JP2022085114A - 蒸気インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時にドレンの排出を行わなくても起動を円滑に行うことができる蒸気インジェクタを提供する。【解決手段】本発明に係る蒸気インジェクタ1は、液体を噴出する液ノズル3と、蒸気を噴出する蒸気ノズル5と、液ノズル3から噴出される液噴流と、蒸気ノズル5から噴出される蒸気が混合される混合部7と、混合部7の下流側で縮径されたスロート部9と、スロート部9の下流側で拡径されたディフューザ部11とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタ1であって、混合部7とディフューザ部11の間に流路断面積を可変にする流路可変機構13を備えたものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、導入された液圧より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタに関する。
液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、導入された液圧より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタは、従来蒸気機関車やボイラの給水用に使用されており、例えば特許文献1にその基本構造が開示されている。
この特許文献1にも記載されているが、一般的に蒸気インジェクタで高い噴出圧力を得るためには、液ノズル出口径よりもスロート径を小さくしてスロート流路断面積をスロートにおける液噴流断面積に近づけ、望ましくはスロート流路断面積とスロートにおける液噴流断面積をほぼ一致させることが望ましい、ということが知られている。この理由としては、気相空間の減少による凝縮の促進、ディフューザ入口での圧力損失低減、といった効果が考えられている。
米国特許第4,569,635号明細書
蒸気インジェクタ起動時は液流および蒸気の蒸気インジェクタへの導入が不安定で、蒸気による液流の加速が十分ではないため、蒸気と液噴流を混合する混合部での液噴流の直径はスロート径よりも大きい。
このため供給液はスロートを全量通過できず一部が混合部に滞留し、蒸気インジェクタの起動が困難となる。
この点、例えば特許文献1に開示された従来技術では、排液用のドレン孔から供給液の一部を排液して混合部の圧力を低下させ、混合部への蒸気の導入と液噴流との混合を促進して起動を可能にしている。
しかし、液ノズル出口断面積に対してスロート流路断面積が小さく(例えばスロート径が液ノズル径の7割以下)なるにつれて必要排液量は増加し、ドレン孔が存在しても起動が困難であった。また、そもそもドレン孔により液を系外に排液するのは望ましくない。
さらに汽力発電所のランキンサイクル適用時のように液量が多く、また、そもそもサイクル循環液をサイクル外に排液できない場合には、従来技術の採用が難しい。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、起動時にドレンの排出を行わなくても起動を円滑に行うことができる蒸気インジェクタを提供することを目的としている。
(1)本発明に係る蒸気インジェクタは、液体を噴出する液ノズルと、蒸気を噴出する蒸気ノズルと、前記液ノズルから噴出される液噴流と、前記蒸気ノズルから噴出される蒸気が混合される混合部と、該混合部の下流側で縮径されたスロート部と、該スロート部の下流側で拡径されたディフューザ部とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得るものであって、
前記混合部と前記ディフューザ部の間に流路断面積を可変にする流路可変機構を備え、
該流路可変機構は、下流に向けて縮径すると共に壁面に入側開口部が形成された縮径部と流路軸に平行な内側スロート部と下流に向けて拡径すると共に壁面に出側開口部が形成された拡径部とを有して内側流路を形成する内側流路形成部材と、前記内側スロート部より大径で前記内側流路形成部材の外側に設けられて前記内側スロート部よりも大径の外側スロート部を含む外側流路を形成する外側流路形成部材と、前記入側開口部を開閉する開口部開閉機構とを備えてなり、
