以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。図1に示す通信システム1は、モバイルブロードバンドサービスを提供する移動体通信網を構成するシステムの一部であり、複数の通信端末間の通信を制御する装置である。移動体通信網とは、例えば、LTE(Long Term Evolution)網であるが、LTE網に限定されるものではない。
図1に示すように、通信システムは、通信制御装置10と、経路制御装置としての機能を有する第1CN(Connection Node:CN1)20A及び第2CN(CN2)20Bと、を有する。また、通信システム1は、移動体通信網を構成するシステムに含まれる無線基地局であるeNB(evolved Node B)としての機能を有する第1eNB(evolved Node B:eNB1)30A及び第2eNB(eNB2)30Bとの間で通信を行って、移動体通信網に係る制御を行う。さらに、図1では、移動体通信網を構成するシステムに含まれるeNBに対して、通信端末(User Equipment:UE)である第1UE(UE1)41、第2UE(UE2)42及び第3UE(UE3)43が、アクセスして通信を行う場合を示している。
通信制御装置10は、通信端末(UE)が移動体通信網においてデータの送受信を行う際に使用する伝送路を制御する機能を有する。本実施形態で説明する通信制御装置10としての機能は、例えば、モビリティ制御及びベアラ制御を行う交換機であるMME(Mobility Management Entity)、及び、通信端末の契約情報及び認証情報を管理する加入者情報管理サーバであるHSS(Home Subscriber Server)が有していてもよい。すなわち、通信制御装置10の各機能を、MME及びHSS等の既存のノードに分散配置してもよい。本実施形態では、通信制御装置10が、MMEとしての機能を有し、通信端末の位置登録処理等も併せて行う場合について説明する。
経路制御装置(CN)である第1CN20A及び第2CN20Bは、それぞれ、UE同士の接続、及び、UEとインターネット等を利用したデータ通信を提供する外部のネットワークであるPDNとの接続を中継する装置である。また、経路制御装置(第1CN20A及び第2CN20B)は、詳細は後述するが、UEによるデータの送受信に使用する伝送路を通信端末との間で設定し、伝送路を利用して通信端末から送信されるデータを他の通信端末等へ送信する機能を有する。CNは、eNB(第1eNB30A及び第2eNB30B等)を介してUEとの間でデータの送受信を行う。
eNBである第1eNB30A及び第2eNB30Bは、それぞれ、無線基地局であるとともに、無線アクセス制御機能を有している。eNBは、UEから発信があった際の受付制御機能や、他のUEから配下のUEに対して着信があった際にUEを呼び出すページング機能を基本機能として有している。また、eNB(第1eNB30A及び第2eNB30B)は、それぞれLTE在圏エリアを形成しており、UEがLTE在圏エリア内に在圏する場合に、UEとeNBとの間でLTE方式に従った無線通信を行うことができる。UEは、eNBを介してeNBの上位装置であるCN(第1CN20A、第2CN20B)又は通信制御装置10等と通信を行う。
図1では、2つのeNB(第1eNB30A及び第2eNB30B)を示しているが、実際には、eNBはそれぞれLTE在圏エリアを形成するため、それぞれ分散配置される。そして、複数のeNBにより構成されるエリアの上位装置として、CNが設けられる。すなわち、CNは、1以上のeNBにより形成されるLTE在圏エリアからなる地域それぞれに対応して設けられる装置である。図1では、第1CN20Aは、第1eNB30Aが設けられて、第1eNB30Aにより形成されるLTE在圏エリアが含まれる地域A1に設けられるとする。この場合、第1CN20Aは、地域A1に含まれるeNBとの間では通信を行うが、他の地域のeNBとの間では通信を行わないという特徴を有する。また、第2CN20Bは、第1eNB30Bが設けられて、第2eNB30Bにより形成されるLTE在圏エリアが含まれる地域A2に設けられるとする。この場合、第2CN20Bは、地域A2に含まれるeNBとの間では通信を行うが、他の地域のeNBとの間では通信を行わないという特徴を有する。このように、CNは、1以上のeNBと対応付けて設けられる装置である。したがって、第1CN20Aと第1eNB30Aとの組み合わせのように、CNと当該CNに対して通信可能なeNBとは物理的に近接して配置されることになる。
なお、図1では、1つのeNB(例えば、第1eNB30A)には1つのCN(例えば、第1CN20A)が対応付けられている状態を示しているが、1つのeNBに対して複数のCNが対応付けられ、1つのeNBが複数のCNとの間で通信可能な状態となっていてもよい。
UE(第1UE41、第2UE42及び第3UE43)は、移動体通信網に在圏することにより通信が可能になる移動通信端末であり、例えば携帯電話及びタブレット型PC等である。UEは、eNBとの間で電波の送受信を行うことにより通信システム1に係る移動体通信網(ここでは、LTE(Long Term Evolution)網)に在圏する。図1に示す例では、第1UE41及び第3UE43が第1eNB30Aと、第2UE42が第2eNB30Bと、それぞれ電波の送受信を行っている。
