JP7255287B2 - 炭素工具鋼鋼帯の製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭素工具鋼鋼帯の製造方法に関するものである。
バネや弁等に用いるのに適した炭素工具鋼の鋼帯は、所定の板厚まで圧延を行った後、焼入れ・焼戻しを行って、狙いの特性に調整を行い、その後、プレス打ち抜き等の加工手段により狙いの形状として使用される。所定の板厚まで圧延を行った後、予熱帯および加熱帯を有する焼入れ炉、冷却装置および焼戻し炉を、この順番で連続的に配置した連続熱処理設備を利用して、鋼帯を巻出しながら連続的に焼入れと焼戻しを行う方法により製造されている。
例えば特許文献1には、鋼帯表面の疵や歪みを抑制するために、加熱後の鋼帯を噴霧焼入装置でMs点以下とならない温度まで急冷した後、冷却定盤で押圧しながらMs点以下の温度まで冷却する鋼帯の製造方法が記載されている。また特許文献2には、巻出し工程、予熱工程、焼入れ工程、焼戻し工程を連続して行い、焼入れ工程時の急冷は冷却液噴霧装置による一次冷却工程と、冷却定盤による二次冷却工程とで行っている炭素工具鋼鋼帯の製造方法が記載されている。
特開昭56-139627号公報 国際公開公報第2013-147155号
上述したような炭素工具鋼鋼帯は、製造の過程で鋼帯の幅方向両端部に発生する波形状(耳波)や、割れが発生することもあり、これらの不良を解消するために鋼帯の幅方向両端部を一定幅で切断する耳切り(サイドトリム)加工が一般的に行われる。なお、鋼帯の対向する2つの平面の幅方向の両側に存在する側面部を端部とする。この耳切り加工によって鋼帯の幅方向両端部にはバリが形成されるが、折れたバリが巻取り時に鋼帯間に混入して品質低下の原因になる場合がある。また巻取り時に鋼帯の端部が巻き取り装置のボビンの側板やセパレータに接触した際、耳切り加工後の端部に二次せん断面が残っている場合、接触抵抗が高くなり鋼帯の端部の破損や、摩耗粉の発生による品質低下を引き起こす可能性がある。特許文献1に記載の発明は、鋼帯表面に発生する疵を抑制するとともに硬度を高めることができ、特許文献2に記載の発明は熱処理能力を向上させることができる優れた発明だが、特許文献1、2ともに上記課題の解決について示唆されておらず、検討の余地が残されている。
よって本発明の目的は、被接触物と鋼帯の端部との接触抵抗を低減させ、良好な鋼帯端部の耐久性を有する炭素工具鋼鋼帯の製造方法を提供することである。
本発明者は、鋼帯の形状について検討し、バリを抑制しつつ鋼帯の幅方向両端部の耐久性を高めるために、鋼帯の幅方向両端部をラウンド加工することが有用であることに着目した。そして両端部のラウンド形状に最適な湾曲度があることを見出し、その湾曲度を安定して得られる加工方法について鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、炭素を質量%で0.8%以上含む炭素工具鋼鋼帯を焼入れ炉に通板し、変態点以上の温度まで加熱した後、急冷する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の炭素工具鋼鋼帯を焼戻し炉に通板して焼戻しする焼戻し工程と、を連続して行い、
前記焼戻し工程後の炭素工具鋼鋼帯の幅方向両端部を湾曲度10%~50%、かつ前記鋼帯の端部と平面との稜部付近に、前記鋼帯の板厚の2.0%以上の高さの突起部が存在しない曲面状に加工する端部曲面加工工程を備える、炭素工具鋼鋼帯の製造方法である。
好ましくは前記端部曲面加工工程において、所望の湾曲度を有する旋削工具を鋼帯の幅方向両端部側に設置し、前記旋削工具の設置区間に前記鋼帯を2回以上通板して前記鋼帯の幅方向両端部を曲面状に加工する。
