JP7253510B2 - 旋回角度の補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、旋回機構を有する重機などにおける旋回角度の補正方法に関する。
建設機械には、例えば、バックホウやクレーン等のように、下部機構に対して上部機構が旋回するものがある。このような旋回機構を有する重機を利用して無人化施工を行うためには、重機の正しい位置や向きを把握するために、上部機構の旋回角度を検出する必要がある。上部機構の旋回角度は、上部機構に設けたジャイロセンサにより測定可能であるが、ジャイロセンサなどの慣性センサでは、ドリフト誤差が発生してしまい、時間の経過とともに精度が低下してしまう。
上部機構の旋回角度を検出する他の方法として、重機に取り付けられた複数のプリズムをトータルステーションで測距する方法や、重機に設置された複数の測位センサ(例えば、GPS受信機)により位置を検出する方法などがある。
ところが、トータルステーションを利用した方法は、トータルステーションを設置する場所を確保する必要があるとともに、重機の行動範囲がトータルステーションの測距範囲に限られてしまう。また、測位センサを利用する方法では、正確性を高めるために多数の測位センサを設置する必要がある。
また、特許文献1には、重機の旋回軸に設置されたエンコーダにより上部機構の旋回角度を検出する旋回角度検出装置が開示されている。しかしながら、エンコーダの設置作業に費用と手間がかかる。
特開2015-160676号公報
本発明は、慣性センサを利用して旋回機構の旋回角度を検出する場合において発生するドリフト誤差を補正可能な旋回角度の補正方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ベース機構上で旋回する旋回機構の旋回角度を慣性センサにより検知する場合において、前記慣性センサに生じるドリフト量を補正する旋回角度の補正方法である。本発明の旋回角度の補正方法は、前記旋回機構に設けられた前記慣性センサにより、前記旋回機構に設けられた検出センサと前記ベース機構に取り付けられた検出体とがすれ違った際の旋回角度である検出旋回角度を検出する第一ステップと、前記検出センサと前記慣性センサとの位置関係により前記検出センサと前記検出体とがすれ違った際の前記慣性センサの旋回角度である基準旋回角度を求める第二ステップと、前記検出旋回角度から前記基準旋回角度を減じて誤差量を算出する第三ステップと、前記第一ステップから前記第三ステップを複数回繰り返すことにより求められた前記検出旋回角度の絶対値と前記誤差量との関係から回帰式を求める第四ステップと、前記回帰式の傾きAを補正係数αとして補正旋回角度θを算出する第五ステップとを備えている。
なお、前記第二ステップでは、基準旋回角度に加えて初期時刻から前記検出センサと前記検出体とがすれ違うまでの前記旋回機構の稼働時間を求めてもよく、この場合には、第四ステップにおいて前記稼働時間と前記誤差量との関係から回帰式を求めればよい。
かかる旋回角度の補正方法によれば、慣性センサに生じたドリフト量を補正することができるため、旋回機構を有する重機などの正しい位置や向きを精度よく把握できる。また、第一ステップから第三ステップをより多く繰り返すことで求められた検出旋回角度を利用することで、より精度を高められる。また、ジャイロセンサ等の慣性センサと、検出センサおよび検出体とを利用した簡易な構成なため、既存の重機に後付けする場合であっても、重機に対する大掛かりな改造を必要としない。
なお、前記第五ステップでは、式1に前記補正係数αを代入することで前記補正旋回角度θを算出するのが望ましい。
θ=(1+k・α)ω・d+θi-1 ・・・式1
θ:補正旋回角度
:1または-1
α :補正係数
ω:角速度
:測定間隔
ここで、前記検出センサと前記検出体とが最初にすれ違った時点を誤差量0とすることが好ましい。
さらに、前記基準旋回角度から前記補正旋回角度を減じた値を補正値とし、前記検出センサと前記検出体とがすれ違ったときから次に前記検出センサと前記検出体とがすれ違うまでの補正旋回角度に前記補正値を加えることが好ましい。このようにすると、より高精度に旋回機構の旋回角度を検出することができる。
