JP7256613B2 - Ptcヒータ入り空調ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、PTC特性を有する面状発熱体を組み込んだ空調ダクトに関する。
例えば、自動車等の車両には空調装置が通常装備され、PTCヒータを備えて暖房能力を高めた発明がいくつか提案されている(例えば特許文献1,2)。
特公平7-106685号公報 特開2007-253802号公報
しかるに、特許文献1は、その3頁左欄上から7行目以降に、PTCヒータの正温度特性サーミスタが「また空気吹出口をなす他方の筒端1B近くには、ハニカム構造を備えてキュリー点温度が160℃になるよう作成された正温度特性サーミスタ2が取付具4を用いて組込まれている。」とする。PTCヒータはハニカム構造という複雑構造であり、高コストになる。特許文献2は車室内全体を空調する空調ダクト内にPTCヒータが組み込まれており、PTCヒータの配置構成によっては暖房機能を十分発揮できない虞がある。
さらに、近年の環境対策で注目されている電気自動車には暖房向けに廃熱を利用できるエンジンがそもそも存在しない。また、暖房系統全体に電熱線方式のヒータを採用するとなると、電力消費量大になり、走行距離が短くなってしまう問題がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、低コスト化できる簡単構造を採用しながら暖房機能を効果的に発揮でき、さらに電力消費量を抑えることが可能なPTCヒータ入り空調ダクトを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、電極パターンとPTC特性を有する面状発熱体とが、可撓性を有するベースシート上に一体形成されたシート状体のPTCヒータと、ダクトの上流側から下流側へ向かう流路途中に流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状の縮小部を形成すると共に該縮小部の最小径部から下流側に向け流路断面積が徐々に大きくなるラッパ状部を形成した空調ダクトと、前記PTCヒータが、前記面状発熱体の発熱面側を該空調ダクトの流路側にして、前記最小径部を含めて少なくともその上流側のダクト内壁面に前記シート状体の面を沿わせ、該PTCヒータの発熱機能を保って取付けられてなることを特徴とするPTCヒータ入り空調ダクトにある。請求項2の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項1で、PTCヒータが、前記最小径部を含めてその上流側及び下流側のダクト内壁面に前記シート状体の面を湾曲形成して沿わせて取付けられてなることを特徴とする。請求項3の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項1又は2で、空調ダクトが一対の合成樹脂製半割りダクトの組立品からなり、一方の半割りダクトに係止部の突起が一体成形され、他方の半割りダクトに該係止部を係合させて止める被係止部が一体成形されていることを特徴とする。請求項4の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項1~3で、空調ダクトが、そのダクト横断面のアスペクト比を横長にした横断面矩形の扁平ダクトからなることを特徴とする。請求項5の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項4で、空調ダクトが横断面矩形の扁平ダクトからなり、前記PTCヒータに係るシート状体の面を一方向に対してのみ湾曲形成し、前記ダクト内壁面に沿わせたことを特徴とする。請求項6の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項4又は5で、空調ダクトが横断面矩形の扁平ダクトからなり、対向する上方側及び下方側の前記ダクト内壁面に、一対の前記PTCヒータに係るシート状体の面をそれぞれ湾曲形成して沿わせたことを特徴とする。請求項7の発明たるPTCヒータ入り空調ダクトは、請求項1~6で、空調ダクトが、その入口に導入ダクト部を接続し、且つ該導入ダクト部の導入口を車室内又は車室外にし、さらに該空調ダクトの出口を車両後部座席側に向かわせたことを特徴とする。