本発明によれば、鋼帯の端部と被接触物との接触抵抗を低減させ、良好な鋼帯端部の耐久性を有する炭素工具鋼鋼帯得ることができる。
本発明の製造方法に用いる装置の一例を示す参考図である。 図1の装置の一部を拡大した図である。 本発明に係る鋼帯の、端部の断面拡大写真である。 比較例である鋼帯の、端部の断面拡大写真である。 別の比較例である鋼帯の、端部の断面拡大写真である。
本発明は、炭素を質量%で0.8%以上含む炭素工具鋼鋼帯を焼入れ炉に通板し、変態点以上の温度まで加熱した後、急冷する焼入れ工程と、前記焼入れ工程後の炭素工具鋼鋼帯を焼戻し炉に通板して焼戻しする焼戻し工程と、を連続して行い、前記焼戻し工程後の炭素工具鋼鋼帯の幅方向両端部を湾曲度10~50%、かつ前記鋼帯の端部と平面との稜部付近に、前記鋼帯の板厚の2.0%以上の高さの突起部が存在しない曲面状に加工する端部曲面加工工程を備えることを特徴とする、炭素工具鋼鋼帯の製造方法である。以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の炭素工具鋼鋼帯は、Cを質量%で0.8%以上含有する。一方で含有されるCが多すぎると、Ms点の低下によって残留オーステナイトの増加や、粗大な炭化物の生成を促進させる可能性があるため、1.2%以下と設定することができる。好ましいCの下限は0.9%であり、好ましいCの上限は1.1%である。また、より好ましい本実施形態の炭素工具鋼鋼帯の組成は、質量%で、C:0.8~1.2%、Si:0.1~0.35%、Mn:0.1~0.5%、Cr:0.05~2.0%、残部:Fe及び不可避的不純物である。
(焼入れ工程)
まず本実施形態は、焼入れ炉に通板して変態点以上の温度まで加熱した後、急冷する焼入れ工程を行う。この焼入れ炉の温度は850~1200℃であることが好ましい。850℃未満の場合、炭化物の固溶が不十分となり、強度特性が低下する。1200℃超の場合、炭化物の固溶量が大きくなり、焼戻し時の硬さが低下する傾向にある。焼入れ炉の温度の下限は900℃がより好ましく、930℃がさらに好ましい。焼入れ炉の温度の上限は1150℃がより好ましく、1120℃がさらに好ましい。なお、焼入れ工程における通板速度が過度に速すぎると、上述した温度範囲に到達しない可能性があるため、鋼帯のある部位が焼入れ炉を通過する時間(加熱される時間)を50~120秒と設定することが好ましい。また焼入れ炉内の雰囲気は、窒素、アルゴン、水素混合ガス等の非酸化性ガスを選択することが出来る。なお焼入れ焼戻しを連続して行うために、巻出し機より圧延済みの鋼帯を巻出し、巻き出した鋼帯を連続して焼入れ炉に通板することが好ましい。なお本実施形態ではさらに生産効率を向上させるために、巻出し工程と焼入れ工程との間に予熱工程を設けてもよい。予熱炉には既存の加熱装置を適用することができ、例えば鋼帯の急速昇温を可能とする誘導加熱装置を使用することが好ましい。
続いて焼入れ炉にて加熱した鋼帯を急冷して焼入れを行う。急冷の方法としては、ソルトバス、溶融金属、油、水、ポリマー水溶液、食塩水、気体を用いる方法がある。このうち水を噴霧する方法は最も簡便な方法であると共に、鋼帯の表面に薄い酸化被膜を形成させることができる。この薄い酸化被膜は硬質であり、後述する水冷定盤を通板する際に、鋼帯の表面の疵の発生を抑制できる。そのため、本発明で用いる鋼帯を急冷する一手段として水を噴霧する方法を用いるのが好ましい。また、水噴霧冷却を適用する場合、炭素工具鋼鋼帯の組成に合わせて適宜水と気体の割合を変更してもよい。
