以下、図面と共に本発明に係る移動機、中継ノード及び通信制御方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、移動体通信(携帯電話)の規格として4G LTE(Long Term Evolution)を例として説明する。図1に本実施形態に係る移動機(UE:User Equipment)10、及び本実施形態に係る中継ノードであるP-GW20を示す。移動機10は、移動体通信網30において移動体通信を行う装置である。移動機10は、例えば、様々な装置等に取り付け又は組み込まれると共にIoTに用いられるIoT機器である。移動機10は、電池によって動作する。上述したようにIoT機器は、電池交換無しで数年~10年程度稼働することが求められており、通信による電力消費の削減が求められる。なお、移動機10は、IoT機器以外の装置であってもよい。移動機10は、後述する本実施形態に係る機能以外にも、通常移動機が備える機能を備えていてもよい。
P-GW20は、移動体通信網30に含まれる、具体的には、移動体通信網30のコアネットワークの構成要素であると共に移動機10に係るデータの中継を行う中継ノードであるパケット交換機である。P-GW20は、移動体通信網30におけるPDN40との接続点である。また、P-GWは、後述するS-GWへのパケット転送を行う。即ち、P-GW20は、移動機10とPDN40との間のデータの中継を行う。PDN40は、接続先ネットワークであり、例えば、インターネットである。また、P-GW20は、IPアドレスの割り当てを行い、PCRF(Policy and Charging Rules Function)と連携してQoS(Quality of Service)制御、ベアラ設定制御等を行う。P-GW20は、後述する本実施形態に係る機能以外にも、通常移動機が備える機能を備えていてもよい。
移動体通信網30は、移動機10に移動体通信機能を提供する通信網である。移動体通信網30は、P-GW20以外にも構成要素を有しており、これらの構成要素が動作することで移動機10に移動体通信機能を提供する。例えば、移動体通信網30は、これらの構成要素として、eNodeB、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving Gateway)、PCRF等のノードを備えている。
eNodeBは、移動体通信網30における基地局である。MMEは、eNodeBを収容し、モビリティ制御、ベアラ制御機能等を提供する交換機である。S-GWは、eNodeBを収容する在圏パケット交換機である。PCRFは、ユーザデータ転送のQoS及び課金のための制御を行う論理ノードである。また、移動体通信網30は、これ以外の構成要素を備えていてもよい。
引き続いて、本実施形態に係る移動機10及びP-GW20の機能を説明する。図1に示すように本実施形態に係る移動機10は、メッセージ受信部11と、通信部12と、移動機側制御部13とを備えて構成される。
メッセージ受信部11は、移動体通信網30から、自機に係るデータの中継を行う中継ノードを通知すると共に当該中継ノードの有効期間を示す情報を含むメッセージを受信する機能部である。当該メッセージは、具体的には、RAメッセージである。RAメッセージによって通知される中継ノードは、PDN40のデフォルトルータであるP-GW20である。RAメッセージは、例えば、移動機10が、PDN40との間でデータを送受信するための接続であるPDN接続を行う際(セッション確立時、IPアドレスアサイン時)にP-GW20から送信される。
PDN接続は、例えば、移動機10が移動体通信網30に対して位置登録(アタッチ)を行う際に行われる。PDN接続を行う際には、移動機10は、移動体通信網30に対して、予め記憶した接続先のPDNを示す情報であるAPN(Access Point Name)を含めたPDN接続要求を移動体通信網に送信する。移動機10から移動体通信網に送信されたPDN接続要求は、eNodeB、MME及びS-GWを経由してP-GW20に送信される。移動機10から送信されるPDN接続要求は、具体的にはESM_PDN Connectivity Requestである。MMEは、ESM_PDN Connectivity Requestを受信する。MMEは、ESM_PDN Connectivity Requestを受信すると、移動体通信網30内におけるPDN接続要求であるGTPv2_Create Session RequestをS-GWを介してP-GW20に送信する。P-GW20は、当該信号を受信するとPDN接続要求応答を送信すると共にRAメッセージを移動機10に送信する。移動機10がPDN接続要求応答を受信するとPDN接続が確立される。
