JP2016198236A - 放射線モニタリングシステム - Google Patents
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Abstract
Description
前記ターゲットTのビーム入射面に当接させて、或いはビーム入射面近傍に隙間を空けて配置される板状、シート状またはフィルム状のシンチレータ部材1と;このシンチレータ部材1に向けて設置される、撮像素子21および結像光学系22を備えた撮像装置2と;この撮像装置2に対して通信可能に接続された情報処理装置3とを含んで構成すると共に、
前記情報処理装置3の記憶装置に、撮像装置2から送信された前記シンチレータ部材1の発光動画データから静止画象データを切り出し、その静止画像データの画素値に基いて発光強度分布データを生成する画像処理プログラム、及び前記発光強度分布データから予め設定された相関関係に基いて1照射当たりまたは単位時間当たりの線量分布データを生成するデータ変換プログラムを導入して構成したことにより、
前記シンチレータ部材1を介してターゲットTにビーム照射を行ったときに、前記撮像装置2および情報処理装置3によって放射線ビームBの線量分布データをリアルタイム(データ処理やデータ送信にかかる時間を除く)で出力可能とした点に特徴がある。
本発明の実施例1について、図1から図4に基いて説明する。同図において、また符号Aで指示するものは、ビーム照射装置であり、符号Tで指示するものは、ターゲットである。また符号1で指示するものは、シンチレータ部材であり、符号2で指示するものは、撮像装置である。また符号3で指示するものは、情報処理装置であり、符号4で指示するものは、警告装置である。
この実施例1では、ビーム照射装置AからターゲットTに放射線ビームBを照射する際に使用される放射線モニタリングシステムを、放射線ビームBに反応して発光するシンチレータ部材1と、このシンチレータ部材1の発光状態を撮像する撮像装置2と、撮像装置2によって得られた動画データから発光強度分布データ及び放射線ビームBの線量分布データを生成する情報処理装置3とから構成している(図1参照)。
まず上記ビーム照射装置Aに関しては、放射線ビームB(例えば、陽子線や炭素線等の粒子放射線やX線等の電磁放射線)を照射可能な装置を使用することができ、本実施例では、陽子線照射装置を使用している。また本実施例で使用する陽子線照射装置は、ビーム制御部から粒子加速器に送信されるトリガ信号のタイミングに合わせて放射線ビームBを出射する構造となっている。
次に上記シンチレータ部材1に関しては、本実施例では板状の基材表面に蛍光物質を塗布した蛍光板を使用しているが、シート状やフィルム状のものを使用することもできる。具体的には、放射線治療において患者を固定するために使用される樹脂シート製の固定具や、患部表面を覆うように張り付けて使用される樹脂フィルム製の被覆材に蛍光物質を塗布したものをシンチレータ部材1として使用できる。
次に上記撮像装置2に関しては、撮像素子21及びこの撮像素子21に照射野全体を結像させるための結像光学系22を備えたものを使用できる。また撮像装置2の配置に関しては、撮像装置2の光入射窓をシンチレータ部材1に向けて配置する必要があるが、シンチレータ部材1からの距離については、ビーム照射時の発光の強さや放射線ビームBの影響を考慮して適宜調節することができる。
次に上記情報処理装置3に関しては、演算装置や制御装置(CPU)、記憶装置(メモリや外部記憶装置)、入力装置(キーボードや操作盤等)、出力装置(出力モニタや外部装置への出力手段等)を備えたものを使用することができる。なお本実施例では、情報処理装置3にPCを用いて他のビーム照射装置Aにも利用できるようにしている。
次に上記警告装置4に関しては、管理者に異常事態を知らせる機能を有するものを使用することができ、本実施例では警報音(ブザー音やベル音)を発生させる警音器を使用している。但し、警告装置4には、回転灯やフラッシュ等の光により警報を行う光警報器や、振動によって警報を行う振動警報器、これらを組み合わせたものも採用できる。また、警告装置4と情報処理装置3とは、有線または無線で通信可能に接続している。
この実施例1では、上記情報処理装置3の記憶装置に、放射線モニタリング機能を実現するための基本プログラムとして、画像処理プログラム及びデータ変換プログラムを導入する共に、放射線モニタリング機能を向上させるための付加プログラムとして、同期プログラムや警告プログラム、強制停止プログラム、遠隔操作プログラム、自動焦点調節プログラムを導入している。なお各プログラムの説明については、以下に別個に記載する。
まず上記画像処理プログラムに関しては、撮像装置2から送信されたシンチレータ部材1の発光動画データから図2(a)に示すような静止画象データを切り出し、この静止画像データの画素値(本実施例では横線部分の画素値)に基いて、図2(b)に示すようなRGB成分毎の発光強度分布データを生成する処理を行う。なお本実施例では、発光動画データを構成する全ての静止画像データを切り出しているが、静止画像データを必要な数だけ切り出すこともできる。
次に上記同期プログラムに関しては、ビーム照射装置Aの制御部から送信されたトリガ信号によって画像処理プログラムの実行または停止を制御する処理を行う。これにより、ビーム照射装置Aから放射線ビームBが出射されるタイミングに合わせて発光動画データのみを取得して画像処理が行えるため、正確な発光強度分布データを生成できる。
次に上記データ変換プログラムに関しては、画像処理プログラムによって得られた発光強度分布データから予め設定された相関関係に基いて、1照射当たり(パルス照射の場合)または単位時間当たりにおける放射線ビームBの線量分布データを生成する。そして本実施例では、このデータ変換プログラムによって得られた線量分布データを、図4(a)(b)のようにグラフ化して情報処理装置3の出力モニタに表示させるようにしている。
