口部11を構成する各部に図2と同一の符号を付してある。
内プリフォーム32は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、内層体20の内口部21と略同一形状の内口部21と、内口部21の下端に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部32aとを有する略試験管形状に形成されている。なお、内プリフォーム32は、内層体20と同一形状の内口部21を有しているので、内プリフォーム32においても内口部21を構成する各部に図2と同一の符号を付してある。
このような構成のプリフォーム組立体30をブロー成形することにより、図1に示す容器本体2を形成することができる。本実施の形態においては、ブロー成形として二軸延伸ブロー成形が採用されている。
次に、吐出キャップ3の構成について説明する。
吐出キャップ3はポリプロピレン製となっており、図2に示すように、キャップ本体40と蓋体50とを備えている。なお、吐出キャップ3はポリエチレン製であってもよい。
キャップ本体40は、頂壁部41と、この頂壁部41の外周縁に一体に連なる円筒状の側壁部42とを備えた略有頂円筒状に形成されており、側壁部42が外口部11の外周を覆い、且つ、頂壁部41が外口部11の開口端を覆うように外口部11に装着されている。
側壁部42の下端側部分における内周面には、キャップ側係合部43が設けられている。キャップ側係合部43は、側壁部42の内周面から径方向内側に向けて突出する突起状に形成されており、吐出キャップ3が外口部11に打栓されると外口部11の外周面に設けられた口部側係合部16にアンダーカット係合して、吐出キャップ3を外口部11に抜け止め保持する。このように、吐出キャップ3は、外口部11に打栓により装着される構成となっている。
なお、キャップ側係合部43は、側壁部42の全周に亘って延びる円環状に形成してもよく、または周方向に間欠状に並ぶ複数部分に分けて形成することもできる。
頂壁部41の上面には内容物の吐出口44が一体に設けられている。この吐出口44から内層体20の収容空間Sに収容されている内容物を外部に吐出することができる。本実施の形態においては、吐出口44は、頂壁部41から上方に向けて徐々に拡径しながら外向きに湾曲する筒状に形成されているが、その形状や大きさは、収容空間Sに収容される内容物や用途等に応じて種々変更可能である。
側壁部42の内周面の、キャップ側係合部43よりも上方側の部分は、キャップ側シール部45となっている。キャップ側シール部45は、口部側シール部17(口部側係合部16)の外周端に全周に亘って当接し、側壁部42と外口部11との間を気密に密封している。すなわち、キャップ本体40の側壁部42の下端部分は外部に対して密封されている。
頂壁部41には通気口46が設けられており、この通気口46を通して外部からキャップ本体40の内側に外気を取り込み、外気導入口13に外気を供給することができる。
蓋体50は、キャップ本体40と略同径の有頂円筒状に形成され、外周面の一部においてヒンジ51を介してキャップ本体40に開閉自在に連結されている。蓋体50は、その天壁52の内面に筒状の栓部材53を一体に備えており、蓋体50がキャップ本体40の上方を覆う閉位置とされると、栓部材53が吐出口44の内周面に嵌合して吐出口44が閉塞されるようになっている。また、天壁52の内面には、栓部材53の外側を覆う円筒状突起54が設けられている。なお、蓋体50は、その開口縁の内周に設けられた係止溝55が頂壁部41の外周縁にアンダーカット係合することにより、キャップ本体40の頂壁部41を覆った閉状態に保持される。
一方、蓋体50が図1に二点鎖線で示す開位置とされると、栓部材53が吐出口44から離脱して、吐出口44が内容物を吐出可能な状態に開放される。
キャップ本体40の内側には中栓60が装着されている。中栓60は内口部21の開口端に装着され、当該開口端を覆っている。中栓60の外周縁には上方に向けて起立する円筒状の係合壁61が一体に設けられており、この係合壁61の上端がキャップ本体40の頂壁部41の下面に当接することで、中栓60と頂壁部41との間には所定の間隔が空けられている。
中栓60には、内容物の流出孔62が設けられている。この流出孔62は、中栓60と頂壁部41との間の空間を介して吐出口44に連通しており、収容空間Sに収容されている内容物を、この流出孔62を通して吐出口44に向けて流出させることができる。
中栓60には、逆止弁63、脚部63a及び環状壁64からなる吐出弁が組み込まれている。逆止弁63は板状(円板状)に形成されており、中栓60の頂壁部41の側を向く上面に配置されて流出孔62を閉塞している。環状壁64は、円筒状に形成されて頂壁部41と中栓60との間に配置され、頂壁部41と中栓60とに嵌合されている。また、逆止弁63は環状壁64に対して複数の弾性変形自在の脚部63aで連結されている。これにより、逆止弁63は、中栓60の上面に対して接近・離反する方向に移動して、収容空間Sから吐出口44へ向けた内容物の流出を許容するとともに吐出口44から収容空間Sへ向けた内容物や外気の流入を阻止するように流出孔62を開閉する。
