JP7254444B2 - 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置 - Google Patents

金属配線の製造方法及び金属配線製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7254444B2
JP7254444B2 JP2018023240A JP2018023240A JP7254444B2 JP 7254444 B2 JP7254444 B2 JP 7254444B2 JP 2018023240 A JP2018023240 A JP 2018023240A JP 2018023240 A JP2018023240 A JP 2018023240A JP 7254444 B2 JP7254444 B2 JP 7254444B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal wiring
layer
light
particles
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018023240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019140283A (ja
Inventor
正人 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2018023240A priority Critical patent/JP7254444B2/ja
Publication of JP2019140283A publication Critical patent/JP2019140283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7254444B2 publication Critical patent/JP7254444B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、金属配線の製造方法及び属配線製造装置に関する。
回路基板は、基板上に導電性の金属配線を施した構造を有する。回路基板の製造方法は、まず、金属箔を貼り合せた基板上にフォトレジストを塗布する。次に、フォトレジストを露光及び現像して所望の回路パターンのネガ状の形状を得て、フォトレジストに被覆されていない部分の金属箔をケミカルエッチングにより除去してパターンを形成する。これにより、高性能の回路基板を製造することができる。しかしながら、この方法は、工程数が多く、煩雑であると共に、フォトレジスト材料を要する等の欠点がある。
金属微粒子を分散させた分散体で基板上に所望の配線パターンを直接印刷する直接配線印刷技術(以下、PE(プリンテッド エレクトロニクス)法と記載する)が注目されている。この技術は、フォトレジスト材料を用いる必要がなく、工程数が少ないため、極めて生産性が高い。
このような分散体として、金属インクが知られている(例えば、特許文献1参照)。金属インクは、平均粒子径が数~数十ナノメートルの金属超微粒子を分散媒に分散させた分散体である。金属インクを基板に塗布乾燥させた後、これを熱処理すると、金属超微粒子特有の融点降下によって、金属の融点よりも低い温度で焼結し、導電性を有する金属膜(以下、導電膜ともいう)を形成できる。金属インクを用いて得られた金属膜は、膜厚が薄く、金属箔に近いものになる。
金属インクの熱処理には、プラズマ処理や、レーザ光やフラッシュ光の照射が行われる。基板に塗布された金属インクに、熱処理することにより、金属超粒子相互が焼結して電気導電性が得られる。金属インクの熱処理をレーザ光で行うことにより、パターニングと金属微粒子の焼結を一度に行うことができる。
国際公開第2003/051562号
ところで、焼結のための金属インクへの光の照射においては、金属粒子の光吸収波長に応じて、最適な波長がある。金属粒子の焼結をレーザ光で行うことで、波長を自由に選択することができるため、焼結に適した波長の光を照射することができ、金属粒子を効果的に焼結できる。しかしながら、最適な波長の光を選択したとき、金属粒子の焼結に必要な出力が得られないことがあり、焼結が不十分になる恐れがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射できる金属配線の製造方法及び金属配線製造装置を提供することを目的の一つとする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の一態様の金属配線の製造方法は、複数の光源から出射された各光線を、金属粒子を含む被処理層に集束するように、前記光源と、前記被処理層との間に配設される集束制御部を用いて制御して、集束した前記光線を、光線走査部により走査して、前記被処理層に、折り返し光を照射して、前記金属粒子を焼結することを特徴とする。また、前記光線は、走査線をオーバーラップさせながら照射される、ことが好ましい。
この構成により、複数の光線を集束できるため、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射できる。
本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記光源と、前記被処理層との間に配設される集束制御部を用いて、前記光線を、前記被処理層に集束することが好ましい。この構成により、複数の光線を、金属粒子を含む被処理層に容易且つ適切に集束することができる。
本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記金属粒子は、銅、銀、金及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも一つを含有することが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記金属粒子は、酸化銅粒子であることが好ましい。このように、酸化銅粒子を用いることで、他の金属酸化物粒子と比べて還元を容易にできる。また、還元と共に銅粒子が焼結して、銅粒子相互で緻密なランダムチェーンを形成し、所望の導電性が得られるため、抵抗率低い金属配線を形成できる。また、銀粒子と比較して、コストを低減でき、マイグレーションに対し有利である。
本発明の一態様の金属配線の製造方法において、集束した前記光線は、ガルバノミラーにより走査されながら、前記被処理層に照射され、前記光線の熱によって、前記酸化銅粒子が銅粒子に変化すると共に焼結する、ことが好ましい。本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記被処理層を、前記酸化銅粒子及び分散剤を含む分散体を用いて形成することが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記光源と、前記被処理層との間に配設される集束制御部を用いて、前記光線を、前記被処理層に集束することが好ましい。本発明の一態様の金属配線の製造方法において、前記被処理層は、さらにリン含有有機物を含む、ことが好ましい。本発明の一態様の金属配線の製造方法において、還元銅と前記還元銅の中にリン元素とを含み、前記リン元素はリン元素単体、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つとして存在していることが好ましい。
本発明の一態様の金属配線製造装置は、複数の光源と、前記複数の光源から出射された各光線を、金属粒子を含む被処理層に集束するように制御するための前記光源と前記被処理層との間に配設された集束制御部と、集束した前記光線を走査させる光線走査部と、を有し、集束した前記光線を前記被処理層に、折り返し光を照射して、前記金属粒子を焼結することを特徴とする。また、前記光線は、走査線をオーバーラップさせながら照射される、ことが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、前記集束制御部において、少なくとも一つの前記光線を透過させ、残りの前記光線を反射させて、前記被処理層に集束することが好ましい。この構成により、複数の光線を同一の光軸上に重ねた状態で金属粒子を含む被処理層に照射できる。これにより、光線上での出力を効果的に高めることができ、金属粒子の焼成を適切に促進することができる。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、前記集束制御部は、波長選択部材であることが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、前記集束制御部は、反射偏光板であることが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、入射面と出射面とを有する前記集束制御部において、複数の前記光線を前記入射面に入射させ、前記出射面から出射させて、前記被処理層に集束することが好ましい。この構成により、簡易な構成で複数の光線を集束でき、出力を効果的に上げることができる。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、前記集束制御部は、レンズであることが好ましい。
本発明の一態様の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置において、前記光線は、中心波長が355nm以上550nm以下のレーザ光であることが好ましい。この構成により、例えば、銅、銀、金及びアルミニウムなどの金属粒子の焼結に適した波長のレーザ光を、銅、銀、金及びアルミニウムなどの金属粒子の焼結に適した出力で照射して、銅、銀、金及びアルミニウムなどの金属粒子を、効果的に焼結できる。