また、焼入れ工程の急冷は、圧縮空気と浄水を用いた噴霧装置によって鋼帯をMs点を超えて350℃以下に冷却する第一冷却工程の後、鋼帯を挟みこむように水冷定盤で拘束し、形状を矯正しながらMs点以下に冷却する第二冷却工程を行ってマルテンサイト組織とするのが好ましい。冷却を二段階とするのは、第一冷却工程でパーライトノーズを避けつつ、且つ、鋼帯の焼入れ時に生じる歪を軽減し、次の第二冷却工程でマルテンサイト変態を行わせつつ、鋼帯の形状を整えることができるためである。 本実施形態で用いる水冷定盤は水により冷却しつつ、更に、複数個を連続して配置することが好ましい。これは、水冷定盤内で拘束する時間を長くすることができるため、より確実にMs点以下まで冷却することができる。これにより、鋼帯の変形の防止や矯正をより確実に行うことが期待できる。なお本実施形態の鋼帯の場合、Ms点は組成によって多少変動するが、概ね180~200℃の値となる。
(焼戻し工程)
焼き入れ工程後、焼戻し炉にて鋼帯を焼戻し、鋼帯を所望の硬さに調整する。この焼戻し炉の温度は300~450℃に設定することが良い。焼戻しの温度が300℃未満の場合、鋼帯の硬度が高くなり過ぎ、焼戻しの温度が450℃を超える場合、硬度が低くなる。なお、焼戻し工程における通板速度が過度に速すぎると、上述した温度範囲に到達しない可能性があるため、鋼帯のある部位が焼戻し炉を通過する時間(加熱される時間)を30~90秒と設定することが好ましい。また焼戻し炉内の雰囲気は、窒素、アルゴン、水素混合ガス等の非酸化性ガスを選択することができる。なおこの焼戻し工程の後には、表層に形成されるスケールを除去する、スケール除去工程を連続して導入してもよい。スケール除去装置には、従来から使用されている装置を適用すればよく、例えばバフ研磨によりスケールを除去してもよい。焼戻し工程後、またはスケール除去工程後の鋼帯は、巻取り機によって一旦巻取ってもよく、後述する端部曲面加工工程に連続して移行してもよい。上述したように、巻出し工程から巻取り工程までの各工程を鋼帯コイルから巻き出した鋼帯を再び鋼帯コイルに巻き取るまでを連続で行うことが可能なため、高い生産性を有する。
(端部曲面加工工程)
本実施形態では、上記の焼戻し工程後に、鋼帯の幅方向両端部を曲面(ラウンド)形状に加工する端部曲面加工工程を有する。図1に本実施形態における端部曲面加工工程の装置概略図を、図2に旋削工具近傍の拡大模式図を示す。図1または図2に示すように、鋼帯コイル2から巻出された鋼帯1は、F方向に向かって搬送され、鋼帯1の幅方向両端部側に設置された旋削工具4(以下、加工チップとも記載する)によって鋼帯の両端部1aを曲面状に加工(端部1b)した後、ワイパー5、赤外線幅計6を通過して再びコイル状に巻き取られる(鋼帯コイル3)。この端部曲面加工工程を導入することにより、鋼帯端部の強度を向上させ、被接触材との干渉時の接触抵抗も低減させ、鋼帯および被接触物の破損を低減させることができる。端部曲面加工工程を焼戻し工程後に行う理由は、スケールによる影響を回避するためである。即ち、焼入れまたは焼戻し工程を行うことで、鋼帯の平面および側面にはスケールが不可避に形成される。そのため焼入れまたは焼戻し工程よりも前に端部曲面加工を行った場合、加工後の側面に付着したスケールにより望ましい曲面形状が得られず、被接触材との接触抵抗増大が懸念される。また、側面部に形成されたスケールは、鋼帯の表面に形成されたスケールよりも除去し難く、余分なスケール除去工程を追加することで生産効率を低下させる要因となる可能性がある。この端部曲面加工工程は、良好な生産性を保つために前述した焼戻し工程やスケール除去工程に連続して行ってもよく、焼戻し工程またスケール除去工程後に一旦巻き取った鋼帯コイルを、再度巻き出し加工してもよい。