なお、頂壁部41と中栓60との間の空間は、環状壁64よりも内側の部分が液体の流路、環状壁64よりも外側の部分が気体の流路に区画されている。
中栓60には、流出孔62に対してヒンジ51とは反対側に位置して、収容空間Sに向けて延在する円筒状の筒状壁65が設けられている。筒状壁65の下端は下方に向かうに従って内径が狭まるように縮径しており、筒状壁65の内部には、鋼材や樹脂等により球状(ボール)に形成された弁体66が上下方向に移動自在に配置されている。
容器本体2が吐出口44を下方に向けた傾倒姿勢とされると、弁体66は、図2において破線で示すように、筒状壁65の内部を吐出口44の側に向けて移動する。そして、内容物が注出された後、吐出口44が上方を向くように容器本体2が正立姿勢に戻されると、弁体66が筒状壁65の内部を下方に向けて縮径部分に当接する位置(図2において実線で示す位置)まで移動して吐出口44内に残った内容物を筒状壁65の内部に向けて吸引(頂壁部41と逆止弁63、環状壁64に囲まれた空間)する。これにより、吐出口44の内部の液体の残量を減らして、吐出口44からの液垂れを防止することができる。このように、弁体66は、吐出口44からの液垂を防止するためのサックバック機構として機能する。
環状壁64の外周面には、通気口46を開閉する空気用逆止弁67が一体に設けられている。この空気用逆止弁67は、通気口46からキャップ本体40の内部への外気の導入を許容するとともにキャップ本体40の内部から通気口46を通した外部への空気の流出を阻止するように機能する。したがって、内容物を吐出するために容器本体2の胴本体部分12bをスクイズする際に、外層体10と内層体20との間に空気を保持して内層体20から内容物を容易に押し出すことができる。また、内容物の吐出後に胴本体部分12bのスクイズを解除したときには、通気口46から外気導入口13を通して外層体10と内層体20との間に外気が導入されるようにして内層体20を減容変形させたまま外層体10の胴本体部分12bを元の形状に復元させることができる。これにより、内容物の吐出後に、胴本体部分12bの復元に伴って吐出口44から内層体20の内部に外気が流入することを防止して、内層体20の収容空間Sに収容されている内容物を空気に触れづらくして、その品質の劣化を抑制することができる。
図2に示すように、キャップ本体40の側壁部42の内周面には、周方向に等しい間隔を空けて、口部側山形突起部18と同数の複数のキャップ側山形突起部47が一体に設けられている。図3に示すように、複数のキャップ側山形突起部47は、それぞれ下向きの山形形状に形成されている。より具体的には、複数のキャップ側山形突起部47は、それぞれ口部側山形突起部18とは上下反対向きの略三角形状となっており、所定の厚みとなるように側壁部42の内周面から径方向内側に向けて突出している。また、複数のキャップ側山形突起部47は、それぞれ隣り合う口部側山形突起部18の間に配置されるように、口部側山形突起部18に対して周方向にずれて設けられている。複数のキャップ側山形突起部47は、それぞれ側壁部42の周方向に対して傾斜する一対の傾斜面47aを有しており、これらの傾斜面47aは、口部側山形突起部18の傾斜面18aに対向している。
本実施の形態の吐出容器1では、吐出キャップ3は容器本体2の口部(外口部11)に打栓によって装着される構成であるが、容器本体2の外口部11の外周面に上向きの山形形状の複数の口部側山形突起部18を設けるとともに、吐出キャップ3の側壁部42の内周面に下向きの山形形状の複数のキャップ側山形突起部47を設けた構成としたことにより、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させるだけの簡単な操作で、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11から容易に取り外すことができる。
