JP7256721B2 - 粒子線ビームプロファイル検出器、および、粒子線治療装置 - Google Patents

粒子線ビームプロファイル検出器、および、粒子線治療装置 Download PDF

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Description

本発明は、加速された荷電粒子をがん等の患部に照射する粒子線治療装置において、粒子線ビームのプロファイルを測定する装置に関する。
粒子線治療とは、粒子線加速器により加速された荷電粒子(陽子や炭素等の重粒子の原子核)をがん患部に照射することにより、がん細胞を破壊するがん治療法である。粒子線は、飛程の終端付近で最も線量集中性が高くなる。このため、がん患部で多くのエネルギを放出させることができ、健康組織へのダメージを抑制できるという特徴がある。一方、粒子線は、小さな照射領域において、大きなエネルギを放出するため、計算を事前に行って照射領域(がん細胞のある標的)を限定し、限定した照射領域に高精度に粒子線を照射することが求められる。
近年、細い粒子線ビームを用いて、ビームスポットで標的を塗りつぶす様に照射する、スポットスキャニング法が主流な照射法になっている。また、二つ以上の方向から標的に対して粒子線ビームを照射する方法が一般的に用いられる。このため、どの角度から、どのスポットへ、どの様な照射量で粒子線ビームを照射すれば良いかは、事前に最適化計算によって決定される。この最適化計算を行う過程は、治療計画と呼ばれる。
また、治療計画において、粒子線が大きなエネルギを放出する飛程の終端を標的(がん細胞)に一致させるために、粒子線が、その中心軸方向において患者体内でどのような線量分布になるか、予め計測しておく必要がある。この計測は、一般的には、実際にビームをファントムに向かって出射して線量分布を測定することにより行われる。
例えば、特許文献1には、水を入れた容器をファントムとして、容器内の水の中に放射線測定センサを配置し、センサに向かって放射線を照射する測定方法が開示されている。
特許文献2には、蛍光体を含む水をファントムとして用い、粒子線のペンシル状ビームをファントムに照射し、ビームが通過することによる発光を、ファントムの外側に配置した複数台のカメラで撮影することにより、ペンシル状ビームの線量分布を測定する技術が開示されている。
特許文献3には、粒子線を水に照射した際に微弱光が発生することに着目し、透明な容器に水を入れたものをファントムとして、放射線をファントムに照射し、CCDカメラ等で、放射線の通過位置から発生する微弱光を撮影する技術が開示されている。
特許文献4には、固体ファントムの中空に水ファントムを挿入し、水ファントム内に、銀活性リン酸塩ガラス板を線量測定手段として配置し、放射線を照射する構成が開示されている。放射線を照射した後、銀活性リン酸塩ガラス板を水ファントムから取り出して、紫外線で励起すると、放射線が照射された個所の銀活性リン酸塩ガラスから蛍光が放出される。この蛍光をリーダーで読み取ることにより放射線量を測定することができる。
特許第3839687号公報 特許第5918865号公報(段落0032) 特開2017-187286号公報 特許第4384897号公報
粒子線の種類として、陽子線や重粒子線が知られているが、陽子線は、陽子がそれ以上分裂しないため、比較的まっすぐに飛んでいくのに対し、炭素等の原子核である重粒子線は、原子核に陽子と中性子が複数個含まれ、被検体中で一部が分裂しながら飛んでいく。そのため、陽子線と比較して、重粒子線は、図5(a)に示すようにビーム径が広がりやすいという特性があり、粒子線の標的の位置におけるスポット形状およびスポット内の線量分布(ビームプロファイル)を精度よく測定することが、治療計画を立てる上では必要でなる。
粒子線治療装置は、大きな装置であるため、設置場所において構成部品を組み立てて完成させ、試運転を行った後に顧客に引き渡される。試運転期間中に、装置から実際に出射される粒子線の線量分布が測定され、稼働後の治療計画の作成に用いられることが望ましい。そのためには、粒子線治療装置の設置場所で、少なくとも粒子線の中心軸に直交する面内(スポット内)において、粒子線の線量分布(ビームプロファイル)を短時間で精度よく測定することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術により、ビームプロファイルを測定しようとすると、小さな放射線測定センサの位置を2次元に微小量ずつ移動させながら、繰り返し放射線(粒子線)を照射し、1点ずつ放射線強度を測定する必要がある(図3(a)参照)。そのため、ビームプロファイルの測定に長時間を要するという問題がある。