ここで、図1及び図2を参照しながら本実施形態に係る通信システム1で行われる処理の特徴について説明する。通信システム1では、UEが通信システム1が含まれる移動体通信網においてUEが位置登録した際に、UE間の通信を行う際のデータ送受信に利用する伝送路(トンネル)を設けることを特徴とする。また、この伝送路は、UEとUEが在圏するエリア(エリアのeNB)に対応付けられたCNとの間に設けられる点も、従来の通信システムとは異なる点である。
具体的には、図1に示すように、第1eNB30Aとの間で通信を行う第1UE41に係る伝送路T1は、第1UE41、第1eNB30A及び第1CN20Aとの間を繋ぐように設けられる。また、第2eNB30Bとの間で通信を行う第2UE42に係る伝送路T2は、第2UE42、第2eNB30B及び第2CN20Bとの間を繋ぐように設けられる。さらに、第1eNB30Aとの間で通信を行う第3UE43に係る伝送路T3は、第3UE43、第1eNB30A及び第1CN20Aとの間を繋ぐように設けられる。このように、通信システム1では、UE毎に、UEとCNとを接続するように伝送路が設けられる。
UE毎に設けられるCNとの間の伝送路T1~T3は、特定のUEとを接続するものではない。したがって、例えば、第1UE41が特定のUE宛に送信するデータは、全て伝送路T1を通ることになる。そして、伝送路T1の終端である第1CN20Aが、伝送路T1を経て第1UE41から送信されたデータの送信先を確認して、適切に処理を行うことになる。つまり、CNは、UEから送信されるデータの送信先を参照して、自装置の配下のUE宛又は他のCN宛にデータを送信するという特徴を有する。
ただし、この移動体通信網を利用して通信を行うUEがどのCNとの間で伝送路を設けているかを特定する情報は、通信制御装置10では把握することができるが、複数のCNが個別に情報を保持する構成とすると、情報を保持するための資源(リソース)を膨大に消費してしまうことになる。そこで、本実施形態に係る通信システム1では、UEからの通信要求に基づいて特定のUE間で通信を行う際に、UEとCNとの対応関係、すなわち、UEに係る伝送路が設けられているCNを特定する情報を通信制御装置からCNに対して提供することで、UE間の通信を実現する構成を有している。
図2は、第1UE41からの通信要求に基づいて、第1UE41と第2UE42との間、及び、第1UE41と第3UE43との間で通信を行う状態を示す図である。
第1UE41は、第2UE42及び第3UE43との通信要求を通信制御装置10に対して送信したとする。この場合、通信制御装置10は、自装置で保持している情報に基づいて、第1UE41は第1CN20Aとの間で伝送路T1を設けていること、第2UE42は第2CN20Bとの間で伝送路T2を設けていること、及び、第3UE43は第1CN20Aとの間で伝送路T3を設けていること、を確認する。そして、第1CN20A及び第2CN20Bに対しては、第1UE41に基づいた通信を行う際に、各CNにおいて必要な情報として、通信要求に基づいて通信を行う際に使用される伝送路がどのCNに接続されているかを特定する情報を提供する。
すなわち、第1CN20Aには、第1CN20Aの配下に伝送路T1を設けている第1UE41との通信の対象となる第2UE42が、第2CN20Bとの間で伝送路T2を設けていること、及び、同じく第1UE41との通信の対象となる第3UE43は第1CN20A(自装置)との間で伝送路T3を設けていることが通知される。さらに、第1CN20Aには、上記の情報を利用する対象となる第1CN20A(自装置)配下の伝送路は、第1UE41に係る伝送路T1及び第3UE43に係る伝送路T3であることも通知される。一方、第2CN20Bに対しては、第3UE43との通信の対象となる第1UE41は第1CN20Aとの間で伝送路を設けていること、及び、上記の情報を利用する対象となる第2CN20B(自装置)配下の伝送路は、第2UE42に係る伝送路T2であることが通知される。
この結果、第1CN20Aでは、通信制御装置10から提供された情報に基づいて、伝送路T1を経由して第1UE41から送信されたデータについて、送信先を利用してデータを振り分けることができる。例えば、第2UE42宛のデータは、第2CN20Bに対して送信することができる。また、第3UE43宛のデータは、自装置の配下の伝送路T3に対して送信することができる。また、第1CN20Aでは、伝送路T3を経由して第3UE43から送信されたデータについては、伝送路T1に対して送信することができる。
一方、第2CN20Bでは、通信制御装置10から提供された情報に基づいて、第1CN20Aから送信された第2UE42宛のデータについて、第2UE42に係る伝送路T2に対して送信することができる。また、伝送路T2を経由して第2UE42から送信される第1UE41宛のデータについても、通信制御装置10から提供された情報に基づいて、第1UE41に係る伝送路が設けられている第1CN20Aに対して送信することができる。
