JP7258357B2 - ハンプ施工方法とハンプ施工用型枠 - Google Patents

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Description

本発明は、道路上にハンプを施工するハンプ施工方法に関し、特にハンプの表面の縦断曲線を、容易に且つ設計どおり正確に施工することができるハンプ施工方法とハンプ施工用型枠に関する。
生活道路、ゾーン30などの道路において、車両の走行速度を抑制するために、ハンプが道路上に施工される場合がある。この種のハンプは、走行時の速度抑制効果、安全性、騒音・振動などから、通常、下記特許文献1に記載されるように、その縦断形状が、サイン曲線、二次放物線などの縦断曲線を描くように、道路上に施工される。
特開2003-147711号公報 特許第6686110号公報
例えば、道路上にハンプを、アスファルト、ゴムチップ、バインダなどの舗装材料を用いて施工する場合、速度抑制効果、安全性、騒音・振動などを考慮した所定の縦断形状に、正確にハンプを施工する必要がある。
しかしながら、道路上にハンプを施工する場合、アスファルト等の舗装材料を道路上に撒きだしながら、ハンプの表面を転圧し、所定の縦断曲線となるように、表面を測量し曲線を点検しつつ、正確な縦断曲線を施工することとなる。
このため、ハンプの施工時、既存の水準器或いはトータルステーションを用いて、ハンプの縦断曲線を繰り返し測量し、その縦断曲線を点検しながら施工する作業は、非常に煩雑であり、多くの時間と工数を必要とする。
そこで、本出願人は、上記特許文献2により、ハンプの表面の縦断曲線を、容易に且つ迅速に施工するハンプ施工方法を提案した。この施工方法の一つとして、ハンプの縦断曲線を上部長手方向に有する型枠を使用して行う施工方法があり、この施工方法では、型枠の上部に、ハンプの縦断曲線を形成した2本の型枠を使用し、道路の両側に配置して2本の型枠の間に、舗装材料を撒き出し、縦断曲線とハンプの舗装面が一致するように、舗装材料を転圧しながら、ハンプを施工する。
しかしながら、例えば、高さ10cmの、比較的高いハンプを形成する場合、特に道路幅が広く、施工するハンプ幅が広くなると、ハンプの端部と中央部で高さに違いが生じやすく、正確なハンプを効率良く施工することが難しい場合があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ハンプの表面の縦断曲線を、迅速且つ正確に施工することができるハンプ施工方法とその方法に使用するハンプ施工用型枠を提供することを目的とする。
本発明に係るハンプ施工方法は、
道路上に型枠と舗装材料を用いて、縦断曲線を有するハンプを施工するハンプ施工方法において、
該道路の両側端部に配置する両側型枠の上部長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、該両側型枠の内側には、該ハンプの縦断曲線に類似した第2層縦断曲線と第1層縦断曲線が描かれ、
該道路の内側中間部に配置する内側型枠の上部長手方向に、第2層縦断曲線部が形成され、該内側型枠の内側に、該ハンプの縦断曲線に類似した該第1層縦断曲線が描かれ、
該両側型枠及び/又は該内側型枠の内側に描かれたハンプの該第1層縦断曲線と舗装材料の表面が一致するように、該両側型枠及び/又は該内側型枠の内側に、該舗装材料を撒き出しながら転圧して、第1層を形成する第1層工程と、
該第1層工程で施工した第1層の上に、さらに舗装材料を撒き出しながら転圧し、該舗装材料の表面が該両側型枠の該第2層縦断曲線及び/又は該内側型枠の上部長手方向に設けたハンプの縦断曲線と一致するように、表面を転圧して該第1層上に第2層を形成する第2層工程と、
該第2層工程で施工した第2層の道路内側上に、前記第3層縦断曲線部を設けた第3層用型枠を配置し、該第2層の上に、さらに舗装材料を撒き出しながら転圧し、該舗装材料の表面が該ハンプの縦断曲線と一致するように、表面を転圧して、該第2層上に第3層を形成する第3層工程と
を含むことを特徴とする。