蒸気インジェクタの起動時に前記入側開口部を開放することで前記内側流路形成部材及び前記外側流路形成部材によって流路が形成され、蒸気インジェクタの起動後に前記開口部を閉止することで前記内側流路形成部材のみで流路が形成されるようにしたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記外側流路形成部材は、前記入側開口部を閉止可能な閉止板を有すると共に、前記内側流路形成部材の外周部において流路軸回りに回動可能に設けられて、前記入側開口部を開閉可能に構成されていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記入側開口部は、流路方向に延びるスリットが周方向に連続して複数設けられたものであることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記外側流路形成部材の流路断面積が、前記液ノズルの噴出口断面積の1/2以上であることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置を設けたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(2)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記外側流路形成部材を回動させる駆動装置と、前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置と、該圧力検知装置の検知した圧力信号を入力して該圧力信号に基づいて前記駆動装置を制御する制御部を備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る蒸気インジェクタは、混合部とディフューザ部の間に流路断面積を可変にする流路可変機構を備え、蒸気インジェクタの起動時には内側流路形成部材及び外側流路形成部材によって流路が形成され、蒸気インジェクタの起動後には内側流路形成部材のみで流路が形成されるようにしたことにより、起動時にはスロート径を十分に確保できるので混合部での液の滞留が防止でき、ドレン配管より液を排水せずとも蒸気インジェクタ1の起動をスムーズに行うことができる。
また、ドレン配管による排水を省略することができ、汽力発電所のランキンサイクルにも容易に適用できるようになる。
実施の形態1に係る蒸気インジェクタの構造を説明する説明図である。 図1に示した蒸気インジェクタにおける流路可変機構の説明図である。 図2に示した流路可変機構の構成部品の説明図である(その1)。 図2に示した流路可変機構の構成部品の説明図である(その2)。 図2に示した流路可変機構の動作説明図であって、図5(a)が側断面図、図5(b)が図5(a)の矢視A-A図である。 図2に示した流路可変機構の動作説明図であって、図6(a)が側断面図、図6(b)が図6(a)の矢視B-B図である。 実施の形態1に係る蒸気インジェクタの動作を説明する説明図である。 実施の形態2に係る蒸気インジェクタの構成を説明する説明図である。 実施例の実験結果を示すグラフである。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る蒸気インジェクタ1は、図1に示すように、液体を噴出する液ノズル3と、蒸気を噴出する蒸気ノズル5と、液ノズル3から噴出される液噴流と、蒸気ノズル5から噴出される蒸気が混合される混合部7と、混合部7の下流側で縮径されたスロート部9と、スロート部9の下流側で拡径されたディフューザ部11とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る装置であって、混合部7とディフューザ部11の間に流路断面積を可変にする流路可変機構13を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<液ノズル>
液ノズル3は、液供給管15から供給される液を液噴流として噴出するためのノズルである。
液ノズル3の口径(噴出口断面積)は、蒸気インジェクタ1の起動後において、液を噴出したときに要求される定格流量となるように設定されている。
なお、液ノズル3に供給される液体の種類は特に問わないが、工業的に広く用いられている液種として、例えば水の他、フロン、ペンタンなどの炭化水素や液化天然ガス、液化酸素、液化窒素、液化ヘリウム、液化水素といった各種液化ガスが挙げられる。
<蒸気ノズル>
蒸気ノズル5は、液ノズル3を覆うように形成され、液ノズル3から噴出される液噴流の外側を覆うように蒸気を噴出するものである。
なお、蒸気ノズル5には、蒸気導入管17から蒸気が導入される。
