JP7262339B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
コンパクト容器として、内容物が収容される中皿と、上方に開口する開口部を通じて中皿が収容される容器本体と、容器本体を開放可能に閉塞する蓋体と、を備える構成が一般的に知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2013-153960号公報
しかしながら、上述した従来のコンパクト容器において、例えばパフ等を用いて内容物を拭いながら使用する場合、使用者自身の癖や使い勝手等によって、無意識的に毎回決まった位置付近の内容物を拭う場合がある。ところが、この場合には、拭った位置を中心として内容物が減少し易く、内容物が偏って減少するという、いわゆる片減り現象が発生し易かった。
従来、このような片減りが生じた場合には、例えば拭う方向等を意識的に変えることや、中皿を容器本体内から一旦取り外した後、適度な向きで入れ直す等といった対策を行う必要があった。そのため、使い勝手が悪いうえ、使用者にとってストレスとなる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内容物の片減りを発生し難くすることができ、使い勝手が良く、使用者にかかるストレスを軽減することができるコンパクト容器を提供することである。
(1)本発明に係るコンパクト容器は、内容物が収容される中皿と、前記中皿が収容される収容部を有する容器本体と、前記容器本体に対して相対移動可能に連結され、前記収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、前記容器本体と前記中皿との間に、前記容器本体及び前記中皿に対して相対移動可能に配置されると共に、前記容器本体に対する前記蓋体の移動に伴って第1位置と第2位置との間を往復移動する可動片と、を備え、前記中皿は、上下方向に延びる前記容器本体の中心軸線回りに回転可能とされ、前記可動片には、第1係合部が形成され、前記中皿には、前記第1係合部が係合する第2係合部が形成され、前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記可動片の移動に伴って、互いに協働して前記中心軸線回りを周回する周方向の一方側に向けて前記中皿を回転させ、前記可動片は、前記中皿の中皿底部と前記容器本体の底壁部との間に配置されると共に、前記中心軸線方向から見た平面視で前記中心軸線に対して交差する径方向に沿って移動可能とされ、前記第1係合部は、前記中皿底部に向けて突出するように前記可動片に形成された係合突起を有し、前記第2係合部は、前記周方向に延びるように前記中皿底部に形成されると共に、前記係合突起を移動可能に収容するカム溝を有し、前記係合突起及び前記カム溝は、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動、及び前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動に伴って、互いに協働して前記中皿を前記周方向の一方側に向けて移動させることを特徴とする。
本発明に係るコンパクト容器によれば、内容物を使用するにあたって容器本体に対して蓋体を相対移動させる度に、蓋体に連動して可動片を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。これにより、互いに係合し合う可動片の第1係合部及び中皿の第2係合部を利用して、可動片の往復移動を中心軸線回りの回転運動に変換して、中皿を周方向の一方側に向けて回転させることができる。
従って、使用者が蓋体の開閉操作を行うだけで、中皿を周方向の一方側に向けて回転させることができるので、例えばパフ等を利用して従来同様の内容物の拭い方をしたとしても、内容物を万遍なく拭うように使用することができる。従って、片減りが生じ難く、内容物を均一に近い状態で減少させながら内容物を使い切ることができる。従って、使い勝手が良く、使用者にかかるストレスを軽減することができる。
特に、蓋体の開閉操作に連動して中皿を回転させることができるので、例えば内容物が均一に減少するような使い方を使用者が意図或いは意識しなくても、これら意図や意識に依らずに、自然と内容物を均一に減少させるような使い方を行わせることが可能である。
さらに、蓋体の開閉操作に連動して可動片が移動することで、係合突起がカム溝内を相対的に移動する。これにより、可動片の径方向に沿った直線移動を中心軸線回りの回転運動に適切に変換して、中皿を周方向の一方側に向けて回転させることができる。また、中皿底部と底壁部との間に可動片を配置しているうえ、中皿底部にカム溝を形成しているので、これら可動片及びカム溝を外部から見え難くすることができる。そのため、デザイン性を向上することができる。