本発明の旋回角度の補正方法によれば、慣性センサのドリフト誤差を補正して、より高精度に旋回機構の旋回角度を検出することが可能となる。
本実施形態に係る旋回角度検出装置が設けられたバックホウの斜視図である。 旋回角度検出装置を示す模式図である。 検出センサおよび検出体の取付状況を示す概略図である。 旋回角度検出装置による旋回角度の検知能力を確認するために行った実験の試験台の概要図である。 実験時のエンコーダによる測定結果を示すグラフである。 (a)は実験時の慣性センサの測定結果に基づいて算出した旋回角度を示すグラフ、(b)は(a)の測定結果における誤差を示すグラフである。 絶対旋回角度とエンコーダにより測定された角度との誤差を示すグラフである。 最初に検出体を通過した時点を初期値0とした場合の測定結果における誤差を示すグラフである。 回帰直線式の傾き係数Aの変化を示すグラフである。 補正後の旋回角度と補正前の旋回角度を示すグラフである。
本実施形態では、下部機構(下部走行体)11と上部機構(上部旋回体)12とを備えるバックホウ1において、下部機構11に対する上部機構12の向きを正確に把握するための旋回角度検出装置2について説明する。図1は、旋回角度検出装置2を備えるバックホウ1の斜視図である。下部機構11は、バックホウ1の走行体を構成している。下部機構11には、旋回機構13の下部分(ベース部分)が固定されているとともに、検出体5が設けられている。上部機構12は、旋回機構(例えば、旋回ベアリング)13を介して下部機構11に対して旋回可能である。上部機構12は、旋回中心線(旋回機構13の中心部)を中心に旋回する。上部機構12には、検出センサ6が設けられている。下部機構11と上部機構12との間には、旋回機構13により隙間が形成されている。上部機構12は、旋回機構13の上部分(旋回部分)に固定されていて、上部機構12の前部に設けられたアーム14と、アーム14の先端に取り付けられたアタッチメント(例えば、バケット)15と、バックホウ1の操作を行う運転席16と、バックホウ1の動力源(例えば、エンジン)とを備えている。
図2に旋回角度検出装置2の概要を示す。旋回角度検出装置2は、図2に示すように、慣性センサ3と、角度算出手段4と、検出体5と、検出センサ6と、角度補正手段7とを備えている。検出体5は既知の旋回角の位置に設置されている。
慣性センサ3は、上部機構12に取り付けられていて、上部機構12とともに旋回中心線回りに回動することで、上部機構12の角速度又は角加速度を検出する(図1参照)。慣性センサ3は、有線または無線通信回線を介して角度算出手段4に接続されており、慣性センサ3の検出値は、角度算出手段4に送信される。本実施形態では、慣性センサ3として一軸ジャイロセンサを使用する。なお、慣性センサ3の構成は限定されるものではなく、例えば、三軸加速度センサと三軸ジャイロセンサとを搭載したいわゆる六軸センサであってもよい。
角度算出手段4は、慣性センサ3で検出された角速度ωを時間で積分することにより、上部機構12の旋回角度θを算出する(式2参照)。角度算出手段4により算出された検出旋回角度θは、記憶手段41に記憶される。なお、角加速度を時間で積分して角速度ωを求め、これをさらに検出旋回角度θを求めてもよい。
θ=ω・dt+θi-1 ・・・式2
θ:検出旋回角度(deg)
ω:角速度(deg/s)
dt:測定間隔(s)
θi-1:過去の検出旋回角度(deg)
図3は、検出センサ6および検出体5の取付状況を示す概略図である。
検出センサ6は、図3に示すように、旋回機構13の上部機構12側に固定されている。なお、検出センサ6は、上部機構12に直接固定してもよいし、台座等を介して上部機構12に固定してもよい。検出センサ6は、旋回機構13の外側において上部機構12の下面に、下向きに突出した状態で固定されている。検出センサ6は、検出体5とすれ違ったとき(対面したとき)に検出信号を出力するいわゆる近接センサ61により構成されている。検出センサ6は、図2に示すように、有線または無線通信回線を介して角度補正手段7に接続されていて、検出センサ6から出力された検出信号は角度補正手段7に送信される。本実施形態の検出センサ6は、上部機構12の旋回角が0°のときに、旋回軸から下部機構11の進行方向に向けて伸びる直線上に配置されている(図3参照)。