この発明のハンプ施工方法では、両側型枠と内側型枠を使用し、両側型枠と内側型枠との間に、舗装材料を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線と舗装材料の表面が一致するように転圧して第1層を施工し、さらに、第1層の上に、舗装材料を撒き出しながら転圧し、舗装材料の表面が内側型枠の上部長手方向に設けたハンプの縦断曲線と一致するように第2層を施工し、さらに、第2層の上に、舗装材料を撒き出しながら転圧し、舗装材料の表面がハンプの縦断曲線と一致するように、表面を転圧して、第2層上に第3層を形成する。これにより、第1層、第2層、第3層と3つの層に分けてハンプを施工するので、高さの高いハンプであっても、設計どおり正確に、効率良く施工することができる。また、両側型枠と内側型枠を使用するため、比較的道路幅が広い道路上に、ハンプを設計どおり正確に、効率良く施工することができ、施工場所が異なる場合でも、一定形状のハンプを正確に施工することができる。
ここで、上記ハンプ施工方法において、上記縦断曲線としてサイン曲線を使用することができる。
また、上記ハンプは、道路上の平坦部と平坦部に続くすりつけ部とからなり、該すりつけ部に前記縦断曲線を形成し、該平坦部には、前記両側型枠に続く両側直線型枠及び/又は前記内側型枠に続く内側直線型枠を用いて、前記第1層、第2層及び第3層を施工することができる。これによれば、平坦部を含む比較的長さの長いハンプを、設計どおり正確に、効率良く施工することができる。


また、上記ハンプを施工する道路上を、長手方向と平行の分割線により複数の分割部分に分割し、上記両側型枠及び/又は内側型枠を用いて、該道路の側部側から該分割部分に順に舗装材料を撒き出しながら、該分割部分を転圧して、順に前記第1層工程及び前記第2層工程を施工し、上記第3層用型枠を用いて該分割部分の上記第2層上に舗装材料を撒き出しながら、該分割部分を転圧して、順に前記第3層工程を施工することができる。これによれば、比較的幅の広い道路上にハンプを、設計どおり正確に、効率良く施工することができる。
一方、この発明のハンプ施工用型枠は、
道路上に型枠と舗装材料を用いて、縦断曲線を有するハンプを施工するハンプ施工方法で使用するハンプ施工用型枠において、
型枠の上部長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、ハンプの縦断曲線に類似した第2層縦断曲線と第1層縦断曲線が内側に描かれ、該道路の両側端部に、長手方向に沿って平行に配置される両側型枠と、
型枠の上部長手方向に、第2層縦断曲線部が形成され、該ハンプの縦断曲線に類似した第1層縦断曲線が内側に描かれ、該道路の内側中間部に、長手方向に沿って平行に配置される内側型枠と、
型枠の上部及び下部の長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、該道路の内側中間部の第2層の上に、長手方向に沿って平行に配置される第3層用型枠と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、両側型枠、内側型枠、第3層用型枠の上部長手方向に沿ってハンプの縦断曲線を設けているので、ハンプの最終層または第2層を施工する際、転圧ローラを縦断曲線部の上にのせながら転圧することができ、効率良くハンプを施工することができる。また、縦断曲線を設けたそれらの型枠は、例えば木材により容易に形成することでき、持ち運びが容易で、繰り返し使用することができる。
ここで、上記ハンプ施工用型枠には、第1層縦断曲線部、第2層縦断曲線部、第3層縦断曲線部の曲線としてサイン曲線を使用することができる。
また、上記ハンプ施工用型枠には、上記両側型枠及び内側型枠に続く平坦部の施工用に、両側直線型枠と内側直線型枠を加えることができる。
この発明によれば、比較的道路幅が広く高さが高いハンプの縦断曲線を、迅速且つ正確に施工することができる。
本発明の一実施形態を示すハンプの断面説明図である。 (a)は両側型枠の正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図である。 (a)は内側型枠の正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図である。 (a)は第3層用型枠の正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図である。 (a)は両側直線型枠の正面図、(b)はその左側面図、(c)は内側直線型枠の正面図、(d)はその左側面図、(e)は第3層直線型枠の正面図、(f)はその左側面図である。 第1層から第2層の施工方法を示す平面説明図である。 第3層の施工方法を示す平面説明図である。 第1層を施工した状態の断面説明図である。 第2層を施工し、第3層を施工する前の断面説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、道路上にハンプを施工した際の断面説明図であり、ハンプは第1層から第3層に分けて施工される。図2、図3、図4はハンプの施工時に使用する型枠を示している。使用する型枠は、ハンプ設置場所の両側に配置される両側型枠1、その内側に配置される内側型枠10、及び第3層を施工する際に使用する第3層用型枠20の3種から構成される。両側型枠1、内側型枠10、第3層用型枠20は、何れも道路の長手方向と平行に配置される。