)前記カム溝は、前記周方向に交互に配置された複数の第1カム溝及び複数の第2カム溝を備え、前記第1カム溝は、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって前記周方向の他方側に向けて延びるように形成され、前記第2カム溝は、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって前記周方向の一方側に向けて延びるように形成され、前記第1カム溝の外端部は、該第1カム溝に対して前記周方向の一方側に隣り合う前記第2カム溝の外端部に連通し、前記第1カム溝の内端部は、該第1カム溝に対して前記周方向の他方側に隣り合う前記第2カム溝の内端部に連通し、前記係合突起は、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動に伴って、前記第1カム溝の前記外端部から前記内端部に向かって移動し、且つ前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動に伴って、前記第2カム溝の前記内端部から前記外端部に向かって移動しても良い。
この場合には、蓋体の開閉操作に伴って可動片が第1位置から第2位置に向けて径方向に移動する際、係合突起が第1カム溝の外端部から内端部に向かうように第1カム溝内を移動する。このとき、第1カム溝は径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって周方向の他方側に向けて延びている。そのため、係合突起が第1カム溝内を移動することで、中皿に対して周方向の一方側に向けた回転力を伝えることができ、中皿を同方向に回転させることができる。また、係合突起は、第1カム溝の内端部に移動することで、隣接する第2カム溝の内端部に位置した状態となる。
そのため、蓋体の開閉操作に伴って可動片が第2位置から第1位置に向けて径方向に移動する際、係合突起が第2カム溝の内端部から外端部に向かうように第2カム溝内を移動する。このとき、第2カム溝は径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって周方向の一方側に向けて延びている。そのため、係合突起が第2カム溝内を移動することで、中皿に対して周方向の一方側に向けた回転力を伝えることができ、中皿を先ほどと同様に同方向に回転させることができる。また、係合突起は、第2カム溝の外端部に移動することで、隣接する第1カム溝の外端部に位置した状態となる。
このように、蓋体の開閉操作に伴って可動片を第1位置と第2位置との間で移動させることで、係合突起、第1カム溝及び第2カム溝を利用して、中皿に回転力を伝えることができ、中皿を安定且つ確実に周方向の一方側に回転させることができる。
)前記第1カム溝の外端部と前記第2カム溝の外端部との連通部分には、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動時に、前記係合突起を前記第1カム溝側に誘導する第1段差部が形成され、前記第1カム溝の内端部と前記第2カム溝の内端部との連通部分には、前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動時に、前記係合突起を前記第2カム溝側に誘導する第2段差部が形成されても良い。
この場合には、第1位置から第2位置への可動片の移動時に、第1段差部を利用して係合突起を前記第1カム溝側に適切に誘導することができると共に、第2位置から第1位置への可動片の移動時に、第2段差部を利用して係合突起を第2カム溝側に適切に誘導することができる。これにより、より一層確実に中皿を周方向の一方側に回転させることができる。
)前記底壁部には、前記径方向に沿って延びると共に、前記可動片を前記径方向に移動可能に収容するガイド溝が形成されても良い。
この場合には、ガイド溝内に可動片を収容しているので、可動片が周方向に移動することを規制しながら、径方向への移動をガイドすることができる。従って、可動片をがたつき少なく径方向にスムーズに移動させることができ、結果的に中皿を安定して周方向の一方側に回転させることができる。
本発明に係るコンパクト容器によれば、内容物の片減りを発生し難くすることができ、使い勝手が良く、使用者にかかるストレスを軽減することができる。
本発明に係るコンパクト容器の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す状態から蓋体を開操作した状態を示す縦断面図である。 図1に示す容器本体の上面図である。 図1に示す中枠及び可動片の上面図であって、蓋体が閉状態にあるときのカム溝と係合突起との位置関係を示す図である。 図4に示す状態の後、蓋体が開状態に移行したときのカム溝と係合突起との位置関係を示す図である。 図5に示す状態の後、蓋体が再び閉状態に移行したときのカム溝と係合突起との位置関係を示す図である。