検出体5は、図3に示すように、下部機構11側に固定されている。なお、検出体5は、下部機構11に直接固定されていてもよいし、台座等を介して間接的に固定されていてもよい。検出体5は、検出センサ6と対面が可能となるように、旋回機構13の外側において、下部機構11の上面に上向きに突出した状態で固定されている。本実施形態では、四つ(図3では二つのみ表示)の検出体5が旋回方向に間隔をあけて設けられている。各検出体5は、原点から旋回中心線周りに所定角度だけ回転した位置に設置されている。すなわち、検出体5は、上部機構12が下部機構11の進行方向と一致する向きを原点として、既知の角度だけ旋回した位置に設けられている。
角度補正手段7は、図2に示すように、角度算出手段4の記憶手段41に接続されている。角度補正手段7は、慣性センサ3に生じるドリフト量の補正を行う。ドリフト量の補正は、以下の手順により行う。
まず、旋回機構13に設けられた慣性センサ3により、旋回機構13に設けられた検出センサ6と下部機構11(ベース機構)に取り付けられた検出体5とがすれ違った際の旋回角度である検出旋回角度を検出する(第一ステップ)。すなわち、第一ステップでは、検出センサ6が検出体5を検出した際の角速度ω又は角加速度を慣性センサ3により検知したら、式2により旋回角度(検出旋回角度)θを求める。
次に、検出センサ6と慣性センサ3との位置関係により、検出センサ6と検出体5とがすれ違った際の慣性センサ3の旋回角度である基準旋回角度を求める(第二ステップ)。慣性センサ3と検出センサ6は、いずれも旋回機構13上に設けられているので、旋回機構13上において慣性センサ3と検出センサ6の位置関係(検出センサ6に対する慣性センサ3の角度)は不変である。したがって、第二ステップにおいて、検出センサ6が検出体5を検出した際の慣性センサ3の位置は、検出センサ6の位置と角度に基づいて求めることができる。
続いて、検出旋回角度θから基準旋回角度を減じて誤差量を算出する(第三ステップ)。
次に、これらの第一ステップから第三ステップを複数回繰り返すことにより求められた検出旋回角度θi0の絶対値と誤差量との関係から回帰式を求める(第四ステップ)。本実施形態では、誤差量の変化から最小二乗法により回帰直線式(y=Ax+B)を求める。
そして、回帰式の傾きAを補正係数αとし、式3に補正係数αを代入することで補正旋回角度θを算出する(第五ステップ)。なお、本実施形態では、基準旋回角度から補正旋回角度θを減じた値を補正値とし、検出センサ6と検出体5とがすれ違ったときから次に検出センサ6と検出体5とがすれ違うまでの検出旋回角度θに補正値を加えるものとする。
θ=(1+k・α)ω・d+θi-1 ・・・式3
θ:補正旋回角度(deg)
:1または-1
α :補正係数
ω:角速度(deg/s)
:測定間隔(s)
θi-1:過去の旋回角度(deg)
また、角度補正手段7は、検出センサ6から検出信号が出力されたときに、旋回角度θを、検出体5の位置に応じた角度に置き換える補正を行う(近接補正)。すなわち、式3における過去の旋回角度θi-1を検出体5の位置に応じた旋回角度θに置き換える(式4参照)。角度補正手段7の補正により、ドリフト誤差がリセットされるため、ドリフト誤差の累積が防止される。すなわち、角度算出手段4は、慣性センサ3の測定結果(角速度ω)と検出体5の位置に応じた既知の旋回角度θとを利用して、上部機構12の今回の補正旋回角度θを算出する。補正後の旋回角度θは記憶手段41に記憶され、次回の補正旋回角度θの算出に利用される。
θ=(1+k・α)ω・d+θ ・・・式4
θ:補正旋回角度(deg)
:1または-1
α :補正係数
ω:角速度(deg/s)
dt:測定間隔(s)
θ:検出体の位置に応じた旋回角度(deg)