このように、本実施形態に係る通信システム1では、UEとCNとの間で伝送路を設け、当該伝送路を利用してUE間でデータの送受信を行う際には、UEから送信されるデータに含まれる送信先に係る情報に基づいてCNにおいて送信先を判断して当該データを送信する。また、通信システム1では、通信制御装置10において、UEを特定する情報と、UE毎に設けられている伝送路の接続先であるCNを特定する情報と、を対応付けて保持していて、UEからの通信要求に基づいて通信を行う際には、通信を行うために必要な情報を提供する構成とされている。
上記の構成を実現するために、図3に示すように、通信システム1の通信制御装置10は、位置登録処理部11と、伝送路設定部12と、伝送路情報保持部13と、経路設定指示部14と、を有する。また、図3に示すように、通信システム1の経路制御装置(CN)である第1CN20A及び第2CN20Bは、伝送路作成部21と、経路設定部22と、送信先判定部23と、データ送信部24と、を有する。
まず、通信制御装置10の位置登録処理部11は、UEからの位置登録要求に基づいて位置登録に係る処理を行う。なお、本実施形態では、通信制御装置10がMMEとしての機能を有しているため、位置登録処理部11を有しているが、通信制御装置10がMMEとは別の装置である場合、通信制御装置10は位置登録処理部11を有さない構成とすることができる。
伝送路設定部12は、UEからの伝送路設定要求に基づいて、当該UEに係るUEとCNとの間の伝送路の設定に係る処理を行う機能を有する。伝送路設定部12は、UEが在圏するエリアの情報(UEが通信を行うeNBを特定する情報)等に基づいて、UEの伝送路を設ける対象となるCNを決定する。対象となるCNの選択方法は特に限定されないが、例えば、UEが通信を行うeNBに対して物理的距離が最小であるCNを選択する方法が挙げられる。また、CN毎の通信量等を考慮してCNを選択する構成としてもよい。そして、伝送路設定部12は、UEが通信を行うeNBと、上記で決定されたCNに対して、UEを特定する情報を送信すると共に伝送路の作成に係る伝送路設定命令を送信する。
伝送路情報保持部13は、伝送路設定部12による伝送路設定命令により作成された伝送路に係る情報を保持する機能を有する。図4に、伝送路情報保持部13で保持する情報の例を示す。伝送路情報保持部13では、図4に示すように、伝送路が作成されたUEを特定する情報と、当該UEに係る伝送路が作成されたCNを特定する情報とが対応付けられた情報が保持される。
経路設定指示部14は、UEから相手方のUEを特定する情報を含む通信要求を受信した際に、伝送路情報保持部13において保持される情報を、通信を行うUEとの間に伝送路を設けているCNに対して送信する機能を有する。そして、この情報を送信すると共に、CNに対して通信要求に基づいて通信が行われるように、経路を設定することを指示する。
また、経路制御装置である第1CN20A及び第2CN20Bの伝送路作成部21は、通信制御装置10からの伝送路設定命令に基づいて、UEに係る伝送路を作成する機能を有する。なお、伝送路設定命令に基づいて自装置で作成した伝送路に係る情報は、自装置でも保持される。
経路設定部22は、通信制御装置10からの指示に基づいて、UEとの間に設けられている伝送路に関する経路設定を行う。UEとCNとの間には伝送路設定命令に基づいて伝送路が作成されるが、他のUEがどのCNとの間で伝送路が設けられているかを各CNでは把握していない。通信制御装置10からは、上述のように、通信を行う対象のUEがどのCNとの間で伝送路を設けているかを示す情報である経路情報が送信されるので、経路設定部22では、当該情報を保持すると共に自装置の配下の伝送路との対応付けを行う。この伝送路と経路情報との対応付けを経路設定という。
送信先判定部23は、UEから伝送路を介して特定のUE宛のデータを受信した際に、当該データの送信先を特定する機能を有する。経路設定部22による経路設定の結果、伝送路を介してUEから送信されるデータの宛先のUE毎に、実際にデータを送信する相手の装置(CN又は配下のUE)が特定されるので、送信先判定部23は、UEから送信されるデータ毎にデータの送信先(自装置とは異なるCN又は配下の伝送路)を判定する。
データ送信部24は、送信先判定部23による判定の結果に基づいて、データの送信先(自装置とは異なるCN又は配下の伝送路)に対してデータを送信する機能を有する。
次に、図5及び図6を参照しながら、通信システム1による通信方法について説明する。図5では、第1UE41、第2UE42及び第3UE43が、それぞれ通信システム1を含むシステムにより提供される移動体通信網にアタッチして位置登録等の処理を行った後に、UEとCNとの間に伝送路を確立する際の処理を示している。また、図6では、第1UE41が第2UE42及び第3UE43との間での通信を要求した場合の処理について説明する。