一方、特許文献2、3に記載の技術は、蛍光体の水溶液や水を粒子線が通過することにより発せられる光の強度をカメラで測定する方法であるが、スポット形状およびスポット内の線量分布(ビームプロファイル)を光量分布としてカメラで測定するためには、カメラの光軸と放射線の中心軸とを一致または平行になるように配置する必要がある。このときカメラに到達する光は、蛍光体の水溶液や水の放射線が通過した各位置で発せられた光を積算したものになるため、粒子線の中心軸のある位置における中心軸に直交する面内の光量分布(線量分布)を精度よく測定することは難しい。また、特許文献2の技術では蛍光体の水溶液をファントムとして用いるが、水に溶かすことができる蛍光体の濃度には上限があるため、粒子線の通過により発せられる蛍光の強度をある程度以上大きくすることは難しい。また、特許文献3の技術では水そのものの発光であるため、光の強度は微弱である。このため、光の強度によって測定する放射線の線量分布の精度をある程度以上に向上させることは難しいという課題もある。
特許文献4に記載の技術は、銀活性リン酸塩ガラス板を、水中の線量分布を測定したい位置に配置し、放射線を照射した後、銀活性リン酸塩ガラス板を取り出して紫外線を照射して励起する必要があるため、1回の測定に手間と時間がかかる。このため、短時間で粒子線のビームプロファイルを測定するのは難しい。
本発明の目的は、水中の粒子線のビームプロファイルを短時間に簡便に測定することのできる検出器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、水槽と、前記水槽内に配置され、粒子線の照射を受けて蛍光を発する板状の蛍光体と、前記水槽の外に配置され、前記水槽を通過した前記蛍光を受光して、前記蛍光の受光面における強度分布を検出する光検出器とを有する粒子線ビームプロファイル検出器が提供される。
本発明によれば、水中の粒子線のビームプロファイルを短時間に簡便に測定することのできる検出器を提供することができる。
実施形態の粒子線治療装置の全体構造を示すブロック図 実施形態の粒子線ビームプロファイル検出器100の構成を示す側面図 (a)従来技術のイオンチェンバーで線量分布を測定する場合の測定点を示すグラフ、(b)実施形態で測定される蛍光の2次元強度分布と、そのD-D’線上の線量分布を示すグラフ 実施形態2の粒子線ビームプロファイル検出器の構成を示す側面図 (a)粒子線21の中心軸を含む面内(xz面)における広がりを示す説明図、(b)粒子線21の中心軸(z方向)の線量分布を示すグラフ、(c)粒子線の中心軸に垂直な方向(x方向)の線量分布を示すグラフ 実施形態2の粒子線照射装置の粒子線治療装置の治療計画装置の構成を示すブロック図 実施形態2の粒子線ビームプロファイル検出器の制御動作を示すフローチャート 実施形態2の粒子線治療装置において表示装置に表示される直近および過去の粒子線線量分布測定結果を示す表示画面例の説明図 実施形態3の検出器を構成を示す斜視図 (a)および(b)比較例の測定方法を示す説明図
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
<<実施形態1>>
本実施形態の粒子線ビームプロファイル検出器を備えた粒子線治療装置について説明する。まず、図1を用いて粒子線治療装置の全体構造について説明する。
粒子線治療装置は、図1に示すように、被検体(治療対象)を搭載するための治療台15と、粒子を加速する加速器12と、加速器12から出射された粒子線を被検体近傍まで輸送するビーム輸送系13と、ビーム輸送系13で輸送された粒子線を被検体に向かって照射する照射ノズル14とを備えている。粒子線の線量分布(ビームプロファイル)の測定時には、図1のように治療台15の上に、図2に示す構造の粒子線ビームプロファイル検出器100が配置される。
なお、図1の粒子線治療装置では、加速器12として、入射器11が接続されたシンクロトロン加速器を用いる例を示したが、サイクロトロン加速器等の他の構成の加速器を用いることももちろん可能である。入射器11としては、線形加速器を用いることができる。また、図1では、ビーム輸送系13と照射ノズル14は、回転ガントリー(不図示)に搭載され、被検体の周囲を回動可能な構成の例を示したが、固定されていても良い。
また、入射器11、加速器12およびビーム輸送系13には、これらの動作を制御するビーム制御装置62が接続される。粒子線ビームプロファイル検出器100には、ビームプロファイル検出制御装置61が接続される。また、ビームプロファイル検出制御装置61には、治療計画装置63が接続され、測定した粒子線のビームプロファイル(線量分布)を用いて最適な治療計画を作成する。被検体の治療時には、ビーム制御装置62は、治療計画装置63が作成した治療計画に沿って粒子線を被検体に対して照射する。
つぎに、粒子線ビームプロファイル検出器100の構成を図2を用いて説明する。
粒子線ビームプロファイル検出器100は、水槽40と、水槽40内に配置され、粒子線21の照射を受けて蛍光を発する薄い板状または膜状(以下、これらをまとめて板状と呼ぶ)の蛍光体51と、水槽40の外に配置された光検出器55とを備えている。光検出器55は、蛍光体51から発せられ、水槽40を通過した蛍光31を受光して、受光面における蛍光31の強度分布を検出する。
