JP2004111553A - プラスチック回路素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチック回路素子は、パルス幅が10−12秒以下のレーザーの照射により、プラスチック構造体に設けられている電気導通部を部分的に解離切断し、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路が形成されていることを特徴とする。前記プラスチック構造体は、無機材料部と、電気導通部と、プラスチック部とがこの順で積層された層構成を有していてもよい。また、プラスチック回路素子の製造方法は、パルス幅が10−12秒以下のレーザーを、プラスチック構造体に設けられている電気導通部に焦点を合わせて照射し、電気導通部を部分的に解離切断して、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック回路素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子工業分野での技術開発は目覚ましく、新機能を有する製品が続々と発表されている。これに伴い、電子機器の部品素材においても各種機能を有するものが開発され、近年、プラスチック構造体(部品)の表面や内部を高機能化する要求が高まってきている。このような高機能化の要求に対して、プラスチック構造体自身をポリマーアロイ化又は複合化する材料面での技術対応と、要求に合わせて機能部位を組み込んだり、構造の制御を行ったりする加工面での技術対応との2つの面での取り組みが行われている。例えば、プラスチック構造体の表面の高機能化・高性能化では、表面の化学的、電気的、光学的、物理的等の特性改良・改質を目的に、材料、加工両面から色々と技術的な取り組みがなされている。また、プラスチック構造体の内部(バルク)の高機能化・高性能化では、電気や光の伝導性、光の透過性又は遮断性、水分やガスの透過性又は遮断性、熱・光・応力等の外部刺激に対する応答性又は記憶性などの様々な特性の要求に対応して、材料・加工面の両面から種々の技術的な取り組みがなされている。
【0003】
そこで、例えば、プラスチック構造体の内部に回路を形成する場合には、プラスチックの表面にレジストを形成し、露光、現像、導電性物質充填、レジスト除去、ポリマーによる充填といった多くの工程を要しており、このような多数の工程を経て回路を形成する必要があり、さらに、三次元的な回路を形成する場合には、必要な数の層を積層するなど複雑な工程を経て回路を形成する必要があった(特許文献1〜特許文献2参照)。
【0004】
一方、レーザー光源に対する技術進歩は著しく、特に、パルスレーザーでは、ナノ秒(10−9秒)のオーダーのパルス幅から、ピコ秒(10−12秒)のオーダーのパルス幅へと超短パルス化が進んでおり、更に最近では、チタン・サファイア結晶などをレーザー媒質とするフェムト秒(10−15秒)のオーダーのパルス幅を有するパルスレーザーなども開発されてきている。パルス幅が10−12秒以下である(例えば、パルス幅がフェムト秒のオーダーである)超短パルスレーザー又はそのシステムは、通常のレーザーが持つ、指向性、空間的・時間的なコヒーレントなどの特徴を有するとともに、パルス幅が極めて狭いことから、同じ平均出力であっても、単位時間・単位空間当たりの電場強度が極めて高いという特徴を有している。そのため、この高い電場強度を利用して、超短パルスレーザーを物質中に照射して新たな構造(誘起構造)を形成させる試みが、無機ガラス材料を主な対象物として行われてきている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−334308号公報
【特許文献2】
特開2001−83347号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のプラスチック製の回路素子(プラスチック回路素子)では、レジスト等により回路形成する必要があるので、作製が困難であるだけでなく作業性が低かった。
【0007】
従って、本発明の目的は、プラスチック構造体に直接書きこみ、容易に且つ優れた作業性で作製することができるプラスチック回路素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、パルス幅が10−12秒以下である超短パルスレーザーの照射により、プラスチック構造体の内部の電気導通部における任意の部位を電気非導通部として、電気導通回路を形成することにより作製されたプラスチック回路素子及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、パルス幅が10−12秒以下である超短パルスレーザーを、プラスチック構造体の内部の電気導通部位に焦点を合わせて照射すると、プラスチック構造体の内部において、前記パルスレーザーにより照射された部位の電気導通部が解離して、電気導通性を消失することを見出した。しかも、この電気導通部が三次元的に屈曲・屈折したものであっても、レーザーの焦点をその電気導通部の任意の部位に合わせることにより、任意の部位の電気導通性を消失させることができ、その結果、容易にプラスチック回路素子を得ることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、パルス幅が10−12秒以下のレーザーの照射により、プラスチック構造体に設けられている電気導通部を部分的に解離切断し、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路が形成されていることを特徴とするプラスチック回路素子を提供する。