P-GW20から移動機10宛に送信されたRAメッセージは、S-GW、eNodeBを介して移動機10に送信される。メッセージ受信部11は、受信したRAメッセージを通信部12に出力する。
メッセージ受信部11は、RAメッセージの送信をP-GW20に要求することもできる。メッセージ受信部11は、当該要求としてRS(Router Solicitation)メッセージをP-GW20に送信する。
通信部12は、移動体通信網30におけるベアラを確立して、メッセージ受信部11によって受信されたRAメッセージに含まれる情報に基づき移動体通信網30を介したデータの送受信を行う機能部である。通信部12は、メッセージ受信部11からRAメッセージを入力する。
RAメッセージには、PDN40のデフォルトルータであるP-GW20を示す情報が含まれる。通信部12は、P-GW20をデフォルトルータとして通信(PDN40との間でのデータの送受信)を行う。また、RAメッセージには、プレフィックス(IPv6Prefix)が含まれる。通信部12は、(移動機10)自身でInterface IDを生成し、RAメッセージに含まれるプレフィックスと生成したInterface IDとによってIPv6アドレスを生成する。通信部12は、生成したIPv6アドレスを用いて通信を行う。通信部12は、P-GW20(RAメッセージの送信元)をデフォルトルータとみなす有効期間(Router Lifetime)、及び生成したIPv6アドレスの有効期間(Preferred Lifetime/Valid Lifetime)を管理する。有効期間が切れると、デフォルトルータ又はIPv6アドレスを用いることができず、通信部12は通信を行うことができない。
RAメッセージには、当該有効期間に係る情報として、Router Lifetime、Preferred Lifetime及びValid Lifetimeを含む。Router Lifetimeは、移動機10がRAメッセージによって確定したデフォルトルータの有効期間である。RFC4861では、Router Lifetimeの設定可能な最大値は、65,535秒である。
Preferred Lifetimeは、RAメッセージによって通知されたプレフィックスを移動機10が通信時のIPv6アドレスのソースアドレスとして許可する時間である。推奨する有効期間を過ぎても新たなRAメッセージを受信しないと、移動機10は、該当するプレフィックス以外のアドレスを通信時のソースアドレスとして使用することを試行する。但し、移動機10は、他に適切なプレフィックスを持たない場合には、推奨する有効期間を過ぎたプレフィックスを通信に使用する。
Valid Lifetimeは、RAメッセージによって通知されたプレフィックスが消滅するまでの時間である。有効期間を過ぎても新たなRAメッセージを受信しないと、移動機10は、該当するプレフィックスのアドレスを削除する。RFC4861では、Preferred Lifetime及びValid Lifetimeの設定可能な最大値は、無限大(Infinity)である。上記の通り、IPv6アドレス(プレフィックス)に係る有効期間は規格上無限大が設定可能であるので、IPv6アドレスの点では、移動機10は一旦RAメッセージを受信したら、新たなRAメッセージを受信しなくても通信を行うことができる。
一方で、デフォルトルータの有効期間は規格上上限があるので、デフォルトルータの点では、移動機10は有効期間を過ぎると通信を行うことができなくなる。そのため、従来の移動機は、デフォルトルータの有効期限が切れる前に新たなRAメッセージを受信していた。例えば、非特許文献1によれば、P-GWは、4.5時間~6時間間隔でRAメッセージを定期送信することが定められている。即ち、従来の移動機は、定期的にRAメッセージを受信していた。本実施形態では、RAメッセージは、規格で認められているものが用いられる。従って、デフォルトルータの有効期間は上限がある。本実施形態では、移動機10の通信に必要な定期的なRAメッセージの送受信を削減して移動機10の電力の消費を低減するものである。
通信部12は、上記のようにPDN接続(セッション)を確立して通信を行う。PDN接続には、移動機10とP-GW20との間のベアラが含まれる。通信部12は、PDN40に送信するデータ(上りユーザデータ)が発生すると当該データを、確立されているPDN接続を介してPDN40に送信する。通信部12は、PDN40からデータ(下りユーザデータ)が移動機に送信されると当該データを、確立されているPDN接続を介して受信する。通信部12とPDN40との間のユーザデータの送受信は、移動体通信網30におけるeNodeB、S-GW及びP-GW20を介して行われる。