このような構成において水槽40内に、密度が人体に近い水43を入れ、水43中に板状の蛍光体51を配置して、粒子線21を照射ノズル14から照射することにより、人体の内部におけるのと近い粒子線21の線量分布を水中で生じさせる。蛍光体51は、蛍光体51が配置された位置における粒子線21の線量分布に対応した強度分布の蛍光を発する。よって、発せられた蛍光のうち水槽40を通過した蛍光31を光検出器55により受光して、受光面における光の強度分布を測定することにより、蛍光体51の位置における線量分布(ビームプロファイル)を測定することができる。
このとき、板状の蛍光体51を、粒子線21の中心軸上の所望の位置であって、粒子線21の中心軸に垂直な面内に配置することにより、その面内における粒子線21の線量分布(ビームプロファイル)を一度に蛍光の強度分布に変換して測定することができる。よって、イオンチェンバーによってその位置を少しずつずらしながら線量を検出する場合よりも短時間でビームプロファイルを測定できる。
また、本実施形態の粒子線ビームプロファイル検出器100は、粒子線の線量分布を水中で蛍光の強度分布に変換し、蛍光に水槽40を通過させる構成であるため、粒子線が水槽40の影響を受けない。よって、蛍光は、粒子線の線量分布を正確に反映している。蛍光は、蛍光波長を透過する透明な水槽40を通過し、光検出器55に検出される。水槽40を通過する際の蛍光の散乱と屈折は、予め測定しておき、その影響を構成する較正パターンを用意しておくことで補正可能である。
したがって、粒子線21に水槽40を通過させてから蛍光体に照射する場合と比較して、蛍光を水槽40に通過させる本実施形態の構成は、水槽40を通過する際に生じる粒子線の散乱の影響を受けることがなく、人体内の線量分布に対応した水中の線量分布を精度よく、かつ、高速に測定することができる。
また、板状の蛍光体51は、水に蛍光体を溶かした水溶液と比較して、蛍光体の濃度が高いため、強度の大きな蛍光を発することができる。よって、光検出器55は、受光面において蛍光の強度分布を精度よく検出することができる。
このように、本実施形態では、粒子線照射装置から照射される粒子線の線量分布を所望の方向についてを短時間に簡便に測定することができる。
具体的には、図2の構造の粒子線ビームプロファイル検出器は、板状の蛍光体51が、水槽40の底面に配置されている。粒子線21は照射ノズル14から出射され、水槽40に蓄えられた水43を深さ方向に通過して、底面の蛍光体51に到達し、蛍光体51に照射される。蛍光体51は、上方から粒子線21の照射を受けて、少なくとも水槽40の底面部材41に向かって蛍光を発する構造である。
板状の蛍光体51としては、例えば、蛍光体粒子層を板状の支持体に搭載した構造のものを用いることができる。この場合、蛍光体粒子層を水槽40の底面部材41に向けて、板状の支持体を上方に向けて配置することにより、粒子線21は、支持体を通過して蛍光体粒子層に到達し、蛍光体粒子層は底面部材41に向かって蛍光を発する。また、蛍光体粒子層を上方に向け、支持体を底面部材41に向けた配置することも可能である。この場合、蛍光体粒子層から発せられた蛍光が支持体を透過して底面部材41に向かうように、支持体としては蛍光体粒子層から発せられた蛍光を透過する材質で構成されたものを用いる。
板状の蛍光体51としては、蛍光体を含有するセラミック、ガラス、または樹脂によって構成されているものを用いることも可能である。この場合、自己支持性のある蛍光体51を構成することができるため、蛍光体51は、支持体を備えない構成にすることも可能である。
また、板状の蛍光体51は、放射線のエネルギーを光に変換することができるものであれば、どのようなものでもよい。ここでいう、蛍光体(蛍光物質)とは、放射線によって励起され、蛍光を発しながら低いエネルギーに遷移する物質をいう。
蛍光体51が、蛍光体粒子層を板状の支持体に搭載した構造である場合、支持体としては、例えば紙を用いることができる。このような支持体に、蛍光体粉末を溶剤に溶かしたものを塗布した後乾燥させることにより製造することができる。この構成の蛍光体51は、薄いため、光検出器55の受光面にくっきりした像を結ぶことができ、発光量も多いというメリットがある。ただし、支持体および蛍光体粒子層が水43で濡れないように、全体を樹脂で覆う等の防水加工を施すことが望ましい。具体的には例えば、蛍光体51の両側を薄い(数十~数百μm程度)プラスチック膜で覆い、辺縁を接着剤または熱で封じた構成とする。また例えば、蛍光体51の両側にプラスチックを蒸着することにより防水加工する事も考えられる。蛍光体51を覆うプラスチックからなる防水層は、いずれにしても、水槽40の底面部材41の厚さ(一般的には、2~5cm厚さ)と比べて十分薄いため、粒子線21が通過した場合に粒子線21が散乱する現象も微小である。
一方、板状の蛍光体51として、蛍光体を含有するセラミック、ガラス、または樹脂によって構成する場合、例えば、蛍光物質の粉末をセラミック、ガラス、またはプラスチック中に分散させた後、成形したものを用いることができる。これらの場合、セラミック、ガラス、または樹脂によって、蛍光体へ水が到達するのを防止することができるため、別途の防水加工を省略できる場合がある。