バックホウ1を駆動すると、所定の時間(測定間隔dt)ごとに慣性センサ3により上部機構12の旋回時の角速度ω(又は角加速度)が計測される。慣性センサ3による計測結果は、角度算出手段4に出力される。角度算出手段4は、慣性センサ3の計測結果に基づいて式2により上部機構12の旋回角度θを算出し、記憶手段41に記憶する。上部機構12の旋回により検出センサ6が検出体5に近接すると、検出センサ6が検出体5を検知して、検知結果を角度補正手段7に送信する。角度補正手段7は、検出センサ6から送信された検知結果に基づいて、いずれの検出体5であるかを特定し、予め設定された検出体5の角度(既知の旋回角度θ)を、記憶手段41に記憶された前回の旋回角度θi-1と置き換える(式4参照)。これにより、慣性センサ3のドリフト誤差の累積がリセットされるため、より精確な補正旋回角度θを算出することができる。なお、本実施形態では、検出センサ6と検出体5を最初に検知した時点を誤差量0とする。
本実施形態の旋回角度の補正方法によれば、慣性センサ6に生じたドリフト量を補正することができるため、旋回機構13を有する重機などの正しい位置や向きを精度よく把握できる。また、第一ステップから第三ステップをより多く繰り返すことで求められた検出旋回角度を利用することで、より精度を高められる。その結果、上部機構12の補正旋回角度θを高精度に把握することができる。このような旋回角度検出装置2を無人化施工に使用すれば、重機の向きを正確に把握することができるため、施工を高精度に行うことが可能となる。
また、ジャイロセンサ等の慣性センサ3と、検出センサ6および検出体5とを利用した簡易な構成なため、既存の重機に後付けする場合であっても、重機に対する大掛かりな改造を必要としない。
また、バックホウ1に検出センサ6および検出体5を設置する作業が簡易であるため、バックホウ1に対して大掛かりな改造を必要とせず、旋回角度検出装置2の設置の費用や手間が少ない。検出センサ6と検出体5は、バックホウ1の外側から取り付けることができる。したがって、既存の重機を無人化施工に使用する場合であっても、自動運転化に必要な改良を簡易に行うことができる。
次に、旋回角度検出装置2による旋回角度θの検知能力を確認するために行った実験結果を示す。図4は、実験に使用した装置の概要を示す斜視図である。
本実験では、図4に示すように、台座111上に旋回テーブル112が設けられた試験台110を利用した。旋回テーブル112は、台座111に対して旋回可能である。台座111と旋回テーブル112との間には、回転位置を検知するエンコーダ108を旋回ベアリングに設けた。また、旋回テーブル112上には、慣性センサ103を設置するとともに、検出センサ106を設けた。一方、台座111には、三つの検出体105を互いに間隔をあけて設置した。検出体105は、原点から旋回中心線周りに所定角度だけ回転した位置に設置した。検出体105は、検出センサ106と面するように、台座111上に設けた。本実験では、慣性センサ103の測定値に基づいて旋回テーブル112の旋回角度を算出するとともに、検出センサ106による検出結果を利用して旋回角度の算出値を補正した結果を、エンコーダ108により検出された旋回角度と比較する。旋回テーブル112は、任意の回転数で正反転を行う。
エンコーダ108の測定結果による旋回角度を図5に示し、慣性センサ103の測定値に基づいて算出した旋回角度を図6(a)に示す。また、エンコーダ108の測定結果と慣性センサ103の測定結果との差(ドリフト量)を図6(b)に示す。図6(b)に示すように、慣性センサ103による測定結果には、ドリフト量が累積している。ドリフト量は、経過時間とともに変化する。式5は、経過時間に伴う変化量を補正するためのモデル式である。
θ=ω・dt+α+θi-1 ・・・式5
式5では、サンプリング時間に変数αを求めて補正することになる。サンプリング時間に変数を加算し補正する場合において、微小時間をカウントするとカウンターの桁数が増大するため、補正モデルとして、角速度の変化になる補正モデル式(式6)を用いる。
θ=(1+α)・ω・dt+θi-1 ・・・式6