【0010】
前記プラスチック構造体は、無機材料部と、電気導通部と、プラスチック部とがこの順で積層された層構成を有していてもよい。前記無機材料部は、ガラス材料又はケイ素原子含有化合物からなることが好ましい。
【0011】
本発明は、また、パルス幅が10−12秒以下のレーザーを、プラスチック構造体に設けられている電気導通部に焦点を合わせて照射し、電気導通部を部分的に解離切断して、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路を形成することを特徴とするプラスチック回路素子の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材又は部位については、同一の符号を付している場合がある。
[プラスチック回路素子]
図1は本発明のプラスチック回路素子の一例を示す概略鳥瞰図である。図2は本発明のプラスチック回路素子の他の例を示す概略鳥瞰図である。なお、図1、図2は、それぞれ、三次元の回路素子、二次元の回路素子のイメージを示している。図1又は図2において、1はプラスチック回路素子、11はプラスチック構造体、1aはプラスチック回路素子1又はプラスチック構造体11の上面、1b、1cは、それぞれ、プラスチック回路素子1又はプラスチック構造体11の隣り合う側面、2aはレーザー照射部(「電気非導通部」又は「非導通部」と称する場合がある)、2bレーザー非照射部(「電気導通回路部」又は「導通回路部」と称する場合がある)、3は電気導通部(「導通部」と称する場合がある)、4a、4bは、それぞれ、プラスチック部(ポリマー部)である。また、dはレーザー照射部2aの径又は幅を示す。
【0013】
図1〜2に係るプラスチック回路素子1は、略直方体であり、その上面1aは、X−Y平面に対して平行(又はZ軸に対して垂直)となっている。プラスチック回路素子1は、プラスチック構造体11の導通部3に、レーザー照射により非導通部2aが形成されたものである。前記非導通部2aは、プラスチック回路素子1の側面1bから側面1cにかけて形成されている。具体的には、例えば、図1では、非導通部2aは、プラスチック回路素子1の側面1bから内部にY軸と平行な方向に形成されている直線状部位2a1と、該直線状部位2a1連接し且つZ軸と平行な方向に形成されている直線状部位2a2と、該直線状部位2a2と連接し且つY軸と平行な方向に形成されている直線状部位2a3と、該直線状部位2a3と連接し且つX軸と平行な方向に側面1cまで形成されている直線状部位2a4とにより構成されている。
【0014】
このような非導通部2aは、プラスチック構造体11の内部に、パルス幅が10−12秒以下の超短パルスレーザーの焦点を、特定の方法により照射することにより形成することができる。例えば、超短パルスレーザーを、プラスチック構造体11に、一方の表面から他方の表面(例えば、側面1bから側面1c)にかけて導通部3に合わせた焦点を移動させながら照射することにより、非導通部2aを形成することができる。図1に係る非導通部2aは、パルス幅が10−12秒以下の超短パルスレーザーを用いて形成されている。すなわち、非導通部2aは、超短パルスレーザーが照射された(レーザーの焦点が合わせられた)レーザー照射部である。なお、導通回路部2bは、導通部3の超短パルスレーザーが照射されていない(レーザーの焦点が合わせられていない)レーザー未照射部(非照射部)であり、該レーザーの照射による影響を受けておらず電気導通可能な部位であり、元の状態又は形態を保持している。
【0015】
非導通部2aにおいて、ラインの幅や形状(例えば、非導通部が形成されている長手方向の形状や、該長手方向に対する垂直な面の断面における断面形状など)としては特に制限されない。非導通部2aは、レーザー照射による導通部3の解離切断により、電気導通性が消失させられた部位であればよい。非導通部2aの径または幅dとしては、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.5〜30μm程度の範囲から選択することができる。
【0016】