<混合部>
混合部7は、液ノズル3から噴出される液噴流と、蒸気ノズル5から噴出される蒸気とが混合される部位である。
なお、本発明においては、液ノズル3から液を噴出して、蒸気インジェクタ1が起動した後に流路可変機構13によってスロート部9の流路断面積を変化させることから、流路断面積を変化させるタイミングとして蒸気インジェクタ1が起動しているか否かを知る必要がある。そのための手段として、混合部7の圧力を検知する例えば圧力計等の圧力検知装置47を設けるのが望ましい(図8参照)。
混合部7の圧力は、液ノズル3から液の噴出を開始した後、蒸気を噴出して蒸気インジェクタ1が起動すると所定の圧力まで圧力が低下する。これによって、蒸気インジェクタ1の起動を容易に知ることができる。
もっとも、圧力検知手段は必須ではなく、例えば、通常の起動動作を行えば、所定の時間の経過後に蒸気インジェクタ1が起動することが予め分かっているような場合や、蒸気インジェクタ1をポリカーボネートやアクリルなどの光透過素材で製造し起動の成否を視認できるような場合には、圧力検知手段はなくてもよい。
<スロート部>
スロート部9は、混合部7の下流側で縮径された部位である。
本実施の形態では、混合部7とディフューザ部11との間に流路断面積を可変にする流路可変機構13を備えており、この流路可変機構13によってスロート部9の流路断面積を、起動時と起動後で変化させることができる。
<流路可変機構>
流路可変機構13は、図2に示すように、内側流路形成部材21と、外側流路形成部材23と開口部開閉機構25とを備えている。
《内側流路形成部材》
内側流路形成部材21は、図2、図3に示すように、下流に向けて縮径すると共に壁面に入側開口部27aが形成された縮径部27と、流路軸に平行な内側スロート部29と、下流に向けて拡径すると共に壁面に出側開口部31aが形成された拡径部31とを有し、内側流路を形成するものである。
本実施の形態の入側開口部27a及び出側開口部31aは、図2に示すように、流路方向に延びるスリットが周方向に連続して複数設けられたものである。
入側開口部27a及び出側開口部31aをこのような態様にすることで、液体の流れをスムーズにすることができる。
もっとも、本発明に係る入側開口部27a及び出側開口部31aは、図2に示すものに限定されず、液体が通過可能な開口部であればよい。
内側流路形成部材21は、外側流路形成部材23の内側に配設されるため、外側流路形成部材23との境界部に液漏れを防止するためにリング状のパッキン33が設けられている。
《外側流路形成部材》
外側流路形成部材23は、図2、図4に示すように、内側流路形成部材21の外側に設けられて外側流路を形成するものであり、流路軸に平行な外側スロート部35を有している。外側スロート部35の内径Do(図5(b)参照)は内側スロート部29の内径Di(図6(b)参照)より大きい。
また、外側流路形成部材23は、入側開口部27aを閉止可能な閉止板37(図2参照)を有すると共に、内側流路形成部材21の外周部において流路軸回りに回動可能に設けられて、閉止板37によって入側開口部27aを開閉可能に構成されている。
なお、本実施の形態の外側流路形成部材23は、内側流路形成部材21の出側開口部31aの開閉も行うことができる。本発明においては、出側開口部31aを閉止できるようにすることは必須ではないが、流路圧力損失低減のために出側開口部31aを閉止してもよい。
外側流路形成部材23の流路断面積は、液ノズル3の噴出口断面積の1/2以上であることが望ましい。
外側流路形成部材23の流路断面積をこのように設定することの妥当性については後述の実施例で実証している。
《開口部開閉機構》
開口部開閉機構25は、内側流路形成部材21に形成された入側開口部27a及び出側開口部31aを開閉するためのものである。
このような機能を有する開口部開閉機構25は、図2に示すように、外側流路形成部材23の外周部に形成された大歯車39と、大歯車39に噛み合って大歯車39を回転させる小歯車41と、小歯車41を回転駆動する駆動装置43を備えて構成されている。
なお、駆動装置43の駆動操作は、操作者が混合部7の圧力を検知する例えば圧力計の検知圧力に基づいて操作するようにすればよい。
流路可変機構13の動作について、図5、図6に基づいて説明する。