すなわち、図5(a)に示すように、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11に打栓した状態では、複数のキャップ側山形突起部47は、それぞれ隣り合う口部側山形突起部18の間に配置されている。この状態から吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させると、図5(b)に示すように、それぞれのキャップ側山形突起部47が、その傾斜面47aにおいて口部側山形突起部18の傾斜面18aに対して摺動する。これにより、キャップ側山形突起部47が口部側山形突起部18の傾斜面18aに沿って口部側山形突起部18に対して相対的に上方に向けて移動し、吐出キャップ3に上方に向けた押上げ力が加えられる。そして、当該押上げ力によって吐出キャップ3が外口部11に対して相対的に上方に向けて押し上げられることで、吐出キャップ3に設けられたキャップ側係合部43が外口部11に設けられた口部側係合部16を乗り越え、キャップ側係合部43の口部側係合部16へのアンダーカット係合が解除されて、吐出キャップ3は外口部11から取り外される。
このように、本実施の形態の吐出容器1によれば、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させるだけの簡単な操作で、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11から容易に取り外すことができる。したがって、吐出キャップ3を打栓によって容器本体2の外口部11に装着される高い不正開封防止効果を有する構成としつつ、容器本体2の外口部11から吐出キャップ3を容易に取り外すことができるようにして、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の容器本体2をリサイクルする際における、吐出キャップ3を容器本体2から分別する作業を容易にすることができる。
また、本実施の形態の吐出容器1では、口部側シール部17とキャップ側シール部45とによりキャップ本体40の下端を密封し、キャップ本体40の頂壁部41に設けた通気口46を通して外気導入口13に外気を導入するようにしたので、外気導入口13を通して外層体10と内層体20との間に内容物や異物等が導入されることを抑制して、内容物が吐出されたときに内層体20の収容部22を外層体10の胴部12から確実に剥離させることができる。
さらに、本実施の形態の吐出容器1では、口部側山形突起部18を外口部11の外周面に設け、キャップ側山形突起部47をキャップ本体40の側壁部42の内周面に設けるようにしたので、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させたときに、口部側山形突起部18の傾斜面18aがキャップ側山形突起部47の傾斜面47aに対して確実に摺動するようにして、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11から確実に取り外されるようにすることができる。
さらに、本実施の形態の吐出容器1では、複数の口部側山形突起部18を外口部11の外周面に周方向に所定の間隔を空けて並べて設けるとともに、口部側山形突起部18と同数のキャップ側山形突起部47を、それぞれ側壁部42の内周面に周方向に所定の間隔を空けて並べて設けられて対応する一対の口部側山形突起部18の間に配置するようにしたので、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させたときに、複数の口部側山形突起部18の傾斜面18aが、それぞれ対応する複数のキャップ側山形突起部47の傾斜面47aに同時に摺動するようにして、吐出キャップ3に周方向に均一に押上げ力を加え、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11から確実に取り外されるようにすることができる。
さらに、本実施の形態の吐出容器1では、口部側山形突起部18を口部側係合部16よりも上方に設け、キャップ側シール部45をキャップ側係合部43よりも上方に設けるようにしたので、キャップ本体40の内部を確実に気密に密封することができるとともに、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させたときに、口部側山形突起部18の傾斜面18aをキャップ側山形突起部47の傾斜面47aに確実に摺動させつつ、キャップ側係合部43を側壁部42の拡径変形がし易い下端側部分に設けることができるようにしてキャップ側係合部43の口部側係合部16に対するアンダーカット係合が容易に解除されるようにすることができる。これにより、吐出キャップ3を容器本体2の外口部11からより容易に取り外すことが可能となる。
さらに、本実施の形態の吐出容器1では、口部側係合部16を、口部側シール部17を兼ねた構成としたので、外口部11の高さ寸法を低減することを可能として、吐出容器1をより小型、軽量化することができる。