非導通部2aの長手方向の形状としては、直線状であってもよく、また屈曲又は屈折している形状であってもよく、さらには直線状と屈曲又は屈折している形状とが組み合わせられた形状であってもよい。該非導通部2aの長手方向の長さも特に制限されない。
【0017】
また、非導通部2aの断面形状のうち、該非導通部が形成されている長手方向に対する垂直な面の断面における断面形状としては、例えば、略円形状、略多角形状(例えば、略四角形状など)などが挙げられる。
【0018】
本発明では、非導通部2aは、その大きさや形状は、各部位で異なっていてもよい。また、1つのプラスチック構造体において、非導通部の数は、特に制限されず、単数であってもよく、複数であってもよい。内部に複数の非導通部を有しているプラスチック構造体では(1つのプラスチック構造体の内部に複数の非導通部が設けられている場合)、非導通部間の間隔は、任意に選択することができる。前記非導通部間の間隔は、5μm以上であることが好ましい。プラスチック構造体の内部に設けられた非導通部間の間隔が5μm未満であると、非導通部の作製時に非導通部同士が融合して、独立した複数の非導通部とすることができない場合がある。
【0019】
図1や2では、プラスチック回路素子1は、内部に導通部3を有するプラスチック構造体11にレーザーを照射して得られ、前記導通部3において、レーザーの焦点が合わせられた部位又はその周辺部が非導通部2aとなり、それ以外の部位(残部)が導通回路部2bとなっている。すなわち、導通部3は、レーザー照射後は、導電性(導通性)が消失した部位(非導通部2a)と、元のまま導電性(導通性)を保持している部位(導通回路部2b)とになっている。
【0020】
このような導通部3は、導電性物質により形成することができる。前記導電性物質としては、電気導電性(電気導通性)を有する物質であれば特に制限されず、導電性有機物質であってもよく、導電性無機物質であってもよい。導電性有機物質には、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロールなどの各種導電性高分子などが含まれる。また、導電性無機物質としては、例えば、各種の金属類などが挙げられる。導電性物質は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
本発明では、導通部3を形成する導電性物質としては、例えば、従来プリント配線基板の分野で実施されている無電解メッキ等において使用される金属類を好適に利用することができる。前記無電解メッキに使用される金属類としては、導電性を有している金属であれば特に制限されず、例えば、金、銀、銅、錫、クロム、ニッケル、コバルトなどの金属や、銅−ニッケル合金、ニッケル−コバルト合金、錫−ニッケル合金などの合金などが挙げられる。無電解メッキに使用される金属類は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
なお、本発明において、導通部3の形成は、例えば、導電性物質が導電性無機物質である場合、真空蒸着や、金属コロイド溶液の塗布などにより行うことができる。導通部3の厚みは、通常、0.005〜10μm程度の範囲から選択することができ、好ましくは0.01〜2μmである。
【0023】
なお、このような導通部3は、例えば、導通部3の上下面にプラスチック部が形成されている構成(すなわち、プラスチック部/電気導通部/プラスチック部の層構成)、導通部3の下面又は上面にプラスチック部が形成されている構成(すなわち、電気導通部/プラスチック部の層構成)、導通部3の下面にガラス材料、ケイ素原子含有化合物等の無機材料による無機材料部が形成され、上面にプラスチック部が形成されている構成(すなわち、プラスチック部/導通部/無機材料部の層構成)、導通部3の下がガラス、ケイ素等の無機材料による無機材料部が形成され、さらに、該無機材料部の下面にプラスチック部が形成されている構成(すなわち、導通部/無機材料部/プラスチック部の層構成)などの構成で形成されていてもよい。このように、導通部3は、プラスチック構造体の内部や表面(好ましくは内部)に設けることができる。
【0024】
このように、本発明のプラスチック回路素子1では、非導通部2aの形成により導通部3が電気的に切断されており、その結果、導通回路部2bが形成され、回路としての機能が発現している。すなわち、プラスチック回路素子は、導通部3におけるレーザーの非照射部(残存した電気導通部)を利用して形成された電気導通回路を有している。従って、レーザーの照射によって、目的とする形状の導通回路部が形成されるように非導通部を形成することにより、目的とする形状の電気導通回路を有するプラスチック回路素子を作製することができる。例えば、導通部の厚みが薄い場合、2つの非導通部間に挟まれた導通回路部を形成することにより、目的の形状の電気導通回路を有するプラスチック回路素子を作製することができる。また、導通部の厚みが厚い場合、非導通部に囲まれた導通回路部を形成することにより、目的の形状の電気導通回路を有するプラスチック回路素子を作製することができる。なお、この場合、非導通部の断面はドーナツ状を有しており、この断面ドーナツ状の内部が導通回路部になっている。