本発明のPTCヒータ入り空調ダクトは、簡便構造ながら通気抵抗が小さく低コスト化でき、且つ速暖性を有して暖房機能を効果的に発揮でき、さらに電力消費量を少なくすることも可能になるなど優れた効果を発揮する。
本発明のPTCヒータ入り空調ダクトの一形態で、その概略縦断面図である。 図1のII-II線断面図である。 図2の分解断面図である。 図1,図2に示したPTCヒータの概略平面図である。 図4のV-V線断面図である。 図1のPTCヒータ入り空調ダクトを車両に搭載適用した説明断面図である。
以下、本発明に係るPTCヒータ入り空調ダクトについて詳述する。図1~図6は本発明のPTCヒータ入り空調ダクトの一形態で、ダクト出口が自動車の後部座席に向く車両搭載用として用いられるPTCヒータ入り空調ダクトに適用する。図1はその縦断面図、図2は図1のII-II線断面図、図3は図2の分解図、図4はPTCヒータの概略平面図、図5は図4のV-V線断面図、図6は図1のPTCヒータ入り空調ダクトを車両に搭載させた説明断面図を示す。各図は発明要部を強調図示し、また本発明と直接関係しない部分を簡略化又は省略する。
PTCヒータ入り空調ダクトは、ダクト長手方向(流路方向)の途中に縮小部52,最小径部53,ラッパ状部54を有する空調ダクト5と、該空調ダクト5の内壁面に取付けられたPTCヒータ1と、を具備する(図1,図2)。暖房機能付きダクトとする。
空調ダクト5は、そのダクトの上流側から下流側へ向かう流路途中に流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状の縮小部52を形成すると共に、該縮小部52の最小径部53から下流側に向け流路断面積が徐々に大きくなるラッパ状部54を形成した合成樹脂製筒体である。「ダクトの上流側」は図1でいえば紙面左方になり、「ダクトの下流側」が紙面右方になる。括れ部に相当する本実施形態の最小径部53は、ダクト流路方向の一地点にとどめるが、その断面形を該流路方向に少し長めにしたスロート部とすることもできる。
本空調ダクト5は、円形パイプ等とは異なり、流路断面を形成するダクト横断面のアスペクト比を横長にした横断面矩形の扁平ダクトからなる。そして、前記縮小部52は、横長壁が対向するダクト壁に徐々に近づくように形成され、壁面が流路u内に凸になるようになっている。ここでの扁平ダクトは便宜的に要部を大きく描ける図2としたが、実際の空調ダクト5は横断面矩形の縦長Yに対する横長XのX/Y値がもっと大きな値を示す。より扁平化させ、流路uで中空をつくる盤状筒体の空調ダクト5が車両床面91にはうように形成される。
また、空調ダクト5は、ダクト径方向長さよりもダクト長手方向を長くし、さらに横断面コ字状にした一対の半割りダクト5A,5Bの組立て品とする。横断面コ字状の半割りダクト5Aは、空調ダクト5が扁平ダクトになるよう、横断面横長Xの主板部5αの両側から相手側半割りダクト5Bに向かう縦長Yの1/2になる短板部5βが起立する(図2,図3)。半割りダクト5Bに係る主板部5αの下面を車両床面91に向け、半割りダクト5A,5Bを組付けた空調ダクト5は車両床面91にはうように配設できる。
一方の半割りダクト5Aには係止部58の突起581が一体成形され、他方の半割りダクト5Bに該係止部58を係合させて止める被係止部59が一体成形されている。
一方の前記半割りダクト5Aには、半割りダクト側縁の厚み面fへとつながる短板部5βの外面側から、係止部58が図3のように矢尻状突起581を他方の半割りダクト5Bへ突出して該外面側に一体成形されている。係止部58はダクト長手方向(図3の紙面垂直方向)に所定間隔で複数設けられる。
そして、矢尻状突起581と対向する他方の半割りダクト5Bの箇所で、係合孔590を有した被係止部59が、他方の半割りダクト5Bに設けられる。被係止部59はダクト側縁の厚み面fへとつながる短板部5βの外面側に一体成形されている。被係止部59は、係止部58の地点に合わせて、ダクト長手方向の所定位置に複数設けられる。一対の半割りダクト5A,5Bは、互いの半割りダクト5A,5B側縁の厚み面fを対向させて、矢尻状突起581を係合孔590に貫通させ、矢尻状突起581の出っ張りを係合孔590周りの被係止部59に止めることによって一体化し、流路uを形成した空調ダクト5が組立てられる。