本発明の金属配線の製造方法及び金属配線製造装置によれば、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射できる。
本実施の形態に係る金属配線の製造方法を説明するための、金属配線製造装置の一部を簡略化して示した模式図である。 本実施の形態に係る金属配線の製造方法及び金属配線製造装置に適用される集束制御部の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る被処理層における酸化銅粒子とリン酸エステル塩との関係を示す模式図である。 本実施の形態にかかる金属配線製造装置の全体構造を示す模式図である。 本実施の形態に係る金属配線及び光線の走査の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る金属配線付構造体を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る金属配線付構造体の製造方法の各工程を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。
銅、銀、金、アルミニウム等の金属粒子を用いた金属インクに対し、金属粒子の光吸収波長に応じて、最適な波長の光を用いることが求められる。それとともに、焼成に最適な出力が必要である。例えば、酸化銅粒子を含む被処理層に対しては、400nm以上532nm以下の連続波(CW、Continuous Wave)にて、10-20W程度の出力が必要とされる。一方、単一光源で最適波長且つ最適出力を備えた光を得ることは難しい。そこで、本実施の形態においては、複数の光線を集束することで、金属粒子の焼結に適した波長の光線を、焼結に適した出力で、金属粒子を含む被処理層に照射できるようにした。
<金属配線の製造方法>
以下、本実施の形態の金属配線の製造方法について説明する。図1は、本実施の形態に係る金属配線の製造方法を説明するための、金属配線製造装置の一部を簡略化して示した模式図である。図2は、本実施の形態に係る金属配線の製造方法及び金属配線製造装置に適用される集束制御部の一例を示す模式図である。
本実施の形態の金属配線の製造方法は、複数の光源から出射された各光線を、金属粒子を含む被処理層に集束するように制御して、金属粒子を焼結することを特徴とする。図1に示すように、複数のレーザ光源51、52を用い、レーザ光53、54を集束させて、被処理層11に照射する。
このように、本実施の形態では、複数の光線を集束させた状態で、金属粒子を焼結するので、各光線の出力が弱くても、集束させた光の出力を高めることができる。よって、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射でき、金属粒子を効果的に焼結する。被処理層には、金属粒子の他に絶縁物も含むが、出力を高めることで、絶縁物を適切に排除でき、十分に焼結させることができ、低抵抗な金属配線を得ることができる。
レーザ光源51、52と、被処理層11との間に、集束制御部60を配置することが好ましい。これにより、レーザ光源51、52からのレーザ光53、54を適切且つ容易に集束させることができる。集束制御部60は、複数の光を同一光軸上に重ねる構成(図2A、図2B)や、複数の光を、被処理層の位置で集束させる構成(図2C)とすることができる。以下、集束制御部60について詳しく説明する。
(第1の実施の形態:波長選択部材)
図2Aでは、集束制御部60として、波長選択部材61を用いた。波長選択部材61は、特定波長域の光を反射し、その他の波長域の光を透過する。波長選択部材61により、レーザ光53、54のうち、一方のレーザ光53を透過させ、他方のレーザ光54を反射させ、複数のレーザ光53、54を同一光軸上に重ねることができる。
図2Aに示すように、集束制御部60を波長選択部材61とする場合、各レーザ光源51、52から照射されるレーザ光53、54の波長は、夫々異なる。すなわち、レーザ光源51から出射されるレーザ光53の波長と、レーザ光源52から出射されるレーザ光54の波長は異なり、例えば、波長選択部材61は、レーザ光53を透過させ、レーザ光53とは異なる波長のレーザ光54を反射させる。これにより、異なる波長域のレーザ光53、54を同一の光軸上に重ねて、被処理層11に集束することができる。波長選択部材61としては、波長選択ミラー、波長選択プリズム等を用いることができる。波長選択ミラーとしては、ダイクロイックミラー等を用いることができ、波長選択プリズムとしては、ダイクロイックプリズム等を用いることができる。
(第2の実施の形態:反射偏光板)
図2Bでは、集束制御部60として、反射偏光板62を用いた。反射偏光板62は、S偏光及びP偏光のいずれか一方を透過させ、他方を反射する。これにより、異なる偏光のレーザ光53、54を、反射偏光板62の位置で集束させ、同一光軸上に光を集めることができる。反射偏光板62を用いる場合は、複数のレーザ光53、54の波長は、互いに同一であっても、互いに異なっていてもどちらでもよい。このように、反射偏光板62を用いた場合、レーザ光53、54の波長に係らず、複数の光を同一の光軸上に重ねて、被処理層11に集束することができる。このため、図2Bの構成では、ある特定波長の光の出力を効果的に高めることができる。
反射偏光板62としては、例えば、ワイヤグリッド偏光子を用いることができる。反射偏光板62は、例えば、複数の光線の偏光が互いに異なれば、複数の光線の波長が互いに異なる場合でも、複数の光線を同一の光軸上に重ねることができる。
(第3の実施の形態:レンズ)
また、集束制御部60としては、入射面と出射面とが形成され、複数の光線を入射面に入射させ、出射面から出射させて、被処理層11に集束する形態とすることができる。この実施の形態では、複数の光は、集束制御部60の位置で屈折し、ちょうど被処理層11の位置で集束するように制御することができる。係る構成では、入射面側に複数の光源を配置でき、簡易な構成で複数の光線を集束することができる。このため、光源の数を容易に増やすことができ、出力を効果的に上げることができる。
このような集束制御部60としては、図2Cに示すように、例えば、レンズ63を挙げることができる。図2Cに示すように、レンズ63は、入射面63aと出射面63bとを有している。複数の光源は、レンズ63の入射面63a側に配置される。これにより、複数のレーザ光53、54を、共通の入射面63aに入射させると共に、共通の出射面63bから出射させることができる。レーザ光53、54は、レンズ63の位置で屈折し、ちょうど、被処理層11の位置で集束するように制御することができる。すなわち、レンズ63と被処理層11との間の距離を制御したり、レンズ63の形状や種類を種々選択することで、ちょうど、複数のレーザ光53、54が、被処理層11の位置で集束するように制御することができる。
レンズ63は、凸レンズ、凹レンズ、凹凸レンズ等であることが好ましく、例えば、凹レンズであると、光軸調整が行い易く、より好ましい。レンズ63のサイズは、用いられるレーザ光源51、52の数により調整でき、複数の光源からのレーザ光を集束する場合は、すべてのレーザ光が入射されるように、サイズを大きくすることができる。
図2Cの構成では、互いに波長が異なるレーザ光53、54であっても、波長が同一のレーザ光53、54であってもレンズ63を通して適切に集束することができる。また、被処理層11に対してレンズ63の位置を容易に調整できるため、集束されたレーザ光53、54の焦点位置を被処理層11内で調整できる。
(その他の実施の形態)
例えば、集束制御部60を用いず、複数のレーザ光源51、52からのレーザ光53、54が、被処理層11の位置で集束するように、レーザ光源51、52の傾きや、レーザ光源51、52と被処理層11との距離を適宜調整する集束方法を用いることができる。この構成では、集束制御60が必要ないため、コストを抑えることができる。ただし、図2に示すような集束制御部60を用いることで、容易に且つ精度よく集束させることが可能であるため、集束制御部60を用いることが好ましい。
また、必要とされる出力や波長等の各種ファクターにより、図2に示す各集束制御部60のいずれかを選択することができる。例えば、図2Bや図2Cの構成では、同じ波長の光を集束させやすい。また図2に示す各集束制御部60を複数用いることもできる。例えば、図2Bに示す反射偏光板62を用いて、同一光軸上に重ねられた光を、図2Cに示すレンズ63に通すこともできる。
(光源)
本実施の形態では、特に光源を限定するものではないが、光源としては、図1に示すように、レーザ光源51、52を用いることが好ましい。これにより、金属粒子の光吸収波長を考慮して、光線としてのレーザ光の波長を自由に選択できる。本実施の形態では、複数のレーザ光を集束させるために、レーザ光源は、複数用いられる。
レーザ光源51、52は、レーザ光53、54の波長選択の自由度があり、被処理層11の光吸収波長や支持体56の吸収波長を考慮して選択できる。レーザの種類としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、YVO(イットリウムバナデイト)、Yb(イッテルビウム)、半導体レーザ(GaAs、GaAlAs、GaInAs、GaN、InGaN、AlGaN等)、炭酸ガス、ファイバレーザなどを用いることができ、基本波だけでなく必要に応じ高調波を取り出して使用してもよい。半導体レーザや第二高調波を用いることがより好ましい。また、レーザ光53、54は、パルス波(Pulsed Operation)、連続波(CW)とすることが可能である。これにより、被処理層11が酸化銅インク層であるとき、銅粒子を効果的に焼結できる。特に、銅粒子の焼結には、連続波が照射されることが好ましい。