以下、本発明に係るコンパクト容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器1は、平面視円形状の偏平容器とされ、内容物が収容される有底筒状の中皿2と、中皿2が収容される収容部3を有する有底筒状の容器本体4と、容器本体4に対して相対移動可能に連結され、収容部3を開放可能に閉塞する有頂筒状の蓋体5と、容器本体4と中皿2との間に、容器本体4及び中皿2に対して相対移動可能に配置された可動片6と、を備えている。
内容物としては特に限定されるものではないが、例えば化粧用品に関連するものが挙げられる。本実施形態では、ファンデーション等の化粧料が中皿2に充填されている場合を例に挙げて説明する。各図面では、ドット状のハッチングで内容物を図示している。
さらに本実施形態では、内容物上にパフや化粧ブラシ等の化粧用塗布具7を収容している場合を例にしている。ただし、化粧用塗布具7は具備しなくても構わない。
容器本体4及び蓋体5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った蓋体5側を上側といい、容器本体4側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに径方向のうち互いに直交し合う一方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。さらに前後方向L1のうち後述するプッシュピース30側を前方とし、ヒンジ軸20側を後方とする。
さらには、周方向のうち、コンパクト容器1の上面視で容器軸Oを反時計回りに周回する方向を第1回転方向M1といい、時計回りに周回する方向を第2回転方向M2という。
図1~図3に示すように、容器本体4は、平面視円形状の底壁部10と、底壁部10の外周縁部から上方に向けて延びた平面視円形状の周壁部11と、を備えている。これにより、容器本体4は、上方に開口した有底筒状に形成されると共に平面視円形状に形成されている。容器本体4の内側が、主に中皿2を収容する収容部3として機能する。
底壁部10の中央部分には、中皿2を容器軸O回りに回転可能に案内する円柱状のガイド突起12が容器軸Oと同軸に形成されている。ガイド突起12は、底壁部10から上方に向けて僅かに突出するように形成されている。
周壁部11のうち前方に位置する部分には、周壁部11を前後方向L1に貫通すると共に上方に開口した窓孔13が形成されている。窓孔13の内側は、上方及び前方に向けて開口する係合空間14とされている。係合空間14には、後述する解除部材であるプッシュピース30が配設されている。
周壁部11のうち係合空間14内に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部15が形成されている。ガイド壁部15の上面は、前方に向かうに従い下方に向けて傾斜する傾斜面15aとされている。また、周壁部11のうちガイド壁部15よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第1係合突起16が形成されている。さらに周壁部11のうちガイド壁部15よりも下方に位置する部分には、周壁部11を前後方向L1に貫通する逃げ孔17が形成されている。
周壁部11のうち後方に位置する部分には、底壁部10及び周壁部11を容器軸O方向に貫通する縦孔18が形成されている。縦孔18は周方向に沿って延びるように形成されている。図示の例では、縦孔18は周方向に沿った長さが窓孔13よりも短く形成されている。
また、底壁部10のうち、ガイド突起12よりも後方に位置する部分には、後述する可動片6を移動可能に収容するガイド溝19が径方向に沿って延びるように形成されている。ガイド溝19は、平面視で左右方向L2よりも前後方向L1に長い長方形状に形成され、上方に開口していると共に、上記縦孔18を通じて後方に開口している。
図1及び図2に示すように、蓋体5は、平面視円形状に形成され、収容部3を上方から塞ぐ有頂筒状に形成され、ヒンジ軸20を介して容器本体4の周壁部11に回転可能に連結されている。従って、蓋体5はヒンジ軸20を中心として前後方向L1に回転することで、容器本体4に対して相対移動可能に連結されている。
蓋体5のうち後方に位置する部分には、下方に向けてヒンジ脚部21が突設されている。ヒンジ脚部21は、容器本体4の縦孔18内に収容されている。なお、ヒンジ脚部21の下端部は、下方に向けて半円状に突出している。
ヒンジ脚部21には、左右方向L2に沿って延びると共に縦孔18の内壁面に開口する第1ヒンジ孔22が形成されている。容器本体4の周壁部11には、第1ヒンジ孔22の軸線と同軸上に配置されると共に、周壁部11を左右方向L2に貫通する第2ヒンジ孔23が形成されている(図3参照)。
さらにヒンジ脚部21には、下端部から後端部に亘って下方及び後方に向けて開口した収容溝24が形成されている。
