JP7259366B2 - 熱プレス装置および成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱プレス装置および成形体の製造方法に関し、特には、複数の成形体を同時に形成し得る熱プレス装置、および、当該熱プレス装置を用いた成形体の製造方法に関するものである。
従来、熱プレス装置としては、被プレス材を挟んで加圧する加圧面と、加圧面を加熱する加熱部と、加圧面と加熱部との間に配置された温度分布調整プレートとを有するプレス盤部を備える熱プレス装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、特許文献1に記載の熱プレス装置では、空気よりも熱伝導性が高い素材よりなるプレート部材に制熱孔を形成してなる温度分布調整プレートを使用することにより、加圧面に温度分布の不均一が発生するのを抑制し、反りや歪の発生が抑制された高品質な成形体の形成を可能にしている。
特開2010-17719号公報
しかし、上記従来の熱プレス装置には、加圧面に複数の成形用キャビティを設けて一回のプレスで複数の成形体を同時に形成し得るようにした際に、得られる成形体にバラつきが発生するのを抑制するという点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、複数の成形体を同時に形成した際に得られる成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制し得る熱プレス装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、加圧面を有する金型と加熱部との間に所定の熱伝導調節部を配置したプレス盤部を備える熱プレス装置を使用すれば、複数の成形体を同時に形成した場合であっても得られる成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱プレス装置は、複数の成形用キャビティが設けられた加圧面を含む金型を有する一対のプレス盤部を備える熱プレス装置であって、少なくとも一方のプレス盤部は、前記金型を加熱する加熱部と、前記金型と前記加熱部との間に位置する熱伝導調節部とを更に有し、前記熱伝導調節部は、平面視中央部が、少なくとも1層の熱伝導層を有し、平面視端部が、厚み方向の熱伝導率が互いに異なる少なくとも2層の熱伝導層を有し、且つ、前記平面視端部が、前記平面視中央部よりも厚み方向の熱伝導率が高いことを特徴とする。このように、加圧面に複数の成形用キャビティを設ければ、複数の成形体を同時に形成することができる。また、厚み方向の熱伝導率が互いに異なる少なくとも2層の熱伝導層を有する平面視端部の厚み方向の熱伝導率を少なくとも1層の熱伝導層を有する平面視中央部よりも高くした熱伝導調節部を設ければ、成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制することができる。
ここで、本発明の熱プレス装置において、前記熱伝導調節部は、前記平面視中央部の厚みが、前記平面視端部の厚みよりも薄くてもよい。通常、熱伝導調節部の平面視中央部の厚みが平面視端部の厚みよりも薄く、金型と加熱部との間の距離が端部よりも中央部において短い場合、加圧面の中央部が加圧面の端部よりも高温になり易く、温度分布が発生し易いが、本発明の熱プレス装置であれば温度分布の発生を良好に抑制することができる。
また、本発明の熱プレス装置は、前記平面視端部に位置する熱伝導層のうち厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の厚み方向の熱伝導率が、他の熱伝導層の厚み方向の熱伝導率の平均値よりも0.5W/m・K以上高いことが好ましい。平面視端部における厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の厚み方向の熱伝導率が、他の熱伝導層の厚み方向の熱伝導率の平均値よりも0.5W/m・K以上高ければ、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制することができる。
なお、本発明において、「熱伝導率」は、JIS R2616またはJIS R1611に準拠して測定することができる。
更に、本発明の熱プレス装置は、前記厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の引張弾性率が2.5GPa以上であることが好ましい。厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の引張弾性率が2.5GPa以上であれば、厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層が変形するのを抑制し、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制することができる。
なお、本発明において、「引張弾性率」は、熱伝導層が樹脂製の場合にはJIS K7127に準拠して測定することができ、熱伝導層が金属製の場合には、JIS Z2241に準拠して測定することができる。