両側型枠1は、図2に示すように、ハンプの両端のすりつけ部を施工する部分において、その設置場所の両側に配置される型枠であり、長尺の木材、金属、合成樹脂などにより形成される。両側型枠1の上部長手方向に、図2に示すように、縦断曲線を有する縦断曲線部2が設けられる。また、図2(a)に示すように、両側型枠1の内側面に、第1層縦断曲線3が描かれ、第1層縦断曲線3の上側に第2層縦断曲線4が描かれ、第1層、第2層を施工する際に目印として使用される。
図2に示す如く、両側型枠の底面1aは、平坦面で水平に形成され、所定の深さに掘削した路面に砕石を敷き均しした状態の平坦なハンプ設置場所に、施工時、載置される。また、両側型枠1の内側面を含む両側面1bは、水平な底面1aから垂直に立ち上がって形成される。
内側型枠10は、ハンプのすりつけ部を施工する際、ハンプ設置場所の内側(両側型枠1の内側)に配置される型枠であり、図3に示すように、上部長手方向に、第2層縦断曲線部12が設けられ、その内側面の下側に、第1層縦断曲線3が描かれている。第2層縦断曲線部12の第2層縦断曲線は、両側型枠1の内側面に描かれた第2層縦断曲線4と一致する。第1層縦断曲線3はハンプ設置場所に第1層を施工する際に目印として使用され、第2層縦断曲線部12は同設置場所に第2層を施工する際に使用される。
図3に示す如く、内側型枠10の底面10aは、平坦面で水平に形成され、所定の深さに掘削した路面に砕石を敷き均しした状態の、平坦なハンプ設置場所に当接して、載置される。また、内側型枠10の内側面を含む両側面10bは、水平な底面10aから垂直に立ち上がって形成される。
第2層上に第3層を施工する場合、図4に示す第3層用型枠20が第2層の上に設置して使用される。第3層用型枠20は、図4に示すように、細い長尺の板材をサイン曲線状に曲げて構成され、第3層用型枠20の上部には、第3層縦断曲線部21が形成される。第3層用型枠20の底面20aは、第2層の縦断曲線の上面と一致する曲面形状に形成される。第3層用型枠20はその底面20aを第2層上に形成されたすりつけ部の第2層の上面に合せて載置される。
両側型枠1、内側型枠10、及び第3層用型枠20は、ハンプのすりつけ部を施工する際に、使用され、図6、図7に示すように、両側型枠1はハンプ設置場所の空間の両側部に設置され、内側型枠10と第3層用型枠20は、ハンプ設置場所の空間の内側(両側型枠1の間)に設置される。
なお、両側型枠1、内側型枠10、及び第3層用型枠20の縦断曲線には、例えば、サイン曲線が用いられ、サイン曲線のほかに、クロソイド曲線、細工ロイド曲線、カージオイド曲線或いは三次放物線を用いることもできる。
図1に示すように、ハンプは中間部分に平坦部を有するため、ハンプの両端のすりつけ部とすりつけ部の間に、平坦部が施工される。平坦部も、すりつけ部と同様、第1層、第2層、第3層の3層に分けて施工され、施工の際、図5に示す、両側直線型枠5、内側直線型枠6、及び第3層用直線型枠7が使用され、すりつけ部及び平坦部は連続して施工される。両側直線型枠5は、図5(a)に示すように、長尺の角材で形成され、両側型枠1とともにハンプ空間の両側端部に配置される。両側直線型枠5の上部には、縦断直線を有する第3層直線部22が形成される。
また、図5a,図5cに示す如く、両側型枠1の内側面に、第1層直線8が長手方向に描かれ、第1層直線8の上方に第2層直線9が描かれている。両側直線型枠5と内側直線型枠6における底面と第1層直線8の間隔は第1層の厚さ、第1層直線8と第2層直線9の間隔は第2層の厚さ、第2層直線9と第3層直線部22の間隔は第3層の厚さと一致する。第1層直線8は第1層の直線部分を施工する際の目印となり、第2層直線9は第2層の直線部分を施工する際の目印となる。
次に、上記構成の両側型枠1、内側型枠10、第3層用型枠20、両側直線型枠5、内側直線型枠6、及び第3層用直線型枠7を使用して、図1に示すハンプHの施工方法について説明する。