図6は、図1に示す吐出容器1の変形例であって、外気導入口13を外口部11の上端と内口部21の上端との間に開口させた場合を示す断面図である。なお、図6においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図1に示す吐出容器1では、外気導入口13を、外口部11を径方向に貫通する貫通孔として構成するようにしているが、外気導入口13は、容器本体2の口部(外口部11、内口部21)に設けられていれば、図6に示すように、外口部11の上端と内口部21の上端との間に開口する構成としてもよい。図示する場合では、外気導入口13は、内層体20の内口部21の拡径部24の外周面及びフランジ部25の下面に亘って延びて設けられた所定幅の溝部70により形成されている。なお、容器本体2の口部の周方向に複数本の溝部70を設けるようにしてもよい。
このような構成により、外口部11の外周面に外気導入口13との干渉を考慮することなく口部側山形突起部18を設けることを可能として、外口部11の外周面への口部側山形突起部18の配置の自由度を高めることができるとともに外口部11に径方向に貫通する貫通孔を設けることを不要として、外層体10の形成を容易にし、吐出容器1の製造コストを低減することができる。
なお、溝部70は、内層体20の内口部21の拡径部24の外周面及びフランジ部25の下面に替えて外層体10の外口部11の内周面及び上端面に設けるようにしてもよく、また、内層体20の内口部21の拡径部24の外周面及びフランジ部25の下面に加えて外層体10の外口部11の内周面及び上端面にも設けるようにしてもよい。
図7は、図1に示す吐出容器1の変形例であって、口部側係合部16と口部側シール部17とを別々に設けた場合を示す断面図である。なお、図7においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図1に示す吐出容器1では、口部側係合部16は口部側シール部17を兼ねた構成とされており、口部側係合部16と口部側シール部17は一体的に形成されている。これに対し、図7に示す変形例では、口部側係合部16を、口部側シール部17よりも上方に口部側シール部17とは別に設けるようにしている。また、キャップ側シール部45をキャップ側係合部43よりも下方に設けるようにしている。なお、この場合においても、口部側山形突起部18は、口部側係合部16及び口部側シール部17よりも上方に設けられている。
このような構成により、口部側係合部16とキャップ側係合部43とを互いの係合に適した形状としつつ、口部側シール部17とキャップ側シール部45とを互いの密着に適した形状として、口部側係合部16にキャップ側係合部43を確実に係合させて吐出キャップ3を容器本体2の外口部11に強固に保持させつつ、口部側シール部17とキャップ側シール部45とを確実に密着させてキャップ本体40と外口部11との間を確実に密封することができる。
図8は、図1に示す吐出容器1の変形例であって、キャップ側係合部43を係止片に構成するとともに弱化部により側壁部42の下端側部分とともに側壁部42から分断可能に構成した場合を示す断面図であり、図9は、図8に示す吐出容器1の変形例であって、口部側係合部16と口部側シール部17とを別々に設けた場合を示す断面図である。なお、図8、図9においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図1に示す吐出容器1では、外口部11に設けられた口部側係合部16に係合するキャップ側係合部43は、側壁部42の内周面から径方向内側に向けて突出する突起状に係止されている。これに対し、図8に示す変形例では、キャップ側係合部43を、側壁部42の内周面に一体に連なるとともに周方向に分断された複数の薄い板状の係止片に構成するようにしている。この場合、それぞれのキャップ側係合部43は、側壁部42の内周面との連接部分43aがより薄く形成されることにより、当該連接部分43aを起点として、図中破線で示す斜め下向きの初期姿勢から、斜め上向きの姿勢へと上方に向けて折り返すことができる。そして、キャップ側係合部43を折り返した状態で吐出キャップ3を外口部11に打栓することで、キャップ側係合部43は折り返された状態で口部側係合部16に係合している。
このような構成により、吐出キャップ3に設けられたキャップ側係合部43を容器本体2に設けられた口部側係合部16により強固に係止させて、打栓により装着された吐出キャップ3を外口部11により強固に保持させることができる。
一方、図8に示す構成では、キャップ側係合部43が口部側係合部16に強固に係止されるので、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させて吐出キャップ3に外口部11に対する上向きの押上げ力を加えても、キャップ側係合部43の口部側係合部16へのアンダーカット係合を解除するのは困難である。そこで、この変形例の構成では、側壁部42に当該側壁部42の全周に亘って延びる環状の弱化部42aを設け、吐出キャップ3が外口部11に対して相対回転して吐出キャップ3に外口部11に対する上向きの押上げ力が加えられたときに、この弱化部42aが破断してキャップ側係合部43が側壁部42の下端側部分とともに側壁部42から分断されるようにしている。