また、本発明の熱プレス装置は、前記熱伝導調節部は、前記平面視中央部から前記平面視端部まで延在する共通熱伝導層を少なくとも1層有し、前記平面視端部は、前記共通熱伝導層よりも厚み方向の熱伝導率が高い熱伝導層を少なくとも1層有することが好ましい。共通熱伝導層を設けると共に、共通熱伝導層よりも厚み方向の熱伝導率が高い熱伝導層を平面視端部に設ければ、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制することができる。
更に、本発明の熱プレス装置は、前記共通熱伝導層が空気層を含むことが好ましい。空気層を使用すれば、低コスト且つ簡易な構造で熱伝導調節部を構成することができる。
そして、本発明の熱プレス装置は、透過型光学素子の成形に使用し得る。本発明の熱プレス装置を使用すれば、上下の中心位置のズレや厚みのバラつきが小さく、複屈折が低いレンズ等の透過型光学素子を効率的に得ることができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の成形体の製造方法は、上述した熱プレス装置の何れかを用いて被プレス材を熱プレスし、複数の成形体を同時に成形する工程を含むことを特徴とする。上述した熱プレス装置を使用すれば、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造することができる。
ここで、本発明の成形体の製造方法は、前記成形体が樹脂成形体であることが好ましい。本発明の製造方法を用いれば、複屈折が低く、且つ、厚みバラつきの小さい樹脂成形体を得ることができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記成形体が透過型光学素子であることが好ましい。本発明の製造方法を用いれば、上下の中心位置のズレや厚みのバラつきが小さく、複屈折が低いレンズ等の透過型光学素子を効率的に得ることができる。
更に、本発明の成形体の製造方法は、金型を加熱する工程(A)と、被プレス材を熱プレスして複数の成形体を同時に成形する工程(B)とを繰り返し実施して成形体を連続的に製造する成形体の製造方法であって、前記工程(B)間の間隔が300秒以下であることが好ましい。工程(B)間の間隔を300秒以下とすれば、成形体の生産性を高めることができる。また、上述した熱プレス装置を使用すれば、工程(B)間の間隔を300秒以下にした場合であっても、成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制することができる。
そして、本発明の成形体の製造方法では、前記被プレス材をロール・ツー・ロール方式で供給して前記成形体を連続的に製造することが好ましい。被プレス材をロール・ツー・ロール方式で供給すれば、成形体を更に効率的に製造することができる。
本発明によれば、複数の成形体を同時に形成した際に得られる成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制し得る熱プレス装置を提供することができる。
また、本発明によれば、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造することができる。
本発明に従う熱プレス装置の一例の概略構成を示す説明図である。 図1に示す熱プレス装置の熱伝導調節部の構造を示し、(a)は平面図、(b)は厚み方向の断面図である。 (a)~(c)は、熱伝導調節部の変形例の構造を示す断面図である。 (a)~(d)は、熱伝導調節部の別の変形例の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の熱プレス装置は、被プレス材を熱プレスして成形体を製造する際に用いることができる。また、本発明の成形体の製造方法は、本発明の熱プレス装置を用いるものであり、成形体を連続的に製造する際に特に好適に用いることができる。
ここで、本発明の熱プレス装置および本発明の成形体の製造方法により製造される成形体としては、特に限定されることなく、熱プレスにより形成可能な任意の成形体が挙げられる。中でも、成形体としては、樹脂成形体が好ましく、光学レンズやプリズム等の透過型光学素子がより好ましい。成形体が樹脂成形体や透過型光学素子の場合、厚みのバラつきを小さくすることができると共に、成形により生じる複屈折を小さくすることができる。
なお、「光学レンズ」とは、光の屈折作用を示す透明体を意味する。また、「プリズム」とは、光の分散作用、屈折作用、全反射作用、および/または、複屈折作用を示す透明多面体を意味する。
そして、熱プレス装置を用いた透過型光学素子の製造方法では、比較的小径の各種透過型光学素子を高い形状精度で製造することができる。従って、本発明の成形体の製造方法によれば、例えば、小型電子電気機器のカメラユニットのレンズとして好適に用いることができる光学レンズを効率的に製造することができる。
また、被プレス材としては、熱プレスにより成形可能なものであれば特に限定されることなく、例えば、熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。そして、熱可塑性樹脂フィルムを構成し得る熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、脂環式構造含有樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂およびチオウレタン樹脂等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを指す。そして、上述した熱可塑性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(熱プレス装置)
