JP7261290B2 - 先端偏向操作可能カテーテル - Google Patents
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Description
このように、カテーテルの先端部分の内部に板バネを配置することにより、操作用ワイヤを引張操作すると、板バネの面と垂直方向に先端部分を曲げること(曲げ方向の平面性を確保すること)ができる。
このため、カテーテルを目的部位に導入するためのシースの屈曲部分に当該カテーテルの先端部分(板バネや棒バネが配置されている先端可撓部分)が位置しているような場合、手元側で与えた回転トルクがカテーテルの先端に伝達されず、この結果、例えば、アブレーションカテーテルにおいて、電極の押し当て荷重が不足して十分に焼灼できないことがある。
本発明の目的は、一対の棒バネの中心軸を含む仮想平面に沿って先端部分を容易に曲げることができ、トルク伝達性に優れた先端偏向操作可能カテーテルを提供することにある。
本発明の他の目的は、先端部分の復帰性(直線形状への復元性)にも優れた先端偏向操作可能カテーテルを提供することにある。
前記カテーテルシャフトは、少なくとも前記先端シャフト部において、マルチルーメン構造を有し、
前記先端シャフト部に形成されている複数のルーメンのうち、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンに、それぞれ、前記第1操作用ワイヤおよび前記第2操作用ワイヤが軸方向にスライド可能に挿通され、
前記ワイヤルーメンの各々の中心軸を含む第1仮想平面に対して直交する第2仮想平面上に各々の中心軸を有し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つ
のルーメン(以下、「棒バネルーメン」という。)に、それぞれ、第1棒バネおよび第2棒バネが軸方向にスライド可能に挿通され、前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの各基端または各先端が、前記先端シャフト部の基端または先端に固定されていることを特徴とする。
そして、第2仮想平面に沿って先端シャフト部を曲げようとする力を受けたときには、曲げたときに内側に位置することになる一方の棒バネが先端方向にスライドするとともに、曲げたときに外側に位置することになる他方の棒バネが基端方向にスライドすることにより、先端シャフト部を曲げようとする力に対する棒バネの抵抗力を吸収(キャンセル)することができ、これにより、先端シャフト部を容易に曲げる(撓ませる)ことができる。
そして、第2仮想平面に沿って先端シャフト部を曲げようとする力を受けたときには、曲げたときに内側に位置することになる一方の棒バネが基端方向にスライドするとともに、曲げたときに外側に位置することになる他方の棒バネが先端方向にスライドすることにより、先端シャフト部を曲げようとする力に対する棒バネの抵抗力を吸収(キャンセル)することができ、これにより、先端シャフト部を容易に曲げる(撓ませる)ことができる。
このような構成の先端偏向操作可能カテーテルによれば、第1棒バネおよび第2棒バネの各々を挿通すべき棒バネルーメンに容易に挿入することができるとともに、第1棒バネおよび第2棒バネの先端を先端シャフト部の先端に確実に固定することができる。
このような構成の先端偏向操作可能カテーテルによれば、先端シャフト部が第2仮想平面に沿って曲げられている状態においても、曲げの内側に位置する何れかの棒バネの基端部が、棒バネルーメンの基端開口から延び出したりすることを防止することができる。
前記カテーテルシャフトは、少なくとも前記先端シャフト部において、マルチルーメン構造を有し、
前記先端シャフト部に形成されている複数のルーメンのうち、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンに、それぞれ、前記第1操作用ワイヤおよび前記第2操作用ワイヤが軸方向にスライド可能に挿通され、
前記ワイヤルーメンの各々の中心軸を含む第1仮想平面に対して直交する第2仮想平面上に各々の中心軸を有し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つの棒バネルーメンに、それぞれ、第1棒バネおよび第2棒バネが軸方向にスライド可能に挿通され、前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの各基端または各先端が、前記カテーテルシャフトに固定されていることを特徴とする。
また、本発明の先端偏向操作可能カテーテルは、先端シャフト部の復帰性(曲げられている状態から直線状態への復元性)にも優れている。
さらに、本発明の先端偏向操作可能カテーテルによれば、先端偏向操を繰り返しても、第1棒バネおよび第2棒バネが先端方向または基端方向にずれてしまうようなことはない。
本発明の先端偏向操作可能カテーテルの第1実施形態である電極カテーテル100は、例えば、心臓における不整脈の診断または治療に用いられるものである。
与するために、当該先端シャフト部11の内部に延在する一対の棒バネ(第1棒バネ61および第2棒バネ62)の基端どうしを連結してなる高剛性部材60と、カテーテルシャフト10と先端電極30との間に配置されて第1操作用ワイヤ51および第2操作用ワイヤ52の先端を固定するアンカー部材70と、カテーテルシャフト10の基端に装着されたハンドル80とを備えてなる。
カテーテルシャフト10はマルチルーメン構造を有し、先端シャフト部11に形成されている10個のルーメンのうち、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメン111,112に、それぞれ、第1操作用ワイヤ51および第2操作用ワイヤ52が軸方向にスライド可能に挿通され、ワイヤルーメン111,112の各々の中心軸を含む第1仮想平面P1に対して直交する第2仮想平面P2上に各々の中心軸を有し、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向配置された2つの棒バネルーメン113,114に、それぞれ、第1棒バネ61および第2棒バネ62が軸方向にスライド可能に挿通されている。第1棒バネ61および第2棒バネ62の基端どうしが連結部63によって連結され、この連結部63が先端シャフト部11の基端に固定されていることにより、第1棒バネ61および第2棒バネ62の各基端が、先端シャフト部11の基端に固定されている。