蒸気インジェクタ1の起動時には、駆動装置43によって小歯車41を回転させ、小歯車41に噛み合う大歯車39を介して外側流路形成部材23を回転させることで、外側流路形成部材23における閉止板37が、内側流路形成部材21における入側開口部27a及び出側開口部31aと重ならないようにして入側開口部27a及び出側開口部31aを開放する。
このように、流路可変機構13によって、蒸気インジェクタ1の起動時に入側開口部27a及び出側開口部31aを開放することで、図5に示すように、内側流路形成部材21及び外側流路形成部材23によって流路が形成される。
具体的には図5(b)に示すように、内側スロート部29の外側に放射状に設けられた入側開口部27aによって流路入側の開口部分が大きくなるので、内側スロート部29のみを流路とする場合よりも流路断面積が大きくなる。
また、蒸気インジェクタ1の起動後には、駆動装置43によって小歯車41を回転させ、小歯車41に噛み合う大歯車39を介して外側流路形成部材23を回転させることで、外側流路形成部材23における閉止板37が、内側流路形成部材21における入側開口部27a及び出側開口部31aと重なるようにして入側開口部27a及び出側開口部31aを閉止する。
このように、流路可変機構13によって、蒸気インジェクタ1の起動後に入側開口部27a及び出側開口部31aを閉止することで、図6に示すように、内側流路形成部材21のみで流路が形成される。
このときの流路断面積は、図6(b)に示すように、内側流路形成部材21の内側スロート部29の内径Diを直径とする円の断面積となる。
<ディフューザ部>
ディフューザ部11は、スロート部9の下流側で拡径された部位である。液体がスロート部9を通過後にディフューザ部11において流速が低下し、これによって圧力回復され、さらに昇圧されて吐出される。
本実施の形態では、蒸気インジェクタ1の起動時においては、外側流路形成部材23の下流側がディフューザ部11となり、蒸気インジェクタ1の起動後においては、内側流路形成部材21における内側スロート部29の下流側がディフューザ部11となる。
上記のように構成された本実施の形態の蒸気インジェクタ1の動作を、図7に基づいて説明する。
蒸気インジェクタ1の起動時においては、流路可変機構13によって入側開口部27a及び出側開口部31aを開放した状態で、液ノズル3から液を噴出させる(図7(a)参照)。噴出した液は流路可変機構13における内側流路形成部材21及び外側流路形成部材23によって形成された流路を通過して下流へ流れる。このとき、スロート流路断面積が小さい場合には、一部が通過できず混合部7に滞留することがある。
この点、本実施の形態では、起動時は、入側開口部27aを開放してスロート入側の開口を大きくすることでスロート流路断面積を大きくしているので、液はスムーズに通過し、若干の滞留があったとしても起動できない状態にはならない。
次に蒸気インジェクタ1に蒸気を導入する。蒸気導入管17から導入された蒸気は蒸気ノズル5から噴出され、混合部7にて液と接触して凝縮する。凝縮することにより混合部7の内部が減圧され、蒸気は混合部7内に膨張することで音速以上の流速となる。
上述の高速蒸気の持つ運動エネルギーが液噴流に凝縮することで譲渡され、液噴流の速度が増加する。液噴流は流速が増加することで、図7(b)に示すように、液噴流断面積が収縮し、液噴流のほぼ全量が内側流路形成部材21によって形成される内側流路を通過する。この状態ならば、蒸気インジェクタ1は起動しているといえる。
蒸気インジェクタ1が起動すると、収縮した液噴流断面積に対してスロート流路断面積が過剰に広いため所定の噴出圧力を得られない。そこで駆動装置43によって小歯車41を回転させ、小歯車41に噛み合う大歯車39を介して外側流路形成部材23を回転させることで、入側開口部27a及び出側開口部31aを閉止する。
流路可変機構13によって、蒸気インジェクタ1の起動後に入側開口部27a及び出側開口部31aを閉止することで、図7(c)に示すように、内側流路形成部材21のみで流路が形成され、スロート流路断面積を液噴流断面積により近づけることができ、所定の圧力で噴出できるようになる。
