JP7264080B2 - 蒸気インジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタに関する。
液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、導入された液圧より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタは、従来蒸気機関車やボイラの給水用に使用されており、例えば特許文献1にその基本構造が開示されている。
この特許文献1にも記載されているが、一般的に蒸気インジェクタで高い噴出圧力を得るためには、液ノズル出口径よりもスロート径を小さくしてスロート流路断面積をスロートにおける液噴流断面積に近づけ、望ましくはスロート流路断面積とスロートにおける液噴流の断面積をほぼ一致させることが望ましい、ということが知られている。この理由としては、気相空間の減少による凝縮の促進、ディフューザ入口での圧力損失低減、といった効果が考えられている。
米国特許第4,569,635号明細書
蒸気インジェクタ起動時は液流および蒸気のインジェクタへの導入が不安定で、蒸気による液流の加速が十分ではないため、蒸気と液噴流を混合する混合部での液噴流の直径はスロート径よりも大きい。
このため供給液はスロートを全量通過できず一部が混合部に滞留し、蒸気インジェクタの起動が困難となる。
この点、例えば特許文献1に開示された従来技術では、排液用のドレン孔から供給液の一部を排液して混合部の圧力を低下させ、混合部への蒸気の導入と液噴流との混合を促進して起動を可能にしている。
しかし、液ノズル出口断面積に対してスロート流路断面積が小さくなるにつれて必要排液量は増加し、ドレン孔が存在しても起動が困難であった。また、汽力発電所のランキンサイクル適用時のように液量が多く、また、そもそもサイクル循環液をサイクル外に排液できない場合には、従来技術の採用が難しい。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、起動時にドレンの排出を行わなくても起動を円滑に行うことができる蒸気インジェクタを提供することを目的としている。
(1)本発明に係る蒸気インジェクタは、液体を噴出する液ノズルと、蒸気を噴出する蒸気ノズルと、前記液ノズルから噴出される液噴流と前記蒸気ノズルから噴出される蒸気が混合される混合部と、該混合部の下流側で縮径されたスロート部と、該スロート部の下流側で拡径されたディフューザ部とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得るものであって、
前記液ノズルは、液を噴出する噴出口を有するノズル本体部と、インジェクタの起動時に、前記噴出口近傍に配置されて前記噴出口から噴出する液噴流の断面積を細くする液噴流縮径部材とを有し、
該液噴流縮径部材は、インジェクタの起動後に前記液ノズル内を基端側に移動して前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記液噴流縮径部材は、前記ノズル本体部の噴出口と略同径の基端開口部と該基端開口部から先端に向かって縮径して前記噴出口よりも小断面積の先端開口部とを有する外形が円錐台形状の先端筒部材と、該先端筒部材の基端側に設けられて前記先端筒部材における前記基端開口部を前記ノズル本体部の噴出口の近傍に配置した状態で支持可能な支持部と、一端が該支持部に連結されると共に他端が前記液ノズルの外部に延出して、前記先端筒部材及び前記支持部を前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動操作可能な操作部材とを備えてなることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記液噴流縮径部材は、基端側が前記ノズル本体部の噴出口よりも小径で先端に向かって縮径して先端が尖った紡錘形状の先端部材と、一端が該先端部材に連結されると共に他端が前記液ノズルの外部に延出して、前記先端部材を前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動操作可能な操作部材を備えてなることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置を設けたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、液噴流縮径部材を前記ノズル本体部の噴出口に配置した状態での噴出口断面積が、スロート部の流路断面積の2.0倍以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る蒸気インジェクタにおいて、液ノズルは、液を噴出する噴出口を有するノズル本体部と、蒸気インジェクタの起動時に、前記噴出口近傍に配置されて前記噴出口から噴出する液噴流の断面積を細くする液噴流縮径部材とを有し、該液噴流縮径部材は、インジェクタの起動後に前記液ノズル内を基端側に移動して前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動可能に構成されていることにより、インジェクタの起動時における混合部での液の滞留が防止でき、ドレンの排出をしなくても起動を円滑に行うことができる。