そして、本発明の熱プレス装置は、複数の成形用キャビティが設けられた加圧面を含む金型を有する一対のプレス盤部を備えており、対向する一対の加圧面で被プレス材をプレスすることにより、成形用キャビティの形状に対応した形状の成形体が一回のプレスで複数得られるものである。
また、本発明の熱プレス装置は、一対のプレス盤部のうちの少なくとも一方、好ましくは両方が、加圧面を有する金型に加え、当該金型を加熱する加熱部と、金型と加熱部との間に位置する熱伝導調節部とを更に備えている。そして、熱伝導調節部は、平面視中央部が、少なくとも1層の熱伝導層を有しており、また、平面視端部が、厚み方向の熱伝導率が互いに異なる少なくとも2層の熱伝導層を有している。更に、熱伝導調節部は、平面視端部が平面視中央部よりも厚み方向の熱伝導率が高くなるように構成されている。
ここで、通常、熱プレス装置では、加熱部を用いて金型を加熱した際に、加圧面に温度分布が生じ易く、特に加圧面の端部は中央部よりも温度が低くなり易い。そして、この傾向は、加熱部と金型との間の距離が平面視中央部において平面視端部よりも短い場合、即ち、金型と加熱部との間に位置する熱伝導調節部の厚みが、平面視中央部において平面視端部よりも薄い場合に特に顕著である。しかし、本発明の熱プレス装置は、平面視端部が平面視中央部よりも厚み方向の熱伝導率が高くなるように構成された熱伝導調節部を加熱部と金型との間に備えているので、加圧面に温度分布が生じるのを抑制することができる。また、本発明の熱プレス装置では、熱伝導調節部の平面視端部を熱伝導率が互いに異なる2層以上の熱伝導層の積層体としているので、熱伝導率を細かく調整することができる。従って、本発明の熱プレス装置によれば、加圧面に複数の成形用キャビティを設け、1回のプレスで複数の成形体を同時に形成し得るようにした場合であっても、成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制することができる。
なお、加熱部としては、金型を加熱することが可能であれば特に限定されることなく、例えば輻射加熱方式、誘導加熱方式などの任意の加熱方式の加熱部を用いることができる。中でも、昇温速度の観点から誘導加熱方式が好ましい。
また、熱伝導調節部を構成する熱伝導層としては、特に限定されることなく、例えば、空気層、金属層、樹脂層、断熱層などを用いることができる。なお、金属層の金属としては、合金、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などを用いることができる。また、樹脂層の樹脂としては、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。更に、断熱層としては、繊維シートの空隙にシリカエアロゲルを埋め込んでなる断熱シート等を用いることができる。
そして、熱伝導調節部において、平面視端部よりも中央側に位置する平面視中央部は、少なくとも1層、好ましくは1層または2層の熱伝導層で形成される。また、通常、平面視中央部を構成する熱伝導層の数は、平面視端部を構成する熱伝導層の数よりも少ない。
また、熱伝導調節部において、平面視端部は、例えば、加圧面の端縁から当該端縁に直交する方向(内方)に向かって、当該端縁と、加圧面中心を通って当該端縁と平行な仮想線との間の最短距離の2/3以下の範囲に対向する部分である。そして、平面視端部は、少なくとも2層、好ましくは2層または3層の熱伝導層で形成される。2層以上の熱伝導層の積層体とすれば、平面視端部の熱伝導率を細かく調整することができる。
更に、平面視端部は、厚み方向の熱伝導率が平面視中央部よりも高い。
なお、熱伝導調節部において、平面視端部の厚みは、平面視中央部の厚みよりも例えば10μm以上1000μm以下の範囲で厚くし得る。ここで、平面視端部と平面視中央部との厚みの差は、例えば金型の固定法や金型の成型法などに起因して生じ得る。
そして、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制する観点からは、平面視端部を構成する熱伝導層のうち、厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層(以下、「高熱伝導層」と称することがある。)の厚み方向の熱伝導率は、他の全ての熱伝導層(平面視中央部に位置する熱伝導層および平面視端部に位置する熱伝導層)の厚み方向の熱伝導率の平均値よりも0.5W/m・K以上高いことが好ましく、5W/m・K以上高いことがより好ましい。
また、平面視端部において、高熱伝導層の引張弾性率は、2.5GPa以上であることが好ましく、3GPa以上であることがより好ましい。引張弾性率が上記下限値以上であれば、高熱伝導層が変形するのを抑制し、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制することができる。