まず、図5に示すように、第1UE41は、通信制御装置10に対してアタッチ要求を送信する(S01)。通信制御装置10の位置登録処理部11は、第1UE41からのアタッチ要求に基づいて、第1UE41が移動体通信網を利用可能となるように、アタッチ処理、すなわち、端末認証・位置登録に係る処理を行う(S02)。これにより、第1UE41が移動体通信網を利用可能となる。また、端末認証・位置登録処理を行う際に、第1UE41が第1eNB30Aとの間で通信を行っていることが通信制御装置10側で把握される。
次に、第1UE41は、通信制御装置10に対して伝送路設定要求を送信する(S03)。この伝送路設定要求は、アタッチ要求と同時に送信されていてもよい。すなわち、アタッチ要求を伝送路設定要求とみなして、以降の処理を行ってもよい。通信制御装置10では、第1UE41からの伝送路設定要求を受信すると、伝送路設定部12において、第1UE41に係る伝送路を設ける際のCNを選択する。本実施形態では、伝送路設定部12により第1CN20Aが伝送路を設けるCNとして選択される。伝送路設定部12は、第1UE41が通信を行う第1eNB30A、及び、第1CN20Aに対して、伝送路設定命令を送信する(S04:伝送路設定ステップ)。この伝送路設定命令を受信した第1CN20Aは、伝送路作成部21において第1UE41に係る伝送路の作成に係る処理を行う。また、第1eNB30Aは、第1UE41との間で無線区間での伝送路設定に係る処理(無線伝送路設定要求・無線伝送路設定応答)を行う(S05:伝送路作成ステップ)。以上の処理により、第1UE41と第1CN20Aとの間で伝送路として伝送路T1が確立される(S06)。なお、伝送路の確立に伴い、通信制御装置10では、伝送路情報保持部13においてこの伝送路T1に係る情報が保持される。
第2UE42及び第3UE43の伝送路の確立についても、第1UE41と同様の処理が行われる。
まず、第2UE42は、通信制御装置10に対してアタッチ要求を送信する(S11)。通信制御装置10の位置登録処理部11は、第2UE42からのアタッチ要求に基づいて、アタッチ処理(端末認証・位置登録に係る処理)を行う(S12)。これにより、第2UE42が移動体通信網を利用可能となる。また、端末認証・位置登録処理を行う際に、第2UE42が第2eNB30Bとの間で通信を行っていることが通信制御装置10側で把握される。
次に、第2UE42は、通信制御装置10に対して伝送路設定要求を送信する(S13)。通信制御装置10では、第2UE42からの伝送路設定要求を受信すると、伝送路設定部12において、第2UE42に係る伝送路を設ける際のCNとして、第2CN20Bを選択する。そして、伝送路設定部12は、第2UE42が通信を行う第2eNB30B、及び、第2CN20Bに対して、伝送路設定命令を送信する(S14:伝送路設定ステップ)。伝送路設定命令を受信した第2CN20Bは、伝送路作成部21において第2UE42に係る伝送路の作成に係る処理を行う。また、第2eNB30Bは、第2UE42との間で無線区間での伝送路設定に係る処理(無線伝送路設定要求・無線伝送路設定応答)を行う(S15:伝送路作成ステップ)。以上の処理により、第2UE42と第2CN20Bとの間で伝送路として伝送路T2が確立される(S16)。なお、伝送路の確立に伴い、通信制御装置10では、伝送路情報保持部13においてこの伝送路T2に係る情報が保持される。
また、第3UE43は、通信制御装置10に対してアタッチ要求を送信する(S21)。通信制御装置10の位置登録処理部11は、第3UE43からのアタッチ要求に基づいて、アタッチ処理(端末認証・位置登録に係る処理)を行う(S22)。これにより、第3UE43が移動体通信網を利用可能となる。また、端末認証・位置登録処理を行う際に、第3UE43が第1eNB30Aとの間で通信を行っていることが通信制御装置10側で把握される。
次に、第3UE43は、通信制御装置10に対して伝送路設定要求を送信する(S23)。通信制御装置10では、第3UE43からの伝送路設定要求を受信すると、伝送路設定部12において、第3UE43に係る伝送路を設ける際のCNとして、第1CN20Aを選択する。そして、伝送路設定部12は、第3UE43が通信を行う第1eNB30A、及び、第1CN20Aに対して、伝送路設定命令を送信する(S24:伝送路設定ステップ)。伝送路設定命令を受信した第1CN20Aは、伝送路作成部21において第3UE43に係る伝送路の作成に係る処理を行う。また、第1eNB30Aは、第3UE43との間で無線区間での伝送路設定に係る処理(無線伝送路設定要求・無線伝送路設定応答)を行う(S25:伝送路作成ステップ)。以上の処理により、第3UE43と第1CN20Aとの間で伝送路として伝送路T3が確立される(S26)。なお、伝送路の確立に伴い、通信制御装置10では、伝送路情報保持部13においてこの伝送路T3に係る情報が保持される。
上記の処理により、第1UE41、第2UE42、及び第3UE43のそれぞれについて、CN(第1CN20A又は第2CN20B)との間で伝送路が確立される。なお、図5では、第1UE41、第2UE42、及び第3UE43がこの順でアタッチ要求を送信する場合について説明したが、当然ながら各UEがアタッチ要求を送信するタイミングは変更される場合がある。