光源の数については、複数であればよく、2個でも、3個以上とすることも可能である。例えば、図2Cに示すレンズ63を用いた構成では、レンズ63の入射面63a側に2個以上の光源を容易に設置することができる。また、異なる波長のレーザ光が集束できれば、例えば、図2Aに示す波長選択部材61は、2つ以上配設されてもよく、3つ以上のレーザ光源からのレーザ光を集束する構成としてもよい。これにより、レーザ光源51、52を増やして複数のレーザ光53、54を集束できるため、レーザ光53、54の出力を、被処理層11の金属粒子の焼結に適した値まで効果的に高めることができる。
光源数は、最適波長及び最適出力に応じて適宜選択可能である。例えば、酸化銅インクに対しては、400nm以上532nm以下の連続波であって、10-20W程度の出力が必要とされる。そして、最適波長における単一光源での出力は数Wであることから、最適波長且つ最適出力を満たすように光源数を選択する。限定されるものではないが、酸化銅インクの場合、光源数を4個以上とすることで、最適波長且つ最適出力を容易に満たすことができる。
(発光波長)
レーザ光53、54の発光波長を特に限定するものではないが、本実施の形態の金属配線の製造方法では、355nm以上550nm以下の中心波長の光に好ましく適用できる。この範囲の波長のレーザ光53、54を照射することにより、被処理層11に、例えば、銅、銀、金及びアルミニウムなどの金属粒子が含まれていた場合に、これらの金属粒子の焼結に適した波長のレーザ光53、54を、これらの金属粒子の焼結に適した出力で照射して、金属粒子を効果的に焼結できる。また、レーザ光53、54の発光波長は、中心波長が400nm以上532nm以下であることが好ましい。これにより、例えば、被処理層11が酸化銅インク層であるとき、酸化銅インク層に含まれる銅粒子の焼結に適した波長のレーザ光53、54を、銅粒子の焼結に適した出力で照射して、銅粒子を効果的に焼結できる。また、レーザ光53、54の波長は、被処理層11の支持体56が樹脂の場合、例えば、355nm、405nm、445nm、450nm、532nmが好ましい。このように、本実施の形態では、被処理層11が酸化銅インク層であるとき、酸化銅インク層の銅粒子の焼結に適した中心波長が400nm以上532nm以下のレーザ光53、54を、銅粒子の焼結に適した出力で照射できる。
また、ビームスキャンによる露光が可能であり、処理層全面への露光、もしくは部分露光の選択など、露光範囲の調整が容易である。露光量は、光強度、発光時間、光照射間隔、回数で調整可能であり、支持体56の光透過性が大きければ、耐熱性の低い樹脂基板、例えば、PET、PENや紙などへも、酸化銅インクによるパターン形成が可能となる。
(被処理層)
次に、被処理層11について説明する。被処理層11は上記したように、金属粒子を含む層である。
被処理層11に含まれる金属粒子は、銅、銀、金及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも一つを含有することが好ましい。金属粒子として、銅、銀、金及びアルミニウムなどを用いることにより、金属粒子を効果的に焼結できるため、適切に導電性を得ることができる。
また、被処理層11に含まれる金属粒子は、金属酸化物粒子であることが好ましい。金属酸化物粒子に光線を照射することで、金属酸化物を還元して金属粒子を形成できるとともに、金属粒子を焼結できる。酸化され易い金属粒子をそのまま用いる場合、金属粒子の酸化を防止するために酸化防止処理が必要であり、酸化防止処理は金属粒子の焼結の妨げになる。金属酸化物粒子を用いることで、焼結の妨げとなる酸化防止処理を行う必要がないため、焼結を促進できる。
金属酸化物粒子は、酸化銅粒子であることが好ましい。酸化銅粒子を用いることで、他の金属酸化物粒子と比べて還元を容易にできる。また、還元と共に銅粒子が焼結して、銅粒子相互で緻密なランダムチェーンを形成し、所望の導電性が得られるため、抵抗率の低い金属配線を形成できる。また、銀粒子と比較して、コストを低減でき、マイグレーションに対し有利である。
被処理層11は、金属粒子及び分散剤を含む分散体であることが好ましい。分散体は、金属インクで形成されることが好ましく、酸化銅インクであることがより好ましい。分散体において、分散剤を用いることにより、金属粒子の凝集を抑制できる。
分散剤は、リン含有有機物を含有することが好ましい。分散剤としてリン含有有機物を用いることにより、立体障害効果により金属粒子の凝集を効果的に抑制できる。また、リン含有有機物は熱によって分解し易いため、光線の照射による金属粒子の焼結後にリン含有有機物の残渣が残りにくく、抵抗率の低い金属配線を得ることができる。
次に、金属粒子を含む被処理層を、酸化銅粒子と、分散剤としてリン含有有機物とを含む分散体(酸化銅インク)から形成する場合を例に挙げて説明する。
図3は、本実施の形態に係る被処理層における酸化銅粒子とリン酸エステル塩との関係を示す模式図である。図3中の被処理層11とは、酸化銅粒子12及びリン含有有機物の一例であるリン酸エステル塩13を含む層であり、酸化銅インク層ともいう。図3中に示すように、被処理層11において、酸化銅粒子12の周囲には、リン酸エステル塩13が、リン13aを内側に、エステル塩13bを外側にそれぞれ向けて取り囲んでいる。リン酸エステル塩13は電気絶縁性を示すため、隣接する酸化銅粒子12との間の電気的導通は妨げられる。
したがって、酸化銅粒子12は半導体であり導電性であるが、電気絶縁性を示すリン酸エステル塩13で覆われているので、焼成処理(後述)前の被処理層11は、電気絶縁性を示し、絶縁領域11の両側に隣接する金属配線(後述する図6参照)の間の絶縁を確保することができる。
<適用例>
本実施の形態の金属配線の製造方法は、一例として、金属粒子に酸化銅粒子を用いた被処理層11に対して照射する光を、図2Cに示すレンズ62で集束させる。このときの光の波長は400-532nmの連続波(CW)であり、2以上のレーザ光源のレーザ光を集束させて、10-20W程度の出力光で、酸化銅粒子を焼結する。
<金属配線製造装置>
次に、本実施の形態の金属配線製造装置について説明する。本実施の形態における金属配線製造装置は、複数の光源と、複数の光源から出射された各光線を、被処理層に集束するように制御する集束制御部と、を有することを特徴とする。図4は、本実施の形態にかかる金属配線製造装置の全体を示す模式図である。図5は、本実施の形態に係る金属配線及び光線の走査の一例を示す模式図である。なお、場合によっては、図1や図2も参照して説明する。
(集束制御部)
集束制御部60については、上記の<金属配線の製造方法>欄で説明したので、詳しくは、そちらを参照されたい。なお、集束制御部60は、図2Aで説明した波長選択部材61、図2Bで説明した反射偏光板62、或いは、図2Cで説明したレンズ63であることが好ましい。
図1に示すように、波長選択部材61と、レーザ光源52との間に、ミラー71等を配設し、レーザ光源52から出射されるレーザ光54を、ミラー71で反射させて、波長選択部材61に入射させてもよいし、レーザ光源52から、波長選択部材61に直接入射させてもよい。図2Bや図2Cに示すように、集束制御部60として反射偏光板62を用いる場合やレンズ63を用いる場合も同様である。
(ガルバノスキャナー)
図4に示すように、レーザ光源51から出射されたレーザ光53と、レーザ光源52から出射されたレーザ光54は、上記した集束制御部60で集束され、集束されたレーザ光53、54は光線走査部57の一例であるガルバノスキャナーに入射される。光線走査部57は、X軸ガルバノミラー57a、X軸ガルバノモータ57b、Y軸ガルバノミラー57c及びY軸ガルバノモータ57dを具備する。また、図示されないfθレンズやZ軸調整用駆動レンズを具備してもよい。
また、光線走査部57のX軸ガルバノモータ57b及びY軸ガルバノモータ57dは、スキャナ制御部54に電気的に接続されている。
スキャナ制御部54は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等によって構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成されている。ガルバノスキャナー53は、スキャナ制御部34からの制御信号に従って、X軸ガルバノモータ57b及びY軸ガルバノモータ57dの回転角及び回転速度を制御可能に構成されている。
レーザ光53、54は、光線走査部57により走査され、支持体56の上に形成された、酸化銅粒子及び分散剤を含む被処理層11の表面に照射される。また、光線走査部57と被処理層11との間にレンズを配置して、レーザ光53、54を被処理層11に集光させてもよい。
また、本実施の形態では、光線走査部57は、X軸方向及びY軸方向の移動にX軸、Y軸ガルバノミラー57a、57cを用いているが、いずれか一方、例えば、X軸方向のみの移動にガルバノミラーを用い、Y軸方向の移動は支持体56を載置する載置台(図示せず)をモータ等でY軸方向に沿って移動させることによって行ってもよい。
ここで、光線走査部57として、ガルバノスキャナーを例に挙げて説明したが、特に限定されるものではない。例えば、光線走査部57は、ガルバノスキャナーに代えて、載置台として、被処理層11を備えた支持体56をX軸方向及びY軸方向の両方に移動できるX-Yステージを用い、集束されたレーザ光53、54を移動させる代わりに支持体56を移動させてもよい。
図4に示すように、集束制御部60で集束されたレーザ光53、54は、光線走査部57のX軸ガルバノミラー57a及びY軸ガルバノミラー57cにより走査されながら、被処理層11に照射される。