図1に示す如く、ハンプは道路の長手方向に、すりつけ部、平坦部、すりつけ部を連続して施工し、図6に示す如く、道路の幅方向に、施工場所を4分割し、且つそれらの分割場所を、厚さ方向に、第1層、第2層、第3層と分け、分割場所の各層を下から順に施工する。
概略的には、両側型枠1と両側直線型枠5を施工部分の両側に配置し、内側型枠10と内側直線型枠6を施工部分の内側に配置し、両側型枠1及び両側直線型枠5と内側型枠10及び内側直線型枠6との間に、舗装材料を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線3と舗装材料の表面が一致するように転圧して第1層を施工する。
さらに、第1層の上に、舗装材料を撒き出し、敷き均しして転圧し、舗装材料の表面が内側型枠10及び内側直線型枠6の上部長手方向に設けたハンプの縦断曲線と一致するように第2層を施工する。全ての施工場所に第1層、第2層を施工した状態で、さらに、第2層の上に、第3層用型枠20と第3層用直線型枠7を配置し、舗装材料を撒き出し、敷き均しして転圧し、舗装材料の表面が第3層用型枠20の第3層縦断曲線部21と第3層用直線型枠7の第3層直線部22の縦断曲線と一致するように、表面を転圧して、第2層上に第3層を形成する。
ハンプの長さが例えば約6mで、道路からの高さが例えば約10cmのハンプを施工する場合、ハンプ設置場所のアスファルト層を、約5cmの厚さだけ掘削し、その場所に各々約5cmの厚さの、第1層、第2層、第3層を重ねて施工する。つまり、第1層、第2層、第3層は、各々、約5cmの厚さの層を形成する。また、ハンプの長さが例えば約6mの場合、両端のすりつけ部の長さは例えば約2mとし、中間部の平坦部(直線部分)の長さは約2mとし、すりつけ部と平坦部を連続して形成する。
また、同時に、ハンプ施工部分を、長手方向と平行の分割線により複数の分割部分に分割(例えば、4分割)し、各分割場所に順に舗装材料を撒き出しながら、各分割場所を転圧して、順に第1層及び第2層を施工する。そして、全ての分割場所に第1層、第2層を施工した状態で、分割場所の第2層上に、第3層用型枠20及び第3層用直線型枠7を設置し、それらと両側型枠1との間に、舗装材料を撒き出しながら、分割場所を転圧して、第2層上に、順に第3層を施工する。
例えば、道路の幅(ハンプの幅)が約4mの場合、図6のように、設置場所を幅方向に4分割し、片側から順に約1mづつの分割場所を設定する。各分割場所では、第1層と第2層を繰り返し形成し、さらに図7に示す如く、各分割場所の第2層上に第3層を形成し、最終的に長さ約6m、幅約4m、厚さ約10cmのハンプを施工することとなる。幅方向に4分割した幅長(約1m)は、転圧ローラ(ロードローラ)がその両端で踏むことが可能な幅であり、アスファルトを転圧する際、転圧ローラが両側の型枠上に乗り上げながら、効率良く転圧して、正確に縦断曲線及び縦断直線を形成することができる。
具体的には、先ず、道路上のハンプ設置場所のアスファルト層を、例えば、幅約4m、長さ約6mの範囲で、約5cmの厚さだけ、掘削する。掘削した設置空間の両側端部に両側型枠1を、道路の長手方向と平行に設置する。さらに、図6に示す如く、ハンプの設置場所を、長手方向と平行の分割線により4つの分割部分に分割し、その分割線の上に内側型枠10、内側直線型枠6、及び内側型枠10を並べて配置する。
図6の左上図のように、先ず、両側型枠1及び両側直線型枠5と、内側に配置した内側型枠10及び内側直線型枠6との間の分割部分に、舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、敷き均しし、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線3(図2、図3)及び第1層直線8(図5)と舗装材料の表面が一致するように転圧して、図8に示すように、第1層を施工する。
次に、第1層の上に、さらに舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、敷き均しし、ハンプの縦断曲線と類似する第2層縦断曲線4(図2)及び第2層直線9(図5)と舗装材料の表面が一致するように転圧して、第2層(図6の右上図)を施工する。
第2層を施工する際、内側型枠10の上部は第2層縦断曲線部12(図3a)となり、内側直線型枠6の上部は第2層直線部11(図5c)となっているので、転圧ローラが、内側型枠10と内側直線型枠6の天端上に乗り上げ、正確且つ容易に第2層をローラ仕上げすることができる。