なお、高熱伝導層の厚みは、特に限定されることなく、例えば50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、1500μm以下であることが好ましく、1300μm以下であることがより好ましく、1000μm以下であることが更に好ましい。高熱伝導層の厚みが上記下限値以上であれば、熱による変形を抑制できる。また、高熱伝導層の厚みが上記上限値以下であれば、高熱伝導層自体の厚み精度を高める事ができる。
また、平面視端部における高熱伝導層以外の熱伝導層の厚みは、特に限定されることなく、例えば5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましく、1500μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。平面視端部における高熱伝導層以外の熱伝導層の厚みが上記下限値以上であれば、熱伝導率を細かく調整できる。また、平面視端部における高熱伝導層以外の熱伝導層の厚みが上記上限値以下であれば、高熱伝導層以外の熱伝導層自体の厚み精度を高める事ができる。
更に、平面視端部における全熱伝導層の厚みの合計に対する高熱伝導層の厚みの割合は、特に限定されることなく、例えば10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、99%以下であることが好ましく、98%以下であることがより好ましい。高熱伝導層の厚みの割合が上記下限値以上であれば、短時間で熱を伝える事ができる。また、高熱伝導層の厚みの割合が上記上限値以下であれば、平面視端部の熱伝導率を細かく調整できる。
そして、上述した熱伝導層は、平面視中央部と平面視端部とでそれぞれ別々に設けられていてもよいし、少なくとも一部が平面視中央部および平面視端部に亘って設けられていてもよい。即ち、熱伝導調節部は、平面視中央部から平面視端部まで延在する共通熱伝導層を少なくとも1層有していてもよい。そして、共通熱伝導層を有する場合、平面視端部は、共通熱伝導層よりも厚み方向の熱伝導率が高い熱伝導層を少なくとも1層有することが好ましい。共通熱伝導層を設けると共に、共通熱伝導層よりも厚み方向の熱伝導率が高い熱伝導層を平面視端部に設ければ、成形体にバラつきが発生するのを更に良好に抑制することができる。
なお、低コスト且つ簡易な構造で熱伝導調節部を構成する観点からは、共通熱伝導層は空気層を含むことが好ましい。金型との間に共通熱伝導層として空気層が存在していれば、金型の位置を微調整する事が可能である。
ここで、上述した本発明の熱プレス装置の一例について、以下に図面を用いて更に詳細に説明する。
図1に示す熱プレス装置100は、プレス方向(図1では上下方向)に移動可能に構成された可動プレス盤部1と、可動プレス盤部1に対向配置された固定プレス盤部2とを備えている。なお、この例では、可動プレス盤部1および固定プレス盤部2は、可動プレス盤部1が駆動機構40を有している以外は同様の構成を有している。
そして、可動プレス盤部1および固定プレス盤部2は、それぞれ、符号5で示される領域内に複数の成形用キャビティ(図示せず)が設けられた加圧面11を有する平板金型10と、平板金型10を加熱する加熱部としてのヒーター50と、ヒーター50を支持するテーブル20と、ヒーター50の外周側においてテーブル20に平板金型10を固定する固定具30と、加圧面11を有する平板金型10とヒーター50との間に位置する熱伝導調節部60とを備えている。
ここで、熱伝導調節部60は、図2(a)に平面図を示し、図2(b)に厚さ方向の断面図を示すように、平板金型10とヒーター50との間に位置する空間内の、ヒーター50上の平面視端部60Bに対応する位置に、平板金型10まで到達しない高さの金属層61を高熱伝導層として配置してなる。即ち、熱伝導調節部60は、平面視中央部60Aが1層の空気層62よりなり、平面視端部60Bがヒーター50上に配置された金属層61と空気層62との積層体よりなる。そして、熱伝導調節部60の厚み(図2(b)では、平板金型10とヒーター50との間の上下方向に沿う距離)は、平面視中央部60Aが平面視端部60Bよりも薄くなるようにされている。
なお、空気層62は、平面視中央部60Aから平面視端部60Bまで延在する共通熱伝導層である。
そして、熱プレス装置100では、熱伝導調節部60を設けているので、上述したようにして、成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制することができる。
なお、熱プレス装置100において、熱伝導調節部60の構造は、図1および図2に示される構造に限定されるものではなく、例えば、図3および図4に示すような構造とすることもできる。また、高熱伝導層としては、金属層61以外に樹脂層なども使用し得る。
ここで、図3(a)に示す熱伝導調節部60は、平面視中央部60Aが1層の断熱層63よりなる点以外は図1および図2に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
また、図3(b)に示す熱伝導調節部60は、空気層62に替えて断熱層63を有する点以外は図1および図2に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