なお、水槽40のうち少なくとも蛍光31が通過する領域は、蛍光31を透過する部材で構成されている。また、この部材は、蛍光の反射防止構造を有することが望ましい。例えば、図2の構成では、蛍光31が水槽40の底面部材41を通過する。このため、透明な水槽40の底面部材41で光が乱反射し、光検出器55上の像がぼやける事を防ぐため、底面部材41として、乱反射防止構造(例えば所定の凹凸構造)が設けられたガラスを使用することが好ましい。また、底面部材41を構成する樹脂やガラスに、反射光を遮断する偏光フィルムを張り付けてもよい。
また、水槽40の底面部材41を通過する際の光の屈折角度には波長依存性があるため、底面部材41と光検出器55との間の光軸上に、蛍光31の波長を選択的に透過する光学フィルタを設置してもよい。これにより、蛍光31のみを光検出器55に到達させることができる。
また、光学フィルタを光検出器55の前に設置することにより、大線量の粒子線21のビームプロファイルを測定する際に、光検出器55に到達する蛍光31の強度を光検出器55が検出可能な範囲の強度まで低下させることもできる。
光検出器55は、水槽40の底面部材41を透過した蛍光31を検出する位置に配置されている。光検出器55としては、受光面における光量分布が検出できるものであればどのようなものでもよく、例えば、CCDやCMOSカメラや、複数の半導体光検出器を2次元アレイに配列したもの等を用いることができる。また、光検出器55がレンズを内蔵していてもよい。
これにより、光検出器55は、図3(b)の左側の図のように、粒子線21の光軸に対して垂直な面内における蛍光の強度分布を2次元に検出することができる。この蛍光の強度分布を予め求めておいた蛍光強度と線量との関係に基づいて補正することにより、粒子線21の光軸に対して垂直な面内におけるビームプロファイルを2次元に求めることができる。図3(b)の右側の図は、左側の図に示したD-D’の線上の線量分布を示すグラフである。
本実施形態の粒子線ビームプロファイル検出器100を用いることにより、2次元のビームプロファイルが一度の測定で得られるため、比較例として図3(a)に示すように、イオンチェンバーを用いて1点ずつ測定している場合よりも、短時間で精度よく線量分布を測定することができる。
なお、上述の実施形態1において、光検出器55は、粒子線21が当たらない場所にあることが、耐久性の面で望ましい。そのため、例えば、図2の構造のように、光検出器55は、粒子線21の直下ではなく、少し離れた場所に配置することができる。この場合、水槽40の底面部材41と光検出器55との間には、蛍光31を偏向させ光検出器55に到達させる偏向部材(ミラー)52が配置されている。偏向部材52は、支持構造53によって支持され、しかも、回転軸54を中心に回動可能な構成である。
また、光検出器55を水槽40の底面部材41に近い場所に配置し、光検出器55の上部を鉛などで遮蔽しても良い。
図2の構造では、光検出器55は、筐体50の内部に配置され、筐体50は、蛍光31が通過する領域を除いて暗室構造であることが望ましい。これにより、治療台15が配置されている環境からの光が、光検出器55の測定結果を与える影響を低減できる。水槽40は筐体50の上に搭載され、筐体50は水槽40を支持する支持台の機能を兼用している。水槽40は、筐体50から脱着可能な構造にしても良い。
また、光検出器55の受光面において、鮮明で歪みの少ない蛍光31の像を結像させるため、鏡を支持し、その位置や角度を調整する構造54をさらに配置してもよい。
また、光検出器55の位置、距離を調整するため、光検出器55は、光学ステージ156に搭載されていることが望ましい。
本実施形態では、光検出器55を水槽40の外に配置しているため、視野が広く、歪みの少ない像を撮影することができる。また、光検出器55やそのケーブルの防水加工が不要であり、粒子線ビームプロファイル検出器100の耐久性が高い。
<<実施形態2>>
実施形態2の粒子線ビームプロファイル検出器100について説明する。
実施形態1の粒子線ビームプロファイル検出器では、蛍光体51が水槽40の底面に配置される構成であるため、粒子線の中心軸に直交する面内の2次元の線量分布(ビームプロファイル)を測定できるが、粒子線の中心軸上の異なる複数の位置でビームプロファイルをそれぞれ測定する場合、水槽40の水の深さを変えて、複数回測定を行う必要がある。そこで、実施形態2の粒子線ビームプロファイル検出器100では、図4に示すように、板状の蛍光体51を水槽40内で上下動させる蛍光体駆動部70を配置し、水槽40の水の深さを変えることなく、水面から蛍光体51まで距離を変更できるようにした。
具体的には、蛍光体駆動部70は、水槽40の内壁に深さ方向に備えられた軌道72と、蛍光体51を底面に平行に保持して軌道72に沿って移動する駆動部71と、を含む。軌道72は、水槽40の内壁に深さ方向に平行に配置され、駆動部71は、モータと車輪等を含み、軌道72に沿って移動することにより、蛍光体51を底面に平行に保ったまま水の深さ方向に上下動させる。