次に、施工した第2層に隣接する分割部分に、第1層を上記と同様に施工する。つまり、内側型枠10及び内側直線型枠6の内側の分割部分に、舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線3及び第1層直線8と舗装材料の表面が一致するように転圧して第1層を施工する。
次に、その第1層の上に、さらに舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第2層縦断曲線4及び第2層直線9と舗装材料の表面が一致するように転圧して第2層を施工する。このときも、内側型枠10の上部の第2層縦断曲線部12が第2層縦断曲線4と一致し、第2層直線部11の上部の第2層直線が第2層直線9と一致するので、転圧ローラをその内側型枠10と内側直線型枠6の天端上に乗せ、ローラ仕上げを行うことができる。
次に、図6の右下に示すように、上記第2層の左隣の分割部分に、第1層を上記と同様に施工する。つまり、内側型枠10及び内側直線型枠6の内側の分割場所に、舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線3及び第1層直線8と舗装材料の表面が一致するように転圧して第1層を施工する。
次に、図6の左下に示す如く、上記第1層の上に、さらに舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、敷き均しし、ハンプの縦断曲線と類似する第2層縦断曲線4及び第2層直線9と舗装材料の表面が一致するように転圧して第2層を施工する。このとき、内側型枠10上部の第2層縦断曲線部12が第2層縦断曲線4と一致し、第2層直線部11上部の第2層直線が第2層直線9と一致するので、転圧ローラをその内側型枠10と内側直線型枠6の天端上に乗せ、第2層のローラ仕上げを行う。
このように、3つの分割場所で第1層及び第2層の施工を終了した後、図6の左下に示す如く、最後の分割場所で第1層及び第2層の施工を行う。
この場合は、図6左下図の左端に位置する、両側型枠1及び両側直線型枠5に隣接した分割部分に、舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第1層縦断曲線3及び第1層直線8と舗装材料の表面が一致するように転圧して第1層を施工する。
次に、その第1層の上に、さらに舗装材料(アスファルト粗粒)を撒き出し、ハンプの縦断曲線と類似する第2層縦断曲線4及び第2層直線9と舗装材料の表面が一致するように転圧して第2層を施工する。
これで、全ての分割部分で第1層及び第2層の施工が終了し、図9に示す状態となる。次に、図7に示すように、既に両側に配置される両側型枠1、両側直線型枠5、及び第3層用型枠20、第3層用直線型枠7を用いて、第2層の上に、第3層を順に施工する。第3層用型枠20及び第3層用直線型枠7は、図7に示す如く、分割場所の第2層上の内側に配置される。
図7の左上図のように、両側型枠1及び両側直線型枠5と、内側に配置した第3層用型枠20及び第3層用直線型枠7との間の分割部分に、舗装材料(アスファルト密粒)を撒き出し、敷き均しし、転圧して第3層を施工する。
このとき、施工するハンプHの縦断曲線は、両側型枠1の上部の縦断曲線部2の縦断曲線、第3層用型枠20の第3層縦断曲線部21の縦断曲線に一致し、施工するハンプHの縦断直線は、両側直線型枠5、第3層用直線型枠7の第3層直線部22の縦断直線に一致する。
そこで、両側型枠1及び両側直線型枠5と、内側に配置した第3層用型枠20及び第3層用直線型枠7との間の分割部分に、舗装材料(アスファルト密粒)を撒き出し、敷き均しし、転圧ローラを、両側型枠1及び両側直線型枠5の天端上に乗せ、さらに第3層用型枠20及び第3層用直線型枠7の天端上に乗り上げて転圧する。転圧ローラが型枠の天端上に乗り上げて舗装材料を転圧できるため、効率良く転圧することができる。
なお、第3層を施工後、両側型枠1は取り外され、ハンプHの端部処理を施して、作業を完了する。第3層には塗装を施し、或いは滑り止めを施すこともできる。また、上記の例では、第1層及び第2層と同じ分割線位置で、第3層を分割し施工したが、第3層は第1層、第2層とは異なる位置で分割し、施工することもできる。これにより、雨水などが分割線位置から浸入する不具合を防止することができる。