デフォルトルータの有効期間を過ぎると移動機10は、PDN40との間のデータの送受信を行うことができなくなるが、PDN接続(ベアラ)を解放せずに維持しておく、即ち、PDN接続(ベアラ)に係る情報を記憶しておくことで当該PDN接続を介してP-GW20との間で信号の送受信を行うことができる。
移動機側制御部13は、移動体通信網30に対してRAメッセージの送信中止を要求すると共にデフォルトルータの有効期間の経過以降にベアラの解放を禁止する機能部である。例えば、移動機側制御部13は、移動機10から移動体通信網30に送信されるPDN接続要求に、RAメッセージの送信中止を要求するRA削減要求を含める。具体的には、移動機側制御部13は、ESM_PDN Connectivity RequestのPCO(Protocol Configuration Options)又はePCOにRA削減要求を含める。PCOは、移動機10とP-GW20との経路上のMME、S-GWでは透過転送される。当該要求に基づいてRAメッセージがP-GW20から送信されず移動機10によって受信されないと、デフォルトルータの有効期間の経過以降は、移動機10はPDN40との間でデータの送受信を行えなくなる。なお、RA削減要求は、PDN接続要求時以外の予め設定されたタイミングで送信されてもよい。
移動機側制御部13は、移動体通信網30に対してRAメッセージの送信中止を要求すると、メッセージ受信部11に対してRSメッセージの送信を中止させる。RSメッセージが送信されないため、RSメッセージの送信に応じたP-GW20から移動機10へのRAメッセージの送信も行われない。
移動機側制御部13は、移動体通信網30に対してRAメッセージの送信中止を要求すると、通信部12に対してデフォルトルータの有効期間の経過以降にPDN接続の解放を禁止する。当該解放の禁止の制御によって、移動機10はP-GW20との間で信号の送受信を行うことができる。デフォルトルータの有効期間の経過後、以下の通り移動機10では、次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移する。
デフォルトルータの有効期間の経過以降に(即ち、次回通信契機のRA更新待ちモードにおいて)移動機10から移動体通信網30を介したPDN40への送信データ(上りユーザデータ)がある場合(上り通信契機の場合)、以下のように当該送信データを送信する。移動機10において上りユーザデータが発生すると、メッセージ受信部11は、上りユーザデータの発生を検出して、通信部12によって維持されているPDN接続を介して移動体通信網30にRAメッセージの送信を要求する。即ち、メッセージ受信部11は、PDN接続を介してRSメッセージをP-GW20に送信する。なお、この時点で移動機10と移動体通信網30との間の無線接続も切断されているのでRSメッセージの送信の前に、移動機10は移動体通信網30との間で無線接続の確立、具体的には、eNodeB、MME及びS-GWとの間でUE起動Service Requestの処理を行う。また、通信部12は、上位レイヤから受信した上りユーザデータをバッファリングしておく。
メッセージ受信部11は、RSメッセージの送信に応じてP-GW20から送信されたRAメッセージを受信する。メッセージ受信部11は、受信したRAメッセージを通信部12に出力する。通信部12は、メッセージ受信部11によって受信されたRAメッセージに含まれる情報に基づいて上りユーザデータの送信を行う。即ち、通信部12は、当該RAメッセージによってデフォルトルータの有効期間を更新することでPDN40へのデータの送信を可能にして、バッファリングした上りユーザデータをPDN40に送信する。なお、新たなRAメッセージを受信した際には、当該RAメッセージに基づくIPv6アドレスの生成及びIPv6アドレスに係る有効期間の管理等も行われてもよい(以下についても同様)。
デフォルトルータの有効期間の経過以降に(即ち、次回通信契機のRA更新待ちモードにおいて)PDN40から移動体通信網30を介した移動機10への送信データ(下りユーザデータ)がある場合(下り通信契機の場合)、以下のように当該送信データを受信する。この場合、後述するようにP-GW20からRAメッセージが送信される。この時点で移動機10と移動体通信網30との間の無線接続も切断されているのでRAメッセージの送信の前に、移動機10は移動体通信網30との間で無線接続の確立、具体的には、eNodeB、MME及びS-GWとの間でNW起動Service Requestの処理を行う。メッセージ受信部11は、P-GW20から送信されたRAメッセージを受信する。メッセージ受信部11は、受信したRAメッセージを通信部12に出力する。通信部12は、メッセージ受信部11によって受信されたRAメッセージに含まれる情報に基づいて下りユーザデータの受信を行う。即ち、通信部12は、当該RAメッセージによってデフォルトルータの有効期間を更新することでPDN40からのデータの受信を可能にして、P-GW20から送信される下りユーザデータを受信する。