更に、図3(c)に示す熱伝導調節部60は、平面視端部60Bが、ヒーター50上に配置された金属層61と断熱層63との積層体よりなる点以外は図1および図2に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
また、図4(a)に示す熱伝導調節部60は、平板金型10とヒーター50との間に位置する空間内の、ヒーター50上の平面視端部60Bに対応する位置に、高熱伝導層としての金属層61と、断熱層63とを平板金型10まで到達しない高さで積層してなる。即ち、熱伝導調節部60は、平面視中央部60Aが1層の空気層62よりなり、平面視端部60Bがヒーター50上に配置された金属層61と、断熱層63と、空気層62との積層体よりなる。
なお、空気層62は、平面視中央部60Aから平面視端部60Bまで延在する共通熱伝導層である。
更に、図4(b)に示す熱伝導調節部60は、平面視中央部60Aが1層の断熱層63よりなり、断熱層63が平面視中央部60Aから平面視端部60Bまで延在する共通熱伝導層である点以外は図4(a)に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
また、図4(c)に示す熱伝導調節部60は、ヒーター50上の平面視中央部60Aに対応する位置に、平面視端部60Bに配置された金属層61および断熱層63の合計厚みと等しい厚みの断熱層63が配置されている点以外は図4(a)に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
なお、断熱層63および空気層62は、平面視中央部60Aから平面視端部60Bまで延在する共通熱伝導層である。
そして、図4(d)に示す熱伝導調節部60は、平面視中央部60Aが、平面視端部60Bに設けられた金属層61と同じ厚みの空気層62と、断熱層63との積層体よりなり、断熱層63が平面視中央部60Aから平面視端部60Bまで延在する共通熱伝導層である点以外は図4(b)に示す熱伝導調節部60と同様の構成を有している。
(成形体の製造方法)
また、本発明の成形体の製造方法は、本発明の熱プレス装置を用いて被プレス材を熱プレスし、複数の成形体を同時に成形する工程を含む。具体的には、本発明の成形体の製造方法は、加熱部を用いて金型を加熱する工程(A)と、被プレス材を熱プレスして複数の成形体を同時に成形する工程(B)と、金型を冷却する工程(C)と、形成された成形体を離型する工程(D)とを含む。本発明の熱プレス装置を使用すれば、工程(A)において加圧面を均一に加熱し、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造することができる。
ここで、工程(A)では、特に限定されることなく、被プレス材を金型により挟んだ状態で加熱を行ってもよい。また、工程(B)は、被プレス材を一対のプレス盤部の金型で加熱しながらプレスするための動作過程において、所定のプレス圧を金型に対して印加して被プレス材を熱プレスする期間を指す。
そして、工程(A)では、被プレス材の軟化温度またはガラス転移温度を「T」として、金型を、好ましくは(T+30)℃以上、より好ましくは(T+40)℃以上、好ましくは(T+70)℃以下、より好ましくは(T+60)℃以下まで加熱する。金型の温度が上記下限値以上であれば、例えば透過型光学素子を成形した際に、得られる透過型光学素子における複屈折の発生を良好に抑制することができる。また、金型の温度が上記上限値以下であれば、効率的に成形体を製造することができる。
また、工程(A)において被プレス材を金型により挟んだ状態で加熱する場合、プレス圧は、工程(B)におけるプレス圧よりも低いことが好ましい。より具体的には、例えば、工程(B)におけるプレス圧を1MPa以上10MPa以下とした場合には、工程(A)におけるプレス圧は1MPa未満でありうる。
そして、工程(A)は、プレス圧を工程(B)におけるプレス圧に切り替える時点を終点とする。なお、工程(A)では、工程(A)の終点より前のタイミング(例えば、工程(A)の終了時点の50秒前の時点)で加熱が完了していてもよい。また、工程(A)の時間は、150秒以下とすることが好ましい。
工程(B)におけるプレス圧力およびプレス時間は等に限定されることなく、用いる被プレス材の種類およびサイズ、目的とする成形体の形状および大きさ等に応じて、適宜決定することができる。例えば、プレス圧力は、1MPa以上10MPa以下、プレス時間は10秒以上100秒以下とすることができる。
工程(C)では、金型を温度T℃(被プレス材の軟化温度またはガラス転移温度)以下の温度まで冷却して、成形体を冷却する。かかる工程を実施することで、得られる成形体の形状精度を高めることができる。なお、工程(C)の始点は、例えば、工程(B)の開始時点から所定時間経過後に、金型について金型を冷却するための温度制御を開始する時点、或いは、工程(B)の開始時点から所定時間経過後に、金型に対する熱入力を停止した時点であり得る。工程(C)の終点は、後述する金型冷却温度まで金型温度が下がった時点、或いは、かかる時点から所定時間(例えば、50秒)経過した時点であり得る。