実施の形態1に係る蒸気インジェクタの構造を説明する説明図である。 実施の形態1に係る蒸気インジェクタの液噴流縮径部材の説明図である。 実施の形態1に係る蒸気インジェクタの起動時の状態を示す説明図である。 実施の形態1に係る蒸気インジェクタの起動後の状態を示す説明図である。 実施の形態1に係る蒸気インジェクタの他の態様の説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの構造を説明する説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの液噴流縮径部材の説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの起動時の状態を示す説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの起動後の状態を示す説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの他の態様の説明図である。 実施例の実験結果を示すグラフである。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る蒸気インジェクタ1は、図1~図3に示すように、液体を噴出する液ノズル3と、蒸気を噴出する蒸気ノズル5と、液ノズル3から噴出される液噴流と、蒸気ノズル5から噴出される蒸気が混合される混合部7と、混合部7の下流側で縮径されたスロート部9と、スロート部9の下流側で拡径されたディフューザ部11とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る装置である。
以下、各構成を詳細に説明する。
<液ノズル>
液ノズル3は、液噴流を噴出するためのノズルであって、液供給管13から供給される液を噴出する筒状のノズル本体部15と、蒸気インジェクタ1の起動時にノズル本体部15から噴出される液噴流径を縮径させる液噴流縮径部材17とを備えている。
ノズル本体部15は基端側から先端に向かって縮径する縮径部19を有し、その先端が噴出口29になっている。
液噴流縮径部材17は、先端に向かって縮径する外形が円錐台形の先端筒部材21と、先端筒部材21の基端側で先端筒部材21をノズル本体部15の噴出口29の近傍に配置した状態で支持可能な支持部23と、一端が支持部23に連結されると共に他端が液ノズル3の外部に延出して、先端筒部材21及び支持部23をノズル本体部15の噴出口29よりも後方に移動操作可能な操作部材25を備えている。
《先端筒部材》
先端筒部材21は、基端側の基端開口部27がノズル本体部15の噴出口29と略同径であり、先端側の先端開口部31がノズル本体部15の噴出口29よりも小断面積になっている。
先端筒部材21は外形が円錐台形状をしているので、基端側の外径はノズル本体部15の噴出口29の内径よりも若干大きくてもよく、この場合、先端筒部材21の基端側をノズル本体部15の噴出口29の内面側に配置しておくことで、後方に移動可能になる。
先端筒部材21は、起動時にノズル本体部15の噴出口29近傍に配置されてノズル本体部15から噴出される液噴流断面積を縮小させる機能を有している。
前述したように、蒸気インジェクタ1は、起動時に供給される液がスロート部9をスムーズに通過しにくく、混合部7の圧力が上昇して蒸気の導入が円滑にできないことがある。そこで、本実施の形態では、先端筒部材21を用いることで、起動時にはノズル本体部15から噴出される液噴流の断面積を細くしてスロート部9を円滑に通過させることで、混合部7に容易に蒸気を導入できるようにし、インジェクタの起動を円滑化させている。
先端筒部材21が上記のような作用を発揮するには、起動時に液ノズル3から噴出される液噴流がスロート部9をスムーズに通過できる必要があるが、この点、発明者の知見によると、先端筒部材21の先端開口部31の断面積が、スロート部9の流路断面積の2.0倍以下であることが必要である。この先端筒部材21の先端開口部31の断面積の妥当性については、後述の実施例で実証している。