また、上記の通り、デフォルトルータの有効期限が更新されると、通信部12は、PDN40への送信データ(上りユーザデータ)(例えば、アプリレイヤのAck)を送信することができる。以上が、本実施形態に係る移動機10の機能である。
図1に示すように本実施形態に係るP-GW20は、メッセージ送信部21と、中継部22と、中継ノード側制御部23とを備えて構成される。
メッセージ送信部21は、移動機10に、当該移動機10に係るデフォルトルータとして自ノード20を通知すると共に当該デフォルトルータの有効期間を示す情報を含むRAメッセージを送信する機能部である。例えば、メッセージ送信部21は、移動機10のPDN接続時にRAメッセージを送信する。具体的には、移動機10のPDN接続時、P-GW20は、移動機10からのPDN接続要求(S-GWからのGTPv2_Create Session Request)を受信する。P-GW20は、PDN接続要求に対するPDN接続要求応答を移動機10に送信する。P-GW20から送信されたPDN接続要求応答は、S-GW、MME及びeNodeBを経由して移動機10に送信される。P-GW20から送信されるPDN接続要求応答は、具体的にはGTPv2_Create Session Responseである。MMEは、S-GWを介してGTPv2_Create Session Responseを受信する。MMEは、GTPv2_Create Session Responseを受信すると、移動機10に対するPDN接続要求応答であるESM_Activate Default EPS Bearer Context Requestを移動機10に送信する。移動機10がPDN接続要求応答を受信するとPDN接続が確立される。ESM_Activate Default EPS Bearer Context Requestを受信した移動機10は、それに対する応答であるESM_Activate Default EPC Bearer Context AcceptをMMEに送信する。P-GW20では、PDN接続要求応答を送信すると、メッセージ送信部21がRAメッセージを移動機10に送信する。
後述するようにメッセージ送信部21は、中継ノード側制御部23からRAメッセージの送信禁止の制御を受ける。メッセージ送信部21は、当該制御を受けていない場合には、移動機10におけるデフォルトルータの有効期間が経過しないように定期的にRAメッセージを送信してもよい。
中継部22は、メッセージ送信部21によってRAメッセージを送信する移動機10に係る移動体通信網30におけるベアラを確立してデータの中継を行う機能部である。中継部22は、上記のように移動機10に係るPDN接続(セッション)を確立してPDN接続を介して移動機10とPDN40との間のデータの中継を行う。
中継部22は、移動機10からPDN接続を介してPDN40宛のデータ(上りユーザデータ)を受信してPDN40に送信する。中継部22は、PDN40から移動機10宛のデータ(下りユーザデータ)を受信してPDN接続を介して移動機10に送信する。
移動機10に送信したRAメッセージで示されるデフォルトルータの有効期間を過ぎると中継部22は、移動機10との間のデータの送受信を行うことができなくなるが、PDN接続(ベアラ)を解放せずに維持しておく、即ち、PDN接続(ベアラ)に係る情報を記憶しておくことで当該PDN接続を介して移動機10との間で信号の送受信を行うことができる。
中継ノード側制御部23は、メッセージ送信部21によってRAメッセージを送信する移動機10から移動体通信網30に対するRAメッセージの送信中止の要求を受け付けて、当該移動機10へのRAメッセージの送信を中止させると共にデフォルトルータの有効期間の経過以降にベアラの解放を禁止する機能部である。上述したようにRAメッセージの送信中止の要求は、例えば、移動機10からP-GW20に送信されるPDN接続要求にRA削減要求が含められることで行われる。中継ノード側制御部23は、中継部22によって、RA削減要求を含むPDN接続要求が受信されると、移動機10からRAメッセージの送信中止の要求を受け付ける。当該要求を受けて中継ノード側制御部23は、メッセージ送信部21に対して、当該移動機10へのRAメッセージの定期的な送信を中止させる。但し、PDN接続時、即ち、最初のRAメッセージの送信は中止させない。当該要求に基づいてRAメッセージがP-GW20から送信されず移動機10によって受信されないと、デフォルトルータの有効期間の経過以降は、P-GW20は、移動機10とPDN40との間のデータの中継を行えなくなる。