また、水槽40の底面部材41と光検出器55との間には、底面部材41を透過した蛍光31を光検出器55に向かって集光する集光光学系73と、集光光学系73の光検出器55に対する距離を可変にする駆動部56,74とがさらに配置されている。具体的には、光検出器55は、駆動部56に搭載され、集光光学系73は、駆動部74に搭載されている。光検出器55と偏向部材52との間には、蛍光31の光軸に沿って軌道75が配置されている。駆動部56,57は、いずれもモータと車輪等を含み、それぞれ独立して、軌道75上を移動することができる。この機構により、集光光学系73の光検出器55に対する位置を調整することにより、蛍光体51が上下動した場合でも、光検出器55の受光面に、蛍光31を結像させることができる。
ビームプロファイル検出制御装置61内には、図4に示すように駆動制御部61aが配置されている。駆動制御部61aは、蛍光体51の駆動部70と、光検出器55の駆動部56と、集光光学系73の駆動部74を制御することにより、蛍光体51の上下動に応じて、集光光学系73の光検出器55に対する位置を予め定めた位置に配置する。これにより、蛍光体51を上下動させて、水面からの距離(深さ)を所定の範囲で変化させながら、蛍光体51からの蛍光31を集光光学系73で集光して蛍光検出器55の受光面に常に結像させることができる。
よって、粒子線の中心軸の各深さに蛍光体51を移動させて、その都度、中心軸に垂直な面内の線量の2次元分布を測定することにより、複数の深さにおける粒子線の2次元の線量分布(ビームプロファイル)、または、3次元の線量分布を得ることができる。
また、粒子線の中心軸に垂直な面内の線量の和を、深さごとに求めることにより、図5(b)のように粒子線の中心軸方向の線量分布を得ることができる。
なお、駆動制御部61aは、光検出器55の駆動部56や集光光学系73の駆動部74の制御を、位置を指示する位置制御で行ってもよいし、移動量を指示する制御で行ってもよい。位置制御の場合、駆動部56、74に、例えば、レーザーを用いて基準物との距離を測定することにより、位置を検出する構造を備える移動量で制御する場合、駆動部56、74は、モータ或いは車輪の回転数で移動量を測定する構造や、軌道上に付した印を読み取ることで移動量を推定する構造を備えることが望ましい。
一方、治療計画装置63内には、図6に示すように治療領域設定部63aと、照射位置最適化計画部63bと、粒子線ビームプロファイル格納部63cとが備えられている。治療領域設定部63aは、ユーザに被検体のCT画像等を表示し、その画像上で被検体内の治療すべき領域の設定を受け付ける等することにより、治療領域を設定する。粒子線ビームプロファイル格納部63cは、粒子線ビームプロファイル検出制御装置61から測定した粒子線ビームプロファイルを受け取って格納する。照射位置最適化計画部63bは、治療領域の全体に所定線量以上の粒子線を照射するための、粒子線を照射すべき複数スポットの配置(治療計画)を最適化計算により作成する。
<ビームプロファイル測定>
ここで、粒子線治療装置の粒子線ビームプロファイルの検出時の各部の動作について説明する。
ユーザまたはオペレータは、治療室81内の治療台15の上に、粒子線ビームプロファイル検出器100を設置する。このとき、照射ノズル14から照射される粒子線が、水槽40の上部開口から深さ方向に進んで蛍光体51に到達するように、照射ノズル14と粒子線ビームプロファイル検出器100の位置合わせをする。水槽40には、ビームプロファイルを測定する深さ方向の範囲が水中に入るように、所定の深さまで水を満たしておく。なお、ここでは深さ方向(粒子線の軸方向)の測定範囲は、予め定められている場合について説明するが、測定範囲を不図示の入力手段を介して、ユーザから受け付ける構成にしてもよい。
制御室82には、粒子線ビームプロファイル検出制御装置61と治療計画装置63が配置されている。ビームプロファイル検出制御装置(以下、単に制御装置とも呼ぶ)61は、メモリとCPUとを内蔵しており、メモリに予め格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより図7のフローのように各部を制御し、ビームプロファイルを測定する機能をソフトウエアにより実現する。ただし、本実施形態のビームプロファイル検出制御装置61は、その一部または全部をハードウエアによって実現することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いてビームプロファイル検出制御装置61を構成し、その機能を実現するように回路設計を行えばよい。
まず、制御装置61は、粒子線の軸方向の予め定めておいた測定範囲内の予め定めた開始位置に蛍光体51を配置するように、駆動制御部61aに指示する(ステップ701)。駆動制御部61aは、蛍光体51を保持する駆動部71を駆動し、軌道72に沿って移動させることにより、予め定めた開始位置に蛍光体51を配置する。また、同時に駆動制御部61aは、駆動部56,74を駆動し、蛍光体51の位置に応じて、予め定めておいた位置に光検出器55と集光光学系73を配置する。