なお、縮径部19の管壁の傾きおよび先端筒部材21の管壁の傾きは、混合部7の管壁との間に形成する蒸気の流路断面積がノズルの先端に向かうにつれて拡大するような形状(ラバールノズル形状)であるようにすることが望ましい。
《支持部》
支持部23は、先端筒部材21の基端側をノズル本体部15の噴出口29の近傍に配置した状態で先端筒部材21を支持する。
支持部23は、本例では、網状の部材からなり、先端側に向かって拡径した円錐形状をしており、基端には操作部材25の先端が接続されている。
なお、支持部23の形状は特に限定されず、先端筒部材21に流入する液流れを阻害しないものであれば、網状のものに限られず、たとえば傘骨のように複数の骨部材から形成されるものであってもよい。
《操作部材》
操作部材25は、一端が支持部23に連結されると共に他端が液ノズル3の外部に延出して、先端筒部材21及び支持部23をノズル本体部15の噴出口29よりも後方に移動操作するための棒状の部材である。
なお、液ノズル3に供給される液体の種類は特に問わないが、工業的に広く用いられている液種として、例えば水の他、フロン、ペンタンなどの炭化水素や液化天然ガス、液化酸素、液化窒素、液化ヘリウム、液化水素といった各種液化ガスが挙げられる。
<蒸気ノズル>
蒸気ノズル5は、液ノズル3を覆うように形成され、液ノズル3から噴出される液噴流の外側を覆うように蒸気を噴出するものである。なお、蒸気ノズル5には蒸気導入管16から蒸気が供給される。
<混合部>
混合部7は、液ノズル3から噴出される液噴流と、蒸気ノズル5から噴出される蒸気とが混合される部位である。
なお、本発明においては、液噴流縮径部材17としての先端筒部材21をノズル本体部15の噴出口29に配置して蒸気インジェクタ1を起動し、蒸気インジェクタ1が起動した後に先端筒部材21をノズル本体部15の噴出口29から後退させるので、先端筒部材21を後退させるタイミングとして蒸気インジェクタ1が起動しているか否かを知る必要がある。そのための手段として、混合部7の圧力を検知する例えば圧力計等の圧力検知装置を設けるのが望ましい。
混合部7の圧力は、ノズル本体部15から液の噴出を開始した後、蒸気を噴出して蒸気インジェクタ1が起動すると所定の圧力まで圧力が低下する。これによって、蒸気インジェクタ1の起動を容易に知ることができる。
もっとも、圧力検知手段は必須ではなく、例えば、通常の起動動作を行えば、所定の時間の経過後に蒸気インジェクタ1が起動することが予め分かっているような場合や、蒸気インジェクタをポリカーボネートやアクリルなどの光透過素材で製造し起動の成否を視認できるような場合には、圧力検知手段はなくてもよい。
<スロート部>
スロート部9は、混合部7の下流側で縮径された部位である。
<ディフューザ部>
ディフューザ部11は、スロート部9の下流側で拡径された部位である。液体がスロート部9を通過後にディフューザ部11において流速が低下し、これによって圧力回復され、さらに昇圧されて吐出される。
上記のように構成された本実施の形態の蒸気インジェクタ1の動作を説明する。
図1に示すように、先端筒部材21をノズル本体部15の先端に配置した状態で、液ノズル3から液を噴出させる(図3参照)。ノズル本体部15を通過した液は、先端筒部材21によって縮径されてスロート部9を通過して下流へ流れる。このとき、スロート流路断面積が液噴流断面積以下の場合は、一部が通過できず混合部7に滞留することがある。
この点、本実施の形態では、起動時にはスロート部9の断面積の2.0倍以下の断面積の先端筒部材21の先端開口部31から液が噴出されるので、液はスムーズに通過し、若干の滞留があったとしても起動できない状態にはならない。
次に蒸気インジェクタ1に蒸気を導入する。導入された蒸気は蒸気ノズル5から噴出され、混合部7にて液と接触して凝縮する。凝縮することにより混合部7の内部が減圧され、蒸気は混合部7内に膨張することで音速以上の流速となる。
上述の高速蒸気の持つ運動エネルギーが液噴流に凝縮することで譲渡され、液噴流の速度が増加する。液噴流は流速が増加することで噴流径が収縮する。液噴流径がスロート径より小さくなれば、液ノズル3より噴出した液の全量がスロート部9を通過し、混合部7での液の滞留があったとしてもこれが解消される。この状態ならば、蒸気インジェクタ1は起動しているといえる。
蒸気インジェクタ1が起動すると、操作部材25を操作して先端筒部材21をノズル本体部15の後方に移動させる(図4参照)。