中継ノード側制御部23は、当該移動機10についてのRAメッセージの最終送信時刻及びデフォルトルータの有効期間、即ち、デフォルトルータの有効期限満了予定時刻を保持しておく。中継ノード側制御部23は、当該移動機10について、中継部22に対してデフォルトルータの有効期間(満了予定時刻)の経過以降にPDN接続の解放を禁止する。当該解放の禁止の制御によって、P-GW20は移動機10との間で信号の送受信を行うことができる。デフォルトルータの有効期間の経過後、以下の通りP-GW20では、次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移する。
中継ノード側制御部23は、上記の制御を行っている際に後述するように新たにメッセージ送信部21からRAメッセージを送信した場合には、保持している当該移動機10についてのRAメッセージの最終送信時刻及びデフォルトルータの有効期間を更新する。
デフォルトルータの有効期間の経過以降に(即ち、次回通信契機のRA更新待ちモードにおいて)移動機10から移動体通信網30を介したPDN40への送信データ(上りユーザデータ)がある場合(上り通信契機の場合)、以下のように当該送信データを中継する。移動機10において上りユーザデータが発生すると、移動機10は、中継部22によって維持されているPDN接続を介して移動体通信網30にRAメッセージの送信を要求する。即ち、移動機10は、PDN接続を介してRSメッセージをP-GW20に送信する。メッセージ送信部21は、PDN接続を介して移動機10からのRSメッセージを受信して、移動機10にRAメッセージを送信する。
移動機10は、RAメッセージを受信し、受信されたRAメッセージに含まれる情報に基づいて上りユーザデータの送信を行う。即ち、移動機10は、当該RAメッセージによってデフォルトルータの有効期間を更新することでPDN40へのデータの送信に可能にして、ユーザデータをPDN40に送信する。中継部22は、送信されたユーザデータを受信してPDN40に送信する。即ち、中継部22は、メッセージ送信部21によるRAメッセージの送信に応じて送信データの中継を行う。
デフォルトルータの有効期間の経過以降に(即ち、次回通信契機のRA更新待ちモードにおいて)PDN40から移動体通信網30を介した移動機10への送信データ(下りユーザデータ)がある場合(下り通信契機の場合)、以下のように当該送信データを中継する。この場合、中継部22は、PDN40から下りユーザデータを受信する。メッセージ送信部21は、当該下りユーザデータの受信を検出して、中継部22によって維持されているPDN接続を介して移動機10にRAメッセージを送信する。
移動機10は、RAメッセージを受信し、受信されたRAメッセージに含まれる情報に基づいて下りユーザデータの送信を行う。即ち、移動機10は、当該RAメッセージによってデフォルトルータの有効期間を更新することでPDN40からのデータの受信を可能にする。中継部22は、PDN40から受信したユーザデータを移動機10に送信する。即ち、中継部22は、メッセージ送信部21によるRAメッセージの送信に応じて送信データの中継を行う。以上が、本実施形態に係るP-GW20の機能である。
なお、移動体通信網におけるP-GW全てが、本実施形態に係るP-GW20の上述した機能を有していないことが考えられる。そこで、P-GWは、移動機10から、RA削減要求を受け付けた際に自ノードがそれに対して対応できるか(即ち、RAメッセージの削減可否)を判断してもよい。P-GWが、RA削減要求に対して対応できる場合、即ち、P-GWが本実施形態に係るP-GW20である場合、RA削減要求に対して肯定の応答をすると共に上述したRA削減を行う。P-GWが、RA削減要求に対して対応できない場合、即ち、P-GWが本実施形態に係るP-GW20でない場合、RA削減要求に対して否定の応答をすると共に上述したRA削減を行わない。この場合、P-GWは、定期的なRAメッセージの送信を行い、移動機10側も従来と同様に定期的なRAメッセージに応じた処理を行う。上記の肯定又は否定の応答は、例えば、PDN接続要求応答に含められる。具体的には、GTPv2_Create Session ResponseのPCO(Protocol Configuration Options)に肯定又は否定の応答を示す情報が含められる。移動機10は、当該情報を保持しておく。