このように、図4に示す本実施の形態の金属配線製造装置50では、集束制御部60により、複数のレーザ光53、54を集束できるため、出力を、被処理層11の焼結に適した値まで高めた状態で、レーザ光53、54を被処理層11に照射できる。よって、被処理層11に含まれる金属粒子を効果的に焼結して、低抵抗な金属配線を形成できる。また、集束制御部60を用いて、集束制御することで、被処理層11に対して、適切且つ容易に、光を集束させることができる。すなわち、集束制御部60として、例えば、図2Aに示す波長選択部材61や、図2Bに示す反射偏光板62を用いることで、複数の光を同一光軸上に集めることができ、被処理層11に適切に高い出力の光を照射することができる。また、集束制御部60として、例えば、図2Cに示すレンズ63を用いることで、被処理層11に適切に光を集めることができる。レンズ63を用いることで、光源数を容易に増やすことができ、簡単な構成で、所望の出力を得ることができる。
また、図4に示すように、集束制御部60で集束された光は、光線走査部57で方向制御されて、被処理層11上を走査する。このように、光線走査部57にて、集束された光を、方向制御することで、被処理層11を所望のパターンに焼結して、所望の形状の金属配線を形成できる。
(金属配線)
次に、上記した金属配線の製造方法にて形成された金属配線について説明する。例えば、図3に示す酸化銅インクに、集束させた光を照射する。これにより、酸化銅量子が銅粒子に還元される。このように酸化銅粒子が還元された銅粒子を還元銅という。また、このとき、リン含有有機物は、リン酸化物に変性する。リン酸化物では、上述のエステル塩13bのような有機物は、光線の熱によって分解し、電気絶縁性を示さないようになる。
また、酸化銅粒子12が用いられている場合、光線の熱によって、酸化銅が還元銅からなる銅粒子に変化すると共に焼結し、隣接する銅粒子同士が一体化する。これによって、図5に示す、優れた電気導電性を有する金属配線1を被処理層11に形成することができる。なお、図5では、被処理層11に、折り返し光を照射して、走査線(やや太めの実線部分)を往復させて金属配線1を形成している。図5では、隣り合う走査線間に間隔が空いているが、これは、説明をわかりやすくしたものであり、実際には、走査線をオーバーラップさせながら往復させており、これにより、所望の面積及び形状を有する金属配線1を形成することができる。
なお、図3に示す酸化銅インクを用いた場合、金属配線1内には、還元銅の中にリン元素が残存している。リン元素は、リン元素単体、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つとして存在している。このように残存するリン元素は金属配線1中に偏析して存在しており、金属配線1の抵抗が大きくなる恐れはない。
<金属配線付構造体の構成>
図6は、本実施の形態に係る金属配線付構造体を示す断面模式図である。図6に示すように、金属配線付構造体20は、支持体(基板)21と、支持体21が構成する面上に、断面視において、酸化銅及びリン含有有機物を含む絶縁領域22と、銅粒子が焼結して形成された金属配線23と、が互いに隣接して配置された単一層24と、を具備する。絶縁領域22は、被処理層11のうち光線が照射されていない領域である。
(支持体)
支持体21は、単一層24を配置するための面を構成するものである。形状は、特に限定されない。
支持体21の材質は、絶縁領域22により離間された金属配線23の間での電気絶縁性を確保するため、絶縁材料であることが好ましい。ただし、支持体21の全体が絶縁材料であることは必ずしも必要がない。単一層24が配置される面を構成する部分だけが絶縁材料であれば足りる。
支持体21は、より具体的には、平板状体、フィルム又はシートであってもよい。板状体は、例えば、プリント基板等の回路基板に用いられる支持体(基材とも呼ばれる)である。フィルム又はシートは、例えば、フレキシブルプリント基板に用いられる、薄膜状の絶縁体であるベースフィルムである。
支持体21は、立体物であってもよい。立体物が構成する曲面又は段差等を含む面に単一層を配置することもできる。
立体物の一例としては、携帯電話端末、スマートフォン、スマートグラス、テレビ、パーソナルコンピュータ等の電気機器の筐体が挙げられる。また、立体物の他の例としては、自動車分野では、ダッシュボード、インストルメントパネル、ハンドル、シャーシ等が挙げられる。
(単一層)
本実施の形態では、単一層24は、絶縁領域22と金属配線23とが混在してなると言える。
単一層24において「単一」とは、層が多層構造でないこと、及び、層が断面視で連続していることを意味する。層が断面視で連続しているとは、例えば、プリント基板で見られるような、パターニングされた配線層の間をソルダーペーストで埋めて一層としているような状態を含まないことを意味している。
したがって、単一層24が単一であるとは、全体が均質であることを意味するものではなく、絶縁領域22と金属配線23との関係のように、電気導電性、粒子状態(焼成と未焼成)等に違いがあってもよいし、両者の間に境界(界面)が存在していてもよい。
(絶縁領域)
絶縁領域22は、酸化銅及びリン含有有機物を含み、電気絶縁性を示す。絶縁領域22は、光照射を受けていない未照射領域と言える。また、絶縁領域22は、光照射によって酸化銅が還元されていない未還元領域とも言える。また、絶縁領域22は、光照射によって焼成されていない未焼成領域とも言える。
(金属配線)
金属配線23は、銅を含み、電気導電性を示す。金属配線23は、レーザによる照射を受けた被照射領域と言える。また、金属配線23は、光照射によって酸化銅が還元された還元銅を含む還元領域とも言える。また、金属配線23は、絶縁領域22を光照射によって焼成した焼成体を含む焼成領域とも言える。
金属配線23の、平面視における形状、すなわちパターンは、直線状、曲線状、円状、四角状、屈曲形状等のいずれであってもよく、特に限定されない。パターンは、レーザ光による走査により形成されるので、形状による制約は受けにくい。
絶縁領域22と金属配線23との境界は、断面視において、単一層24の厚み方向(図3に示す上下方向)に沿って直線であることが好ましいが、テーパ角がつけられていてもよく、特に限定されない。ただし、当該境界が明確であることは必須ではない。
金属配線23は、断面視において完全に還元されている必要はない。例えば、支持体56に近い部分に未還元部分があることが好ましい。これにより、金属配線23及び支持体21の間の密着性が高くなる。
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る金属配線付構造体の製造方法について、より具体的に説明する。図7は、本実施の形態に係る金属配線付構造体の製造方法の各工程を示す説明図である。図7中(a)において、水、プロピレングリコール(PG)の混合溶媒中に酢酸銅を溶かし、ヒドラジンを加えて攪拌する。
次に、図7中(b)、(c)において、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。次に、図7中(d)において、得られた沈殿物に、分散剤(リン含有有機物)及びアルコールを加え、分散する。
次いで、図7中(e)、(f)において、UF膜モジュールによる濃縮及び希釈を繰り返し、溶媒を置換し、酸化銅粒子を含有する分散体Iを得る。
図7中(g)、(h)において、分散体Iをスプレーコート法によりPET製の支持体(図7(h)中、「PET」と記載する)上に塗布し、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布層(被処理層)(図7(h)中、「CuO」と記載する)を形成する。
次に、図7中(i)において、塗布層に対してレーザ照射を行い、塗布層の一部を選択的に焼成し、酸化銅を銅(図7(i)中、「Cu」と記載する)に還元する。この結果、図7中(j)において、支持体上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む絶縁領域(図7(j)中、「A」と記載する)と、銅を含む金属配線(図7(j)中、「B」と記載する)と、が互いに隣接して配置された単一層が形成された金属配線付構造体が得られる。
本実施の形態では、酸化銅を還元し、銅を生成させると共に、生成された銅同士の焼結(融着)による一体化が生じる条件下でレーザ光により加熱処理を施し、金属配線を形成する。この処理を焼成処理と呼ぶ。
次に、本実施の形態に係る金属配線の製造方法の構成要素についてさらに詳細に説明する。
<金属配線付構造体の詳細>
以下、本実施の形態に係る金属配線付構造体20の各構成について具体的に説明する。しかし、各構成は、以下に挙げる具体例に限定されるものではない。
(支持体)
支持体の具体例として、例えば、無機材料からなる支持体(以下、「無機支持体」)、または樹脂からなる支持体(以下、「樹脂支持体」という)が挙げられる。
無機支持体は、例えば、ガラス、シリコン、雲母、サファイア、水晶、粘土膜、及び、セラミックス材料等から構成される。セラミックス材料は、例えば、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、イットリア及び窒化アルミニウム、並びに、これらのうち少なくとも2つの混合物である。また、無機支持体としては、特に光透過性が高い、ガラス、サファイア、水晶等から構成される支持体を用いることができる。
樹脂支持体としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PENt)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン-ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、シクロオレフィンポリマー(COP)、アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ナイロン樹脂(PA6、PA66)ポリブチルテレフタレート樹脂(PBT)ポリエーテルスルホン樹脂(PESU)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及びシリコーン樹脂等から構成される支持体を用いることができる。