制御装置61は、ビーム制御装置62に粒子線の照射を指示する。ビーム制御装置62が、加速器12等を制御することにより、照射ノズル14から粒子線が照射される(ステップ702)。ビームの照射は高速に行われる。一般的には、数ミリ秒から数十ミリ秒で開始、終了する。
粒子線21は、主平面が粒子線21の軸方向に直交するように配置された蛍光体51に照射され、蛍光体51は蛍光体51の主平面における線量分布(ビームプロファイル)に対応した強度分布の蛍光31を発する。蛍光は、水槽40の底面を透過し、偏向部材52により偏向され、集光光学系73により集光され、光検出器55の受光面に結像される。
光検出器55は、受光面の蛍光の強度分布を検出する(ステップ703)。このとき、光検出器55が強度分布を検出するタイミングは、制御装置61が制御する。例えば、光検出器55がカメラの場合には、撮像するタイミング、例えばシャッタを、制御装置61がビーム制御装置62に粒子線を照射を指示する出射信号をトリガーとして開閉することにより、粒子線の照射と蛍光の検出とを同期させることができる。
ビームプロファイル検出制御装置61は、光検出器55が検出した蛍光の強度分布を受け取って、予め求めておいた数式を用いて較正することにより粒子線の線量分布(ビームプロファイル)に変換し、内蔵するメモリに格納する。蛍光体51の発光量と照射される放射線21の線量は、比例関係に近い事が分かっているが、測定する前に両者の関係(線形性)を求めて、較正する。また、蛍光の水槽40の底面板を通過する際の屈折等についても予め測定しておき、ビームプロファイルを較正する。
制御装置61は、蛍光体51の位置を予め定めた深さだけ移動させるように駆動制御部61aに指示する(ステップ704)。駆動制御部61aは、駆動部71を制御して蛍光体51を移動させるとともに、駆動部56、74を制御して、蛍光51の発する蛍光31が受光面に結像するように、光検出器55と集光光学系73も移動させる。
そして、ステップ702に戻って、制御装置61は、粒子線を照射させ、蛍光体51の現在の位置における強度分布を検出させ、粒子線の線量分布(ビームプロファイル)に変換して、内蔵するメモリに格納する(ステップ702~701)。これらの動作を、蛍光体51が、測定範囲(深さ方向)のすべての測定位置に配置されるまで繰り返す(ステップ705)。測定範囲のすべての測定位置の線量分布を測定したならば、制御装置61は、メモリに格納してきた各位置におけるビームプロファイルを治療計画装置63の粒子線ビームプロファイル格納部63cに格納する(ステップ706)。粒子線ビームプロファイル格納部63cに格納するデータは、図5(c)のように、深さ方向の各位置における2次元のビームプロファイルのデータの集合であってもよいし、3次元ビームプロファイルデータであってもよい。また、制御装置61は、深さ方向の各位置における2次元のビームプロファイルから、図5(b)のように、粒子線の軸方向の線量分布を算出して、粒子線ビームプロファイル格納部63cに格納する。
制御装置61は、図8に示したように、格納した2次元ビームプロファイルまたは3次元ビームプロファイルを表示装置65に表示させる。これにより、ユーザは、現在の粒子線の線量分布を表示装置65の表示により確認することができる。また、粒子線ビームプロファイル格納部63cをデータベース構造とし、制御装置61が、粒子線ビームプロファイル格納部63cにビームプロファイルを時系列に格納する構成としてもよい。これにより、データベース内の時系列なビームプロファイルを図8のように表示装置65に表示することが可能になるため、ユーザは、時系列なビームプロファイルの変化を確認することも可能になる。
治療計画装置63の治療計画の作成手順について簡単に説明する。治療計画装置63の治療領域設定部63aは、予めX線CT装置等により撮影された被検体の画像を表示装置65等に表示する。不図示の入出力装置を介して、ユーザが治療領域を画像上で設定する等することにより、治療領域を設定したならば、治療領域設定部63aをこれを受け付ける。照射位置最適化計画部63bは、設定された治療領域を治療領域設定部63aから受け取るとともに、粒子線ビームプロファイル格納部63cから粒子線の軸方向の各深さでの線量分布(ビームプロファイル)を受け取って、治療領域全体にまんべんなく、所定値以上の線量が照射するための粒子線照射位置(スポット位置)を最適化計算により決定する。
これにより、治療計画装置63は、治療計画を作成することができる。このとき、本実施形態では、実際に照射される粒子線のビームプロファイルの測定結果が粒子線ビームプロファイル格納部63cに格納されているため、治療計画装置63は、このビームプロファイルを用いて治療領域全体にまんべんなく所定値以上の線量を照射する治療計画を精度よく作成することができる。
実際の治療時には、治療台15から粒子線ビームプロファイル検出器100を下ろし、被検体を搭載して粒子線21の軸方向と被検体とを位置合わせし、治療計画で設定された粒子線照射位置に粒子線21をそれぞれ照射する。
本実施形態では、使用場所に設置後の粒子線治療装置において、粒子線ビームプロファイルを実測した結果を用いて、治療計画を作成できるため、照射精度を向上させることができる。
