JP7261468B2 - 自律制御型草刈機 - Google Patents
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Description
ST12で第一の設定時間以上の過負荷状態が認められたときには、ST13で、対策A(走行速度の減速制御)と対策B(後部開閉扉の開放制御)が実施され、ST14で対策A、Bの効果を調べる。
ST14で第二の設定時間以上の過負荷状態が認められたときには、ST15で非常停止し、作業を中断する。
すなわち、従来、芝刈りを含む草刈り作業は、有人草刈機で実施されてきた。人件費の高騰もあり、作業の無人化が求められ、自律制御型草刈機が各種提案されてきた(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、格別の過負荷対策が開示されていない。そこで、特許文献2の草刈機に、特許文献1に開示される、対策A(走行速度の減速制御)を付加することが考えられる。
自律制御型草刈機において、刈刃への負荷が設定を超えたときに、走行速度を落とすことは有効であり、刈刃への負荷が軽減されることが期待される。
ただし、刈刃は、草に隠れた障害物(樹木や岩)に当たることがある。この場合は、特許文献1のST15に基づいて作業を中断する。
そこで、簡単には作業が中断しないような自律制御型草刈機が望まれる。
前記制御部は、車速マップに基づいて車速を制御し、
この制御で使用する車速マップは、横軸が刈刃回転速度であり、前記横軸に前記刈刃の最高回転速度Nmax、この最高回転速度Nmaxより低速の第1回転速度N1、この第1回転速度N1より低速の第2回転速度N2、及び前記第1回転速度N1と前記第2回転速度N2の間の中間回転速度Nmを定め、
縦軸が車速であり、前記縦軸に最高車速Vmax及びこの最高車速Vmaxより低速の最低車速Vminを定め、
車速曲線は、前記第2回転速度N2と前記中間回転速度Nmとの間は横軸に平行な最低車速Vminとし、前記中間回転速度Nmと前記第1回転速度N1との間は刈刃回転速度に正比例する曲線とし、前記第1回転速度N1と前記最高回転速Nmaxとの間は横軸に平行な最高車速Vmaxとし、
前記制御部は、
前記刈刃の実測回転速度が、前記第1回転速度N1を下回るときに、前記実測回転速度に対応して車速を低減する制御を実施するという第1次対策を講じ、
車速を低減しても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度N2を下回るときに、一定時間後進制御を実施するという第2次対策を前記第1次対策の後に講じることを特徴とする。
前記制御部は、前記第2次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、以下の復帰策(1)~(5)の少なくとも1つからなる第3次対策を前記第2次対策の後に実施することを特徴とする。(1)車速を0にすること。(2)所定時間後進すること。(3)刈刃の回転を停止し、機体を前進すること。(4)刈刃を逆回転すること。(5)刈刃の回転を停止し、機体を旋回すること。
前記制御部は、前記第2次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、以下の復帰策(1)~(6)の少なくとも1つからなる第3次対策を前記第2次対策の後に実施することを特徴とする。(1)車速を0にすること。(2)所定時間後進すること。(3)刈刃の回転を停止し、機体を前進すること。(4)刈刃を逆回転すること。(5)刈刃の回転を停止し、機体を旋回すること。(6)刈刃の回転トルクを、所定時間だけ増加する。
前記制御部は、前記第3次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、充電ステーションへ帰還させるという第4次対策を前記第3次対策の後に実施することを特徴とする。
第1回転速度で草刈りにおける過負荷を検知し、第2回転速度で草に隠れた障害物(樹木や岩)による過負荷を検知する。
刈刃の回転速度が第2回転速度を下回ったときには、一定時間後進させる(第2次対策)。
後進させることで、障害物(樹木や岩)から自律制御型草刈機を十分に離すことができ、以降通常の草刈り作業を継続させることができる。
よって、請求項1によれば、簡単には作業が中断しないような自律制御型草刈機が提供される。
第3次対策を講じることにより、更に草刈り作業を継続させることができる。
第1次対策、第2次対策及び第3次対策を講じるため、極力、草刈り作業を継続させることができる。
図2に示すように、前輪11と、後輪車軸15との間に、カッターハウジング16を有する。
図4に示すように、刈刃19は刈刃モータ24で駆動される。この刈刃モータ24はバッテリ25から給電されると共にドライバ26を介して、制御部27で回転速度及び正転、停止、逆転が制御される。刈刃モータ24が過負荷状態になったときには、例えば逆転制御される。
前輪11は操舵輪であり、操舵モータ31で操舵される。この操舵モータ31は、バッテリ25から給電されると共にドライバ32を介して、制御部27で直進、左操舵、右操舵の制御がなされる。
同様に、右後輪12Rは右後輪モータ33Rで駆動される。この右後輪モータ33Rはバッテリ25から給電されると共にドライバ34Rを介して、制御部27で回転速度及び正転、停止、逆転が制御される。
カバー13の前部に、V字部品36が収納され、このV字部品36に充電端子37が設けられている。充電端子37を介して、外部からバッテリ25へ充電される。
図5に示すように、草刈機10は、矢印(1)のように直進し、矢印(2)のように左旋回し、矢印(3)のように右旋回し、矢印(4)のように後進する。
図6において、横軸は刈刃回転速度であり、横軸に、刈刃の最高回転速度Nmax、このNmaxより低速の第1回転速度N1、この第1回転速度N1より低速(例えば、N1の半分)の第2回転速度N2、及びN1とN2の間の速度Nmを定める。