ヒンジ軸20は、第1ヒンジ孔22及び第2ヒンジ孔23に一体に挿入されている。これにより、蓋体5の全体は、容器本体4に対してヒンジ軸20回りに回転可能に連結されている。従って、ヒンジ軸20回りに蓋体5を前後方向L1に開閉操作することが可能とされている。
蓋体5のうち前方に位置する部分には、下方に向けて係合片25が突設されている。係合片25は、下方に向けて突出すると共に左右方向L2に延びた板状に形成され、係合空間14内に上方から入り込んでいる。
係合片25の下端部には、後方に向けて突出すると共に、容器本体4側に形成された第1係合突起16に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合突起26が形成されている。第1係合突起16に対して第2係合突起26が下方から係合することによって、蓋体5は閉状態でロックされる。
係合空間14内には、第1係合突起16と第2係合突起26との係合を解除するプッシュピース30が設けられている。
図1に示すように、プッシュピース30は、弾性材料によって形成され、係合片25よりも前方に配置されると共に窓孔13内に配置された操作壁部31と、操作壁部31から後方に向けて突設され、ガイド壁部15の傾斜面15a上に位置する解除突起32と、操作壁部31の下端部から後方に向けて突設され、窓孔13の下壁面に載置されるベース部33と、を備え、後方に向けて押し込み可能とされている。
解除突起32は、プッシュピース30の後方への移動に伴ってガイド壁部15の傾斜面15aに沿って弾性変形しながら後方に移動し、第2係合突起26を下方から押し上げて、第1係合突起16から離脱させる。これにより、第1係合突起16と第2係合突起26との係合を解除することができ、蓋体5を開操作可能な状態とすることができる。
なお、プッシュピース30は、後方に移動したときに、解除突起32の弾性復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
ベース部33は、プッシュピース30の後方への移動に伴って、周壁部11に形成された逃げ孔17内に前方から入り込む。なお、プッシュピース30は、前方への抜け止めがされた状態で周壁部11に組み合わされている。
なお、プッシュピース30は必須なものではなく、具備しなくても構わない。例えば指先等によって、係合片25の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合突起16と第2係合突起26との係合を解除し、蓋体5の閉状態のロックを解除しても構わない。
さらに、上述のように構成された蓋体5の内面には、平面視円形状の鏡28が取り付けられている。
なお、鏡28の取付方法としては、例えば接着剤や両面テープ等による接着、その他の方法による固着等が挙げられるが、特に限定されるものではない。図示の例では、鏡28は薄い円板状に形成されているが、この場合に限定されるものではなく、例えばシート状或いはフィルム状の鏡28であっても構わないし、蓋体5の内面に金属反射膜を蒸着する方法等により鏡28を設けても構わない。
ただし、鏡28は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
中皿2は、容器本体4の収容部3内に容器軸O回りに回転可能に配置され、底壁部10上に載置されている。本実施形態の中皿2は、上方に向けて開口した有底筒状に形成された中枠40と、上方に向けて開口した有底筒状に形成され、中枠40の内側に保持された中皿本体50と、を備えている。
中枠40は、外形が平面視円形状に形成され、容器本体4の底壁部10上に載置された中枠底部41と、中枠底部41の外周縁部から上方に向けて突出した中枠筒部42と、を備えた有底筒状に形成されている。
中枠底部41の中央部分には、該中枠底部41を上下方向に貫通する貫通孔43が形成されている。そして中枠底部41は、貫通孔43の内側にガイド突起12を挿通させた状態で底壁部10上に載置されている。これにより、中枠40は、ガイド突起12でガイドされながら容器軸O回りに回転可能とされている。
中枠筒部42は、下端部側より上端部側が径方向外側に向けて拡径した二段筒状に形成され、容器本体4の周壁部11の内側に配置されている。中枠筒部42の上端部は、容器本体4の周壁部11の内側に近接或いは摺接している。そのため、中枠40は、がたつき少なく容器軸O回りに安定して回転可能とされている。
中皿本体50は、上述した中枠40内に例えば密に嵌合する等して一体的に組み合わされている。従って、中皿本体50及び中枠40で構成される中皿2の全体は、容器軸O回りに回転可能に収容部3内に配置されている。
なお、中皿本体50の内側に内容物が収容されている。また、中枠底部41は、中皿2全体としての中皿底部として機能する。