【0025】
導通部3は、図1に示されるように3次元的に形成されていてもよく、図2に示されるように2次元的に形成されていてもよい。導通部3が3次元的に形成されていると、3次元的な導通回路部2bを形成することができ、2次元的に形成されていると、2次元的な導通回路部2bを形成することができる。
【0026】
なお、導通部3又は導通回路部2bは、図1や2では、プラスチック回路素子1の一方の表面から他方の表面にかけて形成されているが、表面に露出せずに内部のみに形成されていてもよく、また、何れかの表面のみに露出した形態で形成されていてもよく、さらには、表面に形成されていてもよい。
【0027】
(非導通部の形成方法)
本発明のプラスチック回路素子では、パルス幅が10−12秒以下のレーザーをプラスチック構造体11の内部又は表面に設けられた導通部3に焦点を合わせて、その焦点位置を導通部3内で移動させながら照射して、非導通部2aを形成することができる。この際、パルス幅が10−12秒以下のレーザーは、単数で用いてもよく、複数で用いてもよい。すなわち、パルス幅が10−12秒以下のレーザーを照射する際には、図3で示されるような照射方法を採用することができる。このようなレーザーの照射によって、導通部3の導電性物質が爆発的に解離し、プラスチック樹脂中に分散することにより、前記レーザーの照射部における導通部3の電気的導通(電気的導通)が切断されている。
【0028】
図3は本発明のプラスチック回路素子を作製する一例を示す概略図である。より具体的には、図3は、図1に係るプラスチック回路素子の作製方法の一例を示している。図3において、1、11、1a、1b、1c、2a、2b、3、4a、4b、2a1、2a2、2a3、2a4は、それぞれ、図1と同様である。5はパルス幅が10−12秒以下である超短パルスレーザー(単に「レーザー」と称する場合がある)、51はレーザー5の焦点、Dはレーザー5の照射方向であり、6はレンズである。プラスチック構造体11は、プラスチック回路素子1を作製するための材料となるものである。そして、プラスチック構造体11の内部の導通部3中に非導通部2aが形成され、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により形成された電気導通回路を有するものが、プラスチック回路素子1となる。非導通部2aは、レーザー5の照射による影響を受けて、導通部3における導電性(導通性)が消失した部位であり、また、導通回路部2bは、レーザー5の照射による影響を受けておらず、導通部3における導電性(導通性)を消失していない部位である。また、4a、4bは非導電性(非導通性)のポリマーによるプラスチック部(プラスチック部4a、4bをプラスチック部4と総称する場合がある)である。従って、図3に示されているプラスチック回路素子1は、内部に導通部3を含有している非導電性のプラスチック部4の導通部3の一部が、非導通部2aに恒久的に変化して形成された形態を有している。
【0029】
図3では、レーザー5は1光束でプラスチック構造体11に向けて、照射方向Dの向きで、すなわちZ軸と平行な方向で照射している。なお、レーザー5はレンズ6を用いることにより焦点を絞って合わせることができる。従って、レーザー5の焦点を絞って合わせる必要がない場合などでは、レンズ6を用いる必要がない。
【0030】
また、プラスチック構造体11は略直方体であり、その上面はX−Y平面と平行な面となっている(Z軸と垂直となっている)。なお、プラスチック構造体11としては、直方体を用いているが、如何なる形状のものであってもよく、その大きさも特に制限されない。
【0031】
また、図3において、7aはレーザー5の照射をし始めたときの焦点を合わせた最初の位置又はその中心位置(「照射開始位置」と称する場合がある)である。7b、7c、7dは、レーザー5の照射の焦点又はその中心位置が移動する移動方向が変化した焦点の位置又はその中心位置(「移動屈曲位置」と称する場合がある)である。7eはレーザー5の照射を終えたときの焦点を合わせた最終の位置又はその中心位置(「照射終了位置」と称する場合がある)である。なお、照射開始位置7aはプラスチック構造体11の側面1b上の位置である。なお、照射終了位置7eはプラスチック構造体11の側面1c上の位置である。
【0032】