このように移動機10とP-GW20との間でRAメッセージ削減のネゴシエーションが行われてもよい。ネゴシエーションが成功した場合、即ち、上記の肯定の応答がされた場合には、移動機10とP-GW20とは上述した本実施形態に係る機能を実行し、ネゴシエーションが失敗した場合、即ち、上記の否定の応答がされた場合には、移動機10とP-GW20とは従来と同様に定期的なRAメッセージの送受信及びそれに応じた機能を実行する。
引き続いて、図2~図5のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る移動機10及びP-GW20で実行される処理(移動機10及びP-GW20が行う動作方法)である通信制御方法を説明する。まず、図2のシーケンス図を用いてPDN接続が行われる際の処理を説明する。
移動機10では、移動機側制御部13によって、移動体通信網30に対してRAメッセージの送信中止が要求される。また、通信部12によって、ベアラを含むPDN接続の確立の処理が行われる。具体的には、移動機10からP-GW20に送信されるPDN接続要求にRA削減要求が含められる(S01、通信ステップ、移動機側制御ステップ)。P-GW20では、中継ノード側制御部23によって、移動機10から移動体通信網30に対するRAメッセージの送信中止の要求を受け付けられる。また、中継部22によって、ベアラを含むPDN接続の確立の処理が行われる。具体的には、移動機10からP-GW20に送信された、RA削減要求を含むPDN接続要求が受信される(S01、中継ステップ、中継ノード側制御ステップ)。
続いて、P-GW20では、RA削減要求に対して対応できるか否かが判断される(S02)。本実施形態に係る機能を有しているP-GW20では、RA削減要求に対して対応できる、即ち、RAメッセージを削減すると判断される。この場合、P-GW20では、移動機10に対してRA削減に対する肯定の応答が行われる。具体的には、P-GW20から移動機10に送信されるPDN接続要求応答にその旨が含められる(S03)。
本実施形態に係る機能を有していないP-GWでは、RA削減要求に対して対応できない、即ち、RAメッセージを削減しないと判断される。この場合、P-GWでは、移動機10に対してRA削減に対する否定の応答が行われる。具体的には、P-GWから移動機10に送信されるPDN接続要求応答にその旨が含められる(S03)。
移動機10では、PDN接続要求応答が受信される。移動機10では、PDN接続要求応答に含まれる応答、即ち、RA削減可否を示す情報が保持される(S04)。上記の肯定の応答がされた場合には、以下の処理が実行される。一方で、上記の否定の応答がされた場合には、従来と同様に定期的なRAメッセージの送受信及びそれに応じた処理が実行される(この場合のこれ以降の図示及び説明を省略する)。
続いて、P-GW20では、メッセージ送信部21によって、移動機10に対してRAメッセージが送信される(S05、メッセージ送信ステップ)。RAメッセージが送信された移動機10では、メッセージ受信部11によってRAメッセージが受信される(S05、メッセージ受信ステップ)。続いて、通信部12によって、RAメッセージに応じた処理が行われる。具体的には、IPv6アドレス及びデフォルトルータの設定等である。これらの処理によって、移動機10に係る、ベアラを含むPDN接続が確立される。また、移動機10では、設定されたIPv6アドレス及びデフォルトルータ等に基づくPDNとの間の通信が可能になる。以上が、PDN接続が行われる際の処理である。
続いて、図3のシーケンス図を用いてPDN接続が行われてから時間が経過した際の処理を説明する。P-GW20において、RAメッセージの送信から、RAメッセージの定期送信間隔の時間が経過すると(S11)、中継ノード側制御部23による制御が行われる(S12、中継ノード側制御ステップ)。具体的には、中継ノード側制御部23によって、メッセージ送信部21に対して移動機10へのRAメッセージの送信を中止する制御が行われる。この制御によって、P-GW20から移動機10にRAメッセージが送信されない。また、中継ノード側制御部23によって、中継部22に対してデフォルトルータの有効期間の経過以降にPDN接続の解放を禁止する制御が行われる。この制御によって、デフォルトルータの有効期間の経過以降もP-GW20は移動機10との間で信号の送受信を行うことができる。なお、中継ノード側制御部23による制御のタイミングは、必ずしも上記のタイミングである必要はなく、上記の制御が行われ得るタイミングであればよい。続いて、P-GW20は、次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移する(S13)。