<<実施形態3>>
実施形態1および2の粒子線ビームプロファイル検出器100は、蛍光体51の主平面を、粒子線の中心軸に直交するように配置し、その面内の線量分布(ビームプロファイル)を測定する構成であったが、実施形態3の粒子線ビームプロファイル検出器は、図9のように、蛍光体51を、その主平面が粒子線21の中心軸に一致するように配置した構成である。光検出器55は、水槽40の側方に配置される。
このような配置では、蛍光体51は、粒子線21の中心軸に沿って線状に蛍光を発光する。蛍光の光量分布は、粒子線21の中心軸方向の線量分布に対応する。蛍光体51から発せられた蛍光、水槽40の側面へ向かって進み、水槽40の側面部材42を透過する。よって、光検出器55は、側面部材42を透過した蛍光を検出する。
粒子線21の軸方向の蛍光の強度分布を、予め求めておいた蛍光強度と線量との関係を用いて較正することにより、粒子線軸方向の線量分布(ビームプロファイル)(図5(b)参照)を求めることができる。
蛍光体51を粒子線21の軸方向に回転させて、複数の回転角度について線量分布を求めることにより、粒子線21の3次元ビームプロファイルを求めることが可能である。
他の構成は、実施形態1,2と同様であるので説明を省略する。
なお、上述してきた実施形態1~3では、人体を模擬した水の中に蛍光体51を配置する構成であるが、必ずしも水中でなくともよく、水以外のファントムや空気中に蛍光体51を配置してビームプロファイルを測定することも可能である。
<<比較例>>
比較例として、水槽40の底面部材41や側面部材42の外側に蛍光体51を配置し、他の構成は実施形態1と同様にした構成の粒子線ビームプロファイル検出器で線量分布を測定する方法について検討する。
水槽40の外に蛍光体を配置した場合、粒子線21は、水と水槽40の底面部材または側面部材を通過した後、蛍光体に到達する。例えば、図10(a)に示すように、水の深さ20cmの水槽40の底面部材41(1~2cm)の下面に蛍光体を配置すると、蛍光体に到達する粒子線21は、20cmの水で徐々に散乱された後、水槽40の底面部材41によって、さらに散乱された線量分布になる。そのため、蛍光体51は、水槽40の底面部材41による散乱分も加味された線量分布を蛍光に変換するため、線量分布の検出精度が低下する。
水槽40による散乱の影響を除去するため、仮に、水槽40の底面部材41の厚さを水等価厚さに換算し、その分だけ水を減らした場合、粒子線の飛程を合わせることはできるが、水槽40による散乱の影響を除去することはできない。例えば、2cmの水槽40の底面部材41による粒子線の飛程損失(通過する物質厚[g/cm2])が2.2cmの水に相当する場合、水の深さを17.8cmにすることにより、17.8cmの水と2cmの水槽40の底面部材41を通過した粒子線のエネルギー損失を、20cmの水を通過した粒子線のエネルギー損失と一致させることができる。しかしながら、このように水の深さを調節した場合であっても、散乱の度合いは異なる。なぜなら、粒子線の散乱の度合いは、物質を組成する元素に依存し、重い原子の近くほど散乱されやすい。そのため、ガラスまたは樹脂で作られる水槽40による粒子線の散乱の影響を、水の深さの調節によって打ち消すことはできない。
一方、水槽40による粒子線の散乱の影響を除去するために、図10(b)のように、水を入れていない状態で粒子線21を照射して水槽40により散乱した粒子線21を蛍光体51により測定し、その後、水を入れて水と水槽40により散乱した粒子線21を蛍光体51による散乱を測定し、両者の差分を求めることにより、水のみによる粒子線21の散乱の度合いを求めることも考えられる。しかしながら、物質中の粒子線の散乱のし易さは、エネルギーに依存し、エネルギーが高いビームは散乱されにくく、エネルギーが低いビームは顕著に散乱される。そのため、水の有無により、水槽40の底面部材41に到達する際の粒子線21のエネルギーが異なる上記測定方法は、水の有無により水槽40における散乱の度合いが異なるため、差分を求めても、水のみによる粒子線21の散乱の度合いを求めることはできない。
また、水槽40の底面部材41や壁面部材を薄くして影響を抑えることも考えられるが、深さ30cmの水の水圧を受けても、たわみを生じることなく支える機能を維持する必要があり、ある程度以上に薄くすることは困難である。
以上のことから、蛍光体51を水槽40の底面部材41や側面部材の外側に配置する比較例の構成の粒子線ビームプロファイル検出器は、水槽40による粒子線21の散乱の影響を除去することが難しい。そのため、比較例の粒子線ビームプロファイル検出器は、実施形態1~3の粒子線ビームプロファイル検出器100のよりも粒子線の線量分布の測定精度が低下する。
1:粒子線治療装置
11:入射器として使用される線形加速器
12:シンクロトロン加速器
13:ビーム輸送系
14:照射ノズル
15:治療台
21:粒子線
40:水槽
41:水槽底面部材
42:水槽側面部材
43:水
50:筐体
51:蛍光体
52:偏向部材
53:支持構造
54:回転軸
55:光検出器
56:駆動部
61:ビームプロファイル検出制御装置