7はレーザー5の照射の焦点位置又は焦点の中心位置が移動した軌跡(「焦点位置軌跡」と称する場合がある)である。具体的には、照射開始位置7aから照射をし始めて、レーザー5の照射の焦点位置又はその中心位置(単に「焦点位置」と称する場合がある)を移動屈曲位置7bに向かって(すなわち、Y軸と平行な方向で)、移動屈曲位置7bまで移動させる。移動屈曲位置7bに到達すると、焦点位置の移動方向を移動屈曲位置7cの方向に(すなわち、Z軸と平行な方向で照射方向Dとは逆の方向に)変えて、移動屈曲位置7cまで焦点位置を移動させる。さらに、移動屈曲位置7cに到達すると、焦点位置の移動方向を照射位置7dの方向に(すなわち、Y軸と平行な方向に)変えて移動屈曲位置7dまで焦点位置を移動させる。最後に照射終了位置7eまで(すなわち、X軸と平行な方向に)焦点位置を移動させて照射終了位置7eまで焦点位置を移動させて、照射を終了する。この連続的に移動させた焦点位置の軌跡が焦点位置軌跡7となっている。
【0033】
さらに具体的には、まず、照射開始位置7aから移動屈曲位置7bにかけて、レーザー5の焦点位置を連続的に直線的に移動させて、レーザーの照射を行って、非導通部2aの直線状部位2a1を形成する。その後、レーザー5の焦点位置の移動方向を移動屈曲位置7cの方向に変えて、移動屈曲位置7bから移動屈曲位置7cにかけて連続的に直線的に移動させて、レーザーの照射を行って、非導通部2aの直線状部位2a2を形成する。さらにその後、レーザー5の焦点位置の移動方向を移動屈曲位置7dの方向に変えて、移動屈曲位置7cから移動屈曲位置7dにかけて連続的に直線的に移動させて、レーザーの照射を行って、非導通部2aの直線状部位2a3を形成する。さらにまたその後、レーザー5の焦点位置の移動方向を照射終了位置7eの方向に変えて、移動屈曲位置7dから照射終了位置7eにかけて連続的に直線的に移動させて、レーザーの照射を行って、非導通部2aの直線状部位2a4を形成する。このようにして、直線状部位2a1、直線状部位2a2、直線状部位2a3、直線状部位2a4からなる非導通部2aを形成することができる。これにより、回路素子として利用するためのプラスチック回路素子1を作製することができる。
【0034】
このように、パルス幅が10−12秒以下の超短パルスレーザーを、プラスチック構造体の導通部に焦点を合わせて照射することにより、非導通部を形成することができる。この際、該超短パルスレーザーを、プラスチック構造体のいずれかの表面から焦点を合わせて、該焦点を内部に移動させる方法で、プラスチック構造体の導通部に焦点を合わせて照射することが好ましい。このような超短パルスレーザーの照射方法により、例えば、プラスチック構造体の何れかの表面から内部に非導通部を形成することが可能であり、好ましくは一方の表面から他方の表面に非導通部を形成することができる。そして、回路が形成されたプラスチック回路素子を作製することができる。
【0035】
本発明では、レーザー5の焦点の位置を、レーザー5の照射方向Dに対して、導通部3の形状に則した範囲で平行な方向や垂直な方向や斜め方向等に移動させることが出来る。また、本発明では、レーザー5の焦点位置は、連続的又は間欠的に移動させることもできる。この様に、レーザー5の焦点位置を移動させながら照射することにより、焦点位置の移動方向に連続的に形成された非導通部2aを形成させることが出来る。
【0036】
レーザー5の焦点位置を移動させる速度(移動速度)は、特に制限されず、プラスチック構造体11の材質やレーザー5の照射エネルギーの大きさ等に応じて適宜選択することができる。
【0037】
本発明では、非導通部2aの大きさや形状は、レーザー5の照射時間、レーザー5の焦点位置の移動方向やその速度、プラスチック構造体11の材質の種類、レーザー5のパルス幅の大きさや照射エネルギーの大きさ、レーザー5の焦点を調整するためのレンズの開口数などにより適宜調整することができる。
【0038】
このように、本発明のプラスチック回路素子は、パルス幅が10−12秒以下のレーザーを、プラスチック構造体の内部又は表面に設けられている電気導通部に焦点を合わせて照射し、前記電気導通部を部分的に解離切断して、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路を形成することにより作製することができる。この方法では、超短パルスレーザーをその焦点を絞って照射して、前記焦点位置を移動させるという簡単な操作により、プラスチック構造体の電気導通部の任意の部位(内部など)に円滑に非導通部を形成して、プラスチック回路素子を作製することができる。
【0039】
(超短パルスレーザー)
図3において、超短パルスレーザー5におけるパルス幅は10−12秒以下である。超短パルスレーザーとしては、パルス幅が10−12秒以下であれば特に制限されず、パルス幅が10−15秒のオーダーのパルスレーザーを好適に用いることができる。パルス幅が10−15秒のオーダーであるパルスレーザーには、パルス幅が1×10−15秒〜1×10−12秒であるパルスレーザーが含まれる。より具体的には、超短パルスレーザーとしては、パルス幅が10×10−15秒〜500×10−15秒(好ましくは50×10−15秒〜300×10−15秒)程度であるパルスレーザーが好適である。
【0040】
パルス幅が10−12秒以下である超短パルスレーザーは、例えば、チタン・サファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生・増幅して得ることができる。