こうして空調ダクト5が組立てられるが、該組立てに先立ち、この空調ダクト5の内壁面57にPTCヒータ1が取付けられる。
PTCヒータ1は、PTC特性を有する面状発熱体3と、これに接続する電極パターン4と、可撓性を有する合成樹脂製ベースシート2と、を具備するシート状体である(図4,図5)。尚、本発明でいう「シート状体」のシート状は可撓性を有する板状又はフィルム状でもよく、これらも「シート状体」のシート状とみなす。
PTCヒータ1は、前記空調ダクト5の最小径部53を含めて少なくともその流路上流側のダクト内壁面57に、シート状体の面を沿わせて当接させ、該PTCヒータ1の発熱機能を保って取付けられる。本実施形態のPTCヒータは、前記空調ダクト5の最小径部53を含めてその上流側及び下流側のダクト内壁面57に、シート状体の面を湾曲形成して沿わせて取付けられている。
具体的には、PTCヒータ1が面状発熱体3の発熱面側を空調ダクト5の流路u側にして取付けられる(図1,図2)。一対の半割りダクト5A,5Bに係る主板部5αのダクト内壁面57に、PTCヒータ1がダクト長手方向に対して外方へ反るようにして取着される。
半割りダクト5A,5Bの主板部5αは、流路方向に対し、最小径部53を中間点にして縮小部52,ラッパ状部54の部位で図1のように弓なり状に反る。流路方向に対して上下外方の一方向にのみ反る主板部5αの湾曲面に合わせ、PTCヒータ1に係るシート状体の面を一方向にのみ湾曲形成させて、該PTCヒータ1が最小径部53を中間にして縮小部52,ラッパ状部54になる部位に取付けられる。そうして、一対の半割りダクト5A,5Bを組立てることにより、最小径部53を中央にし、横断面矩形の扁平ダクトで対向する上方側主板部5α及び下方側主板部5αのダクト内壁面57に、一対のPTCヒータ1に係るシート状体の面をそれぞれ湾曲形成して沿わせて、両PTCヒータ1が空調ダクト5に固定セットされる。ここで、「下方側主板部5α」の下方側とは、図2で紙面下方側になり、例えば空調ダクト5が車両床面91にはう場合は、床面91側になる。
PTCヒータ1を構成する前記ベースシート2は、少なくとも面状発熱体3,電極パターン4が形成される面側に、絶縁性が確保されたシートである。詳しくは、図4のような流路方向の方が長い矩形の可撓性を有する絶縁性合成樹脂製ベースシート2とし、面状発熱体3,電極パターン4が載る上面に、さらに絶縁処理を適宜施した厚み50μmほどのシートとする。図4で、紙面左右方向となるベースシート2の横長さは、図1のごとく最小径部53を含めてそのダクトの上流側及び下流側のダクト内壁面57にシート状体の面を湾曲形成して沿わせる長さがある。図4で、紙面上下方向となるベースシート2の幅は、図3のごとく主板部5αの横断面横長Xよりも若干小さく設定される。
面状発熱体3は、PTC特性を有して、電極パターン4に接続し且つ前記ベースシート2上に面状に印刷形成された発熱層である。面状発熱体3は、カーボン粒子等の導電性粒子とウレタン樹脂やポリオレフィン系高分子等の混合材料からなり、温度が高くなると抵抗値が増大する正温度特性(PTC特性)を有している。自己発熱により温度が上昇していくと抵抗値が増大し、自律的に電流を抑えて、その発熱温度を調節する機能を備える。サーモスタット等の温度制御装置を必要としない、温度の自己制御型の面状発熱体3である。本発明は斯かる面状発熱体3を主構成部分にして、過昇温防止や過熱抑制が可能な空調ダクト5となっている。
本実施形態の面状発熱体3は、カーボン粒子とウレタン樹脂とワックスを主成分とし、図4のようにベースシート2上に、カーボンインク(導電性カーボンペースト)にしてスクリーン印刷で膜形成されている。スクリーン印刷で、ベースプレート上面にカーボンインクを塗布して、厚膜形成した面状発熱体3である。面状発熱体3におけるカーボン粒子の含有量は、60重量%を越えるとPTC特性が発現し難くなることから、20~60重量%の範囲に設定される。面状発熱体3におけるウレタン樹脂は20~50重量%の範囲、ワックスは10~30重量%の範囲とする。