次に上記警告プログラムに関しては、予め設定された基準データと、データ変換プログラムにより生成された線量分布データとを比較し、各座標における差分が閾値を超えた場合に、警告装置4に起動信号を送信する処理を行う。そしてこれによって、管理者に異常事態であることを知らせることができるため、迅速に誤照射対策を行うことができる。
次に上記強制停止プログラムに関しては、上記警告プログラムと同様、予め設定された基準データと、画像処理プログラムまたはデータ変換プログラムにより生成された発光強度分布データまたは線量分布データとを比較し、各座標における差分が閾値を超えた場合に、ビーム照射装置Aの制御部に停止信号を送信する処理を行う。これにより、ビーム照射装置Aを緊急停止させることができるため、誤照射の繰り返しを防止できる。
次に上記遠隔操作プログラムに関しては、情報処理装置3の入力装置からの入力に応じて、撮像装置2の結像光学系22の焦点距離制御部に制御信号を送信する処理を行う。そして、焦点距離制御部が情報処理装置3からの制御信号に基づき結像光学系の可動レンズを前後に移動させることによって、撮像素子3に照射野全体を結像させるピント調節作業を別室から効率良く行える。
次に上記自動焦点調節プログラムに関しては、シンチレータ部材1の所定の基準点(フォーカスポイント)にピントが合うように結像光学系22の焦点距離制御部への制御信号を生成する処理を行う。そして、この自動焦点調節プログラムで生成された制御信号を、上記遠隔操作プログラムで撮像装置3の焦点距離制御部に送信することにより、撮像装置2のピント調節作業をより省力的にかつ迅速に行えるようになる。
本実施例では、放射線モニタリングシステムにおいて、上記ハードウェア構成及びソフトウェア構成を採用したことにより、ビーム照射装置Aからシンチレータ部材1を介してターゲットTにビーム照射を行ったとき、上記撮像装置2や情報処理装置3によって放射線ビームBの線量分布データをリアルタイムに出力することができる。
2 撮像装置
21 撮像素子
22 結像光学系
23 バンドパスフィルタ
3 情報処理装置
4 警告装置
A ビーム照射装置
B 放射線ビーム
T ターゲット
Claims (8)
- ビーム照射装置(A)からターゲット(T)に放射線ビーム(B)を照射する際に用いられる放射線モニタリングシステムであって、
前記ターゲット(T)のビーム入射面に当接させて、或いはビーム入射面近傍に隙間を空けて配置される板状、シート状またはフィルム状のシンチレータ部材(1)と;このシンチレータ部材(1)に向けて設置される、撮像素子(21)および結像光学系(22)を備えた撮像装置(2)と;この撮像装置(2)に対して通信可能に接続された情報処理装置(3)とを含んで構成すると共に、
前記情報処理装置(3)の記憶装置に、撮像装置(2)から送信された前記シンチレータ部材(1)の発光動画データから静止画象データを切り出し、その静止画像データの画素値に基いて発光強度分布データを生成する画像処理プログラム、及び前記発光強度分布データから予め設定された相関関係に基いて1照射当たりまたは単位時間当たりの線量分布データを生成するデータ変換プログラムを導入して構成したことにより、
前記シンチレータ部材(1)を介してターゲット(T)にビーム照射を行ったときに、前記撮像装置(2)および情報処理装置(3)によって放射線ビーム(B)の線量分布データがリアルタイムで出力可能となっていることを特徴とする放射線モニタリングシステム。 - 情報処理装置(3)の記憶装置に導入された画像処理プログラムが、撮像装置(2)から送信された発光動画データから複数の静止画像データを切り出し、これらの静止画像データの画素値の平均値または加算値を算出して、この平均値または加算値から発光強度分布データを生成する機能を有していることを特徴とする請求項1記載の放射線モニタリングシステム。
- ビーム照射装置(A)の制御部と情報処理装置(3)が通信可能に接続されると共に、情報処理装置(3)の記憶装置に、前記ビーム照射装置(A)の制御部から送信されたトリガ信号によって画像処理プログラムの実行または停止を制御する同期プログラムが導入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線モニタリングシステム。
- 情報処理装置(3)に警告装置(4)が通信可能に接続されると共に、情報処理装置(3)の記憶装置に、予め設定された基準データと、発光強度分布データまたは線量分布データとを比較し、各座標における差分が閾値を超えた場合に、警告装置(4)に起動信号を送信する警告プログラムが導入されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の放射線モニタリングシステム。
- 情報処理装置(3)にビーム照射装置(A)の制御部が通信可能に接続されると共に、情報処理装置(3)の記憶装置に、予め設定された基準データと、発光強度分布データまたは線量分布データとを比較し、各座標における差分が閾値を超えた場合に、ビーム照射装置(A)の制御部に停止信号を送信する強制停止プログラムが導入されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の放射線モニタリングシステム。
- 撮像装置(2)に、結像光学系(22)の焦点距離制御部が設けられると共に、情報処理装置(3)の記憶装置に、入力装置からの入力に応じて前記結像光学系(22)の焦点距離制御部に制御信号を送信する遠隔操作プログラムが導入されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の放射線モニタリングシステム。
- 情報処理装置(3)の記憶装置に、シンチレータ部材(1)の所定の基準点にピントが合うように結像光学系(22)の焦点距離制御部への制御信号を生成する自動焦点調節プログラムが導入されていることを特徴とする請求項6記載の放射線モニタリングシステム。
- 情報処理装置(3)としてPCが使用されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の放射線モニタリングシステム。
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