さらに本実施形態では、この端部曲面加工後の鋼帯の幅方向両端部の湾曲度を、10%~50%に調整する。図3に本実施形態の製法により作製した鋼帯の端部の断面拡大写真を示す。この湾曲度は、図3に示すように、断面視における平面と曲面加工した側面(端部)との交点をそれぞれm1、m2とし、鋼帯側面の凸部頂点をn1とし、n1から鋼帯の幅方向に引いた水平線と、線分m1m2との交点をn2と設定する。そして線分m1m2に対する、線分n1n2の比(n1n2/m1m2×100)により求めたものとする。この値が大きいほど、鋼帯端部の曲面形状が有する曲率が大きくなっていることが判別できる。鋼帯端部の湾曲度を上記の範囲内に収めることによって、高剛性かつ被接触物との接触抵抗が小さい鋼帯を得ることが可能となる。湾曲度が10%以下の場合、鋼帯端部の曲面としての効果が得られないため、好ましくない。一方で湾曲度が50%超の場合、剛性が低くなる傾向にある。また、湾曲度を高くするためにはより大きく鋼帯端面を加工しなければならず、生産効率の低下を招来する可能性がある。また、加工後の端部には、図4に示すような、m1およびm2の近傍(端部と平面との稜部付近)に鋼帯の板厚の2.0%以上の高さの突起部7が形成されていないことも必要である。この突起部7が存在すると、鋼帯の強度低下や、被接触物との接触抵抗増大に繋がる懸念がある。また、鋼帯の板厚の1.5%以上の突起部7が形成されていないことが好ましい。
なお本実施形態において、端部曲面加工にはサーメットまたはセラミック製で、所望の湾曲度を有する加工チップを使用することが好ましい。
本実施形態では、端部曲面加工に加工チップを使用した場合、薄板の搬送速度は80mpm(meter per minute)以下であることが好ましい。より好ましくは、70mpm以下である。この範囲内に搬送速度を調整することで、加工チップをより長寿命に保ちつつ、安定した曲面加工を行うことが可能である。なお下限は特に限定しないが、搬送速度が遅すぎると加工効率が低下するため、例えば30mpm以上と設定することができる。
本実施形態の端部曲面加工において、炭素工具鋼鋼帯の端部を30μm~100μm除去するように加工することが好ましい。これにより、二次せん断面といった被接触材との接触圧が増加要因となるせん断面を確実に除去しつつ、所望の湾曲度を鋼帯両端部に付与することが可能となる。また、端部を除去する寸法の好ましい下限は40μmであり、好ましい上限は90μmである。ここで、端部を除去する寸法とは、鋼帯の断面視において、曲面部の凸部頂点と加工前の鋼帯端部との水平距離(図3のC)で表すことができる。なお、図3において、点線は加工前の端部の形態を示している。
本実施形態において、端部曲面加工工程における加工回数は、2回以上とすることが好ましい。これにより加工チップに過大な負荷を与えず、図4に示すような鋼帯の板厚の2.0%以上の高さの突起部7の形成を抑制することが可能であり、加工チップの交換頻度を少なくすることが可能である。加工回数が1回である場合、効率は向上するが加工チップの破損が増える可能性がある。好ましくは2~5回、より好ましくは、2~3回の加工である。なお本実施形態では加工後の鋼帯を都度巻取り、巻出しして複数回加工しているが、チップを連続して配置し、1回の通板で複数回加工してもよい。
本実施形態の製造方法により得られる炭素工具鋼鋼帯は、厚さが1.0mm以下であれば、例えばバルブ材やばね材など、様々な用途に適用できるため好ましい。より好ましい厚さは0.7mm以下であり、さらに好ましい厚さは0.5mm以下である。また鋼帯の幅は、100mm以上であることが好ましい。より好ましくは150mm以上である。