次に、図6を参照しながら、第1UE41が第2UE42及び第3UE43と通信を行う場合について説明する。
まず、第1UE41は、通信制御装置10に対して通信要求を送信する(S31)。この通信要求には通信相手となるUEを特定する情報(ここでは、第2UE42及び第3UE43を特定する情報として、これらの端末を識別するIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等)が含まれる。なお、第1UE41から通信制御装置10への通信要求の送信では、CNとの間に設けられる伝送路は使用されず、例えば、制御信号送信用の伝送路等が用いられるか、または、移動体通信網とは別の制御用の通信網等を利用することができるが、この構成は適宜変更することができる。
通信要求を受信した通信制御装置10は、伝送路情報保持部13において保持される情報を参照し、第1UE41、第2UE42及び第3UE43のそれぞれに係る伝送路が設けられているCNを特定する。本実施形態では、第1CN20Aが、第1UE41及び第3UE43に係る伝送路を設けているCNとして特定されると共に、第2CN20Bが、第2UE42に係る伝送路を設けているCNとして特定される。
経路設定指示部14は、第1CN20Aに対して、第1UE41からの通信要求に基づいて、伝送路情報保持部13において保持される情報から、経路設定に必要な情報を経路情報として送信し、経路設定を指示する(S32:経路設定指示ステップ・経路設定ステップ)。具体的には、第1CN20Aに通知される経路情報とは、第1UE41の通信相手となる第2UE42は第2CN20Bの配下にいる(第2CN20Bとの間で伝送路が設けられている)こと、及び、第1UE41の通信相手となる第3UE43、及び、第3UE43の通信相手となる第1UE41は第1CN20Aの配下にいる(自装置との間で伝送路が設けられている)こと、及び、この経路設定に係る対象伝送路が第1UE41及び第3UE43に係る伝送路(伝送路T1,T3)であることを示す情報である。これらの情報が通信制御装置10の経路設定指示部14から第1CN20Aに対して通知される。第1CN20Aの経路設定部22では、通信制御装置10からの指示に基づいて、当該経路情報を保持し、第1UE41と第2UE42との間、及び第1UE41と第3UE43との間での通信が可能なように設定を行う。
また、通信制御装置10の経路設定指示部14は、第2CN20Bに対して、第1UE41からの通信要求に基づいて、伝送路情報保持部13において保持される情報から、経路設定に必要な情報を経路情報として送信し、経路設定を指示する(S33:経路設定指示ステップ・経路設定ステップ)。具体的には、第2CN20Bに通知される経路情報とは、第1UE41の通信相手となる第2UE42は第2CN20Bの配下にいる(自装置との間で伝送路が設けられている)こと、及び、この経路設定に係る対象伝送路が第2UE42に係る伝送路(伝送路T2)であることを示す情報である。これらの情報が通信制御装置10の経路設定指示部14から第2CN20Bに対して通知される。第2CN20Bの経路設定部22では、通信制御装置10からの指示に基づいて、当該経路情報を保持し、第1UE41と第2UE42との間での通信が可能なように設定を行う。
以上の処理により、第1UE41と第2UE42との間、及び、第1UE41と第3UE43との間において、通信経路が確立され、データの送受信が可能となる。
また、データの送受信の際には、UEとCNとの間に設けられた伝送路を介して送信される特定のUE宛のデータ毎に、CNにおいて送信先を確認し、適切に処理を行う。
例えば、第1UE41が、伝送路T1を介して第1CN20Aに対して第2UE42宛のデータを送信した場合(S41)、第1CN20Aの送信先判定部23では、第1UE41から送信されるデータの宛先と、通信制御装置10から送信された経路設定に係る情報とに基づいて、当該データの送信先を判定する(S42:送信先判定ステップ)。第2UE42宛のデータの場合、送信先判定部23では、第2UE42に係る伝送路が第2CN20Bに設けられていることを示す情報に基づいて、当該データを第2CN20Bに対して送信すると判定する。そして、第1CN20Aのデータ送信部24は、第2CN20Bに対して、第1UE41からの第2UE42宛のデータを送信する(S43:データ送信ステップ)。第1CN20Aから送信される第2CN20Bでは、送信先判定部23では、第2UE42に係る伝送路が自装置に設けられていることを示す情報に基づいて、伝送路T2を介して当該データを第2UE42に対して送信すると判定する。そして、第2CN20Bのデータ送信部24は、第2UE42に対して、第1UE41からのデータを送信する(S44)。この結果、第1UE41からのデータが第2UE42宛に送信される。