また、上記に区別されないが、セルロースナノファイバーを含有した樹脂シートを支持体として用いることもできる。
特に、PI、PET及びPENからなる群から選択される少なくとも一種は、単一層との密着性に優れ、且つ、市場流通性が良く低コストで入手可能であり、事業の観点から有意であり、好ましい。
さらに、PP、PA、ABS、PE、PC、POM、PBT、m-PPE及びPPSからなる群から選択される少なくとも一種は、特に筐体である場合、単一層との密着性に優れ、成型性や成型後の機械的強度に優れ、金属配線を形成するときのレーザ照射等にも十分耐えうる耐熱性も有しているため、好ましい。
樹脂支持体の荷重たわみ温度は、400℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。荷重たわみ温度が400℃以下の支持体は、低コストで入手可能であり、事業の観点から有意であり、好ましい。荷重たわみ温度は、例えば、JIS K7191に準拠したものである。
支持体の厚さは、例えば、1μm~10mmとすることができ、好ましくは25μm~250μmである。支持体の厚さが250μm以下であれば、作製される電子デバイスを、軽量化、省スペース化及びフレキシブル化できるため、好ましい。
なお、支持体が筐体である場合、その厚さは、例えば1μm~10mmとすることができ、好ましくは、200μm~5mmである。この範囲を選択することで、成型後の機械的強度や耐熱性を発現させることが、本発明者により明らかになった。
(単一層)
単一層は、酸化銅粒子及びリン含有有機物を含む絶縁領域と、銅を含む金属配線とが混在してなる。
(酸化銅粒子)
本実施の形態において、酸化銅は、例えば、酸化第一銅及び酸化第二銅を包含する。酸化第一銅は、低温焼結しやすい傾向にあるので特に好ましい。酸化第一銅及び酸化第二銅は、これらを単独で用いてもよいし、これらを混合して用いてもよい。
また、酸化銅粒子は、コア/シェル構造を有し、コア又はシェルのいずれか一方が酸化第一銅であってもよく、他に酸化第二銅を含んでもよい。
絶縁領域に含まれる酸化銅は、例えば、微粒子形状を成している。酸化銅を含む微粒子の平均粒子径は、1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上50nm以下、さらに好ましくは1nm以上20nm以下である。粒子径が小さいほど、絶縁領域の電気絶縁性に優れるため、好ましい。
単一層において絶縁領域に銅粒子が含まれていてもよい。すなわち、後述の分散体に銅を添加してもよい。銅粒子の表面にもリン含有有機物が吸着し、電気絶縁性を示すことができる。
(リン含有有機物)
リン含有有機物は、絶縁領域において電気絶縁性を示す材料である。リン含有有機物は、酸化銅を、支持体に固定できることが好ましい。リン含有有機物は、単一分子であってよいし、複数種類の分子の混合物でもよい。また、リン含有有機物は、酸化銅の微粒子に吸着していてもよい。
リン含有有機物の数平均分子量は、特に制限はないが、300~300,000であることが好ましい。300以上であれば、電気絶縁性に優れる。
リン含有有機物は、光や熱によって分解又は蒸発しやすいものであることが好ましい。光や熱によって分解又は蒸発しやすい有機物を用いることによって、焼成後に有機物の残渣が残りにくくなり、抵抗率の低い金属配線を得ることができる。
リン含有有機物の分解温度は、限定されないが、600℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。リン含有有機物の沸点は、限定されないが、300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。
リン含有有機物の吸収特性は、限定されないが、焼成に用いる光を吸収できることが好ましい。例えば、焼成のための光源としてレーザ光を用いる場合は、その発光波長の、例えば355nm、405nm、445nm、450nm、532nm、1064nmなどの光を吸収するリン含有有機物を用いることが好ましい。支持体が樹脂の場合、特に好ましくは、355nm、405nm、445nm、450nm、532nmの波長である。
また、構造としては、酸化銅に親和性のある基を有する高分子量共重合物のリン酸エステル塩がよい。例えば、化学式(1)の構造は、酸化銅と吸着し、また支持体への密着性にも優れるため、好ましい。
Figure 0007254444000001
エステル塩の一例として、化学式(2)の構造を挙げることができる。
Figure 0007254444000002
また、リン含有有機物の一例として、化学式(3)の構造を挙げることができる。
Figure 0007254444000003
リン含有有機物が有する有機構造としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PENt)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン-ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリスルフィド、シリコーン樹脂、アルドース、セルロース、アミロース、プルラン、デキストリン、グルカン、フルクタン、キチン等の構造を用いることができる。これら構造の官能基を変性した構造を用いることもできるし、これら構造を修飾した構造を用いることもできるし、これら構造の共重合体を用いることもできる。ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリアセタール構造、ポリブテン構造、及びポリスルフィド構造から選択される骨格を有するリン含有有機物は、分解しやすく、焼成後に得られる金属配線中に残渣を残し難いため、好ましい。
リン含有有機物の具体例としては、市販の材料を用いることができ、具体的には、ビックケミー社製のDISPERBYK(登録商標)-102、DISPERBYK-103、DISPERBYK-106、DISPERBYK-109、DISPERBYK-110、DISPERBYK-111、DISPERBYK-118、DISPERBYK-140、DISPERBYK-145、DISPERBYK-168、DISPERBYK-180、DISPERBYK-182、DISPERBYK-187、DISPERBYK-190、DISPERBYK-191、DISPERBYK-193、DISPERBYK-194N、DISPERBYK-199、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001、DISPERBYK-2008、DISPERBYK-2009、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2012、DISPERBYK-2013、DISPERBYK-2015、DISPERBYK-2022、DISPERBYK-2025、DISPERBYK-2050、DISPERBYK-2152、DISPERBYK-2055、DISPERBYK-2060、DISPERBYK-2061、DISPERBYK-2164、DISPERBYK-2096、DISPERBYK-2200、BYK-405、BYK-607、BYK-9076、BYK-9077、BYK-P105、第一工業製薬社製のプライサーフ(登録商標)M208F、プライサーフDBS等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
絶縁領域に含まれる酸化銅は、市販品を用いてもよいし、合成物を用いてもよい。市販品としては、例えば、イーエムジャパン社より販売されている平均一次粒子径18nmの酸化第一銅微粒子が挙げられる。
酸化第一銅を含む微粒子の合成法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
(1)ポリオール溶剤中に、水及び銅アセチルアセトナト錯体を加え、一旦有機銅化合物を加熱溶解させ、反応に必要な量の水を更に添加し、有機銅の還元温度に加熱して還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅-N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン錯体)を、ヘキサデシルアミン等の保護剤の存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
上記(1)の方法は、例えば、アンゲバンテ・ケミ・インターナショナル・エディション、40号、2巻、p.359、2001年に記載の条件で行うことができる。
上記(2)の方法は、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ・1999年、121巻、p.11595に記載の条件で行うことができる。
上記(3)の方法において、銅塩としては、二価の銅塩を好適に用いることができ、その例として、例えば、酢酸銅(II)、硝酸銅(II)、炭酸銅(II)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)等を挙げることができる。ヒドラジンの使用量は、銅塩1モルに対して、0.2モル~2モルとすることが好ましく、0.25モル~1.5モルとすることがより好ましい。
銅塩を溶解した水溶液には、水溶性有機物を添加してもよい。該水溶液に水溶性有機物を添加することによって該水溶液の融点が下がるので、より低温における還元が可能となる。水溶性有機物としては、例えば、アルコール、水溶性高分子等を用いることができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体等を用いることができる。