図3および図4において、30Lは先端電極30の導線、41L~43Lは、リング状電極41~43の導線、45は熱電対である。
棒バネルーメン113と棒バネルーメン114とは、第1仮想平面P1に対して直交する第2仮想平面P2上に各々の中心軸を有し、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向配置されている。
基端シャフト部12はマルチルーメン構造を有する絶縁性のチューブ部材であり、図4に示すように、基端シャフト部12には、先端シャフト部11のルーメン(111~112、115~118,119Aおよび119B)に連通する8個のルーメン(121~122、125~128,129Aおよび129B)が形成されている。
但し、基端シャフト部12には、先端シャフト部11の棒バネルーメン113および棒バネルーメン114に連通するルーメンは形成されていない。
先端電極30は、X線不透過性金属によって一体的に形成され、それぞれの中心が同一直線上に存在する3個の球面と、隣り合う球面の間に、これら球面に接続した1つの縮径部を備えた曲面とを有しており、当該曲面により、先端電極30には、隣り合う球面の間において括れが形成されている。
先端電極30の外径(球面における最大径)は、カテーテルシャフト10の外径と同程度である。
リング状電極41~43の幅(カテーテルシャフト10の軸方向における長さ)としては、例えば1.2~5.0mmとされる。
リング状電極41~43を構成するX線不透過性金属としては先端電極30を構成するものと同様の金属を挙げることができる。
また、第2操作用ワイヤ52は、カテーテルシャフト10の内部(先端シャフト部11のルーメン112および基端シャフト部12のルーメン129B)において軸方向にスライド可能に挿通されている。
第1操作用ワイヤ51および第2操作用ワイヤ52の先端は、それぞれ、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向するようにアンカー部材70に固定されている。
操作用ワイヤ50の直径としては、例えば0.05~0.5mmとされ、好適な一例を示せば0.25mmとされる。
また、アンカー部材70は、その基端部分が、チューブ部材13に内包された状態で、カテーテルシャフト10に固定されている。
ここに、クリアランスCとしては、例えば0.05~30mmとされ、好適な一例を示せば0.5mmとされる。
また、リング電極41~43の導線41L~43Lは、カテーテルシャフト10の内部(先端シャフト部11のルーメン116および基端シャフト部12のルーメン126)を延在している。
高剛性部材60の直径としては、例えば0.1~1mmとされ、好適な一例を示せば0.2mmとされる。
ン114の先端開口(先端シャフト部11の先端)から同じ距離Dだけ基端側に位置している。
先端シャフト部11を、同図に示す右方向に撓ませるときには、曲げたときに内側に位置する第2棒バネ62が先端方向にスライドするが、先端シャフト部11の先端(棒バネルーメンの先端開口)から第2棒バネ62の先端621が延び出ることはない。
また、先端シャフト部11を、同図に示す左方向に撓ませるときには、曲げたときに内側に位置する第1棒バネ61が先端方向にスライドするが、先端シャフト部11の先端(棒バネルーメンの先端開口)から第1棒バネ61の先端611が延び出ることはない。
また、第1棒バネ61および第2棒バネ62の基端どうしを連結する連結部63が先端シャフト部11の基端に固定されていることにより、先端シャフト部11の復帰性にも優れている。
さらに、先端偏向操を繰り返しても、第1棒バネ61および第2棒バネ62が先端方向にずれてしまうようなことはない。
図8は、この実施形態に係る電極カテーテルの縦断面図であり、同図において、第1実施形態に係る電極カテーテル100と同一の構成要素には、同一の符号を用いている。
また、第1実施形態の説明に使用した図1~図4および図6は、そのまま本実施形態において使用することができる。
を備えてなる。
カテーテルシャフト10はマルチルーメン構造を有し、先端シャフト部11に形成されている10個のルーメンのうち、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメン111,112に、それぞれ、第1操作用ワイヤ51および第2操作用ワイヤ52が軸方向にスライド可能に挿通され、ワイヤルーメン111,112の各々の中心軸を含む第1仮想平面P1に対して直交する第2仮想平面P2上に各々の中心軸を有し、カテーテルシャフト10の中心軸を挟んで対向配置された2つの棒バネルーメン113,114に、それぞれ、第1棒バネ61および第2棒バネ62が軸方向にスライド可能に挿通されている。第1棒バネ61および第2棒バネ62の先端どうしが連結部63によって連結され、この連結部63が先端シャフト部11の先端に固定されていることにより、第1棒バネ61および第2棒バネ62の各先端が、先端シャフト部11の先端に固定されている。
シャフト部11が曲げられている状態において、曲げの内側に位置している棒バネ(第1棒バネ61または第2棒バネ62)が先端方向にスライドするとともに、曲げの外側に位置している棒バネ(第1棒バネ62または第1棒バネ61)が基端方向にスライドすることにより、先端シャフト部11を直線形状に復元することができる。
また、第1棒バネ61および第2棒バネ62の先端どうしを連結する連結部63が先端シャフト部11の先端に固定されていることにより、先端シャフト部11の復帰性にも優れている。