また、第1UE41が、伝送路T1を介して第1CN20Aに対して第3UE43宛のデータを送信した場合(S45)、第1CN20Aの送信先判定部23では、第1UE41から送信されるデータの宛先と、通信制御装置10から送信された経路設定に係る情報とに基づいて、当該データの送信先を判定する(S46:送信先判定ステップ)。第3UE43宛のデータの場合、送信先判定部23では、第3UE43に係る伝送路が自装置に設けられていることを示す情報に基づいて、伝送路T3を介して当該データを第3UE43に対して送信すると判定する。そして、第1CN20Aのデータ送信部24は、第3UE43に対して、第1UE41からのデータを送信する(S47:データ送信ステップ)。この結果、第1UE41からのデータが第3UE43宛に送信される。
なお、図6では、第1UE41からのデータを第2UE42又は第3UE43に対して送信する場合について説明したが、逆方向のデータ送信、すなわち、第2UE42又は第3UE43からのデータを第1UE41宛に送信する場合にも同様の処理が行われる。すなわち、特定のUE宛のデータを受信したCNの送信先判定部23において、受信したデータの宛先と、通信制御装置10から送信された経路設定に係る情報とに基づいて、データの送信先を判定する。そして、データ送信部24により、送信先判定部23により判定されたデータの送信先に対してデータを送信する。CNにおいて、上記の処理を繰り返すことで、データの宛先となるUEまで、データを適切に送信することができる。
なお、UE間の通信が終了すると、CNでは、UEからの通信終了を示す信号の受信に基づいて、経路設定に用いられた経路情報を破棄することができる。または、UEからの通信終了を示す情報がUEから通信制御装置10に対して送信された際に、通信制御装置10がCNに対して通信終了を通知し、CNではこの通信制御装置10からの情報に基づいて経路設定に用いられた情報を破棄する構成としてもよい。このように、UE間の通信が終了した際には各CNでは、経路設定に用いられた情報を破棄する。このような構成とすることで、通信が終了した後の、他のCNに接続されるUEとの間の伝送路に係る情報を各CNが保持することが防がれるため、CNにおいて保持される情報量を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る通信システム1は、移動体通信網を利用した通信端(UE)末間のデータの送受信を制御する通信システムであって、地域毎に設けられ、当該地域に含まれる在圏エリアに在圏する通信端末と自装置とを接続する伝送路が通信端末毎に設けられる複数の経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)と、伝送路を利用した通信端末間のデータの送受信を制御する通信制御装置10と、を含み、通信制御装置10は、経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)に対して通信端末との間で伝送路の作成を指示する伝送路設定部12と、複数の経路制御装置において設けられた通信端末との間の伝送路に係る情報を保持する伝送路情報保持部13と、通信端末から他の通信端末との間の通信要求を受信した場合に、伝送路情報保持部13において保持される情報のうち、当該通信要求に基づいて通信端末間の通信を行う際に使用される伝送路が設けられる経路制御装置を特定する情報を、経路情報として経路制御装置に対して送信し、通信要求に基づく経路の設定を指示する経路設定指示部14と、を有し、経路制御装置(CN)は、通信制御装置10からの指示に基づいて通信端末との間で個別に伝送路を設ける伝送路作成部21と、伝送路を利用した通信端末間の通信に関して通信制御装置10から送信される経路情報に基づいて、通信端末間の通信が可能となるように経路の設定を行う経路設定部22と、経路設定部22により設定が行われた伝送路を介して通信端末から送信される他の通信端末宛のデータについて、経路情報を参照して送信先を判定する送信先判定部23と、送信先判定部23による判定結果に基づいて、データを送信するデータ送信部24と、を有する。
また、本実施形態に係る通信方法は、移動体通信網を利用した通信端末間のデータの送受信を制御し、地域毎に設けられ、当該地域に含まれる在圏エリアに在圏する通信端末と自装置とを接続する伝送路が通信端末毎に設けられる複数の経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)と、伝送路を利用した通信端末間のデータの送受信を制御する通信制御装置10と、を含む通信システム1による通信方法であって、通信制御装置10は、複数の経路制御装置において設けられる通信端末との間の伝送路に係る情報を保持する伝送路情報保持部13を有し、通信制御装置10の伝送路設定部12から経路制御装置に対して通信端末との間で伝送路の作成を指示する伝送路設定ステップと、経路制御装置の伝送路作成部21において、通信制御装置からの指示に基づいて通信端末との間で個別に伝送路を設ける伝送路作成ステップと、通信制御装置10の経路設定指示部14において、通信端末から他の通信端末との間の通信要求を受信した場合に、伝送路情報保持部13において保持される情報のうち、当該通信要求に基づいて通信を行う際に使用される伝送路が設けられる経路制御装置を特定する情報を、経路情報として経路制御装置に対して送信し、通信要求に基づく経路の設定を指示する経路設定指示ステップと、経路制御装置の経路設定部22において、伝送路を利用した通信端末間の通信に関して通信制御装置から送信される経路情報に基づいて、通信端末間の通信が可能となるように経路の設定を行う経路設定ステップと、経路制御装置の送信先判定部23において、経路設定部22により設定が行われた伝送路を介して通信端末から送信される他の通信端末宛のデータについて、経路情報を参照して送信先を判定する送信先判定ステップと、経路制御装置のデータ送信部24において、送信先判定部による判定結果に基づいて、データを送信するデータ送信ステップと、を有する。