厚さが0.15mmであり、幅が250mmである炭素工具鋼鋼帯を用意した。成分組成を表1に示す。この鋼帯がコイル状に巻かれた鋼帯コイルを巻出し機にセットし、鋼帯を巻出し機より巻き出し、巻き出された鋼帯を、アルゴンガス雰囲気とした焼入れ炉に通板させて、1000~1050℃に昇温保持して加熱した。鋼帯の搬送速度は、9m/minであり、この時の鋼帯のある部位が焼入れ炉を通過する時間(加熱される時間)は、約90秒であった。続いて、焼入れ炉の出側に設置された冷却液噴霧装置により、鋼帯に純水を噴霧して第一冷却工程を行い、鋼帯を290~350℃まで冷却した後、水冷定盤で挟みながらする第二冷却工程を行い、100℃以下まで冷却した。その後、鋼帯をアルゴンガス雰囲気とした焼戻し炉に通板して300~350℃で焼戻しを行い、巻取り機によって鋼帯をコイル状に巻取った。コイル状の鋼帯を2つ準備し、図1に記載したような端部曲面加工装置に通板し、両端部をそれぞれ試料No.1、試料No.2の異なる条件で曲面状に加工した。なお、試料の鋼帯の長さは1000メートルとした。試料No.1は一回の片側端部除去量25μmとし、端部曲面加工装置に2回通板して、合計50μmを除去した(上記した端部を除去する寸法に相当する)。試料No.2は、一回の片側端部除去量を50μmとし、端部曲面加工装置に1回通板した。このときの鋼帯端部を加工する加工チップの湾曲度は、33%のものを使用した。なお端部曲面加工工程を導入しない場合、端部は図5に示すような形状となる。図5に示すような断面では二次せん断面が形成されることもあり、被接触材との抵抗増加を招く可能性が高く好ましくない。上記の条件で端部曲面加工を行った結果、鋼帯を500メートル加工した時点では試料No.1、試料No.2ともに図に示すような、湾曲度30~33%程度の端部曲面形状を得ることができた。その後加工を継続しても、試料No.1の場合、湾曲度27~30%程度で安定した曲面加工が継続できるとが確認できた。一方で試料No.2では、鋼帯を700メートル加工した時点で図4に示すような突起部が形成される不良が発生した。これは加工チップが異常に磨耗したためと考えられる。以上の結果より、本発明例の製造方法によれば、長時間加工でも安定して鋼帯端部を所望の湾曲度に曲面加工できることが確認できた。
Figure 0007255287000001
1 鋼帯
1a 加工前の鋼帯端部
1b 加工後の鋼帯端部
2 鋼帯コイル(巻出し側)
3 鋼帯コイル(巻取り側)
4 加工チップ
5 ワイパー
6 赤外線幅計
7 突起部

Claims (1)

  1. 炭素を質量%で0.8%以上含む炭素工具鋼鋼帯を焼入れ炉に通板し、変態点以上の温度まで加熱した後、急冷する焼入れ工程と、
    前記焼入れ工程後の炭素工具鋼鋼帯を焼戻し炉に通板して焼戻しする焼戻し工程と、を連続して行い、
    前記焼戻し工程後の炭素工具鋼鋼帯の幅方向両端部を湾曲度10%~50%、かつ前記鋼帯の端部と平面との稜部付近に、前記鋼帯の板厚の2.0%以上の高さの突起部が存在しない曲面状に加工する端部曲面加工工程を備え、
    前記端部曲面加工工程において、所望の湾曲度を有する加工チップを前記鋼帯の幅方向両端部側に設置し、前記加工チップの設置区間に前記鋼帯を2回以上通板して前記鋼帯の幅方向両端部を30μm~100μm除去して曲面状に加工する、炭素工具鋼鋼帯の製造方法。
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