先端筒部材21を移動させることで、液はノズル本体部15の噴出口29から噴出し、液量が多くなる。しかし、このとき蒸気インジェクタ1は既に起動しており、混合部7には安定して蒸気が流入している。このため、液噴流径は蒸気により加速されてスロート部9に向かうにつれ収縮し、なめらかにスロート部9に流入し、ディフューザ部11で所定の圧力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の蒸気インジェクタ1においては、液ノズル3に、蒸気インジェクタ1の起動時に液を噴出する先端筒部材21を設け、インジェクタの起動後に先端筒部材21をノズル本体部15の後方に移動させてノズル本体部15の噴出口29から液を噴出するように構成し、先端筒部材21の断面積をスロート部9の断面積の2.0倍以下に設定したことにより、ドレン配管より液を排水せずとも混合部7の内圧が低下するため、蒸気インジェクタ1の起動をスムーズに行うことができる。
ドレン配管による排水を省略することができ、汽力発電所のランキンサイクルにも容易に適用できるようになる。
上記の説明では、蒸気インジェクタ1の起動を手動で行う態様について説明した。しかし、先端筒部材21から液を噴出し、蒸気インジェクタ1の起動後に先端筒部材21を後方に移動させてノズル本体部15の噴出口29から液を噴出させるという一連の動作を自動制御するようにしてもよい。
図5は、このような自動制御するための構成の説明図である。
図5において、10は混合部7の圧力を検出する圧力検知装置、12は液供給管13に設けられた液バルブ、14は蒸気導入管16に設けられた蒸気導入バルブ、18は操作部材25に連結されて先端筒部材21の配置を操作するアクチュエータ、20は圧力検知装置10の検出値を入力してアクチュエータを制御する制御部である。
なお、液供給管13及び蒸気導入管16には、内部を通過する流体の流量、温度、圧力を検出する流量検出装置(F)、温度検出装置(T)、圧力検出装置(P)がそれぞれ設けられている。
自動制御を行う場合、まず液バルブ12を開放して液ノズル3から液を噴出させ、その後、蒸気導入バルブ14を開放して蒸気ノズル5から蒸気を噴出させる。圧力検知装置10は、混合部7の圧力を検知して制御部20に入力する。制御部20は、入力された検知圧力が予め設定した圧力(飽和圧力)になったことを確認すると、アクチュエータ18を制御して先端筒部材21を後方に移動させる。
このように、制御部20を用いることで、蒸気インジェクタ1の起動を自動で行うことができる。
なお、先端筒部材21が後方に配置されて蒸気インジェクタ1が定常運転を開始した後は、液バルブ12を操作して液流量を調整し、蒸気導入バルブ14を操作して蒸気流量を調整し、吐出圧力や吐出温度が所定の値となるよう制御することで、蒸気インジェクタ1の作動が継続される。
蒸気の導入量には上限があり、液・蒸気が混合したときに混合部圧力が液導入圧または蒸気導入圧より高くならないようにする。この混合部圧力は、混合部7の圧力を検知する圧力検知装置10により直接測定するか、液供給管13及び蒸気導入管16に設けられた流量検出装置(F)、温度検出装置(T)、圧力検出装置(P)で検知される情報に基づいて計算により求める。
[実施の形態2]
本実施の形態を図6~図10に基づいて説明する。図6~図10において、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、実施の形態1における先端筒部材21に代えて図6、図7に示すような先端部材35を備えた液噴流縮径部材37を用いた点である。
先端部材35は、ノズル本体部15の噴出口29よりも小径の円柱状部39と、円柱状部39から先端に向かって縮径しながら延出して先端が尖った紡錘形状部41を有している。円柱状部39の基端は、図6に示すように、半球面状のように、液抵抗が小さくなる形状になっている。
先端部材35における紡錘形状部41をノズル本体部15の噴出口29から下流側に突出させることで、噴出口29の開口面積を調整することができる。なお、液噴流縮径部材37における紡錘形状部41をノズル本体部15の噴出口に配置した状態での噴出口断面積が、スロート部の流路断面積の2.0倍以下となるようにするのが好ましい。
また、噴出口29から噴出される液は、紡錘形状部41に沿うように縮径される。
上記のように構成された本実施の形態の蒸気インジェクタ33の動作を説明する。
図8に示すように、ノズル本体部15の噴出口29から先端部材35における紡錘形状部41を所定距離だけ突出させた状態で、噴出口29から液を噴出させる。ノズル本体部15における噴出口29と紡錘形状部41との隙間を通過した液は、紡錘形状部41に沿うように縮径されながら噴出し、スロート部9を通過して下流へ流れる。このとき、スロート径が液噴流径以下の場合は、一部が通過できず混合部7に滞留することがある。