さらに、先端偏向操を繰り返しても、第1棒バネ61および第2棒バネ62が基端方向にずれてしまうようなこともない。
10 カテーテルシャフト
11 先端シャフト部
111,112 ワイヤルーメン
113,114 棒バネルーメン
115~118 ルーメン
119A,119B ルーメン
12 基端シャフト部
121,122 ルーメン
125~128 ルーメン
129A,129B ルーメン
30 先端電極
41~43 リング状電極
30L,41L~43L 導線
45 熱電対
51 第1操作用ワイヤ
52 第2操作用ワイヤ
61 第1棒バネ
611 第1棒バネの先端
612 第1棒バネの基端
62 第2棒バネ
621 第2棒バネの先端
622 第2棒バネの基端
70 アンカー部材
80 ハンドル
85 摘み
90 接着剤
Claims (8)
- 可撓性を有する先端シャフト部を備えたカテーテルシャフトと、前記先端シャフト部を第1方向に撓ませるために、前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その後端を引張操作できる第1操作用ワイヤと、前記先端シャフト部を、前記第1方向とは反対方向の第2方向に撓ませるために、前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その後端を引張操作できる第2操作用ワイヤと、前記先端シャフト部の内部に延在し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された一対の棒バネとを有し、
前記カテーテルシャフトは、少なくとも前記先端シャフト部において、マルチルーメン構造を有し、
前記先端シャフト部に形成されている複数のルーメンのうち、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンに、それぞれ、前記第1操作用ワイヤおよび前記第2操作用ワイヤが軸方向にスライド可能に挿通され、
前記ワイヤルーメンの各々の中心軸を含む第1仮想平面に対して直交する第2仮想平面上に各々の中心軸を有し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのルーメンに、それぞれ、第1棒バネおよび第2棒バネが軸方向にスライド可能に挿通され、前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの各基端または各先端が、前記先端シャフト部の基端または先端に固定されていることを特徴とする先端偏向操作可能カテーテル。 - 前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの基端どうしが連結されるとともに、その連結部が前記先端シャフト部の基端に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の先端偏向操作可能カテーテル。
- 前記第1棒バネと、前記第2棒バネと、これらの基端どうしを連結する前記連結部とが、1本の高剛性部材から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の先端偏向操作可能カテーテル。
- 前記先端シャフト部が直線状態にあるときに、
前記第1棒バネの先端および前記第2棒バネの先端は、それぞれが挿通されている前記ルーメンの先端開口から所定距離基端側に位置していることを特徴とする請求項2または3に記載の先端偏向操作可能カテーテル。 - 前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの先端どうしが連結されるとともに、その連結部が前記先端シャフト部の先端に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の先端偏向操作可能カテーテル。
- 前記第1棒バネと、前記第2棒バネと、これらの先端どうしを連結する前記連結部とが、1本の高剛性部材から形成されていることを特徴とする請求項5に記載の先端偏向操作可能カテーテル。
- 前記先端シャフト部が直線状態にあるときに、
前記第1棒バネの基端および前記第2棒バネの基端は、それぞれが挿通されている前記ルーメンの基端開口から所定距離先端側に位置していることを特徴とする請求項5または6に記載の先端偏向操作可能カテーテル。 - 可撓性のある先端シャフト部および可撓性のない基端シャフト部を備えたカテーテルシャフトと、前記先端シャフト部を第1方向に撓ませるために、前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その後端を引張操作できる第1操作用ワイヤと、前記先端シャフト部を、前記第1方向とは反対方向の第2方向に撓ませるために、前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その後端を引張操作できる第2操作用ワイヤと、前記先端シャフト部の内部に
延在し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された一対の棒バネとを有し、
前記カテーテルシャフトは、少なくとも前記先端シャフト部において、マルチルーメン構造を有し、
前記先端シャフト部に形成されている複数のルーメンのうち、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのワイヤルーメンに、それぞれ、前記第1操作用ワイヤおよび前記第2操作用ワイヤが軸方向にスライド可能に挿通され、
前記ワイヤルーメンの各々の中心軸を含む第1仮想平面に対して直交する第2仮想平面上に各々の中心軸を有し、前記カテーテルシャフトの中心軸を挟んで対向配置された2つのルーメンに、それぞれ、第1棒バネおよび第2棒バネが軸方向にスライド可能に挿通され、前記第1棒バネおよび前記第2棒バネの各基端または各先端が、前記カテーテルシャフトに固定されていることを特徴とする先端偏向操作可能カテーテル。
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