なお、容器本体4の周壁部11には環状の中枠押さえ55が装着されている。中枠押さえ55は、容器本体4の周壁部11の内側に嵌合された押さえ筒部56と、押さえ筒部56の上端部から径方向の外側に向かって突出するように形成され、周壁部11の上端開口端上に配置された環状のフランジ片57と、を備えている。
押さえ筒部56は、中枠筒部42よりも上方に配置され、下端部が中枠筒部42の上端開口端に対して上方から近接或いは摺接している。これにより、中枠押さえ55は、中枠40の回転を許容しつつ、上方への抜け止めを行うことが可能とされている。
可動片6は、先に述べたように、容器本体4と中皿2との間に、容器本体4及び中皿2に対して相対移動可能に配置されている。
図1及び図2に示すように、可動片6は、左右方向L2よりも前後方向L1に長く形成されると共に、可撓性を有する板片状に形成されている。
可動片6は、前端部6a側が中皿底部として機能する中枠底部41と容器本体4の底壁部10との間に位置し、且つ後端部6b側がヒンジ脚部21に形成された収容溝24内に収容されるように配置されている。
なお、可動片6の後端部6b側は、収容溝24に係止されている。これにより、可動片6は、蓋体5の開閉操作に伴って押出し或いは引き戻しされるように可動し、中枠底部41と容器本体4の底壁部10との間を径方向に移動することが可能とされている。
なお、収容溝24に対する可動片6の係止方法としては、例えば接着やピン止め等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用して構わない。
なお、可動片6は、蓋体5と別体である必要はなく、蓋体5と一体に形成しても構わない。この場合には、例えば可動片6をインサート品としたインサート成形によって、蓋体5と可動片6とを一体に形成することが可能である。従って、この場合には、インサート成形によって可動片6を収容溝24に一体に固定(係止)することできる。
可動片6の前端部6a側は、容器本体4の底壁部10に形成されたガイド溝19内に移動可能に収容されている。これにより、可動片6は、周方向への移動が規制された状態で、径方向に移動することが可能とされている。
上述のように構成された可動片6は、蓋体5が閉まっているときに前端部6a側が最も後方側に位置した図1に示す第1位置P1と、蓋体5が開いたときに前端部6a側が最も前方側に位置した図2に示す第2位置P2と、の間を蓋体5の開閉操作に伴って径方向に往復移動する。
図1及び図4に示すように、可動片6には、第1係合部60が形成されている。これに対して、中皿2側には、第1係合部60が係合する第2係合部70が形成されている。そして、これら第1係合部60及び第2係合部70は、可動片6の移動に伴って、互いに協働して中皿2を容器軸O回りに回転させる、いわゆるカム機構として機能する。
本実施形態では、コンパクト容器1の上面視で、中皿2を反時計回りである第1回転方向M1に回転させる場合を例に挙げて説明する。ただし、中皿2の回転方向は、この場合に限定されるものではなく、時計回りである第2回転方向M2に回転させても構わない。
第1係合部60は、可動片6の前端部6aから上方に向けて突出した係合突起61を有している。係合突起61は、例えば円柱状に形成された係合ピンであって、例えば可動片6と一体に形成されている。ただし、係合突起61は、可動片6と別体に形成されたカムフォロアやローラフォロアであっても構わない。
なお、上述した可動片6及び係合突起61は、蓋体5の開閉操作に伴って移動することによる弾性変形可能な柔軟性と、後述するカム溝71内での移動によって生じうる変形(削れ等)を抑制するための強度(剛性)と、を両立する材質で形成することが好ましい。このような材質としては、例えばポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料が挙げられる。ただし、可動片6及び係合突起61の材質としては、この場合に限定されるものではなく、PP以外の合成樹脂材料や、合成樹脂材料以外の材質を利用しても構わない。
第2係合部70は、周方向に延びるように中枠底部41の下面側に形成されると共に、係合突起61を移動可能に収容するカム溝71を備えている。そして、係合突起61及びカム溝71は、第1位置P1から第2位置P2への可動片6の移動、及び第2位置P2から第1位置P1への可動片6の移動に伴って、互いに協働して中皿2を第1回転方向M1に向けて移動させる。
カム溝71について、詳細に説明する。
カム溝71は、周方向に交互に配置された複数の第1カム溝72及び複数の第2カム溝73を備えている。
第1カム溝72は、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって第2回転方向M2に向けて延びるように形成されている。第2カム溝73は、第1カム溝72とは逆に、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって第1回転方向M1に向けて延びるように形成されている。