上記(3)の方法における還元の際の温度は、例えば-20~60℃とすることができ、-10~30℃とすることが好ましい。この還元温度は、反応中一定でもよいし、途中で昇温又は降温してもよい。ヒドラジンの活性が高い反応初期は、10℃以下で還元することが好ましく、0℃以下で還元することがより好ましい。還元時間は、30分~300分とすることが好ましく、90分~200分とすることがより好ましい。還元の際の雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気であることが好ましい。
上記(1)~(3)の方法の中でも、(3)の方法は操作が簡便で、且つ、粒子径の小さい粒子が得られるので好ましい。
(金属配線)
金属配線における銅は、例えば、銅を含む微粒子同士が互いに融着した構造を示していてもよい。また、微粒子の形状が無く、全てが融着した状態になっていてもよい。さらに、一部分は微粒子の形状であって、大部分は融着した状態であってもよい。
また、金属配線は、銅の他に酸化銅(酸化第一銅、酸化第二銅、亜酸化銅)や、リン含有有機物を含んでいてもよい。例えば、金属配線の表面側の部分は、銅を含む微粒子同士が互いに融着した構造であり、支持体側の部分は、酸化銅又はリン含有有機物を含む構造であってもよい。これにより、酸化銅又はリン含有有機物が銅粒子同士の強固な結合を生じ、さらに酸化銅又はリン含有有機物が支持体との密着性を高めることができるため、好ましい。
金属配線における銅の含有率は、単位体積に対して、50体積%以上であることが好ましく、60体積%以上であることがより好ましく、70体積%以上がさらに好ましく、100体積%であってもよい。銅の含有率が50体積%以上あることで、導電率が高くなるため、好ましい。
<金属配線付構造体の製造方法>
本実施の形態に係る金属配線付構造体の製造方法においては、例えば、まず、酸化銅粒子を含む被処理層を有する支持体を用意する。例えば、まず、支持体(支持体)が構成する面上に、酸化銅粒子及びリン含有有機物を含む被処理層(酸化銅インク層)を配置する。この方法としては、(a)酸化銅粒子及びリン含有有機物を含有する分散体(酸化銅インク)を塗布する方法、(b)酸化銅粒子を散布し、次いでリン含有有機物を塗布する方法、(c)リン含有有機物を塗布し次いで酸化銅粒子を散布する方法等が挙げられる。以下、(a)の方法を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
(分散体の調製方法)
次に、まず分散体の調製方法について説明する。まず、酸化銅粒子をリン含有有機物と共に分散媒に分散させた酸化銅分散体(酸化銅インク)を調製する。
例えば、上記(3)の方法で合成された酸化銅粒子は、軟凝集体であり、このままでは塗布に適さないため、分散媒に分散させる必要がある。
上記(3)の方法で合成が終了した後、合成溶液と酸化銅粒子との分離を、例えば遠心分離のような公知の方法で行う。得られた酸化銅粒子に、分散媒、リン含有有機物は、を加え、例えばホモジナイザのような公知の方法で撹拌し、酸化銅粒子を分散媒に分散させる。
本実施の形態に係るリン含有有機物は、分散剤として機能する。しかし、絶縁領域の電気絶縁性に影響がない範囲であれば、他の分散剤を追加しても構わない。
なお、分散媒によっては、酸化銅粒子が分散しにくく、分散が不充分な場合がある。このような場合は、例えば、分散しやすいアルコール類、例えばブタノールなどを用い、酸化銅を分散させた後、所望の分散媒への置換と所望の濃度への濃縮を行う。一例として、UF膜による濃縮、並びに、所望の分散媒による希釈及び濃縮を繰り返す方法が挙げられる。
(塗布)
上述のような支持体の表面に、本実施の形態に係る分散体からなる薄膜(以下、被処理層という)を形成する。より具体的には、例えば、分散体を支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥により分散媒を除去し、被処理層を形成する。当該被処理層の形成方法は、特に限定されないが、ダイコート、スピンコート、スリットコート、バーコート、ナイフコート、スプレーコート、ディツプコート等の塗布法を用いることができる。これらの方法を用いて、支持体上に均一な厚みで分散体を塗布することが望ましい。
(焼成処理)
本実施の形態では、酸化銅粒子を還元し、銅粒子を生成させると共に、生成された銅粒子同士の焼結(融着)による一体化が生じる条件下で加熱処理を施し、金属配線を形成する。この処理を焼成処理と呼ぶ。
本実施の形態に係る金属配線付構造体は、例えば、電子回路基板等の配線材(プリント基板、RFID、自動車におけるワイヤハーネスの代替など)、携帯情報機器(スマートフォン等)の筐体に形成されたアンテナ、メッシュ電極(静電容量式タッチパネル用電極フィルム)、電磁波シールド材、及び、放熱材料、に好適に適用することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る金属配線の製造方法及び金属配線製造装置によれば、複数の光線を集束できるため、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射できる。このため、金属粒子を効果的に焼結して、低抵抗な金属配線を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
<酸化第一銅分散液>
蒸留水(共栄製薬株式会社製)7560g、1,2-プロピレングリコール(関東化学株式会社製)3494gの混合溶媒中に酢酸銅(II)一水和物(関東化学株式会社製)806gを溶かし、外部温調器によって液温を-5℃にした。ヒドラジン一水和物(東京化成工業株式会社製)235gを20分間かけて加え、30分間攪拌した後、外部温調器によって液温を25℃にし、90分間攪拌した。攪拌後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。得られた沈殿物390gに、DISPERBYK-145(ビッグケミー製)13.7g(分散剤含有量4g)、サーフロンS611(セイミケミカル製)54.6g、及びエタノール(関東化学株式会社製)907gを加え、ホモジナイザを用いて分散し、酸化第一銅分散液1365gを得た。
<ヒドラジン定量方法>
標準添加法によりヒドラジンの定量を行った。
試料(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン33μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
同じく、試料(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン66μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
同じく、試料(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン133μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
最後に、試料(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジンを加えず、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加え、最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
上記4点のGC/MS測定からm/z=207のクロマトグラムラムよりヒドラジンのピーク面積値を得た。次にm/z=209のマスクロマトグラムよりサロゲートのピーク面積値を得た。x軸に、添加したヒドラジンの重量/添加したサロゲート物質の重量、y軸に、ヒドラジンのピーク面積値/サロゲート物質のピーク面積値をとり、標準添加法による検量線を得た。
検量線から得られたY切片の値を、添加したヒドラジンの重量/添加したサロゲート物質の重量で除し、ヒドラジンの重量を得た。
<粒子径測定>
酸化銅インクの平均粒子径は大塚電子製FPAR-1000を用いてキュムラント法によって測定した。
分散液は良好に分散されていた。酸化第一銅の含有量は20gであり、粒子径は21nmであった。ヒドラジン量は3000ppmであった。
<塗布膜>
得られた分散液を、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン500H、厚み125μm)にスピンコート法によって塗布し、40℃のオーブンで2時間保持して溶媒を揮発させて、試料1の塗布膜を得た。得られた試料1の塗膜厚の厚みは、略1000nmであった。
<金属配線製造装置>
レーザ光源として、連続波発振(Continuous Wave:CW)、中心波長445nm、出力2.0Wの半導体レーザを2式用意した。集束制御部において、凹レンズを用意した。2式のレーザ光線を1つの凹レンズに入射させ、略1つのレーザ光線に集束するように調整して結合レーザ光線を得た。更に、結合レーザ光線をガルバノスキャナーに入射させ、前述の試料1の塗布膜表面に焦点が合うように調節した。結合レーザ光線の出力を測定した結果、3.6Wであった。
<金属配線の製造>
大きさが異なる長方形状の領域(主走査方向、例えばX軸方向)を組み合わせたパターンデータを準備し、金属配線製造装置に入力した。パターンデータは、主走査方向の長さがL1=20mm、L2=10mmで、主走査方向に垂直な方向の長さ(幅とする)はそれぞれ3mmである。走査周期(F)が15Hzになるように下記の通り走査速度(V1、V2)を算出させ、走査速度制御しながら結合レーザ光線を走査した。