金型冷却温度は、被プレス材の軟化温度またはガラス転移温度(T℃)以下である必要があり、(T-15)℃以下が好ましく、(T-30)℃以下がより好ましい。また、金型冷却温度は、(T-80)℃以上であることが好ましく、(T-75)℃以上であることがより好ましい。金型冷却温度が上記上限値以下であれば、後述する工程(D)にて、離型し易く、得られる成形体の形状精度を効果的に高めることができる。また、金型冷却温度が上記下限値以上であれば、成形体の製造効率を一層高めることができる。
金型冷却時間および金型冷却速度等は、特に限定されることなく、被プレス材の種類およびサイズ、目的とする成形体の形状および大きさ等に応じて、適宜決定することができる。例えば、金型冷却時間は、10秒以上100秒以下とすることができ、金型冷却速度は、50℃/分以上300℃/分以下とすることができる。
工程(D)では、工程(C)の後に、熱プレス後の被プレス材(成形物)を一対の金型から離型するにあたり、好ましくは成形物に対して張力をかけながら離型して、複数の成形体を含む成形物を得る。「一対の金型から離型するにあたり」とは、工程(C)を完了させ、一対の金型を開き始める時点を意味する。かかる時点において、成形物に対して張力がかかった状態とすることによって、離型時に成形体の歪みが生じることを抑制して、得られる成形体の形状精度を高めることができる。ここで、張力は、被プレス材の搬送方向に沿う方向の力として作用させることが好ましい。そして、張力の大きさは、所謂、ロール・ツー・ロールの製造方式を採用した場合において、被プレス材を巻き取るための巻取りロールを少なくとも用いることにより制御されることが好ましい。工程(D)にて張力を制御する際に巻取りロールを用いることで、一層効率的に成形体を製造することができるからである。
さらに、工程(D)のみならず、上述した工程(A)以降、工程(D)を開始する時点までの各段階において、被プレス材に対して継続的または断続的に張力がかけられていることが好ましい。得られる成形体の形状精度を一層高めることができるからである。勿論、上記期間以外に行う他の工程においても、成形体に対して張力がかけられていても良い。
なお、本発明の成形体の製造方法では、上述した工程(A)~(D)を繰り返し実施して成形体を連続的に製造することが好ましい。工程(A)~(D)を繰り返し実施すれば、成形体を量産することができる。
ここで、成形体を連続的に製造する場合、生産性を更に高める観点からは、工程(B)間の間隔を300秒以下とすることが好ましく、250秒以下とすることがより好ましい。なお、工程(B)間の間隔を短くした場合、工程(A)において金型を加熱した際に加圧面に温度分布が生じ易いが、上述した本発明の熱プレス装置を使用すれば、工程(B)間の間隔を300秒以下にした場合であっても、成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制することができる。
また、成形体を連続的に製造する場合、被プレス材をロール・ツー・ロール方式で供給することが好ましい。巻き出しロールから繰り出された被プレス材を一対のプレス盤部で熱プレスした後、形成された成形体を分離する前または後に巻取りロールで巻き取れば、成形体を効率的に連続製造することができる。
以上、本発明の熱プレス装置および成形体の製造方法について説明したが、本発明の熱プレス装置および成形体の製造方法は、上述した内容に限定されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例において、各種評価は以下の方法で行った。
(1)熱可塑性樹脂のガラス転移温度
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(SIIナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、JIS K6911に基づき昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(2)熱可塑性樹脂フィルムおよび熱伝導層の厚み
スナップゲージ(ミツトヨ製)を用いて、熱可塑性樹脂フィルムおよび熱伝導層の任意の5箇所の厚みを測定し、平均値を熱可塑性樹脂フィルムおよび熱伝導層の厚みとした。但し、熱伝導層が空気層の場合は、空気層にシックネスゲージを差し込み、厚みを測定した。
(3)熱伝導率
熱伝導率が10W/m・K以下のものは、JIS R2616に準拠して測定し、10W/m・K超のものは、JIS R1611に準拠して測定した。
(4)熱伝導層の引張弾性率
樹脂製の熱伝導層は、JIS K7127に準拠して測定した。また、金属製の熱伝導層は、JIS Z2241に準拠して測定した。
(5)光学レンズの厚み精度(中央と端部のレンズ中央厚みの差)
加圧面の中央付近で形成された光学レンズ7個と、中央から50mm以上離れた端部付近の光学レンズ7個とを任意にサンプリングし、形状測定装置(パナソニック社製、UA3P)にてそれぞれの光学レンズ中央の厚みを測定し、下記式にて光学レンズの厚み精度Yを求めた。Yの値が小さいほど、厚み精度に優れていることを示す。
Figure 0007259366000001
(6)光学レンズの上下中心位置精度