第1カム溝72の外端部は、第1カム溝72に対して第1回転方向M1側に隣り合う第2カム溝73の外端部に連通している。また、第1カム溝72の内端部は、第1カム溝72に対して第2回転方向M2に隣り合う第2カム溝73の内端部に連通している。
これにより、周方向に交互に配置された複数の第1カム溝72及び第2カム溝73は、互いにそれぞれ連通している。そのため、係合突起61は、第1カム溝72及び第2カム溝73を交互に移動しながら、カム溝71の全体に亘って移動することが可能とされている。
なお、図示の例では、第1カム溝72の外端部と第2カム溝73の外端部との連通部分には、径方向の外側に向かって延びた第1延長溝74が形成されている。第1延長溝74は、径方向の外側に開口している。さらに、第1カム溝72の内端部と第2カム溝73の内端部との連通部分には、径方向の内側に向かって延びた第2延長溝75が形成されている。
上述のように構成されたカム溝71に対して、係合突起61は、第1位置P1から第2位置P2への可動片6の移動に伴って、第1カム溝72の外端部から内端部に向かって移動すると共に、第2位置P2から第1位置P1への可動片6の移動に伴って、第2カム溝73の内端部から外端部に向かって移動することが可能とされている。
なお、本実施形態では、第1カム溝72の溝深さは、外端部側が最も深く形成されていると共に、内端部側最も浅く形成され、且つ外端部側から内端部側に向かうにしたがって漸次浅くなるように形成されている。
これに対して、第2カム溝73の溝深さは、内端部側が最も深く形成されていると共に、外端部側が最も浅く形成され、且つ内端部側から外端部側に向かうにしたがって漸次浅くなるように形成されている。
上述のように、第1カム溝72及び第2カム溝73の溝深さが変化しているので、第1カム溝72の外端部と第2カム溝73の外端部との連通部分には、第1位置P1から第2位置P2への可動片6の移動時に、係合突起61を第1カム溝72側に誘導する第1段差部76が形成されている。さらに、第1カム溝72の内端部と第2カム溝73の内端部との連通部分には、第2位置P2から第1位置P1への可動片6の移動時に、係合突起61を第2カム溝73側に誘導する第2段差部77が形成されている。
(コンパクト容器の作用)
次に、上述したように構成されたコンパクト容器1を使用する場合について説明する。
この場合には、プッシュピース30を操作して蓋体5のロック状態(閉状態)を解除する。具体的には、図1に示す状態から操作壁部31を後方に向けて押圧し、プッシュピース30の全体を後方に移動させる。これにより、解除突起32をガイド壁部15の傾斜面15aに沿って弾性変形させながら後方に移動させることができ、第2係合突起26を下方から押し上げて第1係合突起16から離脱させることができる。
これにより、第1係合突起16と第2係合突起26との係合を解除することができ、蓋体5を開操作可能な状態とすることができる。
次いで、蓋体5の全体をヒンジ軸20回りに回転させることで、図2に示すように、蓋体5を後方に向けて開操作することができ、容器本体4から蓋体5を離間させることができる。これにより、容器本体4の収容部3を開放させることができ、化粧用塗布具7を利用して、内容物を使用することができる。
特に、本実施形態のコンパクト容器1によれば、内容物を使用するにあたって容器本体4に対して蓋体5を開閉操作(相対移動)させる度に、蓋体5に連動して可動片6を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させることができる。これにより、互いに係合し合う可動片6側の係合突起61及び中皿2側のカム溝71を利用して、可動片6の往復移動を容器軸O回りの回転運動に変換して、中皿2を第1回転方向M1に向けて回転させることができる。
従って、使用者が蓋体5の開閉操作を行うだけで、中皿2を第1回転方向M1に向けて回転させることができるので、例えば化粧用塗布具7を利用して従来同様の内容物の拭い方をしたとしても、内容物を万遍なく拭いながら使用することができる。
より詳細に説明する。
蓋体5の開閉操作を行うことで、該開閉操作に連動して可動片6を径方向に移動させることができるので、これによって係合突起61をカム溝71内で相対的に移動させることができる。そのため、可動片6の径方向に沿った直線移動を容器軸O回りの回転運動に適切に変換して、中皿2を第1回転方向M1に向けて回転させることができる。
具体的には、図2に示すように蓋体5を開操作すると、これに伴って可動片6を図1に示す第1位置P1から図2に示す第2位置P2に向けて径方向内側に移動させることができる。そのため、係合突起61を、図4に示す第1カム溝72の外端部である第1地点N1から、内端部である第2地点N2に向かうように第1カム溝72内に沿って移動させることができる。このとき、第1カム溝72は径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって第2回転方向M2側に向けて延びている。