内側流路形成部材21のみで流路が形成された以降は、仮に液量が多少変動したとしても、蒸気インジェクタ1は既に起動しており、混合部7には安定して蒸気が流入しているため、液噴流径は蒸気により加速されてスロート部9に向かうにつれ収縮し、なめらかにスロート部9に流入し、ディフューザ部11で所定の圧力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の蒸気インジェクタ1においては、混合部7とディフューザ部11の間に流路断面積を可変にする流路可変機構13を備え、蒸気インジェクタ1の起動時には内側流路形成部材21及び外側流路形成部材23によって流路が形成され、蒸気インジェクタ1の起動後には内側流路形成部材21のみで流路が形成されるようにしたことにより、起動時にはスロート断面積を十分に確保できるので、ドレン配管より液を排水せずとも混合部7の内圧が低下するため、蒸気インジェクタ1の起動をスムーズに行うことができ、一方で起動後にスロート断面積を絞って液噴流断面積に近づけることで高い噴流圧力を達成できる。
またドレン配管による排水を省略することができ、汽力発電所のランキンサイクルにも容易に適用できるようになる。
[実施の形態2]
上記の説明では、駆動装置43の駆動操作を操作者が混合部7の圧力を検知する例えば圧力計の検知圧力に基づいて操作するものについて説明した。
しかし、駆動装置43の駆動操作を自動制御するようにしてもよい。
図8は、このような自動制御する蒸気インジェクタ45の構成の説明図である。
図8において、47は混合部7の圧力を検出する圧力検知装置、49は液ノズル3に液を供給する液供給管15に設けられた液導入バルブ、51は蒸気導入管17に設けられた蒸気導入バルブ、53は圧力検知装置47の検出値を入力して開口部開閉機構25における駆動装置43を制御する制御部である。
なお、液供給管15及び蒸気導入管17には、内部を通過する流体の流量、温度、圧力を検出する流量検出装置(F)、温度検出装置(T)、圧力検出装置(P)がそれぞれ設けられている。
上記のように構成された本実施の形態の蒸気インジェクタ45においては、制御部53により駆動装置43を制御して、入側開口部27a及び出側開口部31aを開放した状態にする。この状態で、液導入バルブ49を開放して液ノズル3から液を噴出させ、その後、蒸気ノズル5から蒸気を噴出させる。
圧力検知装置47は、混合部7の圧力を検知して制御部53に入力する。制御部53は、入力された検知圧力が予め設定した圧力(飽和圧力)になったことを確認すると、駆動装置43を制御して、入側開口部27a及び出側開口部31aを閉止した状態にする。
このように、本実施の形態によれば、蒸気インジェクタ45の起動を自動で行うことができる。
なお、蒸気インジェクタ45が定常運転を開始した後は、図8に示すように、液導入バルブ49を操作して液流量を調整し、蒸気導入バルブ51を操作して蒸気流量を調整し、吐出圧力や吐出温度が所定の値となるよう制御することで、蒸気インジェクタ45の作動が継続される。
蒸気の導入量には上限があり、液ノズル3から噴出される液と蒸気が混合したときに混合部7の圧力が液導入圧または蒸気導入圧より高くならないようにする必要がある。この混合部圧力は、混合部の圧力を検知する圧力検知装置47により直接測定するか、液供給管15及び蒸気導入管17の各管に設けられた流量検出装置(F)、温度検出装置(T)、圧力検出装置(P)で検知される情報に基づいて計算により求める。
実施の形態1において説明したように、起動時におけるスロート部9となる外側流路形成部材23の流路断面積は、液ノズル3の噴出口断面積の1/2以上であることが望ましいが、これは以下に説明する実験結果に基づくものである。
実験は、口径の異なる4種類の液ノズルについて、液ノズルの噴出口断面積とスロート断面積(流路断面積)の相対関係を変更して、蒸気インジェクタの起動の有無を評価するというものである。評価に際しては、起動容易、起動可能、起動不安定、起動不可という4段階の評価とした。
図9は実験結果を示すグラフであり、縦軸が液ノズル噴出口断面積/スロート断面積を示し、横軸には4種類の液ノズルの噴出口断面積(A~D)を示している。
また、グラフ中には、液ノズル噴出口断面積/スロート断面積=2.0の関係を示す破線を記載している。
図9では以下の点が示されている。
(1)液ノズル噴出口断面積A
液ノズル噴出口断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.6では起動可、2.8では起動不安定、4.0では起動不可
(2)液ノズル断面積B
液ノズル噴出口断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.4では起動可、2.0では起動可、3.1では起動不安定
(3)液ノズル断面積C
液ノズル噴出口断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、2.0では起動可、4.0では起動不可