加圧面の中央付近で形成された光学レンズ7個と、中央から50mm以上離れた端部付近の光学レンズ7個とを任意にサンプリングし、形状測定装置(パナソニック社製、UA3P)にてそれぞれの光学レンズの上面と下面の中心位置の差を測定した。そして、14個の光学レンズの標準偏差を光学レンズ上下中心位置精度とした。標準偏差の値が小さいほど、上下中心位置精度が優れていることを示す。
(7)熱伝導層の耐久性
50回連続でプレスした後の熱伝導層の厚みを測定し、プレス前の熱伝導層の厚みに対しての変化率(={|プレス後の厚み-プレス前の厚み|/プレス前の厚み}×100%)を求め、下記基準にて評価した。変化率が小さいほど、熱伝導層が耐久性に優れていることを示す。
A:変化率が5%以下
B:変化率が5%超50%以下
C:変化率が50%超
(8)加圧面の温度分布
K型熱電対(理化工業製、ST-56)を準備し、金型/ポリイミドテープ/K型熱電対/シリコンシート/ポリイミドテープの構成にして、金型表面(加圧面)の温度を測定した。測定位置は、加圧面中央と、金型の4辺から100mm内側の端部4か所の合計5箇所である。
(実施例1)
シクロオレフィン系樹脂であるZEONEX E48R(ガラス転移温度139℃、日本ゼオン(株)製)のペレットを100℃で5時間乾燥した後、単軸の押出し機に供給した。樹脂は押出し機内で溶融された後、ポリマーパイプおよびポリマーフィルターを経て、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押出されて冷却され、厚み400μm、幅300mmの熱可塑性樹脂フィルム(被プレス材)のロールを得た。
得られた熱可塑性樹脂フィルムのロールと、図1および2に示した熱プレス装置とを使用し、ロール・ツー・ロール方式で光学レンズを製造した。なお、ヒーターとしては、誘導加熱方式のヒーターを用いた。また、使用した熱プレス装置の熱伝導調節部の厚み(ヒーターと平板金型との間の距離)は、平面視中央部が223μmであり、平面視端部(加圧面の各端縁の中央から100mm内側に入った位置(4箇所)の平均値)が740μmであった。更に、平面視端部の金属層(高熱伝導層)としては、厚さ600μm、幅200mmの四角環状のSTAVAX板(熱伝導率:20W/m・K、引張弾性率:180GPa)を使用した。また、平板金型としては、表面がNi系めっきされており、直径5mmの光学レンズ(凹凸レンズ)を形成する成形用キャビティ(最浅部の深さ:300μm、最深部の深さ:660μm)を加圧面に240個有するものを使用した。
具体的には、まず、ヒーターの設定温度を190℃にして平板金型を加熱し、120秒後に、加圧面について、中央と、各辺の中央から100mm内側の4箇所(端部A~D)との合計5箇所の温度を測定した。結果を表1に示す。
次に、搬送方向(フィルムの長手方向に沿う方向)に張力をかけた状態の熱可塑性樹脂フィルムを所定位置まで搬送した。そして、90℃の状態で上記一対の平板金型により熱可塑性樹脂フィルムを挟み込み(プレス圧:1kN)、その状態を維持したまま、190℃まで平板金型を加熱した(工程(A))。そして、一対の平板金型を用いてプレス圧6kNで熱可塑性樹脂フィルムを熱プレスして、成形物としての熱プレスフィルムを得た(工程(B))。さらに、熱プレスフィルムをプレスしたままの状態で、一対の平板金型を90℃まで冷却して、金型間に挟まれた状態の熱プレスフィルムを冷却した(工程(C))。その後、平板金型を開いて金型の冷却を終了し、得られた成形フィルムを離型した(工程(D))。そして、得られた成形フィルムについて、丸刃での打ち抜きを実施して成形体としての光学レンズを得た。搬送を開始してから離型を完了するまでに要した時間(工程(A)~工程(D)の実施に要するサイクルタイム)は、240秒であり、工程(A)に要した時間は120秒であり、熱プレス(工程(B))に要した時間は30秒であった。得られた光学レンズについて、上記に従って各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
平面視端部の金属層として、STAVAX板に替えて厚さ550μm、幅200mmの四角環状のアルミニウム板(熱伝導率:236W/m・K、引張弾性率:69GPa)を使用した以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
平面視端部の金属層として、STAVAX板に替えて厚さ600μm、幅200mmの四角環状の銅板(熱伝導率:398W/m・K、引張弾性率:117GPa)を使用した以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
平面視端部の金属層として、STAVAX板に替えて厚さ600μm、幅200mmの四角環状のSUS304板(熱伝導率:16.7W/m・K、引張弾性率:197GPa)を使用し、熱可塑性樹脂フィルムを枚葉で供給した以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。なお、熱可塑性樹脂フィルムの供給を開始してから離型を完了するまでに要した時間(サイクルタイム)は、600秒であった。
(実施例5)