そのため、図5に示すように、係合突起61が第1カム溝72内を移動することで、中皿2に対して図5に示す矢印F1に示す如く第1回転方向M1に向けた回転力を伝えることができ、中皿2を同方向に回転させることができる。また、係合突起61は、第1カム溝72の内端部(第2地点N2)に移動することで、隣接する第2カム溝73の内端部に位置した状態となる。
次いで、内容物を使用した後、蓋体5を閉操作すると、これに伴って可動片6を図2に示す第2位置P2から図1に示す第1位置P1に向けて径方向外側に移動させることができる。そのため、係合突起61を、図5に示す第2カム溝73の内端部である第2地点N2から、図6に示す第2カム溝73の外端部である第3地点N3に向かうように第2カム溝73内に沿って移動させることができる。このとき、第2カム溝73は径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって第1回転方向M1側に向けて延びている。
そのため、係合突起61が第2カム溝73内を移動することで、中皿2に対して図6に示す矢印F2に示す如く第1回転方向M1に向けた回転力を伝えることができ、中皿2を先ほどと同様に同方向に回転させることができる。また、係合突起61は、第2カム溝73の外端部(第3地点N3)に移動することで、隣接する第1カム溝72の外端部に位置した状態となる。
従って、その後に蓋体5を再び開操作及び閉操作することで、上述の動作を繰り返し行うことができ、中皿2を第1回転方向M1に回転させることができる。
このように、蓋体5の開閉操作に伴って可動片6を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させることで、係合突起61、第1カム溝72及び第2カム溝73を利用して、中皿2に回転力を伝えることができ、中皿2を安定且つ確実に第1回転方向M1に回転させることができる。
従って、片減りが生じ難く、内容物を均一に近い状態で減少させながら内容物を使い切ることができる。従って、使い勝手が良く、使用者にかかるストレスを軽減することができる。
特に、蓋体5の操作(開操作及び閉操作)に連動して中皿2を回転させることができるので、例えば内容物が均一に減少するような使い方を使用者が意図或いは意識しなくても、これら意図や意識に依らずに、自然と内容物を均一に減少させるような使い方を行わせることが可能である。
以上、説明したように、本実施形態のコンパクト容器1によれば、内容物の片減りを発生し難くすることができ、使い勝手が良く、使用者にかかるストレスを軽減することができる。
さらに、本実施形態の場合には、ガイド溝19内に可動片6を収容しているので、可動片6が周方向に移動することを規制しながら、径方向への移動をガイドすることができる。従って、可動片6をがたつき少なく径方向にスムーズに移動させることができ、結果的に中皿2を安定して第1回転方向M1に回転させることができる。
しかも、第1位置P1から第2位置P2への可動片6の移動時(蓋体5の開操作時)に、第1段差部76を利用して係合突起61を第1カム溝72側に適切に誘導することができると共に、第2位置P2から第1位置P1への可動片6の移動時(蓋体5の閉操作時)に、第2段差部77を利用して係合突起61を第2カム溝73側に適切に誘導することができる。従って、より一層確実に中皿2を第1回転方向M1に回転させることができる。
なお、本実施形態では、第1段差部76及び第2段差部77を利用して、係合突起61を任意の方向に誘導したが、このような段差構造に限定されるものではない。
例えば、係合突起61を、第1カム溝72の外端部である第1地点N1から内端部である第2地点N2に移動させたときに、係合突起61が第1カム溝72の内端部と第2カム溝73の内端部との連通部分の中心よりも第2カム溝73側にずれた位置に留まるように、第1カム溝72及び第2カム溝73を形成しても構わない。この場合であっても、その後、係合突起61を第2カム溝73側に誘導することが可能となる。
さらに、中枠底部41と底壁部10との間に可動片6を配置しているうえ、中枠底部41にカム溝71を形成しているので、これら可動片6及びカム溝71を外部から見え難くすることができる。そのため、デザイン性を向上することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記実施形態では、中枠40及び中皿本体50で中皿2を構成したが、この場合に限定されるものではなく、例えば中皿本体50のみで中皿2を構成しても構わない。この場合には、例えば中皿本体50の底面にカム溝71を形成すれば良い。