ドリフト量を算出し、時間の経過から角速度の経過変化量に対する誤差角度を算出する必要がある。慣性センサ103の旋回方向は任意の回転方向、すなわち左右(正転逆転)方向に変化するため、角速度経過変化量の扱いを角速度の絶対値(|±ω|)として取り扱う。絶対旋回角は式7により求まる。
|θ|=|ω|・dt+|θi-1| ・・・式7
図7に、式7により求めた絶対旋回角とエンコーダ108との誤差角度との関係を示す。ドリフト量の補正は、この誤差角の変化を最小二乗法による回帰直線式Lにより補正を行う。本例による回帰式は一次式であるが二次以上の近似式であっても同様に補正式を求めることができる。
図8に検出センサ106が検出体105を通過したときの慣性センサ103の旋回角との誤差を示す。図8では、検出センサ106が最初に検出体105を通過した時点を初期値0としている。最小二乗法による回帰直線式を求めるためには、3つ以上の測点が必要なため、検出センサ106が検出体105を3回検知した時点から回帰直線式を求める。
慣性センサ103の補正式に用いるαには、回帰直線式(y=Ax+B)の傾きAを用いる。すなわち、α=-Aが慣性センサ103のドリフト量の補正係数となる。
図9に検出センサ106が検出体105を通過する毎に回帰直線を傾きAを算出した結果を示す。図9に示すように、既知点である検出体105の通過回数が増大する度に傾きAの値が安定していく(傾きAの値が-0.0075付近で収束していく)。
ここで、補正係数αを求めるためには、慣性センサ103から出力された角速度を絶対角速度としてαを求めたため、実際の任意な旋回方向(正転・逆転)時に補正係数αの値を正負に切り替える必要がある。すなわち、正転時の角速度を+ω、逆転時の角速度を-ωとして慣性センサ103から出力される場合、正転時の補正係数を+α、逆転時の補正係数を-αとする。
したがって、式6は、式8のようになる。
θ=(1+k・α)・ω・dt+θi-1 ・・・式8
ここで、k:+1又は-1
図10に補正後の旋回角度と補正前の旋回角度を示す。図10に示すように、本実施形態の旋回角度の補正方法(近接補正(式4)とドリフト量の補正(式3)とを組み合わせた補正)により補正した角度誤差(近接・ドリフト補正角誤差L2)は、補正前の旋回角度誤差(単純旋回角誤差L0)に比べて、誤差量が大幅に改善されることが解る。また、ドリフト量の補正のみの場合(ドリフト補正旋回角誤差L1)であっても、補正前の旋回角度(単純旋回角誤差L0)に比べて誤差量が大幅に改善されている。
したがって、本実施形態の旋回角度の補正方法により慣性センサ3を利用した旋回機構の旋回角度を検出する場合において発生するドリフト誤差を補正できることが確認できた。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態の旋回角度検出装置2を使用可能な重機は、下部機構11上で上部機構12が旋回する重機であればバックホウ1に限定されるものではなく、例えばクレーン等であってもよい。
前記実施形態では、検出旋回角度の絶対値と誤差量との関係から回帰式を求めるものとしたが、稼働時間と誤差量との関係から回帰式を求めてもよい。また、回帰式は、直線に限定されるものではない。
前記実施形態では、検出体5を検出した際に、検出体5の角度(既知の旋回角度θ)を、記憶手段41に記憶された前回の旋回角度θi-1と置き換えるものとしたが、前回の旋回角度θi-1は必ずしも置き換える必要はない。
また、前記実施形態では、検出センサ6が検出体5を最初に検知した時点を誤差量0としたが、誤差量を0にするタイミングは限定されるものではなく、例えば、バックホウ1の起動時であってもよい。
また、前記実施形態では、下部機構11に検出体5を設置し、上部機構12に検出センサ6を設置する場合について説明したが、下部機構11に検出センサ6を設置し、上部機構12に検出体5を設置してもよい。
また、前記実施形態では、複数の検出体5を一つの検出センサ6により検知する場合について説明したが、複数の検出センサ6により一つの検出体5を検知するようにしてもよい。例えば、複数の検出センサ6を下部機構11の位置(原点に対する角度)が既知な位置に配設し、一つの検出体5を上部機構12に設けて、上部機構12とともに旋回する検出体5が検出センサ6の前を通過した際の検出センサ6の位置により補正を行ってもよい。