電極パターン4は、ベースシート2上に印刷形成された配線回路である(図4)。電極パターン4は、面状発熱体3が発熱機能を発揮できるように、ベースシート2上で該面状発熱体3とつながる。通電部分となる電極パターン4は、銀ペースト等のスクリーン印刷で形成される。本実施形態の電極パターン4は、一方の電極側(プラス電極側)の第一電極パターン4Aと、他方の第二電極パターン4B(マイナス電極側)とからなる。第一電極パターン4Aは、矩形のベースシート2の一方の長手側縁に沿った帯状の基線41から複数の細長線42が、図4のごとく櫛歯状に、ベースシート2の幅方向へ向けて延在する。また第二電極パターン4Bは、ベースシート2の他方の長手側縁に沿った帯状の基線41から複数の細長線42が櫛歯状に前記第一電極パターン4Aの基線41へ向けて延在する。
第一電極パターン4Aの細長線42と第二電極パターン4Bの細長線42とを、図4のごとく交互に配して、双方の電極パターン4が離間配設される。第一電極パターン4Aの櫛歯状にした細長線42と第二電極パターン4Bの櫛歯状にした細長線42間に離間スペースを設けても、面状発熱体3が該離間スペースを埋めて、両電極パターン4A,4Bは面状発熱体3を介して接続する。第一電極パターン4Aの細長線42と第二電極パターン4Bの細長線42が交互にベースシート2の長手方向に図4のごとく並ぶが、各細長線42が、基線41近くを除いて面状発熱体3上に載るようにして、電極パターン4はベースシート2上と面状発熱体3上とにスクリーン印刷される。面状発熱体3と電極パターン4とがベースシート2上に一体形成されたシート状体のPTCヒータ1が出来上がる。
ベースシート2の一端縁へと延びた第一電極パターン4Aの基線端部411及び第二電極パターン4Bの基線端部411とに、それぞれリード線LDが接続し、両リード線LDに図示しない電源をつなげて通電させることにより面状発熱体3を所定温度に加温できる。尚、図2,図3で、電極パターン4の実際の上面はスクリーン印刷することから段差ができずに略平らになる。本実施形態はベースシート2上に面状発熱体3を形成した後、面状発熱体3上,ベースシート2上に電極パターン4を形成したが、ベースシート2上に電極パターン4を形成した後、面状発熱体3を形成してもよい。
かくのごとく、最小径部53を含めた縮小部52,ラッパ状部54を形成する半割りダクト5A,5Bに係る主板部5αの内面側部分にPTCヒータ1を取付けた図3の状態にした後、両半割りダクト側縁の厚み面fを対向させ、係止部58を被係止部59に係合させて止めて、空調ダクト5が組立てられる。この空調ダクト5は、例えば車両9の後部座席向けダクトとして適用できる。
一例を示すと、図6のごとく、空調ダクト5に係る入口側筒部51の上流側接続用拡径部511に導入ダクト部6を接続する。該導入ダクト部6の導入口60を車室内又は車室外にし、さらに導入ダクト部6の途中に送風ファン71を設置すると共に、該空調ダクト5の出口50bを車両後部座席側へ向かわせる車両9のPTCヒータ入り空調ダクトとする。本PTCヒータ入り空調ダクトは、車室内全体を空調する系統から切り離され、分離独立して車両後部座席93をスポット的に暖房する。導入ダクト部6は、導入口60が車室内になる主導管61と、導入口60が車室外になる枝管62との二股に形成されている。その二股の付け根にあたる導入ダクト部6内には切替弁72が設けられ、運転席からの図示しない切替スイッチにより、主導管61又は枝管62の導入口60を開口可能とする。さらにダクト出口側筒部56の下流側接続用拡径部561にガイドダクト8が取着され、該ガイドダクト8の吹出し口80が後部座席93へ向け、温風を吹き出せる構成とする。図6中、符号69はストッパ、符号92は前座席、符号96は前輪、符号97は後輪を示す。