弱化部42aは、例えば、側壁部42の厚みを薄くした薄肉部として構成し、あるいは側壁部42を周方向に向けて破断線状に切り欠いた構成とするなど、吐出キャップ3が外口部11に対して相対回転して吐出キャップ3に外口部11に対する上向きの押上げ力が加えられたときに破断可能な強度に形成されたものであれば、種々の構成とすることができる。
このように、側壁部42に弱化部42aを設けることで、キャップ側係合部43を、側壁部42の内周面に一体に連なる薄い板状の係止片に構成して折り返された状態で口部側係合部16に係合する構成とした場合であっても、吐出キャップ3を外口部11に対して相対回転させることで、容易に吐出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。
なお、キャップ側係合部43を、側壁部42の内周面に一体に連なる薄い板状の係止片に構成して折り返された状態で口部側係合部16に係合する構成とした場合であっても、図9に示すように、口部側係合部16を、口部側シール部17よりも下方に口部側シール部17とは別に設けた構成とし、薄い板状の係止片に構成されたキャップ側係合部43を口部側シール部17とは別に設けた口部側係合部16に係合させる構成とすることもできる。
図10は、図1に示す吐出容器1の変形例であって、口部側山形突起部18を口部側係合部16及び口部側シール部17よりも下方においてネックリング14の上面に連ねて設けた場合を示す断面図である。なお、図10においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図1に示す吐出容器1では、口部側山形突起部18を、外口部11に、口部側係合部16及び口部側シール部17よりも上方に位置するように設けているが、図10に示すように、口部側山形突起部18を、外口部11に、口部側係合部16及び口部側シール部17よりも下方に位置するように設けることもできる。また、口部側山形突起部18を、ネックリング14の上面に連なるように設けることもできる。
このような構成により、口部側山形突起部18を外口部11の外気導入口13が設けられる部分とは別の領域に設けられる構成として、外口部11の外周面に設けられる外気導入口13の配置の自由度を高めることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、容器本体2は、積層剥離容器とされているが、これに限らず、例えば、外層体10の内部に外層体10とは別に形成された内層体20を組み込んだ二重容器とすることもできる。
また、前記実施の形態では、口部側山形突起部18は上向きに凸の略三角形状に形成され、キャップ側山形突起部47は下向きに凸の略三角形状に形成されているが、これに限らず、キャップ側山形突起部47が口部側山形突起部18に対して摺動して吐出キャップ3に上方に向けた押上げ力を加えることができる山形形状であれば、例えば、口部側山形突起部18を上向きに凸の半円形状等の湾曲形状に形成し、キャップ側山形突起部47を下向きに凸の半円形状等の湾曲形状に形成するなど、その形状は種々変更可能である。また、口部側山形突起部18を上向きに凸の半円形状等の湾曲形状に形成し、キャップ側山形突起部47を下向きに凸の半円形状等の湾曲形状に形成した場合には、複数の口部側山形突起部18を連ねて波形状とし、複数のキャップ側山形突起部47を連ねて波形状としてもよい。さらに、口部側山形突起部18の先端及びキャップ側山形突起部47の先端は、斜面になっていてもよい。さらに、口部側山形突起部18の傾斜面18a及びキャップ側山形突起部47の傾斜面47aは、互いに向き合って設けられていれば、周方向の何れか一方側にのみ設けられていてもよい。
さらに、前記実施の形態では、吐出キャップ3に空気用逆止弁67を設けるようにしているが、これに限らず、空気用逆止弁67を設けない構成とすることもできる。吐出キャップ3に空気用逆止弁67を設けない場合には、係合壁61と中栓60の外縁部の開口部分とを全て閉塞して、通気口46から外気導入口13へ繋がる通路を設け、係合壁61と頂壁部41との間に設けた僅かな隙間、さらに係合壁61と側壁部42との間に設けた僅かな隙間を介して通気口46と外気導入口13とを連通するようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態では、容器本体2(外層体10及び内層体20)ないしプリフォーム組立体30(外プリフォーム31及び内プリフォーム32)をポリエチレンテレフタレート製とし、吐出キャップ3をポリプロピレン製としているが、これに限らず、容器本体2と吐出キャップ3とが異なる材質で形成されていれば、これらの材質は種々変更可能である。