また、複数の検出体5を一つの検出センサ6により検知する場合における検出体5の数は、二つ以上であれば限定されるものではない。
また、前記実施形態では、検出センサ6として、近接センサ61を使用する場合について説明したが、検出センサ6の種類は限定さえるものではなく、例えば、光センサや磁気センサであってもよい。
1 バックホウ
11 下部機構(ベース機構)
12 上部機構
13 旋回機構
2 旋回角度検出装置
3 慣性センサ
4 角度算出手段
5 検出体
6 検出センサ
7 角度補正手段

Claims (5)

  1. ベース機構上で旋回する旋回機構の旋回角度を慣性センサにより検知する場合において、前記慣性センサに生じるドリフト量を補正する旋回角度の補正方法であって、
    前記旋回機構に設けられた前記慣性センサにより、前記旋回機構に設けられた検出センサと前記ベース機構に取り付けられた検出体とがすれ違った際の旋回角度である検出旋回角度を検出する第一ステップと、
    前記検出センサと前記慣性センサとの位置関係により、前記検出センサと前記検出体とがすれ違った際の前記慣性センサの旋回角度である基準旋回角度を求める第二ステップと、
    前記検出旋回角度から前記基準旋回角度を減じて誤差量を算出する第三ステップと、
    前記第一ステップから前記第三ステップを複数回繰り返すことにより求められた前記検出旋回角度の絶対値と前記誤差量との関係から回帰式を求める第四ステップと、
    前記回帰式の傾きAを補正係数αとして補正旋回角度θを算出する第五ステップと、を備えることを特徴とする、旋回角度の補正方法。
  2. 前記第五ステップにおいて、式1に前記補正係数αを代入することで前記補正旋回角度θを算出することを特徴とする、請求項1に記載の旋回角度の補正方法。
    θ=(1+k・α)ω・d+θi-1 ・・・式1
    θ:補正旋回角度
    :1または-1
    α :補正係数
    ω:角速度
    :測定間隔
  3. ベース機構上で旋回する旋回機構の旋回角度を慣性センサにより検知する場合において、前記慣性センサに生じるドリフト量を補正する旋回角度の補正方法であって、
    前記旋回機構に設けられた前記慣性センサにより、前記旋回機構に設けられた検出センサと前記ベース機構に取り付けられた検出体とがすれ違った際の旋回角度である検出旋回角度を検出する第一ステップと、
    前記検出センサと前記慣性センサとの位置関係により、前記検出センサと前記検出体とがすれ違った際の前記慣性センサの旋回角度である基準旋回角度を求めるとともに、初期時刻から前記検出センサと前記検出体とがすれ違うまでの前記旋回機構の稼働時間を求める第二ステップと、
    前記検出旋回角度から前記基準旋回角度を減じて誤差量を算出する第三ステップと、
    前記第一ステップから前記第三ステップを複数回繰り返すことにより求められた前記稼働時間と前記誤差量との関係から回帰式を求める第四ステップと、
    前記回帰式の傾きAを補正係数αとして補正旋回角度θを算出する第五ステップと、を備えることを特徴とする、旋回角度の補正方法。
  4. 前記検出センサと前記検出体とが最初にすれ違った時点を誤差量0とすることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の旋回角度の補正方法。
  5. 前記基準旋回角度から前記補正旋回角度を減じた値を補正値とし、
    前記検出センサと前記検出体とがすれ違ったときから次に前記検出センサと前記検出体とがすれ違うまでの補正旋回角度に前記補正値を加えることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の旋回角度の補正方法。
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