【0041】
超短パルスレーザーにおいて、その波長としては、例えば、可視光の波長領域(例えば、400〜800nm)であることが好ましい。また、超短パルスレーザーにおいて、その繰り返しとしては、例えば、1Hz〜80MHzの範囲から選択することができ、通常、10Hz〜500kHz程度である。
【0042】
なお、超短パルスレーザーの平均出力又は照射エネルギーとしては、特に制限されず、目的とする非導通部の大きさ等に応じて適宜選択することができ、例えば、600mW以下(例えば、5〜600mW)、好ましくは10〜400mW、さらに好ましくは10〜300mW程度の範囲から選択することができる。前述のように、プラスチック構造体11は、無機ガラス材料に比べて熱伝導性やガラス転移温度が低く、プラスチック構造体中の導通部を形成する導電性物質を解離させプラスチック中に分散させるためには、無機ガラス材料と同じような励起構造を形成するのに必要な照射エネルギーとしては、無機ガラス材料に必要な照射エネルギーの1/10〜1/100程度に低くすることができる。
【0043】
また、超短パルスレーザーの照射スポット径としては、特に制限されず、目的とする非導通部の大きさ、レンズの大きさや開口数又は倍率などに応じて適宜選択することができ、例えば0.1〜10μm程度の範囲から選択することができる。
【0044】
なお、プラスチック構造体に対して内部における単位体積当たりに照射されるエネルギーは、超短パルスレーザーの照射エネルギー、超短パルスレーザーの焦点の移動速度、焦点の深さ、焦点の絞りなどを調整することによりコントロールすることができ、その結果として形成される非導通部の形状などをコントロールすることができる。
【0045】
(プラスチック部)
プラスチック部4(4a,4b)としては、パルス幅が10−12秒以下の超短パルスレーザー5をプラスチック構造体11の外部から内部に照射することにより、プラスチック構造体11の導通部3に非導通部2aを形成させることが出来るプラスチック材料による部であればよい。プラスチック部4としては、導電性を有していないものが好ましいが、導電性を有していてもよい。超短パルスレーザー5によるレーザー加工を円滑に行うためには、プラスチック部4としては、400nm〜800nmの可視光波長領域において、10%以上の光透過性を有していることが好適である。
【0046】
また、プラスチック部4としては、回路用基材として熱分解や熱劣化が生じにくく、耐酸素性、耐薬品性に優れ、高温での機械的強度が高く、光学的に透明性の高い材料が好ましい。
【0047】
プラスチック部4を形成するプラスチック材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリアリール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンエーテル(ポリフェニレンエーテルなど)、ポリアリレートなどが挙げられる。プラスチック材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0048】
プラスチック部4は、単層又は積層体のいずれの形態を有していてもよい。なお、プラスチック部4は、例えば、図1等で示されるように、複数の層を有している場合、該複数のプラスチック部は、全て又は一部が同一のプラスチック材料により形成されていてもよく、全てが異なるプラスチック材料により形成されていてもよい。
【0049】
また、超短パルスレーザーを照射し、レーザー加工を行うプラスチック材料としては、上記プラスチック材料に限定されるものではなく、プラスチック材料単独でもブレンドでも共重合体でも、目的とする構造物(導通部内の非導通部)が超短パルスレーザーの照射によって形成されるのであれば、使用できる。また、プラスチック材料単独だけでなく、無機化合物や金属化合物などの他の材料を分散状態で含んだ複合体や他の材料を層状の状態で含んだ積層体であってもよい。また、必要に応じて架橋剤、滑剤、静電防止剤、可塑剤、分散剤、安定剤、界面活性剤、無機あるいは有機の充填剤など含有していてもよい。
【0050】
(無機材料部)
本発明では、前述のように、導通部3の下面に、無機材料部が形成されていてもよい。導通部3の下面に、無機材料部が形成されていると、より一層精密に非導通部2aを形成することができるようになる。このような無機材料部を形成する無機材料としては、特に制限されないが、ガラス材料、ケイ素原子含有化合物を好適に用いることができる。無機材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、無機材料部は、単層又は積層のいずれの構成を有していてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明では、プラスチック回路素子は、プラスチック構造体に対して、パルス幅が10−12秒以下の超短パルスレーザーを焦点位置又は照射位置を移動させながら照射するという簡単な方法により、作製することができる。従って、プラスチック構造体に直接書きこむ方法により製造することができ、作製時の工程数が少なく作業性が優れており、また、制作の容易性が高い。しかも、プラスチック構造体の内部における任意の部位に、電気導通回路を形成することが可能であり、回路素子の設計の自由度が優れている。