車速曲線は、N2-Nm間は横軸に平行な最低車速Vminとし、Nm-N1間は刈刃回転速度に正比例する曲線とし、N1以上は横軸に平行な最高車速Vmaxとした。
なお、図6の曲線は適宜変更することは可能であり、また、図6の内容は数式又はデータ化して、電子情報として制御部に保存する。
前進しつつ刈刃を正転させることで、草刈りを開始する(ST02)。
刈刃回転速度Nactを読み込む(ST03)。
図6に示す車速マップでは、刈刃回転速度がNmまで下がると、車速はVminに設定される。刈刃への抵抗は、車速が小さく且つ刈刃回転速度が小さい程、軽減されることが予測される。
そこで、刈刃回転速度Nactを読み込み(ST07)、ST08で刈刃回転速度Nactが第2回転速度N2を超えているか否かを調べ、超えていれば、ST03に戻る。
第2次対策の効果をST10とST11で調べる。
そこで、先ず、草刈機を左旋回させる(ST12)。ST13で旋回したか否かを調べる。否であれば、草刈機を右旋回させる(ST14)。これで、障害物から刈刃を離すことができる。
Nactと車速マップから車速をVconに設定するという対策(第1次対策相当)を講じ(ST15)し、ST03へ戻る。
項目(1):車速をゼロにすると、その場で草刈りが進行し、草の丈が徐々に小さくなるため、刈刃回転速度の回復が期待される。
項目(2):t2時間後進すると、草刈機が草刈り済みの場所に戻り、草による抵抗が軽減され、回転速度の回復が期待される。刈刃が障害物に干渉している場合は、後進により刈刃が障害物から離れるため、刈刃回転速度の回復が期待される。t2時間は数秒間で差し支えない。
項目(4):刈刃を逆回転することにより、絡まっている刈草を刈刃から外すことができる。
項目(5):刈刃を停止し、旋回すると、旋回により、抵抗の大きい場所から抵抗の小さな場所へ、刈刃を移動させることが期待できる。
項目(6):刈刃の回転トルクを、t4時間だけ、増加する。t4時間は数秒で差し支えない。刈刃モータ(図4、符号24)が直流モータであれば、トルク=(トルク定数)×(電気子電流)の算式により、回転トルクが求められる。トルク定数は刈刃モータの構造から定まる一定の値である。よって、電流を増加することでトルクを増加することができる。刈刃トルクの寿命を考慮して、使用トルク範囲を定める。
なお、トルク増加のために電流を増加し、電流増加により刈刃モータは発熱するが、t4時間は数秒と短いため、発熱量は許容できる範囲に収まる。したがって、短時間でのトルク増加は刈刃モータの寿命に影響しない。
そこで、図7のST17で刈刃回転速度Nactを読み込み、ST18で刈刃回転速度Nactが第2回転速度N2を超えているか否かを調べ、超えていれば、ST12へ進む。
ST11以降にt3時間を経過しても刈刃回転速度Nactが第2回転速度N2を超えないときは、ST20で、第4次対策として充電ステーションへ帰還命令を発する。
Claims (4)
- 自律制御を実施する制御部を備え、走行しつつ刈刃で草を刈る自律制御型草刈機において、
前記制御部は、車速マップに基づいて車速を制御し、
この制御で使用する車速マップは、横軸が刈刃回転速度であり、前記横軸に前記刈刃の最高回転速度Nmax、この最高回転速度Nmaxより低速の第1回転速度N1、この第1回転速度N1より低速の第2回転速度N2、及び前記第1回転速度N1と前記第2回転速度N2の間の中間回転速度Nmを定め、
縦軸が車速であり、前記縦軸に最高車速Vmax及びこの最高車速Vmaxより低速の最低車速Vminを定め、
車速曲線は、前記第2回転速度N2と前記中間回転速度Nmとの間は横軸に平行な最低車速Vminとし、前記中間回転速度Nmと前記第1回転速度N1との間は刈刃回転速度に正比例する曲線とし、前記第1回転速度N1と前記最高回転速Nmaxとの間は横軸に平行な最高車速Vmaxとし、
前記制御部は、
前記刈刃の実測回転速度が、前記第1回転速度N1を下回るときに、前記実測回転速度に対応して車速を低減する制御を実施するという第1次対策を講じ、
車速を低減しても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度N2を下回るときに、一定時間後進制御を実施するという第2次対策を前記第1次対策の後に講じることを特徴とする自律制御型草刈機。 - 請求項1記載の自律制御型草刈機であって、
前記制御部は、前記第2次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、以下の復帰策(1)~(5)の少なくとも1つからなる第3次対策を前記第2次対策の後に実施することを特徴とする自律制御型草刈機。
(1)車速を0にすること。
(2)所定時間後進すること。
(3)刈刃の回転を停止し、機体を前進すること。
(4)刈刃を逆回転すること。
(5)刈刃の回転を停止し、機体を旋回すること。 - 請求項1記載の自律制御型草刈機であって、
前記制御部は、前記第2次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、以下の復帰策(1)~(6)の少なくとも1つからなる第3次対策を前記第2次対策の後に実施することを特徴とする自律制御型草刈機。
(1)車速を0にすること。
(2)所定時間後進すること。
(3)刈刃の回転を停止し、機体を前進すること。
(4)刈刃を逆回転すること。
(5)刈刃の回転を停止し、機体を旋回すること。
(6)刈刃の回転トルクを、所定時間だけ増加する。 - 請求項2又は請求項3記載の自律制御型草刈機であって、
前記制御部は、前記第3次対策を講じても前記刈刃の実測回転速度が、前記第2回転速度を超えないときに、充電ステーションへ帰還させるという第4次対策を前記第3次対策の後に実施することを特徴とする自律制御型草刈機。
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