走査速度V1 = F × L1 = 300mm/s
走査速度V2 = F × L2 = 150mm/s
また、結合レーザ光線を主走査方向に往復走査させるときに、走査線をオーバーラップ率=96%になるように主走査方向に垂直な方向の移動ピッチを制御した。
結合レーザ光線を照射した部分は、塗布膜中の酸化銅が還元され、還元銅からなる導電性パターンを得た。導電性パターンは、大きさが異なる長方形状の領域が組み合わされた形状を有していた。
<抵抗測定>
得られた導電性パターンを、L1=20mm、幅3mmと、L2=10mm、幅3mmの領域で切断し、4端子測定法で比抵抗値を評価した結果、導電性パターンの長さに依らず略50μΩcmであり、金属配線として使用するのに十分に低抵抗であった。
<オーバーラップ部の観察>
得られた導電性パターンの表面を光学顕微鏡で観察した。結合レーザ光線の走査線が、13.2μmの間隔で確認できた。また、導電性パターンの走査終端部のオーバーラップしていない部分の軌跡の幅は320μmであった。下記の式によりオーバーラップ率を計算すると、95.9%であった。
(オーバーラップ率)=(320μm-13.2μm)÷320μm
(実施例2)
レーザ光源として、連続波発振(Continuous Wave:CW)、中心波長532nm、レーザ光線出力3.0Wのレーザを2式用いて、走査周期(F)が20Hzになるように走査速度(V)を算出させ、走査速度制御しながら結合レーザ光線を走査した。結合レーザ光線の出力を測定した結果、5.3Wであった。
それ以外の操作は実施例1と同様の方法によって、導電性パターンを得た。実施例1と同様に抵抗測定した結果、略70μΩcmであり、金属配線として使用するのに十分に低抵抗であった。
(実施例3)
レーザ光源として、連続波発振(Continuous Wave:CW)、中心波長445nm、出力2.0Wの半導体レーザを2式用意した。集束制御部において、反射偏光板としてワイヤグリッド偏光子(旭化成株式会社製)を用意した。図2Bにあるように、ワイヤグリッド偏光子の一方の面からレーザ光線を入射して透過させ、他方の面にもう一方のレーザ光線を入射して反射させた。このとき、それぞれのレーザ光線は互いに偏光が直行するように偏光成分を調整した。また、2本のレーザ光線が略1つのレーザ光線になるように調整して結合レーザ光線を得た。更に、結合レーザ光線をガルバノスキャナーに入射させ、前述の試料1の塗布膜表面に焦点が合うように調節した。結合レーザ光線の出力を測定した結果、3.3Wであった。
それ以外の操作は実施例1と同様の方法によって、導電性パターンを得た。実施例1と同様に抵抗測定した結果、略50μΩcmであり、金属配線として使用するのに十分に低抵抗であった。
(実施例4)
レーザ光源として、連続波発振(Continuous Wave:CW)、中心波長445nm、出力2.0Wの半導体レーザ光源を1式と、中心波長532nm、出力2.0Wのレーザ光源を1式、を用意した。集束制御部において、波長選択部材としてダイクロイックミラー(シグマ光機株式会社:SDM515S)を用意した。図2Aにあるように、一方の面から波長532nmのレーザ光線を入射して透過させ、他方の面に波長445nmのレーザ光線を入射して反射させた。このとき、2本のレーザ光線が略1つのレーザ光線になるように調整して結合レーザ光線を得た。更に、結合レーザ光線をガルバノスキャナーに入射させ、前述の試料1の塗布膜表面に焦点が合うように調節した。結合レーザ光線の出力を測定した結果、3.5Wであった。
それ以外の操作は実施例1と同様の方法によって、導電性パターンを得た。実施例1と同様に抵抗測定した結果、略50μΩcmであり、金属配線として使用するのに十分に低抵抗であった。
(比較例1)
複数のレーザ光線を集束させずに、中心波長445nm、出力2.0Wの半導体レーザ1式をレーザ光源に用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、試料1の塗布膜表面にレーザ光線を照射した。酸化第一銅は完全な還元が生じておらず、導電性パターンを得ることができなかった。
このように、実施例では、集束制御部を用いて複数のレーザ光を集束することで、レーザ光の出力を焼結に適した値まで高めた状態で、酸化銅が含まれる塗布膜にレーザ光を照射できた。これにより、酸化銅の銅粒子の焼結に適した波長のレーザ光を、焼結に適した出力で塗布膜に照射でき、酸化銅の銅粒子を効果的に焼結できた。この結果、低抵抗な導電性パターンを得ることができた。比較例では、酸化銅の銅粒子の焼結に適した波長のレーザ光の出力を高めることができず、銅粒子を焼結させることができなかった。
上記実施の形態においては、金属粒子として酸化銅粒子を例に挙げて説明したが、金属粒子を含む被処理層を焼結させ、金属配線を形成する場合に、本発明は適用することができる。したがって、金属粒子としては、銅、銀、金及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。
また、酸化銅粒子以外の金属酸化物粒子(例えば、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケルなどの微粒子)を含む被処理層を焼結させ、金属配線や電極を形成する場合にも、本発明は適用することができる。
また、上記実施の形態では、支持体上に金属粒子を含む被処理層を形成している。しかしながら、支持体自体に金属粒子を含有させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、金属粒子を含む被処理層を、金属粒子及び分散剤としてのリン含有有機物を含む分散体から形成する場合を例に挙げて説明したが、分散剤は、リン含有有機物以外の分散剤であってもよい。
また、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記各実施の形態を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態及び実施例は上記の各実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
本実施の形態では、本発明を金属配線の製造方法及び金属配線製造装置に適用した構成について説明したが、所望の波長の光線を、所望の出力で照射する方法及び装置に適用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、出力を焼結に適した値まで高めた状態で、金属粒子に光線を照射できるという効果を有し、特に、金属配線の製造方法及び金属配線製造装置に有用である。したがって、電子回路基板等の配線材、メッシュ電極、電磁波シールド材及び放熱材料の製造に好適に利用できる。
1、23 金属配線
11 被処理層
12 酸化銅粒子
13 リン酸エステル塩
20 金属配線付構造体
21、56 支持体
22 絶縁領域
23 金属配線
24 単一層
50 金属配線製造装置
51、52 レーザ光源
53、54 レーザ光
57 光線走査部
60 集束制御部
61 波長選択部材
62 反射偏光板
63 レンズ

Claims (15)

  1. 複数の光源から出射された各光線を、金属粒子を含む被処理層に集束するように、前記光源と、前記被処理層との間に配設される集束制御部を用いて制御して、
    集束した前記光線を、光線走査部により走査して、前記被処理層に、折り返し光を照射して、前記金属粒子を焼結することを特徴とする金属配線の製造方法。
  2. 前記光線は、走査線をオーバーラップさせながら照射される、請求項1に記載の金属配線の製造方法。
  3. 前記金属粒子は、銅、銀、金及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属配線の製造方法。
  4. 前記金属粒子は、酸化銅粒子であることを特徴とする請求項3に記載の金属配線の製造方法。
  5. 集束した前記光線は、ガルバノミラーにより走査されながら、前記被処理層に照射され、前記光線の熱によって、前記酸化銅粒子が銅粒子に変化すると共に焼結する、請求項4に記載の金属配線の製造方法。
  6. 前記被処理層を、前記酸化銅粒子及び分散剤を含む分散体を用いて形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の金属配線の製造方法。
  7. 前記被処理層は、さらにリン含有有機物を含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載の金属配線の製造方法。
  8. 複数の光源と、前記複数の光源から出射された各光線を、金属粒子を含む被処理層に集束するように制御するための前記光源と前記被処理層との間に配設された集束制御部と、集束した前記光線を走査させる光線走査部と、を有し、
    集束した前記光線を前記被処理層に、折り返し光を照射して、前記金属粒子を焼結することを特徴とする金属配線製造装置。
  9. 前記光線は、走査線をオーバーラップさせながら照射される、請求項8に記載の金属配線製造装置。
  10. 前記集束制御部において、少なくとも一つの前記光線を透過させ、残りの前記光線を反射させて、前記被処理層に集束することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
  11. 前記集束制御部は、波長選択部材であることを特徴とする請求項10に記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
  12. 前記集束制御部は、反射偏光板であることを特徴とする請求項10に記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