上記の通信システム及び通信方法によれば、地域毎に設けられる経路制御装置と、当該地域に含まれる在圏エリアに在圏する通信端末との間に伝送路が設けられる。そして、通信制御装置から送信される経路設定情報と、通信端末間で通信を行う場合には、当該伝送路を介して通信端末から送信されるデータの宛先と、に基づいて、経路制御装置においてデータの送信先を判定し、判定結果に基づいて当該データを送信する。このような構成とすることで、例えば、1台の通信端末が複数台の通信端末との間で同時に通信を行う場合でも、データの送信先が異なるデータであっても、通信端末と経路制御装置との間で伝送路を設けられた伝送路を用いて経路制御装置に対してデータを送信し、経路制御装置において、送信先を判定して送信先に対して適切にデータを送信することができる。したがって、通信を行う通信端末の台数が増加した場合でも効率よく通信制御を行うことが可能となる。
また、上記の通信システム及び通信方法では、通信端末との間で伝送路を設ける経路制御装置は、当該通信端末が在圏する在圏エリアを含む地域毎に設けられる装置である。したがって、通信端末と経路制御装置との間の伝送路の距離を物理的に短くすることができるため、通信時の遅延を低減することができる。
従来のモバイルネットワークでは、同一ネットワーク内の通信端末間で通信を行う際にも、外部ネットワークとの境界に設けられるP-GW(PDN-Gateway)を経由してデータの送受信が行われていた。この場合、地理的に近い地域にある通信端末間でも、一度P-GWを経由して通信を行う必要があったため、通信端末とP-GWとの位置関係によっては、通信端末間は近接しているにも関わらず通信遅延が大きくなる場合があった。これに対して、本実施形態に係る通信システム及び通信方法では、地域毎に設けられた経路制御装置(CN)と通信端末との間で伝送路を設け、通信制御装置から提供される伝送路が設けられる経路制御装置を特定する情報である経路情報に基づいて、経路制御装置において通信端末からのデータの送信先を判定して、データの送信処理を行う。したがって、従来のように、P-GWを必ず経由する通信を行う必要がなくなるため、通信時の遅延を抑制することができる。
一方、近年では、遅延を抑制する方法として、P-GWを経由せず、通信端末間を直接接続する通信路を設ける方法が検討されている。しかしながら、この方法では、1台の通信端末が他の複数台の通信端末との間で同時に通信端末を行う場合であっても、通信端末同士の間に個別に通信路が設けられることになる。この場合、1台の通信端末に対して複数の通信路が設けられることになるため、接続台数の増大によって通信路の数が増大し、ネットワーク資源の消費が増大する。これに対して本実施形態に係る通信システム及び通信方法では、1台の通信端末が複数台の通信端末と通信接続を行う場合であっても、通信端末に対しては経路制御装置との間で1つの伝送路のみが設けられ、経路制御装置において、データの送信先を判定してデータの送信を行う構成となっている。したがって、1台の通信端末が複数台の通信端末と通信接続を行う場合であっても、1台の通信端末に対して複数の伝送路が設けられることは防がれるため、ネットワーク資源の消費が抑制され、効率よく通信制御を行うことが可能となる。
また、上記の通信システム1では、通信制御装置10の伝送路設定部12による伝送路の作成の指示、及び、経路制御装置の伝送路作成部21による伝送路の作成は、通信端末が移動体通信網に対してアタッチした際に行われる。このように、通信端末が移動体通信網に対してアタッチした時点で伝送路の作成も行う構成とすることで、通信端末からの通信要求が送信された時点では、経路設定に用いられる経路情報を通信制御装置から経路制御装置に対して送信することで、経路制御装置において経路設定が行われ、伝送路を利用した通信が可能となるため、通信要求送信時の処理量を低減させることができる。
なお、伝送路の作成のタイミングは、上記実施形態では、通信端末が移動体通信網に対してアタッチした際であるとしている。しかしながら、通信端末と経路制御装置とを接続する伝送路は、通信要求に基づいた通信端末間の通信を開始するまでに設けられていればよい。したがって、通信端末のアタッチ時とは別のタイミングで伝送路を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、通信端末が通信要求を通信制御装置10に対して送信したタイミングで、通信制御装置10において、通信要求に基づく通信を行う通信端末がそれぞれ経路制御装置との間で伝送路を設けているかを確認する構成としてもよい。その場合、通信端末と経路制御装置との間で伝送路が設けられていない場合には、通信制御装置10から伝送路の作成が必要となる経路制御装置(及び通信端末)に対して、伝送路の作成命令を送信することで、通信端末と経路制御装置との間で伝送路を作成することが可能となる。このような構成とした場合、移動体通信網に接続する通信端末と経路制御装置との間での伝送路を常時保持することが防がれるため、ネットワーク資源の消費をさらに抑制することができる。