61a:駆動制御部
62:ビーム制御装置
63:治療計画装置
73:集光光学系
74:駆動部
100:粒子線ビームプロファイル検出器
156:光学ステージ

Claims (8)

  1. 上部開口を備え、内部に水が所定の深さまで蓄えられる水槽と、
    前記水槽の底面に平行に前記水槽内に配置され、前記水槽の前記上部開口から深さ方向に進む粒子線の照射を受けて、少なくとも前記水槽の底面に向かって蛍光を発する板状の蛍光体と、
    前記水槽の内壁に深さ方向に沿って備えられた第1軌道と、
    前記蛍光体を保持して前記第1軌道に沿って移動することにより、前記水槽の水面から前記蛍光体までの距離を変更する蛍光体駆動部と、
    前記水槽の底面部材よりも下方の空間に配置され、前記粒子線の照射を受けて前記蛍光体が発した蛍光のうち前記底面部材を透過した蛍光を偏向する偏向部材と、
    前記偏向部材によって偏向された蛍光が到達する位置に配置された光検出器と、
    前記光検出器と前記偏向部材との間に配置され、前記蛍光を集光する集光光学系と、
    前記光検出器と前記偏向部材との間に、前記偏向された蛍光の光軸に平行に配置された第2軌道と、
    前記光検出器を搭載し、前記第2軌道上の移動する光検出器駆動部と、
    前記集光光学系を搭載し、前記第2軌道上を移動する集光光学系駆動部と、
    前記蛍光体駆動部と、前記光検出器駆動部と、前記集光光学系駆動部とを制御する駆動制御部とを有し、
    前記駆動制御部は、前記蛍光体駆動部を動作させることにより、前記蛍光体の水面からの距離を設定するとともに、前記光検出器駆動部と前記集光光学系駆動部とを動作させることにより、前記蛍光体の位置に応じて前記集光光学系と前記光検出器をそれぞれ予め定めた位置に配置し、前記偏向部材で偏向された前記蛍光を前記集光光学系で集光し、前記光検出器の受光面に結像させる
    ことを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  2. 請求項1に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であって、前記板状の蛍光体は、蛍光体粒子層を板状の支持体に搭載した構成であることを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  3. 請求項1に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であって、前記板状の蛍光体は、蛍光体を含有するセラミック、ガラス、または樹脂によって構成されていることを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  4. 請求項1に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であって、前記水槽のうち前記蛍光が通過する領域は、前記蛍光を透過する部材であって、前記蛍光の反射防止構造を有する部材によって構成されていることを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  5. 請求項に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であって、前記反射防止構造は、前記部材に設けられた凹凸構造、または、前記部材に取り付けられた偏光フィルムであることを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  6. 請求項に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であって、前記水槽の前記底面部材と前記光検出器との間には、蛍光波長を選択的に透過する光学フィルタが配置されていることを特徴とする粒子線ビームプロファイル検出器。
  7. 治療対象を搭載するための治療台と、粒子を加速して粒子線を出射する加速器と、前記粒子線を前記治療対象に向かって照射する照射ノズルと、前記治療台に搭載されて前記粒子線の線量分布を測定する粒子線ビームプロファイル検出器とを有し、
    前記粒子線ビームプロファイル検出器は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の粒子線ビームプロファイル検出器であること特徴とする粒子線治療装置。
  8. 請求項の粒子線治療装置であって、ビームプロファイル格納部と、照射位置最適化計画部とをさらに有し、
    前記粒子線ビームプロファイル検出器は、粒子線の少なくとも中心軸に垂直な面内の線量分布を測定して、測定結果を前記ビームプロファイル格納部に格納し、
    前記照射位置最適化計画部は、前記ビームプロファイル格納部から前記線量分布を読み出して、当該線量分布を用いて前記治療対象の前記粒子線を照射すべき複数の位置を決定することを特徴とする粒子線治療装置。
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