  13. 入射面と出射面とを有する前記集束制御部において、複数の前記光線を前記入射面に入射させ、前記出射面から出射させて、前記被処理層に集束することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
  14. 前記集束制御部は、レンズであることを特徴とする請求項13に記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
  15. 前記光線は、中心波長が355nmのレーザ光であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の金属配線の製造方法又は金属配線製造装置。
JP2018023240A 2018-02-13 2018-02-13 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置 Active JP7254444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018023240A JP7254444B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018023240A JP7254444B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019140283A JP2019140283A (ja) 2019-08-22
JP7254444B2 true JP7254444B2 (ja) 2023-04-10

Family

ID=67694396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018023240A Active JP7254444B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7254444B2 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001023919A (ja) 1999-07-08 2001-01-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd ダブルビーム用精密可変型矩形ビーム光学系
JP2006032916A (ja) 2004-06-14 2006-02-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 配線基板、及び半導体装置、並びにその作製方法
JP2006278659A (ja) 2005-03-29 2006-10-12 Seiko Epson Corp レーザ成膜方法、レーザ成膜装置、および電子機器
JP2009004669A (ja) 2007-06-25 2009-01-08 Panasonic Corp 金属配線基板の製造方法およびそれを用いて形成した金属配線基板
JP2010016058A (ja) 2008-07-01 2010-01-21 Sony Corp レーザ光源装置及びこれを用いたレーザ照射装置
JP2013243334A (ja) 2012-04-26 2013-12-05 Ricoh Co Ltd 印刷パターン形成装置および印刷パターン形成方法
JP2014075461A (ja) 2012-10-04 2014-04-24 Ricoh Co Ltd 導電性配線及び導電性配線作製方法
JP2014525141A (ja) 2011-06-24 2014-09-25 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 新規の熱処理装置
JP2014531741A (ja) 2011-08-12 2014-11-27 イントリンジック マテリアルズ リミテッド 高解像度印刷
JP2016058227A (ja) 2014-09-09 2016-04-21 富士フイルム株式会社 導電膜の製造方法
WO2016195047A1 (ja) 2015-06-02 2016-12-08 旭化成株式会社 分散体

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001023919A (ja) 1999-07-08 2001-01-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd ダブルビーム用精密可変型矩形ビーム光学系
JP2006032916A (ja) 2004-06-14 2006-02-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 配線基板、及び半導体装置、並びにその作製方法
JP2006278659A (ja) 2005-03-29 2006-10-12 Seiko Epson Corp レーザ成膜方法、レーザ成膜装置、および電子機器
JP2009004669A (ja) 2007-06-25 2009-01-08 Panasonic Corp 金属配線基板の製造方法およびそれを用いて形成した金属配線基板
JP2010016058A (ja) 2008-07-01 2010-01-21 Sony Corp レーザ光源装置及びこれを用いたレーザ照射装置
JP2014525141A (ja) 2011-06-24 2014-09-25 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 新規の熱処理装置
JP2014531741A (ja) 2011-08-12 2014-11-27 イントリンジック マテリアルズ リミテッド 高解像度印刷
JP2013243334A (ja) 2012-04-26 2013-12-05 Ricoh Co Ltd 印刷パターン形成装置および印刷パターン形成方法
JP2014075461A (ja) 2012-10-04 2014-04-24 Ricoh Co Ltd 導電性配線及び導電性配線作製方法
JP2016058227A (ja) 2014-09-09 2016-04-21 富士フイルム株式会社 導電膜の製造方法
WO2016195047A1 (ja) 2015-06-02 2016-12-08 旭化成株式会社 分散体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019140283A (ja) 2019-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102225197B1 (ko) 분산체, 그리고 이것을 이용한 도전성 패턴 구비 구조체의 제조 방법 및 도전성 패턴 구비 구조체
US8999204B2 (en) Conductive ink composition, method for manufacturing the same, and method for manufacturing conductive thin layer using the same
KR102559500B1 (ko) 산화구리 잉크 및 이것을 이용한 도전성 기판의 제조 방법, 도막을 포함하는 제품 및 이것을 이용한 제품의 제조 방법, 도전성 패턴을 갖는 제품의 제조 방법, 및 도전성 패턴을 갖는 제품
JP7430483B2 (ja) 導電性パターン領域付構造体及びその製造方法
TWI719646B (zh) 具有導電性圖案區域之構造體及其製造方法以及積層體及其製造方法
JP7254444B2 (ja) 金属配線の製造方法及び金属配線製造装置
JP7208803B2 (ja) 導電性パターン領域付構造体及びその製造方法
JP7037953B2 (ja) 金属配線の製造方法、金属配線付構造体及び金属配線製造装置
JP2019178059A (ja) 分散体の製造方法
JP2019160689A (ja) 分散体、塗膜を含む製品、導電性パターン付き構造体の製造方法、及び、導電性パターン付き構造体
JP7174618B2 (ja) 錫又は酸化錫インク、塗膜を含む製品及び導電性基板の製造方法
JP2021190714A (ja) 金属配線を有する構造体及びその製造方法
JP2021190713A (ja) 金属配線製造装置、及び金属配線の製造方法
JP2022002302A (ja) 金属配線を含む構造体及びその製造方法
JP2022022196A (ja) 金属配線の製造方法、金属配線製造装置、レーザ光照射制御装置及びレーザ光照射制御プログラム
JP2022043723A (ja) 金属配線の製造方法及びキット
TWI764362B (zh) 附導電性圖案之構造體及其製造方法
JP2021180303A (ja) 配線の製造方法及び配線製造装置
US20210225551A1 (en) Dispersing Element, Method for Manufacturing Structure with Conductive Pattern Using the Same, and Structure with Conductive Pattern
WO2022050392A1 (ja) 金属配線の製造方法及びキット
JP2022022195A (ja) 金属配線の製造方法、金属配線製造装置、レーザ光照射制御装置及びレーザ光照射制御プログラム
JP2021190594A (ja) 構造体、金属配線の製造方法、及び金属配線製造装置
JP2004111553A (ja) プラスチック回路素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7254444

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150