【0052】
さらに、本発明のプラスチック回路素子は、プラスチック特有の軽量、柔軟性、屈曲性、強靱性を有することができる。さらにまた、目的に応じた材料選択の範囲が広く、作製が容易で、機械的特性などの特性範囲が広い。
【0053】
そのため、本発明のプラスチック回路素子は、目的とする種々の特性を有するものを容易に得ることができ、実用性が極めて優れている。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
市販の青板ガラス基板、および金(Au)1gをスパッタリング装置(商品名「高周波スパッタリング装置」日本真空社製)に装着した。真空チャンバー内を4×10−4Paまで減圧(真空)排気した後、アルゴンガスを30SCCM導入し、高真空ポンプのメインバルブ開閉度を調整することで、圧力を0.4Paに調整した。その後、直流電源にてAuに300Wの電力を印加し、ガラス製基板上に厚さ60nmの金による膜(Au膜)を真空蒸着により成膜した。このAu膜上に、ポリイミドワニス[固形分20重量%、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)]を塗布し、350℃で乾燥して、乾燥後の厚さが約200μmのポリイミドフィルムをAu薄膜上に形成して、プラスチック構造体(層構成:ポリイミドフィルム/Au膜/青板ガラス基板、総厚み:2200μm;「照射サンプルA」と称する)を得た。
【0056】
前記照射サンプルAのポリイミドフィルム面(表面又は上面)側から、Au膜の位置又は部位を焦点にして、チタン・サファイア・フェムト秒パルスレーザー装置及び対物レンズ(倍率:10倍)を使用して、超短パルスレーザー(照射波長:800nm、パルス幅:150×10−15秒、繰り返し:200kHz)を、照射エネルギー(平均出力):300mW、照射スポット径:約4μmの条件で、照射サンプルAを照射方向(Z軸と平行な方向)に対して垂直な方向(Y軸と平行な方向)に、移動速度:約50μm/秒で、照射開始位置からの距離が3000μmのところまで直線移動させ、照射を行った。続けて、その位置から、さらに90°方向を変えた方向(すなわち、レーザーの照射方向と垂直な方向であり且つ前回の照射方向と垂直な方向である方向;X軸と平行な方向)に向きを変えて、移動速度:約50μm/秒で、距離が3000μmのところまで直線移動させて照射を終了して、図2で示されるような、2次元的に屈曲又は屈折されて形成されているレーザー照射部(非導通部)を有するプラスチック(プラスチック回路素子)を得た。このプラスチック回路素子の電気抵抗を測定したところ、Au膜の導電性(導通性)は、レーザー照射部(非導通部)において切断されていた。従って、2次元的な電気導通回路を有するプラスチック回路素子が得られた。
【0057】
なお、このプラスチック回路素子の断面を光学顕微鏡で観察して、非導通部の寸法などを測定したところ、非導通部の径(内径)は、11μmであった。
【0058】
(実施例2)
ポリエーテルイミド(商品名「ウルテム1000」GEポリマーランドジャパン株式会社製)を、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)中に20重量%溶解させて、ポリエーテルイミド溶液(溶液A)を調製した。この溶液Aを、ガラス板上に塗布し、350℃で乾燥させて、乾燥後の厚みが約200μmのポリエーテルイミドフィルムを得た。このポリエーテルイミドフィルムの上に、銀(Ag)のコロイド溶液(Agの濃度1重量%)を塗布し、100℃で乾燥して、厚さ250nmの銀による膜(Ag膜)を形成した。さらに、このAg膜上に再度、溶液Aを塗布し、350℃で乾燥後、約200μmのポリエーテルイミドフィルムを形成し、ガラス板から剥離して、プラスチック構造体(層構成:ポリエーテルイミドフィルム/Ag膜/ポリエーテルイミドフィルム、総厚み:400μm;「照射サンプルB」と称する)を得た。
【0059】
前記照射サンプルBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、超短パルスレーザーを照射して、2次元的に屈曲又は屈折されて形成されているレーザー照射部(非導通部)を有するプラスチック(プラスチック回路素子)を得た。このプラスチック回路素子の電気抵抗を測定したところ、Ag膜の導電性(導通性)は、レーザー照射部(非導通部)において切断されていた。