このように構成した空調ダクト5は、PTCヒータ1に係る面状発熱体3の発熱面側を空調ダクト5の流路u側にするので、該流路uを流れるエアを加温し暖房できる。最小径部53を含めてその上流側及び下流側のダクト内壁面57にシート状体の面を湾曲形成して沿わせ、PTCヒータ1が発熱機能を保って取付けられると、空調ダクト5内へ取り込まれたエアに、PTCヒータ1で発熱した熱が効率良く混合,加温し、ダクト出口50bから均質化した暖房用エアを吹き出すことができる。PTCヒータ1を用いるため、外部からの温度制御なしに自律的に面状発熱体3の温度を一定に保つことができる。一部の温度が高くなる場合はその部分だけ発熱を抑え、無駄な電力消費をなくす。
ここで、長手方向を単なる等断面形状のダクトにして、その内壁面にPTCヒータ1が取付けられると、流路uに速いエア流れがあっても、流路u側へ向くPTCヒータ1の発熱面近傍には、動きのにぶいエアの停滞膜(境膜)が存在する。PTCヒータ1の熱が発生しても境膜に滞り、境膜に在るエアと該エア以外のダクト断面を流れるエア本流との対流,混合がうまくいかない。熱伝達が悪いだけでなく、またダクト流路uを通過しダクト出口からは温度ムラがあり偏った温度分布の加温エアが放出される。
しかるに、本発明は縮小部52,最小径部53,ラッパ状部54を設けるので、ダクト入口50aに吸い込んだエアの流速(図1の矢印)を縮小部52の通過時に上げて、そのダクト内壁付近でPTCヒータ1によって加熱された高温エアの停滞膜を剥がし、混合して均等化した加温エアが得られる。さらに、最小径部53内で最大流速になるエアは、ダクト横断面積が急激に大きくなるラッパ状部54に進むと乱流になって、ラッパ状部54のダクト内壁近傍でPTCヒータ1によって加熱された高温エアの停滞膜を効率よく剥がし、混合してより均等化した加温エアがダクト出口50bへと向かう。
特許文献1のようなPTCヒータ1をハニカム構造にしなくても、比較的簡単な構造を採用しながら暖房機能を効果的に発揮できる。そして、PTCヒータ入り空調ダクトは、その構造から通気抵抗が小さく、使い勝手に優れる。PTCヒータ1は可撓性を有するベースシート2を備えたシート状体であり、ダクト内壁面57に該シート状体の面を容易に湾曲形成させて沿わせることができる。
また、空調ダクト5が一対の合成樹脂製半割りダクト5A,5Bの組立品からなると、半割りダクト5A,5BにPTCヒータ1をそれぞれ組込んだ後、両半割りダクト5A,5Bを組立てる手順で、PTCヒータ入り空調ダクトを円滑に組立て製造できる。さらに、一方の半割りダクト5Aに係止部58が一体成形され、他方の半割りダクト5Bに該係止部58を係合させて止める被係止部59が一体成形されていると、一対の半割りダクト5A,5Bから空調ダクト5への係合一体化がいたって簡便になる。
加えて、空調ダクト5が、そのダクト横断面のアスペクト比を横長にした横断面矩形の扁平ダクトからなると、PTCヒータ1に触れるエア面積を大きくできる。該扁平ダクトの上下に位置するダクト内壁面57が大きくなり、PTCヒータ1は面状発熱体3を大面積にした加熱暖房能力大のものを該ダクト内壁面57に取付けることができる。
また、図1,図2のごとく、PTCヒータ1に係るシート状体の面を一方向に対してのみ湾曲形成するのであれば、湾曲形成が楽になり、PTCヒータ1は空調ダクト5に簡単に組付けることができる。
さらに、空調ダクト5が図1,図2ごとくの横断面矩形の扁平ダクトからなり、該扁平ダクトの上方側及び下方側のダクト内壁面57に、一対のPTCヒータ1に係るシート状体の面をそれぞれ湾曲形成して沿わせると、ダクト内壁面57の大半をPTCヒータ1で覆うことができる。すなわち、扁平ダクトの上方側及び下方側のダクト内壁面57に、シート状体の面を湾曲形成して沿わせるので、扁平ダクトを構成する短板部5βに対し圧倒的に大きい上方側及び下方側の主板部5αにPTCヒータ1を取付けることになる。暖房能力を高めた所望のPTCヒータ入り空調ダクト5が得られる。