厚さが125μm、75μmおよび25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン製、カプトン)を準備した。そして、厚さ125μmのポリイミドフィルム5枚、厚さ75μmのポリイミドフィルム1枚および厚さ25μmのポリイミドフィルム1枚を積層し、厚さ725μm、幅200mmの四角環状のポリイミド板(熱伝導率:0.16W/m・K、引張弾性率:3.3GPa)を作製した。
そして、高熱伝導層として金属層に替えて上記ポリイミド板よりなる樹脂層を使用した以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
厚さが100μmのポリテトラフルオロエチレンフィルム(フロンケミカル製、ネオフロンFEPフィルム)7枚を積層し、厚さ700μm、幅200mmの四角環状のPTFE板(熱伝導率:0.23W/m・K、引張弾性率:0.5GPa)を作製した。
そして、高熱伝導層として金属層に替えて上記PTFE板よりなる樹脂層を使用した以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
参考例
使用した熱プレス装置の熱伝導調節部の構造を図3(a)に示す構造とし、熱伝導調節部の平面視中央部の厚みを200μmとし、平面視端部の厚みを720μmにした以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、平面視中央部の断熱層としては、厚さ100μmの断熱シート(パナソニック製、NASBIS)2枚を積層して形成した厚さ200μmの断熱板(熱伝導率:0.02W/m・K)を使用し、平面視端部の金属層としては実施例1と同じSTAVAX板を用いた。
(比較例1)
平面視端部に高熱伝導層としての金属層を配置しなかった(即ち、熱伝導調節部を1つの空気層のみで構成した)以外は実施例1と同様にして光学レンズを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007259366000002
表1より、所定の熱伝導調節部を有する熱プレス装置を用いた実施例1~6および参考例では、空気層のみからなる熱伝導調節部を有する熱プレス装置を用いた比較例1と比較し、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造し得ることが分かる。
本発明によれば、複数の成形体を同時に形成した際に得られる成形体にバラつきが発生するのを良好に抑制し得る熱プレス装置を提供することができる。
また、本発明によれば、バラつきが抑制された成形体を効率的に製造することができる。
1 可動プレス盤部
2 固定プレス盤部
4 駆動機構
10 平板金型
11 加圧面
20 テーブル
30 固定具
50 ヒーター
60 熱伝導調節部
60A 平面視中央部
60B 平面視端部
61 金属層
62 空気層
63 断熱層
100 熱プレス装置

Claims (10)

  1. 複数の成形用キャビティが設けられた加圧面を含む金型を有する一対のプレス盤部を備える熱プレス装置であって、
    少なくとも一方のプレス盤部は、前記金型を加熱する加熱部と、前記金型と前記加熱部との間に位置する熱伝導調節部とを更に有し、
    前記熱伝導調節部は、平面視中央部が、少なくとも1層の熱伝導層を有し、平面視端部が、厚み方向の熱伝導率が互いに異なる少なくとも2層の熱伝導層を有し、且つ、前記平面視端部が、前記平面視中央部よりも厚み方向の熱伝導率が高く、
    前記熱伝導調節部は、前記平面視中央部から前記平面視端部まで延在する共通熱伝導層を少なくとも1層有し、且つ、前記平面視端部は、前記共通熱伝導層よりも厚み方向の熱伝導率が高い熱伝導層を少なくとも1層有し、
    前記共通熱伝導層は空気層を含む、熱プレス装置。
  2. 前記熱伝導調節部は、前記平面視中央部の厚みが、前記平面視端部の厚みよりも薄い、請求項1に記載の熱プレス装置。
  3. 前記平面視端部に位置する熱伝導層のうち厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の厚み方向の熱伝導率が、他の熱伝導層の厚み方向の熱伝導率の平均値よりも0.5W/m・K以上高い、請求項1または2に記載の熱プレス装置。
  4. 前記厚み方向の熱伝導率が最も高い熱伝導層の引張弾性率が2.5GPa以上である、請求項3に記載の熱プレス装置。
  5. 透過型光学素子の成形に用いられる、請求項1~の何れかに記載の熱プレス装置。
  6. 請求項1~の何れかに記載の熱プレス装置を用いて被プレス材を熱プレスし、複数の成形体を同時に成形する工程を含む、成形体の製造方法。
  7. 前記成形体が樹脂成形体である、請求項に記載の成形体の製造方法。
  8. 前記成形体が透過型光学素子である、請求項またはに記載の成形体の製造方法。
  9. 金型を加熱する工程(A)と、被プレス材を熱プレスして複数の成形体を同時に成形する工程(B)とを繰り返し実施して成形体を連続的に製造する、請求項の何れかに記載の成形体の製造方法であって、
    前記工程(B)間の間隔が300秒以下である、成形体の製造方法。
  10. 前記被プレス材をロール・ツー・ロール方式で供給して前記成形体を連続的に製造する、請求項に記載の成形体の製造方法。
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