この点、本実施の形態では、起動時には後述する起動後よりも紡錘形状部41の噴出口29からの突出長さを長くしており、噴出口29と紡錘形状部41との隙間が狭くなっている。このため、この隙間から噴出される液は高速で、紡錘形状部41に沿って噴出されるので、スムーズに通過し、若干の滞留があったとしても起動できない状態にはならない。
次に蒸気インジェクタ33に蒸気を導入する。導入された蒸気は蒸気ノズル5から噴出され、混合部7にて液と接触して凝縮する。凝縮することにより混合部7の内部が減圧され、蒸気は混合部7内に膨張することで音速以上の流速となる。
上述の高速蒸気の持つ運動エネルギーが液噴流に凝縮することで譲渡され、液噴流の速度が増加する。液噴流は流速が増加することで噴流径が収縮する。液噴流径がスロート径より小さくなれば、液ノズル3より噴出した液の全量がスロート部9を通過し、混合部7での液の滞留があったとしてもこれが解消される。この状態ならば、蒸気インジェクタ33は起動しているといえる。
蒸気インジェクタ33が起動すると、操作部材25を操作して先端部材35をノズル本体部15の後方に移動させる(図9参照)。
先端筒部材21を移動させることで、ノズル本体部15の噴出口29が全開され、ここから液が噴出し、液量が多くなる。しかし、このとき蒸気インジェクタ33は既に起動しており、混合部7には安定して蒸気が流入している。このため、液噴流径は蒸気により加速されてスロート部9に向かうにつれ収縮し、なめらかにスロート部9に流入し、ディフューザ部11で所定の圧力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の蒸気インジェクタ33においては、液ノズル3に円柱状部39と紡錘形状部41を有する先端部材35を設け、蒸気インジェクタ33の起動時に先端部材35における紡錘形状部41をノズル本体部15の噴出口29から下流側に突出させ、蒸気インジェクタ33の起動後に先端部材35をノズル本体部15の後方に移動させるようにしたことにより、実施の形態1と同様に、ドレン配管より液を排水せずとも混合部7の内圧が低下するため、蒸気インジェクタ33の起動をスムーズに行うことができる。
また、ドレン配管による排水を省略することができ、汽力発電所のランキンサイクルにも容易に適用できるようになる。
なお、上記の実施の形態2においても実施の形態1と同様に、圧力検知装置10で検知した混合部7の圧力に基づいて制御部20がアクチュエータ18で操作部材25を制御することで、蒸気インジェクタ33の起動を自動制御することができる。
また、先端部材35の噴出口29に対する位置は、起動時と起動後で所定の位置に固定するようにしてもよいが、図10に示すように、操作部材25の変位を計測する変位計42を設けて、操作部材25を任意の位置に制御できるようにすることで、先端部材35の位置を連続的かつ任意の位置に配置できるようにしてもよい。このようにすることで、起動後において蒸気インジェクタ33による昇圧幅を可変としたり、あるいは蒸気インジェクタ33の出口圧力を安定的に維持させたりする運転が可能となる。
例えば、液や蒸気の流入流量を変えずに蒸気インジェクタ33の出口圧力を、出口圧力を検出する圧力検出装置43によって検知された圧力よりも上昇させる制御を行う場合、図10に示すように、アクチュエータ18により操作部材25を噴出口29の方向に押し出し、噴出口29と紡錘形状部41との隙間からなる液の流路断面積を小さくするよう操作する。この操作により、噴出口29における液噴流の流速が大きくなるため、混合部を経てスロート部9を通過する液流速も大きくなり、その結果ディフューザ部11において流速低下に伴う圧力上昇を大きくすることができる。逆もまた同様である。
また、液の流入流量が減少しても蒸気インジェクタ33の出口圧力を一定に維持させる制御を行う場合も、前述したのと同様に、アクチュエータ18により操作部材25を噴出口29の方向に押し出し、噴出口29と紡錘形状部41との隙間からなる液の流路断面積を小さくするよう操作する。この操作により、噴出口29における液噴流の流速が大きくなるため、混合部7を経てスロート部を通過する液流速も大きくなり、その結果ディフューザ部11において流速低下に伴う圧力上昇を大きくすることができる。逆もまた同様である。
実施の形態1、2においては、混合部7に噴出される液噴流の断面積をスロート部9の断面積の2.0倍以下に設定しているが、これは以下に説明する実験結果に基づくものである。
実験は、先端開口部31の口径が異なる4種類の液ノズルならびに先端部材35を有する液ノズルについて、混合部7に噴出される液噴流の断面積とスロート断面積の相対関係を変更して、蒸気インジェクタの起動の有無を評価するというものである。評価に際しては、起動容易、起動可能、起動不安定、起動不可という4段階の評価とした。