移動機10において、RAメッセージの受信から、デフォルトルータの有効期間が経過すると(S21)、移動機側制御部13による制御が行われる(S22、移動機側制御ステップ)。具体的には、移動機側制御部13によって、メッセージ受信部11に対してRSメッセージの送信を中止する制御が行われる。この制御によって、移動機10からP-GW20にRSメッセージが送信されない。移動機10からP-GW20にRSメッセージが送信されないため、RSメッセージの送信に応じたP-GW20から移動機10へのRAメッセージの送信も行われない。また、移動機側制御部13によって、通信部12に対してデフォルトルータの有効期間の経過以降にPDN接続の解放を禁止する制御が行われる。この制御によって、デフォルトルータの有効期間の経過以降も移動機10はP-GW20との間で信号の送受信を行うことができる。なお、移動機側制御部13による制御のタイミングは、必ずしも上記のタイミングである必要はなく、上記の制御が行われ得るタイミングであればよい。続いて、移動機10は、次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移する(S23)。デフォルトルータの有効期間の経過後は、移動機10とPDN40との間のデータの送受信は行えなくなる。以上が、PDN接続が行われてから時間が経過した際の処理である。
続いて、図4のシーケンス図を用いて、移動機10及びP-GW20が次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移した後、移動機10からPDN40にデータが送信される際の処理である。移動機10において上りユーザデータが発生すると、メッセージ受信部11によって、上りユーザデータの発生が検出される(S31)。続いて、通信部12によって維持されているPDN接続を介して、メッセージ受信部11によってRSメッセージがP-GW20に送信される(S32、メッセージ受信ステップ)。P-GW20では、メッセージ送信部21によってRSメッセージが受信される(S32、メッセージ送信ステップ)。なお、RSメッセージの送信の前に移動機10は移動体通信網30との間で無線接続の確立、具体的には、UE起動Service Requestの処理を行う。
続いて、メッセージ送信部21によってRAメッセージが移動機10に送信される(S33、メッセージ送信ステップ)。移動機10では、メッセージ受信部11によって、RAメッセージが受信される(S33、メッセージ受信ステップ)。続いて、通信部12によって、RAメッセージに応じた処理が行われる(S34)。具体的には、デフォルトルータの有効期間の更新である。この処理によって、移動機10とPDN40との間のデータの送受信が可能になる。続いて、通信部12によって、上りユーザデータがP-GW20に送信される(S35、通信ステップ)。P-GW20では、中継部22によって、上りユーザデータがPDN40に中継される(S35、中継ステップ)。以上が、移動機10からPDN40にデータが送信される際の処理である。
続いて、図5のシーケンス図を用いて、移動機10及びP-GW20が次回通信契機のRA更新待ちモードに遷移した後、PDN40から移動機10にデータが送信される際の処理である。PDN40から下りユーザデータが送信されると、P-GW20では、中継部22によって下りユーザデータを受信する(S41、中継ステップ)。続いて、中継部22によって維持されているPDN接続を介して、メッセージ送信部21によってRAメッセージが移動機10に送信される(S42、メッセージ送信ステップ)。なお、RAメッセージの送信の前に移動機10は移動体通信網30との間で無線接続の確立、具体的には、NW起動Service Requestの処理を行う。移動機10では、メッセージ受信部11によって、RAメッセージが受信される(S42、メッセージ受信ステップ)。続いて、通信部12によって、RAメッセージに応じた処理が行われる(S43)。具体的には、デフォルトルータの有効期間の更新である。この処理によって、移動機10とPDN40との間のデータの送受信が可能になる。
続いて、P-GW20では、中継部22によって、下りユーザデータが移動機10に送信される(S45、中継ステップ)。移動機10では、通信部12によって、下りユーザデータが受信される(S45、通信ステップ)。以上が、PDN40から移動機10にデータが送信される際の処理である。