このように、移動体通信網に対して接続する伝送路の作成のタイミングは適宜変更することができる。また、通信が終了した通信端末については、伝送路を一旦消去する構成としてもよい。
また、上記の通信システム1では、経路制御装置(CN)は、経路設定部22により設定が行われた伝送路を利用した通信端末間の通信が終了すると経路情報が破棄される。このような構成とすることで、経路制御装置において、通信が行われている伝送路以外の情報を不用に保持することを防ぐことができる。上述したように、各経路制御装置では、自装置との間で伝送路が設けられている通信端末が他の通信端末と通信を行う度に、他の経路制御装置との間で設けられている伝送路に係る情報が提供されることになる。したがって、経路制御装置が保持する経路情報を破棄しない構成とした場合、通信端末間の通信が終了した後は使用されない情報を自装置で係属して保持することとなり、不用に保持される情報が増大する。これに対して、通信端末間の通信の終了後は経路情報を破棄する構成とすることで、経路制御装置において不用に保持される情報を低減することができる。
なお、一度通信を終了した通信端末が改めて通信を行う場合には、通信端末からの通信要求に基づいて、通信制御装置10から経路制御装置に対して改めて経路情報が提供されるため、経路制御装置において情報を破棄した場合でも、情報が不足して通信端末間の通信を行うことができない、というような問題は生じない。
上記実施形態では、複数の通信端末として、第1UE41、第2UE42、第3UE43を例示したが、通信端末間の通信を行う通信端末の数は、適宜変更される。また、当然ながら、経路制御装置(CN)の数も適宜変更される。
また、通信制御装置10及び、経路制御装置(CN:第1CN20A、第2CN20B)としての機能は、移動体通信網を構成するシステムに含まれる既存の装置に設けられていてもよいし、新たな装置にも受けられていてもよい。
(その他)
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態における通信制御装置10、第1CN20A、第2CN20Bなどは、本実施形態の通信制御装置、経路制御装置の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本実施形態に係る通信制御装置、経路制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の通信制御装置10、及び、経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。通信制御装置10、及び、経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
通信制御装置10、及び、経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の伝送路設定部12、伝送路作成部21などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、通信制御装置10の経路設定指示部14は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の経路設定部22、データ送信部24などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、通信制御装置10、及び、経路制御装置(第1CN20A、第2CN20B)は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において特定の装置によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。例えば、特定の装置がMMEであった場合においては、当該MMEを有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。上記において他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせであってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
基地局(eNB)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(accesspoint)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動通信端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。