また、上記実施形態では、中枠底部41にカム溝71を形成し、中枠底部41と底壁部10との間に可動片6を配置したが、この場合に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、係合突起61及びカム溝71を利用して、可動片6の直線移動を中皿2の回転運動に変換するカム機構を構成したが、係合突起61及びカム溝71に限定されるものではない。蓋体5の開閉操作に連動して移動する可動片6によって、中皿2を回転させることができれば、第1係合部60及び第2係合部70を、係合突起61及びカム溝71以外で構成しても構わない。
O…容器軸(中心軸線)
P1…第1位置
P2…第2位置
1…コンパクト容器
2…中皿
3…収容部
4…容器本体
5…蓋体
6…可動片
10…容器本体の底壁部
19…ガイド溝
41…中枠底部(中皿底部)
60…第1係合部
61…係合突起
70…第2係合部
71…カム溝
72…第1カム溝
73…第2カム溝
76…第1段差部
77…第2段差部

Claims (4)

  1. 内容物が収容される中皿と、
    前記中皿が収容される収容部を有する容器本体と、
    前記容器本体に対して相対移動可能に連結され、前記収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、
    前記容器本体と前記中皿との間に、前記容器本体及び前記中皿に対して相対移動可能に配置されると共に、前記容器本体に対する前記蓋体の移動に伴って第1位置と第2位置との間を往復移動する可動片と、を備え、
    前記中皿は、上下方向に延びる前記容器本体の中心軸線回りに回転可能とされ、
    前記可動片には、第1係合部が形成され、
    前記中皿には、前記第1係合部が係合する第2係合部が形成され、
    前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記可動片の移動に伴って、互いに協働して前記中心軸線回りを周回する周方向の一方側に向けて前記中皿を回転させ
    前記可動片は、前記中皿の中皿底部と前記容器本体の底壁部との間に配置されると共に、前記中心軸線方向から見た平面視で前記中心軸線に対して交差する径方向に沿って移動可能とされ、
    前記第1係合部は、前記中皿底部に向けて突出するように前記可動片に形成された係合突起を有し、
    前記第2係合部は、前記周方向に延びるように前記中皿底部に形成されると共に、前記係合突起を移動可能に収容するカム溝を有し、
    前記係合突起及び前記カム溝は、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動、及び前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動に伴って、互いに協働して前記中皿を前記周方向の一方側に向けて移動させることを特徴とするコンパクト容器。
  2. 請求項に記載のコンパクト容器において、
    前記カム溝は、前記周方向に交互に配置された複数の第1カム溝及び複数の第2カム溝を備え、
    前記第1カム溝は、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって前記周方向の他方側に向けて延びるように形成され、
    前記第2カム溝は、径方向外側から径方向内側に向かうにしたがって前記周方向の一方側に向けて延びるように形成され、
    前記第1カム溝の外端部は、該第1カム溝に対して前記周方向の一方側に隣り合う前記第2カム溝の外端部に連通し、
    前記第1カム溝の内端部は、該第1カム溝に対して前記周方向の他方側に隣り合う前記第2カム溝の内端部に連通し、
    前記係合突起は、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動に伴って、前記第1カム溝の前記外端部から前記内端部に向かって移動し、且つ前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動に伴って、前記第2カム溝の前記内端部から前記外端部に向かって移動する、コンパクト容器。
  3. 請求項に記載のコンパクト容器において、
    前記第1カム溝の外端部と前記第2カム溝の外端部との連通部分には、前記第1位置から前記第2位置への前記可動片の移動時に、前記係合突起を前記第1カム溝側に誘導する第1段差部が形成され、
    前記第1カム溝の内端部と前記第2カム溝の内端部との連通部分には、前記第2位置から前記第1位置への前記可動片の移動時に、前記係合突起を前記第2カム溝側に誘導する第2段差部が形成されている、コンパクト容器。
  4. 請求項からのいずれか1項に記載のコンパクト容器において、
    前記底壁部には、前記径方向に沿って延びると共に、前記可動片を前記径方向に移動可能に収容するガイド溝が形成されている、コンパクト容器。
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