【0060】
(実施例3)
厚み125μmのポリイミドフィルムの一部をエッチング処理することにより、図1の4bで示されるようなポリイミドフィルム(最大厚み:125μm、最小厚み:75μm、段差:50μm;「ポリイミド段差フィルム」と称する)を作製した。さらに、青板ガラス基板に代えて、前記ポリイミド段差フィルムを用いること以外は、実施例1と同様にして、金の蒸着(Au蒸着)を行って、ポリイミド段差フィルム上に金による膜(Au膜)を形成し、さらに、そのAu膜上に、ポリイミドワニスを塗布後乾燥してポリイミドフィルムを形成して、図1で示されるような、ポリイミドからなるプラスチック部の内部に階段状に形成されているAu膜からなる電気導通部を有するプラスチック構造体(層構成:ポリイミドフィルム/Au膜/ポリイミドフィルム、総厚み:約320μm;「照射サンプルC」と称する)を得た。なお、照射サンプルCにおいて、Au膜と下面との距離は、最小が75μmで、最大が125μmであり、その形状は、段差が50μmの階段状である。
【0061】
前記照射サンプルCの上面から、Au膜の位置又は部位を焦点にして、焦点移動・移動速度に関する条件以外は実施例1と同様に超短パルスレーザーを照射した。具体的には、図3で示されるように、Au膜(導通部)に焦点を当てることを原則にして、照射サンプルCを照射方向に対して垂直の方向(Y軸と平行な方向)に、移動速度:50μm/秒で、照射開始位置からの距離が300μmのところまで直線移動させて、照射を行った。続けて、その位置からレーザー照射方向の反対方向(Z軸と平行な方向)に、移動速度:約10μm/秒で、距離が50μmのところまで直線移動させて照射し、さらに、続けて、再度Y軸と平行な方向に移動速度:50μm/秒で、距離が300μmのところまで、次に該照射方向と90°右の方向(すなわち、レーザーの照射方向と垂直な方向で且つ前回の照射方向と垂直な方向である方向;X軸と平行な方向)に向きを変えて、移動速度:約50μm/秒で、距離が3500μmのところ(端面)まで直線移動させて照射を行って、照射を終了した。その結果、図1で示されるような、3次元的に屈曲又は屈折されて形成されているレーザー照射部(非導通部)を有するプラスチック(プラスチック回路素子)を得た。このプラスチック回路素子の電気抵抗を測定したところ、Au膜の導電性(導通性)は、レーザー照射部(非導通部)において切断されていた。従って、3次元的な電気導通回路を有するプラスチック回路素子が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック回路素子の一例を示す概略鳥瞰図である。
【図2】本発明のプラスチック回路素子の他の例を示す概略鳥瞰図である。
【図3】本発明のプラスチック回路素子を作製する一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 プラスチック回路素子
11 プラスチック構造体
1a プラスチック回路素子1又はプラスチック構造体11の上面
1b プラスチック回路素子1又はプラスチック構造体11の側面
1c プラスチック回路素子1又はプラスチック構造体11の側面
2a レーザー照射部
2a1 レーザー照射部2aの直線状部位
2a2 レーザー照射部2aの直線状部位
2a3 レーザー照射部2aの直線状部位
2a4 レーザー照射部2aの直線状部位
2b レーザー非照射部
3 電気導通部
4a プラスチック部(ポリマー部)
4b プラスチック部(ポリマー部)
d レーザー照射部2aの径又は幅
5 パルス幅が10−12秒以下である超短パルスレーザー
51 レーザー5の焦点
6 レンズ
D レーザー5の照射方向
7 レーザー5の焦点位置軌跡
7a レーザー5の照射開始位置
7b レーザー5の移動屈曲位置
7c レーザー5の移動屈曲位置
7d レーザー5の移動屈曲位置
7e レーザー5の照射終了位置
Claims (4)
- パルス幅が10−12秒以下のレーザーの照射により、プラスチック構造体に設けられている電気導通部を部分的に解離切断し、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路が形成されていることを特徴とするプラスチック回路素子。
- プラスチック構造体が、無機材料部と、電気導通部と、プラスチック部とがこの順で積層された層構成を有している請求項1記載のプラスチック回路素子。
- 無機材料部が、ガラス材料又はケイ素原子含有化合物からなる請求項2記載のプラスチック回路素子。
- パルス幅が10−12秒以下のレーザーを、プラスチック構造体に設けられている電気導通部に焦点を合わせて照射し、電気導通部を部分的に解離切断して、前記電気導通部におけるレーザーの非照射部により電気導通回路を形成することを特徴とするプラスチック回路素子の製造方法。
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