本実施形態によれば、定期的なRAメッセージの送受信を行うことなく移動機10に係る通信、具体的には、移動機10とPDN40との間の通信を行うことができる。また、RAメッセージ自体を従来から変えることなく(例えば、RAメッセージに設定されるデフォルトルータの有効期間の枠組みを変えることなく)上記を実現することができる。従って、本実施形態によれば、移動機10の通信に必要な定期的な情報の送受信を削減して移動機10の電力の消費を低減することができる。これによって、超低消費電力化が必要なIoT用途でのIPv6利用が増える効果をもたらすことができる。
上述した実施形態では、RAメッセージの送信中止の要求は一律に予め設定されたタイミングで行われることとしたが、以下のような構成を取ることとしてもよい。移動機側制御部13は、通信部12による通信状況に応じて、移動体通信網30に対してRAメッセージの送信中止を要求することとしてもよい。この場合、移動機側制御部13は、PDN確立時にはRA削減要求を送信しない。移動機側制御部13は、通信部12による通信状況として、例えば、PDN確立後のユーザデータ通信の利用状況を監視する。利用状況の例としては、単位時間あたりのデータ通信量、又は単位時間あたりの無線接続確立回数等である。移動機側制御部13は、通信部12による通信状況がRAメッセージの定期的な送受信が必要ない程小さい場合に、RA削減要求を送信する。例えば、移動機側制御部13は、利用状況を示す値が、予め設定された一定の基準値以下である場合、RA削減要求を送信する。この構成によれば、移動機10の電力の消費を更に適切に低減することができる。
なお、本実施形態では、削減対象のメッセージはRAメッセージであったが、同様の枠組みのメッセージであればRAメッセージ以外を削減対象としてもよい。また、本実施形態では、本実施形態に係る中継ノードは、P-GW20であることとしたが、同様の枠組みの中継ノードであれば、P-GW20以外を本発明に係る中継ノードとしてもよい。
また、本実施形態では、4G LTEを例として説明したが、2G/3G又は5Gであってもよい。2G/3Gの場合、本実施形態におけるMME及びS-GWはSGSN(Serving GPRS Support Node)に、本実施形態におけるP-GW20はGGSN(Gateway GPRSSupport Node)に、eNodeBは、RNC(Radio Network Controller)にそれぞれ読み替えればよい。5Gの場合、本実施形態におけるMMEはAMF(Access and Mobility management Function)に、本実施形態におけるS-GWはUPF(User Plane. Function)に、本実施形態におけるP-GW20はSMF(Session Management Function)に、eNodeBは、gNodeBにそれぞれ読み替えればよい。なお、5Gの場合、PDN確立時の信号は、AMFとSMFとの間で直接信号が送受信されてもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における移動機10及びP-GW20は、本開示の方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、本開示の一実施の形態に係る移動機10及びP-GW20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の移動機10及びP-GW20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。移動機10及びP-GW20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
移動機10及びP-GW20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の移動機10及びP-GW20における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、移動機10及びP-GW20における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の移動機10及びP-GW20における各機能は、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、移動機10及びP-GW20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。