(4)液ノズル断面積D
液ノズル噴出口断面積/スロート断面積が、1.0では起動容易、1.4では起動可、2.0では起動可、3.1では起動不安定、4.0では起動不可
図9に示された結果から、いずれの液ノズルであっても、液ノズル噴出口断面積/スロート断面積が、2.0以下であれば起動可能又は起動容易であることがわかる。すなわち、液ノズル噴出口断面積がスロート断面積の2倍以下、換言すればスロート断面積が液ノズル噴出口断面積の1/2以上であれば起動可能又は起動容易である。
このことから、起動時においてスロート断面積となる外側流路形成部材の流路断面積を、液ノズル噴出口断面積の1/2以上にすることで蒸気インジェクタの起動を円滑にできることが分かる。
1 蒸気インジェクタ(実施の形態1)
3 液ノズル
5 蒸気ノズル
7 混合部
9 スロート部
11 ディフューザ部
13 流路可変機構
15 液供給管
17 蒸気導入管
21 内側流路形成部材
23 外側流路形成部材
25 開口部開閉機構
27 縮径部
27a 入側開口部
29 内側スロート部
31 拡径部
31a 出側開口部
33 パッキン
35 外側スロート部
37 閉止板
39 大歯車
41 小歯車
43 駆動装置
45 蒸気インジェクタ(実施の形態2)
47 圧力検知装置
49 液導入バルブ
51 蒸気導入バルブ
53 制御部

Claims (6)

  1. 液体を噴出する液ノズルと、蒸気を噴出する蒸気ノズルと、前記液ノズルから噴出される液噴流と、前記蒸気ノズルから噴出される蒸気が混合される混合部と、該混合部の下流側で縮径されたスロート部と、該スロート部の下流側で拡径されたディフューザ部とを備え、液流に蒸気を混合してその運動量を渡し、入口より高圧の噴出液を得る蒸気インジェクタであって、
    前記混合部と前記ディフューザ部の間に流路断面積を可変にする流路可変機構を備え、
    該流路可変機構は、下流に向けて縮径すると共に壁面に入側開口部が形成された縮径部と流路軸に平行な内側スロート部と下流に向けて拡径すると共に壁面に出側開口部が形成された拡径部とを有して内側流路を形成する内側流路形成部材と、前記内側スロート部より大径で前記内側流路形成部材の外側に設けられて前記内側スロート部よりも大径の外側スロート部を含む外側流路を形成する外側流路形成部材と、前記入側開口部を開閉する開口部開閉機構とを備えてなり、
    蒸気インジェクタの起動時に前記入側開口部を開放することで前記内側流路形成部材及び前記外側流路形成部材によって流路が形成され、蒸気インジェクタの起動後に前記開口部を閉止することで前記内側流路形成部材のみで流路が形成されるようにしたことを特徴とする蒸気インジェクタ。
  2. 前記外側流路形成部材は、前記入側開口部を閉止可能な閉止板を有すると共に、前記内側流路形成部材の外周部において流路軸回りに回動可能に設けられて、前記入側開口部を開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気インジェクタ。
  3. 前記入側開口部は、流路方向に延びるスリットが周方向に連続して複数設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の蒸気インジェクタ。
  4. 前記外側流路形成部材の流路断面積が、前記液ノズルの噴出口断面積の1/2以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蒸気インジェクタ。
  5. 前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蒸気インジェクタ。
  6. 前記外側流路形成部材を回動させる駆動装置と、前記混合部の圧力を検知する圧力検知装置と、該圧力検知装置の検知した圧力信号を入力して該圧力信号に基づいて前記駆動装置を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の蒸気インジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017160878A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 Jfeエンジニアリング株式会社 インジェクタ型昇圧装置及びランキンサイクルシステム

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