このように、上記施工方法では、ハンプHの各層を転圧するとき、転圧ローラが、型枠の天端上に乗り上げて、ハンプHの表面が、型枠上部に設けた縦断曲線及び縦断直線と一致するように、ハンプを施工することができる。このため、施工現場が異なる場合でも、常に一定形状のハンプを、比較的簡単に施工することができる。さらに、第1層、第2層、第3層に分けて、舗装材料を撒き出し、敷き均しするので、舗装するハンプの強度に応じて、各層の舗装部材の粒径や材質を変更することができ、舗装材料(アスファルト)の強度を調整しながら、適正な強度のハンプを施工することができる。
1 両側型枠
1a 底面
1b 側面
2 縦断曲線部
3 第1層縦断曲線
4 第2層縦断曲線
5 両側直線型枠
6 内側直線型枠
7 第3層用直線型枠
8 第1層直線
9 第2層直線
10 内側型枠
10a 底面
10b 側面
11 第2層直線部
12 第2層縦断曲線部
20 第3層用型枠
20a 底面
21 第3層縦断曲線部
22 第3層直線部

Claims (5)

  1. 道路上に型枠と舗装材料を用いてハンプを施工するハンプ施工方法において、
    該道路の両側端部に配置する両側型枠の上部長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、該両側型枠の内側には、該ハンプの縦断曲線に類似した第2層縦断曲線と第1層縦断曲線が描かれ、
    該道路の内側中間部に配置する内側型枠の上部長手方向に、第2層縦断曲線部が形成され、該内側型枠の内側に、該ハンプの縦断曲線に類似した該第1層縦断曲線が描かれ、
    該両側型枠及び/又は該内側型枠の内側に描かれたハンプの該第1層縦断曲線と舗装材料の表面が一致するように、該両側型枠及び/又は該内側型枠の内側に、該舗装材料を撒き出しながら転圧して、第1層を形成する第1層工程と、
    該第1層工程で施工した第1層の上に、さらに舗装材料を撒き出しながら転圧し、該舗装材料の表面が該両側型枠の該第2層縦断曲線及び/又は該内側型枠の上部長手方向に設けたハンプの縦断曲線と一致するように、表面を転圧して該第1層上に第2層を形成する第2層工程と、
    該第2層工程で施工した第2層の道路内側上に、前記第3層縦断曲線部を設けた第3層用型枠を配置し、該第2層の上に、さらに舗装材料を撒き出しながら転圧し、該舗装材料の表面が該ハンプの縦断曲線と一致するように、表面を転圧して、該第2層上に第3層を形成する第3層工程と
    を含むことを特徴とするハンプ施工方法。
  2. 前記縦断曲線としてサイン曲線が使用されることを特徴とする請求項1記載のハンプ施工方法。
  3. 前記ハンプは、道路上の平坦部と平坦部に続くすりつけ部とからなり、該すりつけ部に前記縦断曲線を形成し、該平坦部には、前記両側型枠に続く両側直線型枠及び/又は前記内側型枠に続く内側直線型枠を用いて、前記第1層、第2層及び第3層を施工することを特徴とする請求項1記載のハンプ施工方法。
  4. 前記ハンプを施工する道路を、長手方向と平行の分割線により複数の分割部分に分割し、前記両側型枠及び/又は内側型枠を用いて、該道路の側部側から該分割部分に順に舗装材料を撒き出しながら、該分割部分を転圧して、順に前記第1層工程及び前記第2層工程を施工し、前記第3層用型枠を用いて該分割部分の前記第2層上に舗装材料を撒き出しながら、該分割部分を転圧して、順に前記第3層工程を施工することを特徴とする請求項1記載のハンプ施工方法。
  5. 道路上に型枠と舗装材料を用いて、縦断曲線を有するハンプを施工するハンプ施工方法で使用するハンプ施工用型枠において、
    型枠の上部長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、ハンプの縦断曲線に類似した第2層縦断曲線と第1層縦断曲線が内側に描かれ、該道路の両側端部に、長手方向に沿って平行に配置される両側型枠と、
    型枠の上部長手方向に、第2層縦断曲線部が形成され、該ハンプの縦断曲線に類似した第1層縦断曲線が内側に描かれ、該道路の内側中間部に、長手方向に沿って平行に配置される内側型枠と、
    型枠の上部及び下部の長手方向に、該ハンプの縦断曲線を有する第3層縦断曲線部が形成され、該道路の内側中間部の第2層の上に、長手方向に沿って平行に配置される第3層用型枠と、
    を備えたことを特徴とするハンプ施工用型枠。
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