図11は実験結果を示すグラフであり、縦軸が混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積を示し、横軸には4種類の口径の異なる実施の形態1の液ノズル(A、B、C、D)と実施の形態2の液ノズル(E)を示している。
また、グラフ中には、液ノズル断面積/スロート断面積=2.0の関係を示す破線を記載している。
図11では以下の点が示されている。
(1)実施の形態1の液ノズル断面積A
混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.6では起動可、2.8では起動不安定、4.0では起動不可
(2)実施の形態1の液ノズル断面積B
混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.4では起動可、2.0では起動可、3.1では起動不安定
(3)実施の形態1の液ノズル断面積C
混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、2.0では起動可、4.0では起動不可
(4)実施の形態1の液ノズル断面積D
混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.4では起動可、2.0では起動可、3.1では起動不安定、4.0では起動不可
(5)実施の形態2の液ノズルE
混合部7に噴出される液噴流の断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.5では起動可、1.8では起動可、3.0では起動不可
図11に示された結果から、いずれの液ノズルであっても、液ノズル断面積/スロート断面積が、2.0以下であれば起動可能又は起動容易であることがわかる。このことから、本願発明において起動時に液を噴出する先端筒部材21の先端開口部31、又は紡錘形状部41を配置した噴出口29について噴出口断面積/スロート断面積を2.0以下にすることで蒸気インジェクタの起動を円滑にできることが分かる。
1 蒸気インジェクタ(実施の形態1)
3 液ノズル
5 蒸気ノズル
7 混合部
9 スロート部
10 圧力検知装置
11 ディフューザ部
12 液バルブ
13 液供給管
14 蒸気導入バルブ
15 ノズル本体部
16 蒸気導入管
17 液噴流縮径部材
18 アクチュエータ
19 縮径部
20 制御部
21 先端筒部材
23 支持部
25 操作部材
27 基端開口部
29 噴出口
31 先端開口部
33 蒸気インジェクタ(実施の形態2)
35 先端部材
37 液噴流縮径部材
39 円柱状部
41 紡錘形状部
42 変位計
43 圧力検知装置

Claims (3)

  1. 液体を噴出する液ノズルと、蒸気を噴出する蒸気ノズルと、前記液ノズルから噴出される液噴流と前記蒸気ノズルから噴出される蒸気が混合される混合部と、該混合部の下流側で縮径されたスロート部と、該スロート部の下流側で拡径されたディフューザ部とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタであって、
    前記液ノズルは、液を噴出する噴出口を有するノズル本体部と、インジェクタの起動時に、前記噴出口近傍に配置されて前記噴出口から噴出する液噴流の断面積を細くする液噴流縮径部材とを有し、
    前記液噴流縮径部材は、前記ノズル本体部の噴出口と略同径の基端開口部と該基端開口部から先端に向かって縮径して前記噴出口よりも小断面積の先端開口部とを有する外形が円錐台形状の先端筒部材と、該先端筒部材の基端側に設けられて前記先端筒部材における前記基端開口部を前記ノズル本体部の噴出口の近傍に配置した状態で支持可能な支持部と、一端が該支持部に連結されると共に他端が前記液ノズルの外部に延出して、前記先端筒部材及び前記支持部を前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動操作可能な操作部材とを備えてなり、インジェクタの起動後に前記液ノズル内を基端側に移動して前記ノズル本体部の噴出口よりも後方に移動可能に構成されていることを特徴とする蒸気インジェクタ。
  2. 前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置を設けたことを特徴とする請求項記載の蒸気インジェクタ。
  3. 前記液噴流縮径部材を前記ノズル本体部の噴出口に配置した状態での噴出口断面積が、スロート部の流路断面積の2.0倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気インジェクタ。
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