そして、空調ダクト5が、その入口50aに導入ダクト部6を接続し、且つ該導入ダクト部6の導入口60を車室内又は車室外にし、該空調ダクト5の出口50bを車両後部座席側に向かわせる車両9の空調ダクト5であると、車両全体を空調する系統と切り離して、後部座席93に乗員が座った時に、後部座席側をスポット的に暖房できる。必要時に、ダクト出口50bの直前でエアを暖めることができ、且つ後部座席に限って暖めることができ、電力消費量を少なくできる。スイッチを入れれば、ガソリン車に比べてすぐに暖まり、即暖性がある。扁平ダクトにすれば車両床面91を空調ダクト5がはうようにでき、邪魔にならず乗員昇降時等に支障をきたさない。優れもののPTCヒータ入り空調ダクトになる。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。PTCヒータ1,ベースシート2,面状発熱体3,電極パターン4,空調ダクト5,係止部58,被係止部59等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 PTCヒータ
2 ベースシート
3 面状発熱体
4 電極パターン
5 空調ダクト
5A,5B 半割りダクト
50b ダクト出口
52 縮小部
53 最小径部
54 ラッパ状部
57 ダクト内壁面(内壁面)
58 係止部
59 被係止部
6 導入ダクト部
60 導入口
9 車両
93 後部座席

Claims (4)

  1. 電極パターンとPTC特性を有する面状発熱体とが、可撓性を有するベースシート上に一体形成されたシート状体のPTCヒータと、
    ダクトの上流側から下流側へ向かう流路途中に流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状の縮小部を形成すると共に該縮小部の最小径部から下流側に向け流路断面積が徐々に大きくなるラッパ状部を形成した空調ダクトと、
    前記PTCヒータが、前記面状発熱体の発熱面側を該空調ダクトの流路側にして、前記最小径部を含めてその上流側及び下流側のダクト内壁面に前記シート状体の面を湾曲形成して沿わせ、該PTCヒータの発熱機能を保って取付けられてなることを特徴とするPTCヒータ入り空調ダクト。
  2. 電極パターンとPTC特性を有する面状発熱体とが、可撓性を有するベースシート上に一体形成されたシート状体のPTCヒータと、
    ダクトの上流側から下流側へ向かう流路途中に流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状の縮小部を形成すると共に該縮小部の最小径部から下流側に向け流路断面積が徐々に大きくなるラッパ状部を形成した空調ダクトと、
    前記PTCヒータが、前記面状発熱体の発熱面側を該空調ダクトの流路側にして、前記最小径部を含めて少なくともその上流側のダクト内壁面に前記シート状体の面を沿わせ、該PTCヒータの発熱機能を保って取付けられ、
    前記空調ダクトが、そのダクト横断面のアスペクト比を横長にした横断面矩形の扁平ダクトからなり、前記PTCヒータに係るシート状体の面を一方向に対してのみ湾曲形成し、前記ダクト内壁面に沿わせたPTCヒータ入り空調ダクト。
  3. 電極パターンとPTC特性を有する面状発熱体とが、可撓性を有するベースシート上に一体形成されたシート状体のPTCヒータと、
    ダクトの上流側から下流側へ向かう流路途中に流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状の縮小部を形成すると共に該縮小部の最小径部から下流側に向け流路断面積が徐々に大きくなるラッパ状部を形成した空調ダクトと、
    前記PTCヒータが、前記面状発熱体の発熱面側を該空調ダクトの流路側にして、前記最小径部を含めて少なくともその上流側のダクト内壁面に前記シート状体の面を沿わせ、該PTCヒータの発熱機能を保って取付けられ、
    前記空調ダクトが、そのダクト横断面のアスペクト比を横長にした横断面矩形の扁平ダクトからなり、対向する上方側及び下方側の前記ダクト内壁面に、一対の前記PTCヒータに係るシート状体の面をそれぞれ湾曲形成して沿わせたPTCヒータ入り空調ダクト。
  4. 前記空調ダクトが、その入口に導入ダクト部を接続し、且つ該導入ダクト部の導入口を車室内又は車室外にし、さらに該空調ダクトの出口を車両後部座席側に向かわせた請求項1乃至3のいずれか1項に記載のPTCヒータ入り空調ダクト。
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